JP4676141B2 - カラーフィルタの製造方法およびその製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カラー液晶ディスプレイに好適に用いることができるカラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶表示装置、とりわけカラー液晶表示装置の需要が増加する傾向にある。このカラー液晶表示装置には、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えたカラーフィルタが設けられており、このカラーフィルタのR、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われる。
このようなカラーフィルタは、通常透明基板上に上記R、G、およびBからなる画素部と、この画素部を区切るブラックマトリクスとを有しており、さらにこれら画素部およびブラックマトリクス上に液晶を駆動させるための透明電極等が形成されている。
このようなカラーフィルタの製造途中において、例えば、画素部またはブラックマトリクス等中に数μm〜数十μmのゴミ等の異物が混入し、さらにこの異物が導電性のものであったり、高い誘電率を有するものであったりした場合は、液晶駆動用の電極の短絡や液晶の表示品質の低下等の不具合が生じる可能性がある。したがって、このような異物を製造時に混入させないようにすることが望ましいが、現実問題としてクリーンルーム等の異物の少ない環境で製造した場合でも、完全に異物の付着や内包のないカラーフィルタを製造することは不可能である。また、逆に、透明基板表面の不具合等により、本来画素部やブラックマトリクスが形成されるべき領域にそれらの部材が形成されず白抜きが形成される場合もある。
そこで、このような欠陥を修正する方法として、例えば、異物が存在する領域にエキシマレーザーによりレーザー光を照射し、異物が存在する領域の異物およびカラーフィルタの除去を行い、その後、除去された部分のカラーフィルタを所定のカラーフィルタ用組成物を塗布することにより修正する方法(特許文献1参照)や、白抜きが生じた部分に同様にカラーフィルタ用組成物を塗布することにより修正する方法等が一般的に採用されている。
しかしながら、上述した修正の方法は、異物等を除去した後に形成される欠陥除去箇所または白抜きの大きさが約100μm程度以下である微細なものを修正の対象としていることから、欠陥除去箇所または白欠陥の大きさが上記範囲以上となった場合には、同様の修正方法で修正することは困難であった。
特開平5−72528号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、所定の大きさ以上の欠陥の修正を効率的に行うことを可能とするカラーフィルタの製造方法およびその製造装置を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、着色層に存在する白欠陥を検出する白欠陥検出工程と、上記白欠陥検出工程により検出された白欠陥を少なくとも含む領域に、着色層を形成する着色層形成用塗工液を塗布し、修正用着色層を形成する修正用着色層形成工程と、上記修正用着色層形成工程により形成された上記修正用着色層のうち、上記着色層のパターンにおける開口部となる領域に形成された修正用着色層に対して、レーザー光を照射することにより除去し着色層を修正する修正工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、上記修正工程が、複数の開口部に形成された修正用着色層を、レーザー光のパターン照射により一時に除去し、着色層を修正する工程であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本実施態様においては、白欠陥が形成された領域に対し、まず、着色層形成用塗工液を塗布し、修正用着色層を形成した後、開口部に形成された修正用着色層を除去することにより白欠陥を修復するが、修正用着色層を除去する際、個々の開口部ごとに処理を施すのではなく、複数の開口部を含む広範囲な領域を一度の処理範囲とするため、ある程度の大きさを有する白欠陥であっても、効率的に修正することが可能となる。
さらに本発明においては、着色層に存在する黒欠陥を検出する黒欠陥検出工程と、上記黒欠陥検出工程により検出された黒欠陥に対してレーザー光を照射することにより、上記黒欠陥を除去し着色層を修正する修正工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、上記修正工程が、複数の黒欠陥を、レーザー光のパターン照射で一時に除去することにより、着色層を修正する工程であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明においては、例えば複数の開口部に別々に存在する黒欠陥や、複数の開口部にまたがって存在する黒欠陥であっても、修正工程で一気に除去することが可能であるので、従来、微小な黒欠陥のみを除去対象としていた場合には、除去することが困難であった黒欠陥であっても容易に除去することが可能である。
上記記載の本発明においては、上記レーザー光のパターン照射は、アパーチャーを介してレーザー光を照射することが好ましい。
また本発明においては、上記着色層は、ブラックマトリクスであることが好ましい。カラーフィルタの製造段階において、一般的にブラックマトリクスが製造される際には、レーザー光の照射により影響を受ける部材が透明基板上に形成されていない場合が多いからである。
さらに本発明においては、カラーフィルタを安定に保持するステージと、上記カラーフィルタの着色層に存在する欠陥に対して、レーザー光を照射することにより、上記欠陥を除去するレーザー光照射手段とを有するカラーフィルタの製造装置において、上記レーザー光照射手段は、レーザー光のパターン照射により複数の欠陥を一時に除去することを可能とする手段であることを特徴とするカラーフィルタの製造装置を提供する。
このように複数の欠陥を一時に除去することを可能とするレーザー光照射手段を有するカラーフィルタの製造装置とすることにより、従来では修復することが困難であったある程度の大きさを有する欠陥であっても修復することが可能となるため、材料効率および歩留まり良くカラーフィルタを製造することが可能となる。
本発明によれば、白欠陥が形成された領域に対し、まず、着色層形成用塗工液を塗布し、修正用着色層を形成した後、開口部に形成された修正用着色層を除去することにより白欠陥を修復するが、修正用着色層を除去する際、個々の開口部ごとに処理を施すのではなく、複数の開口部を含む広範囲な領域を一度の処理範囲とするため、ある程度の大きさを有する白欠陥であっても、効率的に修正することが可能となる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタの製造装置について説明する。
A.カラーフィルタの製造方法
まず、本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、欠陥の種類によって2つの態様に分けることができる。以下、カラーフィルタに存在する欠陥が白欠陥の場合を第1実施態様とし、黒欠陥の場合を第2実施態様とし、両方の態様について分けて説明する。
1.第1実施態様
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、着色層に存在する白欠陥を検出する白欠陥検出工程と、前記白欠陥検出工程により検出された白欠陥を少なくとも含む領域に、着色層を形成する着色層形成用塗工液を塗布し、修正用着色層を形成する修正用着色層形成工程と、前記修正用着色層形成工程により形成された前記修正用着色層のうち、前記着色層のパターンにおける開口部となる領域に形成された修正用着色層に対して、レーザー光を照射することにより除去し着色層を修正する修正工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、前記修正工程が、複数の開口部に形成された修正用着色層を、レーザー光のパターン照射により一時に除去し、着色層を修正する工程であることを特徴とするものである。
本実施態様においては、白欠陥が形成された領域に対し、まず、着色層形成用塗工液を塗布し、修正用着色層を形成した後、開口部に形成された修正用着色層を除去することにより白欠陥を修復するが、修正用着色層を除去する際、個々の開口部ごとに処理を施すのではなく、複数の開口部を含む範囲を一度の処理範囲とするため、ある程度の大きさを有する白欠陥であっても、効率的に修正することが可能となる。
なお、ここでいう白欠陥とは、本来着色層が形成されるべき箇所に着色層が形成されていない状態の欠陥を意味する。また、着色層に異物や突起等が存在している場合、このような異物等をレーザー光の照射等で除去した後に形成される除去箇所も含むものとする。
このような利点を有する本実施態様のカラーフィルタの製造方法について図面を用いて説明する。
図1は、本実施態様のカラーフィルタの製造方法の一例を示した工程図であり、図2は、本実施態様における修正工程の一例を示した概略断面図である。まず、図1(a)に示すように、透明基板1上にブラックマトリクス2が形成されているが、本来ブラックマトリクス2が形成されるべき領域にブラックマトリクス2が形成されていないことから、白欠陥3が存在している。本実施態様においては、まず、このような白欠陥3を検出する。
次に、図1(b)に示すように、検出された白欠陥3が存在している領域を少なくとも含むように、ブラックマトリクス2を形成するブラックマトリクス形成用塗工液を塗布する。これにより、少なくとも白欠陥3を含む領域には、修正用ブラックマトリクス4が形成される。この際、塗布できる線幅の限界から、ブラックマトリクス2のパターンに沿った微細な塗布は困難であるため、開口部5の領域にはみ出して修正用ブラックマトリクス4は形成される。
次いで、開口部5に形成された修正用ブラックマトリクス4を除去するため、レーザー光を照射する。この際、図2に示すように、ブラックマトリクス2のパターンに沿ってスリット6が形成されているアパーチャー7を介してレーザー光をパターン状に照射する。この例に示すアパーチャー7は、図1(b)に示す修正用ブラックマトリクス4が形成されている領域を覆うことが可能な程度の大きさを有するものであることから、このようなアパーチャーを介したレーザー光のパターン照射により、複数の開口部5に形成された修正用ブラックマトリクス4を一時に除去することができる。これにより図1(c)に示すように白欠陥が修復され、本来のパターンに形成されたブラックマトリクス2を得る。
このような本実施態様のカラーフィルタの製造方法について、各工程に分けて、以下、詳細に説明する。
(1)白欠陥検出工程
まず、本実施態様における白欠陥検出工程について説明する。本実施態様における白欠陥検出工程とは、着色層に存在する白欠陥を検出する工程であり、例えば図1(a)に示すように、カラーフィルタの透明基板1上に形成された、ブラックマトリクス2において、本来形成されるべき領域にブラックマトリクス2が形成されておらず、白抜きとなっている部分を検出する工程である。
なお、ここでいう着色層とは、後述する画素部およびブラックマトリクスを含めたものを意味する。
このような本工程において検出される白欠陥は、上述したように、本来着色層が形成される領域に着色層が形成されていない状態の欠陥を意味し、例えば、透明基板上に着色層を形成した後、透明基板の表面状態の不具合等を要因として、所定の領域に着色層が形成されないことにより生じる白抜きや、形成された着色層の内部または表面等に存在する異物および突起等を除去するため、レーザー光を照射した後に形成された異物等の除去箇所を挙げることができる。
上記範囲内の大きさを有する白欠陥は、従来の修正方法では修復することが困難であったが、本実施態様においては、上記範囲内の大きさを有する白欠陥に対して、煩雑な手間を要することなく容易に修復することができることから、修正の効率の向上に効果を有する。
ここで、本実施態様における白欠陥の検出方法は、上記白欠陥を検出することが可能な方法であれば、特に限定されるものではないが、例えばハロゲンランプ光を照射し、その反射光もしくは透過光をCCDライセンサにて受光し、受光した結果を画像処理して白欠陥の部分を抽出するような検査装置を用いる方法等を挙げることができる。この工程において、白欠陥の存在が確認された場合は、その白欠陥の透明基板上での位置が測定される。
また、本工程において、白欠陥が検出される着色層としては、ブラックマトリクス、または、カラーフィルタを形成する際の1色目に形成される画素部であることが好ましい。一般的にブラックマトリクスが形成される時点では、レーザー光の照射により影響を受ける部材が透明基板上に形成されていないことが多いからである。さらに、1色目の画素部を形成する段階では、他の色の画素部は透明基板上に形成されていないことから、後述する修正工程において、レーザー光照射により修正用着色層を除去する際に2色目以降の画素部に影響を及ぼすことがないからである。
これらの着色層の中でも、さらに、本実施態様においては、白欠陥が検出される着色層としてブラックマトリクスであることが最も好ましい。他の部材に与える影響が最も少なく白欠陥を修正することができるため、本実施態様の効果を十分に活かすことができるからである。
以下、本実施態様における着色層について説明する。
まず、本実施態様における着色層としてブラックマトリックスについて説明する。本実施態様におけるブラックマトリクスとは、後述する画素部を形成する画素部間に配置され、光を遮るために形成されたものである。一般的に、このようなブラックマトリクスは、画素部を形成する以前に透明基板上に形成されることから、ブラックマトリクスが形成された段階では、透明基板上に設けられた開口部には、レーザー光の照射により影響を受けるような部材が形成されていない場合が多い。よって、後述する修正工程において、そのような開口部に形成された余分なブラックマトリクスを、効率的にかつ容易に除去することができる。
上記透明基材上にブラックマトリックスを製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により、厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成する方法等を挙げることができる。
また、上記ブラックマトリックスとしては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよく、用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂性ブラックマトリックスのパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
次に画素部について説明する。本実施態様における画素部は、単色からなる場合や、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色といった複数色からなる場合であってもよい。例えば、複数色からなる画素部とした場合には、カラーフィルタの製造工程において1色目に形成する画素部に対し、本発明のカラーフィルタの製造方法を行うことにより、効率的な白欠陥の修正が可能となる。
このような画素部のパターンとしては、例えばモザイク状、トライアングル状、ストライプ状等の種々のパターンで形成されるものである。本実施態様のカラーフィルタの製造方法における、この画素部の形成方法としては、従来より行われている顔料分散法やインクジェット法による印刷法等を用いることが可能であり、本実施態様においては特に限定されるものではない。
(2)修正用着色層形成工程
次に、修正用着色層形成工程について説明する。本実施態様における修正用着色層形成工程とは、上記白欠陥検出工程により検出された白欠陥を少なくとも含む領域に、着色層を形成する着色層形成用塗工液を塗布し、修正用着色層を形成する工程である。
本工程で用いられる着色層形成用塗工液は、例えば通常の画素部、ブラックマトリクスの形成に用いられる塗工液であっても、または塗布性を向上させるために粘度を調整した専用塗工液等を用いてもよい。さらに専用の修復剤であってもよいが、特に紫外線硬化性塗工液を用いることが好ましい。紫外線硬化性塗工液を用いることにより、白欠陥に塗工液を塗布後、紫外線を照射することにより、素早く塗工液を硬化させることができ、すぐに次の工程に移ることができるからである。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができる。また、紫外線硬化性塗工液の硬化に用いられる紫外光は、塗工液の硬化感度にも影響されるが、通常紫外線の積算露光量が、0.1J/cm〜50J/cmであることが好ましく、中でも0.5J/cm〜2J/cmであることが好ましい。
また、この紫外線光源を有する紫外線照射装置は、紫外線硬化型着色層形成用塗工液を硬化させることが可能な紫外線を照射することができる紫外線照射装置であれば特に限定されるものではない。例えば、スポットUV照射装置や、ランプハウスにシャッターを用いた装置等を挙げることができる。
また、本工程における塗布方法としては、白欠陥を少なくとも含む領域に上記塗工液を塗布することが可能な方法であれば特に限定はされない。具体的には、針を用いる塗布方法等を挙げることができる。中でも、針を用いる塗布方法であることが好ましい。微細な塗布を可能とするからである。具体的に針を用いた塗布方法は、針の先端に上述した塗工液を付着させ、白欠陥が存在する領域に針の先端を接触させることにより、塗工液を塗布する方法である。
上述した塗布方法により塗布される領域としては、少なくとも白欠陥を含む領域であれば特に限定はされず、白欠陥に連続する開口部の領域に着色層形成用途工液が塗布される場合であってもよい。例えば、針を用いた塗布方法であっても、その塗布できる線幅の限界は、一般的に約30μm程度であるため、開口部に塗工液が塗布されないように、着色層のパターンに沿って塗布することは困難であるからである。このように開口部に修正用着色層が形成されても、後述する修正工程により、そのような修正用着色層を除去することができる。
(3)修正工程
次いで、修正工程について説明する。本実施態様における修正工程は、上記修正用着色層形成工程により形成された修正用着色層のうち、着色層のパターンにおける開口部となる領域に形成された修正用着色層に対して、レーザー光を照射することにより除去し着色層を修正する工程である。このような修正工程において本実施態様においては、複数の開口部に形成された修正用着色層を、レーザー光のパターン照射により一時に除去し、着色層を修正することを特徴とするものである。
本実施態様は、例えば、白欠陥の大きさが上述した範囲内にある場合には、上記修正用着色層形成工程により形成される修正用着色層は、複数の開口部にまたがって形成される場合が多い。しかしながら、本工程においては、複数の開口部に形成された修正用着色層をレーザー光のパターン照射で一時に除去することを可能とするものであることから、ある程度の大きさを有する白欠陥であっても、煩雑な手間を要することなく、修正することが可能である。
このような本工程において、使用するレーザー光としては、修正用着色層を除去することができるレーザー光であれば特に限定されるものではない。例えば、エキシマレーザー、YAGレーザー等を用いることが可能であり、YAGレーザーは、第2高調波だけでなく、YAG基本波、YAG第3高調波、YAG第4高調波等を用いてもよい。
また、本工程において、複数の開口部に形成された修正用着色層を、レーザー光のパターン照射により一時に除去する方法としては、特に限定はされないが、具体的には、レーザー光を遮蔽または透過させる領域が着色層のパターンに応じて形成された部材を用い、このような部材を介してレーザー光をパターン状に照射する方法、予めレーザー光の照射範囲をプログラムしておき、自動的に座標を与えて連続的にレーザー光を照射する方法等を挙げることができる。
例えば、レーザー光を遮蔽または透過させる領域が着色層のパターンに応じて形成された部材としては、具体的に、シャドウマスク、フォトマスク、アパーチャー等を挙げることができる。
なお、ここでいうアパーチャーとは、縦に長い溝状のスリットが形成されているものであり、スリットの領域ではレーザー光を透過させ、それ以外の領域ではレーザー光を遮蔽することにより、レーザー光のパターン照射を可能とするものである。
本実施態様においては、レーザー光を遮蔽または透過させる領域が着色層のパターンに応じて形成された部材として、中でも、アパーチャーを用いることが好ましい。
このようなアパーチャーの形状は、特に限定はされないが、矩形状または円形状等を挙げることができる。さらに、アパーチャーの大きさとしては、一時に除去する修正用着色層の大きさに合わせて変更するものであり、一概に規定することは難しいが、例えば、アパーチャーの形状が矩形状である場合には、200μm×200μm以上、一方、アパーチャーの形状が円形状である場合には、φ200μm以上であることが好ましい。上記範囲内の大きさを有するアパーチャーを介することにより、上述した大きさを有する白欠陥の領域に形成された修正用着色層を一時に除去することが可能であるからである。
(4)その他
本実施態様のカラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタの製造段階において、着色層に白欠陥が生じた場合に行われることから、上述した修正工程を経た後は、他の画素部、保護層等を形成することにより、白欠陥による不都合が回避されたカラーフィルタを製造することができる。
2.第2実施態様
次に第2実施態様について説明する。第2実施態様のカラーフィルタの製造方法は、着色層に存在する黒欠陥を検出する黒欠陥検出工程と、前記黒欠陥検出工程により検出された黒欠陥に対してレーザー光を照射することにより、前記黒欠陥を除去し着色層を修正する修正工程とを有するカラーフィルタの製造方法であって、前記修正工程が、複数の黒欠陥を、レーザー光のパターン照射で一時に除去することにより、着色層を修正する工程であることを特徴とするものである。
本実施態様においては、上述した第1実施態様と、修正する欠陥が黒欠陥である点のみが異なる点である。なお、ここでいう黒欠陥とは、着色層のパターンにおいて、本来着色層が形成されるべきではない領域、例えば開口部に着色層が形成されていることによる欠陥を意味する。また、異物等が開口部に存在するような場合も含むものとする。
このような本実施態様のカラーフィルタの製造方法について図面を用いて説明する。図3は、本実施態様のカラーフィルタの製造方法の一例を示した工程図である。
まず、図3(a)に示すように、透明基板1上にブラックマトリクス2が形成されているが、ブラックマトリクス2のパターンにおいて、開口部5となる領域にブラックマトリクス2が形成されており、黒欠陥8を形成している。本実施態様においては、まず、このような黒欠陥8を検出する。
次いで、開口部8に形成された黒欠陥8を除去するため、レーザー光を照射する。この際、図4に示すように、ブラックマトリクス2のパターンに沿ってスリット6が形成されているアパーチャー7を介してレーザー光をパターン状に照射する。この例に示すアパーチャー7は、図3(a)に示す黒欠陥8が形成されている領域を覆うことが可能な程度の大きさを有するものであることから、このようなアパーチャー7を介したレーザー光のパターン照射により、複数の開口部5に形成された黒欠陥8を一時に除去することができる。これにより図3(b)に示すように黒欠陥が除去され、本来のパターンに形成されたブラックマトリクス2を得る。
なお、上記第1実施態様において、修正用着色層形成工程により形成された修正用着色層のうち、開口部にはみ出して形成された修正用着色層は、本実施態様でいう黒欠陥に該当するといえる。よって、本実施態様における修正工程は、上述した第1実施態様における修正工程と同様であるため、ここでは、上述した第1実施態様と異なる工程である黒欠陥検出工程について説明する。
(黒欠陥検出工程)
本実施態様における黒欠陥検出工程は、着色層に存在する黒欠陥を検出する工程である。
本工程において、検出される黒欠陥としては、上述したように、着色層が形成されるべきではない領域に形成された着色層や、開口部に存在する異物等を挙げることができる。本実施態様においては、このような黒欠陥が、例えば一つの開口部に存在している場合のみならず、複数の開口部に形成されている場合であってもよい。上述した第1実施態様における修正工程と同様の方法により、レーザー光のパターン照射で一時に除去することが可能であるからである。
このような本実施態様における黒欠陥検出工程について、欠陥検出方法および着色層等に関することは上述した第1実施態様における白欠陥検出工程と同様なのでここでの説明は省略する。
B.カラーフィルタの製造装置
次に、本発明のカラーフィルタの製造装置について説明する。本発明のカラーフィルタの製造装置は、カラーフィルタを安定に保持するステージと、前記カラーフィルタの着色層に存在する欠陥に対して、レーザー光を照射することにより、前記欠陥を除去するレーザー光照射手段とを有するカラーフィルタの製造装置において、前記レーザー光照射手段は、レーザー光のパターン照射により複数の欠陥を一時に除去することを可能とする手段であることを特徴とするものである。
このように複数の欠陥を一時に除去することを可能とするレーザー光照射手段を有するカラーフィルタの製造装置とすることにより、従来では修復することが困難であったある程度の大きさを有する欠陥であっても修正することが可能であるため、材料効率および歩留まり良くカラーフィルタを製造することが可能となる。
このような本発明のカラーフィルタの製造装置について図面を用いて説明する。図5は本発明のカラーフィルタの製造装置の一例を示した概略斜面図である。まず、カラーフィルタ12を安定に保持するステージ11が示されている。さらに、このステージ11上に保持されたカラーフィルタ12の着色層に存在する欠陥13に対して、レーザー光を照射するレーザー光照射手段14が設けられている。また、本発明においては、このレーザー光照射手段14は、カラーフィルタにレーザー光を照射する際、複数の欠陥13を一度に除去することを可能とする手段である。このようなことを可能とするため、図5に示す例においては、アパーチャー15が設けられている。このアパーチャー15は、着色層のパターンに沿ってスリット16が形成されていることから、このようなアパーチャー15を介してレーザー光が照射された領域においては、欠陥13のみにその影響が及び、結果的に複数の欠陥13を一時に除去することができるのである。
なお、ここでいう欠陥とは、着色層の不具合を意味するものであり、具体的には、着色層のパターンにおいて開口部に形成された着色層や、開口部に存在する異物等を挙げることができる。
以下、本発明のカラーフィルタの製造装置について各々の構成に分けて説明する。
1.ステージ
本発明におけるステージとは、カラーフィルタに存在する欠陥を除去する際に、カラーフィルタを安定な状態に保持するものである。
このようなステージは、カラーフィルタを水平かつ安定に保持することができるものであれば特に限定はされず、一般的にこのような機能を有するものとして使用されているものであれば、本発明におけるステージとして用いることが可能である。
2.レーザー光照射手段
本発明におけるレーザー光照射手段は、カラーフィルタの着色層に存在する欠陥に対してレーザー光を照射することにより、除去する手段である。また、このようなレーザー光照射手段が、本発明においては、レーザー光のパターン照射により複数の欠陥を一時に除去することを可能とする手段である。
本発明におけるレーザー光照射手段は、一箇所に存在する欠陥のみならず、複数の箇所に別々に存在する欠陥等を一時に除去することができることから、煩雑な手間を要することなく、カラーフィルタの欠陥を修復することができる。また、従来、微細な欠陥を修復対象としていた場合には、除去することが困難であったある程度の大きさを有する欠陥であっても、除去することができることから、対応することができる欠陥の大きさの幅を広げることができる。
このようなレーザー光照射手段において、まず、レーザー光を照射する光源としては、一般的にレーザー光を照射する際に用いられているものであれば特に限定はされない。具体的には、エキシマレーザー、YAGレーザー等を挙げることができる。YAGレーザーは、第2高調波だけでなく、YAG基本波、YAG第3高調波、YAG第4高調波等を照射する光源であってもよい。
また、上記レーザー光を照射する光源は、ある程度広範囲な照射を可能とし、例えば一度の照射で所望とする範囲にレーザー光を照射できる場合や、連続的に照射することにより所望とする範囲にレーザー光を照射する場合としてもよい。
さらに、本発明におけるレーザー光照射手段は、上記レーザー光を照射する光源を有し、この光源から発したレーザー光をパターン状に照射することにより、複数の欠陥を一時に除去することを可能とする手段である。具体的には、上述したレーザー光を照射する光源に加え、レーザー光を遮蔽または透過させる領域が着色層のパターンに応じて形成された部材等が備えられているレーザー光照射手段や、予めレーザー光の照射範囲をプログラムしておき、自動的に座標を与えて連続的にレーザー光を照射するレーザー光照射手段を挙げることができる。例えば、レーザー光を遮蔽または透過させる領域が着色層のパターンに応じて形成された部材としては、シャドウマスク、フォトマスク、アパーチャー等を挙げることができる。中でも、本発明においてはアパーチャーが備えられていることが好ましい。
アパーチャーとは、上述したように縦に長い溝状のスリットが形成されているものであり、スリットの領域ではレーザー光を透過させ、それ以外の領域ではレーザー光を遮蔽することができるものである。このようなアパーチャーは、ある程度広範囲な大きさを有するものとすることにより、アパーチャーを介してレーザー光を照射すると、複数の箇所に別々に存在する欠陥であっても、一時に除去することができるのである。
このようなアパーチャーに関する説明は上記第1実施態様に記載したものと同様であるのでここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示した工程図である。 本発明における修正工程の一例を示した概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの製造方法の他の例を示した工程図である。 本発明における修正工程の他の例を示した概略断面図である。 本発明のカラーフィルタの製造装置の一例を示した概略斜視図である。
符号の説明
1 … 透明基板
2 … ブラックマトリクス
3 … 白欠陥
4 … 修正用ブラックマトリクス
5 … 開口部


Claims (2)

  1. 着色層に存在する黒欠陥を検出する黒欠陥検出工程と、
    前記黒欠陥検出工程により検出された黒欠陥に対してレーザー光を照射することにより
    、前記黒欠陥を除去し着色層を修正する修正工程とを有するカラーフィルタの製造方法で
    あって、
    前記修正工程が、複数の黒欠陥を、レーザー光のパターン照射で一時に除去することに
    より、着色層を修正する工程であり、
    前記着色層は、ブラックマトリクスであり、
    前記レーザー光のパターン照射は、前記ブラックマトリクスのパターンに応じて形成された複数の透過領域を有する遮蔽部材を介して行われ、
    前記複数の透過領域は、前記ブラックマトリクスのパターンにおける複数の開口部となる領域に応じて形成されているものであることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記遮蔽部材がアパーチャーであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
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