以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る画像記録装置を利用した印刷システムの概要を示す模式図である。図において1はコンビニエンスストア等の店舗に設置される情報提供装置としてのポート端末装置であり、店舗内のLAN(Local Area Network)S及びルータRTを介して通信網(以下、インターネットという)Iに接続されており、Webサーバ5との間で、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルにより、HTMLファイル、コンピュータプログラム、画像データ等を送受信する。
ポート端末装置1は、Webサーバ5と通信を行なうことによりコンサートチケットの購入、Webサーバ5に格納されたネットワークアルバムからの画像のダウンロード等の各種機能を備えている。インターネットIを経由してダウンロードした画像データ又はポート端末装置1に備えられたメモリーカード等の記録媒体のリーダにより読みとった画像データは、所定の貨幣の投入により、同じく店舗内に設置され、LANS及びルータRTを介して接続された画像記録装置4へ印刷データとして送信され、印刷が行なわれる。本発明の画像記録装置(以下、複合機という)4は、コピー機能及びプリンタ機能等の複合機能を有している。その一つとして、ポート端末装置1からの要求に応じたプリンタとしての機能を果たす。
他方、複合機4は、投入された貨幣、プリペイドカードに記憶された有価情報を取得する有価情報取得装置(以下、コインベンダという)30へ所定の金額が投入等されたことを条件に原稿台に載置された原稿のコピーを行なうコピー機としての機能を果たす。なお、本実施の形態においては、これらの機器及びネットワークがコンビニエンスストア等の店舗内に構築された場合について説明するが、必ずしもこれに限るものではなく、大学、オフィス等に構築されるネットワーク内に適用してもよい。さらに、複合機4はコピー機能及びプリンタ機能を有しているが、ファクシミリ機能を有していてもよいことはもちろんである。
そのほかLANSには、レジに設置されるPOS端末PT及びパーソナルコンピュータ2が接続されている。POS端末PTは、売り上げデータ等を管理し、管理した管理データをコンビニエンスストア本部のサーバコンピュータ(図示せず)へバッチ処理によりインターネットIを介して送信する。パーソナルコンピュータ2は、顧客が使用するものではなく、店舗内のスタッフが、売り上げデータ、アルバイトスタッフのシフト表、ポスター等の作成のために、スタッフ控え室等で使用する公知のパーソナルコンピュータである。本発明においては、パーソナルコンピュータ2から出力された印刷データを複合機4へ出力し、印刷物を得ることができる。
図2は複合機4のハードウェア構成を示す模式的断面図であり、また図3はコインベンダ30及び複合機4の制御部のハードウェア構成を示すブロック図、図4はポート端末装置1及びパーソナルコンピュータ2のハードウェア構成を示すブロック図である。複合機4の上面には透明なガラス体の原稿台20が配置されており、その下方にはスキャナ部3が配置されている。スキャナ部3は、露光ランプ31,第1反射ミラー32a、第2反射ミラー32b、第3反射ミラー32c、レンズ33及びCCDを用いてなる光電変換素子34を含み、露光ランプ31及び第1反射ミラー32aを原稿台20の下面において水平方向に往復運動させつつ、原稿台20上面に載置された原稿の画像を露光ランプ31から照射された光によって露光走査する。なお原稿台20の下部には、原稿台20におかれた原稿のサイズを認識する認識センサ35sが設けられている。
露光ランプ31による反射光は第1反射ミラー32a乃至第3反射ミラー32c及びレンズ33を介して光電変換素子34の受光面に結像し、光電変換素子34は受光面における受光量に応じた信号を出力する。光電変換素子34から出力された信号は、制御部50のA/D変換器3Aによりデジタル化され、ハードディスク等の記憶部55内のコピーデータファイル552に記憶される。そして、操作パネル等の入力部53から出力される操作信号に従って、記憶部55のコピーデータファイル552から画像データを読み出して、画像形成部6へ出力する。
続いて、図3に示す複合機4の制御部50の内容を詳述する。図3に示すように演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)51にはバス57を介してRAM(Random Access Memory)52、ハードディスク等の記憶部55、液晶ディスプレイ等の表示部54、及びテンキー、スタートキー等の各種入力キー及び表示部54上に設けられるタッチパネルから構成される入力部53等が接続される。
その他、光電変換素子34からの信号をデジタル信号に変換するA/D変換器3A、時間情報をCPU51へ出力する時計部(図示せず)及び画像データに基づく変調光を感光体4Cへ照射する等して画像を記録紙Pに形成する画像形成部6、ポート端末装置1及びパーソナルコンピュータ2と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート(入力手段)56、コインベンダ30と情報を送受信するためのRS232Cポート等の補助通信ポート561、複合機4を構成する各部が正常に動作しているかを検出する検出手段としての動作検出部58が接続される。CPU51は、バス57を介して制御部50等の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部55に記憶された制御プログラム55Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
記憶部55には、コピー処理としてスキャナ部3で読み取られた画像データを記憶するコピーデータファイル552、ポート端末装置1又はパーソナルコンピュータ2から送信されたプリント用の印刷データを記憶する印刷データファイル551が格納されている。また、記憶部55には、顧客向けのガイダンス及び手順案内、店舗のスタッフ向けのガイダンス及び手順案内等を記憶した案内情報ファイル553が記憶されている。これらの案内情報はCPU51により適宜読み出されて表示部54または図示しない音声出力部から出力される。
更に、記憶部55には、スタッフが使用するパーソナルコンピュータ2から複合機4へ送信された印刷データを印刷する際に必要となる認証情報、複合機4がスタッフしか操作できない動作モードとなった場合に必要となる認証情報等を記憶する認証情報ファイル554が用意されている。認証情報ファイル554には、認証情報として例えば複数桁の数字からなる認証番号が予め記憶されており、CPU51は入力部53から認証情報が入力された場合は、認証情報ファイル554を検索し、入力された認証情報と予め記憶された認証情報とが一致するか否かを判断し、一致する場合にのみそれぞれの処理を開始する。
具体的には、パーソナルコンピュータ2から複合機4へ送信された印刷データを印刷する際に必要となる認証情報が一致する場合には、印刷データファイル551に記憶された印刷データへのアクセスを許可し、複合機4がスタッフしか操作できない動作モードとなった場合に必要となる認証情報が一致する場合には、複合機4を通常モードに変更することができる。
動作検出部58は、例えば、記録紙Pの搬送経路に発生する紙詰まりを検出する紙詰まりセンサ、及び複合機4が有する前カバー又は側面カバー等の各カバーの開閉を検知するセンサ等の複数のセンサを有しており、各センサは自身が検知した検知内容をCPU51へ随時通知する。動作検出部58は、画像形成部6による画像形成処理(コピー処理及びプリント処理)の実行中に紙詰まり及び各カバーの開放等の画像形成処理の中断事由の発生を検出した場合その旨をCPU51へ通知し、CPU51は画像形成部6を停止させ、実行中の画像形成処理を中断させる中断制御手段として動作する。
また、動作検出部58は、発生していた中断事由が解消されたことを検出した場合にその旨をCPU51へ通知し、CPU51は、中断させた画像形成処理を再開させるか否かを判断する判断手段として動作し、再開させると判断した場合には、画像形成部6を動作させ、中断させた画像形成処理を再開させる再開制御手段として動作する。ここで、本実施の形態1の複合機4では、検出された中断事由に応じて、中断された画像形成処理を再開させる際の判断基準を異ならせている。
即ち、紙詰まりにより中断された画像形成処理は、詰まった記録紙Pを取り除いた後に再開指示としてスタートボタン533(図5参照)が押された場合に再開させる。この場合、入力部53は再開指示を受け付ける再開指示受付手段として動作し、CPU51は、スタートボタン533が押された場合に、中断されていた画像形成処理を再開させる。また、記録紙Pの搬送経路は正常であるが、カバーの開放により中断された画像形成処理は、スタッフによる認証処理を行なって正当であると認証された場合に再開させる。この場合、入力部53はスタッフがテンキー532(図5参照)から入力する認証情報を受け付ける認証情報受付手段として動作し、CPU51は、認証情報ファイル554を検索し、入力された認証情報と予め記憶された認証情報とが一致する場合に、中断されていた画像形成処理を再開させる。
なお、中断させた画像形成処理を再開させる際の判断基準は、上述したように各複合機4において予め設定しておいてもよく、また、複合機4の動作環境及び動作状態等に基づいてスタッフが任意に設定することも可能である。具体的には、スタッフは、紙詰まりにより中断された画像形成処理を再開させる場合、及びカバーの開放により中断された画像形成処理を再開させる場合のそれぞれについて、所望する判断基準(具体的には、認証処理を行なうか否かの選択)を入力部(選択受付手段)53から設定する。また、同一の中断事由が連続して発生した場合に、スタッフによる判断基準の再選択を行なうように構成してもよい。
続いてトナー現像処理について説明する。図2に示すように、複合機4の略中央部には感光体4Cが矢印方向に回転自在に支持されている。この感光体4Cには、例えば、所定電圧に印加された導電性ブラシ等の帯電器5Cが接触可能に設けられており、帯電器5Cにより感光体4Cの表面は所定電圧に帯電される。そして、感光体4Cに、制御部50の印刷データファイル551、コピーデータファイル552から出力される画像データに基づいて変調された画像光を、遮光性のケース70に覆われた光走査装置70から照射し、感光体4C上に静電潜像を形成する。
トナーが貯留された現像槽7は、感光体4Cの表面に現像ローラ7aを通じてトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像する。その後、感光体4Cの回転に先立って給紙ローラ120の回転によって給紙カセット100内の記録紙Pが一枚ずつ用紙搬送路内に給紙される。給紙された記録紙Pは、搬送ローラ120によりレジストローラ130へ搬送される。なお、給紙カセット100は記録紙Pのサイズに応じて複数の給紙カセット101,102,103…が設けられており、認識センサ35sにより認識されたサイズ、または顧客が入力部53により入力した記録紙Pのサイズに応じた一の給紙カセット100が選択される。
記録紙Pは前端部をレジストローラ130に当接した状態で停止しており、所定のタイミングでレジストローラ130は回転を開始することにより記録紙Pを感光体4C方向へ導く。そして記録紙Pの表面に、感光体4Cに担持されたトナー像を所定の転写バイアスが印加された転写器8により転写する。転写された記録紙Pは定着ローラ140を通過する間に加熱及び加圧される。これによりトナー像が溶融して記録紙Pの下面に固着する。
トナー像が固着された記録紙Pは排紙ローラ150により搬送されて多段の排紙トレイ110(111,112,…,11n…)に排出される。ここで両面コピーを行なう場合は、記録紙Pの表面への画像形成が行なわれて、定着ローラ140を通過した後、記録紙Pが再度レジストローラ130へ搬送され、所定のタイミングで裏面の画像形成が開始される。なお、感光体4Cに残着したトナーはクリーナCのクリーニングブレードC1により除去される。なお、本実施の形態においては説明を簡略化するために、一色(黒色)のみの画像形成部6について説明したが、カラーコピー機である場合は同様の画像形成部6がタンデム状に各色(シアン、マゼンダ、イエロー)分用意されている。
続いて、コインベンダ30について説明する。図3に示すように、コインベンダ30は制御部301、通信ポート303及び貨幣投入部302により構成される。貨幣投入部302は、投入された貨幣を受け付ける投入口である。制御部301は貨幣投入部302から投入された貨幣の真偽を判断すると共に、投入された貨幣の情報(有価情報)を、通信ポート303を介して複合機4の制御部50のCPU51へ送出する。なお、本実施の形態においては有価情報を、コインベンダ30の制御部301が有価情報の認識を条件に出力するよう構成しているが、これに限らず制御部50のCPU51が一定周期で制御部301へアクセスし、有価情報を取得するようにしてもよい。また、本実施の形態においては貨幣を受け付けるようにしているが、貨幣投入部302に代えて、有価情報が記憶または有価情報の決済が可能なプリペイドカード、ICカード等の記録媒体へアクセス可能なリーダ・ライタにより構成するようにしてもよい。
次にポート端末装置1のハードウェア構成について説明する。図4に示すように、CPU11にはバス17を介してRAM12,ROM15、複合機4と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート16、液晶ディスプレイ等の表示部14、タッチパネル、キーボード等の入力部13、そのほかリーダ1R、貨幣投入部19、及び印刷部18が接続される。CPU11は、バス17を介してポート端末装置1の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、ROM15に格納された制御プログラム15Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
また、ROM15には複合機4用のプリンタドライバ151がインストールされている。ポート端末装置1を用いて印刷を行なう場合、顧客が入力部13を操作することによりWebサーバ5のネットワークアルバムからダウンロードされた印刷データまたはリーダ1Rに挿入されたCD−ROM、メモリーカード等の記録媒体から読み取った印刷データを複合機4へ出力することにより実行される。印刷データが複合機4へ出力された後は、印刷部18から印刷データを特定するための固有の識別情報、たとえば4桁の暗証番号またはバーコードを記録用紙としてのレシートRに印字して出力する。なお、識別情報の出力は、レシートRに印字して出力する方法に限定されるものではなく、単に表示部14に識別情報を表示する方法、または識別情報を図示しない赤外線通信部から、またはBluetooth等の通信手段を用いて顧客の携帯電話(図示せず)、またはPDA(Personal Digital Assistant図示せず)へ送信するようにしてもよい。
次に、パーソナルコンピュータ2のハードウェア構成について説明する。パーソナルコンピュータ2は公知のパーソナルコンピュータと同様の構成をなし、ブラウザに表示されたHTML(Hyper Text Markup Language)データ、ワープロソフトで作成された文書データ、メーラーで受信したテキストデータ等のデータを印刷データとして複合機4へ出力して印刷を行なうものである。
図4に示すように、CPU21にはバス27を介してRAM22、ハードディスク等の記憶部25、複合機4と情報を送受信するためのLANカード等の通信ポート26、液晶ディスプレイ等の表示部24、キーボード、マウス等の入力部23が接続される。CPU21は、バス27を介してパーソナルコンピュータ2の上述したようなハードウェア各部と接続されていて、それらを制御すると共に、記憶部25に格納された制御プログラム25Pに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。また、記憶部25には複合機4用のプリンタドライバ251がインストールされている。
図5は複合機4の表示部54の表示状態及び入力部53の外観を示す模式図である。入力部53は表示部54上に積層されたタッチパネル536及びテンキー532等から構成されている。図5に示す如く表示部54には、コピー処理に関する情報とポート端末装置1から送信されて記憶部55の印刷データファイル551に記録された印刷データのプリント処理に関する情報とを同時に顧客が認識することができるように表示してある。本実施の形態の印刷システムにおいては、ポート端末装置1からの印刷処理命令がない場合は、図5中左側に示したコピー処理に関する情報のみを表示しておき、ポート端末装置1からの印刷処理命令があり、かつコピー処理を行なっていない場合のみ、図5に示す如くコピー処理に関する情報及びポート端末装置1からの印刷データのプリント処理に関する情報を表示する。また、テンキー532から認証情報を入力することにより、パーソナルコンピュータ2から送信されて記憶部55の印刷データファイル551に記録された印刷データのプリント処理に関する情報が、表示部54にスタッフ向けに表示される。
まず、コピー処理命令が複合機4に受け付けられた場合の処理について説明する。図6乃至図9はコピー処理の手順の案内画面を示す模式図である。図6(a)はポート端末装置1からの印刷処理命令がなく、コピー処理の待機状態を示す図である。図6(a)の待機状態または、図5に示すようにポート端末装置1から印刷処理命令を受け付けている場合に、コインベンダ30の貨幣投入部302から所定の金額が投入され、制御部301から有価情報がCPU51へ送出された場合、図6(b)に示す如くコピーができることを示す案内画面が表示される。なお、表示部54に表示される一連のコピー処理に関する情報は、案内情報ファイル553に記憶されており、CPU51は入力部53からの指示に従い適切なファイルを読み出して表示部54へ出力する。
顧客は、案内画面に従ってコピー処理における各種の設定条件をタッチパネル536から入力する。具体的には、白黒、フルカラー、または単色カラーのいずれかを選択するカラーモードの設定、コピーを希望する用紙サイズの設定、拡大/縮小コピーを行なう場合の倍率の設定、コピーの濃度の設定等を行なうことができる。なお、図6(b)の例では、カラーモードとしてフルカラーが、用紙サイズとしてA4用紙が、拡大率又は縮小率として100%が、コピーの濃度として自動が選択された状態を示している。
ここで、入力部53のスタートボタン533が押されると、コピーが開始され、図7(a)に示す如くコピー中であることを示す案内画面が表示部54に表示される。なお、スタートボタン533は図5に示すように白黒コピー用のボタンとカラーコピー用のボタンとを備えている。ユーザは、いずれのコピー処理を行ないたいかに従い一方のボタンを操作し、CPU51は操作されたボタンに対応する処理を行なう。
図5及び図6(a)に示したように、コピー印刷処理命令は、コインベンダ30の制御部301からの有価情報がCPU51へ入力された場合に開始される。本実施の形態においては、白黒コピーの場合は1枚10円、フルカラーまたは単色カラーが1枚50円(A3用紙の場合は80円)と設定されている。CPU51はコピー終了後に上述した各モードのコピー対価に応じた額を投入金額から減算し、残額が0円になった場合に、料金がなくなったことを示す情報を表示部54に表示して通知する。また、顧客がコピーを終了する場合は、図7(b)に示す如く原稿及びお釣り取り忘れ防止を喚起する案内画面が表示部54に表示される。
ここで、図7(a)に示す案内画面が表示部54に表示され、コピー処理の実行中に動作検出部58が記録紙Pの搬送経路において紙詰まりの発生を検出した場合、図8(a)に示す如く紙詰まりが発生したことを示す案内画面が表示部54に表示される。なお、図8(a)に示す案内画面のほか、紙詰まりの発生箇所及び取り除き方法等のガイダンスを表示することもできる。その後、顧客又はスタッフにより詰まった記録紙Pが取り除かれた場合、図8(b)に示す如くコピー処理の続きができることを示す案内画面が表示部54に表示される。そして、顧客が案内画面に従ってスタートボタン533を押した場合、CPU51はコピー処理を再開させ、表示部54には図7(a)に示す案内画面が表示される。
一方、動作検出部58がコピー処理の実行中にカバーの開放を検出した場合、図9(a)に示す如くコピー処理を中断したことを示す案内画面が表示部54に表示される。この案内画面は、紙詰まりが発生したことを示すと共に店舗のスタッフを呼ぶことを指示している。この案内画面が表示された場合、スタッフが適切な操作を行なわない限りは通常の動作状態に戻れないようになっている。従って、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作し、例えば所定の認証情報をテンキー532から入力する。
CPU51は、入力された認証情報が認証情報ファイル554に予め記憶された認証情報と一致するか否かを判断し、一致した場合、図9(b)に示す如く中断されたコピー処理を続行するか否かをスタッフ又は顧客が選択する復帰画面を表示部54に表示させる。この復帰画面において「復帰する」ボタンが押された場合、CPU51はコピー処理を再開させ、表示部54には図8(b)に示す案内画面が表示される。また、「復帰しない」ボタンが押された場合、CPU51は中断させているコピー処理を終了させ、表示部54に図6(b)に示す案内画面を表示させる。
続いて、ポート端末装置1から印刷データが送信された後の処理について説明する。Webサーバ5等から取得した印刷データは固有の識別情報が付加されて複合機4へ送信され、CPU51は送信された印刷データを識別情報に対応づけて印刷データファイル551に記憶する。コピー処理が実行されていない場合であって、かつポート端末装置1から送信された新たな印刷データが印刷データファイル551に記憶されている場合、図5に示す如くコピー処理に関する情報及びポート端末装置1からの印刷データのプリント処理に関する情報が、表示部54の略中央部を境に均等に表示される。ここで、顧客がポート端末ボタン531を押した場合、プリント処理の案内が開始される。
図10乃至図13はポート端末装置1からの印刷データのプリント処理の手順の案内画面を示す模式図である。コピー処理に関する情報及びプリント処理に関する情報が表示されている状態で、ポート端末ボタン531が操作された場合、表示部54には図10(a)に示す如くプリント処理に関する情報のみが表示され、最初に識別情報の入力を要求する画面が表示される。
顧客はポート端末装置1の印刷部18から出力されたレシートRに印字された識別情報をテンキー532から入力する。顧客がテンキー532を操作することにより、図10(b)に示す如く識別情報が表示される。顧客は、識別情報を入力し終えた場合、図10(b)のように表示部54に表示されている「OK」ボタンを、タッチパネル536を通じて押す。なお、本実施の形態においてはテンキー532から識別情報の入力を受け付けるようにしたが、これに限るものではなく、複合機4に、バーコードリーダを設けておき、レシートRに印字された識別情報であるバーコードを読み取らせるようにしてもよい。または複合機4に備えられる赤外線通信機能を有する赤外線受信部(図示せず)またはBluethooth機能を有する通信モジュール(図示せず)を用いて、携帯電話(図示せず)と識別情報を送受信するようにしてもよい。
CPU51は入力された識別情報に基づいて、印刷データファイル551を検索し、対応する印刷データを読み出してプリントアウトを開始する。一方、対応する識別情報が存在しない場合は、識別情報が存在しないことを示す案内画面を表示する。なお、このようなプリント処理に関する情報はコピー処理に関する情報と同じく、案内情報ファイル553に記憶されており、CPU51が適宜のタイミングで対応するファイルを読み出して表示部54へ出力する。
プリント処理が開始された後は、図11(a)に示すようにプリント中であることを示す案内画面が表示され、プリント終了後は、図11(b)に示すようにプリントが終了したことを示す案内画面が表示される。そして、CPU51は、記憶部55の印刷データファイル551にまだプリントされていない印刷データがある場合は、図5に示すようにコピー処理に関する情報及びプリント処理に関する情報を表示する。他方、CPU51は、記憶部55の印刷データファイル551にまだプリントされていない印刷データがない場合は、図6(a)に示すようにコピー処理に関する情報のみを表示部54に表示する。
ここで、図11(a)に示す案内画面が表示部54に表示されている状態で、プリント処理の実行中に動作検出部58が記録紙Pの搬送経路において紙詰まりの発生を検出した場合、図12(a)に示す如く紙詰まりが発生したことを示す案内画面が表示部54に表示される。なお、図12(a)に示す案内画面のほか、紙詰まりの発生箇所及び取り除き方法等のガイダンスを表示することもできる。その後、顧客又はスタッフにより詰まった記録紙Pが取り除かれた場合、図12(b)に示す如くプリント処理の続きができることを示す案内画面が表示部54に表示される。そして、顧客が案内画面に従ってタッチパネル536上の「プリント」ボタンを押した場合、CPU51はプリント処理を再開させ、表示部54には図11(a)に示す案内画面が表示される。なお、タッチパネル536上の「キャンセル」ボタンが押された場合、中断されていたプリント処理を終了する。
一方、動作検出部58がプリント処理の実行中にカバーの開放を検出した場合、図13(a)に示す如くプリント処理を中断したことを示す案内画面が表示部54に表示される。この案内画面は、紙詰まりが発生したことを示すと共に店舗のスタッフを呼ぶことを指示している。この案内画面が表示された場合、スタッフが適切な操作を行なわない限りは通常の動作状態に戻れないようになっている。従って、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作し、例えば所定の認証情報をテンキー532から入力する。
CPU51は、入力された認証情報が認証情報ファイル554に予め記憶された認証情報と一致するか否かを判断し、一致した場合、図13(b)に示す如く中断されているプリント処理を続行するか否かをスタッフ又は顧客が選択する案内画面を表示部54に表示させる。この案内画面において「復帰する」ボタンが押された場合、CPU51はプリント処理を再開させ、表示部54には図12(b)に示す案内画面が表示される。また、「復帰しない」ボタンが押された場合、CPU51は中断させたプリント処理を終了させ、表示部54に図5に示す如く案内画面を表示させる。
さらに、スタッフが用いるパーソナルコンピュータ2から印刷データが送信された後の処理について説明する。コピー処理又はポート端末装置1からの印刷データのプリント処理が開始されていない場合に、入力部53からスタッフが認証情報を入力した場合、CPU51は認証情報ファイル554に予め記憶した認証情報(例えば4桁の暗証番号、指紋等の生体情報)と入力された認証情報とを比較し、一致する場合に印刷データファイル551中のパーソナルコンピュータ2からの印刷データのそれぞれを示すファイル名を読み出し、表示部54に表示する。スタッフは、表示された各ファイル名に基づいて所望のファイルをタッチパネル536で選択し、スタートボタン533を操作する。これにより、パーソナルコンピュータ2からの印刷データのプリント処理が開始される。
以下に、上述した構成の複合機4によるコピー処理及びプリント処理についてフローチャートを用いて説明する。図14及び図15は複合機4によるコピー処理及びプリント処理の手順を示すフローチャートである。複合機4のCPU51は、ポート端末装置1から印刷データを取得していない場合、コピー処理に関する情報のみを案内情報ファイル553から読み出して図6(a)に示す案内画面を表示部54に表示し、ポート端末装置1から印刷データを取得している場合、コピー処理に関する情報及びポート端末装置1からの印刷データのプリント処理に関する情報を案内情報ファイル553から読み出して図5に示す案内画面を表示部54に表示する(S1)。
顧客は、複合機4にコピーを行なわせる場合、コインベンダ30の貨幣投入口302から貨幣を投入し、スタートボタン533を操作する。また、顧客は、Webサーバ5等から取得した印刷データを複合機4にプリントさせる場合、ポート端末ボタン531を操作し、ポート端末装置1の印刷部18から出力されたレシートRに印字された識別情報をテンキー532から入力する。CPU51は、コインベンダ30の制御部301から送出された有価情報を受け付けたか否かに基づいてコピー処理の実行が指示されたか否かを判断する(S2)。なお、CPU51は、ポート端末ボタン531の操作を受け付けたか否か、及び識別情報の入力を受け付けたか否かに基づいてプリント処理の実行が指示されたか否かを判断する。
CPU51は、コピー処理の実行が指示されたと判断した場合(S2:YES)、図6(b)に示す如く案内画面を表示部54に表示し、スタートボタン533が操作されたか否かを判断する(S3)。CPU51は、スタートボタン533が操作されていないと判断した場合(S3:NO)、スタートボタン533が操作されるまで待機し、スタートボタン533が操作されたと判断した場合(S3:YES)、コピー処理を開始し(S4)、図7(a)に示すようにコピー中であることを示す案内画面を表示部54に表示する。
CPU51は、画像形成部6によるコピー処理が終了したか否かを判断しており(S5)、コピー処理が終了したと判断した場合(S5:YES)、処理を終了する。また、CPU51は、コピー処理が終了していないと判断した場合(S5:NO)、動作検出部58からの通知によりコピー処理の中断事由が発生したか否かを判断し(S6)、中断事由が発生していないと判断した場合(S6:NO)、コピー処理を続行し(S4)、中断事由が発生したと判断した場合(S6:YES)、実行中のコピー処理を中断する(S7)。
CPU51は、発生した中断事由が紙詰まりであるか否かを判断し(S8)、紙詰まりが発生したと判断した場合(S8:YES)、図8(a)に示すように、詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S9)。顧客又はスタッフは、表示された案内画面に従って詰まった記録紙Pを取り除く。CPU51は、動作検出部58からの通知により中断事由が解消したか否かを判断し(S10)、中断事由が解消しないと判断した場合(S10:NO)、中断事由が解消するまで詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面の表示を続行する(S9)。
CPU51は、中断事由が解消したと判断した場合(S10:YES)、図8(b)に示す如く案内画面を表示部54に表示させてステップS3の処理に戻り、顧客又はスタッフによりスタートボタン533が押された場合に(S3:YES)、ステップS7で中断したコピー処理を再開させる(S4)。
一方、ステップS8において、発生した中断事由が紙詰まりでないと判断した場合(S8:NO)、CPU51は、図9(a)に示すように、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S11)。顧客は案内画面に従ってスタッフを呼び、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作する。CPU51は、適切な操作がされたか否かを判断しており(S12)、適切な操作がされないと判断した場合(S12:NO)、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面の表示を続行する(S11)。なお、スタッフが行なう適切な操作とは、例えば適切な認証情報の入力である。
CPU51は、適切な操作がされたと判断した場合(S12:YES)、図9(b)に示す復帰画面を表示部54に表示し(S13)、この復帰画面において復帰するボタンが押されたか否かを判断し(S14)、復帰するボタンが押されなかった場合(S14:NO)、即ち復帰しないボタンが押された場合には処理を終了する。また、復帰するボタンが押された場合(S14:YES)、CPU51は、図8(b)に示す如く案内画面を表示部54に表示させてステップS3の処理に戻り、顧客又はスタッフによりスタートボタン533が押された場合に(S3:YES)、ステップS7で中断したコピー処理を再開させる(S4)。
また一方、ステップS2において、CPU51は、プリント処理の実行が指示されたと判断した場合(S2:NO)、入力された識別情報に基づいて、印刷データファイル551から対応する印刷データを読み出してプリント処理を開始し(S15)、図11(a)に示すようにプリント中であることを示す案内画面を表示部54に表示する。CPU51は、画像形成部6によるプリント処理が終了したか否かを判断しており(S16)、プリント処理が終了したと判断した場合(S16:YES)、処理を終了する。
CPU51は、プリント処理が終了していないと判断した場合(S16:NO)、動作検出部58からの通知によりプリント処理の中断事由が発生したか否かを判断し(S17)、中断事由が発生していないと判断した場合(S17:NO)、プリント処理を続行し(S15)、中断事由が発生したと判断した場合(S17:YES)、実行中のプリント処理を中断する(S18)。
CPU51は、発生した中断事由が紙詰まりであるか否かを判断し(S19)、紙詰まりが発生したと判断した場合(S19:YES)、図12(a)に示すように、詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S20)。顧客又はスタッフは、表示された案内画面に従って詰まった記録紙Pを取り除く。CPU51は、動作検出部58からの通知により中断事由が解消したか否かを判断し(S21)、中断事由が解消しないと判断した場合(S21:NO)、中断事由が解消するまでは詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面の表示を続行する(S20)。
CPU51は、中断事由が解消したと判断した場合(S21:YES)、図12(b)に示す案内画面を表示部54に表示させ、この案内画面に従ってタッチパネル536上のプリントボタンが押されたか否かを判断し(S22)、プリントボタンが押されたと判断した場合(S22:YES)、ステップS18で中断したプリント処理を再開させる(S15)。ここで、キャンセルボタンが押された場合(S22:NO)、CPU51は処理を終了する。
一方、ステップS19において、発生した中断事由が紙詰まりではないと判断した場合(S19:NO)、CPU51は、図13(a)に示すように、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S23)。顧客は案内画面に従ってスタッフを呼び、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作する。CPU51は、適切な操作がされたか否かを判断しており(S24)、適切な操作がされないと判断した場合(S24:NO)、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面の表示を続行する(S23)。なお、スタッフが行なう適切な操作とは、例えば適切な認証情報の入力である。
CPU51は、適切な操作がされたと判断した場合(S24:YES)、図13(b)に示す復帰画面を表示部54に表示し(S25)、この復帰画面において復帰するボタンが押されたか否かを判断し(S26)、復帰するボタンが押されなかった場合(S26:NO)、即ち復帰しないボタンが押された場合には処理を終了する。また、復帰するボタンが押された場合(S26:YES)、CPU51は、図12(b)に示す案内画面を表示部54に表示させ、この案内画面に従ってタッチパネル536上のプリントボタンが押されたか否かを判断し(S22)、プリントボタンが押されたと判断した場合(S22:YES)、ステップS18で中断したプリント処理を再開させる(S15)。ここで、キャンセルボタンが押された場合(S22:NO)、CPU51は処理を終了する。
上述したように、本実施の形態1では、コピー処理又はプリント処理の実行中に中断事由が発生した場合、発生した中断事由が紙詰まりであるか否かに基づいて、コピー処理又はプリント処理を再開させる際の処理を異ならせている。従って、紙詰まりによりコピー処理又はプリント処理が中断された場合は、詰まった記録紙Pを取り除くことにより再開させるが、例えばカバーの開放によりコピー処理又はプリント処理が中断された場合は、カバーを閉じるだけでなく、店舗のスタッフによる認証処理を必要とすることにより、実行中のコピー処理及びプリント処理が不適切な中断事由によって中断された場合に、その旨を早期に発見することができると共に、中断された記録処理に対して適切な課金処理を行なうことができる。
(実施の形態2)
以下に、実施の形態2における印刷システムについて説明する。なお、本実施の形態2の印刷システムは、上述した実施の形態1の印刷システムと同様の構成によって実現可能であるので構成についての説明は省略する。
実施の形態2の複合機4では、CPU51は、動作検出部58が検出した画像形成処理の中断事由を通知された場合、画像形成部6を停止させて実行中の画像形成処理を中断させると共に、通知された中断事由をRAM52に記憶する。そして、CPU51は、所定時間の間において同一の中断事由が連続して発生しているか否かを判断しており、同一の中断事由が連続して発生している場合には、中断された画像形成処理を再開させる際にスタッフによる認証処理を必要とする。
具体的には、CPU51は、例えばコインベンダ30の貨幣投入口302から貨幣が投入されてから所定の返却口からお釣りを返却するまでの間に発生した中断事由及びそれぞれの中断事由の発生回数をRAM52に記憶させておき、動作検出部58から中断事由の発生を通知される都度、通知された中断事由の発生回数が所定回数以上であるか否かを判断し、所定回数以上である場合、図9(a)又は図13(a)に示すように、店舗のスタッフを呼ぶことを指示した案内画面を表示部53に表示させる。従って、これ以降、スタッフが適切な操作を行なわない限りは通常の動作状態に戻れないようになっており、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作し、例えば所定の認証情報をテンキー532から入力する。
CPU51は、入力された認証情報が認証情報ファイル554に予め記憶された認証情報と一致するか否かを判断し、一致した場合、図9(b)又は図13(b)に示す復帰画面を表示部54に表示させる。この復帰画面において「復帰する」ボタンが押された場合、CPU51はコピー処理を再開させ、表示部54には図8(b)又は図12(b)に示す案内画面が表示され、中断された画像形成処理の再開が可能となる。
以下に、本実施の形態2の複合機4によるコピー処理及びプリント処理についてフローチャートを用いて説明する。図16及び図17は本実施の形態2の複合機4によるコピー処理及びプリント処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態2の複合機4において、CPU51は、ポート端末装置1から印刷データを取得していない場合、コピー処理に関する情報のみを案内情報ファイル553から読み出して図6(a)に示す案内画面を表示部54に表示し、ポート端末装置1から印刷データを取得している場合、コピー処理に関する情報及びポート端末装置1からの印刷データのプリント処理に関する情報を案内情報ファイル553から読み出して図5に示す案内画面を表示部54に表示する(S31)。
顧客は、複合機4によってコピーを行なう場合、コインベンダ30の貨幣投入口302へ貨幣を投入し、スタートボタン533を操作する。また、顧客は、Webサーバ5等から取得した印刷データを複合機4によってプリントする場合、ポート端末ボタン531を操作し、ポート端末装置1の印刷部18から出力されたレシートRに印字された識別情報をテンキー532から入力する。CPU51は、コインベンダ30の制御部301から送出された有価情報を受け付けたか否かに基づいてコピー処理の実行が指示されたか否かを判断する(S32)。なお、CPU51は、ポート端末ボタン531の操作及び識別情報の入力を受け付けたか否かに基づいてプリント処理の実行が指示されたか否かを判断する。
CPU51は、コピー処理の実行が指示されたと判断した場合(S32:YES)、図6(b)に示す如く案内画面を表示部54に表示し、スタートボタン533が操作されたか否かを判断する(S33)。CPU51は、スタートボタン533が操作されていないと判断した場合(S33:NO)、スタートボタン533が操作されるまで待機し、スタートボタン533が操作されたと判断した場合(S33:YES)、コピー処理を開始し(S34)、図7(a)に示すようにコピー中であることを示す案内画面を表示部54に表示する。
CPU51は、画像形成部6によるコピー処理が終了したか否かを判断しており(S35)、コピー処理が終了したと判断した場合(S35:YES)、処理を終了する。また、CPU51は、コピー処理が終了していないと判断した場合(S35:NO)、動作検出部58からの通知によりコピー処理の中断事由が発生したか否かを判断し(S36)、中断事由が発生していないと判断した場合(S36:NO)、コピー処理を続行し(S34)、中断事由が発生したと判断した場合(S36:YES)、実行中のコピー処理を中断する(S37)。
CPU51は、動作検出部58から通知された中断事由をRAM52に記憶させると共に、この中断事由の発生回数に1を加算してRAM52に記憶させる(S38)。CPU51は、この中断事由の発生回数が予め設定された所定回数以上であるか否かを判断しており(S39)、所定回数以上でないと判断した場合(S39:NO)、図8(a)に示すように、詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S40)。顧客又はスタッフは、詰まった記録紙Pを表示された案内画面に従って取り除く。CPU51は、動作検出部58からの通知により中断事由が解消したか否かを判断し(S41)、中断事由が解消しないと判断した場合(S41:NO)、中断事由が解消するまでは詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面の表示を続行する(S40)。
CPU51は、中断事由が解消したと判断した場合(S41:YES)、図8(b)に示す案内画面を表示部54に表示させてステップS33の処理に戻り、顧客又はスタッフによりスタートボタン533が押された場合に(S33:YES)、ステップS37で中断したコピー処理を再開させる(S34)。
一方、ステップS39において、ステップS38でRAM52に記憶させた中断事由の発生回数が所定回数以上であると判断した場合(S39:YES)、CPU51は、図9(a)に示すように、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S42)。顧客は案内画面に従ってスタッフを呼び、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作する。CPU51は、適切な操作がされたか否かを判断しており(S43)、適切な操作がされないと判断した場合(S43:NO)、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面の表示を続行する(S42)。なお、スタッフが行なう適切な操作とは、例えば適切な認証情報の入力である。
CPU51は、適切な操作がされたと判断した場合(S43:YES)、図9(b)に示す復帰画面を表示部54に表示し(S44)、この復帰画面において復帰するボタンが押されたか否かを判断し(S45)、復帰するボタンが押されなかった場合(S45:NO)、即ち復帰しないボタンが押された場合には処理を終了する。また、復帰するボタンが押された場合(S45:YES)、CPU51は、図8(b)に示す如く案内画面を表示部54に表示させてステップS33の処理に戻り、顧客又はスタッフによりスタートボタン533が押された場合に(S33:YES)、ステップS37で中断したコピー処理を再開させる(S34)。
また一方、ステップS32において、CPU51は、プリント処理の実行が指示されたと判断した場合(S32:NO)、入力された識別情報に基づいて、印刷データファイル551から対応する印刷データを読み出してプリント処理を開始し(S46)、図11(a)に示すようにプリント中であることを示す案内画面を表示部54に表示する。CPU51は、画像形成部6によるプリント処理が終了したか否かを判断しており(S47)、プリント処理が終了したと判断した場合(S47:YES)、処理を終了する。
CPU51は、プリント処理が終了していないと判断した場合(S47:NO)、動作検出部58からの通知によりプリント処理の中断事由が発生したか否かを判断し(S48)、中断事由が発生していないと判断した場合(S48:NO)、プリント処理を続行し(S46)、中断事由が発生したと判断した場合(S48:YES)、実行中のプリント処理を中断する(S49)。
CPU51は、動作検出部58から通知された中断事由をRAM52に記憶させると共に、この中断事由の発生回数に1を加算してRAM52に記憶させる(S50)。CPU51は、この中断事由の発生回数が予め設定された所定回数以上であるか否かを判断しており(S51)、所定回数以上でないと判断した場合(S51:NO)、図12(a)に示すように、詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S52)。顧客又はスタッフは、詰まった記録紙Pを表示された案内画面に従って取り除く。CPU51は、動作検出部58からの通知により中断事由が解消したか否かを判断し(S53)、中断事由が解消しないと判断した場合(S53:NO)、中断事由が解消するまで詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面の表示を続行する(S52)。
CPU51は、中断事由が解消したと判断した場合(S53:YES)、図12(b)に示す案内画面を表示部54に表示させ、この案内画面に従ってタッチパネル536上のプリントボタンが押されたか否かを判断し(S54)、プリントボタンが押されたと判断した場合(S54:YES)、ステップS49で中断したプリント処理を再開させる(S46)。ここで、キャンセルボタンが押された場合(S54:NO)、CPU51は処理を終了する。
一方、ステップS51において、ステップS50でRAM52に記憶させた中断事由の発生回数が所定回数以上であると判断した場合(S51:YES)、CPU51は、図13(a)に示すように、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S55)。顧客は案内画面に従ってスタッフを呼び、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作する。CPU51は、適切な操作がされたか否かを判断しており(S56)、適切な操作がされないと判断した場合(S56:NO)、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面の表示を続行する(S55)。なお、スタッフが行なう適切な操作とは、例えば適切な認証情報の入力である。
CPU51は、適切な操作がされたと判断した場合(S56:YES)、図13(b)に示す復帰画面を表示部54に表示し(S57)、この復帰画面において復帰するボタンが押されたか否かを判断し(S58)、復帰するボタンが押されなかった場合(S58:NO)、即ち復帰しないボタンが押された場合には処理を終了する。また、復帰するボタンが押された場合(S58:YES)、CPU51は、図12(b)に示す案内画面を表示部54に表示させ、この案内画面に従ってタッチパネル536上のプリントボタンが押されたか否かを判断し(S54)、プリントボタンが押されたと判断した場合(S54:YES)、ステップS49で中断したプリント処理を再開させる(S46)。ここで、キャンセルボタンが押された場合(S54:NO)、CPU51は処理を終了する。
上述したように、本実施の形態2では、顧客がコインベンダ30の貨幣投入口302へ貨幣を投入してから所定の返却口からお釣りが返却されるまでの間にコピー処理又はプリント処理の中断事由が発生した場合、同一の中断事由が所定回数以上発生したか否かに基づいて、中断されたコピー処理又はプリント処理を再開させる際の処理を異ならせている。従って、同一の中断事由が連続して所定回数以上発生するという通常動作においては発生しにくい動作を行なった場合に店舗のスタッフによる認証処理を必要とすることにより、複合機4による不都合な動作を早期に発見できると共に、顧客に掛かる迷惑を軽減することができる。
(実施の形態3)
以下に、実施の形態3における印刷システムについて説明する。なお、本実施の形態3の印刷システムも、上述した実施の形態1の印刷システムと同様の構成によって実現可能であるので構成についての説明は省略する。複合機4は、上述した実施の形態1及び2と同様に、スキャナ部3(図3参照)により原稿から読み取った画像データ、ポート端末装置1から送信された印刷データ及びパーソナルコンピュータ2から送信された印刷データを必要に応じて記憶部55から読み出して画像形成部6へ入力することにより、コピー処理及びプリント処理を行なっている。
本実施の形態3の複合機4では、CPU51は、動作検出部58が検出した画像形成処理(コピー処理及びプリント処理)の中断事由を通知された場合、画像形成部6を停止させて実行中の画像形成処理を中断させる。ここで、CPU51は、中断された画像形成処理における印刷データがスキャナ部3により読み取った画像データ、ポート端末装置1から送信された印刷データ、又はパーソナルコンピュータ2から送信された印刷データであるかを判断し、スキャナ部3により読み取った画像データ又はポート端末装置1から送信された印刷データである場合に、中断された画像形成処理を再開させる際にスタッフによる認証処理を必要とする。
即ち、スタッフを用いるパーソナルコンピュータ2から送信された印刷データのプリント処理が中断された場合には、スタッフによる認証処理を行なわずに、中断事由が解消された時点で中断されたプリント処理を再開させることができる。
以下に、本実施の形態3の複合機4による処理についてフローチャートを用いて説明する。なお、スキャナ部3により原稿から読み取られて記憶部55のコピーデータファイル552に記憶された画像データ、ポート端末装置1及びパーソナルコンピュータ2から送信されて記憶部55の印刷データファイル551に記憶された印刷データを画像形成部6によって記録紙Pに画像出力する処理については、上述の実施の形態1及び2で説明した処理と同様であるため、説明を省略する。従って、以下では、画像形成部6によるコピー処理又はプリント処理が実行された後の複合機4の処理について説明する。
図18は本実施の形態3の複合機4による画像形成処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態3の複合機4において、CPU51は、コインベンダ30の制御部301から送出された有価情報を受け付けた場合にコピー処理の実行が指示されたことを判断し、入力部53のポート端末ボタン531が操作されて識別情報の入力を受け付けた場合にポート端末装置1からの印刷データのプリント処理の実行が指示されたことを判断し、入力部53を介した認証情報(例えば4桁の暗証番号、指紋等の生体情報)の入力を受け付けた場合にパーソナルコンピュータ2からの印刷データのプリント処理の実行が指示されたことを判断する。
CPU51は、コピー処理又はプリント処理(画像形成処理)の実行が指示されたと判断した場合、対応する印刷データを記憶部55から読み出して画像形成部6へ入力し、画像形成処理を開始する。CPU51は、画像形成処理の実行中に動作検出部58からの通知により画像形成処理の中断事由が発生したか否かを判断し(S61)、中断事由が発生していないと判断した場合(S61:NO)、画像形成部6による画像形成処理が終了したか否かを判断する(S62)。CPU51は、画像形成処理が終了していないと判断した場合(S62:NO)、実行中の画像形成処理を続行し、画像形成処理が終了したと判断した場合(S62:YES)、処理を終了する。
CPU51は、画像形成処理の中断事由が発生したと判断した場合(S61:YES)、実行中の画像形成処理を中断し(S63)、中断した画像形成処理がパーソナルコンピュータ2から送信された印刷データのプリント処理であるか否かを判断し(S64)、パーソナルコンピュータ2からの印刷データのプリント処理であると判断した場合(S64:YES)、図8(a)に示すように、詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S65)。
プリント処理を行なったスタッフは、表示された案内画面に従って詰まった記録紙Pを取り除く。CPU51は、動作検出部58からの通知により中断事由が解消したか否かを判断し(S66)、中断事由が解消しないと判断した場合(S66:NO)、中断事由が解消するまでは詰まった記録紙Pを取り除く旨を示す案内画面の表示を続行する(S65)。また、CPU51は、中断事由が解消したと判断した場合(S66:YES)、ステップS63で中断したプリント処理を再開させ(S67)、ステップS61の処理に戻る。
一方、ステップS64において、中断した画像形成処理がパーソナルコンピュータ2から送信された印刷データのプリント処理でないと判断した場合(S64:NO)、即ち、スキャナ部3により読み取った画像データのコピー処理又はポート端末装置1から送信された印刷データのプリント処理である場合、CPU51は、図9(a)又は図13(a)に示すように、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面を表示部54に表示する(S68)。顧客は案内画面に従ってスタッフを呼び、顧客に呼ばれたスタッフは、適切な手順で複合機4を操作する。
CPU51は、適切な操作がされたか否かを判断しており(S69)、適切な操作がされないと判断した場合(S69:NO)、店舗のスタッフを呼ぶ旨を示す案内画面の表示を続行する(S68)。なお、スタッフが行なう適切な操作とは、例えば適切な認証情報の入力である。CPU51は、適切な操作がされたと判断した場合(S69:YES)、図9(b)又は図13(b)に示す復帰画面を表示部54に表示し(S70)、この復帰画面において復帰するボタンが押されたか否かを判断し(S71)、復帰するボタンが押されなかった場合(S71:NO)、即ち復帰しないボタンが押された場合には処理を終了する。また、復帰するボタンが押された場合(S71:YES)、CPU51は、ステップS63で中断した画像形成処理を再開させ(S67)、ステップS61の処理に戻る。
上述したように、本実施の形態3では、顧客が行なうコピー処理及びポート端末装置1からの印刷データのプリント処理の実行中に中断事由が発生した場合、中断されたコピー処理又はプリント処理を再開させる際に店舗のスタッフによる認証処理を必要とすることによって、複合機4による不都合な動作を早期に発見できると共に、顧客によるコピー処理及びプリント処理における適切な課金処理を行なうことができる。
上述した各実施の形態では、コピー処理又はプリント処理の中断事由として、搬送経路上における記録紙Pの紙詰まりと、コピー処理又はプリント処理の実行中のカバーの開放とを挙げており、コピー処理又はプリント処理の実行中にカバーが開放された場合に、店舗のスタッフによる認証処理を行なう例について説明した。また、コピー処理又はプリント処理の中断事由として、コピー処理又はプリント処理の実行中に給紙中の給紙カセット100が引き抜かれた場合、及びコピー処理又はプリント処理の実行中に複合機4の電源が切られた場合等も考えられ、このような場合にも認証処理を行なうようにすることで、複合機4による不都合な動作を早期に発見できると共に、顧客によるコピー処理及びプリント処理における課金処理をより精度良く行なうことができる。