JP4376772B2 - 高透過率で拡散特性が制御された積層ガラス用中間層複合構造物及びその製造方法 - Google Patents

Description

本発明は安全ガラスの積層ガラスに関する。さらに詳しくは、本発明は、安全ガラスである半透明積層ガラスに関する。

本願は、２００２年５月３日出願の米国仮出願第６０／３８０，０７０号の利益を主張するものである。

可塑化ポリビニルブチラールシート（ＰＶＢ）は、例えば、自動車、モーターサイクル、船、飛行機をはじめとする車両用風防ガラス；家屋及びビル；整理棚及びショーケースの棚材料；ガラスシートの構造強度が所望されるその他の物品などの積層構造物の製造において用いられている。積層体が透明で無色であることが望まれる用途が多い。半透明の積層体が望まれる用途もある。安全ガラスの積層ガラス分野では、多年にわたり半透明の積層体が知られている。

一般に、半透明積層体の光の透過率レベルは７０％以下である。しかしながら、光の透過率レベルがさらに高いもの、例えば８０〜９０％の透過率を有し、かつ、光の拡散性を有する半透明積層体を、従来からサンドブラスト又はエッチング加工されたガラスを用いて作製してきた。

サンドブラスト加工とは、砂粒、ガラスビーズ又は同様の凝集物をサンドブラスト装置から圧力をかけて押し出し、高速でガラス表面にたたきつけることによって、ガラスをより透明でなくするのに用いられる方法である。エッチングは、ガラス表面上で反応してガラス表面に接触した領域の透明度を下げる酸などの化学薬品を塗布することによって、表面を化学的にエッチングする方法である。これらの方法いずれによっても、ガラス表面を粗面化することができ、ガラス表面での入射光を散乱又は拡散させる。

サンドブラストやエッチング方法によれば、不透明度の低いものから高いものまで、また光の拡散や光の透過性を有するガラスを作ることができ、建築用途においては美的な魅力を出すことができるが、これらの方法自体は、エッチング用の酸の取り扱い、及び／又は発生するガラス粉塵によるケイ肺症という理由から危険性がある。さらに、いずれかの処理においてガラス表面にキズができると、ガラスの取り扱い時又は衝撃時には破損につながる応力を作り出し、安全性が低下する。表面が粗面化されたガラスにとっての更なる問題は、埃がガラスの窪みに入り込むと除去がむずかしくなる可能性があるということである。

一般に、市販の白色中間層は、光の透過率レベルが非常に低い。実際に、市販の中間層製品は光を透過させるが、その中間層又は該中間層で作成された積層体を介して物体の形状を認識、識別することはできない。

米国特許第３，１５３，００９号明細書 米国特許第５，８８６，０７５号明細書

半透明ガラス積層体としては、積層体を介して物体の認識が幾分はでき、サンドブラスト又はエッチング加工によるガラスの美的な特性を有すると同時に、標準的な透明安全ガラス（積層ガラス）の強度を備えたものが望まれよう。

また、そうした美的に優れた積層体を、サンドブラスト又はエッチング加工によるガラスの製造に関連した安全面での危険性を低減又は除去した方法で得ることが望まれよう。

本発明の１つの態様は、粒径が約１０μｍ未満の着色剤粒子を含有する中間層組成物であって、該中間層が、（１）約２５〜約９０％の曇り度を有し、（２）入射光の少なくとも約６０％を、中間層を通して透過させることができ、（３）少なくとも２０％の透明度を有する中間層組成物である。

本発明の別の態様は、少なくとも２片のガラスとその間に配置される中間層とを含むガラス積層体であって、該中間層が（１）粒径約１０μｍ未満の着色剤粒子を含有するものであり、さらにその中間層が（１）約２５〜約９０％の曇り度を有し、（２）入射光の少なくとも約６０％を、中間層を通して透過させることができ、（３）少なくとも２０％の透明度を有するガラス積層体である。

さらに別の本発明の態様は、積層ガラスの用途に適したＰＶＢシートの製造方法であり、該製造方法は、（ａ）制御された速度で着色剤を押出機に投入する工程と、（ｂ）ポリビニルブチラール樹脂、着色剤、可塑剤及び他の任意の添加剤との同時押出しを行う工程と、（ｃ）溶融したシート組成物を急冷して、積層ガラス用途に最適な寸法安定性を有するＰＶＢシートを得る工程とを含み、中間層が（１）約２５〜約９０％の曇り度を有し、（２）入射光の少なくとも約７０％を、中間層を通して透過させることができ、（３）少なくとも２０％の透明度を有する、製造方法である。

本発明の実施形態の１つは、着色剤粒子を含有する中間層組成物である。本発明の中間層は、ガラス積層体物品の中間層材料としての使用に適した材料であればいかなる材料からでも作製することができる。例えば、中間層材料として酸共重合体又はその塩が挙げられるが、エチレン／メタクリル酸共重合体又はこれを中和したものが例として挙げられる。中間層材料は、ポリウレタンポリマー、ポリエステルポリマー又はポリビニルブチラール（ＰＶＢ）ポリマーでもよい。中間層材料に可塑化ＰＶＢポリマーが含有されていることが好ましい。

本発明の実施に好適なポリビニルブチラールは、ＰＶＢシートの製造において公知の方法又は従来実施されてきた方法のいずれによってでも調製することができる。例えば、米国特許公報（特許文献１）には、本発明の実施に適したＰＶＢの商業ベースの製造方法が記載されている。本発明の実施に用いられるＰＶＢ樹脂は、酸又は酸の混合物の存在下、５〜１００℃で水性媒体中においてＰＶＡをブチルアルデヒドと混合することによって調製できる。

通常、ブチルアルデヒドに対するＰＶＡの割合はＰＶＢに水酸基官能価が残留するように選択され、従来からポリビニルアルコールの重量％で表される。残留水酸基官能価は、ＰＶＢにおける所望の特性が何であるかによって変わってくる。ＰＶＢ樹脂において残留ポリビニルアルコールの重量％が所望の値となるのに必要なブチルアルデヒドとＰＶＡとの相対量は、ＰＶＢ製造分野の当業者には簡単にわかることであろう。本発明の実施にあたっては、残留水酸基が約１４〜約３０重量％の範囲がよい。好ましくは、残留ポリビニルアルコールが約１５〜約２５重量％である。さらに好ましくは、残留ポリビニルアルコールは約１５〜約２０重量％であり、約１７〜約１９重量％の範囲で残留ポリビニルアルコールを有するＰＶＢ樹脂が、本発明の実施においては最も推奨される。残留ポリビニルアルコールの重量は、ＡＳＴＭ Ｄ１３９６−９２のような標準方法に準じて求めることができる。

本発明のＰＶＢ組成物には着色剤が含まれている。本発明の着色剤は、ＰＶＢ組成物と一緒に混合でき、かつＰＶＢシートに色を施す材料であればいずれでもよい。本発明の目的から、単数、複数いずれの形であっても「着色剤」という用語は、黒、緑、赤、青及び黄色の着色剤、またはこれらの様々な組み合わせを指すだけでなく、白の着色剤及び白の着色剤と他の着色剤との組み合わせも指している。「着色剤」は「着色剤の混合物」も指すことがある。この用語が用いられている内容をくみとり読者がこの用語の適切な意味を見分けることは可能なはずである。本願明細書における使用に適切な着色剤を用いてＰＶＢシートに付与される色は、本発明のＰＶＢシートにおいて再現可能な色であれば可視光スペクトルで生成されるいずれの色でもよい。本発明の実施において有用な着色剤は、固体状、液体として、または個体／液体分散体としてＰＶＢ組成体に添加することができる。例えば、処理を容易にするために、染料又は顔料を液体状にしたものをＰＶＢに添加することができる。しかしながら、染料は通常樹脂マトリックスに可溶であり着色できるが、中間層の曇り度には何ら寄与しないということに留意しなければならない。本発明の実施においては、少なくとも１種の着色剤が個体粒子状で中間層組成物に分散されていることが必要である。

本発明で特に推奨される実施形態では、ＰＶＢ組成物が、白色着色剤である少なくとも１種の着色剤のみから実質的になる。本願明細書前記の例外として、白色着色剤が粒状物質として添加されることが好ましいが、当分野でよく知られている技術によって、着色剤を濃縮物又は再生シートの１成分として添加することができる。公知の白色着色剤、又は従来から使用されている白色着色剤でも本発明の使用に適している。好ましくは、白色着色剤は、硫酸バリウム（ＢａＳＯ₄）、硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ₄）、酸化マグネシウム（ＭｇＯ）、珪酸マグネシウム（ＭｇＳｉＯ₃）、二酸化チタン（ＴｉＯ₂）、酸化亜鉛（ＺｎＯ）、硫酸亜鉛（ＺｎＳＯ₄）、酸化アンチモン（Ｓｂ_xＯ_y）（式中ｘが２又は４、ｙが３〜６）、リン酸カルシウム（Ｃａ₃（ＰＯ₄）₂）、硫酸カルシウム（ＣａＳＯ₄）又は炭酸カルシウム（ＣａＣＯ₃）、あるいはこれらの混合物からなる群から選択される。

本発明の実施に必ずしも決定的ではないが、着色剤の濃度は、本発明のＰＶＢシート又はこのＰＶＢシートから作成される積層体の外観を決める１つの要因となりうる。図１、図３及び図５には、光の透過率、透明度及び曇り度に対する濃度の関係が示されている。本発明の中間層における着色剤の濃度は、添加剤に対する従来からの濃度調整方法によって調整することができる。例えば、ＰＶＢ樹脂と同時に押出し成形に供される着色剤の濃度調整は、押出機に定量の着色剤を投入する速度を調整することによって達成される。

着色剤の濃度は、中間層又は積層体の入射光に対する透過率が少なくとも６０％であるように選択すればよい。入射光とは、本発明の目的から鑑みて、本発明の中間層又は積層体物品の表面に達する光のことである。光の透過率は少なくとも約７５％が好ましく、より好ましくは少なくとも約８０％で、最も好ましい光の透過率は少なくとも約８５％である。光の透過率は、同様なケースで用いられる従来の方法で求めることができる。例えば、従来の分光光度計を用いて本発明の中間層の光の透過率（％）を求めることができる。

本発明のＰＶＢ組成物に対して、およそ２．０重量％未満の濃度で着色剤を添加することができる。好ましくは、着色剤の添加濃度は、約０．９〜約１．８重量％である。着色剤の濃度は、約０．６〜約１．５重量％がより好ましく、最も好ましい濃度は約０．３〜約０．７５重量％である。０．１０重量％未満であると、透明度が高すぎ、曇り度が低すぎる。２．０重量％を超えると、曇り度が高すぎ、透明度は低すぎるかもしれない。

しかしながら、例えば粒径などをはじめとする他の要因次第では、本発明の実施において添加される着色剤の濃度は、本願明細書に開示した範囲を超えることもあり、本願明細書で意図する発明の範囲からはずれることにはならない。本発明による積層体中のＰＶＢシートが高い光の透過率を有し、本発明の積層体がエッチング又はサンドブラスト加工によるガラスシートと実質的に同じ外観又は同様な外観を呈することができる透明度を有することが、必須の要因である。

着色剤の粒径を慎重に選択すること及び／又は着色剤の粒径を巧みに操作することによって、シート及び最終的な積層体の透明度と光の拡散力を調整することができる。着色剤の粒径は、適切なサイズの篩いの使用をはじめとする従来からの方法で調整することができる。あるいは、市販の着色剤の製造元から所望の粒径を入手することができる。図２、図４及び図６は、光の透過率、曇り度及び透明度といった特性と粒径との関係を示す。

粒子状着色剤のメジアン径（粒径）は、およそ１０μｍ未満である。好ましくは、着色剤の粒径は約２〜約１０μｍ、より好ましくは約２．５〜約８μｍ、最も好ましくは約３〜約６μｍである。理論にあてはまるわけではないが、粒径と透明度の間には直接的な関係があり、粒径と曇り度との間には逆の関係が存在することがわかる。ある所定の重量パーセントでは、着色剤粒子が大きくなるにつれて、ＰＶＢシート及び最終積層体の透明度は高くなり曇り度は低くなる。粒子が小さくなればなるほど、透明度は下がり曇り度が上がり、さらにはシート及び最終積層体の拡散力はより高くなる。

本発明の中間層の透明度は少なくとも２０％であるとよい。本発明の中間層の透明度は、好ましくは約３５〜約１００％、より好ましくは約４５〜約９５％、さらに好ましくは約５０〜約９０％、最も好ましくは約６０〜約８５％である。

本発明の中間層シートの曇り度は拡散力に関連している。本発明の中間層組成物においては、拡散力とは、例えばヘイズメーターのような装置で曇り度（％）によって測定されるようなものであり、約２５〜約９０％の範囲が好ましい。曇り度（％）は、より好ましくは約４０〜約８５％、さらに好ましくは約５０〜約８０％、最も好ましくは約５５〜約７５％の範囲である。

本発明のＰＶＢ組成物には可塑剤が含有される。本発明の可塑剤は、可塑化ＰＶＢシート材料組成物の製造において従来から公知の、又は使用されているあらゆる可塑剤から選択できる。本願明細書での使用に適した可塑剤としては、ポリエーテルジオール又はポリエーテルポリオールのジエステル類をはじめとした、脂肪族ジオールとカルボン酸との化学反応により得られるジエステル類と、多価カルボン酸と脂肪族アルコールから得られるエステル類とからなる群から選択される可塑剤又は可塑剤の混合物が挙げられる。本願明細書での推奨可塑剤は、トリエチレングリコール又はテトラエチレングリコールと、炭素数６〜１０の脂肪族カルボン酸との反応により得られるジエステル類、及びセバシン酸と炭素数１〜１８の脂肪族アルコールとの反応から得られるジエステル類である。より好ましい可塑剤は、トリエチレングリコールジ−（２−エチルヘキサノエート）（３ＧＯ）、テトラエチレングリコールジヘプタノエート（４Ｇ７）又はセバシン酸ジブチル（ＤＢＳ）のいずれかである。最も好ましい可塑剤は３ＧＯである。

可塑剤は、可塑化ＰＶＢシートを得るために所望の量を添加できる。可塑剤の添加量は、樹脂の全乾燥重量を基準として樹脂１００重量部に対して約５〜約５０重量部とすることができる。本願明細書で使用する「乾燥重量」とは、乾燥した樹脂の重量、即ち、樹脂から水分を取り除いた後の重量を指す。樹脂重量１００部に対して可塑剤の量は約２０〜約４５重量部が好ましく、約３２〜約４５重量部が最も好ましい。

可塑化は、「湿式」又は「乾式」のいずれかの方法を用いて行うことができる。湿式方法とは、本願明細書では、他の添加剤とともに可塑剤をＰＶＢ樹脂水性スラリーと混合した後に、又は混合しながら該混合物を押出機に投入する方法である。可塑剤／ＰＶＢ混合物の滞留時間は２〜２４時間が好ましく、その後、押出機に送り込まれる。本願明細書での使用に好適な湿式方法については、例えば、米国特許公報（特許文献１）に記載されている。乾式方法とは、本願明細書では、可塑剤を乾燥したＰＶＢ樹脂フレークと混合した後に、又は混合しながら、該混合物を押出機に投入する方法である。本願明細書での使用に好適な乾式方法については、例えば、米国特許公報（特許文献２）に記載されている。

本発明のＰＶＢ組成物を調製する際、界面活性剤が含まれる。本願明細書の使用に好適な界面活性剤とは、ポリビニルブチラールの製造分野で有用であることが公知であるものすべてである。例えば、本願明細書での使用に好適な界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、炭素数６〜１２のペルフルオロカルボン酸アンモニウム、アリールスルホン酸ナトリウム、塩素化シクロペンタジエンの無水マレイン酸との付加物、部分的に中和されたポリメタクリル酸、アルキルアリールスルホン酸塩、Ｎ−オレイル−Ｎ−メチルタウリンナトリウム、アルキルアリールポリエーテルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエチルジシクロヘキシルアンモニウム塩、セカンダリーアルキル硫酸ナトリウム、硫化脂肪酸エステル類、硫化アリールアルコール類等が挙げられる。好ましい界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ココメチルタウリンナトリウム、及びデシル（スルホフェノキシ）ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩が挙げられる。

本発明の樹脂組成物中には、ＰＶＢの立体異性に影響を与えなければ添加剤を任意に含有させてもよい。そのような添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、接着調整剤及び／又は表面張力調整剤、ならびに他の添加剤が挙げられる。

本発明の別の実施形態は、本発明の中間層シートを有する積層体である。この積層体は、中間層とガラス又はプラスチック材料とのいずれの組み合わせからでも得ることができる。例えば、本発明の積層体は、ガラスと本発明の中間層で構成されてもよいし、高分子材料と本発明の中間層で構成されてもよいし、あるいは、ガラスと高分子材料との組み合わせと、本発明の中間層で構成されていてもよい。本発明の中間層と一緒に使用するのに適した高分子材料とは、窓や扉などといった用途でガラス又はガラス積層体の代替品としての使用に適していることが公知であるいずれの高分子材料であってもよい。好適な高分子として、例えば、ポリカーボネート、アクリル酸及び／又はアクリル酸エステルのポリマー及びコポリマー、メタクリル酸及び／又はメタクリル酸エステルのポリマー及びコポリマーが挙げられる。あるいは、ポリエステルは本願明細書での使用に好適な熱可塑性材料として挙げられる。好ましくは、積層体とは、少なくとも２片のガラスとその間に挟まれて配置された本発明の中間層とを有するガラス積層体である。本発明の積層体は従来から公知のやり方で組み立てることができる。例えば、本発明の積層体は、ガラスシートと本発明の中間層ともう１枚の別のガラスシートとを層状に積み重ね熱と圧力をかけて積層体を形成する工程を含む方法によって組み立てることができる。積層体の品質を向上させるための様々な技術、例えば、積層する前に中間層表面を粗面化しておき、積層工程の最中に積層体から空気が逃げるように空気流路を設ける技術などについては公知であり従来から行われている。

さらに本発明の別の実施形態は、半透明ＰＶＢシートの製造方法である。本発明の半透明ＰＶＢシートは、白色着色剤及び可塑剤と一緒にＰＶＢを同時に押出し成形することによって得ることができる。押出し成形の温度範囲は、少なくともある程度は可塑剤の含有量に依るが、約１７５〜約２４５℃の温度範囲で行えばよい。押出し成形された半透明シートを急冷し、約４０℃又は４０℃未満、約１０℃以上に冷却する。好ましくは、シートは約２５℃未満に、より好ましくは約２０℃未満、最も好ましくは約１５℃未満の温度に冷却すればよい。押出し成形で得られたシートは圧延し、保存のために積み重ねてもよい。いずれにしても、本発明のシートを使って上記に記載の積層体を作製することができる。

以下に示す実施例及び比較例は、本発明をさらに説明するために示されている。実施例は、どのような方法であっても本発明の範囲を制限したり、特許請求された本発明及び／又は本願明細書に記載の発明との一貫性の欠けたやり方で特許請求の範囲又は明細書を定義するために使うべきものではない。

（試験方法）
曇り度はＡＳＴＭ Ｄ１００３に準じて求め、入射光束から２．５度を超えて逸れた透過光の割合（％）で定義する。透明度は入射光束から２．５度未満逸れた透過光の割合（％）で定義する。曇り度／透明度の測定値は、ビーワイケー−ガードナー（Ｂｙｋ−Ｇａｒｄｎｅｒ）社製「ヘイズーガード（登録商標）プラス（ＨＧプラス）」（Ｈａｚｅ−ｇａｒｄ ｐｌｕｓ（ＨＧ Ｐｌｕｓ））又はハンターラブ（Ｈｕｎｔｅｒ Ｌａｂ）社製「ウルトラスキャン（登録商標）スフィアスペクトロフォトメーター（ウルトラスキャン）」（Ｕｌｔｒａｓｃａｎ Ｓｐｈｅｒｅ Ｓｐｅｃｔｒｏｐｈｏｔｏｍｅｔｅｒ （Ｕｌｔｒａｓｃａｎ））いずれかを用いて求めた。

（比較例１）
メジアン粒径が３．５μｍのＣａＣＯ₃を用いて半透明の白色ＰＶＢシートを作製した。ＰＶＢ乾燥樹脂と、テトラエチレングリコールジヘプタノエート（４Ｇ７）と、炭酸カルシウムとを呼称温度２１０℃の２軸スクリュー押出し機に調整しながら投入した。得られた厚さ３０ミルのシートを冷却ロール上で急冷した。最終組成物には呼称値で、ＰＶＢが７０．３重量％、４Ｇ７が２７．８重量％、炭酸カルシウムが１．９重量％含まれていた。２片の透明ガラスの間にこのシート材料を挟み、１対のニップロールの間を通して脱気を行い、さらにエアーオートクレーブにいれて温度１３５℃、圧力２００ｐｓｉで２０分間の保持サイクルでオートクレーブ処理を施し積層体を作製した。透明度、曇り度及び光の透過率（％）を「ＨＧプラス（ＨＧ Ｐｌｕｓ）」で測定した。結果を表１に示す。

（実施例１〜２２および参考例１−１１）
ＰＶＢ乾燥樹脂と、４Ｇ７可塑剤と、炭酸カルシウムとをタンブルミキサーで４時間「乾式」混合し、呼称温度２１０℃の１軸スクリュー押出し機に投入し押出し成形を行った。得られた溶融物をプレス成形によって厚さ３０ミルのシートにした。比較例１と同様にして積層体を作製した。透明度、曇り度及び光の透過率（％）を「ＨＧプラス（ＨＧ Ｐｌｕｓ）」で測定した。結果を表１に示す。

粉砕した炭酸カルシウム（ＣａＣＯ₃）の濃度に対する光の透過率を粒径の関数として表したプロットを示す。 粒径に対する光の透過率を粉砕したＣａＣＯ₃の濃度の関数として表したプロットを示す。 粉砕したＣａＣＯ₃の濃度に対する透明度を粒径の関数として表したプロットを示す。 粒径に対する透明度を粉砕したＣａＣＯ₃の濃度の関数として表したプロットを示す。 粉砕したＣａＣＯ₃の濃度に対する曇り度を粒径の関数として表したプロットを示す。 粒径に対する曇り度を粉砕したＣａＣＯ₃の濃度の関数として表したプロットを示す。

Claims (3)

1. 少なくとも２片のガラスとその間に配置される中間層組成物とを含むガラス積層体であって、前記中間層が、（１）ポリビニルブチラールと粒径１０μｍ未満の着色剤粒子とを含有し、（２）２５〜９０％の曇り度を有し、（３）入射光の少なくとも７５％を、前記中間層を通して透過させることができ、（４）少なくとも２０％の透明度を有することを特徴とするガラス積層体。
2. 少なくとも２片のガラス又はガラス積層体の代替品として窓や扉で使用される高分子材料とその間に配置される中間層組成物とを含むガラス様積層体であって、前記中間層が、（１）ポリビニルブチラールと粒径１０μｍ未満の着色剤粒子とを含有し、（２）２５〜９０％の曇り度を有し、（３）入射光の少なくとも７５％を、前記中間層を通して透過させることができ、（４）少なくとも２０％の透明度を有することを特徴とするガラス様積層体。
3. 積層ガラスに使用するＰＶＢシートの製造方法であって、（ａ）制御された速度で着色剤を押出機に投入する工程と、（ｂ）ポリビニルブチラール樹脂、着色剤、可塑剤及び他の任意の添加剤との同時押出しを行う工程と、（ｃ）溶融したシート組成物を急冷して、積層ガラス用途に最適な寸法安定性を有するＰＶＢシートを得る工程とを含み、前期中間層が（１）２５〜９０％の曇り度を有し、（２）入射光の少なくとも７５％を、前記中間層を通して透過させることができ、（３）少なくとも２０％の透明度を有することを特徴とする方法。

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