JP4372859B2 - エンドミル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンドミルに係り、特に、アルミニウム加工において優れた切削性能が得られるエンドミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) 外周刃および底刃を有し、軸心まわりに回転駆動されつつ被加工物に対して軸心と交差する方向(例えば軸心と直角な方向)へ相対移動させられることにより切削加工を行う横引き用のエンドミルや、(b) 外周刃および底刃を有し、軸心まわりに回転駆動されつつ被加工物に対して軸心方向成分を含む方向(例えば軸心方向)へ相対移動させられることにより切削加工を行うたて彫り用のエンドミルが、各種の切削加工分野で多用されている。このようなエンジミルは、一般に外周刃のすくい角が2°〜6°程度で、外周マージンは無く、底刃のすくい角は3°前後である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のエンドミルは、鋼切削に対しては良好な切削性能が得られるものの、アルミニウム等の被削材に対しては切りくず排出性能が悪く、必ずしも十分に満足できる切削性能が得られないという問題があった。
【0004】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、アルミニウム等の被削材に対して良好な切削性能が得られるエンドミルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、外周刃、およびコーナR部を介してその外周刃に接続された底刃から成る総て同一形状の複数の切れ刃を有し、軸心まわりに回転駆動されつつアルミニウムまたはアルミニウム合金の被加工物に対して軸心方向成分を含む方向へ相対移動させられることにより切削加工を行うたて彫り用のラジアスエンドミルであって、前記底刃には前記コーナR部の75%以上の範囲を含んで刃当りするように底刃ギャッシュが設けられており、その底刃のすくい角が15°〜25°の範囲内で、その底刃の中心凹角が15°〜25°の範囲内で、その底刃の前記コーナR部には1刃毎に異なる位置に一つずつニックが設けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
第1発明のたて彫り用のラジアスエンドミルは、好適にはコーナR部の全周に底刃ギャッシュの刃当りが有り、底刃のすくい角が19°〜21°で、底刃の中心凹角が18°〜22°で、底刃のコーナR部にニックが設けられている。ニックは、例えば開口幅が1mm程度で溝底角度が略90°のV字形状のものが好適に設けられる。また、外周刃には、15°〜25°の範囲内、更には18°〜20°の範囲内ですくい角を設けることが望ましく、外周マージンは無いのが良い。たて彫り用のラジアスエンドミルは、例えば軸心まわりに回転駆動されつつ被加工物に対して軸心方向へ相対移動させられ、底刃を主体として切削加工を行うものであるが、軸心方向の成分を含む方向、すなわち軸心と交差する方向(直交する方向を除く)へ相対移動させられる場合であっても良い。
【0009】
また、本発明のラジアスエンドミルは、アルミニウムやアルミニウム合金の切削加工に好適に用いられるが、アルミニウム以外の非鉄金属およびその合金等の切削加工に使用することもできる。
【0010】
第1発明の何れのラジアスエンドミルにおいても、外周刃は例えば20°〜40°程度、更には25°〜35°程度の所定のねじれ角で捩じれたねじれ刃であることが望ましく、コーナR部の曲率半径は切削条件等に応じて適宜設定されるが、0.5mm以上であることが望ましい。外周刃の逃げ角(二番角)は9°〜11°程度が望ましく、底刃の逃げ角は4°〜7°程度が望ましい。また、刃数は2枚が適当であるが、3枚刃以上のエンドミルに適用することも可能である。
【0011】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、第1発明の一実施例である横引き用のラジアスエンドミル10(以下、単にエンドミル10という)の先端部分を示す図で、(a) は軸心と直交する方向から見た正面図、(b) は(a) の右側面図、(c) は(b) の下側から見た正面図、(d) は外周刃12の断面形状(軸直角断面)を示す図である。このエンドミル10は2枚刃で、外周部に軸心に対して対称的に設けられた一対の外周刃12と、それ等の外周刃12にコーナR部14から連続して設けられた一対の底刃16とを備えており、外周刃12はねじれ溝18に沿って所定のねじれ角λ1 で軸心まわりに捩じれている。ねじれ角λ1 は25°〜35°の範囲内で、実施例では30°程度である。
【0012】
上記外周刃12のすくい角α1 は15°〜25°の範囲内で、実施例では18°〜20°の範囲内であり、外周刃12のマージン幅dは0.2mm以下で、実施例では0.02〜0.08mmの範囲内である。底刃16にはコーナR部14の75%以上、実施例では全周を含んで刃当りするようにギャッシュ加工が施され、その底刃16のすくい角β1 は15°〜25°の範囲内で、実施例では19°〜21°の範囲内である。また、コーナR部14の曲率半径は切削条件等に応じて適宜設定されるが、0.5mm以上であることが望ましい。外周刃12の逃げ角は9°〜11°の範囲内で、底刃16の逃げ角は4°〜7°の範囲内で、底刃16の中心凹角γ1 は1°±15′程度である。なお、このような刃部の後端、すなわちシャンク側には、軸心に対する傾斜角が5°程度のテーパ部20が設けられており、外周刃12はテーパ部20を含んで設けられている。
【0013】
このようなエンドミル10は、アルミニウム或いはアルミニウム合金の側面加工等に好適に用いられ、高能率加工を行うことができるが、以下、本発明者等が行った試験結果について具体的に説明する。なお、以下の説明では、外周すくい角α1 などの記号については図1と同じであるが、使用するエンドミルの仕様は本発明品を含めて図1のエンドミル10と無関係である。
【0014】
《試験1》
試験1は、主に底刃すくい角(β1 )の大きさや底刃ギャッシュの刃当り量が切削性能に及ぼす影響を調べるためのもので、使用工具は、表1に示すA1〜A5の5種類で、底刃すくい角(β1 )、底刃二番角(逃げ角)、および底刃ギャッシュは表1に示す通りであり、それ以外の仕様は共通で、何れも2枚刃のエンドミル、呼び18×R3(RはコーナR部の曲率半径)、首下50mm、刃長15mm、溝ねじれ角(λ1 )=30°、外周すくい角(α1 )=19°、外周マージン幅(d)=0.05mm、底刃の中心凹角(γ1 )=1°00′、ギャッシュ角=45°である。なお、これ等の使用工具A1〜A5のうち、底刃すくい角(β1 )=20°で、底刃ギャッシュが刃当てR(全周)の「A2」が本発明品で、その他は比較品である。
【表1】
【0015】
(試験内容1)
1番目の試験は、被削材A7050に対し、主軸回転数は20000(min-1)、切削油は水溶性切削油剤(ユシロEZ30)で、送り速度、切り込みAD(Axial Depth),RD(Radius Depth)は表2に示す通りの加工条件において、工具を軸心まわりに回転駆動しつつ軸心と直交する方向へ移動させることにより、図2に示す切削加工を行い、ワーク底面の浮き上がり量(形状)を調べた。図2の(a) はワーク(被削材)の平面図で、(b) は(a) の下側から見た正面図で、(a) の一点鎖線は工具移動経路を表しており、(b) の斜線部は切削除去される領域を表している。
【表2】
【0016】
(試験内容2)
2番目の試験は、被削材A7050に対し、主軸回転数は20000(min-1)、送り速度(mm/t)=0.075,0.125,0.2、切り込みAD=5mm、切り込みRD=0.25D,0.75D(Dは工具直径)、ダウンカット、切削油は水溶性切削油剤(ユシロEZ30)という加工条件において、工具を軸心まわりに回転駆動しつつ軸心と直交する方向へ移動させることにより、図3に示す側面切削加工を行い、面粗さや加工面の倒れ(図3の(b) 参照)等を調べた。図3の(a) はワーク(被削材)の斜視図で、(b) は側面図であり、一点鎖線は切削加工前の形状で、実線は切削加工後の形状である。使用機械は、マキノフライス製作所製「A55型」である。
【0017】
(結果)
試験内容1に関する詳しいデータは省略するが、板厚3mmの切削において、底刃ギャッシュを刃当りさせた工具NoA2、A5の浮き上がり量が少なく良好であった。軸方向切り込みAD=0.5mmの切削状況より、ADの切り込みを小さくした加工方法ではワークの剛性が不足し、加工精度が悪くなると判断できる。実際の加工では、軸方向切り込みの設定値を大きくすることが望ましい。ワーク底面の面粗さの比較では、総て4.68μmRy以下であったが、送り速度の遅い領域では底刃ギャッシュ刃当りのある工具NoA2、A5の粗さが小さく、送り速度の速い領域ではギャッシュ刃当りのない工具NoA1、A4の面粗さが小さい。
【0018】
試験内容2の結果を表3に示す。表3の「ミスマッチ」は、NC制御装置の値と実測値との差で、「実負荷」は、切削加工時の主軸の回転負荷(最大値)から空転時の回転負荷を差し引いた値である。
【表3】
【0019】
上記試験内容1および2の結果をまとめたものが表4で、上2項目は試験内容1に関するもので、下の4項目は試験内容2に関するものである。表4の「○」は推奨、「△」は使用可、「×」は使用不可を表しており、「刃先強度」は、試験内容2の試験後の刃先のチッピング状況を目視で判断したものである。かかる表4から、総合的には工具NoA2、A5が良好であるが、チッピングを重視した場合、切削性能を損なわずに刃先強度を高める工具NoA2が優れている。なお、工具NoA4の主軸の回転負荷が小さいのは、チッピングの影響が考えられる。
【表4】
【0020】
《試験2》
試験2は、主に外周すくい角(α1 )や外周マージンの有無が切削性能に及ぼす影響を調べるためのもので、使用工具は、表5に示すB1〜B8の8種類で、溝ねじれ角(λ1 )、外周すくい角(α1 )、外周マージン(d=0.05mm)の有無は表5に示す通りであり、それ以外の仕様は共通で、何れも2枚刃のエンドミル、呼び10、底刃すくい角(β1 )=4°、底刃ギャッシュの刃当りは無しである。このように底刃ギャッシュによるコーナR部の刃当りが無い点で、これ等の使用工具B1〜B8は何れも本発明品ではない。
【表5】
【0021】
そして、被削材A7050に対し、主軸回転数(min-1)=5000,10000,20000、送り速度(mm/分)=1000,2000,4000,6000、切り込みAD=2.5mm,5.0mm,7.5mm、切り込みRD=5mm、ダウンカット、切削油は水溶性切削油剤(ユシロEZ30)という加工条件において、工具を軸心まわりに回転駆動しつつ軸心と直交する方向へ移動させることにより、図4に示す側面切削加工を行い、主軸の回転負荷(%)やびびり振動の発生状況を調べた。使用機械は、マキノフライス製作所製「A55型」である。
【0022】
結果は、表6に示す通りで、表中「※」印はびびりの発生領域を表している。かかる表6から明らかなように、外周マージンの無い工具NoB1、B4、B5、B8は何れも高速回転領域でびびりが発生して好ましくない。工具NoB2とB3を比較すると、外周すくい角(α1 )が20°の工具NoB2の方が全域で回転負荷が同じか小さく、良好な切削性能が得られる。工具NoB6とB7を比較した場合も、外周すくい角(α1 )が20°の工具NoB6の方が全域で回転負荷が同じか小さく、良好な切削性能が得られる。また、工具NoB2と工具NoB6を比較すると、主軸回転数(min-1)が5000では殆ど差が無いが、10000、20000では、溝ねじれ角(λ1 )が大きい工具NoB6の方が回転負荷が小さく、優れた切削性能が得られる。
【表6】
【0023】
《試験3》
試験3は、主に底刃すくい角(β1 )が切削性能に及ぼす影響を調べるためのもので、使用工具は、底刃すくい角(β1 )が10°(工具NoC1)と20°(工具NoC2)の2種類で、それ以外の仕様は共通で、何れも2枚刃のエンドミル、呼び12×R2.5、突き出し量28mm、溝ねじれ角(λ1 )=30°、外周すくい角(α1 )=19°、外周マージン幅(d)=0.05mmである。なお、何れの工具も底刃ギャッシュによるコーナR部の刃当りはなく、この点で本発明品には含まれない。
【0024】
そして、被削材A7050に対し、主軸回転数(min-1)=10000,20000、送り速度(mm/分)=2000,4000,6000,8000,12000、切り込みAD=3.0mm,6.0mm、切り込みRD=5mm、切削油は水溶性切削油剤(ユシロEZ30)という加工条件において、工具を軸心まわりに回転駆動しつつ軸心と直交する方向へ移動させることにより、側面加工(肩削り加工)を行い、主軸の回転負荷(%)や切削音、びびり振動の発生状況を調べた。使用機械は、マキノフライス製作所製「A55型」である。
【0025】
結果は、表7に示す通りで、切削音の欄の「◎」は良好、「○」は普通、「△」はやや悪いを意味しており、試験者の主観による判断である。また、「※」印はびびりの発生領域を表している。かかる表7から明らかなように、底刃すくい角(β1 )が20°の工具NoC2の方が、切削音、びびり振動、回転負荷の何れについても優れている。
【表7】
【0026】
次に、第2発明について具体的に説明する。図5は、第2発明の一実施例であるたて彫り用のラジアスエンドミル30(以下、単にエンドミル30という)の先端部分を示す図で、(a) は軸心と直交する方向から見た正面図、(b) は(a) の右側面図、(c) は(b) の下側から見た正面図、(d) は外周刃32の断面形状(軸直角断面)を示す図である。このエンドミル30は2枚刃で、外周部に軸心に対して対称的に設けられた一対の外周刃32と、それ等の外周刃32に対してコーナR部34から連続して設けられた一対の底刃36とを備えており、外周刃32はねじれ溝38に沿って所定のねじれ角λ2 で軸心まわりに捩じれている。ねじれ角λ2 は25°〜35°の範囲内で、実施例では30°程度である。
【0027】
上記外周刃32のすくい角α2 は15°〜25°の範囲内で、実施例では18°〜20°の範囲内であり、外周刃32のマージンは無しである。底刃36にはコーナR部34の75%以上、実施例では全周を含んで刃当りするようにギャッシュ加工が施され、その底刃36のすくい角β2 は15°〜25°の範囲内で、実施例では19°〜21°の範囲内である。また、コーナR部34の曲率半径は切削条件等に応じて適宜設定されるが、0.5mm以上であることが望ましい。外周刃32の逃げ角は9°〜11°の範囲内で、底刃36の逃げ角は5°〜7°の範囲内で、底刃36の中心凹角γ2 は15°〜25°の範囲内で、実施例では18°〜22°の範囲内である。底刃36にはまた、上記コーナR部34に開口幅が1mm程度で溝底角度が略90°のV字形状のニック40が設けられている。このニック40は、一対の底刃36のコーナR部34の異なる位置にそれぞれ一つずつ設けられている。
【0028】
このようなエンドミル30は、アルミニウム或いはアルミニウム合金のたて彫り加工に好適に用いられ、高能率加工を行うことができるが、以下、本発明者等が行った試験結果について具体的に説明する。なお、以下の説明では、外周すくい角α2 などの記号については図5と同じであるが、使用するエンドミルの仕様は本発明品を含めて図5のエンドミル30と無関係である。
【0029】
《試験4》
使用工具は、表8に示すD1〜D4の4種類で、呼び、突き出し量、バックテーパ(mm/刃長)、外周マージンの有無、底刃外周凹角、底刃中心凹角(γ2 )、底刃ギャッシュのコーナR部に対する刃当り(R全周)の有無、底刃ニック(前記コーナR部34のニック40)の有無は表8に示す通りであり、それ以外の仕様は共通で、何れも2枚刃のエンドミル、溝ねじれ角(λ2 )=30°、外周すくい角(α2 )=19°である。なお、これ等の使用工具D1〜D4のうち、底刃中心凹角(γ2 )=20°で刃当りが有り、底刃ニックが設けられている「D2」、「D4」は本発明品で、その他は比較品である。
【表8】
【0030】
そして、被削材A7050に対し、主軸回転数(min-1)=10000,20000、送り速度(mm/分)=1000,2000,3000,4000,6000、切り込みRD=0.1D,0.25D,0.5D(Dは工具直径)、切削油は水溶性切削油剤(ユシロEZ30)という加工条件において、工具を軸心まわりに回転駆動しつつ軸心方向へ移動させるドリル加工を行うことにより、図6に示すたて彫り加工を行い、切削音や面粗さ、倒れ、主軸の回転負荷(最大値)などを調べた。使用機械は、マキノフライス製作所製「A55型」である。
【0031】
結果は、表9および表10に示す通りで、表中の「切削音」の欄の「○」は普通、「△」は少し悪い、「×」は悪いを意味し、「面の状態」の欄の「○」は普通、「△ス」は普通+スジ、「×」はびびり面を意味している。また、「面粗さ」の単位はμmRyで、「倒れ」の単位はμmである。かかる表9、表10から明らかなように、工具NoD1とD2、D3とD4とを比較した場合、殆ど総ての項目で本発明品であるD2、D4の方が優れているか略同じで、面粗さなど所定の加工精度を維持しつつ高能率加工を行うことができる。
【表9】
【表10】
【0032】
図7の(a) は、前記《試験2》の結果から外周すくい角(α1 )が20°の場合(実線)と12°の場合(破線)の排出量(切削量)と主軸動力(負荷)との関係を求めた一例を示す図で、(b) は同じく《試験2》の結果から外周マージン有りの場合(実線)と無しの場合(破線)の排出量と主軸動力との関係を求めた一例を示す図で、(c) は《試験1》の結果から底刃ギャッシュのコーナR部の刃当り(R全周)有りの場合(実線)と無しの場合(破線)の排出量と主軸動力との関係を求めた一例を示す図で、(d) は《試験3》の結果から底刃すくい角(β1 )が20°の場合(実線)と10°の場合(破線)の排出量と主軸動力との関係を求めた一例を示す図で、(e) は《試験4》の結果から底刃ニックが有りの場合(実線)と無しの場合(破線)の排出量と主軸動力との関係を求めた一例を示す図である。何れの場合も、本発明の範囲内である方が主軸動力が少なくて済み、高能率加工が可能であることが判る。
【0033】
以上、本発明の実施例および試験結果を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、第1発明のラジアスエンドミルは、何れもアルミニウム或いはアルミニウム合金等の被削材に対する切削性能が総合的に向上し、面粗さなどの加工精度を維持しつつ主軸回転数や送り速度を速くして高能率加工を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明の一実施例である横引き用のラジアスエンドミルの先端部を示す図である。
【図2】 横引き用ラジアスエンドミルを用いて切削試験を行う際の切削内容を説明する図である。
【図3】 横引き用ラジアスエンドミルを用いて切削試験を行う際の別の切削内容を説明する図である。
【図4】 横引き用ラジアスエンドミルを用いて切削試験を行う際の更に別の切削内容を説明する図である。
【図5】 第2発明の一実施例であるたて彫り用のラジアスエンドミルの先端部を示す図である。
【図6】 たて彫り用ラジアスエンドミルを用いて切削試験を行う際の切削内容を説明する図である。
【図7】 各種の試験結果から外周すくい角(α1 )の大きさ、外周マージンの有無、コーナR部の刃当りの有無、底刃すくい角(β1 )の大きさ、底刃ニックの有無が、排出量と主軸動力との関係に与える影響を調べた結果を示す図である。
【符号の説明】
10、30:ラジアスエンドミル
12、32:外周刃
14、34:コーナR部
16、36:底刃
40:ニック
α1 、α2 :外周刃のすくい角
β1 、β2 :底刃のすくい角
γ1 、γ2 :底刃の中心凹角
d:外周刃のマージン幅
Claims (1)
- 外周刃、およびコーナR部を介して該外周刃に接続された底刃から成る総て同一形状の複数の切れ刃を有し、軸心まわりに回転駆動されつつアルミニウムまたはアルミニウム合金の被加工物に対して軸心方向成分を含む方向へ相対移動させられることにより切削加工を行うたて彫り用のラジアスエンドミルであって、
前記底刃には前記コーナR部の75%以上の範囲を含んで刃当りするように底刃ギャッシュが設けられており、該底刃のすくい角が15°〜25°の範囲内で、該底刃の中心凹角が15°〜25°の範囲内で、該底刃の前記コーナR部には1刃毎に異なる位置に一つずつニックが設けられている
ことを特徴とするラジアスエンドミル。
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