JP4369017B2 - 多灯式冷陰極管点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、表示装置に用いられる多灯式冷陰極管点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にコンピュータ等の表示部には、バックライトを内蔵した液晶表示パネルが用いられ、この液晶表示パネルのバックライトとして、輝度確保や明るさのムラ防止のために複数の冷陰極管が用いられる。
これらの多灯式冷陰極管は、点灯周波数のバラツキにより、チラツキが発生するので、発振回路を共有にし、各冷陰極管の相互同期を取って、チラツキを抑える必要がある。
【0003】
図3及び図4に、従来の多灯式点灯装置を示す。
図3は、従来の多灯式点灯装置を示す回路図であり、特開平4−298995号公報に記載されたものである。
図3において、1、2はそれぞれインバータ回路である。Q1、Q2、Q3、Q4はトランジスタ、C1、C2、C3、C4はコンデンサ、T1、T2はトランス、Nf1はトランスT1のベース巻線である。L1はチョークコイル、CCFL1、CCFL2は冷陰極管である。
図3の多灯式点灯装置は、2組のインバータ回路1、2によって構成され、一方のインバータ回路1のトランスT1のベース巻線Nf1を、それぞれの発振回路に入力することで、各冷陰極管CCFL1、CCFL2の点灯周波数を同一にしている。
【0004】
図4は、従来の多灯式点灯装置を示す回路図である。
図4において、1はインバータ回路、Q1、Q2はトランジスタ、C1、C2、C3はコンデンサ、T1、T2はトランスである。L1はチョークコイル、CCFL1、CCFL2は冷陰極管である。
図4の多灯式点灯装置は、チョークコイルL1と、2個の出力トランスT1、T2を有するインバータ回路によって構成されている。インバータ回路のトランスT1及びトランスT2を並列に接続することで、同一の点灯周波数を共有し、出力同期を取るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の技術で、複数の冷陰極管すべての同期が取れるようになったが、今後さらに多様化する調光方式には満足できないという問題があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、複数の冷陰極管の相互同期を取ってチラツキを防止しながら、それぞれを独立に調光できる多灯式冷陰極管点灯装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる多灯式冷陰極管点灯装置においては、発振機能を有する第一の増幅素子とこの第一の増幅素子に接続されると共に第一のベース巻線を有する第一のトランスとによって構成された第一のインバータ、第一のトランスの出力端に接続された第一の冷陰極管、発振機能を有する第二の増幅素子とこの第二の増幅素子に接続されると共に第二のベース巻線を有する第二のトランスとによって構成された第二のインバータ、第二のトランスの出力端に接続された第二の冷陰極管を備え、第一のインバータの第一のベース巻線及び第二のインバータの第二のベース巻線は、それらのいずれか一つが選択され、その選択されたベース巻線が、第一の増幅素子及び第二の増幅素子に接続されるよう構成されているものである。
【0008】
また、第一の増幅素子及び第二の増幅素子は、それぞれスイッチを介して電源に接続され、スイッチを制御することにより、第一の冷陰極管及び第二の冷陰極管は、各別に点灯が制御されるよう構成されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態1による多灯式冷陰極管点灯装置を示す回路図である。
図1において、1は自励発振機能を有する正帰還増幅回路を用いて構成された主インバータ回路(第一のインバータ回路)、2は主インバータ回路1と同様に構成された副インバータ回路(第二のインバータ回路)である。
【0010】
まず、主インバータ回路1の構成について説明する。
主インバータ回路1は、自励発振機能を有する正帰還増幅回路(第一の増幅回路)を用いて構成される。正帰還増幅回路は、増幅素子であるトランジスタQ1、Q2によって構成され、トランジスタQ1、Q2の各エミッタは接地されるとともに、各コレクタは出力トランスT1、T2(第一のトランス)の一次巻線N1、N3のそれぞれ両端に並列に接続される。
また、電源ラインV1には、スイッチS3とチョークコイルL1が接続され、一次巻線N1、N3のセンタタップは、チョークコイルL1の出力側に接続される。一方、トランジスタQ1、Q2の各ベースは、抵抗Rを介してチョークコイルL1の出力側に接続されるとともに、出力トランスT1に設けられたベース巻線Nf1(第一のベース巻線)の両端にスイッチS1を介して、それぞれ接続される。また、トランジスタQ1とQ2の各コレクタ間には、コンデンサC1が接続される。
出力トランスT1、T2における二次巻線N2、N4の一端は、接地されたアース出力端子に接続される。他端はそれぞれコンデンサC2、C3を介して各出力端子に接続される。そして、出力端子とアース出力端子間には、それぞれ冷陰極管CCFL1(第一の冷陰極管)が接続されている。
【0011】
副インバータ回路2も主インバータ回路1と同様の回路構成である。
副インバータ回路2は、自励発振機能を有する正帰還増幅回路(第二の増幅回路)を用いて構成され、正帰還増幅回路は、増幅素子であるトランジスタQ3、Q4によって構成されている。トランジスタQ3、Q4の各エミッタは接地されるとともに、各コレクタは出力トランスT3、T4(第二のトランス)の一次巻線N5、N7のそれぞれ両端に並列に接続される。
また、電源ラインV2には、スイッチS4とチョークコイルL2が接続され、一次巻線N5、N7のセンタタップは、チョークコイルL2の出力側に接続される。一方、トランジスタQ3、Q4の各ベースは、抵抗Rを介してチョークコイルL1の出力側に接続されるとともに、出力トランスT3に設けられたベース巻線Nf2(第二のベース巻線)の両端にスイッチS2を介して、それぞれ接続される。また、トランジスタQ3とQ4の各コレクタ間には、コンデンサC4が接続される。
出力トランスT3、T4における二次巻線N6、N8の一端は、接地されたアース出力端子に接続される。他端はそれぞれコンデンサC5、C6を介して各出力端子に接続される。そして、出力端子とアース出力端子間には、それぞれ冷陰極管CCFL2(第二の冷陰極管)が接続されている。
【0012】
そして、トランジスタQ1のベースとトランジスタQ3のベースは、スイッチS2を介してベース巻線Nf2の一端に接続される。またベース巻線Nf2の他端には、トランジスタQ2、Q4のベースが接続される。オン/オフラインFは、スイッチS1と、インバータ素子I1を介してスイッチS2とに接続されている。
【0013】
図2は、この発明の実施の形態1による多灯式冷陰極管点灯装置の冷陰極管の調光点灯オン/オフパターン及びそれに伴うスイッチ動作を示す図である。
実施の形態1は、従来の2種の点灯方式を組み合わせており、複数の冷陰極管を点灯させる多灯式冷陰極管点灯装置を構成する。すなわち、発振機能を有する正帰還増幅回路と2個の出力トランスを用いて構成されたインバータ回路を2組用意し、それぞれスイッチS1、S2を設けたベース巻線Nf1、Nf2を相互の正帰還増幅回路に接続し、調光用にそれぞれのインバータ回路の電源入力部にスイッチS3、S4を有することを特徴としている。
【0014】
このように構成された多灯式冷陰極管点灯装置においては、発振機能を有する主インバータ回路1は、一つであり、他方の副インバータ回路2は、主インバータ回路1から発振された信号を増幅する単なる増幅器として機能する。ただし、点灯状況により、スイッチS3、S4で主副の入れ替えを行う。このため主インバータ回路1に対する副インバータ回路2の動作周波数は、完全に同一となり、かつ同期がとられている。そして、電源ラインV1、V2とベース巻線Nf1、Nf2に設けたそれぞれのスイッチS1、S2により、任意の冷陰極管を調光することができる。
【0015】
具体的には、調光は、PWM信号を各スイッチS1、S2、S3、S4に入力することによって行われる。ここで調光点灯形式としては、図2のような4パターンの各冷陰極管CCFL1、CCFL2のオン/オフが挙げられる。これに各パターン時のスイッチ動作を合わせて図2に示されている。このスイッチ動作において、冷陰極管CCFL1がオンする時は、主インバータ回路1のベース巻線Nf1を利用して同期を取る。しかし、冷陰極管CCFL2のみオンにする場合、主インバータ回路1のベース巻線Nf1は動作しないので、副インバータ回路2のベース巻線Nf2にて出力させる。すなわち、冷陰極管CCFL1がオフ、冷陰極管CCFL2がオンの時だけ副インバータ回路2のベース巻線Nf2をスイッチS2によって動作させるものである。
【0016】
実施の形態1によれば、発振機能を有する正帰還増幅回路を用いて構成された2組のインバータ回路において、共有の発振回路を備えるため、全冷陰極管で点灯周波数の出力同期が完全に一致する。かつ各電源ラインとベース巻線にそれぞれスイッチを付加、動作させることで、任意の冷陰極管を調光できる。すなわち、各冷陰極管の同期を取り、チラツキの発生を防止しながら、任意の冷陰極管を独立に調光を行えるようにしている。
【0017】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
発振機能を有する第一の増幅素子とこの第一の増幅素子に接続されると共に第一のベース巻線を有する第一のトランスとによって構成された第一のインバータ、第一のトランスの出力端に接続された第一の冷陰極管、発振機能を有する第二の増幅素子とこの第二の増幅素子に接続されると共に第二のベース巻線を有する第二のトランスとによって構成された第二のインバータ、第二のトランスの出力端に接続された第二の冷陰極管を備え、第一のインバータの第一のベース巻線及び第二のインバータの第二のベース巻線は、それらのいずれか一つが選択され、その選択されたベース巻線が、第一の増幅素子及び第二の増幅素子に接続されるよう構成されているので、各冷陰極管の同期を取って動作させることができると共に、冷陰極管の調光方法を多様化することができる。
【0018】
また、第一の増幅素子及び第二の増幅素子は、それぞれスイッチを介して電源に接続され、スイッチを制御することにより、第一の冷陰極管及び第二の冷陰極管は、各別に点灯が制御されるよう構成されているので、第一の冷陰極管及び第二の冷陰極管を各別に調光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による多灯式冷陰極管点灯装置を示す回路図である。
【図2】この発明の実施の形態1による多灯式冷陰極管点灯装置の冷陰極管の調光点灯オン/オフパターン及びそれに伴うスイッチ動作を示す図である。
【図3】従来の多灯式点灯装置を示す回路図である。
【図4】従来の多灯式点灯装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1,2 インバータ回路、S1,S2,S3,S4 スイッチ、
Q1,Q2,Q3,Q4 トランジスタ、
C1,C2,C3,C4,C5,C6 コンデンサ、
T1,T2,T3,T4 トランス、L1,L2 チョークコイル、
N1,N3,N5,N7 一次巻線、N2,N4,N6,N8 二次巻線、
Nf1,Nf2 ベース巻線、R 抵抗、
CCFL1,CCFL2 冷陰極管。

Claims (2)

  1. 発振機能を有する第一の増幅素子とこの第一の増幅素子に接続されると共に第一のベース巻線を有する第一のトランスとによって構成された第一のインバータ、
    上記第一のトランスの出力端に接続された第一の冷陰極管、
    発振機能を有する第二の増幅素子とこの第二の増幅素子に接続されると共に第二のベース巻線を有する第二のトランスとによって構成された第二のインバータ、
    上記第二のトランスの出力端に接続された第二の冷陰極管を備え、
    上記第一のインバータの第一のベース巻線及び第二のインバータの第二のベース巻線は、それらのいずれか一つが選択され、その選択されたベース巻線が、上記第一の増幅素子及び第二の増幅素子に接続されるよう構成されていることを特徴とする多灯式冷陰極管点灯装置。
  2. 第一の増幅素子及び第二の増幅素子は、それぞれスイッチを介して電源に接続され、上記スイッチを制御することにより、第一の冷陰極管及び第二の冷陰極管は、各別に点灯が制御されるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の多灯式冷陰極管点灯装置。
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