JP2004077904A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Junichi Nakatani
中谷 純一
Hideaki Fujisaki
藤崎 英明
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Abstract

【課題】本発明は、修正工程の際に膜厚ムラが生じることが少ないカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、カラーフィルタに存在する欠陥を検出する欠陥検出工程と、前記欠陥検出工程により検出された欠陥が存在する領域にレーザ光を照射し、前記欠陥をカラーフィルタ膜と共に除去する欠陥除去工程と、前記欠陥除去工程によりカラーフィルタ膜が除去された欠陥除去箇所の濡れ性を向上させる濡れ性向上処理工程と、前記濡れ性向上処理工程により濡れ性が向上したカラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に、カラーフィルタ膜用組成物を塗布し、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する修正工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー液晶ディスプレイに好適なカラーフィルタの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶表示装置、とりわけカラー液晶表示装置の需要が増加する傾向にある。このカラー液晶表示装置には、通常赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えたカラーフィルタが設けられており、このカラーフィルタのR、G、およびBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッタとして作動し、R、G、およびBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われる。
【0003】
このようなカラーフィルタは、通常透明基板上に上記R、G、およびBからなる画素部が所定のパターンで形成されたカラーフィルタ膜が形成され、このカラーフィルタ膜上に液晶を駆動させるための透明電極が形成されている。
【0004】
しかしながら、例えばこのカラーフィルタ膜中に数μm〜数十μmのゴミ等の異物が混入し、さらにこの異物が導電性のものであったり、高い誘電率を有するものであったりした場合は、液晶駆動用の電極の短絡や液晶の表示品質の低下等の不具合が生じる可能性がある。したがって、このような異物を製造時に混入させないようにすることが望ましいが、現実問題としてクリーンルーム等の異物の少ない環境で製造した場合でも、完全に異物の付着や内包のないカラーフィルタを製造することは不可能である。
【0005】
また、近年、カラーフィルタの多面取りが行われるようになってきている。したがって、異物の混入したカラーフィルタを廃棄処分とした場合は、コスト面での問題が大きくなってしまう。
【0006】
このような観点から、カラーフィルタに付着もしくは内包した異物を除去した後に行われる修正方法として、針先端にカラーフィルタ膜用組成物を付着させ、これをカラーフィルタの欠陥除去箇所に接触させて塗布し、硬化させることにより修正する方法が特開平9−61296号公報に記載されている。
【0007】
このような針を用いた欠陥除去箇所の修正方法について具体的に図面を用いて説明する。
【0008】
図2は、上述した針を用いた欠陥除去箇所の修正方法の一例を示している。まず、図2(a)に示すように、先端部分にインク20を付着させた針21を準備し、これを、図2(b)に示すように異物がレーザ光により除去された欠陥除去箇所22に接触させる。これによりインク20が欠陥除去箇所22に塗布される。この際、針21の先端部分と欠陥除去箇所22とが接触する部分においては、インク20が側壁部分へ移動するため、図2(c)に示すように、針21を引き上げると、欠陥除去箇所22の中央部分23においては、膜厚が薄くなる不都合が生じる場合があった。
【0009】
そこで、このような不都合を解消するために、インク20を欠陥除去箇所22に塗布後、一定時間放置することにより、インク20が欠陥除去箇所22の中央部分23に移動し(図2(c)参照)、膜厚を均一にする方法が試されているが、欠陥除去箇所の濡れ性が悪いためインクが十分に濡れ広がらず、膜厚を均一な状態にすることは難しかった(図2(d)参照)。
【0010】
さらに、上述した不都合を解消する方法として、インクの塗布量を増やす方法がある。図3は、このような方法の一例として、太い針を用いた場合の修正方法の一例を示している。まず、図3(a)に示すように、太い針31の先端部分にインク30を付着させ、これを、図3(b)に示すように、異物が除去された欠陥除去箇所32に接触させる。インク30を欠陥除去箇所32に塗布した後、針31を欠陥除去箇所32から引き上げると、図3(c)に示すように欠陥除去箇所32の周辺部分には十分な量のインク30が塗布され、その後インク30は欠陥除去箇所32の中央部分33へ移動する。これにより図3(d)に示すように、全体的に十分な膜厚を有するように欠陥除去箇所が修正される。しかしながら、この方法は、必要以上にインクを塗布するため、欠陥除去箇所のサイズよりも、塗布径が大きくなり、また膜厚も厚くなるといった新たな不都合が生じることとなった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、修正工程の際に膜厚ムラが生じることが少ないカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、請求項1に記載するように、カラーフィルタに存在する欠陥を検出する欠陥検出工程と、上記欠陥検出工程により検出された欠陥が存在する領域にレーザ光を照射し、上記欠陥をカラーフィルタ膜と共に除去する欠陥除去工程と、上記欠陥除去工程によりカラーフィルタ膜が除去された欠陥除去箇所の濡れ性を向上させる濡れ性向上処理工程と、上記濡れ性向上処理工程により濡れ性が向上したカラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に、カラーフィルタ膜用組成物を塗布し、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する修正工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0013】
本発明においては、修正工程を行う前に、濡れ性向上処理工程を行うことにより、欠陥除去箇所のカラーフィルタ膜用組成物に対する濡れ性を向上させることができ、修正工程の際に、カラーフィルタ膜用組成物が欠陥除去箇所に良好に濡れ広がり、膜厚ムラの発生を抑制することができる。さらに、最小限の塗布量で均一な膜厚を得ることができるため、欠陥除去箇所以外の領域にカラーフィルタ膜用組成物が塗布されることが少なく、修正の精度が向上し、歩留まりを向上させることができる。
【0014】
上記請求項1に記載された発明においては、請求項2に記載するように、上記濡れ性向上処理工程は、大気圧プラズマを用いることにより欠陥除去箇所の濡れ性を向上させる工程であることが好ましい。欠陥除去箇所の濡れ性を低下させる要因としては、欠陥除去工程において除去された異物等の欠陥の残渣の存在が考えられる。このような残渣は、大気圧プラズマを照射することにより除去できることから、大気圧プラズマを用いたプラズマ処理を行うことにより濡れ性を向上させることができるのである。また、大気圧プラズマは、真空設備等を必要とせずに大気圧下で処理を行うことができるため、製造効率面およびコスト面において有利である。
【0015】
上記請求項2に記載された発明においては、請求項3に記載するように、上記大気圧プラズマを用いた濡れ性向上処理工程は、カラーフィルタ膜の欠陥除去箇所のみにプラズマ処理が施されるようにパターン状に大気圧プラズマを照射することが好ましい。プラズマ処理によりカラーフィルタ膜が影響を受けるような場合には、このような影響を最小限に食い止めるため、欠陥除去箇所のみにパターン状に大気圧プラズマを照射する必要があるからである。
【0016】
上記請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載された発明においては、請求項4に記載するように、上記修正工程は、針の先端にカラーフィルタ膜用組成物を付着させ、これをカラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に接触させることによりカラーフィルタ膜用組成物を塗布し、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する工程であることが好ましい。このように針を用いた修正工程の場合は、針の先端を欠陥除去箇所に接触させてカラーフィルタ膜用組成物の塗布を行うため、針の先端部分と接触する欠陥除去箇所の中央部分においては、周辺部分と比べて膜厚が薄くなる傾向があった。しかしながら、本発明のカラーフィルタの製造方法は、このような膜厚ムラを容易に解消することができることから、その効果が十分に活かされ、精度の高い修正を行うことができるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。
【0018】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタに存在する欠陥を検出する欠陥検出工程と、前記欠陥検出工程により検出された欠陥が存在する領域にレーザ光を照射し、前記欠陥をカラーフィルタ膜と共に除去する欠陥除去工程と、前記欠陥除去工程によりカラーフィルタ膜が除去された欠陥除去箇所の濡れ性を向上させる濡れ性向上処理工程と、前記濡れ性向上処理工程により濡れ性が向上したカラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に、カラーフィルタ膜用組成物を塗布し、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する修正工程とを有することを特徴とするものである。
【0019】
本発明においては、カラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に濡れ性を向上させる処理を施すことにより、欠陥除去箇所のカラーフィルタ膜用組成物に対する濡れ性を向上させることができるので、修正工程の際に、カラーフィルタ膜用組成物が欠陥除去箇所に良好に濡れ広がり、膜厚ムラの発生を抑制することができる。さらに、最小限の塗布量で均一な膜厚を得ることができるため、欠陥除去箇所以外の領域にカラーフィルタ膜用組成物が塗布されることが少なく、修正の精度が向上し、歩留まりを向上させることができる。
【0020】
このような利点を有する本発明のカラーフィルタの製造方法について、図面を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示している。
【0022】
まず、カラーフィルタ製造工程中に、図1(a)に示すように、透明基板1上に形成された、カラーフィルタ膜2の内部若しくはその表面に存在する異物3等の欠陥を検出する欠陥検出工程を行う。
【0023】
なお、ここでいうカラーフィルタ膜とは画素部またはブラックマトリックスを意味する。図1では、カラーフィルタ膜2の中でも画素部2aに異物3等の欠陥が存在する場合を示しているが、本発明においては、ブラックマトッリクス2bの内部若しくはその表面に異物3等の欠陥が存在する場合も含むものである。
【0024】
次に、欠陥検出工程により検出された上記異物3およびその近傍に存在するカラーフィルタ膜2にレーザ光を照射し、上記異物3およびその近傍のカラーフィルタ膜2を除去する欠陥除去工程を行い、図1(b)に示すように、欠陥除去箇所4が形成される。次に、図1(c)に示すように、欠陥除去箇所4に該当する部分が開口部となっているマスク5を介して大気圧プラズマ6を照射し、濡れ性向上処理工程を行う。これにより欠陥除去箇所4のカラーフィルタ膜用組成物に対する濡れ性を向上させることができる。さらに、図1(d)に示すように、針7を準備し、当該針7の先端部分にカラーフィルタ膜用組成物8を付着させ、これを欠陥除去箇所4に接触させる(図1(e)参照)。この際、針7の先端部分と欠陥除去箇所4とが接触している部分aでは、カラーフィルタ膜用組成物8が周辺部分へ移動するため、塗布後、欠陥除去箇所4の中央部分と周辺部分とでは膜厚に差が生じることが多い。しかしながら、本発明においては、予め、欠陥除去箇所4に濡れ性向上処理を施しているため、針7を引き上げた後にカラーフィルタ膜用組成物8は速やかに濡れ広がり、均一な膜厚となるのである。これにより、図1(f)に示すように精度良く修正されたカラーフィルタを得る。
【0025】
以下、各工程について説明する。
【0026】
a.欠陥検出工程
まず、本発明における欠陥検出工程について説明する。欠陥検出工程とはカラーフィルタに存在する欠陥を検出する工程であり、例えば、図1(a)に示すように、カラーフィルタの透明基板1に形成された、カラーフィルタ膜2中またはその表面に存在する異物3等の欠陥を検出する工程である。
【0027】
なお、ここでいう欠陥とは、カラーフィルタ膜の不具合を意味するものであり、具体的には、カラーフィルタ膜の中または表面に存在する異物や、表示品質を低下させるようなカラーフィルタ膜自体の凹凸等を挙げることができる。
【0028】
ここで、本発明の欠陥検出工程は、カラーフィルタの製造方法の工程の中でも、透明基板上にカラーフィルタ膜が形成された工程後であり、保護層等が形成される工程前に行われることから、本発明でいうカラーフィルタとは、透明基板と、その透明基板上に形成されたカラーフィルタ膜とを有するものをいう。
【0029】
本発明に用いられる透明基板としては、一般的に透明基板として用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
【0030】
また、本発明に用いられる画素部とは、単色からなる場合や、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色といった複数色からなる場合であってもよく、これらが種々のパターン、例えばモザイク状、トライアングル状、ストライプ状等のパターンで形成されるものである。本発明のカラーフィルタの製造方法における、この画素部の形成方法としては、従来より行われている顔料分散法やインクジェット法による印刷法等を用いることが可能であり、本発明においては特に限定されるものではない。
【0031】
さらに、本発明において用いられるブラックマトリックスとは、上記画素部を形成する画素部間に配置され、光を遮るために形成されたものである。上記透明基材上にブラックマトリックスを製造する方法は、特に限定されるものではなく、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等により、厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成する方法等を挙げることができる。
【0032】
また、上記ブラックマトリックスとしては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよく、用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂性ブラックマトリックスのパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0033】
なお、本発明のカラーフィルタの製造方法で最終的に得られるカラーフィルタとしては、上述した透明基板上にカラーフィルタ膜だけでなく、保護層、透明電極、または配向層等を有するものも含まれる。
【0034】
ここで、本発明における欠陥検出方法は、上記欠陥を検出することが可能な方法であれば、特に限定されるものではないが、例えばハロゲンランプ光を照射し、その反射光もしくは透過光をCCDライセンサにて受光し、受光した結果を画像処理して欠陥部分を抽出するような検査装置を用いる方法等を挙げることができる。この工程において、欠陥の存在が確認された場合は、その欠陥のカラーフィルタ内での位置が測定される。
【0035】
b.欠陥除去工程
次に、本発明における欠陥除去工程について説明する。本発明における欠陥除去工程とは、上記欠陥検出工程により検出された欠陥が存在する領域にレーザ光を照射し、前記欠陥をカラーフィルタ膜と共に除去する工程である。例えば、図1(a)に示すように、上記欠陥検出工程により検出されたカラーフィルタ膜2中またはその表面に存在する異物3等の欠陥およびその異物3の近傍に存在するカラーフィルタ膜2にレーザ光を照射し、図1(b)に示すように上記異物およびその近傍にあるカラーフィルタ膜2が除去された欠陥除去箇所4とする工程である。
【0036】
本発明における欠陥除去工程に用いられるレーザ光は、カラーフィルタ膜と共に欠陥を除去することができるレーザ光であれば特に限定されるものではない。例えば、エキシマ、YAG等のレーザを用いることが可能であり、YAGは、第2高調波だけでなく、YAG基本波、YAG第3高調波、YAG第4高調波等を用いてもよい。
【0037】
c.濡れ性向上処理工程
本発明における濡れ性向上処理工程とは、上記欠陥除去工程により形成された欠陥除去箇所に濡れ性を向上させる処理を施すことにより、欠陥除去箇所のカラーフィルタ膜用組成物に対する濡れ性を向上させる工程である。
【0038】
なお、ここでいう濡れ性が向上するとは、カラーフィルタ膜用組成物の接触角が低下する方向に濡れ性が変化することを意味する。
【0039】
本発明においては、このような濡れ性向上処理工程を後述する修正工程の前に施すことにより精度の高い修正を行うことができる。すなわち、欠陥除去箇所の濡れ性の悪さを要因とする膜厚ムラの発生が回避されるため、後述する修正工程において、カラーフィルタ膜用組成物は良好に欠陥除去箇所に濡れ広がり、容易に均一な膜厚となるように塗布することができるからである。
【0040】
このような濡れ性向上処理工程において用いられる濡れ性を向上させる処理としては、欠陥除去箇所に対するカラーフィルタ膜用組成物の接触角が小さくなる方向に濡れ性を変化させることができる処理であれば特に限定はされない。具体的には、プラズマ処理、オゾン処理等を挙げることができる。さらに、その中でもプラズマ処理であることが好ましい。以下、プラズマ処理による濡れ性を向上させる処理について説明する。
【0041】
一般的に欠陥除去箇所の濡れ性を低下させる要因としては、上述した欠陥除去工程において除去された異物等の残渣が欠陥除去箇所に僅かに残っていることが考えられる。しかしながら、このような残渣はプラズマ処理を施すことにより取り除くことが可能である。すなわちプラズマ処理を施すことにより、欠陥除去箇所のカラーフィルタ膜用組成物に対する濡れ性を向上させることができるのである。また、プラズマ処理を施すことにより表面が改質されることによっても濡れ性が向上する。
【0042】
このようなプラズマ処理としては、異物等の残渣を除去することができるものであれば特に限定はされないが、本発明においては、大気圧プラズマを用いることが好ましい。大気圧プラズマは、通常真空装置が必要であるプラズマ処理が大気圧下で行なうことができ、処理時間の短縮、およびコストの低減が可能となるからである。
【0043】
また、プラズマ処理を施す際に用いる反応性ガスとしては、一般的に用いられている反応性ガスを使用することが可能である。しかしながら、本工程においては、異物等の残渣を効率的に除去することが可能な反応性ガスであることが好ましい。このような反応性ガスの組成としては、例えば、He、Ar、O等の組合せを挙げることができる。
【0044】
さらに、本工程においてプラズマ処理が施される際には、少なくとも欠陥除去箇所にプラズマが照射されれば特に限定はされない。具体的には、欠陥除去箇所のみにプラズマ処理が施される場合や、欠陥除去箇所周辺までプラズマ処理が施される場合であってもよい。しかしながら、例えば、プラズマ処理によりカラーフィルタ膜が影響を受ける場合には、欠陥除去箇所のみにプラズマ処理が施されるようにパターン状にプラズマを照射することが好ましい。このようにパターン状にプラズマを照射する方法としては、欠陥除去箇所に該当する部分が開口部となっているマスクを介してプラズマを照射する方法や、細いヘッド部からプラズマを噴出させる等の方法を挙げることができる。また、本発明においては、大気圧プラズマとしてAiplasma(松下電工社製)が好適に用いられる。
【0045】
なお、プラズマ処理によりカラーフィルタ膜が影響を受けない場合には、カラーフィルタ膜の全面にプラズマ処理を施す方法であってもよい。
【0046】
d.修正工程
次に、本発明における修正工程について説明する。本発明における修正工程とは、上記濡れ性向上処理工程で、濡れ性が向上した欠陥除去箇所に、カラーフィルタ膜用組成物を塗布した後、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する工程である。
【0047】
このような本工程において、カラーフィルタ膜用組成物の塗布方法に関しては、欠陥除去箇所にカラーフィルタ膜用組成物を塗布することができる方法であれば特に限定はされない。具体的には、針を用いる方法、ディスペンサー、インクジェットを用いる方法等を挙げることができる。その中でも特に、針を用いる方法であることが好ましい。
【0048】
針を用いる塗布方法の場合には、図1(e)に示すように、針7の先端を欠陥除去箇所4に接触させ、カラーフィルタ用組成物8を塗布するが、針7の先端部分と欠陥除去箇所4とが接触している部分aでは、カラーフィルタ膜用組成物8が針7の側壁部分へ移動するため、必然的に、欠陥除去箇所4の中央部分と周辺部分とでは塗布後の膜厚にムラが生じることが多かった。しかしながら、このように針を用いた塗布方法であっても、欠陥除去箇所の濡れ性を向上させることにより、塗布後に、カラーフィルタ膜用組成物が速やかに欠陥除去箇所に濡れ広がり、均一な膜厚とすることが可能となる。従って、微細な修正を可能とする針を用いた塗布方法において、修正の精度が高まり、歩留まりの向上させることができるのである。
【0049】
また、本発明に用いられるカラーフィルタ膜用組成物としては、例えば通常のカラーフィルタ膜、例えば画素部またはブラックマトリクスに用いられる塗料等を挙げることができる。また塗布性を向上させるために粘度を調整した専用塗料等を用いてもよく、さらに専用の修復剤であってもよいが、特に紫外線硬化性塗料を用いることが好ましい。紫外線硬化性塗料を用いることにより、カラーフィルタ膜に塗料を塗布後、紫外線を照射することにより、素早く塗料を硬化させることができ、すぐに次の工程に送ることができる。したがって、効率よくカラーフィルタを製造することができるからである。また、紫外線硬化性塗料の硬化に用いられる紫外光は、インキの硬化感度にも影響されるが、通常紫外線の積算路光量が、0.1J/cm〜50/cmであることが好ましく、中でも0.5J/cm〜2J/cmであることが好ましい。
【0050】
また、この紫外線光源を有する紫外線照射装置は、紫外線硬化型カラーフィルタ膜用組成物を硬化させることが可能な紫外線を照射することができる紫外線照射装置であれば特に限定されるものではない。例えば、スポットUV照射装置や、ランプハウスにシャッターを用いた装置等を挙げることができる。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0052】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0053】
[実施例]
ガラス基板上にフォトリソグラフィー法を用いてアクリル系のカラーフィルタ膜を形成したカラーフィルタ表面上に内包した異物をハロゲンランプを光源とし、その反射光により異物を検出した。次にYAGレーザ(第2高調波)を用いてスリット径□50μmにて数パルス照射し、レジスト部を除去し、欠陥除去箇所を形成した。
【0054】
次に、内径φ3mmのノズルより流量1l/minで放出されるプラズマを、欠陥除去箇所のみ照射されるようにマスク上部(基材より約5mm)から0.1秒間照射した。その後、プラズマ照射された欠陥除去箇所に、先端にカラーフィルタ膜用組成物が付着している針を接触させ、塗布した。プラズマ照射により欠陥除去箇所の濡れ性が向上したため、針により塗布後、瞬時に均一な膜厚となった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、カラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に濡れ性を向上させる処理を施すことにより、欠陥除去箇所のカラーフィルタ膜用組成物に対する濡れ性を向上させることができるので、修正工程の際に、カラーフィルタ膜用組成物が欠陥除去箇所に良好に濡れ広がり、膜厚ムラの発生を抑制することができる。さらに、最小限の塗布量で均一な膜厚を得ることができるため、欠陥除去箇所以外の領域にカラーフィルタ膜用組成物が塗布されることが少なく、修正の精度が向上し、歩留まりを向上させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】従来の針を用いた修正方法の一例を示す工程図である。
【図3】従来の針を用いた欠陥修正方法の他の例を示す工程図である。
【符号の説明】
1 … 基板
2 … カラーフィルタ膜
2a … 画素部
2b … ブラックマトリクス
3 … 異物
4 … 欠陥除去箇所
5 … マスク
6 … プラズマ
7 … 針
8 … カラーフィルタ膜用組成物
a … 針の先端部分と欠陥除去箇所が接触する部分

Claims (4)

  1. カラーフィルタに存在する欠陥を検出する欠陥検出工程と、前記欠陥検出工程により検出された欠陥が存在する領域にレーザ光を照射し、前記欠陥をカラーフィルタ膜と共に除去する欠陥除去工程と、前記欠陥除去工程によりカラーフィルタ膜が除去された欠陥除去箇所の濡れ性を向上させる濡れ性向上処理工程と、前記濡れ性向上処理工程により濡れ性が向上したカラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に、カラーフィルタ膜用組成物を塗布し、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する修正工程とを有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記濡れ性向上処理工程は、大気圧プラズマを用いることにより欠陥除去箇所の濡れ性を向上させる工程であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記大気圧プラズマを用いた濡れ性向上処理工程は、カラーフィルタ膜の欠陥除去箇所のみにプラズマ処理が施されるようにパターン状に大気圧プラズマを照射することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記修正工程は、針の先端にカラーフィルタ膜用組成物を付着させ、これをカラーフィルタ膜の欠陥除去箇所に接触させることによりカラーフィルタ膜用組成物を塗布し、硬化させることにより欠陥除去箇所を修正する工程であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
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