JP2002028972A - フィルムロールの製造方法 - Google Patents

フィルムロールの製造方法

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JP2002028972A JP2000215586A JP2000215586A JP2002028972A JP 2002028972 A JP2002028972 A JP 2002028972A JP 2000215586 A JP2000215586 A JP 2000215586A JP 2000215586 A JP2000215586 A JP 2000215586A JP 2002028972 A JP2002028972 A JP 2002028972A
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Takeya Nohira
剛也 野平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みプロファイル測定値から巻形状を予測し
て制御することによって、巻き形状の良いフィルムロー
ルを得る。 【解決手段】 ロール状に巻き取られる延伸フィルムか
らなるフィルムロールの幅方向の厚み分布を測定し、こ
の積算データから巻形状を予測し、該巻形状の予測値に
よって厚みプロファイル調整のフィードバック量を最適
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製膜工程でのフィル
ムの制御におけるフィードバック量を最適化することに
よって、良好な巻き姿のフィルムロールを得ることので
きるフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レンなどの熱可塑性樹脂から成るフィルムの製造工程に
おいて、フィルムの幅方向の厚さを所定のプロフィール
たとえば全幅均一厚さに制御することが要求される。こ
のフィルムの厚さ調整は、溶融したポリマーを押出成形
するための広幅ダイの全幅に渡って配置された厚さ調整
手段群により行われる。
【0003】該厚さ調整手段群は、広幅のダイ温度を制
御するためのヒーター群、溶融ポリマーの吐出間隙を調
整するためのギャップ調整具群などの要素を含んで構成
される。また、これらのヒーター、ギャップ調整具など
を含む厚さ調整手段は、広幅ダイの全幅に渡って一定の
区画毎にそれぞれ配置されている。したがって、フィル
ムの厚さ調整は、下流側の各測定点で測定した製品フィ
ルム(通常は二軸延伸後のフィルム)の各厚さに基づい
て、前記の厚さ調整手段群をそれぞれ制御し、広幅のダ
イの全幅に渡ってそれぞれのポリマー吐出量を調整し
て、所望のフィルム厚さに制御する多点厚さ制御手段に
よるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の多点厚さ制御手
段によるフィルム厚さのプロフィールを制御する方法
は、ダイから吐出された広幅のポリマーを例えば二軸延
伸して二軸延伸フィルムとした後、二軸延伸フィルムの
厚さを測定し、これを目標とする厚さプロフィールに近
づけるように制御されるものである。しかしながら、た
とえ二軸延伸後のフィルム厚さが管理値以内に制御され
ていても、ロール状に積層されて巻き取られたフィルム
では、積層されることによって、その厚薄斑が積算され
るという事態が生じる。また、制御点におけるフィルム
厚さは十分に目標値に達していたとしても制御点の間に
ある厚薄斑によってこれを積層したときに積算されると
いう事態が生じる。もし、このような厚薄斑の積算が生
じると、巻かれたロールの幅方向の特定個所において、
前述の多点厚さ制御手段では制御しきれない巻こぶや巻
しわが発生するという課題を惹起する。
【0005】そこで、二軸延伸フィルムの厚さプロフィ
ールを一定時間測定し、測定したデータを積算すること
で、ロール状に巻かれたフィルムの幅方向の各厚さプロ
フィールを求めることによって、これらの巻きこぶや巻
きしわを予測して制御することが考えられる。しかしな
がら、フィルムの製造工程においては、フィルムの全幅
にわたって完全に厚みを均一にすることはできず、工程
における癖や外乱の影響のためフィルムの幅方向におい
てどうしても制御しきれない厚薄癖が残ってしまうた
め、フィルムロールに巻こぶや巻しわを形成してしま
う。
【0006】また、このような厚薄斑をオンライン厚み
計で検出できたとしても、フィルムの厚さを調節するた
めに、ダイの幅方向を一定の区間毎に区分されて配設さ
れた厚さ調整手段群の配置間隔が課題となる。すなわ
ち、調整手段群が設けられた各区間を基本単位としてダ
イの幅方向のフィルム厚さが制御されるために、該基本
単位区間より狭い区間(間隔)でフィルム厚さを調整す
ることは、基本的に極めて困難である。このため、厚さ
調整手段の配置間隔に起因する厚薄斑が依然として残
り、この厚薄斑の中で特に大きいものによって巻こぶが
形成されることが多かった。
【0007】そのため、巻き取ったフィルムのロールを
巻き取り方向にスリットして広幅のフィルムを複数の小
幅フィルムロール群に分割する際に、例えば特公昭36
−22875号等に記載のオシレーション(oscil
lation)と呼ばれる操作を行いながらスリットす
ることで、巻こぶの影響を取り除くことが行われる。し
かしながら、このようなオシレーションを行っても、大
きな巻こぶの影響は十分に取り除く事ができず、スリッ
ト後の製品に巻しわが入ったり、巻こぶが残ったままだ
ったりすることが多かった。
【0008】なお、これら延伸フィルムをロール状に巻
いた時の巻こぶ、巻しわ等の巻形状不良は、たとえば磁
気記録媒体の支持体に用いた場合に磁気層を塗布する際
の塗布斑や磁気記録再生時のエラーとなったり、或い
は、磁気層を塗布後にスリットしたときに幅方向で長手
方向に差ができて、きれいに巻き取ることができなかっ
たりする課題がある。
【0009】本発明はかかる現状に鑑みてなされたもの
であり、巻こぶや巻しわのない良好な巻き姿を有するフ
ィルムロールを得ることのできるフィルムの制御方法を
提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のフィルムロール
の製造方法は、流延製膜法によって連続的に製膜し、か
つ延伸して得られたフィルムを、ロール状に巻き取って
中間フィルムロールとし、一度巻き取られた中間フィル
ムロールを巻き出して、オシレートをかけならが必要な
幅に切り取りつつ再度ロール状に巻き取り、最終のフィ
ルムロールを製造する方法において、製膜時に用いるダ
イは、フィルム材料となる溶融した熱可塑性樹脂の吐出
口が複数の区間に区分され、中間フィルムロールに巻き
取る前のフィルム幅方向の厚さ分布に基づいて、まずは
最終のフィルムロールの巻形状を予測し、予測される最
終の巻形状に基づいて、ダイの各区間ごとの吐出量を個
別に制御することを特徴とする。
【0011】すなわち本発明によれば、中間フィルムロ
ールに巻き取る前の段階でフィルム幅方向の厚みプロフ
ァイルを測定し、概測定値からオシレート後の巻取りフ
ィルムロールの巻形状を予測し、該巻形状の予測値によ
って前記のプロファイル制御量を最適化することによっ
て、巻形状の良好なフィルムロールを得ることができ
る。
【0012】本発明において最終のフィルムロールの巻
形状予測は、中間フィルムロールにフィルムを巻き取る
前の工程で、フィルム幅方向に複数設置した厚み測定器
により、フィルム厚みを各測定器ごとに時系列に複数回
測定し、時系列に複数回測定された厚み値を各厚み測定
位置ごとに積算して、各厚み測定位置での厚み積算値を
得て、時系列に測定したおりの測定回数で厚み積算値を
除算して、各厚み測定位置での時系列平均厚み値を得た
後、各厚み測定位置ごとに、オシレート振幅量に相当す
る幅の範囲内存在する厚み測定位置から得られる時系列
平均厚み値の平均値を求めて、オシレート補正時系列平
均厚み値とし、厚み測定位置とフィルム幅方向の位置が
同じ位置での最終のフィルムロールの巻き取り径は、オ
シレート補正時系列平均厚み値に巻き取り層数と補正係
数を乗算することが好ましい。これにより生産性良く、
より性格な形状予測が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明を実施する製膜工程
を模式的に例示した模式工程図である。図1において、
1は熱可塑性合成樹脂(以下、「ポリマー」と称す
る。)をフィルム状に吐出するダイ、2は熱可塑樹脂の
吐出量を調整するための調整手段、3は冷却ドラム、4
はスリット装置、5はフィルムの延伸装置、6は延伸フ
ィルム用厚み計、7はフィルムロール(なお、本発明に
おいては、最初の巻き取りロールを7a、スリット前の
ロールを7b、スリット後のロールを7cとそれぞれ区
別して表す。)、8は制御手段、そして9はフィルム
(なお、本発明においては、未延伸フィルムを9a、延
伸フィルムを9bとそれぞれ区別して表わす。)をそれ
ぞれ示す。
【0014】以上のように構成される本発明のフィルム
の製造工程において、フィルム用熱可塑性合成樹脂は押
出機(図示せず)より溶融押出しされ、ダイ1に供給さ
れる。なお、溶融ポリマーを吐出するダイ1の全幅に渡
って、所定幅の区間毎に複数個に区分したポリマーの吐
出量を調節するための調節手段2が設けられている。そ
して、この調節手段2を操作することによって各区間毎
にダイ1から吐出されるポリマーの吐出量を調整でき、
ダイ1の全幅にわたってポリマーの吐出量分布を調整自
在とする。その結果、フィルム9の厚さプロフィール
(フィルムの幅方向の厚み分布)を最終的に初期の目的
通りの厚みプロフィールに調整することができる。
【0015】なお、前記の調整手段2としては、ダイ1
の各区画毎にポリマー吐出量を操作量出力に応じて調整
できるものであれば特に制限する必要はない。しかしな
がら、操作性、保全性、ダイ1の構造の簡易化という点
で、各区画毎に伝熱量を調節自在のヒーター群を用い
て、ダイ1のリップ温度を変化させることによってポリ
マー流量を変化させる温度調整方式が好ましい。
【0016】以上に述べたように、溶融ポリマーは、調
整手段2によって各区間毎にその吐出量が制御されなが
ら、ダイ1よりからフィルム状に吐出され、冷却ドラム
3によって冷却固化されて未延伸フィルム9aとなる。
その後、冷却固化された未延伸フィルム9aは、延伸装
置5によって、走行方向と幅方向とへ二軸に延伸され、
延伸フィルム9bとなり、最終的にフィルムロール7と
して巻取装置(図示せず)によって巻き取られる。な
お、フィルム9は、単層フィルムであっても、或いは2
層以上のフィルムが積層された複層フィルムであっても
良い。この場合、フィルム9の層構成が2層以上であれ
ば、各層のフィルムを形成させるポリマーは、ダイ1の
上流で合流させた後、ダイ1より押し出しすことによっ
て形成しても良い。また、特開昭63−120629号
公報等で提案されている従来技術のように、ダイ1に複
数のポリマー通路を形成し、複数のポリマーを該通路に
合流させて開口部に導き、ポリマーを複層に積層したフ
ィルム状にし、これを押し出すように構成された複合ダ
イを用いても良い。
【0017】前述のように、前記の未延伸フィルム9a
は延伸装置5によって延伸されて延伸フィルム9bとさ
れるが、その際、該延伸フィルム9bの厚さに関して
は、少なくともポリマー吐出量が調整される各区間に対
応する延伸部位毎に延伸フィルム用厚さ計6によって測
定される。そして、このようにして測定された各厚み測
定値を予め設定された目標延伸厚さ値に合致させるよう
に、前記の調整手段2によって、ダイ1からのポリマー
の吐出量が調整される。この時、延伸フィルム用厚さ計
6は、延伸フィルム9bの幅方向に走査される。そし
て、この走査によって、測定しようとする各延伸厚み測
定部位毎に延伸フィルム9bの厚みプロフィールがそれ
ぞれ測定される。なお、延伸フィルム用厚さ計6として
は、延伸フィルム9bの厚みを要求される精度で正確に
測定することができれば、特に限定する必要はないが、
このような延伸フィルム用厚さ計6としては、たとえば
オンラインでの測定精度の面から放射線透過型厚さ計等
を用いることが好ましい。
【0018】こうして巻き取ったフィルムロール7aは
スリット装置4に7bの如くセッティングされオシレー
ションしながら製品幅にスリットされ7cとして巻き取
られる。このとき7bをオシレーションする量と速さ
は、犀落部分を小さくするようにかつフィルムロール7
cにシワなどの欠点が入らないように経験的に決定さ
れ、スリット装置4にて調整される。オシレーションは
スリット装置4の図示しないロールトラバース装置によ
って行われ、7bをフィルムの幅方向に指定の速さと幅
で移動させることによって行うことができる。
【0019】上述のような製造工程において厚薄を制御
するにあたり、延伸フィルム用厚み計6によって測定さ
れた厚みプロファイル測定値から、オシレート後の巻取
りフィルムロールの巻形状を予測し、該巻形状の予測値
によって前記のプロファイル制御量を最適化する。
【0020】フィルムロールの巻形状の予測は、巻き取
られたフィルムロールにおける製膜幅方向の予測対象位
置での、巻き取り径を予測することである。そしてこれ
は、フィルムの走行速度、フィルムの巻長、厚み計の走
行速度から、割り出すことができる。
【0021】これは簡易的には、次の方法で予測可能で
ある。すなわち、まずは製膜幅方向に複数設置した測定
位置で、中間巻き取り前のフィルム厚みを時系列に複数
測定する。この時系列に複数測定された厚み値を、各測
定位置ごとに積算して、各位置での厚み積算値を得る。
さらにこの厚み積算値を、時系列に測定したおりの測定
回数で除算して、各測定位置での時系列平均厚み値を得
る。
【0022】続いて、フィルムロールの予測対象位置を
基準とするオシレートの際のオシレート幅の中におけ
る、各厚み測定位置で得られた時系列平均厚み値の平均
値を求める。この平均値に巻き取りの層数と補正係数を
乗算する。これにより、巻き取られたフィルムロールに
おける製膜幅方向の任意の位置での巻き取り径を予測す
ることができる。
【0023】積算させる回数としては、フィルムロール
7aを巻いている間に厚み計6がスキャンした全てのデ
ータを積算するのが好ましいが、フィルム厚みの制御点
における偏差が小さくなっている場合フィルムロール全
体の巻長の1/3程度の間の積算でもフィルムロール7
cの巻形状を予測することができる。このとき厚みプロ
ファイル測定値に外乱やばらつきがなければ積算する必
要はないが、通常フィルムのしわ、ばたつき、環境の変
化など外乱の影響で正確な厚みプロファイルを得ること
ができない。そのために、積算した厚みプロファイルデ
ータを用いて、巻形状を予測する。
【0024】例えば、厚み測定器を設けたデータ取り込
みピッチがdmm、オシレート幅がwmm、フィルム幅
方向で端からimmの位置における積算厚みプロファイ
ルすなわち時系列平均厚みデータTi、フィルムロール
7cの層数をL層、形状予測ゲインをgとすると、im
mの位置における予測巻形状プロファイルFiは、次に
示す式により得ることができる。なお式中のint()
は、()内の値を整数化して値を返す関数を示す。j=
w/2
【0025】
【数1】
【0026】こうして得られた予測巻形状プロファイル
と、目標とする巻形状プロファイルから、偏差を求め、
調整手段に対応する位置の偏差を小さくするように制御
を行うのである。制御の方式は、特に限定されるもので
ないが、PID制御を用いるのがパラメータの調整や制
御精度の面から好ましい。
【0027】[実施例および比較例]図1に示す装置に
よって、フィルムロールの製造を行った。原料ポリマー
として、固有粘度が0.60のポリエチレンテレフタレ
ートのペレットを用いた。その際、該ポリエチレンテレ
フタレートのペレットには、酢酸カリウムをジカルボン
酸成分に対し12mmol%、平均粒子径0.9μmの
カオリンを0.3wt%添加した。そして、このように
調整した原料ポリマーからなるペレットを170℃で3
時間乾燥した後、押出機(図示せず)に供給し、280
℃で溶融押出し、ダイ1のマニホールドに供給し、ダイ
1からフィルム状に吐出した。次いで、吐出したポリマ
ーを20℃に保たれた冷却ドラム3に、公知の静電ワイ
ヤ(図示せず)により静電荷を印加しながら、巻き付け
ることにより冷却固化して、未延伸フィルム9aとし
た。
【0028】この未延伸フィルム9aを、延伸装置5に
おいて以下のように2軸延伸した。すなわち、先ず加熱
ロール(図示せず)に接触させて80℃に加熱した後、
縦延伸装置(図示せず)で長手方向(フィルムの走行方
向)に3.6倍に延伸し、直ちに20℃まで冷却し、続
いて横方向にテンター式横延伸装置(図示せず)を用い
て90℃で4.3倍に延伸した後、120℃で熱処理を
施し、室温まで冷却した。その後、フィルムエッジ部分
をカットした後、巻取装置で巻き取り、中間工程のフィ
ルムロール7aを得た。なお、厚み調整ユニット群(調
整手段2)には、前述の樹脂温度調整方式のものを用
い、ダイ1の全幅に渡って30区間に区分し、区分され
た各区間毎にポリマーの吐出量を調整自在となるように
配設した。
【0029】本実施例では、オシレートの幅は160m
mとした。そして厚み計6は、フィルム幅方向に20m
m間隔で厚みデータを取り込むようにした。すなわち、
オシレート補正時系列平均厚みは、9箇所の時系列平均
厚みデータを平均して得ることとした。例えばフィルム
幅方向に1000mmの位置におけるフィルムロールの
径の予測値は、920mmから1080mmの位置にお
いて20mm間隔での測定された9箇所の時系列平均厚
み値の平均を求め、これにロールの巻き取り層数と空気
層の厚みを補正するための補正係数を乗算して得ること
となる。この補正係数は、巻き取りの条件により異なる
ものであるが、従来からの巻き取り方法においては、3
〜5%を付与することが適当である。
【0030】ある測定個所での時系列平均厚み値は4.
2μmであったが、オシレート補正時系列平均厚みは
4.0μmであった。巻き取りコア(直径6インチ)に
1万層巻き付けてフィルムロールを製造する場合に、フ
ィルムロールの直径Fdは次の式によって予測される。
補正係数は5%とした。 Fd=(4.0×10000×2)×1.05+6×25.4 =236.4 (mm)
【0031】図2のグラフには、最終フィルムロールの
フィルム幅方向の位置300〜1500mmにおける相
対的な巻形状偏差を示す。図2のグラフ中で3種類のデ
ータは、巻形状実測値に基づくもの、時系列平均厚みだ
けに基づくもの(×印プロット付き)、およびオシレー
ト補正時系列平均厚みに基づくもの(□印プロット付
き)を示す。図2の結果が示すように、本発明による巻
形状の予測は実際の形状との相関が良く得られている。
【0032】そして、このようにして本発明の制御方式
を用いて得られた巻形状の偏差は100μmと非常に良
好で、巻こぶやしわもなかった。一方比較のために巻き
形状のプロファイルを予測しない従来の制御方式を用い
て得られたまき形状の偏差は600μmと悪く、最終の
フィルムロール7cにおいて巻こぶを形成し、しわが入
ったものであった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、従来の延伸フィルムの
厚み制御のみでは困難であった、良好な巻き姿のフィル
ムロールが形成できる。全体として生産性も向上する。
このように本発明は、溶融ポリマーをフィルム状に押し
出してフィルムを製造する製膜工程において製品の高品
質化に大きな寄与をなすもので、生産性の向上、或いは
フィルム品質の向上等に大きな効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムロール製造装置
【図2】巻形状の実測値と予測値
【符号の説明】
1 ダイ 2 調整手段 3 冷却ドラム 4 スリット装置 5 延伸装置 6 延伸フィルム用厚み計 7 フィルムロール 7a 最初に巻き取られたフィルムロール 7b スリッタの巻きだし側にセットされたフィルム
ロール 7c 製品幅にスリットされたフィルムロール 8 制御手段 9 フィルム 9a 未延伸フィルム 9b 延伸フィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流延製膜法によって連続的に製膜し、か
    つ延伸して得られたフィルムを、ロール状に巻き取って
    中間フィルムロールとし、一度巻き取られた中間フィル
    ムロールを巻き出して、オシレートをかけならが必要な
    幅に切り取りつつ再度ロール状に巻き取り、最終のフィ
    ルムロールを製造する方法において、製膜時に用いるダ
    イは、フィルム材料となる溶融した熱可塑性樹脂の吐出
    口が複数の区間に区分され、中間フィルムロールに巻き
    取る前のフィルム幅方向の厚さ分布に基づいて、まずは
    最終のフィルムロールの巻形状を予測し、予測される最
    終の巻形状に基づいて、ダイの各区間ごとの吐出量を個
    別に制御することを特徴とするフィルムロールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 最終のフィルムロールの巻形状予測は、
    中間フィルムロールにフィルムを巻き取る前の工程で、
    フィルム幅方向に複数設置した厚み測定器により、フィ
    ルム厚みを各測定器ごとに時系列に複数回測定し、時系
    列に複数回測定された厚み値を各厚み測定位置ごとに積
    算して、各厚み測定位置での厚み積算値を得て、時系列
    に測定したおりの測定回数で厚み積算値を除算して、各
    厚み測定位置での時系列平均厚み値を得た後、各厚み測
    定位置ごとに、オシレート振幅量に相当する幅の範囲内
    存在する厚み測定位置から得られる時系列平均厚み値の
    平均値を求めて、オシレート補正時系列平均厚み値と
    し、厚み測定位置とフィルム幅方向の位置が同じ位置で
    の最終のフィルムロールの巻き取り径は、オシレート補
    正時系列平均厚み値に巻き取り層数と補正係数を乗算す
    ることにより求めることを特徴とする請求項1記載のフ
    ィルムロールの製造方法。
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