JP4373123B2 - リッツ導体のための接続部を有したコンタクトエレメント - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リッツ線を有したケーブルのための接続部を有したコンタクトエレメントであって、端子スリーブと、端子スリーブ内にねじ込み可能に保持された、マンドレル状のコンタクト部分とから成っており、この場合、端子スリーブには、漏斗状の接続開口が設けられており、該接続開口には、絶縁除去されたリッツ線が、内側の接続室内にまで導入可能であり、コンタクト部分の先端部と円錐面とがリッツ線内にねじ込み可能であって、リッツ線が、接続開口内のクランプ肩部に対して押し付けられている形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような形式のコンタクトエレメントは、リッツ導線ケーブルを有した高電流接続部を、コンタクトエレメントに機械的に堅固に結合するために設けられている。この場合、高い引張力や振動が、結合部の不都合な分離を引き起こしてはならない。
【０００３】
リッツ導体の接続端部の圧着接続部をコンタクトエレメントに取り付ける、またはリッツ導体をコンタクトエレメントに結合することが公知であり、このコンタクトエレメントでは、コンタクトエレメントの円錐状のコンタクト部分が、リッツ導体を、軸方向又は半径方向の力によって、相応に成形された対応面に押し付ける。しかしながらこの場合、両円錐面の角度は同じである。
【０００４】
リッツ導体の接続のためのこのような形式のコンタクトエレメントは、ドイツ連邦共和国実用新案第８９１４４６０号明細書に記載されている。この場合、このような形式のコンタクトエレメントは、比較的大きな構成容積を有している、または、引き抜き防止性または振動防止性に関して、十分な長期間の安定性は有していないという欠点を有している。
【０００５】
【特許文献１】
ドイツ連邦共和国実用新案第８９１４４６０号明細書
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のコンタクトエレメントとリッツ導体との間の解離可能な結合部を、リッツ導体が、電気的に良好なコンタクト特性を有しているだけでなく、特に振動影響の際に、高い引き抜き安全性によってコンタクトエレメント内に保持されるように形成することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、コンタクト部分が、先端と、垂線に対して所定の角度αを有した円錐面とを有しており、クランプ肩部が、コンタクト部分の円錐面に面した側に、垂線に対して所定の角度βを有した円錐面を有しており、コンタクト部分の円錐面の角度αが、クランプ肩部の円錐面の角度βよりも小さく、コンタクト部分が、コンタクト部分の円錐面と、肩部の円錐面との間に、最小のオーバラップ部が残される程度に、接続室内に、もしくは、接続室内に導入されたリッツ導体内にねじ込み可能であるようにした。
【０００８】
本発明の有利な構成は請求項２に記載されている。
【０００９】
【発明の効果】
本発明により得られる利点は、特に、リッツ導体を端子スリーブと、中央に案内されるコンタクト部分とに接続するためのコンタクトエレメントを有した端子接続部として形成されている高電流コンタクトにおいて、前記コンタクト部分が、接続室に導入されるリッツ導体の中央に軸方向で押圧され、クランプ肩部の円錐面の角度と、コンタクト部分の円錐状に成形された先端の円錐面の角度とが異なることにより、円錐区域において、円錐面の角度が互いに平行に形成されている従来の構造において可能であったよりも極めて高い圧着が得られる。
【００１０】
これによりさらに、電気的なコンタクトに関して比較的長い耐用期間が得られ、振動の際のクランプの解除を防止する良好な耐久性が得られ、ひいては、この場合に得られるガス密な圧着により、良好な電気的な接触抵抗も得られる。
【００１１】
さらに、コンタクトエレメントからのリッツ導体の引き抜き安全性は、このような形式の公知のコンタクトエレメントよりも極めて高い。
【００１２】
さらなる利点としては、リッツ導体は、堅固にねじ固定される場合に、もはや「一緒に転動」されず、従って、きしみノイズはもはや生じないことが挙げられる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【００１４】
図１には、高電流伝達のために設計されたコンタクトエレメント１が断面図で示されている。このコンタクトエレメント１は、端子スリーブ２と、端子内にねじ込み可能なコンタクト部分３とから成っている。端子スリーブは、コンタクト部分３のための貫通するねじ山付き孔６を備えた内実の旋盤加工部分として形成されていて、接続端部が設けられている。この接続端部は、クランプ肩部９と接続室４とを備えた漏斗状の接続開口７を有している。この場合、漏斗状の接続開口７は、リッツ導体の差込方向で見て、横断面が減じられたクランプ肩部９へと移行している。このクランプ肩部９には、再び横断面が拡大される接続室４が接続されている。接続室の内側では、クランプ肩部９への接続部に円錐面１１が配置されている。
【００１５】
円錐面１１は、コンタクト部分３の円錐面５に向かい合って位置している。この場合、このような形式の従来の構造との相違点は、各円錐面の角度が平行に延びているのではなく、円錐面５の角度αである２７．５°は、クランプ肩部９の下側の円錐面１１の角度βである３０°よりも小さく形成されていることである（それぞれの総角度）。
【００１６】
コンタクト部分３のねじ運動による図２に示した軸方向の摺動は、六角差込工具によって行われる。この六角差込工具は、コンタクト部分３の、円錐先端部８とは反対の側に設けられた受容部に挿入される。組み付け時には、相応に絶縁材が除去されたリッツ線１７を備えたリッツ導体１５が、底面４´に当接するまで接続室４内に挿入される。この場合、コンタクト部分３は、ねじ山付き孔６の内側で、円錐面５だけが底面領域４´から突出するまでねじ戻されている。
【００１７】
リッツ導体１５を挿入した後、コンタクト部分３が、リッツ導体１５の方向にねじ込まれる。この場合、リッツ線１７はクランプ肩部９以降、両円錐面５，１１に対して、かつ両円錐面５，１１の間で押圧されるので、この領域では、図３に示されたように、円錐面と、絶縁除去されたリッツ線１７との間のガス密な結合が生じる。この場合、コンタクトエレメント１の、任意のリッツ導体１５に対する大きさの比は、両円錐面５，１１の間のほぼ３〜５ｍｍの長さを有する最小オーバラップ部１３が保証されているように選択されている。異なる角度が設けられた円錐面の間のリッツ線の摩擦接続的かつ形状接続的なガス密な、極めて高い引き抜き力を要する確実なクランプ結合が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】端子スリーブと、この端子スリーブの内部に案内されたコンタクト部分とを有したコンタクトエレメントの接続領域を示した断面図である。
【図２】端子スリーブの内部に挿入されたリッツ導体を有した端子スリーブの接続領域の断面図である。
【図３】コンタクトエレメントとリッツ導体との間の組み付けられたガス密なクランプ結合を示す断面図である。
【符号の説明】
１ コンタクトエレメント、 ２ 端子スリーブ、 ３ コンタクト部分、 ４ 接続室、 ５ 円錐面、 ６ ねじ山付き孔、 ７ 接続開口、 ８ 円錐先端部、 ９ クランプ肩部、 １１ 円錐面、 １３ 最小オーバラップ、 １５ リッツ導体、 １７ リッツ線

Claims (2)

1. リッツ線（１７）を有したケーブル（１５）のための接続部を有したコンタクトエレメント（１）であって、端子スリーブ（２）と、端子スリーブ内にねじ込み可能に保持された、マンドレル状のコンタクト部分（３）とから成っており、この場合、端子スリーブには、漏斗状の接続開口（７）が設けられており、該接続開口（７）には、絶縁除去されたリッツ線が、内側の接続室（４）内にまで導入可能であり、コンタクト部分（３）の先端部（８）と円錐面（５）とがリッツ線（７）内にねじ込み可能であって、リッツ線（１７）が、接続開口内のクランプ肩部（９）に対して押し付けられている形式のものにおいて、
   コンタクト部分（３）が、先端（８）と、垂線に対して所定の角度（α）を有した円錐面（５）とを有しており、
   クランプ肩部（９）が、コンタクト部分の円錐面に面した側に、垂線に対して所定の角度（β）を有した円錐面（１１）を有しており、
   コンタクト部分（３）の円錐面（５）の角度（α）が、クランプ肩部（９）の円錐面（１１）の角度（β）よりも小さく、コンタクト部分（３）が、コンタクト部分の円錐面（５）と、肩部の円錐面（１１）との間に、最小のオーバラップ部（１３）が残される程度に、接続室（４）内に、もしくは、接続室（４）内に導入されたリッツ導体（１５）内にねじ込み可能であることを特徴とする、ケーブルのための接続部を有したコンタクトエレメント。
2. コンタクト部分の円錐面（５）の角度（α）と、クランプ肩部（９）における円錐面（１１）の角度（β）との間の差分が、少なくとも２．５°である、請求項１記載のコンタクトエレメント。

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