JP4366641B2 - ヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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本発明に用いられる線状低密度ポリエチレン系樹脂は、エチレンと炭素数が3〜12のα―オレフィンの共重合体から成っており、炭素数の数は、好ましくは4〜8の範囲で選択されることが望ましい。これらの共重合成分の具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1等が挙げられるが、本発明は上記化合物に限定されるものではない。これらの中でもブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1が好ましい。密度は880〜950kg/m3が好ましい。885〜930kg/m3がより好ましく、890〜920kg/m3がさらに好ましい。密度が880kg/m3未満では剛性、耐熱性および耐ブロッキング性が低下するので好ましくない。逆に、密度が950kg/m3超えた場合は低温ヒートシール性が悪化するので好ましくない。また、メルトマスフローレート(以下、MFRと記す)は、1〜100g/10分(190℃)の範囲内のものを用いるのが好ましい。2〜80g/10分(190℃)の範囲のものがより好ましく、さらに好ましくは、2〜50g/10分(190℃)の範囲内である。MFRが1g/10分(190℃)未満では、フィルム成型において、溶融粘度が高くなり、押出し機のモーターにかかる負荷が大きくなると共に、フィルムの厚み精度が低下するので好ましくない。逆に、100g/10分(190℃)を超えと溶融粘度が低くなり過ぎ製膜が困難になる上、得られたフィルムの力学特性が悪化するので好ましくない。
特徴1として、Tスリット型ダイのアスペクト比を大きくした直線状のマニホールドになっており、それにより、厚みの均一性を向上させることが出来きる。さらに樹脂が流れる面に力が均一にかかるのでクラムシェルが発生しない。特徴2として、プレランドを2段階にしてその段差部分の形状を曲線状に作ることにより、ダイス全体でバランスの取れた均一の流れになるような設計がなされており、溶融樹脂の各種粘度に対応できるように改良されている。従って、請求項6に記載のごとくTスロット型ダイを使用することが好ましい実施態様である。
、第49巻、第593号、P146〜157において記載されている3ステージスクリュー構造をとるのが好ましい実施態様である。すなわち、スクリューの中間部にミキシングエレメントを設け、その手前を第1ステージ、ミキシングエレメント部を第2ステージ、その後を第3ステージとする3ステージスクリュー構造をとるのが好ましい。中間部のミキシングエレメントにより混合・混練性能を高めると共に、先端の溝深さを深くして過度の発熱を抑制し、冷却能力を補強し、併せて押出し量をアップを図ることがより好ましい実施態様である。2軸タイプでもスクリュー設計を適切に調整することにより可能であり排除はされない。
また、食品用に使用した場合は食品の味覚変化が少ないという効果が発現できる。例えば、臭気に関しては官能評価のみでなく熱線型半導体式ガスセンサーを使用することによりその効果が定量的に評価できる。
成型されたフィルムを流れ方向に33.3cm×流れ方向に対して横方向に30cm切り取り、フィルムの下から蛍光灯を照射した板の上に置き、透過光で目視により観察し、0.1mm以上のフィッシュアイを計測する。次に、カウントしたフィッシュアイを液体窒素中に浸して、硬くした状態で、剃刀で半分に切りそのフィッシュアイの断面を顕微鏡で50〜300倍で観察することにより、核となる物質が無ければ、例えば、セルロースなどを代表とする異物が無ければ、それは未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り等のゲル起因のフィッシュアイと判定する。核がある場合は、異物起因のフィッシュアイと判定しカウントから除外する。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)の間に、シール面がお互い向き合うようにフィルムを挟み込み0.2MPa×1秒で熱傾斜型シーラー(東洋精機社製)にて、シール面同士シールする。引張試験機(島津製作所製オートグラフ、形式:S−100−D)にて速度200mm/分で15mm巾での強度(N/15mm)を評価する。ポリエチレンテレフタレートとしては、東洋紡績(株)社製:E5100(12μm)を使用する。シール開始温度とは、シール強度が4.9N(500g)/15mmに到達する温度をいう。
JIS K7130:1999年に準じて評価する。一部方法が異なる部分は以下に詳細を説明する。測定する環境は、23℃×50%RH室内で行う。測定は、フィルムの両端5cmづつをカットし、該両端がカットされたサンプルを幅方向に40等分し測定位置
に印を付ける。該印の位置で印の部分を外した場所についてダイヤルゲージにて行う。計測はフィルムロールMD方向に15cm、TD方向に全巾、表層部の皺のない部分から2巻き剥いだ部分と巻き芯部の皺の無い部分から2巻きほど剥いだ部分の2ヶ所で、それぞれ3サンプルを取り、その6サンプルの平均値を求める。使用する計測器は、最小読み取り値が0.001mmとする。精度は、JIS B7503:1997年に規定してあるダイヤルゲージと同等以上のものとする。
JIS B8356:1976年に準じて計測する。フィルターメディアを透過した最大グラスビーズ粒径を濾過精度(μm)とする。
本発明におけるダイス出口の樹脂温度は精度が±5℃以内の赤外線式温度計を用いて測定する。Tダイの幅方向等分した5箇所をn=3で計測し、その平均値を求める。チノー社製ポリエチレンフィルム用IR−CAM型を使用し、溶融樹脂から10〜15cmの位置で計測する。
測定環境は、23℃の環境下で行なう。ポータブル型臭いセンサーとして、熱線型半導体式ガスセンサー(キーエンス製:NS720、NS710)を使用する。機器調整終了後、測定するサンプルが入ったフラスコにセンサー部を入れ2分後の値を読み取る。
評価用サンプルは、流れ方向にカットしたA4サイズのフィルムを流れ方向に16分割し短冊状にする400mlのフラスコに入れ口部をアルミ箔で蓋をして、60℃×30分オーブン(根来製作所製循環式熱風乾燥機、形式:102.S.01)で加温した後、23℃×50%RH×2時間放置後、計測する。
JIS K 7210:1999年に準じて、評価条件は、2.16kg、190℃で原料樹脂の粘度を評価した。
JIS K 7112:1999年に準じて、密度を評価した。
通常の線状低密度ポリエチレン樹脂に添加されている、酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤等の安定剤や滑り性向上等の機能性付与のための添加剤は全く添加していない樹脂密度925kg/m3およびMFR8g/10min(190℃)の線状低密度ポリエチレン樹脂をスクリュー直径250mmの3ステージ型単軸押出し機を使用し、幅3000mmのTスロット型ダイを用いて、ダイス出口の樹脂温度が180℃で押出した。なお、押出し機とダイスとの間に濾過精度120μmと80μmのステンレス鋼繊維を均一に積層焼結したタイプのフィルターをこの順序で直列に配置し濾過を行った。ダイスからでてきた溶融樹脂シートを30℃の冷却ロールで冷却し、厚み30μmの線状低密度ポリエチレン系フィルムを得た。原料の線状低密度ポリエチレン樹脂の乾燥は窒素ガス置換して行った。また、上記押出し機への供給用サイロやホッパーも窒素ガス置換をした。冷却ロールでの冷却に際しては、エアーナイフ法で溶融樹脂シートを密着させた。製膜は100m/分の速度で実施した。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1の方法において、ダイス出口の樹脂温度を230℃にする以外は、実施例1と同様の方法で比較例1の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1の方法において、押出し機をシングルステージ型に、フィルター濾過精度を200μm1段濾過に、ダイスをコートハンガー型に、冷却ロールとの密着をエアーチャンバーのみに変更し、ダイス周りの囲いを無くすように変更する以外は、実施例1と同様にして比較例2の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
[比較例3]
比較例2の方法において、線状低密度ポリエチレン樹脂として添加剤を入れた樹脂を使用する以外は、比較例2と同様にして比較例3の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。添加剤は、酸化防止剤として、イルガノックス1076:1500ppm(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、イルガフォス168:500ppm、(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、中和剤として、カルシウムステアレートS:1000ppm、(日本油脂社製)、滑剤として、アーモスリップE:800ppm(ライオン社製)、サイリシア450:5000ppm(富士シリシア化学社製)添加した。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
比較例2において、ダイス出口の樹脂温度を230℃にする以外は、比較例3と同様にして比較例4の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
空冷インフレーション方式、プラコー製押出し機(スクリュー直径55mm)、ダイス出口の樹脂温度160℃、フィルム幅300mm、ブロー比2.7で単層押出しし、フィルム成型した。使用樹脂は、実施例1と同じ密度でMFR2g/10min(190℃)ものを用いた。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
実施例1の方法において、樹脂密度を915kg/m3、ダイス出口の樹脂温度を170℃、フィルム厚みを50μmに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
Claims (3)
- 酸化防止剤等の安定剤を含まないポリプロピレン系樹脂をTスロット型ダイを使用し、ダイス出口の樹脂温度を150〜200℃としてTスロット型ダイより押し出す工程により製膜され、被接触物に移行する添加剤が含まれていないエチレンと炭素数が3〜12のα―オレフィンの共重合体よりなる線状低密度ポリエチレンを構成成分とするヒートシール性フィルムであり、最大直径が0.1mm以上のフィッシュアイが10個以下/0.1m2であり、かつシール開始温度が80〜145℃であることを特徴とするヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルム。
- フィルムの幅方向の厚み斑が、15%以内であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルム。
- 酸化防止剤等の安定剤を含まないポリプロピレン系樹脂をTスロット型ダイを使用し、ダイス出口の樹脂温度を150〜200℃としてTスロット型ダイより押し出す工程と溶融された樹脂を2個以上のフィルターを用い、かつ濾過精度が100μm以下であるフィルターで濾過する溶融押し出し工程を有することを特徴とするシール開始温度が80〜145℃であるヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムの製造方法。
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