JP4779822B2 - ポリエチレン系樹脂積層フィルム - Google Patents
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Description
近年、利便性、省資源、環境に対する負荷低減などによりフィルムを用いた包装または容器が広い分野で使用されてきている。従来のブロー成形ボトルなどの成形容器に比べ、軽量、廃棄処理が容易、流通コストが安価であることが利点である。
例えば、紙パックの内層材として用いられた場合のように消費者に通常状態では目に触れないものであっても、回収のために紙パックが切り引き裂かれることにより消費者の目に触れて、安全性に対する不安を呼び起こす等の現象も出始めている。また、透明包装袋として使用した場合は、内容物の色や形態によりフィルムの製品中に生じる小さな球状形状等の塊であるフィッシュアイが異物として目立つことがある。これらの市場要求により厳しい管理が必要となってきている。特に、該フィッシュアイは、主としてポリマーの不溶物やゲル状物等よりなるので、異物含有量の低減方策として有効である製膜工程でフィルターを用いた濾過による方法では、該フィシュアイを形成する成分が濾過時に変形をしてフィルターを通過する場合があり、有効な手段に成りえない場合がある。
チレン樹脂を2種以上配合してなり、その平均密度が920〜945kg/m3であり、
シール層(B)が、密度が900〜930kg/m3のポリエチレン樹脂よりなり、かつ
、ラミネート層(A)の平均密度がシール層(B)の平均密度よりも大きいことを同時に満たすことを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルムである。
本発明者等は、前記の特許文献1等において開示されている積層ポリエチレン系無延伸フィルムにおいて、該方法の有するヒートシール性、耐ブロッキング性およびフィルムの剛性のバランスを維持した上で、前記の課題を解決する方法について鋭意検討し本発明を完成した。すなわち、本発明は、フィシュアイの生成に対し原料であるポリエチレン樹脂中の高分子量体が大きく寄与しており、分子量分布の狭いポリエチレン樹脂を使用することにより、効果的にフィシュアイの生成を抑制することが可能であることを見出したことと、該分子量分布の狭いポリエチレン樹脂を使用することで、該樹脂の溶融流動性の低下によるフィルムの厚み斑等の悪化を改善でき、密度の異なる2種類以上のポリエチレン樹脂を配合することによりフィシュアイが改善できることを見出して、従来公知の特徴を維持した上で、フィシュアイが少なく、しかも厚み斑の少ないポリエチレン系積層フィルムが得られる方法を完成した。
あるポリエチレン樹脂を2種以上配合してなり、その平均密度が920〜945kg/m3であり、シール層(B)が、密度が900〜930kg/m3のポリエチレン樹脂よりなり、かつ、ラミネート層(A)の平均密度がシール層(B)の平均密度よりも大きいことを同時に満たすことが重要である。
子量分布(Mw/Mn)が2.0〜3.5である密度の異なるポリエチレン樹脂を2種以上配合してなり、その平均密度が920〜945kg/m3であることが好ましい。該対
応により、フィルムの取り扱い性等に重要な特性であるフィルムの剛性および耐破袋性等に影響する強伸度等の特性が付与でき、かつ前記したフィシュアイの生成抑制および厚み斑低減が可能となる。
悪くなるため不都合である。また、密度が970kg/m3より大きいポリエチレン樹脂
は、重合が困難であるため入手が困難であり、不都合である。配合に用いる原料ポリエチレン樹脂の密度範囲は905〜965kg/m3がより好ましく、910〜960kg/
m3がさらに好ましい。
のが好ましい。925〜940kg/m3がより好ましく930〜935kg/m3がさらに好ましい。平均密度が920kg/m3未満では、積層フィルムの剛性が低下し取り扱
い性が低下するので好ましくない。逆に945kg/m3を超えた場合は、フィシュアイ
が増えるため好ましくない。
また、逆に945kg/m3を超えた場合は、フィルムの剛性が向上し、自立性は良くなるものの、フィルムの耐破袋性が悪くなるため好ましくない。
樹脂と密度が900〜935kg/m3と低いポリエチレン樹脂をそれぞれ5〜15:9
5〜85の割合(質量比)で配合し、平均密度を930〜935kg/m3にするのが最
も好ましい実施態様である。該配合により本発明の効果を効果的に発現することができる。
(B)の平均密度よりも大きいことが好ましい。該対応により積層フィルムの低温シール性とフィルムの剛性とのバランスがとれる。該シール層(B)を構成するポリエチレン樹脂の密度は910〜925kg/m3であることがより好ましい。密度が900kg/m3未満ではブロッキング性が悪化する。逆に、930kg/m3を越えると低温ヒートシー
ル性が悪くなる。該シール層(B)を構成するポリエチレン樹脂は単一系であってもよいし、ラミネート層(A)と同様に2種類以上の配合系であってもよい。該シール層(B)を構成するポリエチレン樹脂の場合は、密度が低いので、フィシュアイに対する分子量分布の影響が前記したラミネート層に比べて小さくなる。
C)≧シール層(B)であることが好ましい。該密度は910〜925kg/m3である
ことがより好ましい。該中間層(C)を構成するポリエチレン樹脂は単一系であってもよいし、ラミネート層(A)と同様に2種類以上の配合系であってもよい。該中間層(C)を構成するポリエチレン樹脂の場合は、密度が低いので、フィシュアイに対する分子量分布の影響が前記したラミネート層に比べて小さくなる。
該中間層(C)を構成するポリエチレン樹脂は単一系であってもよいし、ラミネート層(A)と同様に2種以上の配合系であってもよい。中間層(C)が、900〜970kg/m3であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が2.0〜3.5である密度の異なるポリエチレンを2種以上配合してなり、その密度が920〜945kg/m3である
ことが好ましい。
合である。配合に用いる原料ポリエチレン樹脂の密度範囲は905〜965kg/m3が
より好ましく、910〜960kg/m3がさらに好ましい。
線状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3〜12のαオレフィンの共重合体から成っており、炭素数は4〜8の範囲で選択されることが好ましい。これらの共重合成分の具体例としては、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、ヘプテンー1、オクテンー1、ノネンー1、デセンー1、ドデセンー1、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1などが挙げられる。
その理由として、無機粒子を配合することで、フィルム表面に突起が形成されるため、フィルムの接触面積が減り、その結果、ブロッキング防止効果が得られると推測される。更に、粒径や形状が異なる無機粒子を配合した方が、フィルム表面の凹においても、複雑な突起が形成され、より高度なブロッキング防止効果を得ることができる。なお、上記の無機粒子は必要に応じて、ラミネート層(A)や中間層(C)に配合してもよい。
ポリエチレンの透明性は、その結晶構造に影響される。具体的には球状結晶にすることで透明性が良くなり、球状結晶を得るにはフィルムの冷却速度を高くする必要がある。インフレーション法では冷却媒体が空気であるのに対し、Tダイ法では冷却ロールを用いるため冷却速度を高くするには有利な製造方法である。
測定面同士を重ね合わせたサンプルを、ヒートプレス(テスター産業社製 形式:SA−303)において、大きさ7cm×7cm、温度50℃、圧力1400Pa、時間15分の加圧処理を行う。この加圧処理でブロッキングしたサンプルとバー(径6mm 材質:アルミ)をオートグラフ(島津製作所製 形式:UA−3122)へ装着し、バーが速度(200m/分)でブロッキング部を剥離する時の力を測定した。この場合、バーと剥離面は水平であることが前提である。同一サンプルにつき4回の測定をして平均値で表示した。
イが5個/1000cm2を超えた場合は、例えば、該フィルムで包装した場合に該フィ
ッシュアイが肉眼で見えるので包装体の商品イメージを低下させるので好ましくない。
B8356:1976年で定義された方法に準じて評価された性能である。濾過精度は80μmがより好ましく、60μmがさらに好ましい。濾過精度が100μmを超えた場合はフィッシュアイを形成するゲル状異物の除去及び微小化が悪化するので好ましくない。濾過精度の下限はゲル状異物の除去及び微小化の点より小さければ小さい程好ましいが、小さくなるに比例して濾過圧力損失が大きくなるので濾過面積を大きくする必要が生ずる。従って、下限は30μmが好ましい。フィルターは金網フィルターが一般的に多く用いられており、平織り、綾織、平畳織、綾畳織など織りかたの形状の変化、それに使用する線の太さと積層構成により濾過能力や微小化効率が変ってくる。それらの金網フィルターと別に金属焼結フィルターというタイプがあり、粉末焼結したもの、不織布のように金属を織ることなく固めたものの大きく2種類がある。特に不織布のように金属を織ることなく固めたものは、ミクロンオーダーのステンレス鋼繊維を均一に積層焼結したもので、繊維相互の無数の接点が金属同士接合一体化しており、目開き抜け落ちが少なく高い濾過精度を有する上、他の金属濾過材より空隙率が大きい影響で、圧力損失が小さく、金網、金属粉末焼結フィルターに比べて、異物保持能力が高いので最近特に多く使われ始めている。金網フィルターでも織り方、積層法を改良するとそれに同等以上の性能が出るものも有り、排除はしない。選定時ポイントは、特にオレフィンは溶融粘度が高いので圧力損失が低く、濾過能力の高いものを選ぶことが好ましい。該方策の採用はフィッシュアイ低減だけでなく後述の厚み斑低減の抑制効果も併せて発現できる。厚み斑は、圧力損失が大きい場合に発生し易い。それはフィルターが押し出した溶融樹脂の圧力をカットするため、Tダイ内の圧力が不足し、Tダイ内の溶融樹脂の流れが不安定となり、結果として厚み斑になることがある。先に述べたように圧力損失が低いフィルターを用いる事によりそれを抑制することが可能となる。
例えば、ダイ周りの空気の流れ方向がフィルムの厚み斑に影響を与えるので最適化することが好ましい実施態様である。ダイから出てくる溶融樹脂シートに対して垂直な空気の流れである風を無くすことが重要である。これは溶融状態で垂直な風を受けると、溶融樹脂シートが振れて、その振れた部分の厚み変化や部分的な冷却斑が発生し厚み斑に繋がる。該対策の一つとしてダイス回りをシート、板、などで囲いを作り、囲いで囲みダイス出口に上記の好ましくない風が当たらないようすることが挙げられる。さらに、積極的にダイス出口の溶融樹脂シートの流れが乱れないような風の流れを作ることも好ましい実施態様である。
JIS K7112:1999年に準じて密度を評価した。
JIS K 1150に記載のレーザー回折式粒度分布測定法に準拠し測定した。Leeds&Northrup社製 形式:Microtrac HRA model 9320−X100を用いて測定した。
面積1000cm2のフィルムにおいて、0.2mmφ以上のゲル状物を目視で計数し
た。また、ポリエチレンのゲル状物の判断は、顕微鏡の拡大観察において、明らかに異物(センイ状,炭化物)と判断できるもの以外はゲル状物と判断した。
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記の測定方法で分子量分布(Mw/Mn)を測定した。測定方法は下記の通りである。
測定装置:Waters 150CV
カラム:AT−806MS 2本
サンプルの調整:145℃で溶媒(o−ジクロロベンゼン BHT0.3%入り)へ試料を溶解させ濃度1mg/mlを準備した。
測定条件:溶液0.4mlを溶媒(o−ジクロロベンゼン)、温度145℃、1.0ml/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離された溶液中の試料濃度を示差屈折計で測定した。分子量はポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、K=0.7、α=4.2E−4の値を用い、ポリスチレン換算の分子量分布(Mw/Mn)を得た。
JIS K7130に準じて評価する。一部方法が異なる部分は以下に詳細を説明する。測定する環境は、23℃×50%RH室内で行う。測定は、フィルムの両端を5cmづつカットし、該両端がカットされたサンプルを巾方向に40等分し測定位置に印を付ける。該印の位置で印の部分を外した場所についてダイヤルゲージで行う。計測はフィルムロールMD方向に15cm、TD方向に全巾、表層部から皺の無い部分から2巻き剥いだ部分と巻き芯部から皺の無い部分を2巻き剥いだ部分の2ヶ所で、それぞれ3サンプルを取り、その6サンプルの平均値を求める。使用する計測器は、最小読み取り値が0.001mmとする。精度は、JIS B7503:1997年に規定してあるダイヤルゲージと同等以上のものとする。厚み斑は下式で求める。
厚み斑(%)=(最大厚み−最小厚み)÷6サンプルの平均値×100
傾斜面と錘からなるフリクションアングルテスター(東洋精機社製 型番:A―211402803)において測定するフィルム面が接触する様に、錘(重さ1kg)と傾斜面へセットする。傾斜面の角度を除々に上げていき(速度2.7°/秒)、錘が傾斜面を滑り始める角度を測定する。その角度θのtanθを滑り性とした。同一サンプルにつき3回の測定をして平均値で表示した。
測定面同士を重ね合わせたサンプルを、ヒートプレス(テスター産業社製 形式:SA−303)において、大きさ7cm×7cm、温度50℃、圧力1400Pa、時間15分の加圧処理を行う。この加圧処理でブロッキングしたサンプルとバー(径6mm 材質:アルミ)をオートグラフ(島津製作所製 形式:UA−3122)へ装着し、バーが速度(200m/分)でブロッキング部を剥離する時の力を測定した。この場合、バーと剥離面は水平であることが前提である。同一サンプルにつき4回の測定をして平均値で表示した。
ラミネート層(A)のポリエチレン系組成物
樹脂密度930kg/m3かつ分子量分布2.8のポリエチレン樹脂(住友化学(株)、
FV407)90%と樹脂密度960kg/m3のかつ分子量分布2.8のポリエチレン
樹脂(プライムポリマー(株)、0408G)10%を混合した組成物。
中間層(C)のポリエチレン系組成物
樹脂密度925kg/m3かつ分子量分布2.8のポリエチレン樹脂(住友化学(株)、
FV405)100%組成物。
ヒートシール層(B)のポリエチレン系組成物
樹脂密度925kg/m3かつ分子量分布2.8のポリエチレン樹脂(住友化学(株)、
FV405)100%に対し、10μmの球状無機粒子(信越化学(株):KMP120−10)12000ppmと5μmの非球状無機粒子(三井鉱山金属(株):White Filler)5000ppmと融点115℃未満の有機滑剤(日本化成(株):ダイヤミッドL−200)200ppmと融点115℃以上の有機滑剤(日本化成(株):スリパックスO)1000ppmを混合した組成物。
B層用ポリエチレン系樹脂組成物をスクリュー直径200mmの3ステージ型単軸押出し機で、A層用およびC層用のポリエチレン系樹脂組成物をそれぞれ2台のスクリュー直径100mmの3ステージ型単軸押出し機を使用し、巾3000mmでプレランドを2段階にし、かつ溶融樹脂の流れが均一になるように段差部分の形状を曲線状としてダイス内の流れが均一になるように設計した3層タイプのTスロット型ダイにA層/C層/B層の順になるよう導入し、ダイスの出口温度を220℃で押出した。リップギャップは1.6mmとした。フィルターは、濾過精度100μmおよび50μmのフィルターを直列に連結した2段濾過法でダイスに供給した。該フィルターはA〜C層の全てのラインに設置した。ダイスから出てきた溶融樹脂シートを30℃の冷却ロールで冷却し、A層/C層/B層の構成で層厚みが12/36/12(μm)よりなるポリエチレン系積層フィルムを得た。また上記押出し機への供給用サイロやホッパーも窒素ガス置換をした。冷却ロールでの冷却に際しては、エアーノズルで冷却ロール上のフィルムの両端を固定し、エアーナイフで溶融樹脂シートの全幅を冷却ロールへ押さえつけ、同時に真空チャンバーを作用させ溶融樹脂シートと冷却ロールの間への空気の巻き込みを防止した。エアーノズルは、両端ともフィルム進行方向に直列に設置した。またエアーナイフの風向きは押出されたシートの進行方向に対して45度とした。また、真空チャンバーの吸引口の方向を押出されたシートの進行方向に合わせた。更に、ダイス周りはシートで囲い、溶融樹脂シートに風が当たらないようした。製膜速度は100m/分で実施した。得られた結果を表1に示す。
C層へ回収樹脂を20wt%使用した以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
A〜C層の分子量分布を3.8とした以外は、実施例1と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。本比較例で得られたフィルムのフィシュアイが劣っていた。
A層を密度933kg/m3、分子量分布2.8とした以外は、実施例1と同様にして
、フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。本比較例で得られたフィルムは厚み精度が劣っていた。
A〜C層の分子量分布を3.8とし、A層を密度933kg/m3とした以外は、実施
例1と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表1に示す。本比較例で得られたフィルムのフィシュアイが劣っていた。
以下の組成のポリエチレン樹脂を用いた。
(1)ラミネート層(A)のポリエチレン系組成物
樹脂密度930kg/m3かつ分子量分布2.8のポリエチレン樹脂(住友化学(株)
、FV407)90%と樹脂密度960kg/m3のかつ分子量分布2.8のポリエチレ
ン樹脂(プライムポリマー(株)、0408G)10%を混合した組成物。
(2)中間層(C)のポリエチレン系組成物
樹脂密度925kg/m3かつ分子量分布2.8のポリエチレン樹脂(住友化学(株)
、FV405)100%
(3)ヒートシール層(B)のポリエチレン系組成物
樹脂密度925kg/m3かつ分子量分布2.8のポリエチレン樹脂(住友化学(株)
、FV405)100%に対し、10μmの球状無機粒子(球状シリカ:KMP120−10)12000ppmと5μmの非球状無機粒子(珪藻土:White Filler)5000ppmと融点115℃未満の有機滑剤(エルカ酸アミド:ダイヤミッドL−200)200ppmと融点115℃以上の有機滑剤(エチレンビスオレイン酸アミド:スリパックスO)1000ppmを混合した組成物。
実施例3において、C層に用いるポリエチレン樹脂に回収樹脂を20wt%使用した以外は、実施例3と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。
実施例3において、A層に用いるポリエチレン樹脂を密度930kg/m3、分子量分
布を3.8とした以外は、実施例3と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。本比較例で得られたた自立性容器用ポリエチレン系樹脂フィルムはフィシュアイが劣っていた。
実施例3において、A層に用いるポリエチレン樹脂を密度933kg/m3、分子量分
布2.8のポリエチレン樹脂単独使用とした以外は、実施例3と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。本比較例で得られたた自立性容器用ポリエチレン系樹脂フィルムは厚み斑が劣っていた。
比較例5において、B層に用いる無機粒子として10μm球状無機粒子の添加を取り止め、5μm非球状無機粒子のみ17000ppm添加するように変更した以外は、比較例5と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。本比較例で得られた自立性容器用ポリエチレン系樹脂フィルムは比較例5で得られたた自立性容器用ポリエチレン系樹脂フィルムの課題に加えて耐ブロッキング性が劣っていた。
比較例5において、B層に用いる有機滑剤として、115℃未満の融点を持つ有機滑剤の添加を取り止め、115℃以上の融点を持つ有機滑剤のみを1200ppm添加するように変更した以外は、比較例5と同様にして、フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。本比較例で得られた自立性容器用ポリエチレン系樹脂フィルムは比較例5で得られたた自立性容器用ポリエチレン系樹脂フィルムの課題に加えて滑り性が劣っていた。
Claims (9)
- 少なくてもラミネート層(A)およびシール層(B)よりなるポリエチレン系樹脂積層フィルムにおいて、ラミネート層(A)が、密度900〜970kg/m3で、かつ分子
量分布(Mw/Mn)が2.0〜3.5である密度の異なるポリエチレン樹脂を2種以上配合してなり、その平均密度が920〜945kg/m3であり、シール層(B)が、密
度が900〜930kg/m3のポリエチレン樹脂よりなり、かつ、ラミネート層(A)
の平均密度がシール層(B)の平均密度よりも大きいことを同時に満たすことを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルム。 - 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、最大直径が0.2mm以上のフィシュアイが5個/1000cm2以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムの巾方向の厚み斑が7%以内であることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムのラミネート層(A)およびシール層(B)の間に平均密度が900〜935kg/m3のポリエチレン樹脂よりなる中間層(C)を設けてなることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムの上記各層のポリエチレン樹脂の平均密度がラミネート層(A)>中間層(C)≧シール層(B)であることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムの中間層(C)に回収樹脂を10〜30質量%配合してなることを特徴とするポリエチレン系樹脂フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムの少なくともシール層(B)に、平均粒径5〜13μmの球状無機粒子を0.5〜1.5質量%および平均粒径1〜6μmの非球状無機粒子を0.1〜1.0質量%配合してなることを特徴とするポリエチレン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムの少なくともシール層(B)に、115℃未満の融点を持つ有機滑剤を100〜500ppmと115℃以上の融点を持つ有機滑剤を合計500〜1500ppm配合してなることを特徴としたポリエチレン系樹脂積層フィルム。
- 請求項1に記載のポリエチレン系樹脂積層フィルムであって、前記フィルムの総厚みが90〜150μmであることを特徴とする自立性容器用ポリエチレン系樹脂積層フィルム。
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