JP4377002B2 - 溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶融金属容器開閉ノズルにおいて、アルゴンなどの不活性ガスをノズル内孔表面から吐出することができるようにポーラスれんがを配した上ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属容器開閉ノズルは、溶鋼など溶融金属の通過時の凝固防止およびアルミナ等の非金属介在物のノズル付着を防止するため、不活性ガスを吹き込むことが可能なポーラスれんがを有する上ノズルを使用することがある。このような上ノズルを使用する場合には、ノズル閉塞防止のために安定してノズル内に不活性ガスを供給する必要がある。
【0003】
また、鋼の鋳造において上ノズルを使用した後、再度使用するために、上ノズル内に付着した金属を除去する必要があり、そのため、従来から、溶融金属容器を傾動させ、開閉ノズルに取り付けられて上ノズル内の凝固金属へ酸素ガスを吹き付けることにより、凝固金属を酸化反応により発熱せしめ、金属を溶解して取り除くことが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の一般的なガス吹き込み上ノズルは、安定したガス供給を目的に、溶鋼に対する耐食性を考慮されたものであり、酸素洗浄時の溶融酸化物に対する耐食性を重要視されていなかった。例えば、鋼の鋳造において上ノズルを使用した後、上ノズルを再度使用するために上ノズル内で凝固した鋼を酸素洗浄する場合、溶融酸化鉄による溶損により、上ノズルの残存厚み、特にポーラスれんがの残存厚みが不足し、目的である安定したガス供給が不可能となるため、上ノズルの使用回数が制限されていた。したがって、所望の回数にわたってガス吹き込み上ノズルを使用するためには、溶鋼に対する耐食性ばかりでなく、溶融酸化物に対する耐食性に優れた耐火物で構成された上ノズルが求められている。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、多数回、好ましくは10回以上の再使用を行った後も、構成耐火物の残存厚みが所定値以上確保され、かつ安定したガス吹き込み能力を有する、溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、5質量%以下(0を含まず)のシリカ(SiO2)、2〜5質量%のマグネシア(MgO)、1〜5質量%のクロミア(Cr2O3)、1〜5質量%のジルコニア(ZrO2)を含み、残部実質的にアルミナ(Al2O3)からなるポーラスれんがを耐火物として有することを特徴とする溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズルを提供する。この場合に、前記上ノズルは、上記組成のポーラスれんがのみから構成されることが好ましい。
【0007】
また、上記上ノズルにおいて、5質量%以下(0を含まず)のシリカ(SiO2)、2〜5質量%のマグネシア(MgO)、1〜5質量%のクロミア(Cr2O3)、1〜5質量%のジルコニア(ZrO2)を含み、残部実質的にアルミナ(Al2O3)からなる非ポーラスれんがを耐火物としてさらに有することを特徴とする溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズルを提供する。この場合に、上記上ノズル全体が上記組成のポーラスれんがおよび非ポーラスれんがのみから構成されていることが好ましい。
【0008】
本発明に係るガス吹き込み上ノズル、上述の組成のポーラスれんがまたはこれに加えて非ポーラスれんがを耐火物として使用するが、これられんがのシリカ(SiO2)含有量を5質量%以下に抑えることで、ガラス成分が低減され、その結果耐食性が向上する。そして、2〜5質量%のマグネシア(MgO)を添加することで、アルミナ−シリカ−マグネシア(Al2O3−SiO2−MgO)系のセラミック結合を形成し、シリカ成分の減少によるセラミック結合の不足によって強度低下が生じることが防止され、かつ、耐食性が向上する。さらにクロミア(Cr2O3)を1〜5質量%添加することで、クロミアとアルミナとにより溶融酸化物に対する耐食性が優れたクロムスピネルを生成させることにより、耐食性が向上する。さらにまた、ジルコニア(ZrO2)を1〜5質量%添加することで、シリカ成分の減少による耐スポール性の低下を抑えることができ、溶鋼通過初期の上ノズルのスポーリングを防止することができる。
【0009】
ここで、マグネシア添加量が2質量%未満では耐食性向上の効果がみられず、5質量%を超えると耐スポール性が著しく低下するため好ましくない。また、クロミアは1質量%未満では耐食性向上の効果がみられず、5質量%を超えると耐食性向上の効果は得られるものの、その効果が飽和するとともにコストが高くなるため好ましくない。さらに、ジルコニア添加量が1質量%未満では耐スポーリング性の低下を抑える効果が不十分であり、5質量%を超えると耐スポーリング性向上の効果が得られるものの、その効果が飽和するとともにコストが高くなるため好ましくない。
【0010】
このような組成のれんがで耐火物が構成される溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズルは、その目的である安定したガス供給を損なうことなく溶融酸化物に対して優れた耐食性を示すため、酸素洗浄による損傷が軽微であって、多数回使用するのに適している。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本発明が適用される上ノズルの例を示す断面図である。
図1に示す上ノズルは、耐火物であるポーラスれんが1の周囲に鉄皮2を配し、ポーラスれんが1と鉄皮2の間に周回する空間3を設け、不活性ガス供給管4を鉄皮2に接続し、溶鋼通過孔5に向けて不活性ガスを吹き込むものである。
【0012】
また図2に示す上ノズルは、非ポーラスれんが11内に上ポーラスれんが12および下ポーラスれんが13を配して耐火物を構成し、上ポーラスれんが12と鉄皮14の間に周回する空間15を設け、上ポーラス12への不活性ガス供給管16aを鉄皮14に接続し、下ポーラス13への不活性ガス供給管16bを接続した2段ポーラス上ノズルであり、溶鋼通過孔17に向けて不活性ガスを吹き込むものである。
【0013】
図3に示すように、このように構成される上ノズル23は、溶融金属容器であるタンディッシュ21における開閉ノズル22の上部に配され、溶鋼を通過する際に溶鋼通過孔24に上ノズル23の内孔表面からアルゴンガスを吹き込む。
【0014】
本実施形態においては、図1に示す上ノズルのポーラスれんが1、または図2に示す上ノズルのポーラスれんが12および非ポーラスれんが11が、5質量%以下(0を含まず)のシリカ(SiO2)、2〜5質量%のマグネシア(MgO)、1〜5質量%のクロミア(Cr2O3)、1〜5質量%のジルコニア(ZrO2)を含み、残部実質的にアルミナ(Al2O3)からなる。
【0015】
このような組成のれんがを用いることにより、安定したガス供給を損なうことなく溶融酸化物に対して優れた耐食性を示す。このため、酸素洗浄による損傷が軽微であって、多数回使用するのに適したものとなる。
【0016】
すなわち、図3に示すように上ノズルを配して溶鋼を流出した後、再度使用するために上ノズル内に凝固した鋼を溶解して取り除く場合には、例えば、図4に示すように、傾転したタンディッシュ21の開閉ノズル22上部に取り付けられた上ノズル23内の凝固した鋼25へ、パイプ26から酸素ガスを吹き付け、凝固した鋼25を酸化反応により発熱せしめ溶解して取り除くため、溶融酸化鉄による耐火物の溶損が懸念されるが、ポーラスれんが、非ポーラスれんがを上述した組成とすることにより、溶融酸化物に対する耐食性が優れたものとなるため、酸素洗浄する際に発生する溶融酸化鉄による上ノズル耐火物の溶損は軽微なものである。したがって、このように構成されるガス吹き込み用上ノズルは多数回、具体的には10回以上使用可能となる。
【0017】
なお、本発明は溶鋼を流出するための開閉ノズルに限らず、他の溶融金属についても適用可能である。また、開閉ノズルとしては、スライディングノズルやロータリーノズルを挙げることができる。
【0018】
【実施例】
以下に本発明の具体的な実施例について説明する。
表1に示す組成のポーラスれんがおよび非ポーラスれんがを図2の非ポーラスれんが11およびポーラスれんが12,13としてそれぞれ配した上ノズルを、図3のように溶鋼容器開閉ノズルに使用し、平均1545℃の溶鋼を100〜250分通過させて使用した。使用後の上ノズルに図4に示すような酸素洗浄を施した後、その上ノズルを再度使用した実施結果を図5および図6に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
図5は下ポーラスれんがの残存厚みの酸素洗浄回数に対する依存性を示したものである。本発明の上ノズルでは、従来材質の耐火物を使用した上ノズルに比べ、酸素溶解回数による耐火物の残存厚み低下量が小さくなった結果、上ノズルの寿命が従来の2回に対して本発明では10回と大きく向上した。
【0021】
図6はポーラスれんがから一定流量でアルゴンガスを吹き込んだ際のアルゴン背圧の酸素洗浄回数に対する依存性を示したものである。本発明の上ノズルは従来の上ノズルに比べ酸素洗浄回数が増加してもアルゴン背圧の変化が少なく、多数回使用してもアルゴンガスの吹き込みは安定し均一な吹き込みが可能で、地金差しも生じなかった。
【0022】
この結果から、耐火物組成を溶融酸化物に対する耐食性が向上するように調整した本発明の上ノズルを採用することで、アルゴンガス吹き込み能を低下させることなく多数回使用に耐え得るガス吹き込み上ノズルが得られることが確認された。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガス吹き込み上ノズルによれば、耐火物を特定組成とすることにより、酸素洗浄をともなう多数回使用に耐え得るようになり、かつガス吹き込み能は多数回使用によっても変化しない。したがって、ガス吹き込みの異常によるノズルの閉塞トラブルを発生することなく上ノズルを多数回使用することができるため、上ノズルのコストを大幅に低減することができ、さらに上ノズルの交換作業回数を減らすことができる。したがって、本発明は多数回使用する溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズルとしてきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス吹き込み上ノズルの一例を示す断面図。
【図2】本発明に係るガス吹き込み上ノズルの他の例を示す断面図。
【図3】本発明に係るガス上ノズルを用いた溶融金属容器開閉ノズルを示す断面図。
【図4】上ノズル内の鋼の酸素洗浄作業状態の例を示す断面図。
【図5】本発明の実施例における酸素洗浄回数と上ノズル耐火物の残存厚みとの関係を示す図。
【図6】本発明の実施例における酸素洗浄回数と上ノズルのガス吹き込み能との関係を示す図。
【符号の説明】
1,12,13;ポーラスれんが
2,14;鉄皮
3,15;空間
4,16a,16b;不活性ガス供給管
5,17,24;溶鋼通過孔
11;非ポーラスれんが
21;タンディシュ(溶融金属容器)
22;開閉ノズル
23;上ノズル
25;凝固した溶鋼
26;パイプ
Claims (2)
- 5質量%以下(0を含まず)のシリカ(SiO2)、2〜5質量%のマグネシア(MgO)、1〜5質量%のクロミア(Cr2O3)、1〜5質量%のジルコニア(ZrO2)を含み、残部実質的にアルミナ(Al2O3)からなるポーラスれんがを耐火物として有することを特徴とする溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズル。
- 5質量%以下(0を含まず)のシリカ(SiO2)、2〜5質量%のマグネシア(MgO)、1〜5質量%のクロミア(Cr2O3)、1〜5質量%のジルコニア(ZrO2)を含み、残部実質的にアルミナ(Al2O3)からなる非ポーラスれんがを耐火物としてさらに有することを特徴とする請求項1に記載の溶融金属容器開閉ノズル用ガス吹き込み上ノズル。
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