JP4543539B2 - 自動販売機、自動販売機の利用者管理装置、および自動販売機の販売制限システム - Google Patents

自動販売機、自動販売機の利用者管理装置、および自動販売機の販売制限システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、年齢制限を設けた商品(アルコール飲料、タバコ等)を取り扱うのに好適な、自動販売機、自動販売機の利用者管理装置、および自動販売機の販売制限システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
年齢制限を設けた商品(アルコール飲料、タバコ等)を取り扱う自動販売機では、未成年(20才未満)に対して、商品を販売しないようにする手段が必要となる。
【0003】
例えば、運転免許証を取り込んで商品を販売制限する自動販売機が提案されている。詳細すると、自動販売機は、金銭が投入されると、運転免許証の確認を要求し、運転免許証が取り込まれると、運転免許証に記載された生年月日情報を光学的に読み取るとともに、この生年月日情報と現在の年月日情報との差を演算して利用者の年齢を求める。そして、自動販売機は、利用者が20才以上であるものと判別すると、運転免許証を返却するとともに希望商品を販売し、一方、利用者が20才未満であるものと判別すると、運転免許証および金銭を返却する、というものである。
【0004】
また、専用カードを用いて商品を販売制限する自動販売機も提案されている。詳細すると、店舗では、利用者からの身分証明書(運転免許証等)の提示を受けて成人であることを確認すると、磁性材料等を用いた暗証番号付の専用カードを発行する。自動販売機は、金銭が投入されると、専用カードの挿入を要求し、専用カードが挿入されると、磁気部分に書き込み済みの暗証番号を読み取り、テンキーを用いた暗証番号が入力されると、専用カードの暗証番号と比較する。そして、自動販売機は、暗証番号が一致するものと判別すると、専用カードを返却するとともに希望商品を販売し、一方、暗証番号が一致しないものと判別すると、専用カードおよび金銭を返却する、というものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の自動販売機は、利用者の年齢を識別するための専用機器を追加しなければならないので、自動販売機自体のコストの上昇、故障した際のメンテナンスの複雑化、等が普及の妨げの要因となっていた。また、利用者は、商品を購入する都度、運転免許証、専用カード等を携行しなければならないので、煩わしさを覚えるとともに紛失する恐れもあった。
【0006】
そこで、本発明は、普及率の高い携帯端末(携帯電話等)を用いて年齢制限を設けた商品を購入するための、自動販売機、自動販売機の利用者管理装置、および自動販売機の販売制限システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決するために創作されたものである。
【0008】
請求項1は、自動販売機の販売制限システムであって、利用者の携帯端末を識別する端末識別情報と、利用者の年齢情報を含むとともに当該利用者を識別する個人識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部を備えた利用者認証手段と、個人識別情報を入力するためのキー入力部と、自動販売機自体を識別する自動販売機識別情報、および、前記キー入力部からの個人識別情報を前記利用者認証手段に送信する通信部と、を備えた自動販売機と、から成り、前記利用者認証手段は、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信したとき、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報が一致したとき、自動販売機を販売許可するための信号を出力する。
【0009】
請求項2は、請求項1に従属し、前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売許可するための信号を返信する。
【0010】
請求項3は、請求項2に従属し、前記自動販売機を販売許可するための信号は、前記自動販売機の商品選択釦を商品選択許可状態に設定するものである。
【0011】
請求項4は、請求項1に従属し、前記利用者認証手段は、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信したとき、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報が一致しないとき、自動販売機を販売禁止するための信号を出力する。
【0012】
請求項5は、請求項4に従属し、前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売禁止するための信号を返信する。
【0013】
請求項6は、請求項5に従属し、前記自動販売機を販売禁止するための信号は、前記自動販売機の商品選択釦を商品選択禁止状態に設定するものである。
【0014】
請求項7は、請求項5に従属し、前記自動販売機を販売禁止するための信号は、利用者が投入した金銭を前記自動販売機の返却口から返却させるものである。
【0015】
請求項8は、請求項1乃至7の何れかに従属し、利用者の端末識別情報および年齢情報を管理する管理手段を備え、前記利用者認証手段は、前記携帯端末からの個人識別情報の要求があると、前記管理手段からの端末識別情報および年齢情報に基づいて個人識別情報を作成出力する。
【0016】
請求項9は、請求項1乃至7の何れかに従属し、利用者の端末識別情報を管理する第1管理手段と、利用者の年齢情報を管理する第2管理手段と、を備え、前記利用者認証手段は、前記携帯端末からの個人識別情報の要求があると、前記第1管理手段からの端末識別情報およびこの端末識別情報と関連する前記第2管理手段からの年齢情報に基づいて、個人識別情報を作成出力する。
【0017】
請求項10は、請求項1乃至9の何れかに従属し、前記利用者認証手段は、前記携帯端末または前記通信部からの自動販売機識別情報を受信していないものと判別したとき、前記携帯端末または前記通信部に対して、自動販売機識別情報の送信を促すための信号を出力する。
【0018】
請求項11は、請求項10に従属し、前記利用者認証手段は、前記携帯端末および前記通信部のうち、一方からの自動販売機識別情報を受信して一定時間経過しても他方からの自動販売機識別情報を受信できないとき、前記携帯端末または前記通信部に対して、前記自動販売機識別情報の送信を促すための信号を出力する。
【0019】
請求項12は、請求項10または11に従属し、前記携帯端末および前記自動販売機は、前記自動販売機識別情報の送信を促すための信号に基づくメッセージを表示する表示部を、備えている。
【0020】
請求項13は、請求項1乃至12の何れかに従属し、前記自動販売機は、前記キー入力部に如何なる入力もない状態で商品購入要求を検出したとき、前記キー入力部への個人識別情報の入力を促すための信号を出力する。
【0021】
請求項14は、請求項13に従属し、前記自動販売機は、前記キー入力部への個人識別情報の入力を促すための信号に基づくメッセージを表示する表示部を、備えている。
【0036】
請求項15は、自動販売機であって、利用者の携帯端末を識別する端末識別情報、および、利用者の年齢情報を含むとともに当該利用者を識別する個人識別情報を、関連付けて記憶する記憶部を備えた利用者認証手段と通信を行うために、個人識別情報を入力するためのキー入力部と、自動販売機自体を識別する自動販売機識別情報、および、前記キー入力部からの個人識別情報を前記利用者認証手段に送信する通信部と、を備え、前記利用者認証手段が、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信するとともに、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を一致判別したときに出力する、自動販売機を販売許可するための信号を受信するものである。
【0037】
請求項16は、請求項15に従属し、前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売許可するための信号を返信する。
【0038】
請求項17は、請求項16に従属し、前記自動販売機を販売許可するための信号は、商品選択釦を商品選択許可状態に設定するものである。
【0039】
請求項18は、請求項15に従属し、前記利用者認証手段が、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信するとともに、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を一致判別しないときに出力する、自動販売機を販売禁止するための信号を受信するものである。
【0040】
請求項19は、請求項18に従属し、前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売禁止するための信号を返信する。
【0041】
請求項20は、請求項19に従属し、前記自動販売機を販売禁止するための信号は、商品選択釦を商品選択禁止状態に設定するものである。
【0042】
請求項21は、請求項19に従属し、前記自動販売機を販売禁止するための信号は、利用者が投入した金銭を返却口から返却させるものである。
【0050】
以上より、利用者が携帯端末を用いて通信網をアクセスすることによって個人識別情報を取得できるようにしたので、自動販売機に利用者の年齢を識別するための専用機器を設けなくて済み、自動販売機自体のコストを低減できるとともにメンテナンス効率を向上でき、商品を販売制限する自動販売機を広範囲に亘って普及させることができる。また、利用者が、商品を購入する都度、運転免許証、専用カード等を携行する必要がなくなるので、煩わしさを解消できるとともに紛失を防止できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に従って具体的に説明する。
【0052】
図1は、本発明の自動販売機の販売制限システムを説明するための図である。
【0053】
図1において、自動販売機1は、アルコール飲料、タバコ等の年齢制限を有する商品を取り扱うものである。特に、自動販売機1は、利用者の年齢を判別するために、自動販売機1自体を識別する自動販売機識別情報を記したラベルと、利用者を識別する、年齢情報を含む個人識別情報を入力するキー入力部と、を前扉に設けたものである。自動販売機識別情報は、自動販売機1自体と1対1に対応する唯一無二の情報であり、異なる自動販売機識別情報を付与された各自動販売機1は、営業所の管轄区域内に設置される。
【0054】
管理サーバ2(管理手段、第1管理手段)は、携帯電話3(携帯端末)の通信を管理するものであり、例えば電話会社に設置されるものとする。特に、管理サーバ2は、図2に示すように、利用者毎の携帯電話3の電話番号(端末識別情報)を基準に、名前、住所、生年月日、性別、口座番号等の各種情報を関連付けたテーブルAを有する。
【0055】
利用者認証サーバ4(利用者認証手段)は、利用者の年齢を判別するものであり、例えばインターネット上の1Webであるものとする。特に、利用者認証サーバ4は、図3に示すように、電話番号と年齢情報を含む個人識別情報とを関連付けたテーブルBを有する。詳細すると、携帯電話3と利用者認証サーバ4とは、管理サーバ2を介して通信を行う。先ず、利用者が個人識別情報を取得するとき、利用者認証サーバ4は、利用者の携帯電話3からの要求に従って、管理サーバ2のテーブルAからこの利用者の電話番号および生年月日(年齢)の情報を受信し、その後、電話番号および生年月日の情報を暗号化して個人識別情報を作成し、携帯電話3に返信する。次に、利用者が商品を購入するとき、利用者認証サーバ4は、利用者の携帯電話3からの自動販売機識別情報と管理サーバ2からの端末識別情報とを受信し、テーブルBを参照してこの端末識別情報と対応する個人識別情報を読み出して保持する。一方、利用者認証サーバ4は、自動販売機1からの自動販売機識別情報と利用者がキー入力部に入力済みの個人識別情報とを受信する。これより、利用者認証サーバ4は、自動販売機1および携帯電話3からの自動販売機識別情報の一致を確認してから、自動販売機1からの個人識別情報と管理サーバ2のテーブルBからの個人識別情報とを照合する。そして、利用者認証サーバ4は、双方の個人識別情報が一致するものと判別したとき、自動販売機1に販売許可信号を送信する。自動販売機1は、販売許可信号に従って商品選択釦の販売可ランプを点灯させる。一方、利用者認証サーバ4は、利用者認証サーバ4は、双方の個人識別情報が一致しないものと判別したとき、自動販売機1に販売禁止信号を送信する。自動販売機1は、販売禁止信号に従って金銭を返却したりする。
【0056】
管理サーバ5(第2管理手段)は、利用者の各種情報を管理するものであり、例えば信販会社に設置される。特に、管理サーバ5は、図4に示すように、利用者が所有するカードのカード番号を基準に、名前、住所、生年月日、性別、口座番号等の各種情報を関連付けたテーブルCを有する。管理サーバ5が登録する利用者の情報は、管理サーバ2が登録する利用者の情報と共通する部分を有するので、利用者認証サーバ4は、管理サーバ2から生年月日の情報を受信できないときは、管理サーバ2から名前、住所等の他の情報を受信し、管理サーバ5から利用者を検索して生年月日の情報を受信するというシステムとしてもよい。
【0057】
通信回線6は、自動販売機1、管理サーバ2、携帯電話3、利用者認証サーバ4、管理サーバ5を通信接続するものであり、特に、管理サーバ2、5との通信接続部分は、セキュリティの問題から専用線となる。
【0058】
図5は、本発明を適用する自動販売機の前扉を閉じた状態を示す正面図であり、例えばアルコール入りの缶飲料を販売するものとする。図5において、前扉101は、自動販売機1の左側面端を支軸として開閉するものであり、コラム設定、缶飲料補充等を行うときは開錠して開き、通常販売を行うときは施錠して閉じておくものである。パネル102は、透明な樹脂板であり、内部に陳列されている複数種類の缶飲料サンプル103を確認するためのものである。つまり、利用者は、パネル102を通して複数種類の缶飲料サンプル103を見渡すことにより、購入したい缶飲料を選択できる。硬貨投入口104は、利用者が硬貨を投入する部分であり、投入硬貨は自動販売機内部のコインメカに供給される。紙幣挿入口105は、利用者が紙幣を挿入する部分であり、挿入紙幣は自動販売機内部のビルバリに供給される。表示部106は、投入硬貨金額、挿入紙幣金額等を表示するものである。商品選択釦107は、販売可ランプおよび売り切れランプを内蔵し、缶飲料サンプル103それぞれに対応してパネル102に設けられるものである。販売可ランプは、利用者が少なくとも1本の缶飲料を購入できる硬貨投入または紙幣挿入を行い、利用者が成人であるものと判別されると、自動販売機内部のコラムに缶飲料が収容されている場合のみ、この缶飲料に対応するものが点灯する。売り切れランプは、自動販売機内部の所定コラムが空になると、この缶飲料に対応するものが常時点灯する。販売可ランプが点灯している商品選択釦107を押下すると、この缶飲料サンプル103に対応する缶飲料が商品取出口108まで搬出される。返却レバー109は、投入硬貨を返却口110から返却したり、投入硬貨または挿入紙幣から缶飲料購入金額を差し引いた釣銭を返却口110から返却したりするためのものである。ラベル111は、自動販売機1自体を識別するための自動販売機識別情報が印刷または刻印されたものであり、前扉101の中で利用者が確認しやすい位置に取り付けられる。尚、自動販売機識別情報は、自動販売機1と1対1に対応する唯一無二の情報であり、数字、アルファベット等の組み合わせから成るものである。キー入力部112は、利用者が利用者認証サーバ4から取得した個人識別情報を操作入力するものである。
【0059】
図6は、本発明を適用する自動販売機の動作を説明するためのブロック図である。
【0060】
図6において、主制御部201は、自動販売機1の制御を統括するものであり、ROM、CPU、RAM、周辺回路(タイマ、I/Oポート等)を内蔵している。詳しくは、ROMは、後述する複数の従制御部を統括制御するためのプログラムデータが予め格納されたものであり、CPUは、ROMから読み出されたプログラムデータの解読結果に従って複数の従制御部を統括制御するものであり、RAMは、CPUによる演算結果、複数の従制御部からの各種データ等の書き込みまたは読み出しを行うものである。ハードウエア面では、ROMは、データを製造工程で焼き付け固定するマスクROM、データを紫外線消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEPROM、またはデータを電気消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEEPROM(フラッシュROMを含む)等の不揮発性メモリである。CPUは、ROMの実行アドレスを指定するプログラムカウンタ、ROMからの読み出し内容を解読するインストラクションデコーダ、論理演算を行う演算論理ユニット、演算データを一時格納するアキュムレータ等を内蔵する。RAMは、SRAM等の揮発性メモリである。硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203、接客制御部204、販売制御部205、入力制御部206は、複数の従制御部に相当し、ハードウエア面において、主制御部201と同様のROM、CPU、RAMを内蔵する。コインメカ207は、釣銭切れを検出する釣銭切れセンサを備え、硬貨投入口104からの投入硬貨を受け取り、必要に応じて釣銭を返却口110から返却するものである。硬貨処理制御部202は、コインメカ207を制御し、投入硬貨の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、金庫への余剰硬貨の収容、釣銭払い出し等を行わせるものである。ビルバリ208は、コインメカ207と同様に、釣札切れを検出する釣札切れセンサを備え、紙幣挿入口105からの挿入紙幣を受け取り、必要に応じて釣札を紙幣挿入口105から返却するものである。紙幣処理制御部203は、ビルバリ208を制御し、挿入紙幣の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、釣札払い出し等を行わせるものである。尚、硬貨処理制御部202および紙幣処理制御部203は、硬貨投入および紙幣挿入が行われるその都度、処理動作を実行する。接客部209は、表示部106と、複数種類の缶飲料サンプル103に対応して設けられた複数の商品選択釦107と、販売中、販売中止、釣銭切れを表すランプと、を備えたものである。接客制御部204は、接客部209を制御する。つまり、接客制御部204は、主制御部201からの缶飲料販売に関する接客指示に従って、販売中、販売中止、釣銭切れを表すランプを点灯させたり、販売飲料別の販売可ランプまたは売り切れランプを点灯させたり、更には、複数の商品選択釦107の何れが押下されたのかを検出し、このときの検出信号を主制御部201に送信したりする。販売機構210は、利用者が希望する缶飲料を商品取出口108まで搬出させるものである。販売制御部205は、販売機構210を制御し、接客制御部204からの前記検出信号に応答した主制御部201からの販売指示に従って、利用者の希望商品を商品取出口108まで搬出させる。入力制御部206は、利用者がキー入力部112を操作したときの個人識別情報を、主制御部201に送信するためのインターフェイスを行うものである。通信制御部212(通信部)は、利用者認証サーバ4と主制御部201との間のインターフェイスを行うものである。詳細すると、主制御部201は、入力制御部206からの個人識別情報を受信すると、ROMから自動販売機識別情報を読み出し、自動販売機識別情報および個人識別情報を通信制御部212を介して利用者認証サーバ4に送信する。一方、利用者認証サーバ4は、販売許可信号または販売禁止信号を通信制御部212を介して主制御部201に送信する。
【0061】
主制御部201は、硬貨処理制御部202からの硬貨投入を表す信号または紙幣処理制御部203からの紙幣挿入を表す信号を、割り込み要求として受信すると、キー入力部112からの個人識別情報の受信の有無を判別する。主制御部201は、キー入力部112からの個人識別情報を受信する以前に、接客制御部204からの商品選択釦107の押下を表す信号を受信すると、キー入力部112への個人識別情報の入力を促すための信号を、接客制御部204に送信する。接客制御部204は、この信号に応答して、表示部106に「コジンシキベツジョウホウ ヲ ニュウリョクシテクダサイ」等のメッセージを表示させる。接客制御部204は、主制御部201がキー入力部112からの個人識別情報を受信したことを表す信号を受け取るまで、商品選択釦107の押下を無効とする。尚、キー入力部112への個人識別情報の入力を促すとき、表示部106とは別の警告ランプ(図示せず)を設け、これを点灯または点滅させてもよい。
【0062】
図7は、携帯電話3からの自動販売機識別情報を先に受信したときの、利用者認証サーバの認証動作を説明するためのフローチャートである。
【0063】
図7において、利用者認証サーバ4は、携帯電話3からの自動販売機識別情報を受信すると(A1)、テーブルBを参照して管理サーバ2からの電話番号と対応する個人識別情報を読み出し、自動販売機識別情報および個人識別情報をレジスタ(図示せず)に一時保持する(A2)。利用者認証サーバ4は、自動販売機1からの自動販売機識別情報および個人識別情報を受信しているかどうかを判別する(A3)。利用者認証サーバ4は、自動販売機1からの自動販売機識別情報および個人識別情報を受信しているものと判別すると(A3:YES)、自動販売機1および携帯電話3からの自動販売機識別情報の一致を確認してから、自動販売機1からの個人識別情報とレジスタ内の個人識別情報とを比較する(A4)。利用者認証サーバ4は、双方の個人識別情報が一致したものと判別すると(A5:YES)、販売許可信号を出力し(A6)、双方の個人識別情報が一致しないものと判別すると(A5:NO)、販売禁止信号を出力する(A7)。一方、利用者認証サーバ4は、自動販売機1からの自動販売機識別情報および個人識別情報を受信していないものと判別すると(A3:NO)、一定時間(例えば1分)の計数を開始する(A8)。利用者認証サーバ4は、一定時間を経過していないものと判別すると(A9:NO)、ステップA3の判別を再度実行し、一定時間を経過したものと判別すると(A9:YES)、自動販売機1からの自動販売機識別情報および個人識別情報を要求するための信号を出力する。即ち、自動販売機1の主制御部201は、この信号を通信制御部212を介して受信する。主制御部201は、この信号に応答して、キー入力部112からの個人識別情報を受信しているとき、自動販売機識別情報および個人識別情報を利用者認証サーバ4に送信し、キー入力部112からの個人識別情報を受信していないとき、キー入力部112への個人識別情報の入力を促すための信号を接客制御部204に送信する(A10)。
【0064】
図8は、自動販売機1からの自動販売機識別情報および個人識別情報を先に受信したときの、利用者認証サーバの認証動作を説明するためのフローチャートである。
【0065】
図8において、利用者認証サーバ4は、自動販売機1からの自動販売機識別情報および個人識別情報を受信すると、レジスタに一時保持する(B1)。利用者認証サーバ4は、携帯電話3からの自動販売機識別情報を受信しているかどうかを判別する(B2)。利用者認証サーバ4は、携帯電話3からの自動販売機識別情報を受信しているものと判別すると(B2:YES)、図7のステップA4にジャンプして以降の処理を実行する。一方、利用者認証サーバ4は、携帯電話3からの自動販売機識別情報を受信していないものと判別すると(B2:NO)、一定時間(例えば1分)の計数を開始する(B3)。利用者認証サーバ4は、一定時間を経過していないものと判別すると(B4:NO)、ステップB2の判別を再度実行し、一定時間を経過したものと判別すると(B4:YES)、携帯電話3からの自動販売機識別情報を要求するための信号を出力する。携帯電話3は、この信号に応答して、「ジドウハンバイキシキベツジョウホウ ヲ ニュウリョクシテクダサイ」等のメッセージを表示部7に表示する(B5)。
【0066】
図9は、本発明の自動販売機の販売制限システムの動作の流れを示す図である。
【0067】
図9において、先ず、個人識別情報を取得するとき、利用者は、携帯電話3から利用者認証サーバ4へアクセスを行う。このとき、管理サーバ2は、携帯電話3および利用者認証サーバ4の間の通信を仲介しており、この利用者の電話番号および生年月日の情報を利用者認証サーバ4に送信する。利用者認証サーバ4は、利用者が生年月日の情報から成人であるものと判別すると、この電話番号および生年月日の情報を特別の演算処理で暗号化して個人識別情報を作成し、携帯電話3に返信する。これより、利用者は、年齢制限を有する商品を購入するための個人識別情報を取得する。
【0068】
次に、年齢制限を有する商品を購入するとき、利用者は、自動販売機1の前扉101上のラベル111を目視して、自動販売機識別情報を確認する。尚、赤外線通信(Irda)、近距離無線通信(Bluetooth、IEEE802.11)等を用いて、利用者が主制御部201内のROMから自動販売機識別情報を取り出せるようにして、ラベル111を省略してもよい。利用者は、携帯電話3から利用者認証サーバ4へアクセスして自動販売機識別情報を入力する。このとき、管理サーバ2は、自動販売機識別情報および利用者の電話番号を利用者認証サーバ4に送信する。利用者認証サーバ4は、テーブルBを参照して、自動販売機識別情報と電話番号に対応する個人識別情報とをレジスタに一時保持する。一方、利用者は、自動販売機1と対面しながら、硬貨投入口104に硬貨を投入するか、紙幣挿入口105に紙幣を挿入した後に、キー入力部112から取得済みの個人識別情報を操作入力する。自動販売機1は、主制御部201内のROMに記憶済みの自動販売機識別情報と、キー入力部112からの個人識別情報とを、利用者認証サーバ4に送信する。利用者認証サーバ4は、自動販売機1および携帯電話3からの自動販売機識別情報の一致を確認してから、自動販売機1からの個人識別情報と管理サーバ2のテーブルBからの個人識別情報とを照合する。そして、利用者認証サーバ4は、双方の個人識別情報が一致するものと判別したとき、自動販売機1に販売許可信号を送信する。自動販売機1は、販売許可信号に従って商品選択釦の販売可ランプを点灯させる。一方、利用者認証サーバ4は、利用者認証サーバ4は、双方の個人識別情報が一致しないものと判別したとき、自動販売機1に販売禁止信号を送信する。自動販売機1は、販売禁止信号に従って金銭を返却したりする。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、利用者が携帯端末を用いて通信網をアクセスすることによって個人識別情報を取得できるようにしたので、自動販売機に利用者の年齢を識別するための専用機器を設けなくて済み、自動販売機自体のコストを低減できるとともにメンテナンス効率を向上でき、商品を販売制限する自動販売機を広範囲に亘って普及させることができる。また、利用者が、商品を購入する都度、運転免許証、専用カード等を携行する必要がなくなるので、煩わしさを解消できるとともに紛失を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動販売機の販売制限システムを説明するための図である。
【図2】本発明の管理サーバ(電話会社)のテーブルを説明するための図である。
【図3】本発明の利用者認証サーバのテーブルを説明するための図である。
【図4】本発明の管理サーバ(信販会社)のテーブルを説明するための図である。
【図5】本発明を適用する自動販売機を説明するための正面図である。
【図6】本発明を適用する自動販売機の動作を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明の利用者認証サーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の利用者認証サーバの他の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の自動販売機の販売制限システムの動作の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1 自動販売機
2 管理サーバ
3 携帯電話
4 利用者認証サーバ
5 管理サーバ
6 通信回線
7 表示部
106 表示部
107 商品選択釦
111 ラベル
112 キー入力部
201 主制御部
206 入力制御部
212 通信制御部

Claims (21)

  1. 利用者の携帯端末を識別する端末識別情報と、利用者の年齢情報を含むとともに当該利用者を識別する個人識別情報と、を関連付けて記憶する記憶部を備えた利用者認証手段と、個人識別情報を入力するためのキー入力部と、自動販売機自体を識別する自動販売機識別情報、および、前記キー入力部からの個人識別情報を前記利用者認証手段に送信する通信部と、を備えた自動販売機と、から成り、前記利用者認証手段は、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信したとき、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報が一致したとき、自動販売機を販売許可するための信号を出力することを特徴とする自動販売機の販売制限システム。
  2. 前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売許可するための信号を返信することを特徴とする請求項1記載の自動販売機の販売制限システム。
  3. 前記自動販売機を販売許可するための信号は、前記自動販売機の商品選択釦を商品選択許可状態に設定するものであることを特徴とする請求項2記載の自動販売機の販売制限システム。
  4. 前記利用者認証手段は、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信したとき、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報が一致しないとき、自動販売機を販売禁止するための信号を出力することを特徴とする請求項1記載の自動販売機の販売制限システム。
  5. 前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売禁止するための信号を返信することを特徴とする請求項4記載の自動販売機の販売制限システム。
  6. 前記自動販売機を販売禁止するための信号は、前記自動販売機の商品選択釦を商品選択禁止状態に設定するものであることを特徴とする請求項5記載の自動販売機の販売制限システム。
  7. 前記自動販売機を販売禁止するための信号は、利用者が投入した金銭を前記自動販売機の返却口から返却させるものであることを特徴とする請求項5記載の自動販売機の販売制限システム。
  8. 利用者の端末識別情報および年齢情報を管理する管理手段を備え、前記利用者認証手段は、前記携帯端末からの個人識別情報の要求があると、前記管理手段からの端末識別情報および年齢情報に基づいて個人識別情報を作成出力することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の自動販売機の販売制限システム。
  9. 利用者の端末識別情報を管理する第1管理手段と、利用者の年齢情報を管理する第2管理手段と、を備え、前記利用者認証手段は、前記携帯端末からの個人識別情報の要求があると、前記第1管理手段からの端末識別情報およびこの端末識別情報と関連する前記第2管理手段からの年齢情報に基づいて、個人識別情報を作成出力することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の自動販売機の販売制限システム。
  10. 前記利用者認証手段は、前記携帯端末または前記通信部からの自動販売機識別情報を受信していないものと判別したとき、前記携帯端末または前記通信部に対して、自動販売機識別情報の送信を促すための信号を出力することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の自動販売機の販売制限システム。
  11. 前記利用者認証手段は、前記携帯端末および前記通信部のうち、一方からの自動販売機識別情報を受信して一定時間経過しても他方からの自動販売機識別情報を受信できないとき、前記携帯端末または前記通信部に対して、前記自動販売機識別情報の送信を促すための信号を出力することを特徴とする請求項10記載の自動販売機の販売制限システム。
  12. 前記携帯端末および前記自動販売機は、前記自動販売機識別情報の送信を促すための信号に基づくメッセージを表示する表示部を、備えたことを特徴とする請求項10または11記載の自動販売機の販売制限システム。
  13. 前記自動販売機は、前記キー入力部に如何なる入力もない状態で商品購入要求を検出したとき、前記キー入力部への個人識別情報の入力を促すための信号を出力することを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の自動販売機の販売制限システム。
  14. 前記自動販売機は、前記キー入力部への個人識別情報の入力を促すための信号に基づくメッセージを表示する表示部を、備えたことを特徴とする請求項13記載の自動販売機の販売制限システム。
  15. 利用者の携帯端末を識別する端末識別情報、および、利用者の年齢情報を含むとともに当該利用者を識別する個人識別情報を、関連付けて記憶する記憶部を備えた利用者認証手段と通信を行うために、個人識別情報を入力するためのキー入力部と、自動販売機自体を識別する自動販売機識別情報、および、前記キー入力部からの個人識別情報を前記利用者認証手段に送信する通信部と、を備え、前記利用者認証手段が、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信するとともに、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を一致判別したときに出力する、自動販売機を販売許可するための信号を受信することを特徴とする自動販売機。
  16. 前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売許可するための信号を返信することを特徴とする請求項15記載の自動販売機。
  17. 前記自動販売機を販売許可するための信号は、商品選択釦を商品選択許可状態に設定するものであることを特徴とする請求項16記載の自動販売機。
  18. 前記利用者認証手段が、前記携帯端末および前記通信部からの自動販売機識別情報を受信するとともに、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を比較し、前記記憶部および前記通信部からの個人識別情報を一致判別しないときに出力する、自動販売機を販売禁止するための信号を受信することを特徴とする請求項15記載の自動販売機。
  19. 前記利用者認証手段は、前記通信部を介して、前記自動販売機を販売禁止するための信号を返信することを特徴とする請求項18記載の自動販売機。
  20. 前記自動販売機を販売禁止するための信号は、商品選択釦を商品選択禁止状態に設定するものであることを特徴とする請求項19記載の自動販売機。
  21. 前記自動販売機を販売禁止するための信号は、利用者が投入した金銭を返却口から返却させるものであることを特徴とする請求項19記載の自動販売機。
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