JP4375739B2 - 燃料容器 - Google Patents

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本発明は、新規のエチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層に含有する燃料容器に関し、さらに詳しくはヒートショックテストを行った後においても安定して優れた燃料バリア性を有する燃料容器に関する。
一般に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記する)は、透明性、帯電防止性、耐油性、耐溶剤性、ガスバリア性、保香性などにすぐれており、包装材料を目的とする用途においては、EVOH層の表裏両面に低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステルなどのフィルムを積層することによってガスバリア性、香気保持性、食品の変色防止性などのEVOHの特性を維持しながら、落下強度、熱成形性、防湿性などのEVOHの欠点を補って各種包装用途に利用されており、さらに、最近では、上記の如き食品の包装用途だけでなく、炭化水素を主成分とする燃料の輸送・保管・貯蔵用のボトル、タンク、ドラム等の容器として用いられるようになってきている。
しかし、更なる燃料バリア性の向上の要求があり、例えば、1)EVOHを中間層とした容器においてその外側の層厚みを内側の層厚みより大きくした燃料容器(例えば、特許文献1参照。)や、2)低エチレン含有量のEVOHであって特定の金属塩を有するEVOHを中間層として燃料容器(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
特開平9−29904号公報 特開2001−341535号公報
しかしながら、近年の環境汚染に対する更なる規制強化の実施を受け、長期にわたり実使用されている条件下においても高い燃料バリア性が必要となっており、また、燃料容器の品質の安定性も強く求められており、1)および2)の方法ではヒートショックを受けた後において燃料バリア性が低下することがあり、また、ヒートショックを受ける前においても個々の燃料容器によって燃料バリア性能にばらつきが生じることが判明した。
そこで、本発明者は、かかる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、下記の構造単位(1)を含有するEVOHを中間層に含有し、その両外層に熱可塑性樹脂を含有する層を配した積層体からなる燃料容器が上記の目的に合致することを見出して本発明を完成するに至った。
Figure 0004375739
(ここで、Xは結合鎖であってエーテル結合を除く任意の結合鎖で、R1〜R4はそれぞれ独立して任意の置換基であり、nは0または1を表す。)
本発明においては、エチレン含有量が10〜60モル%であり、上記の構造単位(1)を0.1〜30モル%含有する、ホウ素化合物がホウ素換算でEVOH100部に対して0.001〜1重量部含有する等のEVOHを用いることが好ましい実施形態である。
本発明の燃料容器は、中間層に、特定の構造単位を含有するEVOHを有しているため、燃料バリア性能の安定性に優れ、かつヒートショックと言った急激な温度変化を受けた後においても良好な燃料バリア性能を有する燃料容器を得ることができるものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の燃料容器の中間層に使用されるEVOHは、上記の構造単位(1)、すなわち側鎖に1,2−グリコール結合を有する構造単位を含有することを特徴とするEVOHで、その分子鎖と1,2−グリコール結合構造とを結合する結合鎖(X)に関しては、エーテル結合を除くいずれの結合鎖を適応することも可能で、その結合鎖としては特に限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレンの他、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていても良い)の他、−CO−、−COCO−、−CO(CHCO−、−CO(C)CO−、−S−、−CS−、−SO−、−SO−、−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−、−HPO−、−Si(OR)−、−OSi(OR)−、−OSi(OR)O−、−Ti(OR)−、−OTi(OR)−、−OTi(OR)O−、−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−、等があげられるが(Rは各々独立して任意の置換基であり、水素原子、アルキル基が好ましく、またmは自然数である)、エーテル結合は溶融成形時に分解し、樹脂組成物の熱溶融安定性が低下する点で好ましくない。その中でも熱溶融安定性の点では結合種としてはアルキレンが好ましく、さらには炭素数が5以下のアルキレンが好ましい。また、樹脂組成物の燃料バリア性能が良好となる点で、炭素数はより少ないものが好ましく、n=0である1,2−グリコール結合構造が直接、分子鎖に結合している構造が最も好ましい。また、R1〜R4に関しては任意の置換基であり、とくに限定されないが水素原子、アルキル基がモノマーの入手が容易である点で好ましく、さらには水素原子が樹脂組成物の燃料バリア性が良好である点で好ましい。
上記のEVOHの製造方法については特に限定されないが、最も好ましい構造である主鎖に直接1,2−グリコール結合構造を結合した構造単位を例とすると、3,4−ジオール−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法、3−アシロキシ−4−オール−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法、4−アシロキシ−3−オール−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法があげられ、また、結合鎖(X)としてアルキレンを有するものとしては4,5−ジオール−1−ペンテンや4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジオール−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジオール−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジオール−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン等とビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法が挙げられるが、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンを共重合して得られた共重合体をケン化する方法が共重合反応性に優れる点で好ましく、さらには3,4−ジアシロキシ−1−ブテンとして、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを用いることが好ましい。また、これらのモノマーの混合物を用いてもよい。また、少量の不純物として3,4−ジアセトキシ−1−ブタンや1,4−ジアセトキシ−1−ブテン、1,4−ジアセトキシ−1−ブタン等を含んでいても良い。また、かかる共重合方法について以下に説明するが、これに限定されるものではない。
なお、かかる3,4−ジオール−1−ブテンとは、下記(2)式、3,4−ジアシロキシ−1−ブテンとは、下記(3)式、3−アシロキシ−4−オール−1−ブテンは下記(4)式、4−アシロキシ−3−オール−1−ブテンは下記(5)式で示されるものである。
Figure 0004375739
Figure 0004375739
(ここで、Rはアルキル基であり、好ましくはメチル基である。)
Figure 0004375739
(ここで、Rはアルキル基であり、好ましくはメチル基である。)
Figure 0004375739
(ここで、Rはアルキル基であり、好ましくはメチル基である。)
なお、上記の(2)式で示される化合物は、イーストマンケミカル社から、上記(3)式で示される化合物はイーストマンケミカル社やアクロス社の製品を市場から入手することができる。
また、ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
3,4−ジアシロキシ−1−ブテン等のモノマー、ビニルエステル系モノマー及びエチレンを共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用される。
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜7(重量比)程度の範囲から選択される。
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やt−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、α,α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−iso−プロピルパーオキシジカーボネート]、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジイソブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類などの低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して10〜2000ppmが好ましく、特には50〜1000ppmが好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により40℃〜沸点程度の範囲から選択することが好ましい。
本発明では、上記触媒とともにヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロキシカルボン酸を共存させることも好ましく、該ヒドロキシラクトン系化合物としては、分子内にラクトン環と水酸基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコノデルタラクトン等を挙げることができ、好適にはL−アスコルビン酸、エリソルビン酸が用いられ、また、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸等を挙げることができ、好適にはクエン酸が用いられる。
かかるヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロキシカルボン酸の使用量は、回分式及び連続式いずれの場合でも、酢酸ビニル100重量部に対して0.0001〜0.1重量部(さらには0.0005〜0.05重量部、特には0.001〜0.03重量部)が好ましく、かかる使用量が0.0001重量部未満では共存の効果が十分に得られないことがあり、逆に0.1重量部を越えると酢酸ビニルの重合を阻害する結果となって好ましくない。かかる化合物を重合系に仕込むにあたっては、特に限定はされないが、通常は低級脂肪族アルコールや酢酸ビニルを含む脂肪族エステルや水等の溶媒又はこれらの混合溶媒で希釈されて重合反応系に仕込まれる。
また、本発明では、上記の共重合時に本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルエチレンカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。
さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体、アセトアセチル基含有単量体等も挙げられる。
さらにビニルシラン類としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルイソブチルジメトキシシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビニルメトキシジブトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニルジメトキシヘキシロキシシラン、ビニルトリヘキシロキシシラン、ビニルメトキシジオクチロキシシラン、ビニルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシラン、ビニルジメトキシオレイロキシシラン等を挙げることができる。
得られた共重合体は、次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては、上記で得られた共重合体をアルコール又は含水アルコールに溶解された状態で、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び3,4−ジアシロキシ−1−ブテン等のモノマーの合計量に対して0.001〜0.1当量、好ましくは0.005〜0.05当量が適当である。
また、ケン化時の圧力は目的とするエチレン含有量により一概に言えないが、2〜7kg/cmの範囲から選択され、このときの温度は80〜150℃、好ましくは100〜130℃から選択される。
かくして、本発明に使用されるEVOHが得られるのであるが、本発明においては、得られたEVOHのエチレン含有量やケン化度は、特に限定されないが、エチレン含有量は10〜60モル%(さらには20〜50モル%、特には25〜48モル%)、ケン化度は90モル%以上(さらには95モル%以上、特には99モル%以上)のものが好適に用いられ、該エチレン含有量が10モル%未満では高湿時の燃料バリア性や外観性が低下する傾向にあり、逆に60モル%を越えると燃料バリア性が低下する傾向にあり、さらにケン化度が90モル%未満では燃料バリア性や耐湿性等が低下する傾向にあり好ましくない。
また、該EVOHのメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)についても特に限定はされないが、0.1〜100g/10分(さらには0.5〜50g/10分、特には1〜30g/10分)が好ましく、該メルトフローレートが該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出成形機内で高粘度となって押出成形が困難となる傾向にあり、また該範囲よりも大きい場合には、外観性や燃料バリア性が低下する傾向にあり好ましくない。
さらに、得られたEVOH中に導入される1,2−グリコール結合を有する構造単位量としては特に制限はされないが、0.1〜30モル%(さらには0.5〜20モル%、特には1〜10モル%)が好ましく、かかる導入量が0.1モル%未満では本発明の効果が十分に発現されず、逆に30モル%を越えると燃料バリア性が低下する傾向にあり好ましくない。また、1,2−グリコール結合を有する構造単位量を調整するにあたっては、1,2−グリコール結合を有する構造単位の導入量の異なる少なくとも2種のEVOHをブレンドして調整することも可能であるがその際のEVOHのエチレンの含有量の差は2モル%未満である。また、そのうちの少なくとも1種が1,2−グリコール結合を有する構造単位を有していなくても構わない。
かくして得られたEVOHは、このままで中間層に供することができるが、本発明においては、かかるEVOHに本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば無機系酸素吸収剤として、還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電解質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウム、光触媒酸化チタン等が、有機化合物系酸素吸収剤として、アスコルビン酸、さらにその脂肪酸エステルや金属塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水酸基含有フェノールアルデヒド樹脂等の多価フェノール類、ビス−サリチルアルデヒド−イミンコバルト、テトラエチレンペンタミンコバルト、コバルト−シッフ塩基錯体、ポルフィリン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエチレンイミン−コバルト錯体等の含窒素化合物と遷移金属との配位結合体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒドロキシル基含有還元性物質の反応物、トリフェニルメチル化合物等が、高分子系酸素吸収剤として、窒素含有樹脂と遷移金属との配位結合体(例:MXDナイロンとコバルトの組合せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:ポリプロピレンとコバルトの組合せ)、炭素−炭素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:ポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化崩壊性樹脂(例:ポリケトン)、アントラキノン重合体(例:ポリビニルアントラキノン)等や、さらにこれらの配合物に光開始剤(ベンゾフェノン等)や過酸化物補足剤(市販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性炭等)を添加したものなど)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミド等)等を配合しても良い。
また、本発明においては中間層に用いられるEVOHとして、成形性の向上を目的として、上述の如き構造単位(1)を含有するEVOHと他のEVOHとのブレンド物を用いることも可能で、かかる他のEVOHは、該構造単位(1)を有する特定のEVOHとエチレン含有量が異なるものであれば特に制限はなく、好適にはエチレン含有量が2〜20モル%(さらには3〜15モル%、特には4〜13モル%)異なるEVOHを用いることが好ましい。かかるエチレン含有量が、2モル%未満では、成形性の向上効果が得られず、逆に20モル%を超えると透明性が不良となって好ましくない。但し、含有割合が同じでエチレン含有量の異なるEVOHが存在する場合は、エチレン含有量の差が最も大きくなる組合せを選択してエチレン含有量の差とする。
2種のEVOHをブレンド方法としては、特に限定されず、各EVOHを水−アルコールやジメチルスルフォキサイド等の溶剤に溶解して溶液状態で混合する方法、各EVOHのケン化前のエチレン−酢酸ビニル系共重合体をメタノール等のアルコール溶媒に溶解した状態で混合して同時にケン化する方法、あるいは各EVOHを溶融混合する方法などが挙げられるが、通常は溶融混合する方法が採用される。
かかる溶融混合する方法としては、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。特に、水分や副生成物(熱分解低分子量物等)を除去するために、押出機に1個以上のベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガスを連続的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣化が軽減された品質の優れたEVOH組成物を得ることができる。
また、各EVOHを押出機に供給する方法についても特に限定されず、イ)各EVOHを押出機に供給する前に予めブレンド(前述の溶液混合やケン化前混合等)しておく方法、ロ)各EVOHをドライブレンドして一括して押出機に供給する方法、ハ)1種以上のEVOHを押出機に供給して溶融させたところに固体状の他のEVOHを供給する方法(ソリッドサイドフィード法)、ニ)1種以上のEVOHを押出機に供給して溶融させたところに溶融状態の他のEVOHを供給する方法(メルトサイドフィード法)等を挙げることができるが、中でもロ)の方法が装置の簡便さ、ブレンド物のコスト面等で工業上実用的である。
2種以上のEVOHのブレンド割合に関しては特に限定されないが、EVOHのブレンドがEVOH(a)とEVOH(b)の2種の場合、重量比がEVOH(a)/EVOH(b)=99/1〜55/45(さらには60/40)が好ましく、EVOH(a)の重量比が99より大きかったり55未満では2種のEVOHをブレンドする効果が得られない。また、EVOH(a)、EVOH(b)のいずれが構造単位(1)を有していても良いし、両方ともに構造単位(1)を有していてもよいが、EVOH(b)に構造単位(1)を含有している方が燃料バリア性が良好となる傾向にあり、好ましい。またEVOH(a)とEVOH(b)とEVOH(c)の3種をブレンドし、もっとも重量比の大きいEVOHをEVOH(a)、次に重量比の大きいEVOHをEVOH(b)、その次に重量比の大きいEVOHをEVOH(c)とする場合(EVOH(a)とEVOH(b)もくしはEVOH(b)とEVOH(c)の重量比は同じでも構わない)、その重量比はEVOH(a)/EVOH(b)=99/1〜55/45(さらには60/40)が好ましく、EVOH(a)の重量比が99より大きかったり55未満では複数のEVOHをブレンドする効果が得られず、EVOH(a)とEVOH(b)の合計量とEVOH(c)の重量比はEVOH(a)+EVOH(b)/EVOH(c)=99/1〜67/33から選択される。また、EVOH(a)とEVOH(b)もしくはEVOH(b)とEVOH(c)が全EVOHに対して同重量比である場合はEVOH(a)とEVOH(b)のエチレン含有量の差が最も大きくなる組合せが選択される。
さらには、本発明の目的を阻害しない範囲において、本発明のEVOHに酢酸、リン酸等の酸類やそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属等の金属塩を添加させることが、ホウ素化合物としてホウ酸またはその金属塩を添加させることが樹脂の熱安定性を向上させる点で好ましい。
酢酸の添加量としてはEVOH100重量部に対して0.001〜1重量部(さらには0.005〜0.2重量部、特には0.010〜0.1重量部)とすることが好ましく、かかる添加量が0.001重量部未満ではその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に1重量部を越えると得られる成形物の外観が悪化する傾向にあり好ましくない。
ホウ酸金属塩としてはホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)があげられる。またホウ素化合物の添加量としては、組成物中の全EVOH100重量部に対してホウ素換算で0.001〜1重量部(さらには0.002〜0.2重量部、特には0.005〜0.1重量部)とすることが好ましく、かかる添加量が0.001重量部未満ではその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に1重量部を越えると得られる成形物の外観が悪化する傾向にあり好ましくない。
また、かかる金属塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸等の無機酸の金属塩が挙げられ、好適には酢酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩である。また、該金属塩の添加量としては、EVOH100重量部に対して金属換算で0.0005〜0.1重量部(さらには0.001〜0.05重量部、特には0.002〜0.03重量部)とすることが好ましく、かかる添加量が0.0005重量部未満ではその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に0.1重量部を越えると得られるボトルの外観が悪化する傾向にあり好ましくない。尚、EVOHに2種以上のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩を添加する場合は、その総計が上記の添加量の範囲にあることが好ましい。
EVOHに酸類やその金属塩を添加する方法については、特に限定されず、ア)含水率20〜80重量%のEVOHの多孔性析出物を、酸類やその金属塩の水溶液と接触させて、酸類やその金属塩を含有させてから乾燥する方法、イ)EVOHの均一溶液(水/アルコール溶液等)に酸類やその金属塩を含有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断してペレットとして、さらに乾燥処理をする方法、ウ)EVOHと酸類やその金属塩を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法、エ)EVOHの製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸類で中和して、残存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩の量を水洗処理により調整したりする方法等を挙げることができる。本発明の効果をより顕著に得るためには、酸類やその金属塩の分散性に優れるア)、イ)またはエ)の方法が好ましい。
上記ア)、イ)またはエ)の方法で得られたEVOH(組成物)は、塩類や金属塩が添加された後、乾燥が行われる。
かかる乾燥方法としては、種々の乾燥方法を採用することが可能である。例えば、実質的にペレット状のEVOHが、機械的にもしくは熱風により撹拌分散されながら行われる流動乾燥や、実質的にペレット状のEVOHが、撹拌、分散などの動的な作用を与えられずに行われる静置乾燥が挙げられ、流動乾燥を行うための乾燥器としては、円筒・溝型撹拌乾燥器、円管乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等が挙げられ、また、静置乾燥を行うための乾燥器として、材料静置型としては回分式箱型乾燥器が、材料移送型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型乾燥器等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。流動乾燥と静置乾燥を組み合わせて行うことも可能である。
該乾燥処理時に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、40〜150℃が、生産性とEVOHの熱劣化防止の点で好ましい。該乾燥処理の時間としては、EVOHの含水量やその処理量にもよるが、通常は15分〜72時間程度が、生産性とEVOHの熱劣化防止の点で好ましい。
上記の条件でEVOH(組成物)が乾燥処理されるのであるが、該乾燥処理後のEVOH(組成物)の含水率は0.001〜5重量%(さらには0.01〜2重量%、特には0.1〜1重量部)になるようにするのが好ましく、該含水率が0.001重量%未満では、ロングラン成形性が低下する傾向にあり、逆に5重量%を越えると、溶融成形時時に発泡が発生する虞があり好ましくない。
かくして目的とするEVOHが得られるわけであるが、かかるEVOHには、本発明の目的を阻害しない範囲において、多少のモノマー残査(3,4−ジオール−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−オール−1−ブテン、4−アシロキシ−3−オール−1−ブテン、4,5−ジオール−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジオール−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジオール−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジオール−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、4,5−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン等)やモノマーのケン化物(3,4−ジオール−1−ブテン、4,5−ジオール−1−ペンテン、4,5−ジオール−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジオール−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジオール−1−ヘキセン等)を含んでいてもよい。
かくして得られた本発明に使用されるEVOH組成物は、このままで溶融成形等に供することができるが、本発明においては、かかるEVOH組成物に本発明の目的を阻害しない範囲において、さらに、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)、酸素吸収剤(例えば無機系酸素吸収剤として、還元鉄粉類、さらにこれに吸水性物質や電解質等を加えたもの、アルミニウム粉、亜硫酸カリウム、光触媒酸化チタン等が、有機化合物系酸素吸収剤として、アスコルビン酸、さらにその脂肪酸エステルや金属塩等、ハイドロキノン、没食子酸、水酸基含有フェノールアルデヒド樹脂等の多価フェノール類、ビス−サリチルアルデヒド−イミンコバルト、テトラエチレンペンタミンコバルト、コバルト−シッフ塩基錯体、ポルフィリン類、大環状ポリアミン錯体、ポリエチレンイミン−コバルト錯体等の含窒素化合物と遷移金属との配位結合体、テルペン化合物、アミノ酸類とヒドロキシル基含有還元性物質の反応物、トリフェニルメチル化合物等が、高分子系酸素吸収剤として、窒素含有樹脂と遷移金属との配位結合体(例:MXDナイロンとコバルトの組合せ)、三級水素含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:ポリプロピレンとコバルトの組合せ)、炭素−炭素不飽和結合含有樹脂と遷移金属とのブレンド物(例:ポリブタジエンとコバルトの組合せ)、光酸化崩壊性樹脂(例:ポリケトン)、アントラキノン重合体(例:ポリビニルアントラキノン)等や、さらにこれらの配合物に光開始剤(ベンゾフェノン等)や過酸化物補足剤(市販の酸化防止剤等)や消臭剤(活性炭等)を添加したものなど)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂(例えばポリオレフィン、ポリアミド等)等を配合しても良い。
本発明の燃料容器を製造するに当たっては、EVOH組成物および熱可塑性樹脂を、射出成形機、ダイレクトブロー成形機(連続式、アキュムレーター式)、射出ブロー成形機等に供して直接本発明の多層燃料容器を得る方法の他、EVOH組成物と熱可塑性樹脂とを共押出して得られた多層シートを真空成形する方法、熱可塑性樹脂フィルムにEVOH組成物/熱可塑性樹脂を共押出ラミネートして得た積層シートを真空成形する方法、熱可塑性樹脂フィルムとEVOH組成物フィルムを接着剤を用いてドライラミネートして得られた多層シートを真空成形する方法等を挙げることができ、好適にはダイレクトブロー、射出ブロー等のブロー成形方法が採用される。例えば、EVOH組成物と熱可塑性樹脂を共押出して得られたパリソンを金型で挟んで空気を吹き込んでブロー成形することにより、本発明の燃料容器が得られるのである。
尚、本発明においては、熱可塑性樹脂層を両最外層とするもので、EVOH組成物層をa、熱可塑性樹脂含有層をbとするとき、b/a/bの層構成だけでなく、b/a/b/a/b等や、さらには少なくともEVOH組成物と熱可塑性樹脂の混合物(スクラップ再生品)からなるリグラインド層をRとするとき、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能で、好適にはb/a/b、b/R/a/b、b/R/a/R/bの層構成が採用され、またこれらの層構成のbには必要に応じて、該リグラインド層に用いられる該混合物や後述の接着性樹脂を配合することも可能である。さらに、これらの積層体においては、必要に応じて各層間には接着性樹脂が使用される。
かかる接着性樹脂としては、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られたカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックまたはランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。このときの、オレフィン系重合体に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜3重量%(更には0.01〜1重量%、特には0.03〜0.5重量%)が好ましく、該変性オレフィン系重合体中の変性量が少ないと、層間接着性や成形性、耐衝撃性が不充分となることがあり、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあり好ましくない。またこれらの酸変性オレフィン系重合体には、EVOH組成物や他のEVOH、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、さらには他の熱可塑性樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、酸変性オレフィン系重合体の母体のオレフィン系重合体と異なるオレフィン系重合体をブレンドすることにより、接着性が向上することがあり有用である。
また、各層の厚みとしては、用途・容器形態や要求される物性などにより一概には言えないが、例えば自動車の燃料用タンクに用いられる場合は、aが30〜500μm(更には50〜400μm、特には80〜300μm)、bが100〜10000μm(更には200〜5000μm、特には300〜3000μm)程度であり、リグラインド層は100〜10000μm(更には200〜5000μm、特には300〜3000μm)、接着性樹脂層は30〜500μm(更には50〜400μm、特には80〜300μm)程度であり、燃料容器の全体厚みは300〜10000μm(更には1000〜8000μm、特には2000〜6000μm)程度である。特に、a(EVOH組成物層)が厚み方向の内側から外側にかけて20〜60%(更には25〜55%、特には30〜45%)の位置にあることが、燃料のバリア性、静的変形時の耐クラック性、長期間の層間接着性等にさらに優れる点で好ましい。
かくして得られた本発明の燃料容器は、燃料、特に酸素元素含有化合物を配合した燃料に対するバリア性と品質の安定性に極めて優れており、自動車のガソリン等の燃料用タンクをはじめ、オートバイ、船舶、航空機、発電機および工業用や農業用機器に搭載される燃料容器や、これら燃料の補給用の携帯用容器、さらにこれら燃料の輸送・保管・貯蔵用のボトル、タンク、ドラム等各種の容器として有用である。
また燃料としてはガソリン、特にメチルアルコール、エチルアルコール、メチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)等の酸素元素含有化合物を配合したガソリンをはじめ、重油、軽油、灯油やその他の燃料が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明の方法を具体的に説明する。なお、以下「%」とあるのは、特にことわりのない限り、重量基準を意味する。
重合例1
下記の方法によりEVOH組成物(A1)を得た。
冷却コイルを持つ1mの重合缶に酢酸ビニルを500kg、メタノール100kg、アセチルパーオキシド500ppm(対酢酸ビニル)、クエン酸20ppm、および3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを14kgを仕込み、系を窒素ガスで一旦置換した後、次いでエチレンで置換して、エチレン圧が35kg/cm2となるまで圧入して、攪拌した後、67℃まで昇温して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを15g/分で全量4.5kgを添加しながら重合し、重合率が50%になるまで6時間重合した。その後、重合反応を停止してエチレン含有量29モル%のエチレン-酢酸ビニル共重合体を得た。
該エチレン−酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液を棚段塔(ケン化塔)の塔上部より10kg/時の速度で供給し、同時に該共重合体中の残存酢酸基に対して、0.012当量の水酸化ナトリウムを含むメタノール溶液を塔上部より供給した。一方、塔下部から15kg/時でメタノールを供給した。塔内温度は100〜110℃、塔圧は3kg/cmGであった。仕込み開始後30分から、1,2−グリコール結合を有する構造単位を有するEVOHのメタノール溶液(EVOH30%、メタノール70%)が取出された。かかるEVOHの酢酸ビニル成分のケン化度は99.5モル%であった。
次いで、得られた該EVOHのメタノール溶液をメタノール/水溶液調整塔の塔上部から10kg/時で供給し、120℃のメタノール蒸気を4kg/時、水蒸気を2.5kg/時の速度で塔下部から仕込み、塔頂部よりメタノールを8kg/時で留出させると同時に、ケン化で用いた水酸化ナトリウム量に対して6当量の酢酸メチルを塔内温95〜110℃の塔中部から仕込んで塔底部からEVOHの水/アルコール溶液(樹脂濃度35%)を得た。
得られたEVOHの水/アルコール溶液を、孔径4mmのノズルより、メタノール5%、水95%よりなる5℃に維持された凝固液槽にストランド状に押し出して、凝固終了後、ストランド状物をカッターで切断し、直径3.8mm、長さ4mmの含水率45%のEVOHの多孔性ペレットを得た。
該多孔性ペレット100部に対して水100部で洗浄した後、0.032%のホウ酸及び0.007%のリン酸二水素カルシウムを含有する混合液中に投入し、30℃で5時間撹拌した。さらにかかる多孔性ペレットを回分式通気箱型乾燥器にて、温度70℃、水分含有率0.6%の窒素ガスを通過させて12時間乾燥を行って、含水率を30%とした後に、回分式塔型流動層乾燥器を用いて、温度120℃、水分含有率0.5%の窒素ガスで12時間乾燥を行って目的とするEVOH組成物のペレットを得た。かかるペレットは、EVOH100重量部に対して、ホウ酸およびリン酸二水素カルシウムをそれぞれ0.015重量部(ホウ素換算)および0.005重量部(リン酸根換算)含有していた。
また、このEVOH組成物のMFRは4.0g/10min(210℃、荷重2160g)であった。
また、1,2−グリコール結合の導入量を、ケン化前のエチレン−酢酸ビニル共重合体をH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出したところ、2.5モル%であった。なお、NMR測定には日本ブルカー社製「AVANCE DPX400」を用いた。
Figure 0004375739
H−NMR](図1参照)
1.0〜1.8ppm:メチレンプロトン(図1の積分値a)
1.87〜2.06ppm:メチルプロトン
3.95〜4.3ppm:構造(I)のメチレン側のプロトン+未反応の3,4−ジア セトキシ−1−ブテンのプロトン(図1の積分値b)
4.6〜5.1ppm:メチンプロトン+構造(I)のメチン側のプロトン(図1の積 分値c)
5.2〜5.9ppm:未反応の3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのプロトン(図1 の積分値d)
[算出法]
5.2〜5.9ppmに4つのプロトンが存在するため、1つのプロトンの積分値はd/4、積分値bはジオールとモノマーのプロトンが含まれた積分値であるため、ジオールの1つのプロトンの積分値(A)は、A=(b−d/2)/2、積分値cは酢酸ビニル側とジオール側のプロトンが含まれた積分値であるため、酢酸ビニルの1つプロトンの積分値(B)は、B=1−(b−d/2)/2、積分値aはエチレンとメチレンが含まれた積分値であるため、エチレンの1つのプロトンの積分値(C)は、C=(a−2×A−2×B)/4=(a−2)/4と計算し、構造単位(1)の導入量は、100×{A/(A+B+C)} =100×(2×b−d)/(a+2)より算出した。
また、ケン化後のEVOHに関しても同様にH−NMR測定を行った結果を図2に示す。1.87〜2.06ppmのメチルプロトンに相当するピークが大幅に減少していることから、共重合された3,4−ジアセトキシ−1−ブテンもケン化され、1,2−グリコール構造となっていることは明らかである。
重合例2
下記の方法によりEVOH組成(A2)を得た。
重合例1の3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの代わりに3,4−ジアセトキシ−1−ブテンと3−アセトキシ−4−オール−1−ブテンと1,4−ジアセトキシ−1−ブテンの70:20:10の混合物を用いた以外は同様に行い、1,2−グリコール導入量2.0モル%、エチレン含有量29モル%、ホウ酸含有量0.015重量部(ホウ素換算)、リン酸二水素カルシウム含有量0.005重量部(リン酸根換算)、MFRが3.4g/10分のEVOH組成物(A2)を得た。
重合例3
下記の方法によりEVOH組成(A3)を得た。
重合例1の3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの滴下速度を63g/分とし全量で19kg添加した以外は同様に行い、1,2−グリコール導入量4.5モル%、エチレン含有量29モル%、ホウ酸含有量0.015重量部(ホウ素換算)、リン酸二水素カルシウム含有量0.005重量部(リン酸根換算)、MFRが4.0g/10分のEVOH組成物(A3)を得た。
別途、エチレン含有量29モル%、ケン化度99.5モル%、MFR=3.5g/分(210℃、荷重2160g)ホウ酸の含有量(ホウ素換算)0.015重量部、リン酸二水素カルシウム含有量0.005重量部(リン酸根換算)、の1,2−グリコール結合を有しないEVOH組成物(A4)を用意した。
実施例1
重合例1で得られたEVOH組成物(A1)、熱可塑性樹脂(高密度ポリエチレン、日本ポリケム社製「HB214R」)及び接着性樹脂(無水マレイン酸変性の直鎖状低密度ポリエチレン系、三菱化学社製「M572」)を4種6層共押出多層ダイレクトブロー装置に供給して、[外側]高密度ポリエチレン層/リグラインド層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/高密度ポリエチレン層[内側]の積層体からなる4種6層の燃料容器(容量約40リットルのタンク:長径750mm、短径530mm、高さ280mmの小判型−湯たんぽ形状−)を得た。尚、該容器中央部分の積層体の厚みは5mmで、[外側]高密度ポリエチレン層/リグラインド層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/高密度ポリエチレン層[内側]の構成厚み比は15/45/3/4/3/30(EVOH層の位置は厚み方向の内側から外側にかけて約33〜37%)であった。ただし、リグラインド層には事前に成形済みの同燃料容器の粉砕物を使用した。
さらに、得られた燃料容器をタバイエスペック社製ヒートショック試験器「TSA−100L(A/W)」にて−40℃で1時間放置した後、75℃まで昇温して1時間放置した後、−40℃まで降温するというサイクルを5サイクル繰り返した後、燃料容器に、トルエンとイソオクタンとエチルアルコールの混合溶剤からなるモデルガソリン(混合容積比=40/40/10)を30リットル充填し、注入口を金属板で封鎖してから、該容器を40±2℃に設定された環境試験室に3ヶ月放置して、放置試験前後の燃料容器の重量変化を測定して、モデルガソリンの透過率(g/day)を算出してバリア性の評価を行った。
また、ヒートショックテストを行う前の燃料容器10個について、上記のモデルガソリンの透過率を測定し、その標準偏差を求めて燃料バリア性能の安定性の評価を行った。なお、標準偏差の小さい燃料容器の方が燃料バリア性のばらつきが小さく、安定性が良好と判断できる。
実施例2
実施例1において、EVOH組成物(A1)の代わりにEVOH組成物(A2)を使用した以外は同様に燃料容器を作製して、同様に評価を行った。
実施例3
実施例1において、EVOH組成物(A1)の代わりにEVOH組成物(A3)を使用した以外は同様に燃料容器を作製して、同様に評価を行った。
比較例1
実施例1において、EVOH組成物(A1)の代わりにEVOH組成物(A4)を使用した以外は同様に燃料容器を作製して、同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
〔表1〕
燃料透過率(g/day) 燃料透過率の標準偏差
実施例1 0.04 0.0082
〃 2 0.04 0.0094
〃 3 0.03 0.0074
比較例1 0.18 0.0149
本発明の燃料容器は、特定のEVOHを中間層に含有しているため、ヒートショックを受けた後においても良好な燃料バリア性を有しており、また安定した燃料バリア性能を発現し、自動車のガソリン等の燃料用タンクをはじめ、オートバイ、船舶、航空機、発電機、工業用や農業用機器に搭載される燃料容器、補給用の携帯用容器、燃料の輸送・保管・貯蔵用のボトル、タンク、ドラム等各種の燃料容器として有用である。
重合例1で得られたEVOHのケン化前のH−NMRチャートである。 重合例1で得られたEVOHのH−NMRチャートである。

Claims (15)

  1. 下記の構造単位(1)を含有するエチレン−ビニルアルコール共重合体を有する中間層の両外層に熱可塑性樹脂含有層を配した積層体からなることを特徴とする燃料容器。
    Figure 0004375739
    (ここで、Xは結合鎖であってエーテル結合を除く任意の結合鎖で、R1〜R4はそれぞれ独立して任意の置換基であり、nは0または1を表す。)
  2. 構造単位(1)のR1〜R4がそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数3〜8の環状炭化水素基又は芳香族炭化水素基のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の燃料容器。
  3. 構造単位(1)のR1〜R4がいずれも水素原子であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料容器。
  4. 構造単位(1)のXが炭素数6以下のアルキルレンであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の燃料容器。
  5. 構造単位(1)のnが0であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の燃料容器。
  6. エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含有量が10〜60モル%であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の燃料容器。
  7. 構造単位(1)が共重合によりエチレン−ビニルアルコール共重合体の分子鎖中に導入されたものであることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の燃料容器。
  8. 構造単位(1)をエチレン−ビニルアルコール共重合体の分子鎖中に0.1〜30モル%含有することを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の燃料容器。
  9. エチレン−ビニルアルコール共重合体が3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンの共重合体をケン化して得られたものであることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の燃料容器。
  10. エチレン−ビニルアルコール共重合体が3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、ビニルエステル系モノマーおよびエチレンの共重合体をケン化して得られたものであることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の燃料容器。
  11. エチレン−ビニルアルコール共重合体がホウ素化合物をエチレン−ビニルアルコール共重合体100重量部に対してホウ素換算で0.001〜1重量部含有することを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の燃料容器。
  12. 少なくとも熱可塑性樹脂含有層/リグラインド層/接着性樹脂層/エチレン−ビニルアルコール共重合体含有層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂含有層の積層構成からなることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の燃料容器。
  13. 燃料容器の厚み方向に対して、エチレン−ビニルアルコール共重合体含有層が内側から外側にかけて20〜60%の位置にあることを特徴とする請求項1〜12いずれか記載の燃料容器。
  14. エチレン−ビニルアルコール共重合体含有層の厚みが全層厚みの1〜20%であることを特徴とする請求項1〜13いずれか記載の燃料容器
  15. 燃料容器が自動車用燃料タンクであることを特徴とする請求項1〜14いずれか記載の燃料容器。
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