JP4363385B2 - 内燃機関用ピストン - Google Patents

内燃機関用ピストン Download PDF

Info

Publication number
JP4363385B2
JP4363385B2 JP2005258391A JP2005258391A JP4363385B2 JP 4363385 B2 JP4363385 B2 JP 4363385B2 JP 2005258391 A JP2005258391 A JP 2005258391A JP 2005258391 A JP2005258391 A JP 2005258391A JP 4363385 B2 JP4363385 B2 JP 4363385B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cylindrical inner
internal combustion
crown surface
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005258391A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007071089A (ja
Inventor
篤治 太田
浩一 中田
慎太郎 内海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005258391A priority Critical patent/JP4363385B2/ja
Publication of JP2007071089A publication Critical patent/JP2007071089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4363385B2 publication Critical patent/JP4363385B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

本発明は、冠面に形成した凹部によって燃焼室内で気流を好適に案内して希薄燃焼領域の拡大や出力性能の向上を図ることが可能な内燃機関用ピストンに関し、特に未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域の拡大を抑制するとともに、冠面周縁部においても気流の減衰を抑制可能な内燃機関用ピストンに関する。
従来、内燃機関においては、空気と燃料の混合及び火炎の伝播を促進するために、燃焼室内でタンブル(縦渦)やスワール(横渦)といった気流を発生させている。また、近年実用化されている直噴ガソリン機関においては、大幅な燃費向上を主な目的として、燃料を燃焼室に直接噴霧し、上述したタンブル流などの気流を利用して濃い混合気を点火プラグの周囲に集めて燃焼させる成層燃焼を行っている。この直噴ガソリン機関では、中低負荷域で上述の成層燃焼を行う一方、高負荷域では従来の内燃機関と同様な燃焼態様である均質燃焼を行う。均質燃焼においては、吸気流量を増量するとともに混合気の均質化及び火炎の伝播促進による燃焼促進を図ることが出力向上のために重要であり、そのためにタンブル流などの気流を利用している。これらの気流を燃焼室内で好適に案内し、気流の減衰を抑制することで希薄燃焼領域の拡大や出力性能の向上を図るために、種々のピストン冠面形状が提案されている。
例えば特許文献1では、クランク軸線と平行な中心軸線を持つ円筒面よりなる凹部を有するピストン冠面形状を開示している。この凹部をピストン冠面の中心部に形成することによって、上死点においてシリンダヘッドとピストンとの間の中心間距離を確保できる。特許文献1によると、この中心間距離を確保することによって、ガス流動の崩壊を遅らせ圧縮上死点付近まで流動エネルギーを確保することが可能である。また、特許文献1によると、吸入行程から圧縮行程上死点に至るまでガス流動を維持することで空気と燃料との混合を促進し、混合気の均質化を図ることが可能である。
特開平10−8968号公報
しかしながら、特許文献1が提案するピストン冠面形状をピストンに採用すると、円筒面の底部と、トップリングを配設するトップリング溝部との間で部材の肉厚が薄くなってしまう。この場合、例えばトップリング溝部を下げることで必要な肉厚を確保することが可能であるが、トップリング溝部を下げると未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域が増大してしまう。さらに、特許文献1では、上述の凹部に加えて、加工容易化のために冠面周縁部全周に基準面を設けたピストン冠面形状を提案しているが、この場合には、冠面周縁部で気流の減衰防止効果が減少してしまう。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、燃焼室内で気流を好適に案内して希薄燃焼領域の拡大や出力性能の向上を図るピストン冠面形状を備えた内燃機関用ピストンにおいて、未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域の拡大を抑制するとともに、冠面周縁部においても気流の減衰を抑制可能な内燃機関用ピストンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関用ピストンは、クランク軸線と略平行な中心軸線を有する第1の円筒内面および第2の円筒内面と、前記第1の円筒内面と前記第2の円筒内面とに挟まれるように形成された第1の平坦部と、を有する凹部を冠面上に有し、前記凹部は、前記クランク軸線と略平行な方向へ前記冠面の周縁部付近まで形成され、前記クランク軸線と略平行な方向の前記冠面の周縁部は、前記第1の平坦部よりも高く形成され、前記第1の平坦部よりも高く形成された前記冠面の周縁部は、前記クランク軸線と略平行な中心軸線を有する第3の円筒内面および第4の円筒内面と、前記第3の円筒内面と前記第4の円筒内面とに挟まれるように形成された第2の平坦部と、を有することを特徴とする。本発明によれば、凹部が気流を旋回させるように案内することができる。それにより、旋回した気流を圧縮行程上死点手前まで維持することができる。その結果、希薄燃焼領域の拡大を図ることができる。さらに、凹部が第1の平坦部を有することによって、圧縮行程上死点手前では、円筒内面のみで形成された凹部と比較して、第1の平坦部が旋回した気流を早期に崩壊させることができる。それにより、混合気の乱れ強さを増大させることができる。その結果、火炎の伝播を促進し、内燃機関の出力性能の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、凹部が第1の平坦部を有することによって、第1の円筒内面および第2の円筒内面のみで形成された凹部と比較して、クランク軸線と略直交する方向の冠面周縁部の大きさを低減することができる。すなわち、圧縮行程においてかかる冠面周縁部から発生するよどみ成分を低減することが可能である。これによって、気流の減衰を抑制することができる。同時に、本発明によれば、円筒内面のみの凹部の場合と比較して、凹部の底面が第1の平坦部により底上げされた形となり、その分、凹部の底面とトップリング溝部と間で部材の肉厚を確保することが可能である。これによって、ピストン冠面に気流を案内するための凹部を形成してもトップリング溝部を大幅に下げて形成する必要がなくなり、その結果、クエンチ領域の拡大を抑制することが可能である。なお、略平行とは円筒内面の中心軸線をクランク軸線と平行にして、ピストン冠面に円筒内面を形成しようとする際の加工誤差や内燃機関にピストンを組み付けた際の位置ずれを含むものである。また、クランクシャフトとピストンピンとはコネクティングロッドで略平行に結合されることから、クランク軸線をピストンピン中心軸線或いはピストンピンボス中心軸線と言い換えてもよい。
また、本発明によれば、前記クランク軸線と略平行な方向の前記冠面の周縁部が前記第1の平坦部よりも高く形成されていることから、高く形成した冠面周縁部によって、さらにその分、冠面周縁部の上面とトップリング溝部との間で部材の肉厚を確保することが可能である。これによって、内燃機関用ピストンが低圧縮比用で、凹部の容積が大きい場合でも、上述の部材の肉厚を確保するとともに、クエンチ領域の拡大を抑制することが可能である。
また、本発明によれば、前記第1の平坦部よりも高く形成された前記冠面の周縁部は、前記クランク軸線と略平行な中心軸線を有する第3の円筒内面および第4の円筒内面と、前記第3の円筒内面と前記第4の円筒内面との間に挟まれるように形成された第2の平坦部と、を有していることから、前記第1の平坦部よりも高く形成された前記冠面の周縁部において気流が減衰することを抑制できる。
本発明によれば、燃焼室内で気流を好適に案内して希薄燃焼領域の拡大や出力性能の向上を図るピストン冠面形状を備えた内燃機関用ピストンにおいて、未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域の拡大を抑制するとともに、冠面周縁部においても気流の減衰を抑制可能な内燃機関用ピストンを提供可能である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、実施例1に係る内燃機関用ピストン(以下、単にピストンと称す)1Aを示す図である。より具体的には、図1(a)は実施例1に係るピストン1A及びピストン1Aを備える内燃機関50Aの要部を示す図である。ここで、図示しないクランク軸線は図1(a)において、紙面と直交する方向に延伸している。また、図1(b)はピストン1Aを上面視で示す図である。また、図1(c)はピストン1Aを側面視で示す図である。本実施例においては、内燃機関50Aは直噴ガソリン機関である。但し、ピストン1Aは例えば所謂リーンバーンエンジンにおいても適用可能である。また、直噴ガソリン機関における均質燃焼は従来の内燃機関とほぼ同様の燃焼態様であるため、その他のガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおいても適用することが可能である。すなわち、混合気を燃焼させるにあたって混合気のミキシング性向上により出力性能の向上等の効果が得られる内燃機関であれば、本実施例に係るピストン1Aを適用可能である。
図1(a)に示すように、内燃機関50Aは、シリンダブロック51、シリンダヘッド52及びピストン1Aなどによって構成されている。シリンダブロック51には、略円筒状のシリンダ51aを形成し、シリンダ51aの内周面には図示しない略円筒状のシリンダライナを配設している。シリンダ51a内には、このシリンダライナを介してピストン1Aを収容している。図1(b)、(c)に示すように、ピストン1Aの冠面1dAには、吸気を案内してタンブル流Tに生成するための凹部1aAを形成している。また、図1(c)に示すように、第1の冠面周縁部1bAは、燃焼室54を形成するシリンダヘッド52の面と略平行に形成されている。さらに、ピストン1Aには、図1において図示省略したトップリング2を、トップリング溝部1fに配設している。ピストン1Aは図示しないコネクティングロッドと連結されており、さらにコネクティングロッドは図示しないクランクシャフトと連結されている。これによって、ピストン1Aがシリンダ51a内で往復運動すると、コネクティングロッドを介してクランクシャフトに動力が伝達され、さらにクランクシャフトによって往復運動が回転運動に変換される。例えば内燃機関50Aを備えた車両では、この回転運動に変換された動力を利用して車両を駆動する。
図1(a)に示すように、シリンダブロック51の上面にはシリンダヘッド52が固定されている。燃焼室54は、シリンダブロック51、シリンダヘッド52及びピストン1Aによって囲われた空間として形成されている。シリンダヘッド52には、吸気行程で吸気を燃焼室54内に導入するための吸気ポート52bを形成し、吸気ポート52bには流路を開閉するための吸気弁55を配設している。また、シリンダヘッド52には、燃焼したガスを燃焼室54から排気するための排気ポート52aを形成し、排気ポート52aには流路を開閉するための排気弁56を配設している。シリンダヘッド52には、燃焼室54頂部に先端が突出するように点火プラグ53を配設している。
次に、本実施例に係るピストン1Aの凹部1aAについて詳述する。図1(b)、(c)に示すように、凹部1aAは、冠面1dAに平坦部L1と、平坦部L1を挟むようにして形成した排気ポート52a側円筒内面R1と、吸気ポート52b側円筒内面R2とを有して形成されている。また、円筒内面R1、R2及び平坦部L1は、クランク軸線と略平行な方向に冠面1dAの周縁まで形成されている。本実施例では、凹部1aAは、冠面1dAの中央部からオフセットした状態に形成されている。また、平坦部L1はシリンダブロック51及びシリンダヘッド52の合わせ面と略平行に形成されている。図1(a)に示すように、円筒内面R1及びR2はクランク軸線と略平行な中心軸線P1、P2を有し、さらに、この中心軸線P1、P2は平坦部L1の端部を含み平坦部L1と略直交する平面上に設定されている。本実施例では円筒内面R1、R2の曲率半径は同一であるが、円筒内面R1、R2の曲率半径は異なってもよい。なお、ピストン1Aには、図示しないピストンピンを配設するためのピストンピンボス1eAが形成されている。また、冠面1dA上に2ケ所形成されているV1部は、吸気弁55との干渉を回避するための逃げ構造である。
本実施例では、凹部1aAが平坦部L1を有することによって、円筒内面R1及びR2と同一曲率半径の円筒面のみで形成された凹部1aXと比較して、第1の冠面周縁部1bAの大きさを低減可能である。すなわち、圧縮行程において第1の冠面周縁部1bAから発生するよどみ成分を低減することが可能である。これによって、タンブル流Tの減衰を抑制可能である。また、円筒内面R1、R2を上述のように形成することによって、平坦部L1と円筒内面R1、R2とが最もスムースに繋がる形状となりタンブル流Tの減衰をより好適に抑制可能である。
図2は、凹部1aAによるタンブル流Tの減衰抑制効果を模式的に示す図である。より具体的には、図2(a)は、ピストン1Aが内燃機関50Aの圧縮上死点手前に位置している状態におけるタンブル流Tを模式的に示す図であり、図2(b)は図2(a)の状態のピストン1Aを冠面1dA側から見た場合のタンブル流Tを模式的に示す図である。図2(a)に示すように、本実施例では、上述の凹部1aAがタンブル流Tを案内することで、タンブル流Tを圧縮行程上死点手前まで維持することが可能である。これによって、希薄燃焼領域の拡大を図ることが可能である。さらに、圧縮行程上死点手前では、円筒面のみで形成された凹部1aXと比較して、凹部1aAの場合には平坦部L1がタンブル流Tを早期に崩壊させるので、混合気の乱れ強さを増大させることが可能である。これによって火炎の伝播を促進し、内燃機関50Aの出力性能の向上を図ることが可能である。
また、本実施例では、図2(b)に模式的に示すように、円筒内面R1、R2及び平坦部L1のクランク軸線と略平行な方向の第2の冠面周縁部1cAまで平坦部L1と円筒内面R1及びR2を形成していることから、第2の冠面周縁部1cAでもタンブル流Tの減衰を抑制することが可能である。これによって、さらに希薄燃焼領域の拡大および内燃機関50Aの出力性能の向上を図ることが可能である。
図3は、図3(a)で示す円筒面のみで形成された凹部1aXを有するピストン1Xと、図3(b)で示す本実施例に係るピストン1Aとを比較して示す図である。また、図3においては、これらピストン1X、1Aを備える内燃機関50X、50Aの要部も同時に示している。さらに、図3においては、これらピストン1X、1Aを、内燃機関50X、50Aの上死点位置で示している。なお、ピストン1Xとピストン1Aとは、凹部1aが異なる以外、材質も含めて同一であるものとし、内燃機関50Xと内燃機関50Aとは、備えるピストン1が異なる以外、同一であるものとする。
図3に示すように、ピストン1X及び1Aには、ともにトップリング2をトップリング溝部1fに配設している。ここで、トップリング溝部1fを形成するにあたっては、ピストン強度を確保するために、冠面1dAとトップリング溝部1fとの間で部材の最小肉厚Hを確保する必要がある。最小肉厚Hを確保したピストン1Xでは、トップリング溝部1fは図3(a)に示す位置に形成される。また、図3(a)に示すように、ピストン1Xを備える内燃機関50Xでは、未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域Kは、トップリング2と、ピストン1Xと、シリンダブロック51とで囲まれた領域K1である。
一方、最小肉厚Hを確保したピストン1Aでは、トップリング溝部1fは図3(b)に示す位置に形成される。ピストン1Xと比較すると、ピストン1Aでは平坦部Lが形成されている分底面が底上げされるため、トップリング溝部1fの位置が図3に示すα1分だけ高くなる。これによって、ピストン1Aを備える内燃機関50Aでは、内燃機関50Xと比較してクエンチ領域Kを領域K2に縮小させることが可能である。言い換えれば、凹部1aXを形成することで、ピストン1Xでは、最小肉厚Hを確保するためにトップリング溝部1fを下げて形成しなければならないところ、ピストン1Aでは、凹部1aAを形成しても、底面が底上げされている分トップリング溝部1fを下げて形成する必要がないので、クエンチ領域Kの拡大を抑制可能である。以上により、燃焼室54内でタンブル流Tを好適に案内して希薄燃焼領域の拡大や出力性能の向上を図る凹部1aを備えたピストン1において、未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域Kの拡大を抑制するとともに、第2の冠面周縁部1cAにおいてもタンブル流Tの減衰を抑制可能なピストン1Aを実現可能である。
図4は、本実施例に係るピストン1Bを示す図である。より具体的には、図4(a)は、ピストン1Bの上面図であり、図4(b)は、ピストン1Bの側面図であり、図4(c)は、図4(a)に示すピストン1BのA−A断面図であり、図4(d)は、図4(a)に示すピストン1BのB−B断面図である。本実施例に係るピストン1Bは低圧縮比用のピストンであり、凹部1aBの容積は、実施例1に係るピストン1Aの凹部1aAの容積よりも大きくなっている。
図4(a)に示すように、ピストン1Bでは、後述する第2の冠面周縁部1cBの上面にも円筒内面R5、R6及び平坦部L3を形成している。これによって、第2の冠面周縁部1cBにおいてタンブル流Tの減衰を抑制可能である。なお、本実施例に係るピストン1Bでは、円筒内面R5、R6の曲率半径は円筒内面R3、R4の曲率半径と同一である。また、クランク軸線に直交する方向の幅も平坦部L3と平坦部L2とで同一である。但し、これら曲率半径及び幅を異なるように形成することも可能である。また、本実施例に係るピストン1Bでは、平坦部L2を冠面1dBの中央部に配置している。このように、実施例1に係るピストン1Aの凹部1aAとは異なり、凹部1aBを冠面1dBの中央部からオフセットさせずに形成することも可能である。また、冠面1dB上に4ケ所形成されているV2部は、吸気バルブ55及び排気バルブ56との干渉を避けるための逃げ構造であり、V2部は、図4(d)に示すような断面形状となっている。
図4(c)に示すように、本実施例に係るピストン1Bでは、円筒内面R3、R4及び平坦部L2のクランク軸線と略平行な方向の第2の冠面周縁部1cBを、ピストン1B中心軸線方向で平坦部L2よりも高く形成している。次に第2の冠面周縁部1cBを、平坦部L2よりも高く形成することにより得られる効果について、図5を用いて詳述する。図5は、図5(a)に示すピストン1Bと図5(b)に示すピストン1Cとを比較して示す図である。さらに、図5では、ピストン1Cの冠面1dCを嵩上げした状態を図5(c)で示し、ピストン1Cの円筒内面Rを縮小した状態を図5(d)で示している。なお、ピストン1Cは、第2の冠面周縁部1cBを高く形成していないことが異なる以外、材質を含めてピストン1Bと同一である。
図5(b)に示すように、低圧縮比用のピストン1Cでは、平坦部L2を形成してもトップリング溝部1fと平坦部L2との間の部材の肉厚が不十分となってしまい、最小肉厚Hを確保できない場合がある。この対策としては、例えば図5(c)に示すように冠面1dBの高さを嵩上げすることが考えられ、これによって最小肉厚Hを確保することが可能である。但し、この場合には、図5(c)に示すようにクエンチ領域Kが拡大してしまう。また別の対策としては、例えば図5(d)に示すように円筒内面Rを縮小することが考えられ、これによって平坦部Lを底上げして最小肉厚Hを確保することも可能である。但し、この場合には、図5(d)に示すように円筒内面R3及びR4でタンブル流Tをスムースに案内することができなくなってしまう。
本実施例に係るピストン1Bは、第2の冠面周縁部1cBを高く形成しているため、図5(a)、(b)に示すように部材の肉厚をピストン1Cよりもさらにα2分だけ確保することが可能である。このように第2の冠面周縁部1cBを高く形成することによって、低圧縮比用のピストン1Bの冠面1dBに凹部1aBを形成した場合でも、最小肉厚Hを確保するとともにクエンチ領域K3の拡大を抑制可能である。以上により、燃焼室54内でタンブル流Tを好適に案内して希薄燃焼領域の拡大や出力性能の向上を図る凹部1aを備えたピストン1において、未燃ガスの発生源とされるクエンチ領域Kの拡大を抑制するとともに、第2の冠面周縁部1cBにおいてもタンブル流Tの減衰を抑制可能なピストン1Bを実現可能である。
なお、吸排気ポート52a、52bは、一般的にクランク軸線を挟むようにして対向して配置されるため、円筒内面R1、R2の中心軸線P1、P2がクランク軸線と略平行であれば、燃焼室54内で吸気を減衰させないようにして案内可能である。一方、例えば吸気ポート52bから燃焼室54内に流入する吸気の流れ方向は、図示しない気流制御弁の存在や吸気ポート52bが燃焼室54に臨む角度などによって内燃機関50毎に異なっている。このような場合には、適用しようとする内燃機関50の吸気の流れ方向に基づいて円筒内面R1、R2の中心軸線P1、P2をクランク軸線と所定の角度をなすようにしたほうがより好適に減衰を抑制して吸気を案内できることもある。したがって、実施例1に係るピストン1Aでは、中心軸線P1、P2がクランク軸線と略平行になるように円筒内面R1、R2を形成しているが、これに限らず、中心軸線P1、P2がクランク軸線と所定の角度をなすようにして円筒内面R1、R2を形成してもよい。実施例2に係るピストン1Bについても同様である。
また、本実施例では、ピストン1の加工容易性や凹部1aでタンブル流Tを案内するスムースさの観点から凹部1aに円筒内面Rを適用しているが、タンブル流Tを案内可能であれば、円筒内面Rの代わりに例えば楕円状の内面などを適用することも可能である。また、平坦部Lや円筒内面Rが例えば部分的に凹部を有してもよく、より具体的には、例えば実施例2で示したように円筒内面R3、R4が吸排気弁55、56との干渉防止用にV2部を有してもよい。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
実施例1に係る内燃機関用ピストン1Aを示す図である。 凹部1aAによるタンブルTの減衰抑制効果を模式的に示す図である。 円筒面のみで形成された凹部1aXを有するピストン1Xと、実施例1に係るピストン1Aとを比較して示す図である。 実施例2に係るピストン1Bを示す図である。 ピストン1Bとピストン1Cとを比較して示す図である。
符号の説明
1 内燃機関用ピストン
1a 凹部
1b 第1の冠面周縁部
1c 第2の冠面周縁部
1d 冠面
1e ピストンピンボス
1f トップリング溝部
2 トップリング
50 内燃機関
51 シリンダブロック
51a シリンダ
52 シリンダヘッド
52a 排気ポート
52b 吸気ポート
53 点火プラグ
54 燃焼室
55 吸気弁
56 排気弁

Claims (1)

  1. クランク軸線と略平行な中心軸線を有する第1の円筒内面および第2の円筒内面と、前記第1の円筒内面と前記第2の円筒内面とに挟まれるように形成された第1の平坦部と、を有する凹部を冠面上に有し、
    前記凹部は、前記クランク軸線と略平行な方向へ前記冠面の周縁部付近まで形成され、
    前記クランク軸線と略平行な方向の前記冠面の周縁部は、前記第1の平坦部よりも高く形成され、
    前記第1の平坦部よりも高く形成された前記冠面の周縁部は、前記クランク軸線と略平行な中心軸線を有する第3の円筒内面および第4の円筒内面と、前記第3の円筒内面と前記第4の円筒内面とに挟まれるように形成された第2の平坦部と、を有することを特徴とする内燃機関用ピストン。
JP2005258391A 2005-09-06 2005-09-06 内燃機関用ピストン Expired - Fee Related JP4363385B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005258391A JP4363385B2 (ja) 2005-09-06 2005-09-06 内燃機関用ピストン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005258391A JP4363385B2 (ja) 2005-09-06 2005-09-06 内燃機関用ピストン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007071089A JP2007071089A (ja) 2007-03-22
JP4363385B2 true JP4363385B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=37932769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005258391A Expired - Fee Related JP4363385B2 (ja) 2005-09-06 2005-09-06 内燃機関用ピストン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4363385B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9909489B1 (en) * 2016-10-05 2018-03-06 Caterpillar Inc. Piston fluid passages for reduced soot

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007071089A (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1403482B1 (en) Swirl chamber used in association with a combustion chamber for diesel engines
US11149682B2 (en) Combustion chamber structure for engines
JPH10131758A (ja) 筒内噴射式エンジン
JPS5845571B2 (ja) 内燃機関の燃焼室
JP2009046985A (ja) 内燃機関用ピストン
JP4442542B2 (ja) 往復動ピストン型エンジン
JP4363385B2 (ja) 内燃機関用ピストン
WO2018158951A1 (ja) 内燃機関の吸気ポート構造
JPS62178718A (ja) 内燃機関の燃焼室
JPS5838610B2 (ja) 内燃機関
JP4591192B2 (ja) 内燃機関
JPH06146886A (ja) 筒内噴射型内燃機関
JPH11200867A (ja) 筒内噴射式エンジン
JP4738930B2 (ja) 内燃機関用ピストン
JP2022083622A (ja) エンジンの燃焼室構造
JP4779964B2 (ja) 内燃機関
US11624313B2 (en) Engine with combustion chamber
JP4075471B2 (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP7556270B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
JP7556271B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
JPH11210467A (ja) ディーゼルエンジンのリエントラント型燃焼室
JP4683024B2 (ja) 内燃機関
JP2000186556A (ja) 内燃機関のピストン
JP3644230B2 (ja) 筒内噴射式内燃機関のピストン
JP2022083621A (ja) エンジンの燃焼室構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090521

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120828

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4363385

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130828

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees