JP4374802B2 - 管理者側端末、自動販売機及び自動販売機システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管理者側端末、自動販売機及び自動販売機システムに係り、特に、ネットワークに接続可能な管理者側端末、自動販売機及び自動販売機システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動販売機は、硬貨や紙幣の投入により商品(飲料、菓子、煙草等)を購入させるものである。このような商品の中には、購入資格(例えば20歳以上)を有する有資格者に対してのみ販売を許可すべき商品(ビール、酒、煙草等)がある。
【0003】
従来の自動販売機では、購入資格があるか否かを判断するための機能を備えていなかったため、無資格者に対する商品の販売を禁止することができなかった。
【0004】
これを解決するため、免許証等に印刷された生年月日をカメラ等により読み取ることにより購入資格を有しているか否かを判断し、購入資格を有していない場合には、販売を禁止する自動販売機がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、免許証等の場合、容易にコピーすることができるため、無資格者による不正購入を効果的に防止するのは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、無資格者による不正購入を防ぐことが可能な管理者側端末、自動販売機及び自動販売機システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、個人情報を記録するための個人情報記録領域と有資格商品に対する販売許可情報を記録するための許可情報記録領域とを含む記録領域を備えた記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読み取った前記販売許可情報に基づいて前記有資格商品を販売可能か否かを判断し、販売可能であると判断した場合に、前記有資格商品の販売を許可するように制御する制御手段と、前記有資格商品を販売した場合に、販売した有資格商品に関する販売情報及び前記個人情報を、通信回線を介して送信する送信手段と、を備えた自動販売機の前記送信手段により送信された前記販売情報及び前記個人情報を受信する受信手段と、前記販売情報及び前記個人情報に基づいて前記記録媒体の発行元へ付与すべき対価に関する対価情報を生成して前記発行元に属する発行元側端末へ通信回線を介して送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
この発明は、アルコール入り飲料や煙草等の有資格商品を含む商品を販売する自動販売機に適用され、読取手段は、個人情報を記録するための個人情報記録領域と有資格商品に対する販売許可情報を記録するための許可情報記録領域とを含む記録領域を備えた記録媒体に記録された情報を読み取る。個人情報は、例えば記録媒体の本来の使用目的に用いられる情報であり、許可情報は、例えば有資格商品の購入資格があるか否か等を示す情報、又は購入資格があるか否かを判断するための情報(生年月日等)である。
【0009】
制御手段は、読取手段により読み取った販売許可情報に基づいて有資格商品を販売可能か否かを判断する。そして、有資格商品を販売可能であると判断した場合、すなわち記録媒体の利用者が有資格者であると判断した場合には、有資格商品の販売を許可するように制御する。
【0010】
なお、記録媒体には、他人に貸与しにくいもの、例えばクレジットカードやキャッシュカード、電車の定期券等を用いるのが好ましい。すなわち、これらには他人に知られたくない個人情報が記録されている場合が多く、通常は他人に貸与しないものである。このような記録媒体を用いることにより、無資格者による有資格商品の不正購入を防ぐことが可能となる。
【0011】
なお、前記有資格商品を販売した場合に、販売した有資格商品に関する販売情報及び前記個人情報を、通信回線を介して前記自動販売機の管理者に属する管理者側端末へ送出する送出手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0012】
これにより、管理者側端末では、利用者毎の販売履歴を管理することが可能となり、利用者や記録媒体の発行元に対して販売実績に応じた対価などを与えることが可能となる。
【0013】
上記の自動販売機は、以下のシステムに提供可能である。詳細には、個人情報を記録するための個人情報記録領域と前記有資格商品に対する販売許可情報を記録するための許可情報記録領域とを含む記録領域を備えた記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読み取った前記販売許可情報に基づいて有資格商品を販売可能か否かを判断し、販売可能であると判断した場合に、前記有資格商品の販売を許可するように制御する制御手段と、前記有資格商品を販売した場合に、販売した有資格商品に関する販売情報及び前記個人情報を、通信回線を介して送信する送信手段と、を備えた自動販売機と、前記記録媒体の許可情報記録領域に前記販売許可情報を記録する記録装置と、前記通信回線に接続され、前記販売情報及び前記個人情報を受信する受信手段と、前記販売情報及び前記個人情報に基づいて前記記録媒体の発行元へ付与すべき対価に関する対価情報を生成して前記発行元に属する発行元側端末へ通信回線を介して送信する送信手段と、を備えた前記自動販売機の管理者に属する管理者側端末と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、このようなシステムにおいて、前記記録装置が前記管理者側端末に設けられた構成としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は、無線または有線でネットワーク接続可能なコンピュータ・ネットワーク・システムに、本発明を適用したものである。なお、本実施の形態では、一例として購入資格(例えば20歳以上)を必要とするビール等のアルコール入り飲料を含む缶飲料を販売する自動販売機用のコンピュータ・ネットワーク・システムを例に説明する。
【0016】
図1には、本発明の実施に供される自動販売機用ネットワーク・システムの構成を模式的に示している。本実施の形態では、自動販売機用ネットワーク・システム10は、通信媒体として、インターネットやその他のネットワークとしてのLAN(Local Area Network)で代表されるネットワーク12、各国又は各地域の電話会社が構築・提供する公衆電話網などで代表される通信網14を含んで構成される。通信網14には、例えばPSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Service Digital Network)が含まれる。また、通信網14として、さらに、PDC(Personal Digital Cellular)やPHS(Personal Handyphone System)など各種形式の無線電話網を含むことができる。ネットワーク12と通信網14とは、ゲートウェイ・システム18によって相互接続されている。
【0017】
インターネットで代表されるネットワーク12には、ユーザが操作するユーザ・コンピュータ20、及び各種のサーバ・コンピュータ22が、それぞれモデム、ルータ、TA(ターミナル・アダプタ:Terminal Adapter)等の接続装置26を介して接続されている。これらのコンピュータは、ネットワーク12を介して、相互通信により情報授受が可能な構成である。また、ネットワーク12には、接続装置26を介してネットワーク管理下の自動販売機24が接続されている。
【0018】
ネットワーク12では、モデムやルータ等の接続装置26を経由して相互接続が可能であり、このようなネットワーク上のコンピュータ同士は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定の通信プロトコルに従って相互アクセスが可能である。従って、自動販売機用ネットワーク・システム10上には、無数のサーバ・コンピュータ(ホスト端末)やユーザ・コンピュータ(ユーザ端末)、そして自動販売機が接続された構成となる。
【0019】
これらコンピュータ・システムは、一部のコンピュータは各種の資源サービスを有償又は無償で提供する「サーバ」、他の一部はサーバに対して資源サービスを要求する「クライアント」として稼動する、所謂サーバ・クライアント・システムとして機能する。すなわち、本実施の形態では、ユーザ・コンピュータ20、及び自動販売機24が、「クライアント」として稼動する。なお、後述する通信網14に接続可能な携帯端末や自動販売機24も、「クライアント」として稼動する。本実施形態では、詳細は後述するが、ユーザコンピュータとしては自販機オーナー側に属するオーナー側コンピュータ70、後述するクレジットカードの発行元に属する発行元側コンピュータ72がある。
【0020】
ここでは、サーバ・コンピュータ22は1台で説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、機能別に分散して複数台で構成してもよい。
【0021】
なお、コンピュータには、当該コンピュータで指示入力をするために、各々キーボード、マウス等の入力装置が設けられており、コンピュータによる処理結果等を表示するためにディスプレイが設けられている。なお、コンピュータは、汎用的かつ一般的なハードウェア構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0022】
一方、通信網14は、携帯端末等の送受信装置に対するデータの送受信機能を有する基地局16を備えている。これによって、携帯端末等の送受信装置(携帯端末28や通信装置30)は、通信網14を介してネットワーク12への参加が可能となる。なお、通信網14は、携帯端末等の送受信装置に対するデータの送受信機能は勿論、認証機能や位置検出機能等の付与機能を提供できることが好ましい。
【0023】
この通信網14に接続可能な自動販売機24は、接続装置26に代えて通信装置30を備えている。自動販売機24は、通信装置30を介して通信網14との相互通信により情報授受が可能な構成である。
【0024】
また、自動販売機24は、データ入力及びデータ表示のためのコンソール32、情報を記録するための記録領域が設けられたカードに記録された情報を読み取るためのカードリーダ34を備えている。このようなカードとして、クレジットカード、キャッシュカード、電車等の定期券等を用いることができる。記録領域は、本来の用途に使用される個人情報を記録するための個人情報記録領域と有資格商品に対する販売許可情報を記録するための許可情報記録領域とから成る。情報の記録方法としては、磁気的に記録してもよいし、電気的に記録してもよい(ICカード等)。なお、本実施形態では、クレジットカードの場合について説明する。
【0025】
このような構成により、自動販売機24は、接続装置26及びネットワーク12を介してサーバ・コンピュータ22との相互通信による情報授受が可能となったり、通信装置30、通信網14、ゲートウェイ・システム18、及びネットワーク12を介してサーバ・コンピュータ22との相互通信による情報授受が可能となったりする。なお、通信装置30に代えて、携帯端末28を接続可能な接続装置を設け、この接続装置と携帯端末28とを接続することにより、携帯端末28を通信装置として機能させてもよい。
【0026】
また、複数の自動販売機24は、前扉と本体を施錠する電子錠が前扉の背面に付設され、営業所の管轄区域内に設置される。サーバ・コンピュータ22は管理部として機能し、複数の自動販売機の稼動状況を集中管理することができる。例えば、サーバ・コンピュータ22は、複数の自動販売機上の稼動状況として、故障、商品の在庫、釣銭切れ等を集中管理するとともに、個々の電子錠が持つ暗証コードを含む秘密鍵の設定および変更、個々の電子錠の施錠および開錠を集中管理する。また、携帯端末28(携帯電話)は、営業所の作業員が複数の自動販売機24を巡回する際に携行するものであるが、本発明は作業員による携帯端末の携行を限定するものではない。
【0027】
図2は、本発明が適用可能な、例えば缶飲料を販売する自動販売機24の前扉を閉じた状態を示す正面図である。なお、自動販売機24は、接続装置26及び通信装置30の少なくとも一方が接続可能である。
【0028】
前扉101は、自動販売機の左側両端を支軸として開閉し、コラム設定、缶飲料補充等を行うときは開錠して開き、通常販売を行うときは施錠して閉じておくものである。パネル102は、透明な樹脂板であり、内部に陳列されている複数種類の缶飲料サンプル103を確認するためのものである。硬貨投入口104は、利用者が硬貨を投入する部分であり、投入硬貨は自動販売機内部のコインメカに供給される。紙幣挿入口105は、利用者が紙幣を挿入する部分であり、挿入紙幣は自動販売機内部のビルバリに供給される。
【0029】
表示部106は、投入硬貨金額、挿入紙幣金額等を表示するものである。商品選択釦107は、販売可ランプおよび売り切れランプを内蔵し、缶飲料サンプル103それぞれに対応してパネル102に設けられるものである。販売可ランプは、利用者が少なくとも1本の缶飲料を購入できる硬貨投入または紙幣挿入を行うと、自動販売機内部の複数のコラム(収容棚)のうち、缶飲料が収容されているコラムに対応するものが点灯する。自動販売機24は、例えばサイズや適正温度が異なる複数のコラムを備えている。売り切れランプは、自動販売機内部の所定コラムが空になると、この缶飲料に対応するものが常時点灯する。販売可ランプが点灯している商品選択釦107を押下すると、この缶飲料サンプル103に対応する缶飲料が商品取出口108まで搬出される。返却レバー109は、投人硬貨を返却口110から返却したり、投入硬貨または挿入紙幣から缶飲料購入金額を差し引いた釣銭を返却口110から返却したりするためのものである。
【0030】
電子錠111は、前扉101の背面に付設されて前扉101の施錠および開錠を行うものであり、例えばソレノイドの通電を利用したものを使用する。電子錠111は、営業所の作業員が直接開錠するもの、または、サーバ・コンピュータ22が遠隔制御で開錠するものの何れでもよい。
【0031】
図3は、自動販売機24の基本動作を説明するためのブロック図である。主制御部201は、自動販売機24の制御を統括するものであり、ROM、CPU、RAM、周辺回路(タイマ、I/Oポート等)を内蔵している。詳しくは、ROMは、後述する複数の従制御部を統括制御するためのプログラムデータが予め格納されたものであり、CPUは、ROMから読み出されたプログラムデータの解読結果に従って複数の従制御部を統括制御するものであり、RAMは、CPUによる演算結果、複数の従制御部からの各種データ等の書き込みまたは読み出しを行うものである。
【0032】
ハードウエア的には、ROMは、マスクROM、EPROM、またはEEPROM(フラッシュROMを含む)等の不揮発性メモリである。CPUは、ROMの実行アドレスを指定するプログラムカウンタ、ROMからの読み出し内容を解脱するインストラクションデコーダ、論理演算を行う演算論理ユニット、演算データを一時格納するアキュムレータ等を内蔵する。RAMは、SRAM等の揮発性メモリである。
【0033】
硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203、接客制御部204、販売制御部205、入力制御部206は、複数の従制御部に相当し、ハードウェア的には、主制御部201と同様のROM、CPU、RAMを内蔵する。
【0034】
コインメカ207は、釣銭切れを検出する釣銭切れセンサを備え、硬貨投入口104からの投入硬質を受け取り、必要に応じて釣銭を返却口110から返却するものである。
【0035】
硬貨処理制御部202は、コインメカ207を制御し、投入硬貨の金種、正偽等の判別、金疑別枚数の計算、金庫への余剰硬貨の収容、釣銭払い出し等を行わせるものである。
【0036】
ビルバリ208は、コインメカ207と同様に、釣札切れを検出する釣札切れセンサを備え、紙幣挿入口105からの挿入紙幣を受け取り、必要に応じて釣札を紙幣挿入口105から返却するものである。
【0037】
紙幣処理制御部203は、ビルバリ208を制御し、挿入紙幣の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、釣札払い出し等を行わせるものである。なお、硬貨処理制御部202および紙幣処理制御部203は、硬貨投入および紙幣挿入が行われるその都度、処理動作を実行する。
【0038】
接客部209は、表示部106と、複数種類の缶飲料サンプル103に対応して設けられた複数の商品選択釦107と、販売中、販売中止、釣銭切れを表すランプと、を備えたものである。
【0039】
接客制御部204は、接客部209を制御する。つまり、接客制御部204は、主制御部201からの缶飲料販売に関する接客指示に従って、販売中、販売中止、釣銭切れを表すランプを点灯させたり、販売飲料別の販売可ランプまたは売り切れランプを点灯させたり、更には、複数の商品選択釦107の何れが押下されたのかを検出し、このときの検出信号を主制御部201に送信したりする。
【0040】
販売機構210は、利用者が希望する缶飲料を商品取出口108まで搬出させるものである。販売制御部205は、販売機構210を制御し、接客制御部204からの前記検出信号に応答した主制御部201からの販売指示に従って、利用者の希望商品を商品取出口108まで搬出させる。
【0041】
コンソール32は、前扉101の背面に着脱自在に設けられ、商品および商品収容コラムの対応付け、商品の値段設定、商品収容コラムの冷却加熱切換設定、等を行うため、設定内容を確認するためのものである。
【0042】
入力制御部206は、作業員が専用無線端末(図示省略)を操作した際の受信部112の受信内容と、作業員がコンソール32を操作した際の設定内容とを、主制御部201で判別させるためのインターフェイス、及びカードリーダ34によりクレジットカードから読み取った情報を主制御部201で判別させるためのインターフェイスである。
【0043】
通信制御部212は、接続装置26及び通信装置30の少なくとも一方が接続され、サーバ・コンピュータ側から送信される情報を受信して、主制御部201に供給するものである。すなわち、主制御部201は、情報を受信すると、内蔵されたメモリに蓄積する。
【0044】
図4には、有資格商品の販売を実現するためのサーバ・コンピュータ22及び自動販売機24の主要な機能ブロック図を示した。まず、処理センター側に属するサーバ・コンピュータ22は、テーブル記憶部52、制御部56、送受信部58、及びタイマー部60に分類できる。テーブル記憶部52は、図5に示す販売情報管理テーブルを記憶するためのメモリであり、販売情報管理テーブルは、有資格商品の販売を識別するための識別記号(販売番号)、販売された商品を収容する自動販売機の識別記号(自販機ID)、利用者の識別記号(UID)、利用者のクレジットカードのクレジットNo、販売した商品の識別記号(商品コード)、販売した有資格商品の数量、販売した有資格商品の販売時間(販売日時)から構成されている。
【0045】
生成や登録の流れの詳細は後述するが、販売情報管理テーブルを構成する各々の要素として、販売番号は自動販売機側から販売情報を受信したときに生成付与されるもので、通し番号や所定条件に基づく符号が付与される。自販機IDは有資格商品を販売した自動販売機の場所を表すものである。UIDは、有資格商品を販売した利用者のユーザID等の利用者の識別記号である。
【0046】
また、制御部56は自動販売機側から商品の販売情報を受信したときに販売番号を生成し、これに自動販売機側から送信された販売情報を加えてテーブル記憶部52に記憶させる。なお、タイマー部60は現在日時を読み取るためのものである。
【0047】
また、送受信部58は、自販機オーナーに属するオーナー側コンピュータ70に接続が可能であり、制御部56は販売番号及び販売情報をオーナー側コンピュータ70へ送信させる機能も有している。
【0048】
次に、自動販売機24について説明する。自動販売機24の主制御部201は、記憶部42、処理部44、及びタイマー部46を機能的に含む構成に分類することができる。記憶部42は、サーバ側から受け取った情報を記憶するためのメモリである。処理部44は、記憶部42に販売番号及び販売情報を記憶させたりする制御を司る。処理部44には、サーバ・コンピュータ22との間で情報授受するための送受信部40(通信制御部212に対応)が接続され、利用者のクレジットカード76に記録された情報を入力するための入力部48が接続され、商品の搬送口までの搬送のための上述の自動販売機24の各動作機構である自販機機構部50が接続されている。タイマー部46は、現在日時を計測するものである。
【0049】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0050】
図6には、本実施の形態にかかる自動販売機用ネットワーク・システム10において、有資格商品の販売過程をイメージ的に示した。
【0051】
まず、自販機オーナー側とクレジットカードのカード発行側との打ち合わせにより、カード発行側で発行するクレジットカードの許可情報記録領域に、そのクレジットカードの利用者が自販機オーナー側で管理する自動販売機による有資格商品(例えばビール)の購入が可能か否かを示す許可情報を記録するよう要請する。
【0052】
カード発行側では、記録装置78を備えており、利用者Usrが有資格者の場合、すなわち例えば20歳以上の場合には、有資格者であることを示す許可情報を、無資格者、すなわち20歳未満の場合には、無資格者であることを示す許可情報をクレジットカードの許可情報記録領域に記録装置78により書き込むと共に、クレジットNoやユーザID(UID)、有効期限等の個人情報を個人情報記録領域に書き込む。
【0053】
利用者Usrは、有資格商品を購入する場合、自動販売機24のカードリーダ34にクレジットカード76を挿入して有資格商品の商品選択釦107を押下する。
【0054】
自動販売機24では、クレジットカード76に記録された個人情報及び許可情報を読み取り、許可情報が有資格者であることを示す場合には、押下された商品選択釦107に対応する有資格商品を商品取出口108まで搬出させる。なお、許可情報に基づいて有資格者であるか否かを判断すると共に、個人情報に含まれるクレジットカードの有効期限が有効か否かを判断し、有効期限が切れている場合には、無資格者とみなして有資格商品の販売を禁止するようにしてもよい。これにより、有効期限が切れたクレジットカードによる有資格商品の不正購入を防止することができる。
【0055】
また、読み取った個人情報、すなわちUIDやクレジットNo、有効期限の情報、及び販売した有資格商品に関する販売情報、すなわち商品コード、数量、販売日時等の情報を販売情報として処理センター側、すなわちサーバ・コンピュータ22へ送信する。
【0056】
サーバ・コンピュータ22は販売情報を受信すると販売番号を生成し、これと受信した販売情報とを関連付けてテーブル記憶部52に登録すると共に、販売情報をオーナー側コンピュータ70へ送信する。
【0057】
オーナー側コンピュータ70は、受信した販売情報に基づいて、クレジットカードへ許可情報を記録してもらうことに対する対価としてのカード使用料を演算し、この情報を発行元側コンピュータ72へ送信する。自販機オーナー側からは、カード発行側へ所定期間毎、例えば1ヶ月ごとにカード使用料がまとめて支払われる。
【0058】
このように、利用者が常時携行する可能性が高く、他人に貸与する可能性が低いクレジットカードが有資格商品の購入に用いられるため、無資格者による不正購入を防ぐことができる。また、クレジット会社側では、カードに許可情報を記録するだけでカード使用料を得ることができ、本来のカード使用以外の使用による収入を増加させることができる。なお、利用者に対しても、販売実績に応じた対価、例えば返済金額の割引や返済期限の延長などを与えるようにしてもよい。
【0059】
次に、サーバ・コンピュータ22、及び自動販売機24の処理を詳細に説明する。まず、処理センター側のサーバ・コンピュータ22では、図7に示す処理ルーチンが所定期間毎に実行される。
【0060】
図7のステップ300では、自動販売機24から販売情報を受信したか否かを判断し、販売情報を受信していない場合には、ステップ300で否定され、本ルーチンを終了する。
【0061】
一方、販売情報を受信した場合に、ステップ300で肯定され、次のステップ302で販売番号を生成する。そして、次のステップ304で、生成した販売番号と受信した販売情報とを関連付けて販売情報管理テーブルに登録し、次のステップ306で販売情報をオーナー側コンピュータ70へ送信する。
【0062】
これにより、オーナー側コンピュータ70は、受信した販売情報に基づいて、発行元へ支払うべき対価としてのカード使用料を演算し、この情報を発行元側コンピュータ72へ送信する。なお、対価は、例えばカードの使用回数や販売金額に応じて定めることができる。
【0063】
次に、自動販売機24の処理を詳細に説明する。各自動販売機24では、図8に示す処理ルーチンが所定時間毎に実行される。図8のステップ400では、クレジットカード76がカードリーダ34に挿入されたか否かを判断し、挿入されていない場合には、ステップ400で否定され、本ルーチンを終了する。クレジットカード76が挿入された場合には、ステップ400で肯定され、次のステップ402で商品選択釦107が押下されたか否かを判断する。商品選択釦107が押下されていない場合には、ステップ402で否定され、商品選択釦107が押下されるまで待機する。商品選択釦107が押下されると、ステップ402で肯定され、次のステップ404へ進み、押下された商品選択釦107に対応する商品が有資格商品か否かを判断する。
【0064】
選択された商品が有資格商品でない場合には、ステップ404で否定され、次のステップ416で商品を商品取出口108へ搬出させて本ルーチンを終了する。
【0065】
一方、選択された商品が有資格商品である場合には、ステップ404で肯定され、次のステップ408で、クレジットカード76に記録された情報、すなわち、個人情報及び許可情報を読み取る。
【0066】
次のステップ410では、読み取った許可情報が、有資格者であることを示しているか否かを判断し、有資格者であることを示していない場合(許可情報記録領域に何も記録されていない場合も含む)には、ステップ410で否定され、ステップ418で対応処理を行う。具体的には、例えば有資格商品を購入する資格がないことを示すメッセージを表示部106に表示させる。
【0067】
一方、読み取った許可情報が、有資格者であることを示している場合には、ステップ410で肯定され、ステップ412で、押下された商品選択釦107に対応する商品を商品取出口108まで搬出させる。そして、次のステップ414で、読み取った個人情報、すなわちUIDやクレジットNoの情報、及び販売した有資格商品に関する販売情報、すなわち商品コード、数量、販売日時等の情報を販売情報としてサーバ・コンピュータ22へ送信して本ルーチンを終了する。なお、クレジットカードの挿入を検出した直後にクレジットカードに記録された情報を読み取って有資格者か否かを判断し、無資格者である場合には、有資格商品に対応する商品選択釦107の販売可ランプの点灯を禁止するようにしてもよい。これにより、資格の有り無しに応じて商品選択釦107の販売可ランプを点灯させることができる。
【0068】
上記では、カード発行側に記録装置78が設けられ、カード発行側で個人情報及び許可情報を記録する場合について説明したが、記録装置78を自販機オーナーが側へ設けてもよい。
【0069】
図9には、記録装置78が自販機オーナー側に設けられた場合における有資格商品の販売過程をイメージ的に示した。
【0070】
まず、自販機オーナー側とクレジットカードのカード発行側との打ち合わせにより、カード発行側で発行するクレジットカードの許可情報記録領域の使用を要請する。
【0071】
カード発行側では、通常のように、本来のクレジットカードとして機能させるべく個人情報を図示しない記録装置により記録して利用者Usrへ提供する。利用者Usrは、これと有資格者であることを証明するためのもの(例えば免許証等)を自販機オーナー側へ持参する。自販機オーナー側は、クレジットカード76へ許可情報を記録するための記録装置78を備えており、利用者Usrが持参した有資格者であることを証明するためのものを確認し、有資格者である場合には、その旨を示す情報を許可情報としてクレジットカード76へ記録する。
【0072】
あとは上記と同様であるので詳細な説明は省略するが、利用者Usrは、許可情報が記録されたクレジットカード76を用いて上記と同様に自動販売機24により有資格商品を購入する。なお、個人情報をカード発行側から提供してもらい、これも自販機オーナー側で記録するようにしてもよい。
【0073】
また、クレジットカードに許可情報の記録領域を設けずに(すなわち通常のクレジットカードと同じ)、処理センター側から自動販売機へ許可情報を提供するようにしてもよい。
【0074】
図10には、自動販売機から処理センターへ許可情報を問い合わせることにより有資格者か否かを確認する場合における有資格商品の販売過程をイメージ的に示した。
【0075】
まず、自販機オーナー側とクレジットカードのカード発行側との打ち合わせにより、カード発行側で発行するクレジットカードを用いて有資格商品の販売を行う取り決めをすると共に、カード発行側は、クレジットカードの利用者の個人情報を自販機オーナー側へ提供する。自販機オーナー側は、処理センター側に属するサーバ・コンピュータ22へ個人情報を提供する。
【0076】
また、利用者Usrは、例えば有資格者であることを証明するためのもの(例えば免許証等)を自販機オーナー側へ持参することにより有資格者であることを示し、自販機オーナー側は、これを確認して有資格者であることを示す情報を許可情報としてサーバ・コンピュータ22へ送信する。サーバ・コンピュータ22では、個人情報と許可情報とを関連付けてテーブル記憶部52に記憶する。
【0077】
利用者Usrが、有資格商品を購入すべくクレジットカード76を自動販売機24のカードリーダ34に挿入すると、自動販売機24は、個人情報を読み取り、これをサーバ・コンピュータ22へ送信することにより、有資格者であるか否かの問い合わせを行う。サーバ・コンピュータ22では、自動販売機24から送信された個人情報に対応する許可情報をテーブル記憶部52から読み出し、これを自動販売機24へ送信する。
【0078】
これ以降は上記と同様であるので詳細な説明は省略するが、自動販売機24では、受信した許可情報に基づいて有資格者であるか否かを判断し、有資格商品の販売制御を行う。
【0079】
なお、上記では、他人に貸与しにくいものとしてクレジットカードを用いて有資格商品の購入を行う場合について説明したが、これに限らず、クレジットカードに代えて他人に貸与しにくいものとして携帯電話を用いるようにしてもよい。この場合、携帯電話のメモリに個人情報及び許可情報を記録しておき、自動販売機24には、カードリーダに代えて携帯電話とローカルに通信を行うことができる無線通信装置を備えておく。そして、携帯電話から個人情報や許可情報を自動販売機24へ送信することにより、自動販売機では、受信した個人情報や許可情報に基づいて上記と同様の処理を行うことができ、有資格商品の販売を適正に行うことが可能となる。
【0080】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、無資格者による不正購入を防ぐことが可能になる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる自動販売機用ネットワーク・システムの構成を模式的に示したイメージ図である。
【図2】 本発明の実施の形態にかかる自動販売機の概略図である。
【図3】 自動販売機24の基本動作を説明するためのブロック図である。
【図4】 自動販売機24の商品の自動配送に関する機能を実現するための主要な機能ブロック図である。
【図5】 販売情報管理テーブルの内容を示すイメージ図である。
【図6】 本実施の形態にかかる自動販売機による有資格商品の販売過程を示すイメージ図である。
【図7】 サーバ・コンピュータの処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】 自動販売機の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】 本実施の形態にかかる自動販売機による有資格商品の販売過程の他の例を示すイメージ図である。
【図10】 本実施の形態にかかる自動販売機による有資格商品の販売過程の他の例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
10 自動販売機用ネットワーク・システム
12 ネットワーク(通信回線)
14 通信網
22 サーバ・コンピュータ
24 自動販売機
28 携帯端末
30 通信装置
32 コンソール
34 カードリーダ(読取手段)
40 送受信部(送出手段)
42 記憶部
44 処理部(制御手段)
46 タイマー部
48 入力部
50 自販機機構部
52 テーブル記憶部
56 制御部
58 送受信部
60 タイマー部
70 自販機オーナー側コンピュータ(管理者側端末)
72 発行元側コンピュータ(発行元側端末)
78 記録装置
Usr 利用者
Claims (5)
- 個人情報を記録するための個人情報記録領域と有資格商品に対する販売許可情報を記録するための許可情報記録領域とを含む記録領域を備えた記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読み取った前記販売許可情報に基づいて前記有資格商品を販売可能か否かを判断し、販売可能であると判断した場合に、前記有資格商品の販売を許可するように制御する制御手段と、前記有資格商品を販売した場合に、販売した有資格商品に関する販売情報及び前記個人情報を、通信回線を介して送信する送信手段と、を備えた自動販売機の前記送信手段により送信された前記販売情報及び前記個人情報を受信する受信手段と、
前記販売情報及び前記個人情報に基づいて前記記録媒体の発行元へ付与すべき対価に関する対価情報を生成して前記発行元に属する発行元側端末へ通信回線を介して送信する送信手段と、
を備えた前記自動販売機の管理者に属する管理者側端末。 - 個人情報を記録するための個人情報記録領域と有資格商品に対する販売許可情報を記録するための許可情報記録領域とを含む記録領域を備えた記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読み取った前記販売許可情報に基づいて前記有資格商品を販売可能か否かを判断し、販売可能であると判断した場合に、前記有資格商品の販売を許可するように制御する制御手段と、前記有資格商品を販売した場合に、販売した有資格商品に関する販売情報及び前記個人情報を、通信回線を介して送信する送信手段と、を備えた自動販売機と、
前記通信回線に接続され、前記販売情報及び前記個人情報を受信する受信手段と、前記販売情報及び前記個人情報に基づいて前記記録媒体の発行元へ付与すべき対価に関する対価情報を生成して前記発行元に属する発行元側端末へ通信回線を介して送信する送信手段と、を備えた前記自動販売機の管理者に属する管理者側端末と、
を備えた自動販売機システム。 - 前記記録媒体の許可情報記録領域に前記販売許可情報を記録する記録装置を更に備えた請求項2記載の自動販売機システム。
- 前記記録装置が前記管理者側端末または前記発行元側端末に設けられたことを特徴とする請求項3記載の自動販売機システム。
- 個人情報を記録するための個人情報記録領域を含む記録領域を備えた記録媒体に記録された情報を読み取る読取手段と、読み取った前記個人情報を通信回線を介して送信する個人情報送信手段と、前記個人情報に対応する有資格商品に対する販売許可情報を受信する受信手段と、受信した前記販売許可情報に基づいて前記有資格商品を販売可能か否かを判断し、販売可能であると判断した場合に、前記有資格商品の販売を許可するように制御する制御手段と、前記有資格商品を販売した場合に、販売した有資格商品に関する販売情報及び前記個人情報を、前記通信回線を介して送信する販売情報送信手段と、を備えた自動販売機と、
前記通信回線に接続され、前記自動販売機の個人情報送信手段により送信された前記個人情報を受信する個人情報受信手段と、受信した前記個人情報に対応する販売許可情報を、個人情報と販売許可情報とを対応付けて記憶した記憶手段から読み出して送信する販売許可情報送信手段と、前記自動販売機の販売情報送信手段により送信された前記販売情報及び前記個人情報を受信する販売情報受信手段と、前記販売情報及び前記個人情報に基づいて前記記録媒体の発行元へ付与すべき対価に関する対価情報を生成して前記発行元に属する発行元側端末へ通信回線を介して送信する対価情報送信手段と、を備えた前記自動販売機の管理者に属する管理者側端末と、
を備えた自動販売機システム。
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