JP4366033B2 - 脱穀機における排稈搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱穀機等に設けられる排稈搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フィードチェーンで搬送される穀稈を、扱室前後側板間に支持した扱胴の回動により脱粒処理し、脱粒処理された排稈を排稈搬送装置で受け継ぎ後方の排稈処理装置へ搬送すると共に、搬送される排稈によって送出される穀粒を扱室後側板の後方に設けられた4番漏斗により回収する脱穀機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そして、実開平3−114930号公報に示される脱穀機の排稈搬送装置のように、排稈の株元部分を株元搬送チェーンと挟持レールで挟持搬送し、穂先部分を爪付きベルトとガイド部材により支持案内することが提案されている。しかし、上記排稈搬送装置は、排稈の穂先部分を下方から支持案内するガイド部材を扱室後側板の後方に設けられた4番漏斗に取付けており、搬送される排稈によって穀粒と共に送出される切藁等が、ガイド部材の取付け基部やガイド部材と4番漏斗の間に引っ掛かり堆積するという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、フィードチェーンで搬送される穀稈を、扱室前後側板間に支持した扱胴の回動により脱粒処理すると共に、扱室後側板の後方に脱粒処理された排稈によって送出される穀粒を回収する4番漏斗を設け、前記フィードチェーンで搬送される排稈の株元を受け継いで後方に搬送する株元搬送チェーンを設けた脱穀機において、前記株元搬送チェーンで搬送される排稈の穂先部分を下方から支持案内するガイド部材を設け、該ガイド部材を、始端側の板状体ガイドと、終端側の棒状体ガイドで構成し、板状体ガイドの始端部を、扱胴中心よりフィードチェーン側の4番漏斗の上方で、且つ扱室の排稈口の下縁近傍に取付けると共に、板状体ガイドを、後面視で株元側を高く穂先側を低くして横方向に傾斜させ、更に側面視で上記4番漏斗に対して終端側が高くなるように後方上方に傾斜させ、板状体ガイドと4番漏斗との間に切藁等の落下スペースを形成したことを特徴としている。従って、ガイド部材の始端部(取付け基部)に堆積しようとする切藁等が搬送される排稈により押されて4番口に落下するので、切藁等の堆積を防止することができると共に、扱室から排出される排稈をスムーズに継送することができる。
【0005】
また、ガイド部材の始端部(取付け基部)に堆積しようとする切藁等が傾斜した板状体ガイド上を滑り4番口に落下するので、切藁等の堆積を防止することができる。
【0006】
また、板状体ガイドと4番漏斗の間に入った切藁等が容易に4番口に落下するので、切藁等の堆積を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示されるように、1はコンバイン等に搭載可能な脱穀機であり、扱室2に沿ってフィードチェーン3を前後方向に張設し、フィードチェーン3で搬送される穀稈を扱室前後側板間(前側板12,後側板13)に支持した扱胴2aの回動により脱穀処理する。扱室2の後方側方には処理胴4aと処理網4bにより形成される処理室4を連通し、扱室下方には前後に配置された送風ファン5と吸引排塵ファン6により選別風路を形成している。選別風路中には揺動選別体7を前後揺動可能に装架すると共に、受網2b、及び、処理網4bを漏下した脱穀物を送風ファン5の風選別と揺動選別体7の篩選別により選別し、籾は一番ラセン8を介して穀粒タンク(図示なし)に収容し、未選別物は二番ラセン9を介して揺動選別体7上に還元し、藁屑は吸引排塵ファン6により機外に吸引排出する。扱室後側板の後方には穀粒を回収する4番口10、及び、4番漏斗11a,11bを設け、脱粒処理された排稈はフィードチェーン3から後述する排稈搬送装置20へ受け継ぎ搬送され、後方のカッター等の排稈処理装置(図示なし)により処理されるように構成している。
【0009】
次に、本発明に係る排稈搬送装置20について説明する。排稈搬送装置20は、フィードチェーン3で搬送される排稈の株元を株元搬送チェーン21と挟持レール22で受け継いで挟持搬送する株元搬送装置と、排稈の穂先部分を爪付きベルト23(穂先搬送体)とガイド部材24により支持案内する穂先搬送装置により構成されている。
【0010】
図3〜5に示されるように、前記ガイド部材24は始端側の板状体ガイド24aと終端側の棒状体ガイド24bにより構成されている。板状体ガイド24aは鉄板で形成され、その始端部をL字に折り曲げ取付け部を形成し、該取付け部を扱胴中心よりフィードチェーン3側で、且つ扱室後側板13の排稈口15の下縁にボルト16・ナット17で取付けている。
【0011】
また、前記板状体ガイド24aは、図3に示されるように後面視において株元側を高く穂先側を低くして横方向に傾斜させて取付けてあり、板状体ガイド24aに堆積しようとする切藁等が滑って4番口10に落下するよう構成してある。
【0012】
また、前記板状体ガイド24aは、その始端側(取付け基部側)を折り曲げて、板状体ガイド24aと4番漏斗11aの間に切藁等の落下スペースHを形成しており、板状体ガイド24aと4番漏斗11aの間に入った切藁等が引っ掛かって堆積せず容易に4番口10に落下するよう構成してある。
【0013】
また、前記板状体ガイド24aの終端側裏面には、丸棒で形成された棒状体ガイド24b,24bが溶接されている。該棒状体ガイド24bは上方の爪付きベルト23に対向して株元側と穂先側に設けてあり、排稈の穂先側を前記棒状体ガイド24bで確実に支持しながら爪付きベルト23で搬送するよう構成してある。
【0014】
そして、前記爪付きベルト23は、その搬送始端部を棒状体ガイド24bの始端部に位置させ、爪付きベルト23の搬送終端部を棒状体ガイド24bの終端部に位置させて、棒状体ガイド24bに堆積しようとする切藁等を爪付きベルト23で掻き落とすよう構成してある。
【0015】
以上の構成により、脱粒処理された排稈はフィードチェーン3から排稈搬送装置20に受け継がれ、株元側は株元搬送チェーン21と挟持レール22により挟持搬送される。穂先側は爪付きベルト23とガイド部材24により支持案内されるが、該ガイド部材24の始端側では扱室後側板13の排稈口15下縁に取付けた板状体ガイド24aにより排稈口15排出時からスムーズに支持案内される。この時排稈に送出される切藁等は板状体ガイド24a上に堆積したり、板状体ガイド24aと4番漏斗11aの間に堆積することがなく4番口10に落下する。
【0016】
また、前記ガイド部材24の終端側では、排稈は爪付きベルト23と棒状体ガイド24bにより支持案内されるが、棒状体ガイド24bに堆積しようとする切藁等は爪付きベルト23により掻き落とされ4番口に落下する。
【0017】
尚、前記ガイド部材24は上記構成に限らず以下のような構成にしてもよい。即ち、図6に示すものは、板状体ガイド24aを4番漏斗11aまで延設したものである。これにより排稈によって送出される切藁等が、板状体ガイド24aと4番漏斗11aの間に入るのを確実に防止し、切藁等の堆積を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における脱穀機の側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上後面図である。
【図4】同上要部斜視図である。
【図5】図3におけるA矢視図である。
【図6】本発明の他の実施形態における脱穀機の後面図である。
【符号の説明】
2 扱室
10 4番口
11a,11b 4番漏斗
13 後側板
15 排稈口
21 株元搬送チェーン
23 爪付きベルト(穂先搬送体)
24 ガイド部材
24a 板状体ガイド
24b 棒状体ガイド
H 落下スペース
Claims (1)
- フィードチェーン(3)で搬送される穀稈を、扱室前後側板間に支持した扱胴(2a)の回動により脱粒処理すると共に、扱室後側板(13)の後方に脱粒処理された排稈によって送出される穀粒を回収する4番漏斗(11a,11b)を設け、前記フィードチェーン(3)で搬送される排稈の株元を受け継いで後方に搬送する株元搬送チェーン(21)を設けた脱穀機(1)において、前記株元搬送チェーン(21)で搬送される排稈の穂先部分を下方から支持案内するガイド部材(24)を設け、該ガイド部材(24)を、始端側の板状体ガイド(24a)と、終端側の棒状体ガイド(24b)で構成し、板状体ガイド(24a)の始端部を、扱胴(2a)中心よりフィードチェーン(3)側の4番漏斗(11a)の上方で、且つ扱室(2)の排稈口(15)の下縁近傍に取付けると共に、板状体ガイド(24a)を、後面視で株元側を高く穂先側を低くして横方向に傾斜させ、更に側面視で上記4番漏斗(11a)に対して終端側が高くなるように後方上方に傾斜させ、板状体ガイド(24a)と4番漏斗(11a)との間に切藁等の落下スペース(H)を形成したことを特徴とする脱穀機における排稈搬送装置。
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