この発明を実施するための最良の形態を、添付図面に示す第1の実施形態を参照して説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態としてのトナーリサイクル装置を有した画像形成装置の概略構成の主要部を示す正面図であり、図2は、トナーリサイクル装置の全体構成を示す概略断面図である。
この画像形成装置1は、複写機とされ、図1に示すように、像担持体である感光体ドラム2の周囲に、感光体ドラム2の表面を一様に帯電処理する図示しない帯電装置、レーザー光線などによって感光体ドラム2の一様に帯電処理された表面に潜像を形成する図示しない露光装置、感光体ドラム2上の潜像に対して帯電した現像剤であるトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置3、感光体ドラム2上に形成されたトナー像を転写ベルト4で図示しない転写紙に転写する転写装置5、トナー像の転写後に感光体ドラム2上に残ったトナーを除去してクリーニングするクリーニング装置6が、順次、所定に配置されており、転写装置5は、転写ベルト4上に残った未転写トナーを除去してクリーニングするクリーニング装置7を有している。
そして、この画像形成装置1は、現像装置3により感光体ドラム2の表面上にトナー像を形成し、このトナー像を転写装置5により転写材としての転写紙に転写したあとに感光体ドラム2上に残留した転写残トナーをクリーニング装置6により除去して回収するとともに、転写ベルト4上に残留した未転写トナーをクリーニング装置7により除去して回収し、これらのクリーニング装置6,7に収集された転写残トナーおよび未転写トナーを、トナーリサイクル装置10によって新トナーに混合して現像装置3に戻し再利用するようにしている。
すなわち、感光体ドラム2は、円筒形のドラム状に形成され、図示しない駆動機構によって所定に回転駆動される。この感光体ドラム2のドラム表面をクリーニングする清掃部材として、クリーニング装置6は、クリーニングブレード6aとクリーニングブラシ6bとを有し、クリーニングブレード6aは、合成ゴムなどの軟質材料を用いて、感光体ドラム2の筒長以上の長さを有した長片状に形成され、その長辺を真直でシャープな角度に形成したブレードエッジとしており、このブレードエッジが、感光体ドラム2の周面における長手方向に一様に、所定の接触角度かつ所定の接触圧力で接するように図示しない支持機構で支持されている。またクリーニングブラシ6bは、所定長さの長軸を中心にして放射状にブラシ毛が植設されて形成され、その長軸が感光体ドラム2の回転中心に平行に、かつそのブラシ毛先端が感光体ドラム2の周面で長手方向に沿って一様に接するように、図示しない支持機構で回転可能に支持されている。
クリーニング装置7は、転写ベルト4のベルト表面をクリーニングする清掃部材としてクリーニングブレード7aを有し、このクリーニングブレード7aは、合成ゴムなどの軟質材料を用いて、転写ベルト4のベルト幅以上の長さを有した長片状に形成され、そのブレードエッジとした長辺が、転写ベルト4の幅方向に一様に所定の角度かつ所定の圧力で接するように図示しない支持機構で支持されている。
そして、感光体ドラム2上の転写残トナーは、感光体ドラム2からクリーニングブラシ6bで掃きとられまたはクリーニングブレード6aでかきとられ、クリーニング装置6のケース6c内の凹状底部に収集され、この底部に設けたスクリュウ・コンベア式の回収コイル8によってトナーリサイクル装置10へと搬送される。また転写ベルト4上の未転写トナーはクリーニングブレード7aでかきとられ、転写装置5のケース5a内の凹状底部に収集され、この底部に設けたスクリュウ・コンベア式の回収コイル9によってトナーリサイクル装置10へと搬送される。すなわち、これらの回収コイル8,9は、らせん状に連続した回転体として、それぞれ図示しない管体に回転可能に収納され、各回収コイル8,9を収納した管体は、それぞれクリーニング装置6,5からトナーリサイクル装置10に連通接続され、図示しない駆動モータなどの駆動手段によって所定に回転駆動されている。
トナーリサイクル装置10は、図2に示すように、回収したトナーとトナーボトル11から排出させた新トナーとを混合しこの混合したトナーを現像装置3に供給するリサイクルトナー供給手段であるリサイクルトナー補給部12と、このリサイクルトナー補給部12に新トナーT1を収納したトナーボトル11から新トナーT1を排出させて補給する新トナー補給手段13と、同リサイクルトナー補給部12にクリーニング装置6,7によって回収されたトナーが入力されて受入れる残トナー受入れ部14と、この残トナー受入れ部14に入力された回収トナーをリサイクルトナーT2としてリサイクルトナー補給部12に搬送するリサイクルトナー搬送手段15とを有し、リサイクルトナー搬送手段15には、余剰なリサイクルトナーT2を破棄する廃棄手段15Aが設けられている。
リサイクルトナー補給部12は、現像装置3に補給するトナーを所定量その内部に貯留可能な立設された略密閉中空円筒状のケーシング17と、このケーシング17の上方に保持されそのボトル口をケーシング17内に向けた交換可能なトナーボトル11と、このトナーボトル11のボトル口に対向して配置され接離する方向にスライド移動可能に構成されこのボトル口を任意に開閉するトナーボトルキャップスライダ部材(以降、ボトルキャップ部材と称する)18と、このトナーボトル11を所定に回転駆動してボトル11内に収納された新トナーT1をケーシング17内に排出させて新トナーT1を補充するボトル駆動手段19と、このケーシング17内の底部に設置されてケーシング17内にトナーが無くトナーエンドとなったことを検知するトナーエンドセンサ20とを有しており、ケーシング17の側壁におけるボトル口が配された箇所と底部の箇所との略中間の位置に、リサイクルトナー搬送手段15が搬送したリサイクルトナーT2を排出するようにしている。
またケーシング17の底部に近い側壁には、略円形の供給開口21が設けられ、この供給開口21には、現像装置3に至る図示しない管体状の搬送通路の一端が接続され、この搬送通路には、図示しないトナー搬送供給手段が設置され、たとえばスクリュウ・コンベア式の搬送手段として搬送通路の全長に渡って螺旋状の連続回転体である図示しない回収コイルが回転可能に収納され所定に回転駆動されるように構成されている。したがって、この搬送供給手段の搬送動作によって、ケーシング17内に補充された新トナーT1およびリサイクルトナーT2からなる混合トナーT3は、画像形成の進展に伴う現像装置3でのトナー消費に応じて、現像装置3に供給され補給される。
この供給開口21の略上方に、ケーシング17内のトナーの有無を検知するトナーエンドセンサ20が設けられている。すなわち、このトナーエンドセンサ20は、そのセンサ面20Aを斜め上向にして、かつセンサ面20Aを供給開口21よりも僅かに上方に位置させ、ケーシング17内に露出されて設置されており、またその図示しないセンサ出力線が、トナーリサイクル装置10が有した図示しない制御部に電気的に接続されている。そして、トナーエンドセンサ20は、たとえば感圧式のセンサが用いられ、センサ面20Aにトナーが接していない場合に、トナーがないことを示した検出信号を発信するように構成されている。
したがって、ケーシング17内から現像装置3へ混合トナーT3が供給されて、ケーシング17内に堆積された混合トナーT3の高さが供給開口21よりも低くなる前に、トナーがないことを示す検出信号がトナーエンドセンサ20から発せられる。このため、ケーシング17内に新トナーT1およびリサイクルトナーT2からなる混合トナーT3を補充する時間的な余裕をみこしたタイミングで、検出信号が得られるので、所定にトナーを補充して、供給開口21から途切れることなく現像装置3にトナーを供給して補給できる。なお、制御部としては、画像形成装置に具えられている制御部を共用した構成としてもよい。
トナーボトル11は、所定容量を確保したボトル形状に形成され、未使用の新品トナーT1が充填されている。また、このトナーボトル11は、その内部に収容した新トナーT1がすべて排出されてなくなった場合に、新トナーT1が満杯に充填された新たなトナーボトル11に、交換可能に構成されている。トナーボトル11は、水平な横向きの姿勢で、そのボトル口をケーシング17内に向け、かつ少なくともボトル口の開口面が、ケーシング17の内壁面と同一か内方に突出させた状態で、セットされる。
ボトルキャップ部材18は、その長手方向が、図中の左右方向にスライド移動可能に支持され、その先端が、セットされたトナーボトル11のボトル口に対向して配置され、またこの先端には、開口としてのボトル口を閉止可能なキャップ部材本体18aが固着されており、さらにその基端が、駆動モータ18bによって、所定にスライド駆動されるようになっている。すなわち、ボトルキャップ部材18は、駆動モータ18bの回転運動を直線運動に変換するギア機構を有し、このギア機構は、スライド方向にモータ軸を向けて設置された駆動モータ18bと、この駆動モータ18bのモータ軸に固着されたウオームギア18cと、このウオームギア18cに噛合されスライド移動方向とは直交方向に軸が向けられたギア18dと、このギア18dにその基端の長手方向における所定範囲に渡って平行歯として形成したスライドギア18eを噛合したボトルキャップ部材18とからなる。
したがって、駆動モータ18bを所定に正逆転動作させることによって、キャップ部材本体18aによりトナーボトル11のボトル口を閉止した前進位置にボトルキャップ部材18を占位させる一方、ボトル口からキャップ部材本体18aが離れてボトル口を開放した後退位置にボトルキャップ部材18を占位させることができる。このため、このボトルキャップ部材18の構成によれば、少なくとも、新品トナーが充填されたトナーボトル11をセットするときには、ボトルキャップ部材18を前進させてボトル口を閉止し、トナーボトル11から新トナーT1の不要な排出を防止するとともに、トナーボトル11が所定にセットされると、ボトル口を開放するようにしている。
ボトル駆動手段19は、トナーボトル11の首部から肩部にかけた部分を嵌合して、またはトナーボトル11の胴部の全周を保持した図示しない保持部材を一体に有して、前記したようにトナーボトル11を水平な姿勢にセットするボトル径よりも大きな径を確保した大径ギア19aと、この大径ギア19aを回転駆動する駆動モータ19bとを有し、大径ギア19aには、駆動モータ19bのモータ軸に固着された小径ギア19cが噛合され、充分に大きな所定の減速比を得るようにしている。したがって、このように大きな減速比を設定しているので、新トナーT1が満杯に充填された比較的に大重量のトナーボトル11でも確実に回転駆動できるようにしている。この結果、駆動モータ19bが、小径ギア19cおよび大径ギア19aを介して、この大径ギア19aにセットされたトナーボトル11を回転させることで、ケーシング17内にトナー補給することが可能となっている。またトナーボトル11から補給される新トナーT1の補給量は、ケーシング11底部付近に設けられたトナーエンドセンサ20の検知に基づき制御されるようになっている。
そして、回収されたトナーは、残トナー受入れ部14に入力されて収容され、リサイクルトナー搬送手段15が、その搬送途中で余剰な分を破棄しながら、リサイクルトナー補給部12へと所定に搬送する。すなわち、残トナー受入れ部14は、略密閉ケース状に形成され、その上部側壁には、転写残トナーの入力口14Aと未転写トナーの入力口14Bとが開口され、転写残トナーの入力口14Aには回収コイル8の搬送先の端部が、未転写トナーの入力口14Bには回収コイル9の搬送先の端部が、それぞれ配置されている。
このリサイクルトナー搬送手段15は、残トナー受入れ部14に基端が接続され先端側に向けてトナーを搬送するスクリュウ・コンベア式の第1のリサイクルトナー搬送手段(以降、第1の搬送手段と称する)22と、この第1の搬送手段22の搬送経路の略中間箇所に、所定容量を確保した一時的にトナーを貯留する中間貯留手段である中間貯留部23を介して、その基端が接続され先端側に向けてトナーを搬送するスクリュウ・コンベア式の第2のリサイクルトナー搬送手段(以降、第2の搬送手段と称する)24とを有しており、また第1の搬送手段22は、その搬送路が中間貯留部23を通過して延在され、その搬送先である先端が、廃トナーボトルなどの破棄手段である図示しない廃トナー収納容器に連通して接続されている一方、第2の搬送手段24の搬送先である先端は、リサイクルトナー補給部12に連通して接続されている。
すなわち、廃棄手段15Aとして、第1の搬送手段22が、その搬送経路の途中で落下させて中間貯留部23の上部から中間貯留部23内にリサイクルトナーT2を搬入し、第2の搬送手段24が、中間貯留部23の下部からリサイクルトナー補給部12に搬入するとともに、第1の搬送手段22が中間貯留部23を貫通させて所定量のトナーを収納可能な廃トナー収納容器まで延在させた構成とし、第1の搬送手段22の搬送動作によって、中間貯留部23が搬送されたリサイクルトナーT2で満杯になった場合には、この中間貯留部23の収納容量を越えた分は、そのまま第1の搬送手段22が余剰分のリサイクルトナーT2として廃トナー収納容器まで搬送してこの廃トナー収納容器に破棄できるようにしている。
第1の搬送手段22は、その基端および先端が所定に接続された回収パイプ22aと、この回収パイプ22aに回転可能に収納された回収コイル22bと、この回収コイル22bを回転駆動する駆動モータ22cとを有し、同様に第2の搬送手段24は、その基端および先端が所定に接続された回収パイプ24aと、この回収パイプ24aに回転可能に収納された回収コイル24bと、この回収コイル24bを回転駆動する駆動モータ24cとを有している。すなわち、これらの第1の搬送手段22と第2の搬送手段24とには、それぞれの専用の駆動手段として駆動モータ22c,24cが別個に設けられ、それぞれの搬送動作を個別に開始し終了できるようにしており、これらの駆動モータ22c,24cは、制御部によってそれぞれのモータ動作が制御されている。なお、駆動モータ22c,24cのうち、いずれか一方の1つの駆動モータだけを搭載し、他方の駆動モータを搭載しない回収コイルの駆動は、搭載した駆動モータの駆動ギアから伝達ギア列を配設して駆動力が伝達されて駆動される構成とすることも可能であり、また1つの駆動モータから分岐する伝達ギア列を介してそれぞれに駆動力を分配する構成とすることも可能であり、いずれにしても単一の駆動源を共用した構成としてもよい。
第1の搬送手段22の回収パイプ22aは、その全長に渡って所定の同一径を確保した直管形状に形成され、その基端が、残トナー受入れ部14の側壁における底部付近に連通して接続されるとともに、その先端が、廃トナーボトルなどの廃トナー収納容器に連通して接続されている。
この回収パイプ22a内には、このパイプ長さよりも長い全長を確保した回収コイル22bが回転可能に収納されている。すなわち、この回収コイル22bは、線状材を用いて、その全長に渡って回収パイプ22aの内径よりも所定に小さい径の同一径を確保した螺旋形状に形成され、直管体としての回収パイプ22aの中心線とコイルの回転中心線とが略一致するようにしており、その基端が、残トナー受入れ部14の底部に露出されるとともに、その先端が、廃トナー収納容器内に突出するように設置されている。
また回収コイル22bの基端には、コイルの回転中心線に軸心を略一致させた図示しない被駆動軸が固着され、この被駆動軸は残トナー受入れ部14の側壁を貫通して外方に突出され、この突出した軸端部には大径の被駆動ギア22dが固着され、この大径の被駆動ギア22dは駆動モータ22cのモータ軸に固着された小径の駆動ギア22eに噛合されている。
したがって、第1の搬送手段22において、駆動モータ22cによって、回収コイル22bはその螺旋が基端から先端側に進むように回転駆動される。これに伴い、残トナー受入れ部14に入力されその底部に露出された回収コイル22bの基端側に接した残トナーは、残トナー受入れ部14の底部に開口された回収パイプ22aの基端側の入り口を通過して、回収パイプ22a内を先端側に進む。
回収パイプ22aの略中間箇所は、中間貯留部23の上部に接続され、少なくとも、中間貯留部23の内部に面した下側の箇所を切り欠いて開口が形成されている。この中間貯留部23は、略密閉ケース形状に形成され、所定の内部空間が確保されて、トナーを所定の容量分だけ一時貯留可能に構成されている。なお、回収パイプ22aは、中間貯留部23の上部に接続されて中間貯留部23を通過した構成に限ることなく、中間貯留部23の上部を断続的に貫通して通過した構成としてもよい。すなわち、中間貯留部23の上部における一方の側壁で一旦中断し、同軸上に他方の側壁から延在して、回収コイル22bだけを中間貯留部23内に露出して配置した構成としてもよい。
第2の搬送手段24の回収パイプ24aは、所定の同一径を確保した直管形状に形成され、その基端が、中間貯留部23の側壁における底部付近に連通して接続されるとともに、その先端が、リサイクルトナー補給部12のケーシング17に所定に連通して接続されている。すなわち、第2の搬送手段24が搬送したリサイクルトナーT2が排出される回収パイプ24aの先端は、ケーシング17の側壁におけるボトル口が配された箇所と底部の箇所との略中間の位置を占めた箇所から、ケーシング17内に所定量突出されて配置されている。
この回収パイプ24a内には、このパイプ長さよりも長い全長を確保した回収コイル24bが回転可能に収納され、その基端が、中間貯留部23の底部に露出されるとともに、その先端が、回収パイプ24aの先端付近に至るように設置されている。また回収コイル24bの基端には、コイル中心線に軸心を略一致させた図示しない被駆動軸が固着され、この被駆動軸は中間貯留部23の側壁を貫通して外方に突出されている。そして、この突出した軸端部には大径の被駆動ギア24dが固着され、この大径の被駆動ギア24dは駆動モータ24cのモータ軸に固着された小径の駆動ギア24eに噛合されている。
したがって、このように構成されたトナーリサイクル装置10では、画像形成時の稼動中、常時、クリーニング動作して回収された転写残トナーおよび未転写トナーは、残トナー受入れ部14に入力され、この残トナー受入れ部14からリサイクルトナーT2として第1の搬送手段22によって搬送され、その搬送途中の中間箇所として中間貯留部23の上部から落下して中間貯留部23に搬入され、その搬送状況に応じて、この中間貯留部23内の底部から堆積されて一時的に貯留され、そして中間貯留部23から第2の搬送手段24によって、リサイクルトナー補給部12に搬送される。
このため、中間貯留部23の内部容量によって規定される容量以上に第1の搬送手段22が残トナー受入れ部14からリサイクルトナーT2を搬送した場合には、そのまま第1の搬送手段22によってリサイクルトナーT2が廃トナー収納容器まで搬送される。すなわち、第1の搬送手段22が搬送したリサイクルトナーT2で中間貯留部23が満杯になった場合には、この中間貯留部23の収納容量を越えた分は、中間貯留部23内に堆積された既存のリサイクルトナーT2で排除され、同中間貯留部23内に収容されることなく、そのまま第1の搬送手段22で搬送され続けて、破棄される。
なお、上記のように破棄されずに中間貯留部23に収容可能なトナー容量は、トナー詰まりの防止レベル、およびリサイクルトナー混入比率による影響を受ける要求画像レベルを因子として設計されている。すなわち、これらの防止レベルおよび要求画像レベルを満足させるトナー容量が中間貯留部23に設定されている。
このように第1の実施形態によれば、リサイクルトナーが一定量以上に増えた場合、この一定量を越えて余剰となった分量のリサイクルトナーを破棄しているので、リサイクルトナー補給部やリサイクルトナーの搬送経路におけるトナー詰まりを回避しながら、リサイクルトナー比率を安定させることができ、かつ要求画像レベルを達成できる程度までにリサイクルトナー比率を低下させることが可能となる。
すなわち、トナー詰まりの原因となる中間貯留部で規定した一定量を越えた過剰なトナーは、第2のリサイクルトナー搬送手段が形成した搬送路に移行することなく、そのまま第1のリサイクルトナー搬送手段がトナー破棄手段に搬送して破棄する。換言すれば、リサイクルトナー補給部に搬送する搬送経路と、オーバーフローしたリサイクルトナーを廃棄容器に破棄する搬送経路とを、中間貯留部を介して並列的に設け、リサイクルトナーがオーバーフローした場合には、リサイクルトナーの搬送を停止することなく継続したまま破棄できるようにしているので、このリサイクルトナーの搬送経路上に介在した一時的な貯留箇所やこの貯留箇所に至るまでリサイクルトナー搬送経路でのトナー詰まりを解消することができる。
したがって、クリーニング装置の常時駆動つまり常時クリーニング動作に応じて第1のリサイクルトナー搬送手段を常時駆動つまり常時搬送動作させても、トナー詰まりを生起させずに、トナーリサイクル装置を作動させることができる。このため、画像形成中は継続的に回収した残トナーを新品のトナーに混合させて画像形成に再使用する構成でも、新品のトナーに対してリサイクルトナーが量的に過剰とならずに済み、常に所定の比率以下に保つことができるので、画像形成に使用するトナーとしてトナー品質の低下を抑制できる。この結果、異状画像の発生を未然に防止するとともに、良好な画像品質を維持できる。他方、クリーニング装置として常時駆動が可能なことからも、上述したように第1,第2のリサイクルトナー搬送手段が単一の駆動源を共用した構成とすることも可能であるし、さらには他の被駆動体(たとえば感光体ドラム)を駆動する上記の各図に図示されていない駆動源としての駆動モータから、伝達ギア列などからなる駆動力伝達手段を介して駆動力が常時伝達される構成とし、トナーリサイクル装置を作動させることもできる。
なお、上記の第1の実施形態では、感光体ドラム2および転写ベルト4をそれぞれクリーニングして回収した残トナーをリサイクルトナーT2として再使用したが、これに限られることなく、感光体ドラム2から得られた残トナーだけを再使用するように構成してもよい。すなわち、転写ベルト4上は紙粉が多くリサイクルには向かないため、図3(a)に示す構成のように、転写ベルト4側から回収した未転写トナーを破棄し、感光体ドラム2から回収した転写残トナーだけを再使用するようにしてもよい。
この構成は、残トナー受入れ部14内を転写残トナーの入力口14Aを有した小室と、未転写トナーの入力口14Bを有した小室とに区画する仕切り壁14Cを設けて未転写トナーと転写残トナーとを、それぞれの小室に区別して収容し、この未転写トナーを収容した小室から廃棄ボトルなどの廃棄用収納容器に直結して連通した未転写トナー搬送手段26を設けた構成とし、この未転写トナー搬送手段26によって、転写ベルト4からの未転写トナーを、リサイクルトナーT2として使用することなく破棄している。また、この未転写トナー搬送手段26は、第1の搬送手段22および第2の搬送手段24と同様に、回収パイプ26aと、この回収パイプ26a内に回転可能に収納された回収コイル26bと、このコイル26bを回転駆動する駆動モータ26cと、これらのコイル26bおよび駆動モータ26cとの間に介在されたギア機構としての被駆動ギア26dおよび駆動ギア26eとを有して構成されている。したがって、この構成によれば、紙粉などの異物を含まないリサイクルトナーT2とすることができるので、よりトナー品質低下の抑制が図れ、より良好な画像品質を安定して確保できる。なお、この構成では、回収コイル26bの回転力を回収コイル22bに伝達する図示しない伝達機構が所定に設けられ、駆動モータ26cの回転駆動力が回収コイル26b、伝達機構を順次、介して、第1の搬送手段22の回収コイル22bに伝達され回収コイル22bを回転駆動するように構成されており、上記の第1の搬送手段22の駆動モータ22cおよび関連部材を不要としている。
また、上記の第1の実施形態では、転写装置5に転写ベルト4を用いたが、これに限らず、転写ローラなどの転写部材を適宜、用いてもよく、用いる転写部材に応じて、その転写部材をクリーニングする清掃部材もクリーニングブレード以外の構成を適宜、用いてもよい。
さらに、転写装置5の構成によっては、つまり転写手段によっては、上記のクリーニングブレード7aなどのクリーニング装置7自体を有さないもの、つまり機械的なクリーニング機構を有さないもの、たとえば像間で転写バイアスと逆極性のバイアスを印加して転写部材上に一旦付着した未転写トナーを感光体ドラム2に戻し、クリーニング装置6で最終的に回収するものもある。すなわち、画像形成装置1が感光体クリーニング手段としてクリーニング装置6だけを有した構成の場合には、この構成に用いて採用するトナーリサイクル装置としては、図3(b)に示すように、上記した回収コイル9などからなる転写部材クリーニング装置からトナーリサイクル装置に未転写トナーを搬送する未転写トナー専用の搬送手段が設けられてなく、未転写トナーの入力口14Bも設けられてない構成となる。またクリーニング装置6に回収されるトナーとしては、転写残トナーに加わえて未転写トナーとなるので、回収コイル8などからなるクリーニング装置6からトナーリサイクル装置にトナーを搬送する搬送手段の搬送能力も増強されたものとなる。
次に、この発明の第2の実施形態を説明する。この第2の実施形態のトナーリサイクル装置は、上記の第1の実施形態と同一の構成とされ、その制御内容だけが異なり、第1の搬送手段が常時駆動とされるとともに、第2の搬送手段が間欠駆動とされている。すなわち、トナーリサイクル装置は、リサイクルトナー補給部が空になった場合に、図4に示すフローチャートに基づき、所定の手順に従って、新トナーおよびリサイクルトナーをリサイクルトナー補給部に補充するようにしている。つまり、補充処理として、新トナーの補給タイミングと、この補給タイミングに合わせて後続させたリサイクルトナーの補給タイミングとを所定に規定し、新トナー補給量に応じてリサイクルトナーの補給量を調整している。
すなわち、図4に制御内容を示したフローチャートに基づき、この第2の実施形態のトナーリサイクル装置の動作手順を説明する。原稿などを画像形成装置1としての複写機にセットし、複写機の図示しない操作パネルなどに予め具えられているコピースタート・ボタンを、ユーザがオン操作すると、まずステップ101においては、トナーエンドセンサ20による検出信号に基づき、リサイクルトナー補給部12としてのケーシング17内に現像装置3に補給するトナーがないかが制御部で判定され、トナーがないと判定した場合には、ステップ102に処理が進み、トナーがあると判定した場合には、ステップ106に処理が進む。すなわち、トナーエンドセンサのセンサ面20Aをカバーできる程度のトナー量がケーシング17内にある場合には、補給するトナーが充分にあると判定する一方、センサ面20Aよりも下方にトナーの最頂部がある場合には、センサ面20Aが露出されてトナーエンドセンサ20から所定の検出信号が発せられるので、トナーがないと判定している。
そして、トナーがないと判定されたステップ102では、まずトナー補給モータがON状態となり、モータ駆動が開始される。すなわち、トナー補給モータとしての駆動モータ19bに通電される。したがって、トナー補給モータの駆動によって、トナーボトルのボトル口から新トナーがケーシング17内に排出され補充される。すなわち、リサイクルトナー補給部12としてのケーシング17内に新トナーが補充される。
次にステップ103では、ケーシング17内にトナーがあるかが判定され、トナーがあると判定した場合には、トナー補給モータをOFF状態とし、次にステップ104に進む一方、トナーがないと判定した場合には、ステップ102に戻って、新トナーの補充が継続される。すなわち、ステップ103においては、トナーエンドセンサ20からの検出信号に基づき、トナーが充分に補充されたか否かを制御部が判定する。したがって、このような一連のステップ101〜ステップ103の処理構成によれば、新トナーが充分に補充されるまで、トナー補給モータの駆動が継続される。
次にステップ104では、トナー補給モータの駆動を継続した時間であるトナー補給モータON・累積時間A(秒)が計測され、次のステップ105では、下記の表1に基づき、累積時間Aに対応したトナーリサイクルモータの駆動を継続する時間であるトナーリサイクルモータON時間B(秒)が決定され、この決定したトナーリサイクルモータON時間BだけトナーリサイクルモータがON状態となり、リサイクルトナーT2がケーシング17内に補充される。
すなわち、制御部が有した計時機能によって累積時間Aを計測し、表1を用いて、計測した累積時間Aに基づき時間Bを決定し、トナーリサイクルモータとしての第2の搬送手段24が有した駆動モータ24cが時間Bだけモータ動作して、回収コイル24aを回転駆動し、第2の搬送手段24がリサイクルトナーT2を搬送動作する。制御部は、トナー補給モータの通電状態やこのモータへの動作指令信号の検出に基づいて計時し、累積時間Aを計測している。
また、この累積時間Aは、コピー動作中、つまり画像形成動作と並列に動作した新トナーの補充にかかった時間を計測したものなので、画像形成状況によって変動し、可変の時間となる。すなわち、この新トナーの補充中にも、画像形成するためにトナーを消費した現像装置3にケーシング17内からトナーを供給しているので、形成画像の大きさや白黒比率などの画像形成状況に応じて、現像装置3のトナー消費量が変動し、これに応じてケーシング17内からのトナー供給量も変動し、結局、新トナーの補充総量も変動したものとなる。また、累積時間Aをカウントして計測した制御部の計時機能としてのタイマは、累積時間Aを前記の決定に用いたあとには、そのカウントがリセットされ、ゼロにクリアされる。
なお、リサイクルモータON中にトナー補給モータONを検出した場合、このリサイクルモータON中に検出したトナー補給モータON時間である累積時間A’に対応した時間B’が、上記の時間Bに追加されて加算される。
したがって、新トナーに対するリサイクルトナーの量的な比率は、たとえば2対1などのように、常に一定の比率に保たれる。すなわち、リサイクルトナー補給部12に新トナーを補充するのに要した時間の長さに一定の比率で対応した時間の長さを、第2の搬送手段24を動作させる時間の長さとし、リサイクルトナーの搬送動作を実行しているので、これらの実行結果として両トナー間の量的な比率を一定に保持することができる。
そして、ステップ106では、複写機がコピーエンドしたか、つまり少なくとも画像形成装置1としての画像形成動作が完了したかが判定され、動作が完了しない未了と判定した場合には、ステップ101に処理が復帰し、上記したステップ101からステップ105までの一連の処理を繰り返す一方、動作が完了したと判定した場合には、この実施形態の制御処理を終了する。
このように第2の実施形態によれば、トナーボトルからケーシングへの新トナー補給タイミング、補給量にあわせて、リサイクルトナーの補給量を調整することで、新トナーに対するリサイクル比率を安定させ、画像における経時安定化を図ることができる。また、リサイクルトナー補給量を調整することで、画像の安定かトナー消費量軽減かをユーザーが要請するレベルによってバランスを取ることが可能となる。
なお、第1の搬送手段22および第2の搬送手段24が、単一の駆動モータを駆動源として共用した構成でも、この1つの駆動モータから至る第2の搬送手段24にギア列で形成された駆動力の伝達経路上に、任意に駆動力の伝達・遮断が可能なクラッチを介装させた構成とすれば、このクラッチを所定に接離動作させることによって、単一の駆動源を共用しながら、一方の第1の搬送手段22を常時駆動するとともに、他方の第2の搬送手段24を上記のように間欠的な任意の駆動タイミングで駆動する構成とすることができる。
次に、この発明の第3の実施形態を説明する。この第3の実施形態のトナーリサイクル装置30は、図5に示すように、リサイクルトナー補給部12の貯留空間の底部に配置した回転駆動されて底部付近に堆積したトナーを攪拌するトナー攪拌部材を有している。なお、上記の第1の実施形態と同一の構成部材には、同一の符号を付して、説明を省略または簡略化する。
すなわち、このトナーリサイクル装置30は、上記の第1の実施形態の構成に加えて、リサイクルトナー補給部12が有したケーシング17内におけるサイクルトナーの排出口の直下の位置を占めてトナー攪拌部材であるアジテータ31が回転可能に配置されており、このアジテータ31は、充分な強度が確保された略軸状部材を用いて、ケーシング17内の底部付近の対向した側壁を略水平に貫通して、これらの両側壁によって回転可能に支持され、そのケーシング17内での形状が、回転中心線から回転径方向の互いに反対側に向けて交互に突出した略クランク状に形成されている。また、このアジテータ31は、そのケーシング17外に突出された軸端部にギア31aが固着され、このギア31aは図示しない専用の駆動モータなどが有した駆動ギアに噛合され、所定に回転駆動されるようになっている。なお、このアジテータ31を駆動する構成としては、専用の駆動モータを設けた構成とすることなく、他の駆動部材を駆動する駆動モータを用いた構成としてもよい。すなわち、この他の駆動部材用の駆動モータが有した駆動ギア列からギア分岐し、この分岐箇所からアジテータ31に至るまでのギア伝達経路にクラッチ機構を介在させ、このクラッチ機構として、フラッパソレノイドなどをクラッチ遮断動作または接続動作の電動式アクチュエータとして有したスプリングクラッチ機構とし、上記の制御部からの動作指令や通電に応じたアクチュエータによってクラッチ機構を所定に断続動作させて回転駆動力の伝達を所定に遮断、および接続することにより、アジテータ31の回転駆動の開始および停止を所定に任意に行なうようにしてもよい。
したがって、トナーリサイクル装置30では、新トナーT1およびリサイクルトナーT2がケーシング17内に排出されて補充された直後に、アジテータ31を所定に回転駆動すると、この回転運動に伴い、ケーシング17内の底部付近に堆積した新トナーT1およびリサイクルトナーT2は、互いに攪拌されてその分散が促進されて混合される。このため、濃度分布が片寄ることなく均一化された混合トナーT3となる。この結果、このように充分に均一化された混合トナーT3を現像装置3に供給できる。
このように第3の実施形態によれば、新トナーにリサイクルトナーが追加されて混合された直後に、これらの両トナーをアジテータによって攪拌した構成としているので、新トナーに対するリサイクルトナーをより分散することが可能となり、経時を含めた高画質化を得ることができる。
なお、この第3の実施形態では、攪拌部材が軸状部材を所定に屈曲させた構成のアジテータ31としたが、駆動モータなどによって所定に駆動されてトナーを攪拌できるものであれば、これに限られることなく、適宜、他の構成を採用してもよい。たとえば回転軸から複数の羽根部材を放射状に設けたパドル状の構成としてもよい。
次に、この発明の第4の実施形態を説明する。この第4の実施形態のトナーリサイクル装置は、上記の第3の実施形態と同一の構成とされ、図6のフローチャートに示すように、トナー補給タイミングと連動して、攪拌部材を攪拌動作させている。なお、上記の第3の実施形態と同一の構成部材には、同一の符号を付して、説明を省略または簡略化する。
この第4の実施形態のトナーリサイクル装置では、第3の実施形態の構成を用いて、図6のフローチャートに示した制御内容の動作を行なわせるようにしている。この図6のフローチャートは、上記の第2の実施形態の制御内容と同一の制御内容に加えて、アジテータ31の動作継続時間を規定した処理を追加した構成としている。
すなわち、このトナーリサイクル装置では、ステップ101からステップ105までの一連の処理は、第2の実施形態と同一に行なわれる。そして、新たに追加したステップ106においては、ステップ105で決定した時間Bが、そのままアジテータ31の駆動継続時間として採用され、時間Bだけアジテータ回転駆動用のモータがON状態となる。したがって、ケーシング17内への新トナーおよびリサイクルトナーの補充が完了したあとに、この時間Bだけアジテータ31が回転駆動され、このアジテータ31の回転運動に伴い、ケーシング17内の底部付近に堆積した新トナーおよびリサイクルトナーが前記の時間Bの長さの期間中だけ、攪拌される。このため、リサイクルトナー補給部12への補充処理として、所定の手順に従った確実な処理が可能となる。他方、両トナーが余分に攪拌されずに済む。すなわち、アジテータ31の攪拌動作継続時間は、一定した固定時間ではなく、時間Bによって規定された補充されるトナーの量に応じて増減する可変時間に設定されているので、トナー補充量の増減に応じて増減され、補充トナー量の変動に拘わることなく最小限度の攪拌に必要な時間が保持される。
そして、次のステップ107では、第2の実施形態のステップ106と同様に、複写機がコピーエンドかが判定され、コピーエンドではないと判定した場合には、ステップ101に処理が復帰し、上記したステップ101からステップ106までの一連の処理を再び繰り返す一方、コピーエンドであると判定した場合には、この実施形態の制御処理を終了する。
このように第4の実施形態によれば、攪拌部材がトナー補給タイミング、トナー補給時間と連動することで、余分な攪拌による微粉トナーの凝集などを必要最小限に抑えつつ、経時を含めた高画質化を得ることができる。すなわち、微粉体状のトナーが凝集するなどの事態を、最小限に留めながら、攪拌することが可能となる。
次に、この発明の第5の実施形態を説明する。なお、上記の第1および第3の実施形態と同一の構成部材には、同一の符号を付して、説明を省略または簡略化する。この第5の実施形態のトナーリサイクル装置50は、図7に示すように、上記の第1ないし第4の実施形態の構成において、リサイクルトナー補給部12から現像装置3へ混合したトナーを搬送する搬送供給手段として、エアーポンプ51を用いた構成としている。
このトナーリサイクル装置50では、リサイクルトナー補給部12のケーシング17から現像装置3に至る通路は、管体状の搬送路つまり密閉された管路とされ、この管路の略中間の途中箇所に、エアーポンプ51を設置した構成としている。すなわち、供給開口21には、管体52の一端が接続され、その他端が現像装置3に接続されており、この管体52の適宜中間箇所に管体52の一端側から吸引して他端側に送出するエアーポンプ動作が可能なエアーポンプ51が設置されている。
したがって、トナーリサイクル装置50では、画像形成に伴う現像装置3でのトナー消費に応じて、エアーポンプ51が作動し、ケーシング17のトナーが吸引されて供給開口21から管体52内に進み、管体52内を気流に載って現像装置3側に進み、現像装置3に到着して、リサイクルトナー補給部12から現像装置3にトナーが供給され補給される。すなわち、このように補給されたトナーは、現像装置3が有した図示しない容器状の現像ホッパに受入れられ一時貯留されて、最終的に画像形成に用いられる。
このように第5の実施形態によれば、新トナーに対するリサイクルトナーをより分散させ、凝集度を減少させることが可能となり、経時を含めたさらなる高画質化を得ることができる。すなわち、このようにエアーポンプによって、リサイクルトナー補給部から現像装置にトナーをエアー搬送して供給しているので、このエアー搬送する過程で、エアー搬送されるトナーの拡散を促しながら搬送することができる。つまり、物理的な部材でトナーに外力を加えて圧送する代わりに、エアーポンプで生成した気流にトナーを載せて搬送しているので、圧送によるトナー凝集を回避できるだけではなく、気流に載ったトナーは気体と同様な挙動を示して活発に拡散し、この拡散による攪拌作用が得られることになり、新トナーとリサイクルトナーとからなる混合トナーはその濃度分布が片寄ることなく、さらに一様に均一化される。この結果、リサイクルトナーを含んでいても画像形成に用いるトナーとして安定して均質なトナーとなり、形成する画像の安定した高画質化が図れる。
また、この第5の実施形態によれば、スクリュウ・コンベア式の搬送手段に比べて、配置の制約を緩和できる。すなわち、前者の搬送手段では、管体に収納した回収コイルが回転可能な管体の曲がり具合に制約されるのに対して、気流搬送式の搬送手段では、トナーを気流に載せて搬送しているので、管体全体の長手方向の形状による制約を受けることが少なくなり、たとえば管体を直角に曲げたり、屈曲部を複数個、設けたりすることなどが可能であり、制約が大幅に緩和される。特に、上記した各実施形態では、金属製または合成樹脂製の管体でもよいが、この第5の実施形態では、さらに管体を座屈させるような屈曲部を形成しないよう配置した合成ゴム製の管体を用いてもよく、この合成ゴム製の管体を用いた構成では、さらにフレキシブルに3次元的に自在な形状の搬送経路の形成が可能となる。すなわち、他の部材を回避したり、任意の箇所を正確に通過させたりした立体的に複雑で精妙な曲線を描いた搬送経路とすることができる。他方、搬送経路の形状を、所定の形状に形成したガイド部材に合わせた形状としたり、組付ける際に組立て現場の人手で微調整したりすることも可能となる。したがって、搬送手段として搬送能力を維持しながら、迂回経路として経路の選択幅を広げることができる。このため、リサイクルトナー補給部から現像装置に至るトナー搬送経路として、リサイクルトナー補給部と現像装置との間に介在した諸装置や部材を、自在に迂回した経路を選択できる。他方、管体の断面形状も、回収コイルを回転可能に安定して保持する円形としなくても済み、たとえばリサイクルトナー補給部と現像装置との間の搬送通路として四角形状のダクトにすることも可能となる。これらの結果、配置の制約が緩和され、また管体の断面形状を自在に選択できるので、コンパクト化を図れるなどのように、装置として設計の自由度を向上できる。
請求項2の発明によれば、請求項1において、新トナーおよびリサイクルトナーが混合された直後に攪拌することで、新トナーに対するリサイクルトナーをより分散することが可能となり、経時を含めた高画質化を得ることができる。
請求項3の発明によれば、請求項2において、攪拌部材がトナー補給タイミングと連動することで、余分な攪拌による微粉トナーの凝集などを必要最小限に抑えつつ、経時を含めた高画質化を得ることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかにおいて、攪拌後エアーポンプにて、たとえば現像装置が有した現像ホッパへトナー搬送することで、新トナーに対するリサイクルトナーをより分散させ、凝集度を減少させることが可能となり、経時を含めたさらなる高画質化を得ることができる。
請求項5の発明によれば、画像形成装置が、請求項1ないし4のいずれかに記載のリサイクルトナー装置を具えているので、上記の請求項1ないし4のいずれかの作用効果が得られ、リサイクルトナーを用いた場合にも、形成した画像の品質向上が図れる。