JP4368737B2 - 電磁波ノイズ抑制体およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、電磁波ノイズ抑制体およびその製造方法に関する。
携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等のモバイル電子機器の小型化、軽量化、多機能化に伴い、搭載されるCPU、周辺半導体等の電子部品は、ますます高集積化されているため、電子部品からの発熱量も著しく増大してきている。この発熱により、電子部品が誤動作したり、性能劣化したりすることがあるため、発熱するような電子部品には放熱対策が施されている。例えば、電子部品やヒートシンク上に、熱伝導性シート、凹凸に加工した金属板等を配置したり、冷却ファンにより強制的に放熱させたりしている。
また、CPU、周辺半導体等の電子部品で取り扱われる周波数も高くなってきており、機器内部での電磁干渉や機器外部への放射ノイズといった電磁波ノイズ障害も問題となっている。
これらの二つの問題を同時に解決する放熱シートとして、(i)ゴム、樹脂等の高分子結合剤中に放熱対策として熱伝導性粉体、電磁波ノイズ対策として磁性体粉体の両粉体を分散、混合し、シート状に成形したもの(特許文献1)、(ii)ゴム、樹脂等の高分子結合剤中に熱伝導性粉体を分散、混合し、シート状に成形した後に、シート表面に金属蒸着層を積層したもの(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、(i)の放熱シートにおいては、ゴム、樹脂等の高分子結合剤中への粉体の充填量には限界があるため、熱伝導性粉体および磁性体粉体の両粉体の充填量は不十分となり、放熱機能および電磁波ノイズ抑制機能の二つの機能を同時に満足させることは非常に困難であった。また、両粉体の充填量を高くすることで、二つの機能を向上させることは可能であるが、充填量が多すぎる場合、シートの柔軟性が損なわれるため、CPU、周辺半導体等の電子部品やヒートシンクへの密着性、追従性が悪くなり、効果的な放熱が行われなくなる。
また、(ii)の放熱シートは、ゴム、樹脂等の高分子結合剤中には熱伝導性粉体のみを充填することができるため、十分な放熱機能を持たせることはできる。しかしながら、(ii)の放熱シートは、シート表面に導電体である金属蒸着層(金属薄膜)を積層しただけであり、電磁波ノイズを反射することはできても、電磁波ノイズを吸収する効果(電磁波ノイズ抑制機能)はまったくなかった。
特開平10−92988号公報 特開2003−198173号公報
よって本発明の目的は、放熱機能と電磁波ノイズ抑制機能の二つの機能を兼ね備えた電磁波ノイズ抑制体、およびこのような電磁波ノイズ抑制体を容易に製造できる製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、電子部品等への密着性、追従性に優れ、薄型化、軽量化された電磁波ノイズ抑制体を提供することにある。
すなわち、本発明の電磁波ノイズ抑制体は、結合剤および熱伝導性粉体を含有する基体と;基体の結合剤の一部と磁性体とが一体化してなる複合層とを有する電磁波ノイズ抑制体であって、基体が、その表面に熱伝導性粉体が存在しない平均厚さ0.1〜300μmのスキン層を有し、複合層が、スキン層の表面に磁性体を物理的に蒸着させてなる層であることを特徴とするものである。
ここで、複合層の厚さは、0.005〜0.3μmであることが望ましい。
た、結合剤は、樹脂またはゴムであることが望ましい。
さらに、基体の熱伝導率は、0.5W/m・K以上であることが望ましい。
そして、本発明の電磁波ノイズ抑制体の製造方法は、結合剤および熱伝導性粉体を含有する熱伝導性組成物を成形し、熱伝導性粉体が存在しないスキン層を表面に有する基体を製造する基体製造工程と;基体のスキン層に磁性体を物理的蒸着させて、基体表面に複合層を形成する蒸着工程とを有することを特徴とする。
本発明の電磁波ノイズ抑制体は、結合剤および熱伝導性粉体を含有する基体と;基体の結合剤の一部と磁性体とが一体化してなる複合層とを有するものであるので、放熱機能と電磁波ノイズ抑制機能の二つの機能を兼ね備えたものとなる。
ここで、基体が、その表面に熱伝導性粉体を含有しない平均厚さ0.1〜300μmのスキン層を有し、複合層が、スキン層の表面に磁性体を物理的に蒸着させてなる、厚さが0.005〜0.3μm層であれば、電磁波ノイズ抑制効率がさらに向上し、薄型化、軽量化を図ることができる。
また、結合剤が、樹脂またはゴムであれば、可撓性があり、強度の高い電磁波ノイズ抑制体とすることができ、また、電子部品等への密着性、追従性に優れる。
そして、本発明の電磁波ノイズ抑制体の製造方法は、結合剤および熱伝導性粉体を含有する熱伝導性組成物を成形し、熱伝導性粉体が存在しないスキン層を表面に有する基体を製造する基体製造工程と;基体のスキン層に磁性体を物理的蒸着させて、基体表面に複合層を形成する蒸着工程とを有する方法であるので、本発明の電磁波ノイズ抑制体を容易に製造することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<電磁波ノイズ抑制体>
本発明の電磁波ノイズ抑制体は、結合剤および熱伝導性粉体を含有する基体と;基体の結合剤の一部と磁性体とが一体化してなる複合層とを有するものである。
このような電磁波ノイズ抑制体としては、例えば、図1に示すように、結合剤2および熱伝導性粉体3を含有し、かつ表面に熱伝導性粉体が存在しないスキン層4が形成された基体5と;基体5のスキン層4の結合剤2の一部と磁性体とが一体化してなる複合層6とを有する電磁波ノイズ抑制体1が挙げられる。この他、図2に示すように、複合層6の表面にさらに、結合剤2および熱伝導性粉体3を含有する基体7を積層した電磁波ノイズ抑制体10;図3に示すように、2つの電磁波ノイズ抑制体1を積層した電磁波ノイズ抑制体20であっても構わない。
(複合層)
複合層6は、図4の高分解能透過型電子顕微鏡像や、電子顕微鏡像の模式図である図5に示すように、基体5表面のスキン層4に磁性体を物理的蒸着させてなる層であり、物理的に蒸着された磁性体が均質膜を形成することなく、原子状態で結合剤2中に分散一体化してなるものである。
複合層6は、非常に小さな結晶として数Å間隔の磁性体原子が配列された結晶格子11が観察される部分と、非常に小さい範囲で磁性体が存在しない結合剤2のみが観察される部分と、磁性体原子13が結晶化せず結合剤2中に分散して観察される部分からなっている。すなわち、磁性体が明瞭な結晶構造を有する微粒子として存在を示す粒界は観察されず、ナノオーダーで磁性体と結合剤が一体化した複雑なヘテロ構造(不均質・不斉構造)を有しているものと考えられる。
複合層6の厚さは、基体5の表層に磁性体原子が侵入した深さであり、磁性体の蒸着質量、結合剤材質、物理的蒸着の条件などに依存し、およそ磁性体の蒸着深さの1.5〜3.0倍ほどとなる。ここで、磁性体の蒸着厚さとは、磁性体原子が侵入することのない硬い基材上に磁性体を物理的蒸着させた際の膜厚を意味する。
複合層6の厚さを0.005μm以上とすることにより、磁性体原子の結合剤2との分散一体化ができ、形状異方性に由来する高周波領域での大きな磁気損失特性を有するものと思われ、十分な電磁波ノイズ抑制効果を発揮させることができる。一方、複合層6の厚さが3μmを超えると、明瞭な結晶構造を経て均質な磁性体膜が形成され、バルクの磁性体に戻ってしまい、形状異方性が減少し、ノイズ抑制効果も小さくなり、実効的でない。それゆえ、複合層の厚さは、より好ましくは0.3μm以下である。
(スキン層)
本発明におけるスキン層4とは、熱伝導性粉体3を含有した基体5において、基体5の表面に形成される、熱伝導性粉体が存在しない、結合剤2のみからなる層である。
スキン層4の平均厚さは、前述の複合層6の厚さ0.005〜0.3μmを形成するのに十分な膜厚があればよく、具体的には0.1〜300μmであることが好ましい。スキン層4の平均厚さが0.1μm未満であると、熱伝導性粉体3の一部がスキン層4表面に露出してしまうおそれがあり、熱伝導性粉体3が露出した箇所は複合層6が均一に形成されないため、電磁波ノイズ抑制効果が低下する。また、熱伝導性粉体3の基体5表面からの露出は、CPU、周辺半導体、ヒートシンクとの密着性、追従性も低下させるため、好ましくない。スキン層4が300μmより厚い場合は、熱伝導性粉体3が基体5中に分散されていない状態のため、熱伝導効率が低下してしまうおそれがある。
(結合剤)
結合剤2は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリケトン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアクリレートなどの樹脂や、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴムなどのジエン系ゴム、ブチル系ゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの非ジエン系ゴム等の有機物が挙げられる。これらは熱可塑性であっても、熱硬化性であってもよく、その未硬化物であってもよい。また、上記の樹脂、ゴムなどの変性物、混合物、共重合物であってもよい。
中でも、結合剤2としては、結合剤2への磁性体原子の入り込みやすさの点で、後述する磁性体の物理的蒸着に際して、そのせん断弾性率が低いものが好ましく、具体的には、せん断弾性率が1×103 〜1×107 Pa程度のものが好ましい。所望のせん断弾性率にするために必要に応じて、例えば100〜300℃に結合剤を加熱することもできるが、分解や蒸発が起きない温度に加熱することが必要である。
また、結合剤2としては、放熱効果に影響する密着性、追従性の観点からは、柔軟性を有し、ゴム弾性を有するシリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴムが好ましく、結合剤2のせん断弾性率は1×103 〜1×106 Paであることが好ましい。
ここで、結合剤2のせん断弾性率を下げるために、ゲル状、ペースト状、オイル状の成分を添加することもできる。例えば、シリコーンオイル、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、高級アルコール、高級脂肪酸エステルが挙げられる。このような結合剤2を用いた場合、基体5自身が粘着性を示すため、電磁波ノイズ抑制体をCPU、周辺半導体、ヒートシンクへ配置する際に、粘着層、接着層を設けなくても密着させることができる。ただし、ゲル状、ペースト状、オイル状の成分を添加すると、これら成分が基体5よりブリードするおそれもある。これにより、CPUや周辺半導体を汚染したり、絶縁性皮膜を形成し、電子部品の接触不良を引き起こす原因となるため、配合には注意が必要である。
また、結合剤2としては、前記したヘテロ構造を維持し、電磁波ノイズ抑制効果を維持する観点から、磁性体の物理的蒸着の後に、せん断弾性率が高いものが好ましい。磁性体の物理的蒸着の後に結合剤2のせん断弾性率を高くすることにより、ナノオーダーの磁性体原子あるいはクラスターが凝集して結晶化し、微粒子に成長することを確実に防止できる。具体的には、電磁波ノイズ抑制体が使用される温度範囲で、1×107 Pa以上のものが好ましい。所望のせん断弾性率にするために、磁性体の物理的蒸着の後に結合剤を架橋することが好ましい。この点においては、結合剤としては、蒸着時に低弾性率であり、蒸着後に架橋して弾性率を上げることができることから、熱硬化性樹脂、エネルギー線(紫外線、電子線)硬化性樹脂が好適である。
これらのことから、電磁波ノイズ抑制体のCPU、周辺半導体、ヒートシンクへ貼り付ける面には、密着性、追従性に優れたせん断弾性率の低い結合剤を用い、磁性体の物理的蒸着面には、蒸着後にナノオーダーの磁性体原子あるいはクラスターが凝集して結晶化し、微粒子に成長しないように、せん断弾性率が高い結合剤を用いることがより好ましい。これには、せん断弾性率の異なる複数の結合剤を用いてもよいし、架橋可能な結合剤を用いて、磁性体の物理的蒸着面の複合層6付近のみを選択的に架橋し、その弾性率を高くしてもよい。このように、機能に応じて、基体5における結合剤2のせん断弾性率を調整することもできる。
さらに、プラズマ化あるいはイオン化された磁性体原子が、結合剤2と一部反応し、安定化するように、結合剤2中にシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、ノニオン系界面活性剤、極性樹脂オリゴマーなどを配合してもよい。このような添加剤を配合することにより、酸化防止のほか、原子の凝集によるところの均質膜の形成を防止して、均質膜による電磁波の反射を防止し、吸収特性を改善することができる。
結合剤2に、補強フィラー、難燃剤、難燃助剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤、可塑剤、滑剤、耐熱向上剤などを適宜添加しても構わない。このほか、磁性体を蒸着後、さらに酸化ケイ素や窒化ケイ素の蒸着を施して、対環境特性を改善することも可能である。
(熱伝導性粉体)
熱伝導性粉体3としては、高い熱伝導率を有する材料が好ましい。例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、金、銀、銅、アルミニウム、白金、銅タングステン、アルミニウムシリコンカーバイドなどが挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、熱伝導性が優れたシリカ、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素がより好ましい。
熱伝導性粉体3の形状はどのような形状でもよく、例えば、球状、扁平状、鱗片状、針状、フレーク状が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種類以上組み合わせて使用してもよい。熱伝導性粉体3の平均粒子径は、1〜100μmであることが好ましい。熱伝導性粉体3の平均粒子径が1μm未満であると、効率的な放熱が行われなくなるおそれがある。また、熱伝導性粉体3の平均粒子径が100μmを超えると、本発明の電磁波ノイズ抑制体の表面から熱伝導性粉体3の一部が露出してしまい、この結果、CPU、周辺半導体、ヒートシンクへの密着性、追従性が劣り、効率的な放熱が行われなくなるおそれがある。また、結合剤2への充填率を向上させるため、粒子径の異なる熱伝導性粉体を二種類以上用いることも可能である。
熱伝導性粉体3を分散させた基体5の熱伝導率は、好ましくは0.5W/m・K以上、より好ましくは1.0W/m・K以上である。この熱伝導率を達成するための熱伝導性粉体3の配合量は、結合剤2や熱伝導性粉体3の種類により異なるが、結合剤100質量部に対して概ね100〜500質量部が必要である。
さらに、熱伝導性粉体3は、カップリング剤等で表面処理が施されていてもよい。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、 アルミネート系カップリング剤などが挙げられる。
<電磁波ノイズ抑制体の製造方法>
以下、電磁波ノイズ抑制体1の製造方法について説明する。
電磁波ノイズ抑制体1の製造方法は、結合剤2および熱伝導性粉体3を含有する熱伝導性組成物を成形し、熱伝導性粉体が存在しないスキン層4を表面に有する基体5を製造する基体製造工程と;基体5のスキン層4に磁性体を物理的蒸着させて、基体5表面に複合層6を形成する蒸着工程とを有する方法である。
(基体製造工程)
熱伝導性組成物の調製には、一般的な混練方法を用いることができる。例えば、結合剤2に熱伝導性粉体3を添加してミキシングロール、ニーダー等で混合、分散させる方法や、結合剤2が溶剤に可溶であれば、溶剤に溶解した結合剤2溶液中に熱伝導性粉体3を添加して、プロペラ攪拌器にて混合、分散し、乾燥させる方法等がある。
スキン層4を有する基体5を製造する方法としては、カレンダー成形、押し出し成形、射出成形、プレス成形等を用いることが可能である。スキン層4は、例えば、次のようにして形成される。離型性の良い金型内に、熱伝導性粉体3を加えた結合剤2をトランスファー成型し、結合剤2の粘度を低下させ、結合剤2に流動性をもたせて、結合剤2を型内に充満させ、硬化または固化させる。結合剤2の流動により熱伝導性粉体3も移動するが、型の面には結合剤2が接することとなるため、スキン層4が形成される。その後、結合剤2と型の界面により剥離することにより、スキン層4を有した基体5を得ることができる。ここで、熱伝導性粉体3が基体5表面から露出しないように成形することが肝要である。例えば、成形後の基体5を冶具によって切削、スライス加工して得られた基体5は、熱伝導性粉体3が基体5表面に露出してしまう、または、熱伝導性粉体3自体が切削、スライスされてしまうと、複合層6が均一に形成されなくなる。
(蒸着工程)
まず、物理蒸着法(PVD)の一般的な説明を行う。
物理蒸着法は、一般に、真空にした容器の中で蒸発材料を何らかの方法で気化させ、気化した蒸発材料を近傍に置いた基体上に堆積させて薄膜を形成する方法であり、蒸発物質の気化方法の違いで蒸発系とスパッタ系に分けられる。蒸発系としては、EB蒸着、イオンプレーティングなどが挙げられ、スパッタ系としては、高周波スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、対向ターゲット型マグネトロンスパッタなどが挙げられる。
EB蒸着は蒸発粒子のエネルギーが1eVと小さいので、基板のダメージが少なく、膜がポーラスになりやすく膜強度が不足する傾向があるが、膜の固有抵抗は高くなるという特徴がある。
イオンプレーティングによれば、アルゴンガスや蒸発粒子のイオンは加速されて基板に衝突するため、EBよりエネルギーが大きく、粒子エネルギーは1KeVほどになり、付着力の強い膜を得ることはできるものの、ドロップレットと呼んでいるミクロンサイズの粒子の付着を避けることができず、放電が停止してしまうおそれがある。
マグネトロンスパッタリングはターゲット(蒸発材料)の利用効率が低いものの、磁界の影響で強いプラズマが発生するため成長速度が速く、粒子エネルギーは数十eVと高い特徴となる。高周波スパッタリングでは絶縁性のターゲットを使用することもできる。
マグネトロンスパッタリングのうち、対向ターゲット型マグネトロンスパッタリングは、対向するターゲット間でプラズマを発生させ、対向するターゲットの外に基体を配置し、プラズマダメージを受けることなく所望の薄膜を生成する方法である。そのため、基体上の薄膜を再スパッタリングすることなく、成長速度がさらに速く、スパッタされた原子が衝突緩和することがなく、緻密なターゲット組成物と同じ組成のものを生成することができる。
以上の物理蒸着法の中でも、本発明の電磁波ノイズ抑制体の製造方法においては、次の理由から、イオンプレーティング、マグネトロンスパッタ、対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法が好ましく、特に対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法が好適である。
結合剤2が樹脂(あるいはゴム)からなる場合は、樹脂の共有結合エネルギーは約4eVであり、具体的にいえば、C−C、C−H、Si−O、Si−Cの結合エネルギーはそれぞれ3.6eV、4.3eV、4.6eV、3.3eVである。これに対して、イオンプレーティング、マグネトロンスパッタや対向ターゲット型マグネトロンスパッタでは、蒸発粒子は高いエネルギーを持っているので、樹脂の一部の化学結合を切断し、衝突することが考えられる。
したがって、本発明においては、樹脂またはゴムからなる結合剤2の弾性率が十分小さいと、磁性体を蒸着させた際、樹脂の分子が振動、運動し、ある場合は切断され、磁性体原子と樹脂との局部的なミキシング作用が生じて、磁性体原子は樹脂の表面から最大で3μm程度まで進入し、樹脂などとインターラクションを生じ、均質的な磁性体膜ではなくナノオーダースケールのヘテロ構造を有した複合層6が形成されると考えられる。
粒子エネルギーが5eV以上である磁性体原子を結合剤2上に物理的に蒸着させると、一度に大量の磁性体を結合剤2中に分散させることができるので好ましい。すなわち、一度の蒸着で磁性体の質量を稼ぐことができることから、電磁波ノイズ抑制効率の大きな電磁波ノイズ抑制体を容易に得ることができる。蒸着速度は結合剤2の振動や運動の速度が粒子速度を比較して遅いことから、結合剤2の緩和のタイミングにあわせるように小さいほうが好ましく、磁性体により異なるがおよそ60nm/minに抑えることが好ましい。
蒸着工程において蒸発材料(ターゲット)として用いられる磁性体としては、金属系磁性体および/または、酸化物系磁性体および/または、窒化物系磁性体が主に用いられる。これらは、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
金属系磁性体としては、鉄および鉄合金が一般に用いられている。鉄合金としては、具体的にはFe−Ni、Fe−Co、Fe−Cr、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Cr−Si、Fe−Co−Al、Fe−Al−Si、Fe−Pt合金を用いることができる。これらの金属系磁性体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。鉄および鉄合金のほかに、コバルトやニッケルの金属あるいはそれらの合金を用いてもよい。ニッケルは単独で用いた場合、酸化に対して抵抗力があるため好ましい。
酸化物系磁性体としては、フェライトが好ましい。具体的にはMnFe24、CoFe24、NiFe24、CuFe24、ZnFe24、MgFe24、Fe34、Cu−Zn−フェライト、Ni−Zn−フェライト、Mn−Zn−フェライト、Ba2Co2Fe1222、Ba2Ni2Fe1222、Ba2Zn2Fe1222、Ba2Mn2Fe1222、Ba2Mg2Fe1222、Ba2Cu2Fe1222、Ba3Co2Fe2441を用いることができる。これらのフェライトは1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
窒化物系磁性体としては、Fe2N、Fe3N、Fe4N、Fe162などが知られている。これらの窒化物系磁性体は透磁率が高く、耐食性が高いので好ましい。
なお、結合剤2に磁性体を蒸着させる際には、磁性体はプラズマ中あるいはイオン化された磁性体原子として結合剤2中に入り込むので、結合剤2中に微分散された磁性体の組成は、蒸着材料として用いた磁性体の組成比と必ずしも同一であるとは限らない。また、結合剤2の一部と反応し、強磁性体が常磁性体や反強磁性体になるなどの変化が生じる場合もある。
一回の物理的蒸着操作による磁性体の蒸着質量は、磁性体単品の膜厚換算値で200nm以下が好ましい。これより厚いと、結合剤2が磁性体を包括する能力に達し、磁性体が結合剤2に分散できずに表面に堆積し、均質な導通性を有する連続したバルクの膜が生成してしまう。それゆえ、磁性体の蒸着質量は、100nm以下が好ましく、50nm以下がさらに好ましい。一方、電磁波ノイズ抑制効果の点からは、磁性体の蒸着膜厚は0.5nm以上であることが好ましい。
ここで、蒸着質量は、ガラス、シリコン等の硬質基板上に同条件で磁性体を蒸着し、堆積した厚さを測定することによって求められる。
<実装の例>
図6は、CPU31とヒートシンク32との間に、電磁波ノイズ抑制体1を配置した一例を示す図である。これにより、CPU31等の電子部品から発生する電磁波ノイズを効率よく抑制すると同時に、CPU31等の電子部品から発生する熱も放熱することが可能となる。
また、図7は、電子部品41を搭載したプリント基板42に、電磁波ノイズ抑制体1を配置した一例を示す図である。この場合も同様に、電子部品41から発生する電磁波ノイズを効率よく抑制し、電子部品41から発生する熱もプリント基板42全体から放熱することが可能となる。
<作用>
以上説明した電磁波ノイズ抑制体1にあっては、理論的には完全に明らかになっていないが、結合剤2と磁性体が一体化された複合層6が形成されているので、少ない磁性体であっても、そのナノオーダーのヘテロ構造に由来する量子効果や、材料固有の磁気異方性、形状磁気異方性、あるいは外部磁界による異方性などの影響で、高い共鳴周波数体を持つ。これにより、優れた磁気特性を発揮し、少ない磁性体であっても、高い周波数帯域において、電磁波ノイズ抑制効果を発揮できているものと考えられる。
また、基体5の結合剤2に熱伝導性粉体3のみを充填すればよく、磁性体粉体を充填する必要がないので、十分な量の熱伝導性粉体3を充填でき、放熱機能を十分に発揮することができる。また、熱伝導性粉体および磁性体粉体の両粉体を充填したものに比べ、粉体の充填量を抑えることができるので、CPU、周辺半導体等の電子部品やヒートシンクへの密着性、追従性が優れ、放熱機能をさらに発揮することができる。
また、電磁波ノイズ抑制体1にあって、基体5が、その表面に熱伝導性粉体3を含有しない平均厚さ0.1〜300μmのスキン層4を有し、複合層6が、スキン層4の表面に磁性体を物理的に蒸着させててなる、厚さが0.005〜0.3μm層であるので、磁性体の量を大幅に減らしつつ、電磁波ノイズ抑制効率に優れ、薄型化、軽量化を図ることができる。
さらに、磁性体の量を大幅に減らすことができるので、結合剤2が樹脂またはゴムの場合、磁性体による樹脂またはゴムの可撓性や強度の低下を最小限に抑えることができ、またCPU、周辺半導体等の電子部品やヒートシンクへの高い密着性、追従性を得ることができるため、熱伝導率0.5W/m・K以上を容易に達成することが可能である。
そして、電磁波ノイズ抑制体1の製造方法は、結合剤2および熱伝導性粉体3を含有する熱伝導性組成物を成形し、熱伝導性粉体3が存在しないスキン層4を表面に有する基体5を製造する基体製造工程と;基体5のスキン層4に磁性体を物理的蒸着させて、基体5表面に複合層6を形成する蒸着工程とを有する方法であるので、電磁波ノイズ抑制体1を容易に製造することができる。
以下、実施例を示す。
(評価)
断面観察:
日立製作所製、透過型電子顕微鏡H9000NARを用いた。
熱伝導率:
京都電子工業製、熱物性測定装置TPA−501を用いた。
電磁波吸収特性:
キーコム製近傍界用電磁波吸収材料測定装置を用い、Sパラメータ法によるS11(反射減衰量)とS21(透過減衰量)とを測定した。ネットワークアナライザーとしてはアンリツ社製ベクトルネットワークアナライザー37247Cを用い、50Ωのインピーダンスを持つマイクロストリップラインのテストフィクチャーとしては、キーコム社製TF−3Aを用いた。また、電磁波ノイズ抑制効果(Ploss/Pin)は、伝送特性のS11とS21の変化から次式で求められる。
loss/Pin=1−(|S112+|S212
loss/Pinは、反射・透過特性の総合的な指標であって、反射減衰量、透過減衰量が実使用上で実効的な値である必要あり、具体的にはPloss/Pin=0.4〜0.7の範囲であることが好ましい。
(実施例1)
シリコーンゴム(2液型)(加硫前の常温のせん断弾性率1.0×104 Pa、加硫後の常温のせん断弾性率3.4×106 Pa)100質量部に、シラン系カップリング剤で表面処理を施した平均粒子径5μmの球状アルミナ粒子200質量部および平均粒子径1μmの球状アルミナ粒子100質量部を加え、ミキシングロールで分散、混練し、熱伝導性組成物を得た。熱伝導性組成物をプレスにより1.0mm厚となるようにシート状に成形した後、150℃で1時間、シリコーンゴムを加硫させて、表面に平均厚さ0.59μmのスキン層を有する基体を得た。この加硫後の基体に膜厚換算で15nmのFe−Ni系磁性体金属を、対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法により物理的に蒸着させ、複合層を形成し、電磁波ノイズ抑制体を得た。この際、基体の温度を常温に保ち、蒸発粒子が8eVの粒子エネルギーを持つようわずかに負の電圧を印加し、スパッタを行った。
得られた電磁波ノイズ抑制体の複合層の一部をミクロトームで薄片にし、断面にイオンビームポリッシャーを施し、高分解能透過型電子顕微鏡により複合層の断面を観察した。複合層の膜厚は25nm(0.025μm)あった。
また、得られた電磁波ノイズ抑制体について、1GHzでの電磁波吸収特性および熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
湿式シリカ含有シリコーンゴム(2液型)(加硫前の常温のせん断弾性率6.5×105 Pa、加硫後の常温のせん断弾性率1.5×107 Pa)100質量部に、シラン系カップリング剤で表面処理を施した平均粒子径18μm、平均粒子厚み1μmの窒化ホウ素300質量部を加え、ミキシングロールで分散、混練し、熱伝導性組成物を得た。この熱伝導性組成物を、1.0mm厚となるようにシート状にプレス形成し、表面に平均厚さ0.67μmのスキン層を有する未加硫の状態の基体を得た。この未加硫の基体に膜厚換算で15nmのFe−Ni系磁性体金属を、対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法により、物理的に蒸着させ、複合層を形成した。この際、基体の温度を常温に保ち、蒸発粒子が8eVの粒子エネルギーを持つようわずかに負の電圧を印加し、スパッタを行った。ついで、150℃1時間でシリコーンゴムを加硫し、電磁波ノイズ抑制体を得た。
得られた電磁波ノイズ抑制体の複合層の一部をミクロトームで薄片にし、断面にイオンビームポリッシャーを施し、高分解能透過型電子顕微鏡により複合層の断面を観察した。複合層の膜厚は40nm(0.040μm)あった。
また、得られた電磁波ノイズ抑制体について、1GHzでの電磁波吸収特性および熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
シリコーンゴム(2液型)(加硫前の常温のせん断弾性率1.0×104 Pa、加硫後の常温のせん断弾性率3.4×106 Pa)80質量部に、シラン系カップリング剤で表面処理を施した平均粒子径5μmの球状アルミナ粒子200質量部、平均粒子径1μmの球状アルミナ粒子100質量部、およびシリコーンオイル20質量部を加え、ミキシングロールで分散、混練し、熱伝導性組成物を得た。熱伝導性組成物をプレスにより、1.0mm厚となるようにシート状に成形した後、150℃で1時間、シリコーンゴムを加硫させて、表面に平均厚さ0.62μmのスキン層を有する基体を得た。この基体に膜厚換算で15nmのFe−Ni系磁性体金属を、対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法により物理的に蒸着させ、複合層を形成し、電磁波ノイズ抑制体を得た。この際、シリコーン面の温度を常温に保ち、蒸発粒子が8eVの粒子エネルギーを持つようわずかに負の電圧を印加し、スパッタを行った。
得られた電磁波ノイズ抑制体の複合層の一部をミクロトームで薄片にし、断面にイオンビームポリッシャーを施し、高分解能透過型電子顕微鏡により複合層の断面を観察した。複合層の膜厚は50nm(0.050μm)あった。
また、得られた電磁波ノイズ抑制体について、1GHzでの電磁波吸収特性および熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
シリコーンゴム(2液型)(加硫前の常温のせん断弾性率1.0×104 Pa、加硫後の常温のせん断弾性率3.4×106 Pa)100質量部に、表面を酸化させて形成された不導体膜を有する扁平状のFe−Ni系軟磁性金属粉(平均粒径15μm、アスペクト比65)300質量部、およびシラン系カップリング剤で表面処理を施した平均粒子径5μmの球状アルミナ粒子50質量部を添加し、ミキシングロールで混練し、熱伝導性組成物を得た。この熱伝導性組成物をプレスにより、1.0mm厚となるようにシート状に成形した後、150℃で1時間、シリコーンゴムを加硫させて電磁波ノイズ抑制体を得た。
得られた電磁波ノイズ抑制体について、1GHzでの電磁波吸収特性および熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
シリコーンゴム(2液型)(加硫前の常温のせん断弾性率1.0×104 Pa、加硫後の常温のせん断弾性率3.4×106 Pa)100質量部に、シラン系カップリング剤で表面処理を施した平均粒子径5μmの球状アルミナ粒子200質量部および平均粒子径1μmの球状アルミナ粒子100質量部を加え、ミキシングロールで分散、混練し、熱伝導性組成物を得た。熱伝導性組成物をプレスにより、1.0mm厚となるようにシート状に成形した後、150℃で1時間、シリコーンゴムを加硫させて基体を得た。この基体とは別に、離型処理ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、Fe−Ni系磁性体金属を対向ターゲット型マグネトロンスパッタ法により物理的に蒸着させて厚さ50nmの金属層(金属薄膜)を設け、金属蒸着PETフィルムを作製した。基体の片面に金属蒸着PETフィルムの金属面を貼り合わせた後、離型処理PETフィルムを剥離して、基体表面に金属層を設けた積層体を得た。
得られた積層体について、1GHzでの電磁波吸収特性および熱伝導率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004368737
表1において、SRはシリコーンゴム、SOはシリコーンオイルを示す。
表1の結果から、熱伝導率は実施例1〜3と比較例2において良好な数値を示しており、放熱特性が優れていることが確認された。特に、シリコーンオイルを添加した実施例3は熱伝導率が高く、放熱性に優れていた。比較例1については、電磁波ノイズ抑制効果をだすために結合剤中に熱伝導性粉体と同時に軟磁性粉体も分散、混合する必要があるため、熱伝導性粉体を十分に添加することができず、また磁性体粉体を添加させるため、密着性、柔軟性が乏しくなり、熱伝導性の低い電磁波ノイズ抑制体となった。
また、電磁波ノイズ抑制効果については、1GHzにおけるPloss/Pinの結果から、実施例1〜3において良好な数値を示しており、電磁波ノイズ抑制効果に優れていることが確認された。比較例1は、軟磁性粉体と熱伝導性粉体を、結合剤中に単に分散、混合しているだけであるため、1GHzにおけるPloss/Pinは0.1以下であり、電磁波ノイズ抑制効果は低かった。また、比較例2は、単に基体表面に金属層を設けた積層体であり、複合層を持たないため、電磁波ノイズ抑制効果は低かった。
本発明の電磁波ノイズ抑制体は、放熱機能および電磁波ノイズ抑制機能の二つの優れた機能を兼ね備えた薄型で軽量な電磁波ノイズ抑制体であるので、近年の電子部品、電子機器の小型化、軽量化、多機能化に対応することが可能となる。
本発明の電磁波ノイズ抑制体の一例を示す概略断面図である。 本発明の電磁波ノイズ抑制体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の電磁波ノイズ抑制体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の電磁波ノイズ抑制体における複合層の高分解能透過型電子顕微鏡像である。 複合層の近傍の一例を示す模式図である。 本発明の電磁波ノイズ抑制体をCPUとヒートシンクとの間に配置した一例を示す断面図である。 本発明の電磁波ノイズ抑制体を電子部品を搭載したプリント基板に配置した一例を示す断面図である。
符号の説明
1 電磁波ノイズ抑制体
2 結合剤
3 熱伝導性粉体
4 スキン層
5 基体
6 複合層
10 電磁波ノイズ抑制体
20 電磁波ノイズ抑制体

Claims (5)

  1. 結合剤および熱伝導性粉体を含有する基体と、
    基体の結合剤の一部と磁性体とが一体化してなる複合層と
    を有する電磁波ノイズ抑制体であって、
    基体が、その表面に熱伝導性粉体が存在しない平均厚さ0.1〜300μmのスキン層を有し、
    複合層が、スキン層の表面に磁性体を物理的に蒸着させてなる層であることを特徴とする電磁波ノイズ抑制体。
  2. 複合層の厚さが、0.005〜0.3μmであることを特徴とする請求項1記載の電磁波ノイズ抑制体。
  3. 結合剤が、樹脂またはゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁波ノイズ抑制体。
  4. 基体の熱伝導率が、0.5W/m・K以上であることを特徴とする請求項1ないしいずれか一項に記載の電磁波ノイズ抑制体。
  5. 結合剤および熱伝導性粉体を含有する熱伝導性組成物を成形し、熱伝導性粉体が存在しないスキン層を表面に有する基体を製造する基体製造工程と、
    基体のスキン層に磁性体を物理的蒸着させて、基体表面に複合層を形成する蒸着工程と
    を有することを特徴とする電磁波ノイズ抑制体の製造方法。
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