JP4371269B2 - 自動変速機の制御装置および制御方法 - Google Patents

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本発明は、自動変速機の制御装置および制御方法に係り、特に自動変速機の変速時の解放制御に好適な自動変速機の制御装置および制御方法に関する。
手動変速機の自動車は、トルクコンバータを用いた変速機を搭載するものに比べ燃費がすぐれている。しかし、発進時のクラッチとアクセルの連携操作が難しいものとなっている。この発進時のクラッチとアクセルの連携操作がうまくいかなければ、クラッチ締結時に大きなショックが発生したり、クラッチ圧が足りなければ、エンジン回転数が急激に上昇する,所謂吹き上がり現象が生じる。また、エンジン回転数が十分でない内にクラッチを急に締結しようとしたり、坂道で発進するときなどでエンジンが停止してしまう,所謂エンストを起こすことがある。
これらを解決すべく、手動変速機の機構を用いてクラッチとギアチェンジを自動化したシステム,自動MT(自動化マニュアルトランスミッション)が開発されている。
しかし、従来の自動MTにおける変速時の制御では、クラッチの解放・締結操作により駆動トルクの中断が発生し、乗員に違和感を与えることがある。
そこで、変速中のトルク中断を回避するため、例えば、特開2003−336734号公報に記載のように、従来の自動MTに伝達トルク可変手段であるアシストクラッチを設け、変速を行う際に、このアシストクラッチを制御することで、変速のための回転数同期とトルク伝達を行う自動変速機を備えた自動車が知られている。
このような自動車においては、変速が開始されると、噛合い伝達手段によってトルク伝達を行っている歯車列を解放するため、変速機への入力トルクの少なくとも一部をアシストクラッチによって伝達し、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放する,ギア解放を行う。ギア解放時をショック無しに行うためには、入力トルクの大部分をアシストクラッチによって伝達し、歯車列の伝達トルクを十分に解除したタイミングで、噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめる必要がある。そのため、アシストクラッチトルクの立ち上げを開始してから所定時間経過したことを検出した後に、噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめる方向へ荷重をかけてギアを解放する制御が行われている。
このギア解放のタイミングずれによるショックを防止する方法として、特開2003−336734号公報に記載のように、前記駆動力源のトルクの少なくとも一部を前記伝達トルク可変手段によって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放するギア解放時に、歯車列の伝達トルクの全部が解除される前に、噛合い伝達手段を解放位置へ移動する方向に荷重をかけ、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部が解除されたときに、噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめるようにしたものが知られている。
一方、噛合い伝達手段に対して解放位置へ移動する指令が出された後、所定時間経過しても、ギアが解放されない場合には、米国特許第6503172号明細書に記載のように、強制的に噛み合い伝達手段を解放位置に移動し、解放遅れによるインターロックを防止することも知られている。
特開2003−336734号公報 米国特許第6503172号明細書
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の歯車列と、入力軸と出力軸の間に備えられた複数のトルク伝達手段とを有し、前記トルク伝達手段の少なくとも1つは伝達トルク可変手段であり、また少なくとも一つは噛合い伝達手段である歯車式変速機に用いられ、一方の歯車列から他方の歯車列へ変速するときに、前記伝達トルク可変手段を制御することで変速を行う自動変速機の制御装置であって、前記入力軸に駆動力を入力する駆動力源のトルクの少なくとも一部を前記伝達トルク可変手段によって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、前記噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放するギア解放手段と、ギア解放に要した時間が、予め設定した時間を超えた場合に、前記駆動力源のトルクを変化させるエンジントルク変化手段とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、噛み合い伝達手段解放時間が長期化したとしても、変速フィーリングを損ねずに噛み合い伝達手段を確実に解放し得るものとなる。
本発明の目的は、駆動力源や伝達トルク可変手段の機差ばらつきや経時劣化の影響等によって、噛み合い伝達手段解放時間が長期化したとしても、変速フィーリングを損ねずに噛み合い伝達手段を確実に解放することができる自動変速機の制御装置および制御方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、複数の歯車列と、入力軸と出力軸の間に備えられた複数のトルク伝達手段とを有し、前記トルク伝達手段の少なくとも1つは伝達トルク可変手段であり、また少なくとも一つは噛合い伝達手段である歯車式変速機に用いられ、一方の歯車列から他方の歯車列へ変速するときに、前記伝達トルク可変手段を制御することで変速を行う自動変速機の制御装置であって、前記入力軸に駆動力を入力する駆動力源のトルクの少なくとも一部を前記伝達トルク可変手段によって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、前記噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放するギア解放手段と、ギア解放に要した時間が、予め設定した時間を超えた場合に、ギア解放前に、前記駆動力源のトルクを変化させるエンジントルク変化手段とを備えるようにしたものである。
かかる構成により、噛み合い伝達手段解放時間が長期化したとしても、変速フィーリングを損ねずに噛み合い伝達手段を確実に解放し得るものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記エンジントルク変化手段は、前記駆動力源のトルクを減少させるものである。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記エンジントルク変化手段は、ギア解放時の駆動力源のトルクの変化量を、ギア解放に要した時間に応じて変えるものである。
(4)上記目的を達成するために、本発明は、複数の歯車列と、入力軸と出力軸の間に備えられた複数のトルク伝達手段とを有し、前記トルク伝達手段の少なくとも1つは伝達トルク可変手段であり、また少なくとも一つは噛合い伝達手段である歯車式変速機に用いられ、一方の歯車列から他方の歯車列へ変速するときに、前記伝達トルク可変手段を制御することで変速を行う自動変速機の制御方法であって、前記入力軸に駆動力を入力する駆動力源のトルクの少なくとも一部を前記伝達トルク可変手段によって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、前記噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放するとともに、ギア解放に要した時間が、予め設定した時間を超えた場合に、前記駆動力源のトルクを変化させるようにしたものである。
かかる方法により、噛み合い伝達手段解放時間が長期化したとしても、変速フィーリングを損ねずに噛み合い伝達手段を確実に解放し得るものとなる。
本発明によれば、変速中の駆動力源や伝達トルク可変手段の機差ばらつきや経時劣化の影響を低減し、噛み合い伝達手段の解放を確実に成し得るものとなる。
以下、図1〜図14を用いて、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置の第1の構成例について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置の第1のシステム構成例のスケルトン図である。
エンジン制御ユニット101は、駆動力源であるエンジン1に設けられたエンジン1の回転数を計測するエンジン回転数センサ(図示しない),エンジントルクを調節する機能(図示しない),吸入空気量に見合う燃料量を噴射するための燃料噴射装置などを制御して、吸入空気量,燃料量,点火時期等を操作することで、エンジン1のトルクを制御することができる。駆動力源としては、ガソリンエンジンのみならず、ディーゼルエンジン、天然ガスエンジンや、電動機などでもよいものである。
エンジン1には、入力軸クラッチ入力ディスク2が連結されており、入力軸クラッチ入力ディスク2と入力軸クラッチ出力ディスク3を係合,解放することで、エンジン1のトルクを変速機入力軸10に伝達,遮断することが可能である。入力軸クラッチには、一般に乾式単板方式が用いられるが、湿式多板クラッチや電磁クラッチなどすべての摩擦伝達手段を用いることも可能である。入力軸10には、第1ドライブギア4,第2ドライブギア5,第3ドライブギア6,第4ドライブギア7,第5ドライブギア8,後進ドライブギア(図示しない),および第7ドライブギア201が設けられている。入力軸クラッチ入力ディスク2と入
力軸クラッチ出力ディスク3間の押付け力(入力軸クラッチトルク)の制御には、油圧によって駆動するアクチュエータ22が用いられており、アクチュエータ22による押付け力(入力軸クラッチトルク)を調節することで、エンジン1の出力を入力軸10へ伝達,遮断を行うことができる。
また、第1ドライブギア4,第2ドライブギア5,第3ドライブギア6,第4ドライブギア7,第5ドライブギア8,後進ドライブギアは、変速機入力軸10に固定されており、第7ドライブギア201は、変速機入力軸10に回転自在に設けられている。また、入力軸回転数検出手段として、変速機入力軸10の回転数を検出するためのセンサ29が設けられている。
一方、変速機出力軸18には、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16,後進ドリブンギア(図示しない)が回転自在に設けられており、第7ドリブンギア202が変速機出力軸18に固定されている。第1ドリブンギア12は、第1ドライブギア4と噛合しており、第2ドリブンギア13は、第2ドライブギア5と噛合しており、第3ドリブンギア14は、第3ドライブギア6と噛合しており、第4ドリブンギア15は、第4ドライブギア7と噛合しており、第5ドリブンギア16は、第5ドライブギア8と噛合しており、後進ドリブンギア(図示しない)は、逆転ギア(図示しない)を介して後進ドライブギアと噛合しており、第7ドリブンギア202は、第7ドライブギア201と噛合している。 そして、第1ドリブンギア12と第2ドリブンギア13の間には、第1ドリブンギア12を変速機出力軸18に係合させたり、第2ドリブンギア13を変速機出力軸18に係合させる、噛合い伝達手段である第1噛合いクラッチ19が設けられている。したがって、第1ドライブギア4または第2ドライブギア5から、第1ドリブンギア12または第2ドリブンギア13に伝達された回転トルクは、第1噛合いクラッチ19に伝達され、第1噛合いクラッチ19を介して変速機出
力軸18に伝達される。
また、第3ドリブンギア14と第4ドリブンギア15の間には、第3ドリブンギア14を変速機出力軸18に係合させたり、第4ドリブンギア15を変速機出力軸18に係合させる、噛合い伝達手段である第2噛合いクラッチ20が設けられている。したがって、第3ドライブギア6または第4ドライブギア7から、第3ドリブンギア14または第4ドリブンギア15に伝達された回転トルクは、第2噛合いクラッチ20に伝達され、第2噛合いクラッチ20を介して変速機出力軸18に伝達される。
また、第5ドリブンギア16と後進ドリブンギア(図示しない)の間には、第5ドリブンギア16を変速機出力軸18に係合させたり、後進ドリブンギアを、変速機出力軸18に係合させる、噛合い伝達手段である第3噛合いクラッチ21が設けられている。したがって、第5ドライブギア8または後進ドライブギアから、第5ドリブンギア16または後進ドリブンギアに伝達された回転トルクは、第3噛合いクラッチ21に伝達され、第3噛合いクラッチ21を介して変速機出力軸18に伝達される。噛合いクラッチには、摩擦力によって回転数をスムーズに合わせるシンクロナイザ機構を付加することが望ましいものである。
このように、変速機入力軸10の回転トルクを、第1噛合いクラッチ19,または第2噛合いクラッチ20,または第3噛合いクラッチ21に伝達するためには、第1噛合いクラッチ19,または第2噛合いクラッチ20,または第3噛合いクラッチ21のうちいずれか一つを変速機出力軸18の軸方向に移動させ、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16,または後進ドリブンギアのいずれか一つと締結する必要があり、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16,または後進ドリブンギアのいずれか一つと変速機出力軸18とを締結するには、第1噛合いクラッチ19,または第2噛合いクラッチ20,または第3噛合いクラッチ21のいずれか一つを移動する訳であるが、第1噛合いクラッチ19,または第2噛合いクラッチ20,または第3噛合いクラッチ21のいずれか一つを移動するには、シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,セレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26によって、シフト/セレクト機構27を動作させることによって行う。第1噛合いクラッチ19,または第2噛合いクラッチ20,または第3噛合いクラッチ21のいずれか一つを第
1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16,または後進ドリブンギアのいずれか一つに締結させることで、変速機入力軸10の回転トルクを、第1噛合いクラッチ19,または第2噛合いクラッチ20,または第3噛合いクラッチ21のいずれか一つを介して駆動輪出力軸18へと伝達することができる。
また、出力軸回転数検出手段として、変速機出力軸18の回転数を検出するためのセンサ30が設けられている。シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,およびセレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26は、電磁弁を用いて構成するか、または電動機等によって構成してもよいものである。また、シフト/セレクト機構27は、シフターレール,シフターフォークなどによって構成するか、またはドラム式としてもよいものである。また、シフト/セレクト機構27には、走行時のギア抜け防止のためにギア位置を保持する位置保持機構(図示しない)が設けられている。シフト第1ア
クチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,セレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26の動作と、第1噛合いクラッチ19,第2噛合いクラッチ20,第3噛合いクラッチ21の動作関係は、図3を用いて後述する。
また、伝達トルク可変手段の一方式であるアシストクラッチ203,204が備えられており、第7ドライブギア201と、アシストクラッチ入力ディスク203が連結され、変速機入力軸10とアシストクラッチ出力ディスク204が連結され、アシストクラッチ入力ディスク203とアシストクラッチ出力ディスク204を係合することで、第7ドリブンギア202のトルクを変速機出力軸18に伝達することができる。
アシストクラッチ入力ディスク203とアシストクラッチ出力ディスク204間の押付け力(アシストクラッチトルク)の制御には、油圧によって駆動するアクチュエータ205が用いられており、この押付け力(アシストクラッチトルク)を調節することで、エンジン1の出力を伝達、遮断することができる。
伝達トルク可変手段は、摩擦伝達手段を用いて構成するか、または電動発電機などによって構成してもよいものである。ここで、摩擦伝達手段は、摩擦面の押し付け力によって摩擦力を発生させてトルクを伝達する手段であり、代表的なものとして、摩擦クラッチがある。摩擦クラッチには、乾式単板クラッチ,乾式多板クラッチ,湿式多板クラッチ,電磁クラッチ等がある。本例では、アシストクラッチ203,204には、摩擦伝達手段である湿式多板クラッチを用いているが、他の全ての伝達トルク可変手段を用いることが可能である。
このように第1ドライブギア4,第2ドライブギア5,第3ドライブギア6,第4ドライブギア7,第5ドライブギア8,後進ドライブギア,第7ドライブギア201から、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16,後進ドリブンギア,第7ドリブンギア202を介して変速機出力軸18に伝達された変速機入力軸10の回転トルクは、変速機出力軸18に連結されたディファレンシャルギア(図示しない)を介して車軸(図示しない)に伝えられる。
入力軸クラッチ入力ディスク2と入力軸クラッチ出力ディスク3間の押付け力(入力軸クラッチトルク)を発生させる入力軸クラッチアクチュエータ22や、アシストクラッチ入力ディスク203とアシストクラッチ出力ディスク204間の押付け力(アシストクラッチトルク)を発生させるアシストクラッチアクチュエータ205は、油圧制御ユニット102によって、各アクチュエータに設けられた電磁弁(図示せず)の電流を制御することで、各アクチュエータに設けられた油圧シリンダ(図示せず)のストローク量を調節して、各アクチュエータの油圧を制御し、各クラッチの伝達トルクの制御を行っている。また、油圧制御ユニット102によって、セレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26に設けられた電磁弁(図示せず)の電流を制御することで、各アクチュエータに設けられた油圧シリンダ(図示せず)のストロ
ーク量を調節して各アクチュエータの油圧を制御し、第1噛合いクラッチ19,第2噛合いクラッチ20,第3噛合いクラッチ21のいずれを移動するか選択している。
また、油圧制御ユニット102によって、シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24各アクチュエータに設けられた電磁弁(図示せず)の電流を制御することで、各アクチュエータに設けられた油圧シリンダ(図示せず)のストローク量を調節して各アクチュエータの油圧を制御することによって、第1噛合いクラッチ19,第2噛合いクラッチ20,第3噛合いクラッチ21を動作させる荷重を制御できる。
本実施形態においては、シフト/セレクト機構27を駆動するアクチュエータであるシフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,および
セレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26には、油圧アクチュエータを用いているが、電動機等による電気アクチュエータによって構成してもよいものである。また、シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24のかわりに一つのアクチュエータ、セレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26のかわりに一つのアクチュエータとして構成してもよいものである。また、第1噛合いクラッチ19,第2噛合いクラッチ20,第3噛合いクラッチ21を動作させる機構としては、シフターレール,シフターフォークなどによって構成するか、またはドラム式など、噛合いクラ
ッチ19,20,21を移動させるための他の手段を用いても構成可能である。
また本実施形態においては、入力軸クラッチアクチュエータ22,アシストクラッチアクチュエータ205には、油圧アクチュエータを用いているが、電動機等による電気アクチュエータによって構成してもよいものである。
また、エンジン1は、エンジン制御ユニット101により、吸入空気量,燃料量,点火時期等を操作することで、エンジン1のトルクを高精度に制御する。
そして、油圧制御ユニット102とエンジン制御ユニット101は、パワートレイン制御ユニット100によってコントロールされている。パワートレーン制御ユニット101,エンジン制御ユニット101,油圧制御ユニット102は、通信手段103によって相互に情報を送受信する。
本実施形態においては、油圧アクチュエータを用いているため、油圧アクチュエータを制御する油圧制御ユニット102を用いているが、電動機等による電気アクチュエータの場合は、油圧制御ユニット102のかわりに電動機制御ユニットとなる。
次に、図2を用いて、本実施形態による自動車の制御装置の第2の構成例について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置の第2のシステム構成例のスケルトン図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本構成例が、図1に図示の構成例と異なる点は、図1に図示の構成例が、変速機入力軸10と、変速機出力軸18の2軸で構成されているのに対し、本構成例では、カウンタ軸208を含んだ3軸で構成している点である。すなわち、エンジン1の動力は、入力ドライブギア206から入力ドリブンギア207に伝えられ、カウンタ軸208から第1ドライブギア4,第2ドライブギア5,第3ドライブギア6,第4ドライブギア7,第5ドライブギア8,後進ドライブギア(図示しない),第7ドライブギア201と、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア1
6,後進ドリブンギア(図示しない),第7ドリブンギア202を介して、変速機出力軸18に伝達される。また、アシストクラッチに連結する第7ドライブギア201,第7ドリブンギア202を所定の変速段として構成してもよいものである。
このように、本実施形態は、複数の歯車列を備えた歯車式変速機と、変速機の入力軸と出力軸の間に複数のトルク伝達手段を備え、トルク伝達手段の少なくとも1つを伝達トルク可変手段とした種々の変速機に適用可能である。
次に、図3を用いて、本実施形態による自動車の制御装置の第3の構成例について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置の第3のシステム構成例のスケルトン図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
本構成例が、図1の構成と異なる点は、図1に図示の構成例が入力軸クラッチ入力ディスク2,入力軸クラッチ出力ディスク3の係合によってエンジン1のトルクを変速機入力軸10に伝達するように構成されているのに対し、本構成例がツインクラッチで構成している点である。すなわち、エンジン1と入力軸クラッチ入力ディスク301は直結され、入力軸クラッチ第1出力ディスク302は変速機第1入力軸312に、入力軸クラッチ第2出力ディスク303は変速機第2入力軸304に直結されている。変速機第2入力軸304は中空になっており、変速機第1入力軸312は、変速機第2入力軸304の中空部分を貫通し、変速機第2入力軸304に対し回転方向への相対運動が可能な構成となっている。変速機第2入力軸304には、第1ドライブギア4と第3ドライブギア6と第5ドライブギア8が固定されており、変速機第1入力軸312に対しては、回転自在となっている。また、変速機第1入力軸312には、第2ドライブギア5と第4ドライブギア7が固定されており、変速機第2入力軸304に対しては、回転自在となっている。入力軸クラッチ入力ディスク301と入力軸クラッチ第1出力ディスク302の係合,解放は入力軸クラッチ第1アクチュエータ305によって行われ、入力軸クラッチ入力ディスク301と入力軸クラッチ第2出力ディスク303の係合,解放は入力軸クラッチ第2アクチュエータ306によって行われる。
そして、第1ドリブンギア12と第3ドリブンギア14の間には、第1ドリブンギア12を変速機出力軸18に係合させたり、第3ドリブンギア14を変速機出力軸18に係合させる、第1噛合いクラッチ309が設けられている。したがって、第1ドライブギア4、または第3ドライブギア6から第1ドリブンギア12または第3ドリブンギア14に伝達された回転トルクは、第1噛合いクラッチ309に伝達され、第1噛合いクラッチ309を介して変速機出力軸18に伝達される。
また、第2ドリブンギア13と第4ドリブンギア15の間には、第2ドリブンギア13を変速機出力軸18に係合させたり、第4ドリブンギア15を変速機出力軸18に係合させる、第3噛合いクラッチ311が設けられている。したがって、第2ドライブギア5、または第4ドライブギア7から第2ドリブンギア13または第4ドリブンギア15に伝達された回転トルクは、第3噛合いクラッチ311に伝達され、第3噛合いクラッチ311を介して変速機出力軸18に伝達される。
また、第5ドリブンギア16には、第5ドリブンギア16を変速機出力軸18に係合させる、第2噛合いクラッチ310が設けられている。したがって、第5ドライブギア8から第5ドリブンギア16に伝達された回転トルクは、第2噛合いクラッチ310に伝達され、第2噛合いクラッチ310を介して変速機出力軸18に伝達される。
このように、変速機第1入力軸312、および変速機第2入力軸304の回転トルクを第1噛合いクラッチ309、または第2噛合いクラッチ310、または第3噛合いクラッチ311に伝達するためには、第1噛合いクラッチ309、または第2噛合いクラッチ310、または第3噛合いクラッチ311のうちいずれか一つを変速機出力軸18の軸方向に移動させ、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16のいずれか一つと締結する必要があり、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16のいずれか一つと変速機出力軸18とを締結するには、第1噛合いクラッチ309、または第2噛合いクラッチ310、または第3噛合いクラッチ311のいずれか一つを移動する訳であるが、第1噛合いクラッチ309、または第2噛合いクラッチ310、または第3噛合いクラッチ311のいずれか一つを移動するには、シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,セレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26によって、シフト/セレクト機構313を動作させることによって行う。
例えば、第1ドライブギア4、および第1ドリブンギア12によって変速機出力軸18にトルク伝達を行っている場合を第1変速段,第3ドライブギア6、および第3ドリブンギア14によって変速機出力軸18にトルク伝達を行っている場合を第3変速段,第4ドライブギア7、および第4ドリブンギア15によって変速機出力軸18にトルク伝達を行っている場合を第4変速段、とすると、第1変速段から第3変速段へのアップシフト変速や、第3変速段から第1変速段へのダウンシフト変速は、入力軸クラッチ第1出力ディスク302を開放状態とし、第3噛合いクラッチ311と第4ドリブンギア15を係合状態とした状態から、図1に図示の実施の形態における、アシストクラッチおよびシフトと同様の制御を行うことで変速することが可能である。
また、例えば、第2ドライブギア5、および第2ドリブンギア13によって変速機出力軸18にトルク伝達を行っている場合を第2変速段,第4ドライブギア7、および第4ドリブンギア15によって変速機出力軸18にトルク伝達を行っている場合を第4変速段,第5ドライブギア8、および第5ドリブンギア16によって変速機出力軸18にトルク伝達を行っている場合を第5変速段、とすると、第2変速段から第4変速段へのアップシフト変速や、第4変速段から第2変速段へのダウンシフト変速は、入力軸クラッチ第2出力ディスク303を開放状態とし、第2噛合いクラッチ310と第5ドリブンギア16を係合状態とした状態から、図1に図示の実施の形態における、アシストクラッチおよびシフトと同様の制御を行うことで変速することが可能である。
次に、図4を用いて、本実施形態による自動車の制御装置におけるクラッチとドリブンギアの噛合い関係について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置におけるクラッチとドリブンギアの噛合い関係の説明図である。
図4(A)は、シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,およびセレクト第1アクチュエータ25,セレクト第2アクチュエータ26によって、シフト/セレクト機構27,すなわちシフト位置・セレクト位置を制御することによる、第1噛合いクラッチ19,第2噛合いクラッチ20,第3噛合いクラッチ21と、第1ドリブンギア12,第2ドリブンギア13,第3ドリブンギア14,第4ドリブンギア15,第5ドリブンギア16,後進ドリブンギアの噛合いの関係を示している。
図4(A)に示すように、セレクト第1アクチュエータ25を加圧し、セレクト第2アクチュエータ26は抜圧して、セレクト位置をSL1の位置として第1噛合いクラッチ19を移動することを選択し、シフト第1アクチュエータ23を加圧し、シフト第2アクチュエータ24は抜圧して、シフト荷重を制御してシフト位置を制御し、シフト位置をSF1の位置とすることで、シフト位置、セレクト位置が点P1の位置に移動し、図4(B)に示すように、第1噛合いクラッチ19と第1ドリブンギア12が噛合して第1速度段となる。
図4(A)に示すように、セレクト第1アクチュエータ25を加圧し、セレクト第2アクチュエータ26は抜圧して、セレクト位置をSL1の位置として第1噛合いクラッチ19を移動することを選択し、シフト第1アクチュエータ23を抜圧し、シフト第2アクチュエータ24は加圧して、シフト荷重を制御してシフト位置を制御し、シフト位置をSF3の位置とすることで、シフト位置、セレクト位置が点P2の位置に移動し、図4(B)に示すように、第1噛合いクラッチ19と第2ドリブンギア13が噛合して第2速度段となる。
図4(A)に示すように、セレクト第1アクチュエータ25、セレクト第2アクチュエータ26をともに加圧して、セレクト位置をSL2の位置として第2噛合いクラッチ20を移動することを選択し、シフト第1アクチュエータ23を加圧し、シフト第2アクチュエータ24は抜圧して、シフト荷重を制御してシフト位置を制御し、シフト位置をSF1の位置とすることで、シフト位置、セレクト位置が点P3の位置に移動し、図4(B)に示すように、第2噛合いクラッチ20と第3ドリブンギア14が噛合して第3速度段となる。
図4(A)に示すように、セレクト第1アクチュエータ25、セレクト第2アクチュエータ26をともに加圧して、セレクト位置をSL2の位置として第2噛合いクラッチ20を移動することを選択し、シフト第1アクチュエータ23は抜圧し、シフト第2アクチュエータ24は加圧して、シフト荷重を制御してシフト位置を制御し、シフト位置をSF3の位置とすることで、シフト位置、セレクト位置が点P4の位置に移動し、図4(B)に示すように、第2噛合いクラッチ20と第4ドリブンギア15が噛合して第4速度段となる。
図4(A)に示すように、セレクト第1アクチュエータ25は抜圧し、セレクト第2アクチュエータ26は加圧して、セレクト位置をSL3の位置として第2噛合いクラッチ21を移動することを選択し、シフト第1アクチュエータ23は加圧し、シフト第2アクチュエータ24は抜圧して、シフト荷重を制御してシフト位置を制御し、シフト位置をSF1の位置とすることで、シフト位置、セレクト位置が点P5の位置に移動し、図4(B)に示すように、第3噛合いクラッチ21と第5ドリブンギア16が噛合して第5速度段となる。
図4(A)に示すように、セレクト第1アクチュエータ25は抜圧し、セレクト第2アクチュエータ26は加圧して、セレクト位置をSL3の位置として第3噛合いクラッチ21を移動することを選択し、シフト第1アクチュエータ23は抜圧し、シフト第2アクチュエータ24は加圧して、シフト荷重を制御してシフト位置を制御し、シフト位置をSF3の位置とすることで、シフト位置、セレクト位置が点PRの位置に移動し、図4(B)に示すように、第3噛合いクラッチ21と後進ドリブンギアが噛合して後進段となる。
図4(A)に示すように、シフト第1アクチュエータ23と、シフト第2アクチュエータ24をともに加圧して、シフト荷重を制御することによってシフト位置を制御し、シフト位置をSF2の位置とすると、ギア噛合は解放され、ニュートラルとなる。
次に、図5を用いて、本実施形態による自動車の制御装置におけるパワートレーン制御ユニット100と、エンジン制御ユニット101と、油圧制御ユニット102との間の通信手段103による入出力信号関係について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置におけるパワートレーン制御ユニットと、エンジン制御ユニットと、油圧制御ユニットとの間の通信手段による入出力信号関係の説明図である。
パワートレーン制御ユニット100は、入力部100iと、出力部100oと、コンピュータ100cとを備えたコントロールユニットとして構成される。同様に、エンジン制御ユニット101も、入力部101iと、出力部101oと、コンピュータ101cとを備えたコントロールユニットとして構成される。油圧制御ユニット102も、入力部102iと、出力部102oと、コンピュータ102cとを備えたコントロールユニットとして構成される。
パワートレーン制御ユニット100からエンジン制御ユニット101に、通信手段103を用いてエンジントルク指令値tTeが送信される。エンジン制御ユニット101は、エンジントルク指令値tTeを実現するように、エンジン1の吸入空気量,燃料量,点火時期等(図示しない)を制御する。また、エンジン制御ユニット101内には、変速機への入力トルクとなるエンジントルクの検出手段(図示しない)が備えられ、エンジン制御ユニット101によってエンジン1の回転数Ne,エンジン1が発生したエンジントルクTeを検出し、通信手段103を用いてパワートレーン制御ユニット100に送信する。エンジントルク検出手段には、トルクセンサを用いるか、またはインジェクタの噴射パルス幅や吸気管内の圧力とエンジン回転数等など、エンジンのパラメータによる推定手段としてもよいものである。
パワートレーン制御ユニット100から油圧制御ユニット102に入力軸クラッチ目標トルクTTqSTA,目標シフト荷重Fsft,目標セレクト位置tpSEL,アシストクラッチ目標トルクTTqが送信される。油圧制御ユニット102は、受信した目標値に対して、入力軸クラッチ目標トルクTTqSTAを実現するよう、入力軸クラッチアクチュエータ22を制御して、入力軸クラッチ入力ディスク2,入力軸クラッチ出力ディスク3を係合,解放する。また、目標シフト荷重Fsft,目標セレクト位置tpSELを実現するよう、シフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24,セレクト第1アクチュエー
タ25,セレクト第2アクチュエータ26を制御し、シフト/セレクト機構27を操作することにより、シフト位置,セレクト位置を制御し、第1噛合いクラッチ19,第2噛合いクラッチ20,第3噛合いクラッチ21の噛合,解放を行う。また、アシストクラッチ目標トルクTTqを実現するよう、アシストクラッチアクチュエータ205を制御して、アシストクラッチ入力ディスク203,アシストクラッチ出力ディスク204を係合,解放する。
また、油圧制御ユニット102によって、入力軸クラッチの係合,解放を示す位置信号rpSTA,シフト位置信号rpSFT,セレクト位置信号rpSELを検出し、パワートレーン制御ユニット100に送信する。
また、パワートレーン制御ユニット100には、入力軸回転センサ29,出力軸回転センサ30から、入力軸回転数Ni,出力軸回転数Noがそれぞれ入力され、また、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ等のシフトレバー位置を示すレンジ位置信号RngPosと、アクセルペダル踏み込み量Apsと、ブレーキが踏み込まれているか否かを検出するブレーキスイッチからのON/OFF信号Brkが入力される。
パワートレーン制御ユニット100は、例えば、運転者がシフトレンジをDレンジ等にしてアクセルペダルを踏み込んだときは、運転者に発進、加速の意志があると判断し、また、運転者がブレーキペダルを踏み込込んだときは、運転者に減速、停止の意志があると判断し、運転者の意図を実現するように、エンジントルク指令値tTe,入力軸クラッチ目標トルクTTqSTA,目標シフト荷重Fsft,目標セレクト位置tpSELを設定する。また、出力軸回転数Noから算出する車速Vspとアクセルペダル踏み込み量Apsから変速段を設定し、設定した変速段への変速動作を実行するよう、エンジントルク指令値tTe,入力軸クラッチ目標トルクTTqSTA,目標シフト荷重Fsft,目標セレクト位置tpSEL,アシストクラッチ目標トルクTTqを設定する。ここで、目標シフト荷重Fsft>0のときは、油圧制御ユニット102は、図5のシフト位置がSF1側へ移動する向きにシフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24を制御し、Fsft<0のときは、油圧制御ユニット102は、図5のシフト位置がSF3側へ移動する向きにシフト第1アクチュエータ23,シフト第2アクチュエータ24を制御する。
次に、図6〜図14を用いて、本実施形態による自動車の制御装置による変速制御の制御内容について説明する。
最初に、図6を用いて、本実施形態による自動車の制御装置による変速制御の全体の制御内容について説明する。
図6は、本発明の実施形態による自動車の制御装置による変速制御の制御内容を示すフローチャートである。
以下に示す変速制御の内容は、パワートレーン制御ユニット100のコンピュータ100cにプログラミングされ、あらかじめ定められた周期で繰り返し実行される。すなわち、以下のステップ501〜509の処理は、パワートレーン制御ユニット100によって実行される。
ステップ501において、パワートレーン制御ユニット100は、パラメータを読み込み、ステップ502において、変速が開始しているか否かを判定する。変速開始か否かの判定は、読み込まれたパラメータの内、車速Vspとアクセルペダル踏み込み量Apsから変速段を設定する。この設定された変速段が、現在の変速段と異なる場合には、変速を開始し、同じ場合には変速を行わない。変速開始時には、ステップ503に進み、変速を行わない場合には、処理を終了する。
変速動作を開始するときは、ステップ503(解放制御フェーズ)において、ギアを解放するため、解放制御を実行する。解放制御の詳細については、図8以降を用いて後述する。
次に、ステップ504において、解放制御完了か否かを判定する。解放制御完了か否かを判定は、シフト位置rpSFTが解放位置と判定できる位置,すなわち、図4におけるシフト位置SF2付近の所定範囲内であるか否かで判定する。解放位置と判定する閾値をそれぞれSF1OFF,SF3OFFとすると、SF1OFF≧rpSFT≧SF3OFFとする。ここで、閾値SF1OFF,SF3OFFは、噛合いクラッチが噛合い状態ではなくなる位置の中で、できるかぎり広い範囲とすることが望ましいものである。ステップ504の判定によって、解放制御完了の場合はステップ505へ進み、未完了の場合は再度ステップ503を実行する。
解放制御が終了すると、ステップ505(回転同期制御フェーズ)において、入力回転数を次変速段相当の回転数(目標回転数)に同期するよう、アシストクラッチトルクを制御する。
そして、ステップ506において、回転同期制御が完了しているか否かを判定する。回転同期制御の完了条件は、次変速段の回転数(目標回転数)と入力回転数の回転差が小さくなった場合(|入力回転数Ni−出力回転数No×目標変速段ギア比γn|が小さい),かつ、セレクト位置が目標位置にいる場合とする。セレクト位置の判定は、例えば2→3変速の場合、図4におけるセレクト位置rpSELがSL2付近の所定範囲内であるか否かで判定する。回転差の条件,セレクト位置の条件ともに、判定には時間ディレイを設けることが望ましいものである。
ステップ506の判定によって、同期制御完了の場合は、ステップ507(締結制御フェーズ)に進み、同期制御が未完了の場合は、再度ステップ505へ進み、同期制御を続行する。
同期制御が完了すると、ステップ507(締結制御フェーズ)において、ギアを締結するため、締結制御を実行する。
次に、ステップ508において、締結制御が完了か否かを判定する。ここで、締結制御の完了条件は、シフト位置が目標位置にいる場合とする。シフト位置の判定は、例えば2→3変速の場合、図4におけるシフト位置rpSFTがSF1付近の所定範囲内であるか否かで判定する。
締結制御完了時はステップ509(変速終了フェーズ)へ進み、アシストクラッチの目標トルクTTqを0とし、その後変速制御を終了する。締結制御未完了時は、再度ステップ507へ進み、締結制御を続行する。
次に、図7を用いて、本実施形態による自動車の制御装置による変速制御の制御内容の経過時間を示すタイマの内容について説明する。
図7は、本発明の実施形態による自動車の制御装置による変速制御の制御内容の経過時間を示すタイマの内容を示すフローチャートである。
以下に示すタイマの内容は、パワートレーン制御ユニット100のコンピュータ100cにプログラミングされ、あらかじめ定められた周期で繰り返し実行される。すなわち、以下のステップ601〜608の処理は、パワートレーン制御ユニット100によって実行される。
ステップ601において、パワートレーン制御ユニット100は、変速中であるか否かの判定を行い、制御制御中はステップ602へ、変速中ではない場合はステップ608へ進み、解放制御フェーズタイマTm_op、回転同期制御フェーズタイマTm_ns、締結制御フェーズタイマTm_cnをそれぞれリセットする。
ステップ602では、解放制御フェーズであるか否かを判定する。解放制御フェーズの場合はステップ605へ進み、解放制御フェーズタイマTm_opをカウントアップする。解放制御フェーズではない場合は、ステップ603へ進む。
ステップ603では、回転同期制御フェーズであるか否かの判定を行う。回転同期制御フェーズである場合はステップ606へ進み、回転同期制御フェーズタイマTm_nsをカウントアップする。回転同期制御フェーズではない場合は、ステップ604へ進む。
ステップ604では、締結制御フェーズであるか否かの判定を行う。締結制御フェーズの場合はステップ607へ進み、締結制御フェーズタイマTm_cnをカウントアップする。締結制御フェーズではない場合は、処理なしとする。
次に、図8〜図14を用いて、本実施形態による自動車の制御装置による変速制御のステップ503(解放制御フェーズ)の制御内容について説明する。
最初に、図8を用いて、本実施形態による変速制御の解放制御フェーズの全体的な制御内容について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの全体的な制御内容を示すフローチャートである。
図8のステップ503に示した解放制御フェーズは、ステップ701(シフト制御処理)と、ステップ702(アシストクラッチ制御処理)から構成される。ステップ701(シフト制御処理)の詳細は図9を用いて後述し、ステップ702(アシストクラッチ制御処理)の詳細は図12を用いて後述する。
次に、図9〜図11を用いて、図8のステップ701(シフト制御処理)の詳細な制御内容について説明する。
図9は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のシフト制御処理の制御内容を示すフローチャートである。図10は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のシフト制御処理で用いる解放最大時間Tm_op_mx、目標シフト荷重Fsftを算出する関数構造の説明図である。図11は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のシフト制御処理の中のエンジントルクダウン処理におけるエンジントルクゲインの低減割合の説明図である。
図9のステップ801において、パワートレーン制御ユニット100は、パラメータを読み込み、ステップ802において、解放制御フェーズ開始直後か否かを判定する。
解放制御フェーズタイマTm_op=0のときは、ステップ803において、解放最大時間Tm_op_mxを設定し、ステップ804へ進む。解放最大時間Tm_op_mxは入力トルクTq_inの関数とする。解放最大時間Tm_op_mxの算出関数f1は、図9(A)に示すように、入力トルクTq_inを入力として算出する構成とする。さらには、解放する変速段毎に別設定とすることが望ましいものである。
解放制御フェーズタイマTm_op≠0のときは、ステップ804へ進む。
次に、ステップ804において、時間判定を行う。解放制御フェーズタイマTm_op<解放最大時間Tm_op_mxの場合は、ステップ805(シフト荷重制御処理1)を実行する。ステップ805における目標シフト荷重Fsftは、解放制御フェーズタイマTm_opの関数とする。目標シフト荷重Fsftの算出関数g1は、図9(B)に示すように、解放制御フェーズタイマTm_opを入力として算出する構成とする。
解放制御フェーズタイマTm_op≧解放最大時間Tm_op_mxの場合は、ステップ806(エンジントルクダウン処理)を実行する。
ステップ806(エンジントルクダウン処理)では、図11に示すように、エンジントルクゲインを、解放制御フェーズタイマ Tm_opにしたがって100%から低減する。ここで、ギア解放時のエンジンのトルクの変化量は、ギア解放に要した時間に応じて変えるようにしている。最終的なエンジントルク指令は、元々のエンジントルク指令に、図11の割合(%)を乗じて算出する。
噛合いクラッチの移動に対する抵抗として、噛合いクラッチおよびシフト機構の摩擦抵抗,走行時のギア抜け防止のためにギア位置を保持する位置保持機構の保持力,歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによる抵抗等がある。図10(B)の関数g1の設定値は、噛合いクラッチおよびシフト機構の摩擦抵抗,ギア位置を保持する位置保持機構の保持力の合計よりも高い値とすることが望ましいものである。さらには、解放する変速段毎に別設定とすることが望ましいものである。
次に、図12及び図13を用いて、図8のステップ702(アシストクラッチ制御処理)の詳細な制御内容について説明する。
図12は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のアシストクラッチ制御処理の制御内容を示すフローチャートである。図13は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のアシストクラッチ制御処理で用いる目標トルクゲインKtrqを算出する関数構造の説明図である。
図12のステップ1001において、パワートレーン制御ユニット100は、パラメータを読み込み、ステップ1002で目標とする解放トルクTTq_offを設定する。目標解放トルクTTq_offは、入力トルクTq_inにゲインKgをかけて算出する。入力トルクTq_inは、変速機に入力されるトルクであり、エンジントルクTeを元に算出する。ゲインKgは、解放する変速段毎に設定することが望ましいものである。
次に、ステップ1003において、目標トルクゲインKtrqを設定する。目標トルクゲインKtrqは、解放制御フェーズタイマTm_opの関数とする。目標トルクゲインKtrqは、解放制御フェーズタイマTm_opを入力として算出する構成とする。さらには、解放する変速段毎に別設定とすることが望ましいものである。またさらには、入力トルクTq_in毎に別設定とすることが望ましいものである。
次に、ステップ1004において、目標解放トルクTTq_offに目標トルクゲインKtrqを乗算することによって、アシストクラッチ目標トルクTTqを算出する。目標トルクゲインKtrqを0から徐々に増加させることで、アシストクラッチトルクTTqを0から徐々に増加する。
本実施形態における特徴的な点は、噛合いクラッチの解放制御において、図9のステップ806におけるエンジントルクダウンを実行することにより、噛合いクラッチの解放時間が所定時間を超えた場合にも、ショックを回避して、噛み合いクラッチの解放を確実に終了させることにある。
ここで、図1を用いて、原動機1で発生したトルクが、出力軸18に伝達されるルートについて説明すると、アシストクラッチ203,204を経由して伝達されるルートと、噛合いクラッチ19,20,21を経由して伝達されるルートがある。入力軸10に対する入力トルクをTiとし、出力軸18から出力される出力トルクをToとし、アシストクラッチ203,204を経由して伝達されるトルクをTaとすると、出力トルクをToは、以下の式(1)から、

To=γA・Ta+(Ti−Ta)×γ1 …(1)

となる。ここで、γAは、アシストクラッチ203,204に接続された第7ギア201,202のギア比であり、γ1は噛合いクラッチ19を用いてトルクを伝達する1速ギア4,12のギア比である。
上述したように、変速が開始すると、アシストクラッチトルクTa(上述の説明におけるアシストクラッチトルクTTq)が0から徐々に増加する。そして、Ti=Taのタイミングが、噛合いクラッチを解放する最適タイミングであり、このタイミングで解放すると、トルク段差をなくすることができる。
一方、噛合いクラッチの移動に対する総合抵抗力Fとして、噛合いクラッチおよびシフト機構の摩擦抵抗力F1と、走行時のギア抜け防止のためにギア位置を保持する位置保持機構の保持力F2と、歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによる抵抗力F3等がある。すなわち、総合抵抗力Fは、以下の式(2)から、

F=F1+F2+F3 …(2)

となる。ここで、歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによる抵抗F3は、歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによって変化し、噛合いクラッチを解放する最適タイミング(Ti=Ta)では伝達トルクは、0となる。従って、このときの総合抵抗力Fは、以下の式(3)から、

F=F1+F2 …(3)

となる。
本実施形態では、噛合いクラッチが伝達しているトルクが解除される前に噛合いクラッチを解放位置へ移動する方向に、摩擦抵抗および保持力による抵抗による抵抗力F1+F2よりも高い荷重F4をかけるようにしている。この荷重F4が、図10(B)に示したシフト荷重Fsftである。抵抗力F1+F2よりも高い荷重F4(シフト荷重Fsft)をかけることにより、アシストクラッチによってエンジン1のトルクを伝達し、歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによる抵抗F3が十分小さくなった時点で、噛合いクラッチを解放位置へ移動する方向への荷重F4が、噛合いクラッチの移動に対する抵抗F(=F1+F2)よりも大きくなり、噛合いクラッチが解放位置へ移動し、ギア解放が行われる。
このとき、何らかの外乱により、歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによる抵抗F3が十分小さくならない、つまりアシストクラッチ伝達トルクが十分Tiに近づかないケースと、アシストクラッチ伝達トルクがTi以上になってしまう2つの異常ケースが考えられ、このとき、解放フェーズが終了せずに、変速処理から抜けられなくなる。
従来技術のように、解放制御時間がある時間を超えたとき、強制的に噛み合いクラッチを解放する荷重を予め設定した値以上にして、噛み合いクラッチを解放する方法のように、トルクのバランスができていないところで噛み合いクラッチを強制的に解放すると、式(1)で上述したように、アシストクラッチ203,204を経由して伝達されるルートと、噛合いクラッチ19,20,21を経由して伝達されるルートのうち、噛み合いクラッチを経由して伝達されるルートが急激に解放されるので、前述の式(1)、

To=γA・Ta+(Ti−Ta)×γ1 …(1)

において、Toが(γA・Ta+(Ti−Ta)×γ1)の状態から(γA・Ta)の状態になり、((Ti−Ta)×γ1)のトルク段差がステップ状に発生して、大きなショックとなる。
本実施例の特徴は、前記問題を解決するために、図9のエンジントルクダウン処理806を導入したことにある。前述の式(2)、

F=F1+F2+F3 …(2)

において、歯車列(噛合いクラッチ)が伝達するトルクによる抵抗力F3がエンジントルクダウンを徐徐に実施すると、F3はエンジントルクに比例するので次第に小さくなり総合締結力Fは、

F=F1+F2 …(3)

に近づくので、抵抗力F1+F2よりも高い荷重F4(F4>F1+F2)をかけるようにしておけば、つまりアシストクラッチ伝達トルクが十分Tiに近づかないケースと、アシストクラッチ伝達トルクがTi以上になる2つの異常ケースにおいても、自ずからショックなしに噛み合いクラッチが解放できる。
ここで、図14を用いて、本発明の一実施形態による自動車の制御装置によるアップシフト時の制御内容について説明する。
図14は、本発明の一実施形態による自動車の制御装置によるアップシフト時の制御内容を示すタイムチャートである。
図14は、アシストクラッチトルクが立ち上がる前にシフト荷重をかけるように、シフト荷重Fsftを算出する図10の関数g1、アシストクラッチトルクTTqの立ち上がりを設定する目標トルクゲインKtrqを算出する図13の関数h1の設定したときの第1変速段から第2変速段へのアップシフト時の制御内容を示している。
図14において、時刻t1から時刻t2の期間が解放制御フェーズ、時刻t2から時刻t3の期間が回転同期制御フェーズ、時刻t3から時刻t4の期間が締結制御フェーズ、時刻t4から時刻t5の期間が変速終了フェーズとなっている。
図14(A)はシフト荷重を示している。図14(B)はアシストクラッチトルクを示している。図14(C)はエンジントルクを示している。図14(D)は入力軸回転数および目標回転数を示している。図14(E)はシフト位置を示している。図14(F)は出力軸トルクを示している。
解放制御フェーズにおいては、時刻t1において、図14(A)に示すように、シフト荷重が立ち上がり、図14(B)に示すように、やや遅れてアシストクラッチトルクが立ち上がる。なお、シフト荷重はシフト位置をSF1側へ移動させる方向を正としているため、負方向となる。
ここで、例えば、時刻t1〜時刻t7までの時間(t7−t1)が、ギア解放の所定時間Tm_op_mxとすると、時刻t7においてギア解放が終了してない場合には、時刻t7において、図14(C)に示すように、エンジントルクを減少させていくと、図14(A)に示すシフト荷重によって、図14(E)に示すようにシフト位置がさらにSF2側へ近づき、シフト荷重によって、図14(E)に示すシフト位置が移動する期間(時刻t6〜t2)、図14(F)に示すように、変速機出力軸トルクにトルク段差が発生せず、ギア解放がショック無しにスムーズに行われる。
図14(A),(C),(E),(F)において、破線は、従来技術(解放制御時間がある時間を超えたとき、強制的に噛み合いクラッチを解放するもの)の場合の制御内容を示している。従来技術では、図14(C)に破線で示すように、時刻t7〜t2において、エンジントルクは一定である。その一方で、図14(A)に破線で示すように、時刻t7において、シフト荷重を増加する。結果として、図14(E)に破線で示すように、シフト位置はSF2に移動する。しかしながら、このように、強制的に解放する方式では、図14(F)に破線で示すように、トルク段差が発生するため、ギア解放によるショックが発生することになる。
時刻t2において、図14(E)に示すように、シフト位置が位置SF2付近となると、回転同期制御フェーズとなる。回転同期制御フェーズでは、図14(B)に示すアシストクラッチトルクによって、図14(D)に示すように、入力回転数が次変速段相当の目標回転数に同期する。時刻t3において、回転数が同期したとすると、この時点で、図14(E)に示すように、シフト位置が位置SF2からSF3へ移動する。シフト位置がSF3へ移動した時刻t4で、変速終了フェーズとなり、図14(B)に示すように、アシストクラッチトルクが0となって、変速制御終了となっている。
以上説明したように、本実施形態では、一方の歯車列から他方の歯車列へ変速するときに、伝達トルク可変手段であるアシストクラッチを制御することで変速を行う自動車の制御方法であって、駆動力源のトルクの少なくとも一部をアシストクラッチによって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放する、ギア解放時において、噛合い伝達手段が所定時間解放されない場合は、駆動力源の出力を低下させるようにしている。かかる実施形態によれば、歯車列の伝達トルクが解除される前に、噛合い伝達手段を解放位置へ移動する方向に荷重をかけたときに、駆動力源やアシストクラッチの機差ばらつきや経時劣化があっても、噛合い伝達手段を解放位置へ確実に移動せしめることができ、ギア解放ショックによる変速フィーリングの低下を回避することができるものとなる。
なお、以上の説明では、図14(C)の時刻t7〜t2に示したように、エンジントルクを時間と共に徐々に減少させるようにしているが、時刻t7において、ステップ的に減少させるようにしてもよいものである。この場合、図13(F)の時刻t7において、比較的急なトルク変動となるが、それでも、従来のように、強制的にギアを解放した場合に比べて、トルク段差は小さくすることができる。
また、以上の説明では、ギア解放時に、ギア解放に要した時間が、予め設定した時間を超えた場合に、駆動力源のトルクを減少させるようにしているが、駆動力源のトルクを増加させる場合もある。ギア解放は、エンジントルクとアシストクラッチトルクがバランスした時に行われる。通常は、エンジントルクが、アシストクラッチトルクよりも大きいため、ギア解放時には、図14(B)に示したように、アシストクラッチトルクを増加させ、エンジントルクに一致したときにクラッチ解放する。このような場合には、前述したように、ギア解放に所定時間以上を要した場合には、図14(C)の時刻t7〜t2に示したように、エンジントルクを減少させる必要がある。一方、エンジントルクが、アシストクラッチトルクよりも小さい場合には、ギア解放時には、アシストクラッチトルクを減少させ、エンジントルクに一致したときにクラッチ解放する。このような場合には、ギア解放に所定時間以上を要した場合には、エンジントルクを増加させる必要がある。
本発明の一実施形態による自動車の制御装置の第1のシステム構成例のスケルトン図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置の第2のシステム構成例のスケルトン図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置の第3のシステム構成例のスケルトン図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置におけるクラッチとドリブンギアの噛合い関係の説明図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置におけるパワートレーン制御ユニットと、エンジン制御ユニットと、油圧制御ユニットとの間の通信手段による入出力信号関係の説明図である。 本発明の実施形態による自動車の制御装置による変速制御の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による自動車の制御装置による変速制御の制御内容の経過時間を示すタイマの内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの全体的な制御内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のシフト制御処理の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のシフト制御処理で用いる解放最大時間、目標シフト荷重を算出する関数構造の説明図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のシフト制御処理の中のエンジントルクダウン処理におけるエンジントルクゲインの低減割合の説明図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のアシストクラッチ制御処理の制御内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置による変速制御の解放制御フェーズの中のアシストクラッチ制御処理で用いる目標トルクゲインを算出する関数構造の説明図である。 本発明の一実施形態による自動車の制御装置によるアップシフト時の制御内容を示すタイムチャートである。
符号の説明
1…エンジン
2…入力軸クラッチ入力ディスク
3…入力軸クラッチ出力ディスク
4…第1ドライブギア
5…第2ドライブギア
6…第3ドライブギア
7…第4ドライブギア
8…第5ドライブギア
10…変速機入力軸
12…第1ドリブンギア
13…第2ドリブンギア
14…第3ドリブンギア
15…第4ドリブンギア
16…第5ドリブンギア
18…変速機出力軸
19…第1噛合いクラッチ
20…第2噛合いクラッチ
21…第3噛合いクラッチ
22…入力軸クラッチアクチュエータ
23…シフト第1アクチュエータ
24…シフト第2アクチュエータ
25…セレクト第1アクチュエータ
26…セレクト第2アクチュエータ
27…シフト/セレクト機構
29…入力軸回転センサ
30…出力軸回転センサ
100…パワートレイン制御ユニット
101…エンジン制御ユニット
102…油圧制御ユニット
201…第7ドライブギア
202…第7ドリブンギア
203…アシストクラッチ入力ディスク
204…アシストクラッチ出力ディスク
205…アシストクラッチアクチュエータ

Claims (4)

  1. 複数の歯車列と、入力軸と出力軸の間に備えられた複数のトルク伝達手段とを有し、前記トルク伝達手段の少なくとも1つは伝達トルク可変手段であり、また少なくとも一つは噛合い伝達手段である歯車式変速機に用いられ、一方の歯車列から他方の歯車列へ変速するときに、前記伝達トルク可変手段を制御することで変速を行う自動変速機の制御装置であって、
    前記入力軸に駆動力を入力する駆動力源のトルクの少なくとも一部を前記伝達トルク可変手段によって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、前記噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放するギア解放手段と、
    ギア解放に要した時間が、予め設定した時間を超えた場合に、前記駆動力源のトルクを変化させるエンジントルク変化手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
    前記エンジントルク変化手段は、前記駆動力源のトルクを減少させることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1記載の自動変速機の制御装置において、
    前記エンジントルク変化手段は、ギア解放時の駆動力源のトルクの変化量を、ギア解放に要した時間に応じて変えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 複数の歯車列と、入力軸と出力軸の間に備えられた複数のトルク伝達手段とを有し、前記トルク伝達手段の少なくとも1つは伝達トルク可変手段であり、また少なくとも一つは噛合い伝達手段である歯車式変速機に用いられ、一方の歯車列から他方の歯車列へ変速するときに、前記伝達トルク可変手段を制御することで変速を行う自動変速機の制御方法であって、
    前記入力軸に駆動力を入力する駆動力源のトルクの少なくとも一部を前記伝達トルク可変手段によって伝達することで、歯車列の伝達トルクの少なくとも一部を解除し、前記噛合い伝達手段を解放位置へ移動せしめて解放するとともに、
    ギア解放に要した時間が、予め設定した時間を超えた場合に、前記駆動力源のトルクを変化させることを特徴とする自動変速機の制御方法。
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