以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
図1は、本発明における遊技機1の外観構成の一例を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。
図1に示すように、遊技機1は、遊技機本体1aの正面側に開閉可能に取り付けられた前枠部材3を備えている。前枠部材3は、その中央に透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有している。遊技者は、この透明ガラス板2aを介して遊技機1の正面側から遊技機本体1aに取り付けられる遊技盤10を視認可能である。前枠部材3は、窓部2の下部右側に、遊技者が操作するハンドルレバー4を備えている。遊技者がこのハンドルレバー4を右回り方向(時計回り方向)に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で1球ずつ打ち出されるようになっている。
前枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられた一対のスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えている。スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成されている。
図2は、本実施形態において前枠部材3の背面側で遊技機本体1aに取り付けられる遊技盤10の一例を示す正面図である。遊技盤10は、遊技機1の正面側に相当する遊技盤面10aに、外側レール11と内側レール12とで囲まれた遊技領域13を有している。この遊技領域13は、遊技者が、前枠部材3の透明ガラス板2aを介して遊技機1の正面側から視認可能である。遊技者がハンドルレバー4を操作することによって打ち出される遊技球は、遊技領域13の左側に設けられた外側レール11と内側レール12の間の空隙から遊技領域13の上部に向かって打ち出される。
遊技領域13の内側には、遊技盤10の略中央に位置するように液晶表示デバイスなどで構成された画像表示器8が設けられており、さらにその画像表示器8の周縁にはセンター役物などとも呼ばれる飾り枠体14が設けられている。画像表示器8は、演出のための各種の演出画像を表示するためのものであり、遊技の進行に伴い、例えば大当たり抽選の結果を、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄によって報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したり、或いは、リーチ演出として各種の動画像を表示したりする。飾り枠体14は画像表示器8の画面枠を規定している。この飾り枠体14には種々のランプや可動物などの演出用役物が配置されており、画像表示器8において表示される各種演出と連動した演出を行うように構成されている。
遊技領域13の内側において飾り枠体14の周囲には、多数の釘15、スルーゲート16(16a,16b)、風車17、普通入賞口18、第1始動口19、電動チューリップ20、第2始動口21、大入賞口22、大入賞口22を開閉する開閉扉23、アウト口24等の公知の部材が配置されている。
また遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部には、複数のLED表示素子で構成される表示器25が設けられている。この表示器25は、遊技機1における各種抽選結果を表示したり、遊技機1の状態などを表示したりするものである。例えば、表示器25は、特別図柄の変動表示を行って大当たり抽選の結果に応じた特別図柄の表示を行ったり、普通図柄の変動表示を行って普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄の表示を行ったりする。普通図柄抽選とは、電動チューリップ20を開放するか否かを決定する抽選である。また表示器25は、特別図柄の変動表示に関する保留数を表示したり、普通図柄の変動表示に関する保留数を表示したりすることもできるようになっている。
図2の例において、スルーゲート16は、遊技領域13の左右2箇所に設けられている。すなわち、画像表示器8の左側にスルーゲート16aが設けられており、画像表示器8の右側下方にスルーゲート16bが設けられている。これらスルーゲート16a,16bは、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこれらのゲートを通過すると普通図柄抽選が開始される。尚、スルーゲート16の数は、必ずしも2つの限られず、遊技領域13に少なくとも1つ設けられていれば良い。
普通入賞口18は飾り枠体14の左下部に少なくとも1つ設けられている。普通入賞口18は、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。
第1始動口19は飾り枠体14の中央下方に設けられており、また、電動チューリップ20および第2始動口21は第1始動口19の更に下方に設けられている。電動チューリップ20は、第2始動口21への遊技球の入球を補助するための補助部材であり、左右に開閉する羽根部材を備えている。この電動チューリップ20が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球し易い状態となる。これに対し、電動チューリップ20が左右に開放していない閉鎖状態は、遊技球が第2始動口21に入球し難い状態となる。この電動チューリップ20は、遊技球がスルーゲート16を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、左右の羽根部材が遊技状態に応じて所定時間および所定回数開放し、第2始動口21への入球を補助するようになっている。
第1始動口19および第2始動口21のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において大当たり抽選が行われる条件となる入賞口である。つまり、これらの始動口19,21に遊技球が入球すると、遊技機1において大当たり乱数を含む各種乱数が遊技データとして取得され、その取得した遊技データに基づいて大当たり抽選が行われる。そして遊技機1において大当たり抽選が行われると、表示器25における特別図柄の変動表示が開始されると共に、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始される。また画像表示器8においては装飾図柄の変動表示と共に、さまざまなキャラクタの出現などによる各種の予告演出なども表示される。
大入賞口22および開閉扉23は、飾り枠体14の右下に設けられている。開閉扉23は、大入賞口22を開閉するシャッタであり、通常は大入賞口22を閉鎖した状態となっている。遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを条件として行われる大当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選すると、開閉扉23は、遊技盤10の前後方向に沿って進退移動することにより、その当たりの種類に応じた大入賞口開放遊技において大入賞口22を開閉する。特に、大当たりに当選した場合の大入賞口開放遊技では、開閉扉23が大入賞口22を開放する1回当たりの開放時間が長くなるので、遊技者は、その間に多数の遊技球を大入賞口22に入球させることが可能となり、それによって多くの賞球を獲得することができるようになる。したがって、大当たりに当選した場合の大入賞口開放遊技は遊技者に対して有利な遊技価値を付与する遊技状態であり、遊技者は、そのように多くの賞球を獲得し得る大当たりを期待して遊技を行うことになる。尚、大入賞口22および開閉扉23が設けられる位置は、必ずしも飾り枠体14の右下に限られない。例えば、第2始動口21の下方に設けられても良い。
アウト口24は、上記各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球を遊技領域13の最下部で回収して遊技機1の背面側に排出するための排出口である。
図3は、遊技機1における遊技盤10の一構成例を示す分解斜視図である。尚、図3では遊技盤面10aに設けられる上述した各部材の図示を省略している。図3に示すように、遊技盤10のほぼ中央には開口部10bが形成されている。遊技盤10の背面側に配置される画像表示器8の表示画面は、この開口部10bを通して遊技盤10の正面側から視認可能になっている。また、開口部10bの周縁部には、例えば遊技盤10の正面側から飾り枠体14が取り付けられる。これにより、飾り枠体14は、遊技盤10を正面側から見たとき、画像表示器8の画面枠を構成する。このような遊技盤10の背面側には、役物保持体28が取り付けられる。そして画像表示器8は、その役物保持体28の背面側に取り付けられる。
役物保持体28は、例えば前後方向に一定の厚みを有する箱形の枠体であり、正面側が全面開放されており、背面側に画像表示器8の表示画面サイズに対応した窓部29が形成されている。役物保持体28の正面側縁部にはその上下に一対のフランジ部が設けられており、それらフランジ部が遊技盤10の背面側にビス止めされることにより、役物保持体28は遊技盤10の背面側に固定される。そして画像表示器8は、表示画面の周縁部が役物保持体28における窓部29の周囲に取り付けられることにより役物保持体28の背面側に固定される。
このようにして遊技盤10と画像表示器8との間に設けられる役物保持体28の内側には、役物動作ユニット26が設けられる。この役物動作ユニット26は、遊技機1において所定の演出が行われるときに動作する装飾可動物31を保持している。本実施形態では、役物保持体28に保持される装飾可動物31は、それぞれ個別に動作する複数の装飾可動物31a,31b,31c及び31dを備えている。より具体的に説明すると、役物動作ユニット26は、役物保持体28の内側に固定される支持フレーム26aを備えており、複数の装飾可動物31a〜31dがこの支持フレーム26aによって保持される。支持フレーム26aの天井部には開口部が設けられており、複数の装飾可動物31a〜31dはその開口部を介して進退移動するように構成される。
役物動作ユニット26は、通常、複数の装飾可動物31a〜31dのそれぞれを遊技盤10の背面側に退避させた初期位置に保持しており、遊技者が遊技盤10を正面側から見たときにそれら装飾可動物31a〜31dを視認することができない状態になっている。
そして遊技機1において特別図柄および装飾図柄の図柄変動表示が開始されることに伴ってそれら複数の装飾可動物31a〜31dを利用する特定の演出が行われる場合、役物動作ユニット26は、複数の装飾可動物31a〜31dのそれぞれを駆動し、画像表示器8の前方側に規定される所定の作動位置へと進出させた状態にする。これにより、遊技者は、遊技盤10を正面側から見たときにそれら装飾可動物31a〜31dを視認することができるようになる。そして役物動作ユニット26は、複数の装飾可動物31a〜31dを利用した演出が終了すると、それらを再び遊技盤10の背面側に退避させ、初期位置へと戻す。
このように役物動作ユニット26は、画像表示器8の前方側で表示画面の周囲に配置されており、複数の装飾可動物31a〜31dのそれぞれを画像表示器8の前方側に進出させた作動位置と、画像表示器8の前方から退避させた初期位置との間で進退させる構成である。
図4は、遊技機本体1aの背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技機本体1aの背面側には、遊技機1の主たる動作を制御する主制御基板100と、主制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板110とが取り付けられる。サブ制御基板110は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、役物制御基板150等で構成されている。尚、この他にもハンドルレバー4の操作角度に応じて遊技球の打球力を調節して発射する発射機構などが設けられるが、図4では図示を省略している。
主制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。この主制御基板100には、遊技球が第1始動口19に入球したことを検知する第1始動口スイッチ51、遊技球が第2始動口21に入球したことを検知する第2始動口スイッチ52、電動チューリップ20を開閉駆動する電チューソレノイド53、遊技球がスルーゲート16を通過したことを検知するゲートスイッチ54、遊技球が普通入賞口18に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ55、遊技球が大入賞口22に入球したことを検知する大入賞口スイッチ56、開閉扉23を開閉駆動する大入賞口ソレノイド57、および、表示器25が接続されている。
主制御基板100は、第1始動口スイッチ51、第2始動口スイッチ52、普通入賞口スイッチ55および大入賞口スイッチ56のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板120に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板120は、CPU121とROM122とRAM123とを備え、遊技機本体1aの背面側に設けられた払出モータ124を制御するように構成されている。この払出制御基板120は、主制御基板100から賞球コマンドを入力すると、入球した入賞口に応じて所定球数の遊技球を賞球として払い出す。
また主制御基板100は、上述の普通図柄の抽選や大当たり抽選を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート16を通過したことをゲートスイッチ54が検知すると、電動チューリップ20を開閉するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド53を所定時間及び所定回数駆動させて電動チューリップ20を開放させる。
また主制御基板100は、遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを第1始動口スイッチ51又は第2始動口スイッチ52が検知すると、その入球した始動口に応じて大当たり抽選を行い、表示器25において特別図柄の変動表示を開始する。また主制御基板100は、表示器25において特別図柄の変動表示を開始することに伴い、その変動表示が停止するまでの間に、大当たり抽選の結果に応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に対して信号やコマンドを送出する。
ただし、遊技球が第1始動口19又は第2始動口21に入球したことを第1始動口スイッチ51又は第2始動口スイッチ52が検知したとき、特別図柄が既に変動表示中である場合、主制御基板100は、その入球に伴う特別図柄の変動表示を保留し、表示器25にその保留を表示する。そして先の特別図柄の変動表示が停止すると、保留しておいた遊技データを読み出して大当たり抽選を行い、その保留に基づく特別図柄の変動表示を開始すると共に、演出制御基板130に対して演出を開始させるべく信号やコマンドを送出する。このように主制御基板100は、第1始動口19又は第2始動口21に対して遊技球が連続的に入球する場合には、先の図柄変動が停止するまで次回の図柄変動を保留し、先の図柄変動が終了することに伴い、それらの保留を順次消化していくように構成される。
また主制御基板100は、大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選している場合には特別図柄の変動表示を所定時間行った後、その特別図柄を当選図柄で停止させる。そして特別図柄を当選図柄で停止させた場合には、その当たり種別に対応した大入賞口開放遊技へと移行させ、大入賞口ソレノイド57を駆動して開閉扉23を動作させる。これに伴い、主制御基板100は、その当たり種別に応じて大入賞口開放遊技中の演出を行わせるべく、サブ制御基板110の各部に対して信号やコマンドを送出する。
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、主制御基板100からの信号やコマンドなどに基づいて具体的な演出内容を決定し、画像制御基板140と役物制御基板150とを制御する。例えば、主制御基板100において特別図柄の変動表示が開始されることに伴って送信される変動開始コマンドを受信すると、演出制御基板130は、画像表示器8および役物動作ユニット26などの各部を利用して行う演出パターンを決定し、画像制御基板140および役物制御基板150を制御することによってその演出パターンに対応した演出を実行する。ここで決定される演出パターンは、主制御基板100で決定される特別図柄の図柄変動時間に対応する演出パターンとなる。そして主制御基板100から図柄確定コマンドを受信すると、演出制御基板130は、上記のようにして決定された演出パターンの実行を終了させると共に、主制御基板100における大当たり抽選の結果に対応した確定図柄で装飾図柄の変動表示を停止させるべく、画像制御基板140および役物制御基板150を制御する。
画像制御基板140は、CPU141と、ROM142と、RAM143と、VRAM144とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて画像表示器8およびスピーカ5を制御することにより、画像表示器8における装飾図柄の変動表示を行うと共に、スピーカ5からの音響演出を行う。VRAM144は、画像表示器8に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU141はこのVRAM144に対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器8に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示することができる。また画像制御基板140は、演出制御基板130で決定される演出パターンに対応する演出用画像を画像表示器8に表示する。このような画像制御基板140の制御により、画像表示器8に表示される演出用画像は、役物動作ユニット26によって駆動される装飾可動物31の動作と連動した画像として表示することもできる。
役物制御基板150は、CPU151とROM152とRAM153とを備えており、演出制御基板130から指示される演出パターンに基づいて上述した枠ランプ6などを含む各種ランプ58を点灯させると共に、役物動作ユニット26を駆動制御するように構成されている。役物制御基板150が役物動作ユニット26を駆動することにより、上述した装飾可動物31が動作するようになる。この場合、役物制御基板150は、演出制御基板130で決定される演出パターンに基づいて役物動作ユニット26を駆動するため、役物動作ユニット26に設けられた装飾可動物31の動作を、画像表示器8において表示される演出画像と連動させることもできる。
このようにして遊技機1では、第1始動口19又は第2始動口21に遊技球が入球することにより行われる特別図柄の変動表示中に各種の演出が行われるようになる。例えば、画像表示器8では、表示器25で行われる特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄の変動表示が行われ、必要に応じてリーチ演出やキャラクタが登場する予告演出などが行われる。また、スピーカ5からは、画像表示器8で表示される装飾図柄の変動表示やリーチ演出、予告演出などと連動した音響演出が行われる。
そして遊技機1において特定の演出パターンに基づく演出が実行されるときには、特別図柄および装飾図柄を含む図柄の変動表示が開始されてから所定のタイミングで役物動作ユニット26が作動し、複数の装飾可動物31a〜31dのそれぞれが画像表示器8の前方位置に進出させた状態となって通常の演出とは異なる演出が行われる。このような演出は、例えば遊技機1におけるリーチ演出のひとつとして行われる。
図5は、役物動作ユニット26が複数の装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方側の作動位置に進出させた状態の遊技盤10の一例を示す正面図である。図例に示すように、役物動作ユニット26が作動すると、複数の装飾可動物31a〜31dは画像表示器8の前方に進出した状態となり、遊技者はこれらの装飾可動物31a〜31dを視認することができる。一方、複数の装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方から退避して初期位置へ戻った状態になると、図2に示したように、遊技盤10の正面側からそれら装飾可動物31a〜31dを視認することができなくなる。遊技機1は、通常、図2に示すような状態で遊技を進行させる。そして上述したように、図柄変動開始時に役物動作ユニット26を駆動する特定の演出パターンが選択された場合、例えばリーチ演出が開始された後の所定のタイミングで役物動作ユニット26が作動し、図5に示すように、複数の装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方に出現させる演出が行われる。
このように装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方に出現させる演出は、遊技機1において通常行われる演出とは異なった演出となる。そのため、遊技者は、それら装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方位置に出現することにより、大当たりに当選するかもしれないという期待感を高揚させるようになる。つまり、遊技機1は、画像表示器8に表示される演出用画像と連携して、複数の装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方に出現させることにより、興趣性の高い演出を行うように構成されている。
また本実施形態の役物動作ユニット26は、複数の装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方に出現させる際、複数の装飾可動物31a〜31dを同時に出現させるのではなく、複数の装飾可動物31a〜31dのそれぞれを異なるタイミングで段階的に出現させていくように構成される。また役物動作ユニット26は、各装飾可動物31a〜31dを初期位置から画像表示器8の前方側の作動位置へ向けて移動させる際には、比較的早い速度で各装飾可動物31a〜31dを移動させることにより、遊技者に対してインパクトを与えるような出現態様を実現する。更に、役物動作ユニット26は、各装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方から退避させて初期位置へ復帰させる際には、比較的緩やかな速度で各装飾可動物31a〜31dを一斉に移動させるように構成される。
図6は、役物動作ユニット26の正面側を斜め上から見た斜視図である。また図7は、役物動作ユニット26の背面側を斜め上から見た斜視図である。尚、図6および図7では、上述した支持フレーム26aは図示を省略している。また図6および図7では、モータなどの駆動手段は図示を省略している。さらに図6では複数の装飾可動物31a〜31dが遊技機1の正面側から隠れた初期位置にある状態を示しており、図7では、複数の装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側に出現した作動位置にある状態を示している。
図6および図7に示すように、複数の装飾可動物31a〜31dはそれぞれ個別に動作するための動作機構を備えている。すなわち、各装飾可動物31a〜31dの背面側にはガイドポール41が個別に設けられ、各装飾可動物31a〜31dはその下部に設けられた基台部47(図7参照)がそれらの各ガイドポール41に対して個別に挿入されている。そのため、各装飾可動物31a〜31dは、各ガイドポール41に沿って上下方向に移動する。
また各ガイドポール41の下部には、図6に示すように各装飾可動物31a〜31dを個別に上方向に付勢するバネ42が設けられており、各装飾可動物31a〜31dが初期位置にあるときにはバネ42はいずれも収縮した状態となっている。そして各装飾可動物31a〜31dの初期位置に対応してガイドポール41の背面側には各装飾可動物31a〜31dの基台部47と係合する鉤状の係合部材45が設けられる。この係合部材45は、各装飾可動物31a〜31dが初期位置にあるときに基台部47と係合し、各装飾可動物31a〜31dを初期位置で保持する。
また係合部材45の近傍には、複数の装飾可動物31a〜31dの配列方向に沿って延設され、図示しないモータが駆動されることによって一方向に回転する回転軸46が設けられる。この回転軸46には、各装飾可動物31a〜31dの基台部47と係合する係合部材45を揺動させるカム部材46a,46b,46c,46dが装着されており、これらカム部材46a〜46dは回転軸46と一体となって回転する。カム部材46a〜46dのそれぞれは、その形状が互いに異なっており、回転軸46が回転すると各装飾可動物31a〜31dの基台部47と係合した状態の係合部材45をそれぞれ異なるタイミングで揺動させる。
係合部材45は、各装飾可動物31a〜31dを初期位置で保持している状態のときにカム部材46a〜46dが回転することによって揺動すると、基台部47との係合状態を解放する。したがって、各装飾可動物31a〜31dは、それぞれバネ42の付勢力によって瞬間的にガイドポール41を上方向に移動し、作動位置へと出現する。そして上述したように各装飾可動物31a〜31dの基台部47と係合した状態の係合部材45はそれぞれ異なるタイミングで揺動し、基台部47との係合状態を解放するタイミングが異なるため、各装飾可動物31a〜31dが作動位置に出現するタイミングもそれぞれ異なるタイミングとなる。本実施形態では、回転軸46が一回転することに伴い、装飾可動物31a,31b,31c,31dの順で初期位置から作動位置へと移動する。尚、回転軸46の回転角度を一回転未満の角度に調整することにより、例えば複数の装飾可動物31a〜31dの全てを初期位置から作動位置へ移動させるのではなく、1つだけを初期位置から作動位置へと移動させたり、或いは、2つ又は3つだけを初期位置から作動位置へと移動させたりすることも可能である。
また各装飾可動物31a〜31dの背面側には、基端部が所定の回動軸43周りに回動可能に軸支され、先端部が各装飾可動物31a〜31dの基台部47の両側面に連結された略コ字状のアーム部材44が設けられる。これら各アーム部材44は、上述した回転軸46を回転させるモータとは異なるモータが回動軸43を所定方向に回転させることに伴い、作動位置に移動した状態の各装飾可動物31a〜31dを初期位置へと復帰させるためのものである。すなわち、回動軸43が所定方向に回転駆動されると、アーム部材44は、各装飾可動物31a〜31dの基台部47をガイドポール41に沿って下方に押し下げるように回動する。そのため、各装飾可動物31a〜31dは、バネ42の付勢力に抗して作動位置から初期位置へ向かって移動し、基台部47が係合部材45と係合した状態になると初期位置で保持された状態に復帰する。
このように装飾可動物31a〜31dを作動位置から初期位置へ復帰させる復帰動作は、図示しないモータが回動軸43を所定方向に一定時間回転駆動することによって行われる。そのため、復帰動作は、比較的緩やかな動作で行われ、装飾可動物31a〜31dが作動位置から初期位置への移動を完了させるまでに一定の時間を要する。
図8は、役物動作ユニット26が複数の装飾可動物31a〜31dを動作させる場合のタイミングチャートの一例を示す図である。図8の例では、役物動作ユニット26が駆動されることにより、複数の装飾可動物31a〜31dの全てが初期位置から作動位置へと移動して画像表示器8の前方に出現する演出が行われる場合を示している。図8に示すように、役物動作ユニット26の駆動が開始されると、上述した回転軸46が所定角度回転するタイミングT1で装飾可動物31aの初期位置に保持されている状態が解除される。そのため、1番目の装飾可動物31aがバネ42の付勢力によって初期位置から作動位置へ向かって比較的高速で移動し、画像表示器8の前方に出現する。その後、回転軸46がさらに回転していくと、タイミングT2,T3,T4のそれぞれにおいて装飾可動物31b,31c,31dの初期位置に保持されている状態が順次解除されていく。そのため、2番目の装飾可動物31b、3番目の装飾可動物31cおよび4番目の装飾可動物31dが順にバネ42の付勢力によって初期位置から作動位置へ向かって高速移動し、画像表示器8の前方にそれぞれ異なるタイミングで出現する。
そして装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側の作動位置へ移動した状態を少なくとも一定時間継続した後、所定のタイミングT5で各装飾可動物31a〜31dを同時に作動位置から初期位置へと戻すための復帰動作を行う。この復帰動作は、上述したように回動軸43が所定方向に回転駆動されることにより、アーム部材44が各装飾可動物31a〜31dをバネ42の付勢力に抗して押し下げていく動作となる。そのため、このような復帰動作が完了するまでには一定時間(数秒程度)を要し、タイミングT5で復帰動作を開始すると、その復帰動作が完了するのは一定時間経過後のタイミングT6となる。
本実施形態の遊技機1は、上記のように装飾可動物31a〜31dを動作させる演出を行う場合、図柄変動が終了する直前のタイミングで各装飾可動物31a〜31dを画像表示器8の前方側に出現させることもある。このような場合、遊技機1は、図柄変動が終了することに伴い、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始する。そして遊技機1は、各装飾可動物31a〜31dの復帰動作が完了するまで次回の図柄変動表示の開始を待機させるのではなく、各装飾可動物31a〜31dの復帰動作が行われている最中であっても次回の図柄変動表示を速やかに開始する。すなわち、本実施形態の遊技機1は、図柄の変動表示に伴って装飾可動物31a〜31dを作動位置に移動させた場合には、それら装飾可動物31a〜31dを初期位置へ復帰させる復帰動作を次回の図柄変動に跨いで行うことがある構成である。
ただし、装飾可動物31a〜31dを初期位置へ復帰させる復帰動作を次回の図柄変動に跨いで行う場合には、その次回の図柄変動表示が開始された後であって装飾可動物31a〜31dの復帰動作が完了するまでの間に、その次回の図柄変動表示中に装飾可動物31a〜31dを作動させるタイミングが到来してしまうと、装飾可動物31a〜31dを正常に動作させることができない。そのため、本実施形態の遊技機1は、装飾可動物31a〜31dを初期値へ戻す復帰動作を開始させた場合、次回の図柄変動表示において装飾可動物31a〜31dが動作し始めるタイミングが到来するまでにその復帰動作を完了させるように構成される。以下、このような遊技機1における動作制御について詳しく説明する。
まず主制御基板100における動作について説明する。図9は、主制御基板100のCPU101によって行われる主要動作を示すフローチャートである。主制御基板100のCPU101は、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時において図9に示すフローチャートに基づく処理をタイマ割込処理として一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。
このタイマ割込処理が開始されると、主制御基板100のCPU101は、乱数更新処理(ステップS101)、第1始動口スイッチ処理(ステップS102)、第2始動口スイッチ処理(ステップS103)、ゲートスイッチ処理(ステップS104)、各種スイッチ処理(ステップS105)、賞球処理(ステップS106)、特別図柄処理(ステップS107)、普通図柄処理(ステップS108)、大入賞口処理(ステップS109)、電動チューリップ(電チュー)処理(ステップS110)および出力処理(ステップS111)が順次実行され、それら一連の処理が終了すると、その後は初期値乱数更新処理(ステップS112)が繰り返し実行される。そして一定時間が経過し、再びタイマによる次の割込みが発生すれば、再び乱数更新処理(ステップS101)以降の処理が実行され、以降これが繰り返される。
乱数更新処理(ステップS101)は、RAM103に格納されている大当たり乱数やリーチ乱数などの各種乱数の値を更新する処理である。主制御基板100は、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに各種乱数の値を更新することにより、第1始動口19や第2始動口21などに遊技球が入球したタイミングで遊技データとして取得される各種乱数値がそのタイミングに応じて異なった値となる。
第1始動口スイッチ処理(ステップS102)は、主制御基板100のCPU101が第1始動口スイッチ51の状態を判別し、第1始動口19に遊技球が入球することによって第1始動口スイッチ51がオンとなっている場合に、RAM103に格納されている大当たり乱数などの各種乱数を遊技データとして取得する処理である。この処理で取得される遊技データは、RAM103の所定の記憶領域に設定される第1始動口19に対応した保留記憶部に保留データとして記憶される。尚、保留記憶部には4つの保留データが格納可能であり、この処理が行われるときに既に4つの保留データが保留記憶部に格納されている場合には、第1始動口スイッチ51がオンとなっていても遊技データの取得は行われない。
第2始動口スイッチ処理(ステップS103)は、主制御基板100のCPU101が第2始動口スイッチ52の状態を判別し、第2始動口21に遊技球が入球することによって第2始動口スイッチ52がオンとなっている場合に、RAM103に格納されている大当たり乱数などの各種乱数を遊技データとして取得する処理である。この処理で取得される遊技データは、RAM103の所定の記憶領域に設定される第2始動口21に対応した保留記憶部に保留データとして記憶される。ここでも保留記憶部には4つの保留データが格納可能であり、この処理が行われるときに既に4つの保留データが保留記憶部に格納されている場合には、第2始動口スイッチ52がオンとなっていても遊技データの取得は行われない。
ゲートスイッチ処理(ステップS104)は、CPU101がゲートスイッチ54の状態を判別し、ゲートスイッチ54がオンとなっている場合に、RAM103に格納されている普通図柄の抽選のための普通図柄乱数などを遊技データとして取得する処理である。この処理で取得される遊技データは、RAM103の所定の記憶領域に設定される普通図柄に対応した保留記憶部に保留データとして記憶される。ここでも保留記憶部には例えば4つの保留データが格納可能であり、この処理が行われるときに既に4つの保留データが保留記憶部に格納されている場合には、ゲートスイッチ54がオンとなっていても遊技データの取得は行われない。
各種スイッチ処理(ステップS105)は、第1始動口スイッチ51、第2始動口スイッチ52、普通入賞口スイッチ55および大入賞口スイッチ56からの入力処理を行い、各種入賞口に入球した遊技球の個数(入賞数)を計数する処理である。また、この処理では、各スイッチがオンとなっている場合には、計数処理を行った後にそれらスイッチをオフにリセットする。
賞球処理(ステップS106)は、各種入賞口ごとの入賞数に応じて払出制御基板120に出力するための賞球コマンドを設定する処理である。ここで設定される賞球コマンドは、RAM103に設定されるコマンド記憶領域に格納され、後述する出力処理(ステップS111)が実行されることにより、払出制御基板120に出力される。
特別図柄処理(ステップS107)は、大当たり抽選を行い、表示器25において特別図柄の変動表示を行うと共に、表示器25における特別図柄の変動表示と連動して演出制御基板130に各種の演出を行わせる処理である。この処理においてCPU101は、ステップS102又はS103でRAM103に格納された保留データを読み出し、その保留データに基づいて大当たり抽選を行う。そして、その大当たり抽選の結果に基づいて表示器25において特別図柄の変動表示を行うための図柄変動時間を決定すると共に、その図柄変動時間に基づいて特別図柄の変動表示を開始する。またCPU101は、表示器25における特別図柄の変動表示を開始することに伴い、図柄変動時間が経過するまでの間、大当たり抽選の結果に対応する演出を行わせるため、演出制御基板130に対して送出するための変動開始コマンドを設定する。ここで設定される変動開始コマンドは、RAM103に設定されるコマンド記憶領域に格納され、後述する出力処理(ステップS111)が実行されることにより、演出制御基板130に出力される。
また特別図柄処理(ステップS107)では、CPU101が特別図柄の変動表示を開始することに伴い、図柄変動時間のカウントが開始される。そして図柄変動時間のカウントが終了するタイミングで、CPU101は、特別図柄の変動表示を停止させて大当たり抽選の結果を示す確定図柄を表示器25に表示すると共に、演出制御基板130に対して画像表示器8に確定図柄を表示させるための図柄確定コマンドを設定する。ここで設定される図柄確定コマンドもまた、RAM103に設定されるコマンド記憶領域に格納され、後述する出力処理(ステップS111)が実行されることにより、演出制御基板130に出力される。
尚、遊技機1において大入賞口開放遊技が行われている間は、上述した特別図柄処理(ステップS107)は行われないようになる。
普通図柄処理(ステップS108)は、普通図柄の抽選を行う処理である。この処理においてCPU101は、ステップS104でRAM103に格納された保留データを読み出し、その保留データに基づいて普通図柄の抽選を行う。
大入賞口処理(ステップS109)は、上述した特別図柄処理(ステップS107)において行われる大当たり抽選で大当たり又は小当たりに当選した場合、遊技機1の遊技状態を大入賞口開放遊技へと移行させると共に、大入賞口ソレノイド57を駆動することによって大入賞口22を所定時間間隔で所定回数開放させる処理である。また大入賞口処理(ステップS109)では、遊技機1の遊技状態を大入賞口開放遊技へと移行させることに伴い、それに応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に送出するためのコマンドが設定される。
電動チューリップ処理(ステップS110)は、上述した普通図柄処理(ステップS108)において行われる普通図柄抽選に当選した場合、電チューソレノイド53を駆動することによって電動チューリップ20を所定時間間隔で所定回数開放させる処理である。
出力処理(ステップS111)は、上述した各ステップにおいてRAM103のコマンド記憶領域に格納されているコマンドを読み出し、そのコマンドを払出制御基板120や演出制御基板130に出力する処理である。これにより、払出制御基板120や演出制御基板130を含むサブ制御基板110は、主制御基板100から出力されるコマンドを受信し、そのコマンドに対応した処理を実行する。
そして初期値乱数更新処理(ステップS112)では、大当たり乱数などの各種乱数の初期値が更新される。この初期値は、ステップS101の乱数更新処理で逐次更新される各種の乱数が所定の値に達した場合に復帰する初期値である。この初期値が初期値乱数更新処理(ステップS112)によって更新されることにより、各種の乱数が所定の値に達したときに次に復帰する値が異なるようになる。そしてこの初期値乱数更新処理(ステップS112)は、次のタイマ割り込みが発生するまでの残余時間において繰り返し行われる。このような残余時間は、遊技機1の状態によって毎回異なるので、各種の乱数の初期値は毎回不規則な値に更新される。そのため、大当たりを不正に発生させようとした場合でも大当たり乱数の初期値が不明なため、大当たり乱数が当選値となるタイミングを知ることはできず、これにより、不正を防止することができるようになっている。
主制御基板100において上記のような処理が行われることにより、演出制御基板130は、各種演出を行うためのコマンドを主制御基板100から受信する。そして演出制御基板130は、主制御基板100から受信するコマンドに基づいて各種の演出動作を制御する。
図10は、図柄の変動表示が行われる場合に主制御基板100から演出制御基板130に出力されるコマンドを示す図である。主制御基板100が大当たり抽選を行って図柄の変動表示を開始する際には、図10に示すように、変動開始コマンド111が主制御基板100から演出制御基板130に出力される。この変動開始コマンド111には、主制御基板100において決定される図柄変動時間DTが含まれる。尚、主制御基板100において決定される図柄変動時間DTは、予め設定されている複数の変動時間の中からひとつが選択されて決定されるものであり、例えば数秒程度から数分程度の時間として決定される。
また、演出制御基板130のROM132には、複数の演出パターン61が予め記憶されている。これら複数の演出パターン61は、主制御基板100において予め設定されている複数の変動時間のそれぞれに対応するものであり、個々の変動時間において行う演出のパターンが予め設定されたものである。また、このような複数の演出パターン61の中には、変動時間が同じであってもそれぞれ異なる演出を行うための複数種類の演出パターンが含まれていても良い。さらに、このような複数の演出パターン61の中には、図柄の変動表示が開始されてから所定のタイミングで装飾可動物31a〜31dを作動させるパターンが定義された特定の演出パターンが少なくとも1つ含まれる。
図11は、演出制御基板130のROM132に記憶される演出パターン61の一例を示す図である。図11(a)に示す演出パターン61aは、タイミングT11で演出を開始してタイミングT12で演出を終了させるパターンであり、タイミングT11からT12までの時間長さは、特定の図柄変動時間DTに対応している。この図11(a)に示す演出パターン61aには、装飾可動物31a〜31dを動作させるパターンPDが含まれない。一方、図11(b)に示す演出パターン61bは、装飾可動物31a〜31dを動作させるパターンPDを含んでいる。この演出パターン61bは、タイミングT13で演出を開始してタイミングT15で演出を終了させるパターンであり、タイミングT13からT15までの時間長さは、特定の図柄変動時間DTに対応している。そしてこの演出パターン61bでは、タイミングT13で演出を開始してから所定時間TSが経過した後のタイミングT14で装飾可動物31a〜31dが動作して画像表示器8の前方側に出現する演出が行われる。そして装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側に出現した状態が演出の終了まで継続されるように定義されている。このような特定の演出パターン61bは、装飾可動物31a〜31dを動作させるタイミングT14が図柄の変動表示が終了する直前のタイミングに設定されていても良い。
演出制御基板130におけるCPU141は、主制御基板100から変動開始コマンド111を受信すると、その変動開始コマンド111に含まれる図柄変動時間DTを取得する。そしてROM132に記憶されている複数の演出パターン61の中から、主制御基板100で決定される図柄変動時間に対応する一の演出パターンを選択し、その選択した一の演出パターンに基づいて画像制御基板140と役物制御基板150とを制御する。これにより、画像表示器8では、特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄の変動表示が開始される。そして画像表示器8、スピーカ5および各種ランプ58が演出制御基板130において選択された一の演出パターンに基づいた演出を行う。また、その選択された一の演出パターンが、図11(b)に示したように装飾可動物31a〜31dを作動させる特定の演出パターンである場合、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始された後、所定のタイミングで装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側に出現する演出が行われる。
そして主制御基板100においてカウントされる図柄変動時間が経過すると、図10に示すように、主制御基板100から演出制御基板130に図柄確定コマンド112が出力される。演出制御基板130におけるCPU141は、主制御基板100から図柄確定コマンド112を受信すると、画像制御基板140および役物制御基板150を制御することによって演出実行を終了させ、画像表示器8に大当たりの抽選結果を示す確定図柄を表示させる。このとき、装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側に出現した状態である場合、演出制御基板130は、役物制御基板150を制御することにより、装飾可動物31a〜31dを初期位置へ戻すための復帰動作を開始させる。そして演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始させた後、次回の図柄変動表示において装飾可動物31a〜31dが動作し始めるタイミングが到来する前にその復帰動作を完了させる。
そのため、本実施形態では、図11(b)に示すように、装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターン61bは、演出が開始されるタイミングT13又はその直後から装飾可動物31a〜31dを動作させるのではなく、演出開始から少なくとも一定の時間が経過した後の所定のタイミングT14で装飾可動物31a〜31dの動作させるように設定されたパターンPDを含んでいる。より具体的に説明すると、特定の演出パターン61bにおいて、装飾可動物31a〜31dが動作し始めるパターンPDは、演出開始時(図柄の変動表示開始時)において装飾可動物31a〜31dの復帰動作が行われている場合、その復帰動作が完了するタイミングよりも後に、装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ向けて移動させるパターンとして予め設定される。
尚、演出制御基板130のROM132に記憶される複数の演出パターン61の中に、装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターン61bが複数記憶されている場合には、それら複数の演出パターン61bのそれぞれに含まれるパターンPDは、全て上述したように、先の図柄変動表示中から継続して行われる装飾可動物31a〜31dの復帰動作が完了するタイミングよりも後に、装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ向けて移動させるパターンとして予め設定される。
図12乃至図16は、演出制御基板130のCPU131によって行われる演出制御処理を示すフローチャートである。演出制御基板130では、電源投入時や電源断時などの特殊な場合を除き、通常の動作時においては図12に示すフローチャートに基づく処理が繰り返し実行される。
演出制御基板130は、この演出制御処理を開始すると、主制御基板100からコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS201)。その結果、主制御基板100からコマンドを受信している場合(ステップS201でYES)、演出制御基板130は、その受信したコマンドに対応する処理を行うべくコマンド処理(ステップS202)を実行する。一方、主制御基板100からコマンドを受信していない場合(ステップS201でNO)、ステップS202の処理は行われない。
次に演出制御基板130は、図柄の変動表示中であるか否かを判断する(ステップS203)。その結果、図柄の変動表示中である場合(ステップS203でYES)、演出制御基板130は、変動中処理(ステップS204)を実行する。一方、図柄の変動表示中でない場合(ステップS203でNO)、ステップS204の処理は行われない。
図13は、コマンド処理(ステップS202)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、演出制御基板130は、このコマンド処理(ステップS202)を開始すると、主制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS211)。その結果、変動開始コマンドである場合(ステップS211でYES)、演出制御基板130は、図柄変動開始処理(ステップS212)を実行する。この図柄変動開始処理(ステップS212)の詳細については後述する。一方、受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップS211でNO)、ステップS212の処理は行わず、ステップS213に進む。
次に演出制御基板130は、主制御基板100から受信したコマンドが図柄確定コマンドであるか否かを判断する(ステップS213)。その結果、図柄確定コマンドである場合(ステップS213でYES)、演出制御基板130は、図柄変動停止処理(ステップS214)を実行する。この図柄変動停止処理(ステップS214)の詳細については後述する。一方、受信したコマンドが図柄確定コマンドでない場合(ステップS213でNO)、ステップS214の処理は行わず、ステップS215に進む。
次に演出制御基板130は、主制御基板100から受信したコマンドが、変動開始コマンドおよび図柄確定コマンド以外のその他のコマンドであるか否かを判断する(ステップS215)。その結果、その他のコマンドである場合(ステップS215でYES)、演出制御基板130は、その受信したコマンドに対応する処理を行うべく、コマンド対応処理(ステップS216)を実行する。このコマンド対応処理(ステップS216)では、変動開始コマンドおよび図柄確定コマンド以外のコマンドであって、主制御基板100から受信したコマンドに対応した処理が行われる。例えば、大当たり抽選に当選して遊技機1において大入賞口開放遊技が行われる場合、その大入賞口開放遊技に対応した演出を行うための処理が行われる。一方、受信したコマンドがその他のコマンドでない場合(ステップS215でNO)、ステップS216の処理は行われない。
尚、演出制御基板130が主制御基板100からコマンドを受信した場合には、上述したステップS212,S214,S216のいずれかにおいてそのコマンドに対応した処理が行われるようになる。そしてステップS212,S214,S216のいずれかにおいてそのコマンドに対応した処理が終了すると、このコマンド処理(ステップS202)が終了する。
図14は、図柄変動開始処理(ステップS212)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この図柄変動開始処理(ステップS212)は、遊技機1において図柄変動が開始されるときに、演出制御基板130で行われる処理である。演出制御基板130は、図柄変動開始処理(ステップS212)を開始すると、主制御基板100から受信した変動開始コマンド111に含まれる図柄変動時間DTを取得する。そして演出制御基板130は、ROM132に格納されている複数の演出パターン61の中から、その図柄変動時間DTに対応する一の演出パターンを選択する(ステップS222)。このとき選択される演出パターンは、図柄変動時間DTに対応した時間長で行う演出が定義された演出パターンである。したがって、ROM132において図柄変動時間DTに対応する演出パターンが複数格納されている場合、演出制御基板130は、それら複数の演出パターンの中から一の演出パターンを選択する。また、ROM132において図柄変動時間DTに対応する演出パターンが1つだけ格納されている場合、演出制御基板130は、その1つの演出パターンを選択する。このようにして選択される一の演出パターンは、演出を開始してから所定のタイミングで装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターンとなることもある。
そして演出制御基板130は、図柄確定コマンドを受信したときに表示するための確定図柄をセットする(ステップS223)。尚、この確定図柄は、変動開始コマンド111に含まれる図示しない情報に基づいて大当たり抽選の結果に対応した図柄としてセットされる。そして演出制御基板130は、ステップS222で選択した一の演出パターンに基づいて演出動作を開始する(ステップS224)。すなわち、演出制御基板130は、選択した一の演出パターンに基づいて画像制御基板140および役物制御基板150に信号やコマンドを送出することにより、その一の演出パターンに対応する演出を行わせる。これにより、画像表示器8では、主制御基板100によって行われる特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄の変動表示が開始される。また、このとき実行開始される演出は、図柄変動時間DTに対応した時間長さの演出となっている。
次に図15は、図柄変動停止処理(ステップS214)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この図柄変動停止処理(ステップS214)は、遊技機1において図柄の変動表示を終了させ、大当たり抽選の結果を表示するときに、演出制御基板130で行われる処理である。演出制御基板130は、主制御基板100から受信した図柄確定コマンド112に基づいて図柄変動停止処理(ステップS214)を開始すると、まず確定図柄表示処理を実行する(ステップS241)。この確定図柄表示処理は、図柄変動開始時にセットされた確定図柄を、大当たりの抽選結果として画像表示器8に表示させる処理である。また、この確定図柄表示処理によって画像表示器8に確定図柄が表示されることにより、それまで行われていた図柄変動時間DTに対応する演出が終了する。
そして演出制御基板130は、それまで行われていた演出パターンを判別し(ステップS242)、装飾可動物31a〜31dが動作したか否かを判断する(ステップS243)。その結果、それまで行われていた演出において装飾可動物31a〜31dが動作した場合(ステップS243でYES)、演出制御基板130は、画像表示器8の前方側に出現して作動位置にある装飾可動物31a〜31dを初期位置へ戻すべく、復帰動作を開始させる(ステップS244)。すなわち、演出制御基板130は、役物制御基板150に対して装飾可動物31a〜31dを初期値へ復帰させるコマンドを送出し、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始させる。尚、それまで行われていた演出において装飾可動物31a〜31dが動作していない場合(ステップS243でNO)、復帰動作は行う必要がないので、ステップS244の処理はスキップする。
したがって、本実施形態では、演出制御基板130が図柄確定コマンドを受信したタイミングで装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側に出現した状態である場合、そのタイミングで装飾可動物31a〜31dを初期位置へ戻す復帰動作が開始されるようになる。
次に図16は、変動中処理(ステップS204)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、演出制御基板130は、この変動中処理(ステップS204)を開始すると、現在実行されている演出パターンを判別し(ステップS251)、その演出パターンが、装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターンであるか否かを判断する(ステップS252)。その結果、現在実行されている演出パターンが特定の演出パターンでない場合(ステップS252でNO)、図柄の変動表示中に装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ移動させる必要はないため、この変動中処理(ステップS204)は終了する。
これに対し、現在実行されている演出パターンが特定の演出パターンである場合(ステップS252でYES)、演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dが初期位置に復帰済みであるか否かを判断する(ステップS253)。その結果、装飾可動物31a〜31dが未だ初期位置に復帰していない場合(ステップS253でNO)、既に開始されている復帰動作を継続させる(ステップS254)。一方、装飾可動物31a〜31dが既に初期位置に復帰している場合(ステップS253でYES)、復帰動作を継続する必要はないので、ステップS254の処理はスキップする。
そして演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ向けて移動させる動作開始タイミングになったか否かを判断する(ステップS255)。その結果、未だ動作開始タイミングが到来していない場合(ステップS255でNO)、この変動中処理(ステップS202)は終了する。これに対し、動作開始タイミングとなった場合(ステップS255でYES)、演出制御基板130は、特定の演出パターンに定義された動作開始タイミングであるので、その特定の演出パターンに基づいて装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ移動させるための動作を開始させる(ステップS256)。このとき、演出制御基板130から役物制御基板150に対して装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ移動させるためのコマンドが送出されるので、役物動作ユニット26が作動し、画像表示器8の前方側に装飾可動物31a〜31dが出現する。以上で、変動中処理(ステップS204)が終了する。
本実施形態の遊技機1は、演出制御基板130において上述した処理が行われることにより、例えば図柄の変動表示が連続的に行われる場合において、先の図柄変動において特定の演出パターンが選択され、その先の図柄変動の図柄確定時において装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始すると、その復帰動作は次回の図柄変動に跨って行われるようになる。そして次回の図柄変動開始時において再び特定の演出パターンが選択された場合、演出制御基板130は、先の図柄変動の図柄確定時において開始した装飾可動物31a〜31dの復帰動作を、次回の図柄変動において装飾可動物31a〜31dの動作を開始するタイミングが到来する前に完了させる。そして次回の図柄変動において装飾可動物31a〜31dの動作を開始するタイミングが到来したときには、その特定の演出パターンに基づいて装飾可動物31a〜31dを正常に動作させるように構成される。
図17は、遊技機1において図柄の変動表示が連続的に行われる場合の装飾可動物31a〜31dの動作制御の一例を示すタイミングチャートである。図17に示すように、演出制御基板130は、タイミングT21で変動開始コマンドを受信すると、その変動開始コマンドに含まれる図柄変動時間Taに基づいて一の演出パターンPAを選択する。この演出パターンPAには、所定のタイミングT22で装飾可動物31a〜31dの動作を開始させるパターンPDが含まれる。この場合、演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターンPAに基づいてタイミングT21から演出動作を開始し、その演出パターンPAに定められた所定のタイミングT22で装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へと移動させ、画像表示器8の前方側に出現させた演出を行う。
そして演出制御基板130は、タイミングT23で図柄確定コマンドを受信すると、演出パターンPAに基づく演出を終了させ、画像表示器8に大当たり抽選の結果を示す確定図柄を表示させる。このとき、演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰度動作を開始する。この復帰動作は、装飾可動物31a〜31dを初期位置へ戻すまでに一定時間TCを要する。
また演出制御基板130は、タイミングT23で図柄確定コマンドを受信してから僅かな時間が経過した後のタイミングT24で次の図柄変動を開始するための変動開始コマンドを受信する。この変動開始コマンドは、装飾可動物31a〜31dの復帰動作が終了する前に受信されるため、装飾可動物31a〜31dの復帰動作は次回の図柄変動に跨いで行われることになる。演出制御基板130は、タイミングT24で変動開始コマンドを受信すると、その変動開始コマンドに含まれる図柄変動時間Tbに基づいて一の演出パターンPBを選択する。この演出パターンPBには、演出開始から所定時間TSが経過したタイミングT26で装飾可動物31a〜31dの動作を開始させるパターンPDが含まれる。演出制御基板130は、タイミングT24以降、このような演出パターンPBに基づく演出動作を開始する。
演出パターンPBには、所定のタイミングT26で装飾可動物31a〜31dの動作を開始させるパターンであり、演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作をそのタイミングT26が到来する前に完了させる。図17の例では、演出パターンPBに基づいて装飾可動物31a〜31dが動作し始めるタイミングT26よりも前のタイミングT25で復帰動作が完了する。そして演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を完了させた後、タイミングT26になると、装飾可動物31a〜31dを動作させる演出を開始する。
このように本実施形態では、図柄の変動表示が連続的に行われる場合、先の図柄変動中に作動した装飾可動物31a〜31dを初期位置へ戻す復帰動作を次回の図柄変動に跨いで行うことにより、次回の図柄変動表示を速やかに開始する。そして次回の図柄変動においても装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターンが選択される可能性があるため、演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を、次回の合う柄変動表示において装飾可動物が動作し始めるタイミングが到来するまでに完了させる構成となっている。
また、装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターンが複数ある場合、演出制御基板130は、それら複数の演出パターンのうちのいずれを選択した場合でも装飾可動物31a〜31dの復帰動作を先に完了させるように構成される。すなわち、特定の演出パターンが複数ある場合、それら特定の演出パターンのそれぞれは、少なくとも装飾可動物31a〜31dの復帰動作に要する時間が経過した後に装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へ移動させるように設定され、演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始させた後、次回の図柄変動表示において装飾可動物31a〜31dが動作し始めるタイミングのうち、最も早いタイミングが到来するまでにその復帰動作を完了させるように構成される。
以上のように、本実施形態の遊技機1は、演出制御基板130によって特定の演出パターンが選択されたときに初期位置から作動位置へと動作する装飾可動物31a〜31dを備えている。そして演出制御基板130は、特定の演出パターンを選択したとき、装飾可動物31a〜31dを初期位置から作動位置へと移動させると共に、装飾可動物31a〜31dが作動位置へ移動した後には所定のタイミングで装飾可動物31a〜31dを初期位置へと戻す復帰動作を行わせるように構成される。このような復帰動作は、次回の図柄変動に跨って行われることがある。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作が完了するのを待たずに次回の図柄変動を開始し、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を次回の図柄変動に跨って行わせるように構成される。そのため、例えば図柄変動が終了する直前のタイミングであっても装飾可動物を動作させる演出を行うことが可能であり、しかも次回の図柄変動を速やかに開始することができるようになる。そして次回の図柄変動を速やかに開始することにより、遊技者に対して図柄変動の間隔が間延びした印象を与えてしまうことなどを防止できるようにもなっている。
さらに本実施形態における演出制御基板130は、装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始させた後、次回の図柄変動表示において装飾可動物31a〜31dが動作し始めるタイミングのうち、最も早いタイミングが到来するまでにその復帰動作を完了させる構成である。言い換えると、次回の図柄変動表示においては装飾可動物31a〜31dが初期位置に戻っていない状態で装飾可動物31a〜31dを動作させる演出が開始されることはない。したがって、装飾可動物が初期位置に戻っていない状態で初期位置から作動位置へ向けて移動させるための動作が開始されることよる不具合の発生を未然に防止することができるようになっている。
このように本実施形態の遊技機1は、例えば図柄変動が終了する直前のタイミングであっても装飾可動物を動作させる演出を行うことが可能であり、装飾可動物を動作させる演出としてのバリエーションを多彩なものにすることができると共に、装飾可動物31a〜31dの動作に不具合を発生させないような態様で、次回の図柄変動に伴う演出を、速やかに、且つ正常に行えるように構成されている。
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、遊技機1に複数の装飾可動物31a〜31dが設けられる場合を例示した。しかし、遊技機1に設けられる装飾可動物は、1つであっても構わない。また、上記においては、一例として、装飾可動物31a〜31dが画像表示器8の前方側に出現する場合を説明したが、装飾可動物31a〜31dが移動していく位置は、必ずしも画像表示器8の前方には限られない。
また上記実施形態では、演出制御基板130が図柄確定コマンドを受信したタイミングで装飾可動物31a〜31dの復帰動作を開始する場合を例示したが、復帰動作を開始するタイミングはこれに限られない。例えば、装飾可動物31a〜31dを動作させる特定の演出パターンに復帰動作を開始させるための任意のタイミングが予め設定されており、演出制御基板130は、そのような特定の演出パターンに設定されたタイミングで復帰動作を開始させるものであっても構わない。