JP4373644B2 - ブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法、およびこの方法を用いて製造されたカラーフィルタ - Google Patents

ブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法、およびこの方法を用いて製造されたカラーフィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタのブラックマトリックスに欠陥が生じた場合、この欠陥を修正するための方法、およびその方法により修正されたカラーフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶表示装置、とりわけカラー液晶表示装置の需要が増加する傾向にある。このカラー液晶表示装置には、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色層とこれを仕切るブラックマトリックスを備えたカラーフィルタが設けられており、このカラーフィルタのR、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われる。
【0003】
そして、このようなカラーフィルタにおけるブラックマトリックスは、通常透明基板上にフォトリソグラフィー法を用いて形成されるのが一般である。
【0004】
しかしながら、このようなカラーフィルタにおけるブラックマトリックスを製造する際に、例えば露光マスクや基板上へ異物が付着した場合や、その他の原因で露光不良が生じた場合には、当該部分は露光が不十分となるためブラックマトリックス層が充分に形成されず欠陥を生じることがある。したがって、このような異物を製造時に混入させないように、または一切の露光不良が生じないようにすることが望ましいが、現実問題としてクリーンルーム等の異物の少ない環境で製造した場合でも、完全に異物のない状況でカラーフィルタを製造することは不可能であり、また露光不良が全く生じない環境をつくることも不可能である。
【0005】
したがって、このような状況において生じる欠陥は、ブラックマトリックスを形成した後に事後的に修正する必要がある。
【0006】
ブラックマトリックスに生じた欠陥を修正することについては従来から行われているが、これは、図3に示すように、欠陥部分を含むブラックマトリックスをレーザ光等によって除去した後(図3(b))に、当該除去部分に黒色の修正用着色剤を塗布することにより行われていた(図3(c))。
【0007】
このように、ブラックマトリックスに生じた欠陥部分をレーザ光で除去し、単に黒色の着色剤を塗布することにより欠陥を修正した場合においては、修正した部分がブラックマトリックスからはみ出していない場合には特に問題を生じることはないが、通常欠陥部を含むように大きくレーザ光で除去をするため、当該除去部分に黒色の修正用着色剤を塗布した場合には、黒色がブラックマトリックス近傍の着色層にもはみ出ることになり、そうすると表示装置として点燈した場合には修正個所が視認されてしまうケースがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、カラーフィルタのブラックマトリックスに生じた欠陥部分を修正する場合において、修正後に表示装置として点燈した場合においても修正個所が視認されないようなブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法を提供し、さらにこの方法により修正されたカラーフィルタを提供することを主たる課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、透明基板上に少なくとも着色層とブラックマトリックスとを有するカラーフィルタにおいて、前記ブラックマトリックスの欠陥部分を修正する方法であって、欠陥部分を含むブラックマトリックスと、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスの近傍にある着色層とにレーザ光を照射することにより、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスと、その近傍にある着色層とを除去する除去工程と、前記除去工程により除去された部分に、除去された着色層と同色の修正用着色剤を塗布する塗布工程と、を有することを特徴とするブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法を提供する。
【0010】
この方法によれば、欠陥部分を含むブラックマトリックスと、その近傍にある着色層とを同時に除去し、さらに除去された部分には、黒色の修正用着色剤ではなくブラックマトリックス近傍の着色層と同色の修正用着色剤を塗布するので、黒色が着色層にはみ出ることはなく、表示装置として点燈した場合であっても修正個所が観察者に視認されてしまうことはない。
【0011】
前記請求項1に記載の発明においては、請求項2に記載するように、前記除去工程において除去された着色層が2色以上の着色層であって、前記塗布工程において塗布される修正用着色剤は、前記除去された2色の修正用着色剤であり、かつ、これら2色の修正用着色剤は、除去された部分を完全に覆うように、かつ、除去された2色が接合または重なるように塗布されてもよい。
【0012】
ブラックマトリックスは、通常、異なる2色の着色層に挟まれて存在している場合が多いが、この発明によれば、ブラックマトリックスに存在する欠陥部分を、その両側にある2色の着色層ごと除去し、その後、除去した部分に、除去された2色と同色の修正用着色剤を用い、かつ、これら2色の修正用着色剤が接合または重なるように塗布されるので、上記請求項1に記載の発明と同様の効果、つまり表示装置として点燈した場合であっても修正個所が観察者に視認されることはない。
【0013】
また、この発明によれば、着色層の一部が本来ブラックマトリックスが存在する部分において重なることとなり(つまり、混色欠陥が生じることとなる)、さらに修正した部分にはブラックマトリックスが存在しないこととなるが、このような混色欠陥やブラックマトリックスの欠落は、点燈しても観察者に欠陥として視認されることはないので問題とならない。
【0014】
さらに、前記請求項1に記載の発明においては、請求項3に記載するように、前記除去工程において、欠陥部分を含むブラックマトリックスの近傍にある一の着色層側によせてレーザ光を照射することにより、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスとその近傍にある着色層とを除去し、前記塗布工程においては、除去された部分を完全に覆うように前記一の着色層と同一の修正用着色剤を塗布してもよい。
【0015】
上記請求項2に記載の発明においては、除去された2色の着色層と同色の修正用着色剤を用いたが、この発明によれば、除去する部分を予め一の着色層側にズラしてあるので、除去された部分のほとんどが一の着色層となり、そうすることにより、修正用着色層を一色のみ用いることで除去部分を修正することができるとともに、着色層同士が一定の割合で重なり合うことにより、本発明の修正方法で修正したカラーフィルタを表示装置に組み込み修正部分を斜めから観察した場合であっても、光の漏れを防止しながら混色欠陥として認識されないようにすることができる。
【0016】
なお、この発明においても、混色欠陥やブラックマトリックスの欠落は生じるが、点灯しても観察者に欠陥として視認されることはないので問題とはならない。
【0017】
請求項1乃至請求項3のいずれか一の請求項に記載の発明においては、請求項4に記載するように、前記除去工程を行う前の段階で、除去しようとする部分にレーザ光の吸収性が良好な材料で形成したレーザ光吸収部を設けるレーザ光吸収部形成工程を有していてもよい。
【0018】
この発明によれば、レーザ光により欠陥部分を除去する前に、レーザ光を照射する部位に予めレーザ光の吸収が良好な材料で形成したレーザ光吸収部を形成するので、レーザ光を照射する部位の材質に関係なく一律の強度でレーザ光を照射することができる。したがって、レーザ光の強度の調整等の手間がなく、効率的に欠陥部分の除去を行うことができる。さらに、本発明においては、レーザ光吸収部で所定の深さの異物除去孔が形成されるようにレーザ光の強度を調節してあるので、たとえレーザ光の照射精度が悪く、除去すべきでない部分にレーザ光を照射した場合でも、レーザ光吸収部が形成されていない部位であれば、大きな孔が形成されることがなく、その後の修復が不要もしくは容易であるという利点を有する。
【0019】
前記請求項1乃至請求項4のいずれか一の請求項に記載の発明においては、請求項5に記載するように、前記レーザ光の波長が、1μmを越える波長であることが好ましい。
【0020】
この範囲のレーザ光であれば、一般に着色層等に対する吸収度が低いことから、誤ってレーザ光吸収部以外のところにレーザ光を照射した場合でも、着色層等に損傷を負わせる度合いが少なく、その後の補修等の手間が少なくてすむからである。また、一般に、この範囲の波長を発するレーザ装置の方が安価であり、かつ高出力を得ることができるからである。
【0021】
さらに本発明は、上記課題を解決するために、請求項6に記載するように、前記請求項1乃至請求項5のいずれか一の請求項に記載のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法をによりブラックマトリックスの欠陥部分が修正されたことを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【0022】
この発明のカラーフィルタは、表示装置として点燈した場合であっても欠陥部分も修正部分も視認できない良好なカラーフィルタであるといえる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法は、透明基板上に少なくとも着色層とブラックマトリックスとを有するカラーフィルタにおいて、前記ブラックマトリックスの欠陥部分を修正する方法であって、欠陥部分を含むブラックマトリックスと、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスの近傍にある着色層とにレーザ光を照射することにより、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスと、その近傍にある着色層とを除去する除去工程と、前記除去工程により除去された部分に、除去された着色層と同色の修正用着色剤を塗布する塗布工程と、を有することに特徴を有するものである。
【0024】
以下に、本発明の方法について図面を用い、各工程毎に詳細に説明する。
【0025】
[1]除去工程
図1は、本発明の方法を示す工程図であり、図1(a)は、本発明の方法を行う前のカラーフィルタの正面図であり、(b)は、本発明の方法における除去工程を行った後のカラーフィルタの正面図であり、(c)は、本発明の方法における塗布工程と行った後のカラーフィルタの正面図である。
【0026】
先ず、本発明のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法が適用されるのは、上述したように透明基板4上に少なくとも着色層3とブラックマトリックス2を含むカラーフィルタ1である。
【0027】
ここで用いられる透明基板4は、通常カラーフィルタに用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を挙げることができる。
【0028】
本発明は、このような透明基板上に形成されたカラーフィルタにおけるブラックマトリックスの欠陥10を修正する際に用いられる方法であり、本発明の方法は、透明基板4上に最終的に形成される全ての層が形成される前の段階においてブラックマトリックス2に生じた欠陥を修正する場合も含むものである。すなわち、少なくとも着色層3とブラックマトリックス2のみが形成された段階で本発明の方法によりブラックマトリックス3中の欠陥10を修正してもよい。
【0029】
本発明の方法は、当該方法を適用する欠陥10の種類を特に限定するものではなく、いかなる種類の欠陥にも適用することが可能である。例えば、ブラックマトリックスの製造工程において、マスクや基板への異物付着などによる露光不良により、ブラックマトリックスの一部が硬化されなかった場合等に生じる欠陥、つまり本来ならブラックマトリックスが形成されているはずの部分にブラックマトリックスが形成されず、カラーフィルタの基材が露出している欠陥、いわゆる白欠陥などに適用することも可能である。
【0030】
また、本発明でいう着色層3とは、複数色の画素部、通常は赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色の画素部からなり、種々のパターン、例えば、モザイク状、トライアングル状、ストライプ状等のパターンで形成されるものである。
【0031】
本発明の方法の除去工程は、図1(b)に示すように、欠陥10を含むブラックマトリックスと、この近傍にある着色層とにレーザ光を照射することにより、前記欠陥10を含むブラックマトリックスとその近傍にある着色層とを同時に除去することを目的とする。このように、欠陥10を含むブラックマトリックス2のみならず、その近傍にある着色層3(図面では赤色着色層(R)と緑色着色剤(G))をも同時に除去することにより、ブラックマトリックスをまたぐように除去部分11を形成することで、後述する塗布工程により黒色ではない着色層を用いて修正をすることができる。
【0032】
除去工程においては、所定の形状にブラックマトリックスとその近傍の着色層を除去する方法については、本発明は特に限定することはなく、従来公知の方法、例えば、所定形状のマスクを通してレーザ光を照射する方法などを用いることができる。
【0033】
また、本発明の方法においては、除去工程を行う前の段階で、除去しようとする部分にレーザ光の吸収が良好な材料で形成したレーザ光吸収部を設けるレーザ光吸収部形成工程を行ってもよい(図示せず)。
【0034】
ここで、レーザ光の吸収性が良好な材料とは、レーザ光吸収部として形成された際に、対応するレーザ光の吸収率が、25%〜100%の範囲内、好ましくは70%〜100%の範囲内である材料をいう。
【0035】
このレーザ光の吸収性が良好な材料の具体例は、照射するレーザ光の波長により大きく異なるものであるが、例えば、グラビア印刷用黒色インキ、近赤外線吸収材、色料を混ぜたゼラチン、ガゼイン、グリュー、セルロース等の天然樹脂、色料を混ぜたアクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成樹脂等を挙げることができる。このような材料は、レーザ光吸収部の形成方法によって例えば溶媒に溶解もしくは分散された塗工液等の種々の形態とされ、レーザ光吸収部の形成方法にしたがって用いられる。
【0036】
本発明においては、レーザ光の波長が1μmを越える波長を有するレーザ光を使用することができる。1μmを越える波長を有するレーザ光の方が高出力が得やすいといった利点があり、さらには紫外領域等の短波長側のレーザ装置等は高価である等のデメリットがあるからである。
【0037】
このような波長が1μmを越えるレーザ光としては、例えば赤外線YAGレーザ、ダイオードレーザ、半導体レーザ、He−Neレーザ、炭酸ガスレーザ等を挙げることができる。
【0038】
[2]塗布工程
本発明の方法においては、図1(c)に示すように、前述の除去工程が終了した後、除去部分11に除去された着色層と同色の修正用着色剤を塗布する塗布工程が行われる。本発明の方法は、ブラックマトリックスの欠陥を修正するにも関わらず、黒色の修正用着色剤を用いるのではなく、除去された着色層と同色の修正用着色剤(図1においては、赤色修正用着色剤12Rと緑色修正着色剤12G)を用いる点に特徴を有している。
【0039】
このように、除去された着色層と同色の修正用着色剤を用いることにより、当該除去部分11においては、ブラックマトリックスはなくなって混色欠陥13が生じることとなるが、表示装置として点燈した場合には、観察者に視認されることはない。
【0040】
なお、図1においては、ブラックマトリックスと一緒に除去された着色層が赤色着色層と緑色着色層であるため、これと同色の修正用着色剤を用いているが、本発明の方法はこれに限定されるものではなく、ブラックマトリックスと一緒に除去された着色層が1色である場合には、その色の修正用着色剤のみを用いればよく、また除去された着色層が3色である場合には、3色の修正用着色剤を用いればよい。
【0041】
本発明の方法において用いられる修正用着色剤については、本発明の方法は特に限定することはなく、従来公知の着色剤の全てを任意に選択して用いることができる。各色の修正用着色剤の組成については、以下に示す通りである。
(修正用着色剤の組成)
顔料:修正する部分の着色層に合わせて、任意の顔料を用いることが可能
樹脂:アクリル系樹脂
モノマー:DPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)
開始剤:α−アミノケトン系
希釈溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアゼテート
なお、上記顔料の組成を以下「組成A」とする場合がある。
【0042】
このような修正用着色剤を除去部分11に塗布する方法についても本発明の方法は、特に限定することはなく従来公知の方法を用いることができる。例えば、塗布用針を用いて塗布してもよく、この場合においても塗布用針先端の直径についても、除去部分11の大きさにより任意に設定することができる。この場合通常は50nm以下の物を用いるのがよい。
【0043】
本発明の方法においては、図1(b)に示すようにブラックマトリックスと一緒に除去された着色層が2色以上あり、かつそれぞれの着色層がほぼ同面積除去された場合においては、図1(c)に示すように、それぞれの修正用着色剤を重ねるように塗布することが好ましい。このようにすることで混色欠陥を形成することになるが、観察者に視認されることはないからである。この場合において、修正用着色剤は、除去部分11全体に修正用着色剤が塗布されるようにすることが必要である。
【0044】
図2は、本発明の方法の別の実施の形態を示す工程図である。
【0045】
図2(b)に示すように、本発明の方法においては、前記除去工程において、欠陥部分を含むブラックマトリックスの近傍にある一の着色層側によせてレーザ光を照射することにより(図2(b)においては赤色着色層側によせてレーザ光を照射している)、前記欠陥部分11を含むブラックマトリックスとその近傍にある着色層とを除去し、前記塗布工程においては、前記一の着色層と同一の修正用着色剤(図2(c)においては赤色修正用着色剤)を塗布することによりブラックマトリックスの欠陥部分を修正してもよい。
【0046】
この場合においても除去部分11においてはブラックマトリックスが欠落し、青色着色層の一部においては混色欠陥を生ずることとなるが、一定の範囲内ならば観察者に視認されることはない。具体的には、他の色の修正用着色剤を塗布される側の着色層(図2においては、青色着色層)全体に対する前記混色欠陥の面積比が1〜10%の範囲であれば、観察者に視認されることはなく、前記面積比が1〜5%の範囲がより好ましい。混色している部分が全体の10%を超えると混色欠陥として観察者に視認されることことなる。一方、混色している部分が全体の1%より小さくなると修正用着色剤の除去部分への被覆が不充分となり、観察者にいわゆる白欠陥として視認されることとなったり、斜めから見た場合に光が漏れたりする場合がある。
【0047】
このようにしてブラックマトリックスの欠陥が修正されたカラーフィルタは、全ての画素において忠実に色を再現することが可能であり、非常に高品質なものである。
【0048】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0049】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0050】
(実施例1)
図1に示すように、赤色着色層と緑色着色層との間に位置するブラックマトリックスに欠陥を有するカラーフィルタを用意し、図1と同様の手順で当該欠陥を修正し、実施例1の修正済みカラーフィルタを得た。詳細な条件は以下の通りである。
【0051】
〈条件〉
欠陥の大きさ:長径40μm、短径20μm、高さ10μmでブラックマトリックスから左右にはみ出した形状(異物による欠陥)
レーザ光の種類:赤外線YAGレーザ
レーザ光の波長:1064nm
除去部分の大きさ:120μm×50μmの長方形
修正用着色剤塗布用針の先端の直径:50μm(先端にテーパー加工有り)
赤色修正用着色剤:前記組成Aの修正用着色剤を用い、顔料としては、クロモフタルレッドA2B(チバガイギー社製)とパリオトールイエローD1819(BASF社製)を4:1で混合したものを使用
緑色修正用着色剤:前記組成Aの修正用着色剤を用い、顔料としては、モナストラルグリーン9Y−C(ゼネカ社製)とパリオトールイエローD1819(BASF社製)を4:1で混合したものを使用
(実施例2)
図2に示すように、赤色着色層と青色着色層との間に位置するブラックマトリックスに欠陥を有するカラーフィルタを用意し、図2と同様の手順で当該欠陥を修正し、実施例2の修正済みカラーフィルタを得た。詳細な条件は以下の通りである。
【0052】
〈条件〉
欠陥の大きさ:長径15μm、短径10μm、高さ10μmのブラックマトリックス上の突起形状の欠陥
レーザ光の種類:実施例1と同じ
レーザ光の波長:実施例1と同じ
除去部分の大きさ:50μm×50μmの正方形
修正用着色剤塗布用針の先端の直径:実施例1と同じ
赤色修正用着色剤:実施例1と同じ
緑色修正用着色剤:前記組成Aの修正用着色剤を用い、顔料としては、ヘオリゲンブルーL6700F(BASF社製)を使用
(比較例1)
図4に示すように、赤色着色層と緑色着色層との間に位置するブラックマトリックスに欠陥を有するカラーフィルタを用意し、図4に示すように除去部分に黒色の修正用着色剤を塗布することにより修正済みのカラーフィルタを得た。詳細な条件は以下の通りである。
【0053】
〈条件〉
欠陥の大きさ:実施例2と同じ
レーザ光の種類:実施例1と同じ
レーザ光の波長:実施例1と同じ
除去部分の大きさ:実施例2と同じ
修正用着色剤塗布用針の先端の直径:実施例1と同じ
黒色修正用着色剤:前記組成Aの修正用着色剤を用い、顔料としては、TMブラック♯9550(大日精化工業社製)を使用
(比較例2)
図5に示すように、赤色着色層と緑色着色層との間に位置するブラックマトリックスに欠陥を有するカラーフィルタを用意し、図5に示すように除去部分には修正用着色剤を塗布せず、そのままの状態のカラーフィルタを得た。詳細な条件は以下に示す通りである。
【0054】
〈条件〉
欠陥の大きさ:実施例2と同じ
レーザ光の種類:実施例1と同じ
レーザ光の波長:実施例1と同じ
除去部分の大きさ:実施例2と同じ
(結果)
上記本発明の実施例1、2および比較例1、2によりそれぞれ得られたカラーフィルタを表示装置にそれぞれ設置し、全点燈した場合、単色のみ点燈した場合、斜めから見たときの修正部分からの光の漏れ、について観察者に欠陥として見えるか否かを試験した。試験結果を以下の表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0004373644
上記表1からも明らかなように、本発明の方法により修正されたカラーフィルタは、全点燈した場合、単色のみ点燈した場合、斜めから見たときの修正部分からの光の漏れの全てについて良好な結果を得ることができたのに対し、比較例においては欠陥が観察者に分かるものとなった。
【0056】
また、上記実施例2は、混色欠陥が最も視認し易い赤色(R)と青色(B)の組合せで行ったものであり、図3は、図2に示す修正部分の拡大正面図である。
【0057】
図3に示すように、赤色着色層を含んだ除去部分11を完全に覆い、ブラックマトリックスを隔てて隣接する青色着色層にかかるように赤色修正用着色剤を塗布した。この修正用着色剤が硬化した後の修正部分は、直径80μmの円形となり、本来ブラックマトリックスであった領域から青色着色層領域へ飛び出した部分(つまり、混色欠陥)の大きさは15μm(図参照)であった。この場合の混色欠陥の青色着色層全体に対する面積比は4.1%であった。
【0058】
このような実施例2のカラーフィルタを表示装置に設置し多場合、前記表1にも示したように混色欠陥は認識できず、また赤色修正用着色剤を青色着色層にまでオーバーラップさせて完全に除去部分を覆っているので、斜めから見た場合の光の漏れも認識されなかった。
【0059】
なお、実施例としては記載しないが、上記実施例2と同様の欠陥を2カ所有するカラーフィルタを用意し、実施例2と同様の方法で修正した場合には、全体として混色部分の面積比は8.2%となるが、この場合であっても上記実施例2と同様の良好な結果が得られた。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、ブラックマトリックスに生じた欠陥を修正するに際し、黒色の修正用着色剤を塗布するのではなく、修正する際にブラックマトリックスの近傍にあり、欠陥部分と一緒に除去された着色層と同色の修正用着色剤を塗布するので、観察者に欠陥部分が分からないように修正することが可能であり、この方法により得られたカラーフィルタは全ての画素において忠実に色を再現することが可能であり、非常に高品質なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を説明する工程図であり、(a)は、除去工程前のカラーフィルタの正面図であり、(b)は、除去工程後のカラーフィルタの正面図であり、(c)は塗布工程後のカラーフィルタの正面図である。また、本発明の実施例1の工程図でもある。
【図2】本発明の他の方法を説明する工程図であり、(a)は、除去工程前のカラーフィルタの正面図であり、(b)は、除去工程後のカラーフィルタの正面図であり、(c)は塗布工程後のカラーフィルタの正面図である。また、本発明の実施例2の工程図でもある。
【図3】図2(C)に示す塗布工程後のカラーフィルタの修正した部分の拡大図である。
【図4】従来のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法を説明する工程図である。また、比較例1の工程図でもある。
【図5】比較例2の工程図である。
【符号の説明】
1 … カラーフィルタ
2 … ブラックマトリックス
2 … 着色層
4 … 透明基板
10 … 欠陥
11 … 除去部分
12 … 修正用着色剤

Claims (6)

  1. 透明基板上に少なくとも着色層とブラックマトリックスとを有するカラーフィルタにおいて、ブラックマトリックスが本来形成されるべき位置に存在するブラックマトリックスの欠陥部分を修正する方法であって、
    欠陥部分を含むブラックマトリックスと、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスの近傍にある着色層とにレーザ光を照射することにより、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスと、その近傍にある着色層とを除去する除去工程と、前記除去工程により除去された部分に、除去された着色層と同色の修正用着色剤を塗布する塗布工程と、を有することを特徴とするブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法。
  2. 前記除去工程において除去された着色層が2色以上の着色層であって、前記塗布工程において塗布される修正用着色剤は、前記除去された2色の修正用着色剤であり、かつ、これら2色の修正用着色剤は、除去された部分を完全に覆うように、かつ、除去された2色が接合または重なるように塗布されることを特徴とする請求項1に記載のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法。
  3. 前記除去工程において、欠陥部分を含むブラックマトリックスの近傍にある一の着色層側によせてレーザ光を照射することにより、前記欠陥部分を含むブラックマトリックスとその近傍にある着色層とを除去し、前記塗布工程においては、除去された部分を完全に覆うように前記一の着色層と同一の修正用着色剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法。
  4. 前記除去工程を行う前の段階で、除去しようとする部分にレーザ光の吸収性が良好な材料で形成したレーザ光吸収部を設けるレーザ光吸収部形成工程を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一の請求項に記載のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法。
  5. 前記レーザ光の波長が、1μmを越える波長であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一の請求項に記載のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一の請求項に記載のブラックマトリックスの欠陥部分の修正方法によりブラックマトリックスの欠陥部分が修正されたことを特徴とするカラーフィルタ。
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