JP4374777B2 - 磁気軸受の制御装置およびこれを用いた磁気軸受スピンドル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気軸受を構成する電磁石に流す電流を制御し、回転体を所定位置に支持する磁気軸受の制御装置およびこれを用いた磁気軸受スピンドル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁気軸受の構成を図7に示す。図7において67は主軸50の一端に工具65を装着した回転体、51はモータロータ、52はモータステータである。53と54はフロント側ラジアル軸受、55と56はリア側ラジアル軸受、57と58はスラスト軸受である。これらフロント側ラジアル軸受53、54、リア側ラジアル軸受55、56、スラスト軸受57、58は、それぞれ回転側のロータと固定側のステータから構成され、回転体67を所定位置に非接触で支持している。固定側のフロント側ラジアル軸受54、リア側ラジアル軸受56、スラスト軸受58は電磁石からなり、フロント側ラジアル軸受54、リア側ラジアル軸受56は回転体67の周囲に、例えば90゜の中心角で左右に4個づつ配置されている。またスラスト軸受58は主軸50を取り巻くリング状に配置されている。
【0003】
59、60はフロント側とリア側のラジアル変位センサ、61はスラスト変位センサ、62、63は保護ベアリング、64はケーシングである。回転体67の軸心からの変位はラジアル変位センサ59、60により、スラスト方向の変位はスラスト変位センサ61により検出される。ラジアル変位センサ59、60、スラスト変位センサ61としては、よく知られた、渦電流形センサ、静電容量形センサ、光センサなどが用いられる。
【0004】
上記固定側のフロント側ラジアル軸受54、リア側ラジアル軸受56およびスラスト軸受58の電磁石への駆動電流を、図8に示した磁気軸受制御回路23により制御することにより、回転体67の空間位置を制御することができる。
【0005】
磁気軸受制御回路23は、前記ラジアル変位センサ59、60、スラスト変位センサ61等のセンサからの信号より前記回転体67の固有振動数成分を減衰させる固有振動数成分減衰部3と、この固有振動数成分減衰部3の出力信号を入力し、前記フロント側ラジアル軸受54、リア側ラジアル軸受56、スラスト軸受58の電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する位相補償部4と、位相補償部4の出力信号を増幅するパワー増幅回路6とを備え、パワー増幅回路6からの電流を前記各電磁石に流すように構成されている。
【0006】
前記固有振動数成分減衰部3は多段のノッチフィルタで構成され、回転体67の曲げの固有振動数に中心周波数を設定され、回転体67の曲げの固有振動数に対して十分な減衰特性を与えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構成よりなる磁気軸受の制御装置では、前記ノッチフィルタは局部的な周波数に合わせるので、回転体の固有振動数が変化した場合、固有振動数がこれらのフィルタの範囲外にでてしまい、振動、発振などの問題が生じ、回転体を安定支持できなくなるという問題が発生する。例えば、磁気軸受装置を、工具交換を必要とされる工作機械に適用した場合に、工具の種類、工具の有無により回転体の状態が変化し、この状態の変化により前記振動の問題が顕著に現われる(課題1)。
この、工具交換に伴う回転体の固有振動数が微妙に変化した場合でも、制御特性および固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更して最適な制御を行うことのできる磁気軸受装置として、本出願人が先に出願した特願2000−110523号において提案した磁気軸受装置がある。
また、磁気軸受装置を工作機械に適用し実際に加工した場合に、加工外乱により回転体の固有振動数で回転体が共振し、加工面性状が悪化する現象が発生する(課題2)。
この課題に対して、本出願人が先に出願した特願平08−042570号において提案した磁気軸受装置がある。
【0008】
図9は前記特願2000−110523号に記載した磁気軸受装置における制御系の構成を示すブロック図である。制御対象7としての磁気軸受を用いたスピンドル装置のうち、制御の主体である回転体67の位置を検出するセンサ回路1の出力を第1A/D変換器2によりディジタル信号に変換し、固有振動数成分減衰部3に出力する。第1A/D変換器2の出力信号は、固有振動数成分減衰部3により回転体の曲げの固有振動数成分が減衰され、固有振動数成分減衰部3の出力は第1加算部8に入力され位置指令から減算処理される。第1加算部8の出力は位相補償部4に入力される。
【0009】
固有振動数成分減衰部3は複数個のディジタルノッチフィルタで構成され、ディジタルノッチフィルタの設定周波数は回転体67の固有振動数に設定されている。回転体67の固有振動数は主軸50の曲げの固有振動数と可変重量部65の固有振動数とが融合された周波数である。位相補償部4は、第1加算部8の出力を入力し、磁気軸受を構成する電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する。位相補償部4は、第1加算部8の出力信号を比例,微分,積分演算し、それぞれの演算結果に状態フィードバック係数をかけてD/A変換器5に出力し、D/A変換器5でアナログ信号に変換される。D/A変換器5の出力はパワー増幅回路6に入力され、パワー増幅回路6は磁気軸受を用いたスピンドル装置内の電磁石に駆動電流を供給する。
【0010】
次に固有振動数の測定動作について説明する。外乱発生手段30のうちのパルス発生器13で発生したパルスは、第1加算器8に位置指令値、および固有振動数成分減衰器3の出力と共に入力され、位相補償部4、D/A変換器5、パワー増幅回路6を経由して制御対象7としての磁気軸受スピンドル装置内の電磁石から回転体67に電磁力によって外乱が与えられる。磁気軸受において、外力に対する変位の周波数特性は、制御周波数以上の領域(慣性領域)では40dB/decとなるため、パルス発生器13からのパルス信号は位相補償部4の微分処理を経由させることにより制御周波数以上の領域に確実に外乱を与えることができる。ここで、パルス発生器13によって発生されるパルスは、チャープ信号、Swept Sine、パルス信号、ホワイトノイズである。パルス発生器13での外乱入力時、センサ回路1の出力を第1微分器9に入力し微分処理し、第1微分器9の出力を第2A/D変換器10によりディジタル信号に変換する。第1微分器9は、第1A/D変換器2の出力をディジタル演算による微分器により構成してもよい。第1微分器9の出力を固有振動数演算部11に入力し固有振動数を演算する。
【0011】
固有振動数演算部11は、例えば高速フーリエ変換(FFT)により回転体67の固有振動数を演算する。求められた固有振動数は共振倍率の大きいものから決められた個数を固有振動数成分減衰部3における設定周波数とし、固有振動数成分減衰部パラメータ設定部12に出力される。
【0012】
固有振動数成分減衰部パラメータ設定部12では、固有振動数演算部11からの出力である固有振動数に対応した固有振動数成分減衰部3のパラメータの設定を行う。具体的には、複数のディジタルノッチフィルタのパラメータを固有振動数ごとに設定する。設定の方法は、パラメータを再計算して求める方法と、あらかじめ設定周波数に対するパラメータのテーブルを用意し、固有振動数に対応したパラメータをテーブルより取得する方法がある。固有振動数成分減衰部パラメータ設定部12の出力により固有振動数成分減衰部3のパラメータが変更され、回転体67の特性に応じたノッチフィルタが設定されて安定した制御特性をうることができる。
【0013】
次に可変重量部としての工具65の重量測定動作について説明する。この磁気軸受スピンドル装置では、主軸50が水平に配置されているので、固定側のフロント側ラジアル軸受54、リア側ラジアル軸受56の駆動電流を第3A/D変換器17によりディジタル信号に変換して可変重量部重量演算部18に入力する。可変重量部重量演算部18では電磁石の磁気吸引力Fと電磁石駆動電流Iとの関係F=K・(I/Z)2を用いて可変重量部の重量を演算し、可変重量情報を出力する。Kは電磁石によって決まる定数で、予めわかっている。またZは回転体67と電磁石とのギャップであり、回転体67を一定の位置に支持している状態では一定であり、予めわかっている。
【0014】
例えば、横置きタイプの磁気軸受スピンドル装置では、2組のフロント側ラジアル軸受54、リア側ラジアル軸受56の鉛直方向に対をなすX軸方向の電磁石の磁気吸引力の差によって回転体67の重量が支持され、上側の電磁石による上向きの磁気吸引力と下側の電磁石による下向きの磁気吸引力との差が回転体67の重量となる。従って、電磁石の駆動電流の変化を測定することにより、回転体67の重量の変化を演算することができる。主軸50の一端に可変重量部としての工具65を装着しない場合の電磁石の駆動電流は予めわかっているので、回転体がある基準の状態、例えば工具65が装着されていない状態の電磁石の駆動電流がわかっていれば、回転体67全体の重量の変化が、可変重量部重量演算部18により演算できる。また工具65を装着しない主軸50のみの場合の重量との差をとって工具65の重量を演算してもよい。可変重量部重量演算部18の出力は、重心位置演算部19に入力される。
【0015】
重心位置演算部19は、回転体67の重量mを変数とした関数f(m)により回転体67の重心位置を演算し出力する。その重心位置は、例えば、回転体67の構造の変わる点で主軸50を輪切りにして1つ1つのSECTとし、それぞれのSECTのモーメントをつなぎ合わせることにより重心位置を演算する。
【0016】
制御パラメータ演算部20は、可変重量部重量演算部18、重心位置演算部19の各出力を入力する。回転体67の重量および重心位置の変化は磁気軸受のモデルが変化することであるので、制御パラメータ演算部20では変化したモデルに対応した制御パラメータを演算し出力する。制御パラメータの演算方法は、例えば、磁気軸受のモデルに対して最適レギュレータの手法を用い、評価関数Jの値を最小にする最適な制御入力を演算し、状態フィードバック係数を求める方法などがある。制御パラメータ演算部20からの状態フィードバック係数は位相補償部4に出力される。
【0017】
可変重量部が変更され、磁気軸受制御装置24に可変重量部変更信号が入力されると、外乱発生手段30、固有振動数演算部11、固有振動数成分減衰部パラメータ演算部12、可変重量部重量演算部18、重心位置演算部19、制御パラメータ演算部20でそれぞれ演算が行われ、位相補償部4では、変更された可変重量部としての工具65に対応した状態フィードバック係数が、固有振動数減衰部3では工具65に対応したディジタルノッチフィルタの各パラメータがそれぞれ自動的に変更され、常に最適な制御が行われる。可変重量変更信号は、例えば工作機械の場合、加工機に搭載されている数値制御装置であるNC装置より入力される。
【0018】
このように特願2000−110523号における磁気軸受装置によれば、可変重量部の重量変更、例えば、工具の種類の変更に伴う回転体の固有振動数の変化に対して固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更させて回転体の発振現象の発生を防止することは勿論、回転体の重量、重心位置の変化に応じて制御特性を自動的に変更し、可変重量部の重量変更に応じて最適に制御を行うことができる磁気軸受装置が得られる。しかし、工具変更により回転体の状態が著しく変化した場合に、回転体の固有振動数を演算する前に回転体の振動が大きくなり、回転体が不安定状態となり固有振動数の演算ができないことや、振動を検出し振動がある設定以上より大きい場合に電磁石の通電を停止するような保護が設けられている場合に固有振動数の測定ができないという問題が発生する。
【0019】
図10は前記特願平8−042570号に記載した磁気軸受装置における制御系の構成を示すブロック図である。図10において、回転体の位置を検出するセンサ回路1の出力信号をノッチフィルタ部A101により、回転体の前廻り後ろ廻りの固有振動数範囲で減衰させ、偏差部105にフィードバックする。偏差部105は回転体の位置基準信号と前記ノッチフィルタ部A101の出力信号の差を演算し、その偏差信号を位相補償部4に出力し、PID等(比例、積分、微分)の位相補償を施す。センサ回路1、ノッチフィルタ部A101、偏差部105、位相補償部4からなる回路を主回路とし、これは磁気軸受支持を全般的に担う回路を構成している。また、センサ回路1の出力信号から、帯域通過フィルタ部102により、回転体の固有振動数の前廻り後廻りの周波数範囲成分をとりだす。このとき、帯域通過フィルタ部102は、該周波数範囲内で、位相をほとんど変化させないように構成されている。例えば、帯域通過フィルタは中心周波数の異なる4つの帯域通過フィルタを結合して構成されている。このようにしてとりだされた周波数成分信号は、ゲイン103によりゲインがかけられ、回転体の固有振動数より低い周波数でのゲインを低下させるために、ノッチフィルタ部B104に入力する。帯域通過フィルタ部102、ゲイン103、ノッチフィルタ部B104からなる回路を第2回路とする。加算部106は、主回路の出力信号と第2回路の出力信号を加算し、パワー増幅回路6に出力する。パワー増幅回路6は該加算信号をもとに、制御対象7内の電磁石に電流を供給する。
【0020】
このように特願平8−042570号において提案した磁気軸受装置を工作機械に適用し実際に加工した場合に、加工外乱により発生する回転体の固有振動数での共振を抑制することができる。しかし、前記帯域通過フィルタ部102は局部的な周波数に合わせるので、回転体の固有振動数が変化した場合フィルタの範囲外に出てしまい、共振を抑制する効果が低減してしまう。
【0021】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するものとして、回転体の固有振動数が変化した場合にも、回転体の振動(自励振動)を抑制し、回転体を安定支持する磁気軸受の制御装置を提供することを目的としている。さらに、磁気軸受装置を、工具交換が必要とされる工作機械に適用した場合に、工具交換に伴う回転体の固有振動数が著しく変化した場合でも、回転体の固有振動数を確実に測定し、制御特性および固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更して最適な制御を行うことのできる磁気軸受の制御装置を提供することを目的としている。さらに、工具交換に伴い回転体の固有振動数が変化した場合にも、実加工において加工外乱による回転体の固有振動数での共振を十分減衰させる磁気軸受の制御装置を提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1記載の磁気軸受の制御装置は、軸状の回転体を所定の位置に非接触支持する電磁石に対して流す駆動電流を前記回転体の位置を検出するセンサのセンサ信号により制御する回路を備えた磁気軸受の制御装置において、前記センサ信号を第1D/A変換器を介して伝達される信号と、前記センサ信号を微分した信号を第2D/A変換器を介して伝達されるディジタル信号と、前記センサ信号からその出力を減算する減算部の出力として伝達される信号とを入力とし、前記回転体の自励振動成分を抽出する自励振動同期トラッキングフィルタと、前記減算部の出力信号を入力とし、前記回転体の固有振動数成分を減衰させる固有振動数成分減衰部と、この固有振動数成分減衰部の出力信号を入力とし、前記電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する位相補償部と、前記位相補償部の出力を入力とし、前記電磁石に駆動電流を供給するパワー増幅回路とを有することを特徴とする。
【0023】
トラッキングフィルタの原理は公知の内容であり、例えば特公昭60−14929号広報にその内容が示されている。図12はトラッキングフィルタの構成を示したものである。図7に示すように、回転体67のラジアル方向にX,Y軸をとり、主軸の振動について図11を用いて説明する。空間固定座標O−XY軸系からみて、回転体67の軸心Orは座標(x,y)で示される変位のところにあるとする。回転体67に固定した回転座標Or−XrYr軸系からみた回転体67の重心Gの偏心量をεとする。回転体67の回転角速度をωと記すと、OX軸とOrXr軸の間の開き角度はωt(tは時間)である。回転パルスに同期したsin波、cos波を入力し、X軸方向及びY軸方向の回転体67の変位を表す入力信号xin,yinに対して行列演算T110を行い、(数1)によりx1及びy1を求める。aは係数である。
【数1】
このようにして求められるx1,y1にたいしてそれぞれ独立にローパスフィルタ111を通しx2,y2を求める。さらにこの信号に対して、Tの逆変換112を行い、(数2)のようにX軸方向およびY軸方向の回転体67の変位を表す出力信号xout,youtを求める。
【数2】
このようにして、x軸方向変位信号及びy軸方向変位信号の中から回転同期成分のみを抽出することができる。
【0024】
トラッキングフィルタの(数1)に示す第1の処理は回転座標系への変換である。そして第2の処理によってゲインKのローパスフィルタ111を通し、(数2)に示す第3の処理によって再び静止座標系への逆変換によって出力信号xout,youtが得られる。この出力信号xout,youtは入力信号xin,yinの振動波形のうち、回転数と同期した成分のみが抽出されたものに相当する。この原理を利用し、X,Y軸方向の変位の入力信号xin,yinからトラッキングフィルタの出力信号xout,youtをそれぞれ減算し、その減算した出力をトラッキングフィルタに入力し、係数aやゲインKを調整することにより、X,Y軸方向の変位信号の回転数同期成分を減衰させることができる。これを回転数同期トラッキングフィルタと呼ぶ。
【0025】
本発明の構成は、上記行列演算T110およびTの逆変換である転置行列演算112への入力をX軸のセンサ信号およびX軸のセンサ信号より生成した信号としている。つまり、前記xinにX軸のセンサ信号、yinにX軸のセンサ信号を微分した信号より生成した信号、cos信号にX軸のセンサ信号より生成した信号、sin信号にX軸のセンサ信号より生成した信号を入力している。本発明の構成によれば、回転体の固有振動数が変化して、ノッチフィルタの範囲外にでてしまうことにより自励振動が発生した場合、自励振動同期トラッキングフィルタにより自励振動成分を抽出し、自励振動を抑制することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜7を用いて説明する。
従来の技術の構成要素と同一の構成要素については同一の番号を付して説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施形態における磁気軸受の制御装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、制御対象としての磁気軸受スピンドル装置7を制御する磁気軸受制御装置70は、回転体67の位置を検出するセンサ回路1と、センサ回路1からのセンサ信号により磁気軸受の駆動電流を制御する磁気軸受制御回路(ディジタル演算処理部)14を備えている。
【0030】
上記磁気軸受制御回路としてのディジタル演算処理部14で行われる演算はディジタル演算により行われるため、MPU(Micro ProcessingUnit)にソフトウェアプログラムとして格納されている。
【0031】
この磁気軸受制御装置70の制御動作を、図1を参照して詳しく説明する。まず、制御対象となる磁気軸受スピンドル装置7のうち、制御の主体である回転体67の位置を検出するセンサ回路1の出力を第1A/D変換器2と微分器9に入力する。第1A/D変換器2ではセンサ回路1の出力をディジタル信号に変換する。微分器9はセンサ回路1の出力を微分した信号を第2A/D変換器10に出力しディジタル信号に変換する。
【0032】
回転体67の固有振動数が変化して、これらのフィルタの範囲外にでてしまうことにより自励振動が発生した場合、図7に示すX,Y軸方向の振動振幅はX軸方向とY軸方向とで等しいとは限らない。位相も、X,Y両軸方向の位相の間に90degの位相差があるとは限らない。したがって、前記回転数同期トラッキングフィルタのように、X,Y各軸方向の変位信号を前記トラキングフィルタの入力信号とすることはできない。そこで、回転体67の固有振動数による自励振動は三角関数(sin波もしくはcos波)であるので、X軸の振動波形がcosω0tであるとき、この振動波形を微分した信号は−ω0sinω0tとなる。この処理が前記微分器9による処理に相当する。自励振動同期トラッキングフィルタ31は前記第1A/D変換器2、第2A/D変換器10の出力信号と前記第1A/D変換器2から自励振動同期トラッキングフィルタ31の出力を減算する減算部32の出力を入力とする。微分器9による処理はディジタル信号で行ってもよく、その場合は、第1A/D変換器2の出力信号が微分処理され、自励振動同期トラッキングフィルタ31に入力される。自励振動同期トラッキングフィルタ31の構成を図2に示す。
【0033】
第1A/D変換器2の出力信号よりトラッキングフィルタ114の出力信号xoutを減算した信号(xin)と、第1A/D変換器2の出力信号に係数Bを乗算した信号(cosω0t)と、第2A/D変換器10の出力信号に−1を乗算し、その信号に係数Bを乗算した信号(sinω0t)と、第2A/D変換器10の出力信号に−1を乗算した信号よりトラッキングフィルタ114の出力信号youtを減算した信号(yin)をトラッキングフィルタ114の入力信号とする。トラッキングフィルタ114では、X軸方向の回転体67の変位xinと擬似的に作成したyinに対して行列演算Tを行い、(数3)に示すようにx1及びy1を求める。aは係数である。
【数3】
(数3)より求められるx1,y1に対してそれぞれ独立にローパスフィルタを通しx2,y2を求める。さらにこの信号に対して、(数4)に示すようにTの逆変換を行い、xout,youtを求める。
【数4】
このようにして、X軸方向の変位信号の中から自励振動成分のみを抽出することができる。第1A/D変換器2からこのトラッキングフィルタ114の出力xoutを減算し、自励振動成分を減衰させ、固有振動数成分減衰部3に出力する。固有振動数成分減衰部3は複数個のディジタルノッチフィルタで構成され、ディジタルノッチフィルタの設定周波数は回転体67の固有振動数に設定されている。回転体67の固有振動数は主軸50の曲げの固有振動数と可変重量部65の固有振動数とが融合された周波数である。位相補償部4は、第1加算部8の出力を入力し、磁気軸受を構成する電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する。位相補償部4は、第1加算部8の出力信号を比例,微分,積分演算し、それぞれの演算結果に状態フィードバック係数をかけてD/A変換器5に出力し、D/A変換器5でアナログ信号に変換される。D/A変換器5の出力はパワー増幅回路6に入力され、パワー増幅回路6は磁気軸受スピンドル装置内の電磁石に駆動電流を供給する。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態における磁気軸受の制御装置の構成を示すブロック図を図3に示す。この磁気軸受装置により支持される磁気軸受スピンドル装置は、図7に示すように、主軸50の端部に可変重量部としての工具65を装着して水平に配置された回転体67と、その回転体67を所定の位置に非接触支持する磁気軸受としての構成を有する回転側のフロント側ラジアル軸受53、回転側のリア側ラジアル軸受55、回転側のスラスト軸受57、固定側のフロント側ラジアル軸受54、固定側のリア側ラジアル軸受56、固定側のスラスト軸受58とを備えたものである。
【0035】
図3に示すように、磁気軸受スピンドル装置7を制御する磁気軸受制御装置70は、回転体67の位置を検出するセンサ回路1と、センサ回路1からのセンサ信号により磁気軸受の駆動電流を制御する磁気軸受制御回路としてのディジタル演算処理部14を備えている。
【0036】
上記磁気軸受制御回路としてのディジタル演算処理部14で行われる演算はディジタル演算により行われるもので、MPU(Micro Processing Unit)に格納されているソフトウェアプログラムにより行われる。
【0037】
この磁気軸受制御装置70の制御動作を、図3を参照して説明する。まず、制御対象となる磁気軸受スピンドル装置7のうち、制御の主体である回転体67の位置を検出するセンサ回路1の出力を第1A/D変換器2と微分器9に入力する。第1A/D変換器2ではセンサ回路1の出力をディジタル信号に変換する。微分器9はセンサ回路1の出力を微分した信号を第2A/D変換器10に出力しディジタル信号に変換する。第1A/D変換器2の出力信号と、第2A/D変換器10の出力と前記第1A/D変換器2から自励振動同期トラッキングフィルタ31の出力を減算する減算部32の出力がトラッキングフィルタ31に入力される。自励振動同期トラッキングフィルタ31の動作は第1の実施形態で示した通りである。第1A/D変換器2からこの自励振動同期トラッキングフィルタ31の出力を減算部32により減算し、自励振動成分を減衰させ、固有振動数成分減衰部3に出力する。固有振動数成分減衰部3は回転体67の曲げの固有振動数成分を減衰させ、固有振動数成分減衰部3の出力は加算部8に入力され位置指令から減算処理される。第1加算部8の出力は位相補償部4に入力される。
【0038】
固有振動数成分減衰部3は複数個のディジタルノッチフィルタで構成され、ディジタルノッチフィルタの設定周波数は回転体67の固有振動数に設定されている。回転体67の固有振動数は主軸50の曲げの固有振動数と可変重量部としての工具65の固有振動数とが融合された周波数である。位相補償部4は、第1加算部8の出力を入力し、磁気軸受を構成する電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する。位相補償部4は、第1加算部8の出力信号を比例,微分,積分演算し、それぞれの演算結果に状態フィードバック係数をかけてD/A変換器5に出力し、D/A変換器5でアナログ信号に変換される。D/A変換器5の出力はパワー増幅回路6に入力され、パワー増幅回路6は磁気軸受スピンドル装置7内の電磁石に駆動電流を供給する。
【0039】
工具65が変更されたときに生じる固有振動数の測定動作、工具65の重量測定動作、重心位置演算部19の動作、制御パラメータ演算部20の動作は特願2000−110523号の出願内容に関する説明で示した通りである。
【0040】
第2の実施形態のように、主軸50の一端に、例えば工作機械において可変重量部となる工具65が装着される場合、工具65が変更されると可変重量部の変化により、主軸50と可変重量部を合わせた回転体67全体の重量、重心位置、固有振動数が変化する。回転体67の固有振動数は、主軸50のもつ固有振動数と可変重量部のもつ固有振動数が融合した固有振動数となる。磁気軸受の制御特性は回転体67がある一定の状態で最適になるように設定されているため、可変重量部が変化し回転体の重量、重心位置、固有振動数が変化すると、回転時における回転体67の振れ回りの増大や、回転体67の発振現象が発生する。この工具交換時の発振(振動)がきわめて大きい場合や、振動を検出し振動がある設定以上より大きい場合に電磁石の通電を停止する保護が設けられている場合でも、本実施形態のようにトラッキングフィルタを用いることにより自励振動成分を減衰させた上で、確実に固有振動数を測定することができる。
【0041】
次に、本発明の第3の実施形態における磁気軸受の制御装置の全体構成を図4に示す。
この構成においては、第1A/D変換器2の出力(変位信号)を帯域通過フィルタ部36に入力し、帯域通過フィルタ部36の出力をゲイン調整部37にてゲイン調整を行い、位相補償部4の出力に加算部71により加算することにより、固有振動による共振を減衰させることができる。帯域通過フィルタ部36の構成の1例を図5に示す。図5に示すように2個の中心周波数の異なる帯域通過フィルタ51a、51bより構成されている。図6(a)にそのゲイン特性を、図6(b)に位相特性を示す。図中Dの周波数範囲内ではゲイン、位相ともほぼ一定の特性とすることができている。このDの周波数範囲を回転体の固有振動数の周波数範囲とすることは容易である。工具65が変更され、回転体67の固有振動数が変化してフィルタの範囲外にでてしまい、振動、発振などの問題が生じたとき、帯域通過フィルタ部36の出力信号がある設定値以上のときはゲイン調整部37のゲインを大きくすることにより振動を抑制することができる。図6(a)、(b)に示すゲイン、位相特性のようにフィルタの範囲外(周波数範囲D以外)ではゲインが低下する方向の特性となるので、ゲインを増加させることにより共振抑制効果を上げることができる。
【0042】
工具65が変更されたときに変化する固有振動数の測定動作においては、前記帯域通過フィルタ部36、ゲイン調整部37における共振抑止効果が効き過ぎると正しく固有振動数を測定できないことがある。工具65が変更されたときゲイン調整部37のゲインを零にしても回転体67の振動が生じない場合は、ゲイン調整部37のゲインを零にして固有振動数の測定を行うことが望ましい。回転体67の振動が生じる場合は、帯域通過フィルタ部36の出力信号がある設定値以上のときゲイン調整部37のゲインを大きくすることにより振動を抑制した上で固有振動数の測定を行えばよい。このように、この工具交換時の発振(振動)がきわめて大きい場合や、振動を検出し振動がある設定以上より大きい場合に電磁石の通電を停止する保護が設けられている場合でも、帯域通過フィルタ36のゲインを調整するゲイン調整部37のゲインを振動の状況により自動的に調整することにより、第1の実施の形態と同様に確実に固有振動数を測定することができる。
【0043】
固有振動数演算部11において固有振動数の測定をし、固有振動数演算部11の出力を帯域通過フィルタ部パラメータ設定部35に入力することにより、工具65を変更後の固有振動数に対応した帯域通過フィルタ部36のパラメータの設定を行う。設定の方法は、パラメータを再計算して求める方法と、あらかじめ設定周波数に対するパラメータのテーブルを用意し、固有振動数に対応したパラメータをテーブルより取得する方法がある。帯域通過フィルタ部パラメータ設定部35の出力により帯域通過フィルタ部36のパラメータが変更され、回転体67の特性に応じた帯域通過フィルタが設定されることにより、加工外乱により生じる共振を抑制することができる。可変重量部である工具65が変更されたときに生じる固有振動数の測定動作、可変重量部65の重量測定動作、重心位置演算部19の動作、制御パラメータ演算部20の動作は特願2000−110523号の出願内容の説明に関する記述において示した通りである。
【0044】
本発明の第4の実施形態における磁気軸受では、固有振動数演算部11内の演算結果のうち、回転体67の曲げ1次の固有振動数の例えば70%の周波数を演算し、工作機械の加工制御手段としてのNC装置にモータ最高回転数信号として出力するようにした点以外の構成は第1〜第3の実施形態と同様の構成となっている。モータ最高回転数は曲げ1次の固有振動数の60%〜80%に設定するのが望ましい。上記処理により、主軸50の回転数が曲げ1次の固有振動数(危険速度)に近づくことを防ぎ、安定な回転を保つことができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、回転体の固有振動数が変化して、これらのフィルタの範囲外にでてしまうことにより自励振動が発生した場合、自励振動同期トラッキングフィルタにより自励振動成分を抽出し、自励振動を抑制し、回転体を安定支持することができる。また、帯域通過フィルタ部のゲインを調整することにより同様に自励振動を抑制し、回転体を安定支持することができる。特に、工作機械に適用し、工具の種類の変更に伴う回転体の固有振動数の変化に対して自励振動を抑制し固有振動を確実に測定し、固有振動数成分減衰部の特性を自動的に変更させることができ、安定な磁気軸受装置を得ることができる。また、帯域通過フィルタ部の特性を自動的に変更することにより共振抑止効果を確保し、安定でかつ高剛性な磁気軸受装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる磁気軸受の制御装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係わる自励振動同期トラッキングフィルタの構成を示すブロック図
【図3】本発明の第2の実施形態に係わる磁気軸受の制御装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第3の実施形態に係わる磁気軸受の制御装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の第3の実施形態に係わる帯域通過フィルタ部の構成を示すブロック図
【図6】(a)図5に示す帯域通過フィルタのゲイン特性を示す図
(b)図5に示す帯域通過フィルタの位相特性を示す図
【図7】磁気軸受の構成を示す断面図
【図8】従来の磁気軸受の制御装置を示すブロック図
【図9】従来の磁気軸受の制御装置を示すブロック図
【図10】従来の磁気軸受の制御装置を示すブロック図
【図11】回転体変位と不釣合いを示す力学モデル図
【図12】トラッキングフィルタの回路構成図
【符号の説明】
1 センサ回路
3 固有振動数成分減衰部
4 位相補償部
6 パワー増幅回路
7 制御対象(磁気軸受スピンドル装置)
9 第1微分器
11 固有振動数演算部
12 固有振動数成分減衰部パラメータ設定部
15 第2微分器
18 可変重量部重量演算部
19 重心位置演算部
20 制御パラメータ演算部
24 磁気軸受制御装置
32 減算部
35 帯域通過フィルタ部パラメータ設定部
36 帯域通過フィルタ部
37 ゲイン調整部
71 加算部
50 主軸(回転体本体)
53 回転側のフロント側ラジアル軸受
54 固定側のフロント側ラジアル軸受
55 回転側のリア側ラジアル軸受
56 固定側のリア側ラジアル軸受
57 回転側のスラスト軸受
58 固定側のスラスト軸受
65 可変重量部(工具)
67 回転体
70 磁気軸受制御装置
Claims (5)
- 軸状の回転体を所定の位置に非接触支持する電磁石に対して流す駆動電流を前記回転体の位置を検出するセンサのセンサ信号により制御する回路を備えた磁気軸受の制御装置において、
前記センサ信号を第1D/A変換器を介して伝達される信号と、前記センサ信号を微分した信号を第2D/A変換器を介して伝達されるディジタル信号と、前記センサ信号からその出力を減算する減算部の出力として伝達される信号とを入力とし、前記回転体の自励振動成分を抽出する自励振動同期トラッキングフィルタと、
前記減算部の出力信号を入力とし、前記回転体の固有振動数成分を減衰させる固有振動数成分減衰部と、この固有振動数成分減衰部の出力信号を入力とし、前記電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する位相補償部と、前記位相補償部の出力を入力とし、前記電磁石に駆動電流を供給するパワー増幅回路とを有すること
を特徴とする磁気軸受の制御装置。 - 端部に可変重量部を有する回転体に電気的に外乱を与え、センサ信号より前記回転体の固有振動数を演算する固有振動数演算部と、前記固有振動数演算部の出力信号より固有振動数成分減衰部のパラメータを設定する固有振動数成分減衰部パラメータ設定部と、電磁石の駆動電流を入力して、回転体の重量を測定することにより、可変重量部の重量を演算する可変重量部重量演算部と、この可変重量部重量演算部の出力信号により前記回転体の重心位置を演算する重心位置演算部と、前記重心位置演算部と前記可変重量部重量演算部との信号より、位相補償部に必要な制御パラメータを演算する制御パラメータ演算部と、この制御パラメータ演算部の出力に基づいて、前記位相補償部の各制御パラメータを前記可変重量部の重量に対応した値に変更する手段とを有する請求項1記載の磁気軸受の制御装置。
- 軸状の回転体を所定の位置に非接触支持する電磁石に対して流す駆動電流を前記回転体の位置を検出するセンサのセンサ信号により制御する回路を備えた磁気軸受の制御装置において、
前記センサ信号から回転体の固有振動数成分を減衰させる固有振動数成分減衰部と、この固有振動数成分減衰部の出力信号を入力とし、前記電磁石の駆動電流を制御するための制御信号を出力する位相補償部と、
中心周波数の異なる帯域通過フィルタを有し、かつ、前記センサ信号から前記回転体の固有振動数成分をとりだすとともに、前記回転体の固有振動数成分の周波数範囲内で位相の進みおよび遅れを抑える機能を有した帯域通過フィルタ部と、
前記帯域通過フィルタ部からの出力信号が設定値以上の場合、ゲイン調整をするゲイン調整部と、
前記位相補償部の出力と前記ゲイン調整部の出力信号を加算する加算部と、前記加算部の出力を入力とし、前記電磁石に駆動電流を供給するパワー増幅回路と、前記センサ信号より前記回転体の固有振動数を演算する固有振動数演算部と、前記固有振動数演算部の出力信号より前記固有振動数成分減衰部および前記帯域通過フィルタ部のパラメータをそれぞれ変更する固有振動数成分減衰部パラメータ設定部および帯域通過フィルタ部パラメータ設定部と、前記電磁石の駆動電流を入力して、可変重量部としての前記回転体の重量を測定する可変重量部重量演算部と、この可変重量部重量演算部の出力信号により前記回転体の重心位置を演算する重心位置演算部と、前記重心位置演算部と前記可変重量部重量演算部との信号より、前記位相補償部に必要な制御パラメータを演算する制御パラメータ演算部と、前記制御パラメータ演算部の出力に基づいて、前記位相補償部の各制御パラメータを前記可変重量部の重量に対応した値に変更する手段とを有すること
を特徴とする磁気軸受の制御装置。 - 回転体の最高回転数を、固有振動数演算部により求めた曲げ1次の固有振動数以下の所定の値に制限する構成とした請求項2または3記載の磁気軸受の制御装置。
- 可変重量部として端部に工具が装着された回転体が請求項1又は2又は3又は4記載の磁気軸受の制御装置を用いた磁気軸受により支持される構成とした磁気軸受スピンドル装置。
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