JP4376447B2 - 車両の走行安全装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両外部に設けられた、例えば走行支援道路システム(AHS)等の情報発信装置から受信した道路交通情報等に基づいて車両の動作制御を行う車両の走行安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路インフラと車両とが情報通信を介して連携および協調することにより、運転者への情報提供や警報の通知や運転操作支援等を行い、安全で快適な車両の走行を実現する走行支援道路システムの開発が進められている。
このような走行支援道路システムにおいては、車両とその進路上に存在する障害物、停止線、歩行者等の事象との距離や、道路形状等の情報を道路インフラから車両が受け取り、この情報をもとに車両側で情報提供や警報の通知や緊急操作支援等の作動タイミングを決定している。
【0003】
例えば、警報等の作動タイミング、すなわち警報メッセージを発報すべき事象までの距離L0は、運転者の反応時間と、車両の減速度とを想定して、以下の如く設定される。
作動タイミング(距離)L0= 空走距離A+減速区間の距離B
空走距離A = 運転者の反応時間×車速V
減速区間の距離B + (車速V)2/(2×減速度)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る作動タイミングL0においては、車両と進路上の障害物等の事象との間に他の先行車両が存在する場合については、何ら考慮されていない。
従って、例えば減速した先行車両が、車両に対して新たな障害物となる場合には、上記作動タイミングL0では回避動作を促す警報メッセージの発報等に遅れを生じる恐れがあり、安全かつ快適な走行支援の実現に支障を来す恐れがある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、車両とその進路上に存在する障害物等の事象との間に先行車両が介在する場合であっても、余裕をもって回避動作を行うことが可能な車両の走行安全装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両の走行安全装置は、車両の外部に設けられた情報発信手段(例えば、後述する実施形態での情報発信装置24)から前記車両の走行に関わる情報を受信する受信手段(例えば、後述する実施形態での情報送受信部14)と、前記受信手段にて受信した前記情報に基づいて前記車両の走行に支障がある事象までの距離を検知する第1検知手段(例えば、後述する実施形態でのECU19)と、前記車両の進行方向前方に位置する先行車両を検知して、前記先行車両の相対速度および前記先行車両までの距離を検知する第2検知手段(例えば、後述する実施形態でのセンサECU15)と、前記第1検知手段および前記第2検知手段のうちの少なくとも何れかによる検知結果に基づいて、前記車両の乗員に対する警報の出力および前記車両の回避動作の実行のうちの少なくとも何れかを行う回避支援手段(例えば、後述する実施形態でのステアリング制御部17およびブレーキ制御部18およびECU19)と、前記第1検知手段および前記第2検知手段による検知結果に基づいて、前記回避支援手段の作動タイミング(例えば、後述する実施形態での制動距離Lt1、相対距離Lt2)を算出する作動タイミング算出手段(例えば、後述する実施形態でのステップS10)と、前記第1検知手段および前記第2検知手段による検知結果に基づいて、前記先行車両の回避動作を予測する動作予測手段(例えば、後述する実施形態ではステップS10が兼ねる)と、前記動作予測手段にて予測した前記先行車両の前記回避動作の作動タイミング(例えば、後述する実施形態での先行車両Qが障害物Pを認知して制動動作を開始する地点と障害物Pとの間の距離Lt、先行車両Qと車両23との間の距離L3)に所定の補正係数(例えば、後述する実施形態での(1+k))を作用させて得た補正後の作動タイミング(例えば、後述する実施形態での(1+k)・Lt、(1+k)・L3)を、前記回避支援手段の前記作動タイミングとして設定する作動タイミング補正手段(例えば、後述する実施形態ではステップS10が兼ねる)とを備えたことを特徴としている。
【0007】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、進行方向前方の位置に障害物等の事象を検知して回避動作を実行する先行車両に対して、例えば先行車両が回避動作を開始するよりも以前のタイミングで、車両の回避動作を行うように設定することで、先行車両よりも余裕のある回避動作を実行することができる。
【0009】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、先行車両が実行する急制動等の回避動作を予測しておき、この先行車両の回避動作の作動タイミングを補正することで、先行車両の作動タイミングよりも以前の作動タイミングで車両の回避動作を行うように設定する。すなわち、先行車両が通常走行中の状態から、既に車両は回避動作を実行することとなり、例えば先行車両が急制動を行う場合であっても、余裕がある緩やかな制動を行うことができる。
【0010】
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記作動タイミング補正手段は、前記動作予測手段にて予測した前記作動タイミングにおける前記先行車両と前記事象との間の距離(例えば、後述する実施形態での先行車両Qが障害物Pを認知して制動動作を開始する地点と障害物Pとの間の距離Lt)に基づいて補正を行うことを特徴としている。
【0011】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、例えば先行車両が進行方向前方の位置に障害物等の事象を検知して急制動等の回避動作を実行する時点での、先行車両と事象との間の距離を予測しておき、さらに、この距離に補正係数を作用させて、この距離よりも大きな制動距離を算出する。そして、先行車両と事象との間の距離が、算出した制動距離に到達した時点で車両の回避動作を実行する。これにより、先行車両よりも余裕を持って回避動作を行うことができ、例えば先行車両と車両との間の距離が短く、近接している場合であっても、先行車両に接触すること無しに確実に回避動作を行うことができる。
【0012】
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の走行安全装置では、前記作動タイミング補正手段は、前記動作予測手段にて予測した前記作動タイミングにおける前記先行車両と前記車両との間の距離(例えば、後述する実施形態での先行車両Qと車両23との間の距離L3)に基づいて補正を行うことを特徴としている。
【0013】
上記構成の車両の走行安全装置によれば、例えば先行車両が進行方向前方の位置に障害物等の事象を検知して急制動等の回避動作を実行する場合の、先行車両と車両との間の距離を予測しておき、さらに、この距離に補正係数を作用させて、この距離よりも大きな車間距離を算出する。そして、先行車両の制動時における先行車両と車両との間の距離が、算出した車間距離となるような作動タイミングで車両の回避動作を実行する。これにより、先行車両に接触すること無しに、先行車両よりも余裕を持って確実な回避動作を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置10の構成図である。
本実施の形態による車両の走行安全装置10は、例えばセンサ系をなすアンテナ11および前方検知センサ12および基準点マーカーセンサ13と、情報送受信部14と、センサECU15と、基準点マーカー受信部16と、制御系をなすステアリング制御部17およびブレーキ制御部18およびECU19と、ナビゲーションディスプレイ20と、表示部21と、音声出力部22とを備えて構成されている。
【0015】
アンテナ11に接続された情報送受信部14は、車両23の外部に設けられた情報発信装置24から発信される、例えばVICS(Vehicle Information & Communication System)情報等の道路交通情報をアンテナ11を介して受信すると共に、受信した道路交通情報や車両23に関する情報等を、例えば他の車両に搭載された車両の走行安全装置10等を含む車両23外部の適宜の受信装置(図示略)に向かい発信する。
ここで、情報発信装置24は、例えばFM多重放送等の放送装置又は中継装置や、路側等に配置されて光信号及び電波信号を発信するビーコン装置等を含む路車間通信装置や、他の車両に搭載された車両の走行安全装置10を含む車車間通信装置等をなしている。
【0016】
さらに、情報発信装置24は、例えば上位局(図示略)から配信される道路交通情報を車両23に向かって発信可能であり、この道路交通情報は、例えば、道路工事や幅員減少等の道路規制や、障害物や落下物や故障車や事故や渋滞等の各事象の発生を通知する情報、さらに、例えば降雨や降雪等の天候を含む自然状態に起因する道路の状態を示す事象(例えば、滑りやすくなっている等)に関する情報、つまり車両23の走行に対して何らかの影響を与えるものであって事前に通知されることで車両23の乗員が適宜に対処可能な各事象、及び、各事象の発生位置を示す位置情報(例えば、渋滞列の最後尾等)又は各事象の発生位置と車両23の位置との間の距離の情報、及び、情報発信装置24の設置位置の情報等から構成されている。
なお、情報発信装置24は、例えば特開平5−151497号公報に開示されたように、車両位置検出用の信号波を送信可能とされている。
【0017】
前方検知センサ12は、車両23の前方に向けて発信したレーザレーダやミリ波レーダ等の反射波に基づいて先行車両等の対象物を検知する。そして検知信号をセンサECU15に送出する。
検知信号を受信したセンサECU15は、対象物と車両23との相対距離及び相対速度を算出すると共に、反射波を受信した時のレーダ送信方向に基づいて対象物の方位を算出して、これらの算出結果をECU19へ送出する。
【0018】
基準点マーカーセンサ13は、例えば道路の路面に埋設された基準点マーカー(図示略)から送信されるマーカ信号を検出して、この検出信号を基準点マーカ受信部16へ送出する。
マーカ信号を受信した基準点マーカ受信部16は、車両23が走行支援道路システムにおける情報提供サービス区間に進入したと判断してECU19へ通知する。
【0019】
ステアリング制御部17は、運転手からの操作とは独立にECU19からの制御信号に基づいて、例えば車両23の走行に支障がある対象物等に対する車両23の回避動作を制御する。
ブレーキ制御部18は、運転手からの操作とは独立にECU19からの制御信号に基づいて、車両23の制動を制御しており、例えば車両23の走行に支障がある対象物等に対する車両23の減速又は停止動作等を制御する。
【0020】
ECU19は、後述するように、情報送受信部14にて受信した道路交通情報と、センサECU15にて算出した先行車両に対する相対速度および相対距離と、基準点マーカー受信部16にて受信したマーカー信号と、車両23の現在位置とに基づいて、例えば車両23の走行に支障がある対象物等に対する車両23の回避動作や停止動作等を開始するタイミングを算出すると共に、回避動作や停止動作等を指示する指令信号を出力する。
このため、ECU19には車両23の現在位置を検出する現在位置検出部(図示略)が備えられており、この現在位置検出部は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Position System)信号や、GPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号を処理する測位信号処理部(図示略)と、例えばVICS情報等のように情報発信装置24から発信される車両位置検出用の信号波を処理する位置検出用信号波処理部(図示略)と、例えば適宜のジャイロセンサー及び加速度計を具備してなる自律航法部(図示略)とを備えて構成されている。
【0021】
ここで、測位信号処理部は、例えば人工衛星から受信したGPS信号や適宜の基地局から受信したDGPS信号に基づいて車両23の現在位置を算出する。
位置検出用信号処理部は、例えばFM多重放送や路上等に配置されたビーコン装置からの光信号及び電波信号によって受信したVICS情報等の道路交通情報に基づいて車両23の現在位置を算出する。
自律航法部は、例えばジャイロセンサーにより、水平面内での車両23の向き及び鉛直方向に対する傾斜角度の角度変化量を検出すると共に、例えば加速度計により車両23の加速度を検出して車両の現在位置を算出する。
【0022】
ナビゲーションディスプレイ20は、適宜の記憶部(図示略)から検索して得られる地図データに基づいて、例えば経路誘導等において利用されるナビゲーション用の地図を表示すると共に、例えばポップアップ表示画面等において、例えば車両23の走行に支障がある対象物等に関する表示を行う。
表示部21は、例えば車両23のインストルメントパネル内に設けられた液晶表示装置等をなしており、例えば車両23の走行に支障がある対象物等の図形や、車両23の現在位置から各対象物の存在位置までの距離や、各対象物に関する情報及び警報等を表示する。
音声出力部22は、例えば目的地までの経路誘導等における音声ガイダンスに加えて、例えば車両23の走行に支障がある対象物等に関する情報や、車両23の回避動作や停止動作等を促す各種のメッセージや警報メッセージ等を運転者に向けて出力する。
【0023】
本実施の形態による車両の走行安全装置10は上記構成を備えており、次に、この車両の走行安全装置10の動作について添付図面を参照しながら説明する。
図2は車両の走行安全装置10の動作を示すフローチャートであり、図3は車両23の前方に位置する障害物Pおよび先行車両Qの位置関係を示す図である。
【0024】
先ず、図2に示すステップS01において、車両23の走行中に、例えば道路の路面に埋設された基準点マーカー(図示略)から送信されるマーカ信号を検出すると、ステップS02に進む。
ステップS02においては、車両23が走行支援道路システムにおける情報提供サービス区間に進入したと判断して、ステップS03に進む。
【0025】
ステップS03においては、車両23の外部に設けられた情報発信装置24から、例えば、道路工事や幅員減少等の道路規制や、歩行者や駐停車車両や障害物や落下物や故障車や事故や渋滞等の各事象、さらに、例えば降雨や降雪等の天候を含む自然状態に起因する道路の状態等の情報に加えて、車両23の走行に支障がある対象物に関する情報を受信する。
また、これらの情報には、例えば基準点マーカに対する事象および対象物の位置、事象および対象物の種類や大きさ、道路の形状等の情報が含まれている。
【0026】
ステップS04においては、運転者の操作に基づく車両23の回避動作や制動動作等が実行されたか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS05に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS06に進む。
【0027】
ステップS05においては、運転手の操作に基づいて車両23の回避動作や制動動作等を行い、後述するステップS12に進む。
一方、ステップS06においては、ECU19の制御に基づく車両23の動作制御に移行する。
先ず、ステップS07においては、前方検知センサ12からの検知信号に基づいて、先行車両Qが存在するか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS08に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS09に進む。
【0028】
ステップS08においては、対象物センシングに基づく自動回避を実行して、後述するステップS12に進む。すなわち、例えば図3に示すように、車両23の外部に設けられた撮像装置R等によって検出された障害物等の事象および対象物に関する情報、例えば基準点マーカに対する事象および対象物の位置、事象および対象物の種類や大きさ、道路の形状等の情報に基づいて、車両23の回避動作や停止動作等を実行する。
【0029】
ステップS09においては、後述するように、自律センシングに基づいて先行車両Qとの関係を示す情報を算出する。すなわち、前方検知センサ12からの検知信号に基づいて、先行車両Qと車両23との間の相対速度や相対距離、さらには、先行車両Qと事象および対象物との間の相対距離等を算出する。
そして、ステップS10においては、後述するように、車両23の回避動作や制動動作等を開始する作動タイミングに対する補正処理を行う。
【0030】
そして、ステップS11においては、ステップS10にて算出したタイミングにおいて車両23の回避動作や制動動作等を実行する。
そして、ステップS12においては、車両23が走行支援道路システムにおける情報提供サービス区間から退出した後にステップS01に進む。
【0031】
以下においては、上述したステップS10における作動タイミングに対する補正処理の一例として、例えば図3に示すように、車両23の前方を走行する先行車両Qが、見通しの悪いカーブにおいて障害物Pを発見して急制動を行う場合について説明する。
【0032】
先ず、下記数式(1)に示すように、車両23の外部に設けられた撮像装置R等からなる対象物センシングに基づいて算出される障害物Pと車両23との間の距離L1と、前方検知センサ12からなる自律センシングに基づいて算出される先行車両Qと車両23との間の距離L2とによって、先行車両Qと障害物Pとの間の距離Lを算出する。
【0033】
【数1】
【0034】
ここで、先行車両Qが障害物Pを認知して制動動作を開始する地点と、障害物Pとの間の距離Ltは、下記数式(2)に示すように、例えば予め設定された先行車両Qの減速度α2(例えば、重力加速度Gに対して、0.4〜0.5G)と、先行車両Qが障害物Pを認識するまでに要する時間t2(つまり、先行車両Qの運転手の反応時間)と、前方検知センサ12からなる自律センシングに基づいて算出される先行車両Qの速度v2とによって、先行車両Qの空走距離(下記数式(2)における第1項)と減速区間の距離(下記数式(2)における第2項)との和として算出される。
【0035】
【数2】
【0036】
この時、下記数式(3)に示すように、上記数式(2)にて得られた距離Ltに、補正係数k(0<k<1)を作用させて制動距離Lt1を算出する。そして、上記数式(1)にて得られる先行車両Qと障害物Pとの間の距離Lが、制動距離Lt1に到達した時点で、車両23の制動動作を開始するように設定する。
【0037】
【数3】
【0038】
これにより、たとえ先行車両Qと車両23との間の距離L2が小さく、先行車両Qと車両23とが近接している場合であっても、車両23は、先行車両Qよりも小さな減速度で余裕を持って制動動作を行うことができる。
【0039】
また、上述したように、先行車両Qと障害物Pとの間の距離L(つまり、先行車両Qが制動動作を開始する地点と、障害物Pとの間の距離Lt)に基づいて車両23の制御タイミングを決定する方法に加えて、先行車両Qと車両23との間の距離L2に基づいて車両23の制御タイミングを決定しても良い。
この場合、先行車両Qが、例えば予め設定された減速度α2によって制動動作を開始したときに、車両23が、例えば予め設定された減速度α1(例えば、重力加速度Gに対して、0.4〜0.5G)によって制動動作を開始したとすると、制動時における先行車両Qと車両23との間の距離L3は、下記数式(4)に示すように、車両23が制動動作を開始するまでに要する時間t1(つまり、車両23の運転手の反応時間)と、車両23の速度v1とによって算出される。
【0040】
【数4】
【0041】
なお、上記数式(4)において、上記数式(1)および数式(2)に基づいてL=Ltとして距離L2を消去した。
【0042】
この時、下記数式(5)に示すように、上記数式(4)にて得られた距離L3に、補正係数k(0<k<1)を作用させて相対距離Lt2を算出する。そして、前方検知センサ12からなる自律センシングに基づいて算出される先行車両Qと車両23との間の距離L2が、相対距離Lt2に到達した時点で、車両23の制動動作を開始するように設定する。
【0043】
【数5】
【0044】
これにより、車両23は、制動時における先行車両Qと車両23との間の距離L3を算出する際に設定した減速度α1(例えば、重力加速度Gに対して、0.4〜0.5G)よりも小さな減速度で余裕を持って制動動作を行うことができる。
【0045】
上述したように、本実施の形態による車両の走行安全装置10によれば、たとえ先行車両Qと車両23との間の距離L2が小さく、先行車両Qと車両23とが近接している場合であっても、車両23は、先行車両Qよりも小さな減速度で余裕を持って制動動作を行うことができる。
さらに、車両23は、制動時における先行車両Qと車両23との間の距離L3を算出する際に設定した減速度α1(例えば、重力加速度Gに対して、0.4〜0.5G)よりも小さな減速度で余裕を持って制動動作を行うことができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、先行車両が回避動作を開始するよりも以前のタイミングで、車両の回避動作を行うように設定することで、先行車両よりも余裕のある回避動作を実行することができる。
さらに、先行車両が実行する急制動等の回避動作を予測しておき、この先行車両の回避動作の作動タイミングを補正することで、先行車両の作動タイミングよりも以前の作動タイミングで車両の回避動作を行うように設定することができ、例えば先行車両が急制動を行う場合であっても、余裕がある緩やかな制動を行うことができる。
【0047】
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、例えば先行車両と車両との間の距離が短く、近接している場合であっても、先行車両に接触すること無しに、先行車両よりも余裕を持って回避動作を行うことができる。
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の走行安全装置によれば、先行車両に接触することを確実に防止して、先行車両よりも余裕を持って確実な回避動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置の構成図である。
【図2】 図1に示す車両の走行安全装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 車両の前方に位置する障害物Pおよび先行車両Qの位置関係を示す図である。
【符号の説明】
10 車両の走行安全装置
14 情報送受信部(受信手段)
15 センサECU(第2検知手段)
17 ステアリング制御部(回避支援手段)
18 ブレーキ制御部(回避支援手段)
19 ECU(第1検知手段、回避支援手段)
ステップS10 動作予測手段、作動タイミング算出手段、作動タイミング補正手段
Claims (3)
- 車両の外部に設けられた情報発信手段から前記車両の走行に関わる情報を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信した前記情報に基づいて前記車両の走行に支障がある事象までの距離を検知する第1検知手段と、
前記車両の進行方向前方に位置する先行車両を検知して、前記先行車両の相対速度および前記先行車両までの距離を検知する第2検知手段と、
前記第1検知手段および前記第2検知手段のうちの少なくとも何れかによる検知結果に基づいて、前記車両の乗員に対する警報の出力および前記車両の回避動作の実行のうちの少なくとも何れかを行う回避支援手段と、
前記第1検知手段および前記第2検知手段による検知結果に基づいて、前記回避支援手段の作動タイミングを算出する作動タイミング算出手段と、
前記第1検知手段および前記第2検知手段による検知結果に基づいて、前記先行車両の回避動作を予測する動作予測手段と、
前記動作予測手段にて予測した前記先行車両の前記回避動作の作動タイミングに所定の補正係数を作用させて得た補正後の作動タイミングを、前記回避支援手段の前記作動タイミングとして設定する作動タイミング補正手段と
を備えたことを特徴とする車両の走行安全装置。 - 前記作動タイミング補正手段は、前記動作予測手段にて予測した前記作動タイミングにおける前記先行車両と前記事象との間の距離に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行安全装置。
- 前記作動タイミング補正手段は、前記動作予測手段にて予測した前記作動タイミングにおける前記先行車両と前記車両との間の距離に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の車両の走行安全装置。
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