JP4365807B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和装置や冷凍装置等に適用されるスクロール圧縮機に関する。
スクロール圧縮機は、固定スクロールと旋回スクロールとを渦巻き状の壁体どうしを組み合わせて配置し、固定スクロールに対し旋回スクロールを公転旋回運動させることで壁体間に形成される圧縮室の容積を漸次減少させて該圧縮室内の流体の圧縮を行うものである。このようなスクロール圧縮機においては、圧縮機自体を大型化することなく圧縮比を高めて圧縮能力の向上が可能となるため、スクロール部材に段付形状を採用したものが実用化されている。(たとえば、特許文献1参照)
特開2003−35285号公報
ところで、上述したスクロール部材においては、旋回スクロールの旋回動作を許容するため、旋回スクロール側の歯先に設けたチップシールと固定スクロール側の歯底との間及び固定スクロール側の歯先に設けたチップシールと旋回スクロール側の歯底との間にチップシール隙間と呼ばれる微小な隙間が形成されている。このチップシール隙間は、スクロール圧縮機の運転時に熱影響を受けることを考慮し、スクロール部材の段付部を境にして異なる値に設定されている。すなわち、圧縮ガスの出口側に近く熱膨張の大きい段付部内側となる内周部チップシール隙間δi が、圧縮ガスの吸入側に近く熱膨張の小さい段付部外側となる外周部チップシール隙間δo よりも大きな寸法(δo <δi )に設定されている。
そして、上述した内周部チップシール隙間δi と外周部チップシール隙間δo との間には、内周部チップシール隙間δi 側の段付部に隣接する位置に、チップシールを設けることができないチップシール切れ目部分が存在する。このチップシール切れ目部分は、歯先の先端が内周部チップシール隙間δi を形成するチップシール上端と略同一面とされる。
このようなチップシール切れ目部分の隙間は、チップシールがなく、しかも外周部チップシール隙間δo より大きな隙間寸法となるので、段付部において圧縮ガスが高圧側から低圧側へ漏出する流路開口となり、従って、この漏出がスクロール部材に段付形状を採用しているスクロール圧縮機の圧縮効率を低下させる原因の一つとなっている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述したチップシール切れ目部分が内周部チップシール隙間δi に設定された領域では圧縮ガスの出口側から最も遠い位置にあるため、その分熱影響による熱膨張も小さくなることに着目し、段付部における高圧側から低圧側への漏れを低減して圧縮効率をより一層向上させることを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るスクロール圧縮機は、端板の一側面に立設された渦巻き状の壁体を有する固定スクロールと、端板の一側面に立設された渦巻き状の壁体を有し、前記各壁体どうしを噛み合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、前記固定スクロールと旋回スクロールの少なくともいずれか一方の端板には、前記一側面に、その高さが壁体の渦に沿ってその中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成された段差部が設けられ、前記固定スクロールと旋回スクロールのいずれか他方の壁体の上縁は、前記端板の段差部に対応し、複数の部位に分割されかつ該部位の高さが渦の中心部側で低く外終端側で高くなる段付形状とされ、前記段差部の外周部チップシール隙間δo と内周部チップシール隙間δi との関係がδo <δi であるスクロール圧縮機において、
前記外周部チップシール隙間δo と前記内周部チップシール隙間δi との間に存在するチップシール切れ目部分の段差チップ隙間δをδo ≦δ<δi
となるように設定したことを特徴とするものである。
このようなスクロール圧縮機によれば、外周部チップシール隙間δo と内周部チップシール隙間δi との間に存在するチップシール切れ目部分の段部チップシール隙間δがδo ≦δ<δi となるように設定されている。このため、チップシールのない切れ目部分においては、段差チップ隙間δが小さくなって漏出流路の開口面積を狭め、高圧側から低圧側への圧縮ガス漏れ量を低減することができる。このような段差チップ隙間δは、歯先側及び歯底側の少なくとも一方の対向面に微小な段差を形成して隙間を狭めればよい。
請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記スクロ−ル圧縮機を縦型とした場合の前記段差チップ隙間δは、前記固定スクロールの歯先に生じる段差チップ隙間δf と前記旋回スクロールの歯先に生じる段差チップ隙間δr とを比較して重力方向上側に位置する一方の段差チップ隙間が小さく設定されていることが好ましく、これにより、重力方向下側に溜まりやすい潤滑油のシール作用により、比較的広くなる重力方向下側でも段差チップ隙間のシール性を確保できる。
請求項1または請求項2に記載のスクロール圧縮機においては、前記段差チップ隙間δが、表面処理膜または箔の貼り付けにより形成された段差により設定されたものが好ましい。この場合、4フッ化エチレン樹脂やアルマイト等の表面処理膜が好適であり、また、アルミ箔等の箔が好適である。なお、このような表面処理膜や箔による段差は、歯先側及び歯底側のいずれに形成してもよい。
請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、前記段差チップ隙間δの角部に面取加工、R加工またはテーパ加工を施すことが好ましく、これにより、組立時や運転時等に角部が破損するのを防止できる。
上述した本発明によれば、外周部チップシール隙間δo と内周部チップシール隙間δi との間に存在するチップシール切れ目部分の段差チップ隙間δがδo
≦δ<δi となるように設定されているので、チップシールのない切れ目部分においては、段差チップ隙間δが従来より小さくなる。このため、圧縮ガスが高圧側から低圧側へ流出する流路開口の断面積を小さくして圧縮ガス漏れ量を低減できるので、スクロール部材に段付形状を採用しているスクロール圧縮機の圧縮効率が向上するという顕著な効果が得られる。
以下、本発明に係るスクロール圧縮機の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図2はスクロール圧縮機の構成例を示す断面図であり、図中の符号1は密閉状態のハウジング、2はハウジング1内を高圧室HRと低圧室LRとに分離するディスチャージカバー、5はフレーム、6は吸入管、7は吐出管、8はモータ、9は回転シャフト、10は自転阻止機構である。そして、符号12は固定スクロール、13は固定スクロール12に噛み合う旋回スクロールである。
固定スクロール12は、図3(a)に示すように、端板12aの一側面に渦巻き状の壁体12bが立設された構成となっている。旋回スクロール13は、図3(b)に示すように、固定スクロール12と同様に端板13aの一側面に渦巻き状の壁体13bが立設された構成となっており、特に壁体13bは固定スクロール12側の壁体12bと実質的に同一形状をなしている。旋回スクロール13は固定スクロール12に対して相互に公転旋回半径だけ偏心しかつ180度だけ位相をずらした状態で、壁体12b,13bどうしを噛み合わせて組み付けられている。
この場合、旋回スクロール13は、モータ8で駆動される回転シャフト9の上端に設けられて旋回運動する偏心ピン9a及び自転阻止機構10の作用により、固定スクロール12に対して公転旋回運動を行うようになっている。一方、固定スクロール12は、ハウジング1に固定されており、端板12aの背面中央には圧縮された流体の吐出ポート11が設けられている。
固定スクロール12の端板12aには、壁体12bが立設された一側面に、壁体12bの渦方向に沿って中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成された段差部42を備えている。旋回スクロール13側の端板13aも固定スクロール12の端板12aと同様に、壁体13bが立設された一側面に、壁体13bの渦方向に沿って中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成された段差部43を備えている。各段差部42,43は、それぞれ壁体12b、壁体13bの渦巻中心を基準として、たとえば各壁体12b、13bの外終端(吸入側)から内終端(吐出側)へπ(rad) 進んだ位置に設けられている。
端板12aの底面は、段差部42が形成されていることにより、中心部よりに設けられた底の浅い底面12fと外終端よりに設けられた底の深い底面12gとの2つの部位に分けられている。隣り合う底面12f,12g間には、段差部42を構成し、前記底面12f,12gを繋いで垂直に切り立つ連結壁面12hが存在している。
端板13aの底面も上述した端板12aと同様に、段差部43が形成されていることにより、中心部よりに設けられた底の浅い底面13fと外終端よりに設けられた底の深い底面13gとの2つの部位に分けられている。隣り合う底面13f,13g間には、段差部43を構成し、前記底面13f,13gを繋いで垂直に切り立つ連結壁面13hが存在している。
また、固定スクロール12側の壁体12bは、旋回スクロール13の段差部43に対応し、その渦巻き状の上縁が2つの部位に分割され、かつ渦の中心部側で低く外終端側で高い段付形状となっている。旋回スクロール13側の壁体13bも壁体12bと同様に、固定スクロール12の段差部42に対応し、渦巻き状の上縁が2つの部位に分割され、かつ渦の中心部側で低く外終端側で高い段付形状となっている。
具体的には、壁体12bの上縁は、中心部寄りに設けられた低位の上縁12cと外終端寄りに設けられた高位の上縁12dとの2つの部位に分けられ、隣り合う上縁12c,12d間には、両者を繋いで旋回面に垂直な連結縁12eが存在している。壁体13bの上縁も上述した壁体12bと同様に、中心部寄りに設けられた低位の上縁13cと外終端寄りに設けられた高位の上縁13dとの2つの部位に分けられ、隣り合う上縁13c,13d間には、両者を繋いで旋回面に垂直な連結縁13eが存在している。
連結縁12eは、壁体12bを旋回スクロール13の方向から見ると壁体12bの内外両側面に滑らかに連続し壁体12bの肉厚に等しい直径を有する半円形をなしており、連結縁13eも連結縁12eと同様に、壁体13bの内外両側面に滑らかに連続し壁体13bの肉厚に等しい直径を有する半円形をなしている。
また、連結壁面12hは、端板12aを旋回軸方向から見ると旋回スクロールの旋回に伴って連結縁13eが描く包絡線に一致する円弧をなしており、連結壁面13hも連結壁面12hと同様に、連結縁12eが描く包絡線に一致する円弧をなしている。
固定スクロール12の壁体12bには、上縁12c,12dに連結縁12eの近傍で二つに分断されたチップシール14a,14bが設けられている。同様に、旋回スクロール13の壁体13bには、上縁13c,13dに連結縁13eの近傍で二つに分断されたチップシール15a,15bが設けられている。これらのチップシールは、旋回スクロール12と固定スクロール13との間において、上縁(歯先)と底面(歯底)との間に形成されるチップシール隙間をシールして圧縮したガス流体の漏れを最小限に抑えるものである。
すなわち、固定スクロール12に旋回スクロール13を組み付けると、低位の上縁13cに設けたチップシール15bが底の浅い底面12fに当接し、高位の上縁13dに設けたチップシール15aが底の深い底面12gに当接することとなる。同時に、低位の上縁12cに設けたチップシール14aが底の浅い底面13fに当接し、高位の上縁12dに設けたチップシール14bが底の深い底面13gに当接することとなる。この結果、両スクロール12,13間には、互いに向かい合う端板12a,13aと壁体12b,13bとに区画されて圧縮室Cが形成される。なお、図3においては、固定スクロール12の段付形状を示すため、固定スクロール12の上下を逆にして図示されている。
図4は、固定スクロール12と旋回スクロール13とが組み合わされて圧縮室Cを形成し、圧縮を開始する状態を示している。この圧縮開始状態では、壁体12bの外終端が壁体13bの外側面に当接するとともに、壁体13bの外終端が壁体12bの外側面に当接し、端板12a,13a、壁体12b,13b間に圧縮する流体が封入され、スクロール圧縮機構の中心を挟んで正対した位置に、最大容積の圧縮室Cが二つ形成される。この時点では、連結縁12eと連結壁面13h、連結縁13eと連結壁面12hは摺接しているが、旋回スクロール12の旋回動作により直後に離間する。
また、上述した固定スクロール12及び旋回スクロール13を組み合わせた状態において、段差部42の近傍は、図1に示すように、熱影響を受ける前の室温で以下に説明するような隙間が形成されている。ない、以下では段差部42の構成を説明するが、段差部43についても同様の構成が採用可能である。
図のように、固定スクロール12の底の深い底面12gと上縁13dに取付けられたチップシール15aとの間には、高さδo の外周部チップシール隙間21が形成され、底の浅い底面12fと上縁13cに取付けられたチップシール15bとの間には、高さδi の内周部チップシール隙間22が形成されており、外周部チップシール隙間21及び内周部チップシール隙間22の高さ(隙間量)は、
δo <δiとなるように設定されている。
そして、段差部42が設けられていることにより、外周部チップシール隙間21と内周部チップシール隙間22との間には、チップシール15a,15bを設けることのできないチップシール切れ目部分の段差チップ隙間23が存在する。この段差チップ隙間23の高さ(隙間量)δについては、熱影響が比較的少ないことから、δo ≦δ<δi となるように設定されている。
すなわち、段差チップ隙間23は、運転時の熱膨張を考慮して外周部チップシール隙間21より大きな隙間高さに設定された内周部チップシール隙間22において、吐出ポート11から最も遠く外周部チップシール隙間21に隣接した位置にある。このため、内周部チップシール隙間22では最も熱膨張が小さくなるため、その隙間高さを外周部チップシール隙間22の高さδo に近づけるか同等まで小さく設定して漏出流路となる開口面積を狭め、高圧側から低圧側へ漏れる圧縮流体量の低減を優先した寸法設定が可能となる。
このような寸法設定の段差チップ隙間23は、チップシール15bのない切れ目部分に対し、上縁13cより高い段差面24を形成することにより達成される。なお、図中の想像線が従来の上縁形状を示している。このような段差面24は、たとえば旋回スクロール13を切削加工する際に、上縁13cから連結縁14eを介して上縁13dに至る段差の途中に新たな段差を追加すればよい。なお、図示の例では、旋回スクロール13側に段差部24を設けて段差チップ隙間23を狭めているが、固定スクロール12側の底面に段差面を形成したり、あるいは、両方に段差面を形成することも可能である。
この結果、段付形状のスクロール圧縮機構においては、段差チップ隙間23の高さδが小さくなるので、圧縮時に段差部42の隙間から漏出する圧縮ガス漏れ量を低減して圧縮効率を向上させることができる。
ところで、上述した段差面24については、固定スクロール12と旋回スクロール13とを噛み合わせる組立時や運転時等において、干渉により内周側の角部が破損することが懸念される。そこで、このような破損を防止するため、段差面24の角部をなくす加工を施すことが好ましい。具体的には、段差チップ隙間23を形成している段差面24の角部に面取加工、R加工またはテーパ加工を施すことが好ましい。
図5(a)に示した第1変形例は、段差面24の角部を直線的に除去する面取加工を施して面取部24cを形成したものであるが、曲面に除去するR加工を採用してもよい。また、図5(b)に示した第2変形例は、段差面24の角部に面取加工より長い部分的な傾斜面を形成するテーパ加工を施したものである。さらに、図5(c)に示した第3変形例は、段差面24の角部全体を傾斜面とするテーパ加工を施したものである。
このうち、図5(b),(c)に示したテーパ加工により段差部24の角部をなくす構成を採用すると、テーパ加工により形成された傾斜面24aが形成されるため、旋回スクロール12の旋回動作前半においては、段差チップ隙間23が徐々に狭められる。このため、固定スクロール12の底面12fと旋回スクロール12のチップシール15bとの間では、くさび作用により潤滑油を掻き取るようにして段差チップ隙間23の連続縁13e側へ集めることができる。従って、段差チップ隙間23に潤滑油リッチの状態を形成して良好な潤滑性が得られるので、隙間高さδをより小さく設定して圧縮効率を向上させることが可能となる。
ところで、上述した実施形態及び変形例では、切削加工により段差面24を形成するものとしたが、この段差面24の高さは微小寸法(たとえば、数十μm程度)となるので、表面処理膜または箔の貼り付けを採用してもよい。
図6に示す第4変形例では、固定スクロール12の底面12fに形成した段差面25により高さδの段差チップ隙間23が形成されている。この場合の段差面25は、たとえば部分的な表面処理により形成された4フッ化エチレン樹脂やアルマイト等の表面処理膜、あるいは、アルミ箔等の箔を部分的に貼り付けたものである。なお、このような表面処理膜や箔による段差面25は、歯先側及び歯底側のいずれに形成してもよい。
また、スクロ−ル圧縮機を縦型とした場合、段差チップ隙間23の高さδは、固定スクロール12の歯先に生じる段差チップ隙間の高さδf と、旋回スクロール13の歯先に生じる段差チップ隙間の高さδr とを比較した場合、重力(上下)方向上側に位置する一方の段差チップ隙間23を小さく設定することが好ましい。通常は旋回スクロール13の歯先に生じる高さδr
の段差チップ隙間23が重力方向上側に位置するので、段差チップ隙間23の高さδは、δr <δf となるように設定すればよい。
この結果、重力方向下側に溜まりやすい潤滑油のシール作用により、比較的広く設定された重力方向下側の段差チップ隙間23のシール性を確保しやすくなる。
このように、高さδo の外周部チップシール隙間21と高さδi の内周部チップシール隙間22との間に存在するチップシール切れ目部分においては、段差チップ隙間23の高さδが、δo ≦δ<δi となるように設定されているので、段差チップ隙間23の高さδが従来よりも小さくなる。このため、圧縮ガスが高圧側から低圧側へ流出する漏れ流路の断面積を小さくして圧縮ガス漏れ量を低減できるので、スクロール部材に段付形状を採用しているスクロール圧縮機においては、漏れ量の低減により圧縮効率が向上するという顕著な効果を得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係るスクロール圧縮機の一実施形態として、段付部の構成例を拡大して示す要部の側面図である。 本発明に係るスクロール圧縮機の構成例を示す部分断面図である。 本発明に係るスクロール圧縮機について、(a)は固定スクロールを上下逆向きにして構成例を示す斜視図、(b)は旋回スクロールの構成例を示す斜視図である。 固定スクロールと旋回スクロールとが組み合わされて圧縮室を形成し、圧縮を開始する状態を示す断面図である。 本発明に係る段付部の変形例を拡大して示す要部の拡大図で、(a)は第1変形例を示す図、(b)は第2変形例を示す図、(c)は第3変形例を示す図である。 本発明に係る段付部の第4変形例を示す要部の拡大図である。
符号の説明
1 ハウジング
2 ディスチャージカバー
11 吐出ポート
12 固定スクロール
12a,13a 端板
12b,13b 壁体
12c,12d,13c,13d 上縁(歯先)
12e,13e 連結縁
12f,12g,13f,13g 底面(歯底)
12h,13h 連結壁面
13 旋回スクロール
14a,14b,15a,15b チップシール
21 外周部チップシール隙間
22 内周部チップシール隙間
23 段差チップ隙間
24,25 段差面
24a 傾斜面
42,43 段差部
C 圧縮室

Claims (4)

  1. 端板の一側面に立設された渦巻き状の壁体を有する固定スクロールと、端板の一側面に立設された渦巻き状の壁体を有し、前記各壁体どうしを噛み合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロールとを備え、前記固定スクロールと旋回スクロールの少なくともいずれか一方の端板には、前記一側面に、その高さが壁体の渦に沿ってその中心部側で高く外終端側で低くなるよう形成された段差部が設けられ、前記固定スクロールと旋回スクロールのいずれか他方の壁体の上縁は、前記端板の段差部に対応し、複数の部位に分割されかつ該部位の高さが渦の中心部側で低く外終端側で高くなる段付形状とされ、前記段差部の外周部チップシール隙間δo と内周部チップシール隙間δi との関係がδo <δi であるスクロール圧縮機において、
    前記外周部チップシール隙間δo と前記内周部チップシール隙間δi との間に存在するチップシール切れ目部分の段差チップ隙間δをδo ≦δ<δi
    となるように設定したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機において、
    前記スクロ−ル圧縮機を縦型とした場合の前記段差チップ隙間δは、前記固定スクロールの歯先に生じる段差チップ隙間δf と前記旋回スクロールの歯先に生じる段差チップ隙間δr とを比較して重力方向上側に位置する一方の段差チップ隙間が小さく設定されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記段差チップ隙間δは、表面処理膜または箔の貼り付けにより形成された段差により設定されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、
    前記段差チップ隙間δの角部に面取加工、R加工またはテーパ加工を施したことを特徴とするスクロール圧縮機。
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