JP4376051B2 - フィルム厚の制御方法 - Google Patents
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Description
また、成形フィルムの膜厚制御にあっては、フィルムの幅方向の膜厚偏差(バラツキ)を小さくするために、前記Tダイは、そのリップ部をフィルム幅方向において所定ピッチ(20mm〜30mm)に配設した多数の調整ボルトにより、フィルムが押し出される該リップスリット(間隔)を個々(部分的)に分散して調整し、フィルム幅方向全体に対して、できるだけ同じフィルム厚となって押し出されるように構成されている。
この凹凸を生じたフィルムは、巻き戻したとき、該フィルムに部分的なうねりや残留歪みを発生させているため、凹凸の跡やシワができて、フィルムとしての商品価値が著しく低下するばかりか、使用上の大きな障害となるものであった。
例えば、Tダイのリップ部より押し出されたフィルム厚を、そのフィルム幅方向全幅に対して厚みセンサーにより走査させて測定値を取り出し、図9において実線で示すように、前記測定値に基づいて、フィルム厚みプロファイルにおける標準値軸線SLに対するフィルムの厚さ偏差(バラツキ)量を得る。
そして、この厚さ偏差(バラツキ)量に対して、その最大側(凸部)と最小側(凹部)のバラツキ範囲幅をできるだけ小さくする平均値を目標にした厚みに近づける制御を行って、図9において破線で示すように、厚さ偏差(バラツキ)量の最小化の補正により対応していた。
しかしながら、この補正制御では、図9において破線で示すように、依然、フィルム厚さが厚くなる凸部xがフィルム幅方向に対して点在する現象は解消されず、巻取ロールへこのフィルムを巻き取った際のロール状フィルムcは、この凸部xの巻取径の違いを生じて、該凸部xの巻取径は、図8に示すように、その近傍より大きくなった凹凸dを形成するため、前記同様に、フィルムに部分的なうねりや残留歪みを発生させる大きな問題点を生ずるものであった。
Tダイにおけるリップ間から押し出されたフィルムの幅方向全体に対して、該フィルム厚みを制御に必要な間隔ごとに測定し、これらの計測値に基づいて、前記Tダイにおけるリップ間隔を制御するフィルム厚の制御方法にあって、
前記リップ間隔を調整する調整手段を前記フィルムの幅方向の略全長に対して間隔的に設け、この調整手段により前記リップ間隔を補正した後のフィルム厚みプロファイルにおいて、前記フィルムの幅方向に亘って存するフィルム厚みの極大値のいずれもが、厚み許容範囲量内の適所のラインに揃うように前記補正を行うフィルム厚の制御方法にある。
また、巻取ロール側を所定ピッチに往復させて、フィルムの巻取位置を変化させるものである。
図1は、本発明実施例のフィルム厚の制御方法を採用したフィルムの成形装置Aの一部を簡略化して示すもので、溶融樹脂が収容された押出機1においてその吐出部に設けたTダイ2におけるリップ3,4の隙間(スリット)から押し出された膜状のフィルムbは、冷却等が行われるガイドロールや送りロール5,5あるいは加工ロール6を経て巻取ロール7へ連続的に巻き取られる。なお、リップ3,4は、成形されるフィルムbの幅方向に対して一連状の一体に形成されている。
この調整手段8は、図2に示すように、リップ3を押圧するあるいは押圧解除することで、該リップ3の先端部が進退し、これに伴って、リップ3,4の隙間が狭くなったり広がったりする。
ここでいう、制御に必要な間隔ごとの計測とは、制御手段9へ送られた計測値を基に調整手段8を任意に制御し得るデータが得られる間隔であり、適宜設定し得るものであるが、調整手段8の配設に応じてなされることもあり、例えば、幅1mm〜25mm程度の間隔であるが、この数値に限定されない。
計測手段10は、その測定値を制御手段9へ送信するものであって、そのフィルムbへの計測位置は、調整手段8に対応する位置、あるいはその近傍対応位置において行われるもので、少なくとも、調整手段8に対応する数の測定値が順次得られ、それぞれの測定値は、制御手段9における処理回路9aにおいて記憶・演算などの適宜な処理がなされる。
フィルムbの作成にあって、あらかじめTダイ2におけるリップ3,4の間隔(溶融樹脂が吐出されるスリット)を、フィルムbの幅方向に対して所定ピッチ(例えば、25mm〜30mm間隔,本実施例においては25mm間隔)に設けられた複数の調整手段8によりそれぞれ調整して、成形される定められたフィルム厚基準に設定してある。
そして、成形装置1の稼働によりこのTダイ2のリップ3,4の間からは所定厚さとなったフィルムbが押し出されて、各ロール5,5や加工ロール6等を経て巻取ロール7へ連続的に巻き取られる。
この補正制御値の算出にあっては、薄い側(凹部側)を加算したり、厚い側(凸部側)を減算したり、あるいは、薄い側(凹部側)の加算と厚い側(凸部側)と減算とを相対的に同時算出したりするものである。
なお、図3において凹部となる部分nは、空気が充満することで、次に巻かれたフィルムbがこの部分nにおいて陥没などによる凹みを生じさせにくい。
Tダイ2から押し出されたフィルムbは、巻取ロール7へ巻き取られるその手前に設けた計測手段10により、Tダイ2から押し出されたフィルムbの幅方向全幅に対して、制御に必要な間隔ごとに、一連状にあるいは所定ピッチで、そのフィルムbの厚みが一回または複数回にわたって計測され、これらの測定値は、直ちに、制御手段9へ順次送られる。
この第一補正制御値rは、図5において棒グラフfに示すように、それぞれの測定値に対して数値を加減処理したとき、その結果のフィルム厚プロファイルのバラツキが最小化となる、いわゆる、厚みプロファイル変化量を計算するためのもので、これは仮想計算となる。
すなわち、この仮想プロファイルは、使用上の許容値範囲となるようなフィルムの膜厚に納められる。
すなわち、図6および図7において実線で示すように、フィルムbの幅方向全幅に対するフィルム厚みのバラツキe1に対して、同図において破線で示すように、リップ3,4の間隔を補正した後のバラツキe2におけるこのフィルム厚みが、その厚い側(凸部側)の値yが厚み許容範囲量内の適所のラインz(フィルム厚みプロファイルにおける標準値軸線SLと平行する位置)に揃うように、かつ、このラインzより凸部となる極大値側へ突出することがないように、その第二補正制御値sを制御手段9において算出する。
この第二補正制御値sの算出にあっては、薄い側(凹部側)を加算したり、厚い側(凸部側)を減算したり、あるいは、薄い側(凹部側)の加算と厚い側(凸部側)と減算とを相対的に同時算出したりするものである。
なお、図7において凹部となる部分nは、空気が充満することで、次に巻かれたフィルムbがこの部分nにおいて陥没などによる凹みを生じさせにくい。
すなわち、Tダイ2におけるリップ3,4間から押し出されたフィルムbの幅方向全体に対して、該フィルム厚みを測定し、この計測値に基づいて、Tダイ2におけるリップ間隔を制御するフィルム厚の制御方法にあって、Tダイ2から押し出されたフィルムbの幅方向全体に対してフィルム厚みを測定し、この測定によって得られたフィルム厚み測定値のバラツキe1、すなわち、フィルム厚プロファイルのバラツキe1における各凸部である極大値と、各凹部である極小値とから第一補正制御値rを求め、この得られた第一補正制御値rから厚みプロファイル変化量を求め、厚み測定値に対して厚みプロファイル変化量を加減して、巻取ロール7側の所定ピッチによる揺動後の巻取位置における平均プロファイルを基に仮想プロファイルを求め、この仮想プロファイルのフィルム厚みのバラツキにおける前記各凸部側が、前記フィルム厚みプロファイルにおける標準値軸線SLと平行する位置に揃えるための第二補正制御値sを求めて、この第二補正制御値sによってTダイ2におけるリップ3,4間隔を補正させる。
Claims (2)
- Tダイにおけるリップ間から押し出されたフィルムの幅方向全体に対して、該フィルム厚みを制御に必要な間隔ごとに測定し、これらの計測値に基づいて、前記Tダイにおけるリップ間隔を制御するフィルム厚の制御方法にあって、
前記リップ間隔を調整する調整手段を前記フィルムの幅方向の略全長に対して間隔的に設け、この調整手段により前記リップ間隔を補正した後のフィルム厚みプロファイルにおいて、前記フィルムの幅方向に亘って存するフィルム厚みの極大値のいずれもが、厚み許容範囲量内の適所のラインに揃うように前記補正を行うことを特徴とするフィルム厚の制御方法。 - 巻取ロール側を所定ピッチに往復させて、フィルムの巻取位置を変化させることを特徴とする請求項1記載のフィルム厚の制御方法。
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