JP4363706B2 - ピストンロッドを有さない圧力媒体シリンダ - Google Patents

ピストンロッドを有さない圧力媒体シリンダ Download PDF

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    • F15B15/00Fluid-actuated devices for displacing a member from one position to another; Gearing associated therewith
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンロッドを有さない圧力媒体シリンダであって、シリンダ管内を長手方向可動なピストンと、該ピストンに係合する、シリンダ管に設けられた長手方向スリットを貫通して突出する伝達部材と、ピストンの運動方向で見てピストンの前後前記長手方向スリットを前記シリンダ管の内側からシールするシールバンド(帯)とを有しており、該シールバンドが伝達部材の領域でピストンによってガイドされていて、前記シールバンドが、長手方向スリットのシリンダ管の側端におけるシリンダ管の長手方向に延びる2つのシール領域と協動するシールストリップと、該シールストリップの、前記シリンダ管の外側に向いた面に配置された少なくとも1つの保持ストリップとを有しており、該保持ストリップが、長手方向スリットの中央平面に関連して互いに向かい合って位置する、長手方向スリットの両側壁に向けられ、かつ前記シリンダ管の長手方向に延びる2つの保持エレメントを有しており、これらの保持エレメントが、長手方向スリットにおいてシールバンドを保持するために、シリンダ管に設けられた保持縁部に形状接続的に係合し、この際に、前記シールバンドのシール領域が、圧力媒体シリンダの無圧状態においても、シリンダ管の前記シール領域と協働し続けるようになっており、ピストンの運動方向で見てピストンの前後でシリンダ管の外側から前記長手方向スリットをシールする外側バンドが設けられており、該外側バンドが、付加的な保持縁部に形状接続式に係合する形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような形式の圧力媒体シリンダは主としてニューマチック式に操作され、ピストンロッドを有さない構造形式であるので有利には、組み込み長さが僅かであるような領域で使用される。圧力媒体からピストンに加えられる力は、ピストンに係合していて側方の長手方向スリットから突出する伝達部材を介して、駆動したい装置に伝達される。ピストンの両側に位置する圧力室のシールは、一方ではピストンに設けられたシールリング又はこれに類するものにより行われ、他方では長手方向溝を遮蔽するシールバンドによって行われる。このシールバンドは、ピストンシール部材の間の圧力のない領域では、内側に向かって、伝達部材の下側を通されている。
【0003】
圧力媒体シリンダの操作時に、その都度圧力室に形成される作業圧によって、シールバンドは内側から、長手方向スリットの、シリンダ内側の端部の領域における縦長の両シール領域に向かって、シールするように押し付けられる。圧力のない状態では、シールバンドがシリンダの内室に垂れ下がるのを回避するための措置が講じられる。さもないと圧力媒体負荷時に少なくとも一時的な漏れが生じてしまうからである。このような理由から、例えば欧州特許第82829号明細書により公知の冒頭で述べた形式の圧力媒体シリンダの構成では、外側に向けられた縦長の保持エレメントが、外側に向かって長手方向スリットの側壁に対して弾性的に押し付けられ、クランプ力及び摩擦力を利用して、長手方向スリット内でシールバンドを摩擦接続的に保持せしめる。欧州特許第147803号明細書によっても類似の構成が公知である。この場合、長手方向スリットの側壁の中央領域には凹部が設けられており、これらの凹部は、シールバンドの保持ストリップに設けられた所属の縦長の突出する保持リップに対して拡張されている。従ってこの場合も、シールバンドは、クランプ力及び摩擦力を利用して、シリンダ管の長手方向スリットに保持される。
【0004】
公知の両装置では、特に例えば激しい振動等のもとで使用される場合に、シールバンドが圧力のない側では、このような構成にもかかわらず内側に向かってシリンダ内室に垂れ下がってしまう危険が生じる。これにより、圧力負荷時に前記の開始時の漏れが相応に不都合に生じる恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、公知の装置のこのような欠点を回避し、冒頭で述べた形式の圧力媒体シリンダを改良して、圧力のない状態でも簡単な手段でシールバンドを長手方向スリット内にさらに良好に保持することができるように保証することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、シリンダ管の長手方向に延びる、保持ストリップの前記2つの保持エレメントが互いに逆向きに、長手方向スリットの両側壁のそれぞれ一方に向けられており、シールバンドを保持するための前記保持縁部が、長手方向スリットの両側壁に設けられた保持溝の、シリンダ管の内側に面した側に形成されており、これに対して外側バンドを保持するための前記付加的な保持縁部が、前記保持溝の、シリンダ管の外側に面した側で前記保持縁部に向かい合って設けられているようにした。
【0007】
【発明の効果】
このようにして極めて簡単に、シールストリップ若しくはそのシール領域は、圧力のない側でも常に、シリンダ内側の端部の領域において所属の長手方向に延びるシール領域と協働し続けることが保証される。これにより長手方向スリットは、その都度のシリンダ側の圧力負荷開始時に既にシールされていて、前述したような開始時の漏れはほぼ認められなくなる。
【0008】
本発明によれば、一方では、今日では主にアルミニウムから押出成形されるシリンダ管と、シールバンドの保持ストリップの製造を簡単にし、他方では、長手方向スリット内にシールバンドを保持する結合を比較的簡単に着脱することができる。
【0009】
また側方の保持溝は同時に、外部からの不純物、異物等の進入を回避するために長手方向スリットを遮蔽する外側バンドも保持することができる。この場合、外側バンドは、内側のシールバンドとほぼ同じに又は類似するように形成され、これと鏡像的に配置されている。
【0010】
本発明の有利な構成では、前記シールバンドが、前記シールストリップの、前記シリンダ管の外側に向いた面に互いに間隔を保って配置された2つの保持ストリップを有しており、これらの保持ストリップが、シリンダ管の長手方向に延び、かつ前記長手方向スリットの両側壁に向けられたそれぞれ1つの保持エレメントを備えている。
【0011】
本発明の別の有利な構成では、前記外側バンドが、前記シリンダ管の内側に向いた面に互いに間隔を保って配置された2つの保持ストリップを有しており、これらの保持ストリップがシリンダ管の長手方向に延び、かつ前記長手方向スリットの両側壁に向けられた2つの保持エレメントを備えている。
【0012】
本発明の別の有利な構成では、シールバンド及び、場合によっては有利には外側バンドが弾性的な材料、有利にはプラスチックから成っており、この場合、シールバンドの少なくともシールストリップが、挿入された若しくは一緒に成形された、長手方向に向けられた線状の、有利には鋼ワイヤ又はケブラー (R) ファイバから成る補強部材を有している。これはシールバンド若しくは外側バンドの実地に適した製造を可能にする。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0014】
図1のピストンロッドを有さない圧力媒体シリンダは、シリンダ管2内を長手方向可動なピストン19と、このピストンに係合する、シリンダ管2の長手方向スリット1を貫通して突出している伝達部材20とを有している。さらに長手方向スリット1をピストン19の両側で内側からシールするシールバンド3が設けられている。このシールバンド3は伝達部材20の領域で、この伝達部材20もしくはピストン19によってガイドされている。長手方向スリット1は外側で外側バンド14によって遮蔽されている。この外側バンド14は伝達部材20の領域で同様に伝達部材20によってガイドされている。シールバンド3と外側バンド14とは、シリンダ管2を両側で密に閉鎖するカバー21の領域で固定されている。カバー21は圧力媒体のための供給導管22を有している。
【0015】
圧力媒体によってピストン19に加えられる力は、ピストン19に係合し、側方の長手方向スリット1から外方に突出する伝達部材20を介して、駆動させたい装置(図示せず)に伝えられる。ピストン19の両側に位置する圧力室23もしくは24のシールは、一方ではピストン19に設けられたシールリング25を介して行われ、他方では長手方向スリット1を内側から遮蔽するシールバンド3によって行われる。このシールバンド3はシールリング25の間の無圧領域では、内部に向かって伝達部材20の下側に若しくはピストン19を貫通して案内されている。
【0016】
図2の実施例に示したように、シリンダ管2の長手方向スリット1を内側からカバーするシールバンド3が、長手方向スリット1の、シリンダ内面側の端部の領域の2つの縦長のシール領域4,5と協動するシールストリップ6と、このシールストリップ6の外面に配置された2つの保持ストリップ7とを有している。この保持ストリップ7は、長手方向スリット1の中央平面8に関して互いに向かい合って位置する外方に向けられたほぼ縦長の2つの保持エレメント9を有している。保持ストリップ7の保持エレメント9は、長手方向スリット1内にシールバンド3を保持するために、ここで定置に長手方向スリット1自体に形成された保持縁部10に形状接続的に係合している。これによりシール領域4,5は、圧力のない内室においても、シールバンド3に対してシールされていて、内室に圧力負荷する際の開始時の漏れは回避される。
【0017】
保持縁部10は、長手方向スリット1の側壁11に両側で設けられた保持溝12の、シリンダ管2の内側に面した側に形成されている。この保持溝12は、保持縁部10とは反対側で、相応に形成された外側バンド14の保持のために付加的な保持縁部13を有している。この外側バンド14は長手方向スリット1を外側から遮蔽しており、これにより長手方向スリット1への例えば異物または不純物の進入が回避される。
【0018】
シールバンド3と外側バンド14とは、有利にはプラスチック、例えばポリウレタンから成っている。この場合、シールバンド3のシールストリップ6は、挿入されたもしくは一緒に成形された、長手方向に向けられた線状の補強部材15を有している。この補強部材15例えば鋼ワイヤまたはケブラーファイバから成っている。完全であるために、シール領域4,5の領域にシールストリップ6の側方の溝16´が設けられている。この溝16´により、シリンダ内室に面した側でのシール作用を改善するためにシールストリップ6の相応する面を別個に処理することが可能もしくは簡単になる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による圧力媒体シリンダを部分的に縦断面して示した図である。
【図2】 シリンダ管に設けられた長手方向スリットの領域の細部を断面して示した図である
【符号の説明】
1 長手方向スリット、 2 シリンダ管、 3 シールバンド、 4,5 シール領域、 6 シールストリップ、 7 保持ストリップ、 8 中央平面、 9 保持エレメント、 10 保持縁部、 11 側壁、 12 保持溝、 13 保持縁部、 14 外側バンド、 15 補強部材、 16 保持溝、 17 アンダカット部、 18 保持リップ、 19 ピストン、 20 伝達部材、 21 カバー、 22 供給導管、 23,24 圧力室、 25 シールリング

Claims (4)

  1. ピストンロッドを有さない圧力媒体シリンダであって、シリンダ管(2)内を長手方向可動なピストン(19)と、該ピストン(19)に係合する、シリンダ管(2)に設けられた長手方向スリット(1)を貫通して突出する伝達部材(20)と、ピストン(19)の運動方向で見てピストン(19)の前後前記長手方向スリット(1)を前記シリンダ管(2)の内側からシールするシールバンド(3)とを有しており、該シールバンド(3)が伝達部材(20)の領域でピストン(19)によってガイドされていて、前記シールバンド(3)が、長手方向スリット(1)のシリンダ管(2)の側端におけるシリンダ管(2)の長手方向に延びる2つのシール領域(4,5)と協動するシールストリップ(6)と、該シールストリップ(6)の、前記シリンダ管(2)の外側に向いた面に配置された少なくとも1つの保持ストリップ(7)とを有しており、該保持ストリップ(7)が、長手方向スリット(1)の中央平面(8)に関連して互いに向かい合って位置する、長手方向スリット(1)の両側壁(11)に向けられ、かつ前記シリンダ管(2)の長手方向に延びる2つの保持エレメント(9)を有しており、これらの保持エレメント(9)が、長手方向スリット(1)においてシールバンド(3)を保持するために、シリンダ管に設けられた保持縁部(10)に形状接続的に係合し、この際に、前記シールバンド(3)のシール領域が、圧力媒体シリンダの無圧状態においても、シリンダ管(2)の前記シール領域(4,5)と協働し続けるようになっており、ピストン(19)の運動方向で見てピストン(19)の前後でシリンダ管(2)の外側から前記長手方向スリット(1)をシールする外側バンド(14)が設けられており、該外側バンド(14)が、付加的な保持縁部(13)に形状接続式に係合する形式のものにおいて、
    シリンダ管(2)の長手方向に延びる、保持ストリップ(7)の前記2つの保持エレメント(9)が互いに逆向きに、長手方向スリット(1)の両側壁(11)のそれぞれ一方に向けられており、シールバンド(3)を保持するための前記保持縁部(10)が、長手方向スリット(1)の両側壁(11)に設けられた保持溝(12)の、シリンダ管(2)の内側に面した側に形成されており、これに対して外側バンド(14)を保持するための前記付加的な保持縁部(13)が、前記保持溝(12)の、シリンダ管(2)の外側に面した側で前記保持縁部(10)に向かい合って設けられていることを特徴とする、ピストンロッドを有さない圧力媒体シリンダ。
  2. 前記シールバンド(3)が、前記シールストリップ(6)の、前記シリンダ管(2)の外側に向いた面に互いに間隔を保って配置された2つの保持ストリップ(7)を有しており、これらの保持ストリップ(7)が、シリンダ管(2)の長手方向に延び、かつ前記長手方向スリット(1)の両側壁(11)に向けられたそれぞれ1つの保持エレメント(9)を備えている、請求項1記載の圧力媒体シリンダ。
  3. 前記外側バンド(14)が、前記シリンダ管(2)の内側に向いた面に互いに間隔を保って配置された2つの保持ストリップを有しており、これらの保持ストリップがシリンダ管(2)の長手方向に延び、かつ前記長手方向スリット(1)の両側壁(11)に向けられた2つの保持エレメントを備えている、請求項1又は2記載の圧力媒体シリンダ
  4. シールバンド(3)及び/又は外側バンド(14)が弾性的な材料から成っており、この場合、シールバンド(3)の少なくともシールストリップ(6)が、挿入された若しくは一緒に成形された、長手方向に向けられた線状の補強部材(15)を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の圧力媒体シリンダ。
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