JP4362879B2 - ディスクカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報信号の記録媒体となるディスク状記録媒体を収納したディスクカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光磁気ディスク等のディスク状記録媒体をカートリッジ本体内に回転自在に収納したディスクカートリッジとしては、例えば図7〜図9に示すようなものが実用化されている。このディスクカートリッジ1は、直径64mmのディスク状記録媒体、いわゆるミニディスク(MD:商標名)のディスクカートリッジである。このミニディスクのディスクカートリッジには、再生専用と記録再生用とがあり、図7〜図9に示すミニディスクの記録再生用ディスクカートリッジ111はカートリッジ本体112と光磁気ディスクDとから構成され、図示しない再生専用ディスクカートリッジはカートリッジ本体と光ディスクとから構成されている。
【0003】
図7〜図9に示すように記録再生用ディスクカートリッジ111のカートリッジ本体112は表裏一対のハーフ113,114を合体して構成され、この両ハーフ113,114内に形成されたディスク収納部に光磁気ディスクDが回転自在に収納されている。このカートリッジ本体112は平面視四角形状で、図9に示すように裏ハーフ114には、ほぼ中央部、詳しくは、前述したディスク収納部の中心部に位置して駆動軸の挿入口114bが設けられて、光磁気ディスクDの中心部に固定されているチャッキングハブdが臨み、この駆動機構の挿入口114dと前辺部との間に光磁気ディスクDの記録面側の一部が半径方向に望む開口窓114aが設けられており、一方この開口窓114aに対向して表ハーフ113にも図8に示すように開口窓113aが設けられて光磁気ディスクDの記録面と相反する側の面の一部が半径方向に臨むようになっている。
【0004】
そして、このカートリッジ本体112には前辺部側に沿って摺動し、表ハーフ113側の開口窓113aおよび裏ハーフ114側の開口窓114aを開閉するシャッタ116が備えられている。このシャッタ116は、金属薄板により断面略コ字状に形成されて、両開口窓113a,114aに対応する覆板部116a,116bとこの両覆板部116a,116bの前端縁間を連結する前面部116cとを有し、前面部116cの一側部、すなわち、開放方向と相反する側を延長して係合部116dを形成してあり、このシャッタ116が閉じた状態でカートリッジ本体112に備えられたロック部材(図示せず)に係合されてシャッタ116がカートリッジ本体112に対してロックされるようになされている。
【0005】
また、このカートリッジ本体112の周縁部には下面側から周面側にかけて各種の検出部及び係止部が形成されており、112aはカートリッジ検出ピンが挿入されカートリッジの種別を検出する検出溝で、このディスクカートリッジ111は記録再生用であるため浅く形成してあり、また112bはロック機構の係止片が係合される係止凹部である。また、カートリッジ本体112の下面には図示しないシャーシ基板1の案内ピンが係合される位置決め孔112c,112dが形成されている。
【0006】
このように構成されるディスクカートリッジ111は、ディスク記録再生装置に、カートリッジ本体112の裏ハーフ114側を回転駆動装置及び光学ヘッドに対応するように表ハーフ113の表面に表示した矢印aの方向から挿入する。これにより、ディスクカートリッジ111は、ディスク記録再生装置のカートリッジ挿入部に配設された操作部材によってロック部材によるシャッタ116のカートリッジ本体112に対するロックが解除されると共に操作部材がシャッタ116の係合部116dに係合されて、シャッタ116が係止され、この状態でカートリッジ本体112がさらに挿入されることにより両ハーフ113,114の開口窓113a,114aが開放される。
【0007】
この状態でカートリッジ本体112の裏ハーフ114側の駆動機構の挿入口114dから駆動機構としてのターンテーブルが挿入されて光磁気ディスクDがチャッキングハブdを介してチャッキングされると共に裏ハーフ114側の開口窓114aには光学ピックアップ装置の光学ヘッドが、また、表ハーフ113側の開口窓113aにはオーバーライトヘッド装置の磁界ヘッドが対応されて、光磁気ディスク3の記録及び/又は再生が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のようなディスクカートリッジにおいては、MDメディアディスクカートリッジに限らず、オーディオメディアディスクカートリッジ、データメディアディスクカートリッジ等の各種のディスクカートリッジは、記録媒体ディスクが円盤状であるにもかかわらずカートリッジ本体の主面部がほぼ方形状となされた薄い筐体状に構成されている。
【0009】
そのため、これ等のディスクカートリッジにおいては、記録媒体ディスクに対する情報信号の記録再生を行う記録再生装置への挿入方向の指定があり、この挿入方向の判別が難しく、誤挿入することも多々あった。また、この種のディスクカートリッジの形態が小型化していく傾向にあり、ディスクカートリッジが小型化すると挿入方向の判別が一層難しくなり、いちいち挿入方向を確認することさえかなりのストレスがたまるものになる。
【0010】
また、ディスクカートリッジの記録媒体ディスクにおける情報信号の記録密度が高密度化されるにしたがい、記録媒体ディスクへの塵埃の付着や傷損を確実に防止できるディスクカートリッジが必要となっている。
【0011】
しかしながら、従来のディスクカートリッジにおいては、前述の様に断面コ字状をなすシャッタをカートリッジ本体の外面側に摺動可能に嵌挿して両覆板部を表裏ハーフの各ヘッドに対応する開口窓を開閉する構成となっているが、両覆板部は外面側に重ね合されているだけであるため自由端部側が浮き上がって隙間が生じ易く、この隙間を通して開口窓からカセット本体内に塵埃が浸入し易いという問題があった。
【0012】
また、シャッタの両覆板部が浮き上がり状態になることにより、この覆板部の縁部に手指等が引掛りシャッタを不用意に開放するおそれがあり、このようにシャッタが不用意に開放された場合には、カートリッジ本体内に塵埃が浸入して記録媒体ディスクの汚損、傷損が生じ易く、情報信号の記録の欠落や劣化が生じるおそれがある。
【0013】
また、このディスクカートリッジのシャッタの両覆板部が浮き上がり状態になることにより、このディスクカートリッジを記録再生装置に挿入装填した状態から取り出す際に装置内においてシャッタが引掛り取り出しができなくなって、ディスクカートリッジはもとより記録再生装置も使用不能になるおそれがある。
【0014】
本発明はかかる点に鑑みななされたもので、シャッタによる開口窓の閉塞性の向上を図り、カートリッジ本体内への塵埃の浸入を確実に防止すると共にシャッタの誤開閉動作を防止し、収納する記録媒体ディスクの保護を確実なものとして記録密度の高密度化に対応でき、また、記録再生装置への挿入方向の限定を無くし、取扱いの簡便化を可能にしたディスクカートリッジを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、上記目的を達成するため、本発明に係るディスクカートリッジは、円板状の主板部と、この主板部の周囲側に設けられた周面部とを有する表裏一対のハーフが合体されて形成されたカートリッジ本体と、上記カートリッジ本体内に回転可能に収納されたディスク状記録媒体と、上記表裏ハーフの各主板部に形成されたヘッド対応の開口窓と、上記表裏ハーフの一方の主板部の中心部に形成された回転駆動機構の挿入口と、上記表裏ハーフの内面側中心部に形成された円環状のリブと、上記裏表ハーフの内面側であって、上記円環状のリブの外側に形成された欠除部を有する円弧状のガイドリブと、上記カートリッジ本体内に内蔵され、上記円環状のリブに回転可能に嵌挿される環状軸支部と上記開口窓を開閉する閉塞板部とを有するシャッタと、上記円弧状のガイドリブの欠除部に取り付けられたシャッタロックと、上記シャッタの閉塞板部に設けられた上記シャッタロックと係合可能なロック片部と、を備えたる用に構成したものである。
【0016】
上記構成において、シャッタはカートリッジ本体内に回転可能に内蔵され、カートリッジ本体との相対的な回転により開口窓を開閉するように構成する。
【0017】
上記構成において、シャッタは、カートリッジ本体の主板部の中心部を回転中心として回転されて開口窓を開閉する様に構成する。
【0018】
また、上記構成において、表裏ハーフの少なくとも一方の周面部にシャッタを開放操作する操作口を設けることができる。
【0019】
また、上記構成において、カートリッジ本体内にヘッド対応の開口および回転駆動機構の挿入口を開閉するシャッタを備えることが好ましい。
【0020】
また、上記構成において、カートリッジ本体の表裏ハーフの少なくとも一方の主板部側に、記録再生装置側の回転位置決め手段の係合部を設け、カートリッジ本体が回転位置決め手段により位置決め規制されると共にシャッタが開閉動作されるように構成する。
【0021】
さらに、上記構成において、シャッタはディスク状記録媒体の周縁部に対応する保護面部を形成することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6を参照して説明する。
【0023】
この実施の形態は、本発明に係るディスクカートリッジを、ディスク状記録媒体として記録再生可能なミニディスク等の光磁気ディスクを収納したディスクカートリッジとして構成したものである。
【0024】
図1〜図5は一の実施の形態のディスクカートリッジを示す。このディスクカートリッジ1のカートリッジ本体2は、それぞれ円形状の主板部3a,4aとこの主板部3a,4aの周囲側に設けられた周面部3b,4bとを有する表裏一対のハーフ3,4を互いの周面部3b,4bを突き合せて合体することにより構成される。このカートリッジ本体2にディスク状記録媒体としての光磁気ディスク(以下、記録媒体ディスクという)Dが回転可能に収納されている。
【0025】
このカートリッジ本体2の各ハーフ3,4は、プラスチック材料、例えばABS樹脂やPC(ポリカーボネート)等により、射出成形によって作製される。この各ハーフ3,4の主板部3a,4aは、記録媒体Dの形状に対応した円板状で、記録媒体ディスクDの径より所要寸法だけ大径に形成されており、内面側には記録媒体ディスクDよりやや大径の後述する所要部が欠除された円弧状のガイドリブ5,6が形成されている。
【0026】
また、一方のハーフ、この実施の形態では、裏ハーフ4の周面部4bには、一部分、すなわち、中心回りの開き角がほぼ90°に相当する部分が欠除され操作口部7が形成されており、また、裏ハーフ4の主板部4aに形成したガイドリブ6にもこの操作口部7にほぼ対向する位置、詳しくは、操作口部7にほぼ半分の部分が対向するように位置して欠除部6aが形成されている。
【0027】
そして、この裏ハーフ4の主板部4aの中心部には、この主板部4aを貫通して回転駆動機構としてのターンテーブルの挿入口8が円形状に形成されており、この挿入口8の内面側周縁には円環状のリブ9が形成されている。また、この裏ハーフ4の主板部4aには、操作口部7と挿入口8との間に位置して、半径方向に長い、詳しくは、挿入口8の近傍からガイドリブ6の欠除部6aの操作口部7と対向する部分に達する長さで、所要幅の開口窓10が形成されている。
【0028】
一方、表ハーフ3の主板部3aの内面側に形成されているガイドリブ5の欠除部5aは裏ハーフ4側のガイドリブ6の欠除部6aに対応して形成されており、また、主板部3aの内面側中心部には、裏ハーフ4側の中心部の円環状のリブ9と対応して円環状のリブ11を形成してある。そして、この表ハーフ3の主板部3aにも開口窓12が裏ハーフ4側の開口窓10と対応して形成されている。すなわち、この表ハーフ3の主板部3a側の開口窓12は円環状のリブ11の近傍からガイドリブ5の欠除部5aの一半部側に達する長さで所要幅に形成されている。
【0029】
このように形成される表ハーフ3と裏ハーフ4とは、記録媒体ディスクDをガイドリブ5,6内に収納して合体しカートリッジ本体2を構成するが、この両ハーフ3,4間に開口窓12および10を開閉するシャッタ13が内蔵されている。このシャッタ13は、記録媒体ディスクDの半径寸法よりやや大の長さで開口窓12,10を閉塞する幅を有する平面視ほぼ扇形状の閉塞板部13a,13bとを両ハーフ3,4の内面間の間隙とほぼ等しい間隙で先端縁間において記録媒体ディスクDの周面に保護面部として対向する連結板部13cにより連結した断面コ字状に形成され、各々の閉塞板部13a,13bの基端部には、前述した円環状リブ11,9に回転可能に嵌挿される環状軸支部13d,13eが形成されている。
また、このシャッタ13の連結板部13cの一側端部の閉塞板部13b寄りの部分を延長してロック片部13fを形成してある。
【0030】
このように形成されるシャッタ13は、記録媒体ディスクDを半径方向に閉塞板部13a,13bにより挟んだ状態で一方の閉塞板部13a側の環状軸支部13dを表ハーフ3側の円環状リブ11に、また、他方の閉塞板部13b側の環状軸支部13eを裏ハーフ4側の円環状リブ9に各々嵌挿すると共に両ハーフ3,4のガイドリブ5,6の欠除部5a,6a内において回転可能に位置されている。このシャッタ13は、ガイドリブ5,6の欠除部5a,6aの一半部側に回転位置されている状態では一方の閉塞板部13aが表ハーフ3の開口窓12に、また、他方の閉塞板部13bが裏ハーフ4の開口窓10に対応して、この各々の開口窓12,10を内面側から閉塞する。この状態からシャッタ13をガイドリブ5,6の欠除部5a,6aの他半部側に回転位置させることにより、閉塞板部13a,13bは表裏ハーフ3,4の開口窓12,10から離隔し、この開口窓12,10は開放される。
【0031】
このように回転し、両ハーフ3,4の開口窓12,10を開閉するシャッタ13は、開口窓12,10に対応して閉塞した状態でロックされるように、カートリッジ本体2にはシャッタロック体14が備えられている。すなわち、このシャッタロック体14は、裏ハーフ4の主板部4aの内面側で、操作口部7の一端部側に、ガイドリブ6の欠除部6aの一端部外側に位置して取付けられている。このシャッタロック体14は、弾性を保有する樹脂材により形成されるもので、全体的に略V字形状で一辺部がロック片14aとして形成され、他辺部が弾性片14bとして形成され、屈折部を軸支部14cとして形成されており、ロック片14aは、比較的剛性が高く先端部外側面にシャッタ13のロック片部13fに係合する係合部14a1 が形成され、一方、弾性片14bは所要の弾性力を保有する様に肉薄状に形成されて外面側先端に半球状頭部を有し、また、軸支部14cは筒状に形成されている。
【0032】
このように形成されるシャッタロック体14は、裏ハーフ4の主板部4aの前述した位置に軸支部14cにおいて回動可能に軸着して弾性片14bをその先端の半球状頭部においてガイドリブ6の外面側に当接させると共に、ロック片14aが先端係合部14a1 をシャッタ13のロック片部13fの内側に対応する様に配置されている。
【0033】
また、カートリッジ本体2には、誤消去防止用の駒15が備えられている。この誤消去防止用の駒15は、表裏ハーフ3,4の周面部3b,4bとガイドリブ5,6との間に形成した枠部16に移動可能に嵌合されており、この枠部16の一半部に対応する表裏ハーフ3,4の主板部3a,4aの部面には検出透孔17a,17bが穿設されて駒15の移動により開閉され、記録可能、記録不可能状態の検出および視覚による確認が行えるようになっている。この誤消去防止用の駒15の移動操作は、表裏ハーフ3,4の周面部3b,4bに跨って形成した操作兼検出窓18を通して行うようになっている。
【0034】
また、このカートリッジ本体2には、この実施の形態では表ハーフ3の主板部3aに後述する回転位置決め部材の係合部19が凹部又は透孔状に形成されている。
【0035】
このように構成されるディスクカートリッジ1を、図5に示すように記録再生装置31に装填するときには、シャッタ13がカートリッジ本体2の表裏ハーフ3,4の開口窓12,10を閉塞板部13a,13bにより閉塞した状態で装填される。この記録再生装置31にディスクカートリッジ装填部にディスクカートリッジ1を回転位置決めする例えば、図1に二点鎖線で示す回転支持機構32が備えられ、この回転支持機構32は、図示しないモータにより回転駆動される回転軸33に複数のアーム部34aを放射方向に設けた回転体34を軸着し、このアーム部34aの先端にディスクカートリッジ1側の係合部19に弾性的に係合する係合子35を装着して構成されている。
【0036】
そして、この回転支持機構32の周囲部に位置して、すなわち、回転支持機構32により回転支持されるディスクカートリッジ1の回転軌跡上の所定位置に対応してシャッタ13のロック片部13fに係合するレリーズ爪部材36が配設されており、このレリーズ爪部材36は、ディスクカートリッジ1の回転軌跡方向に所要弾力により弾性偏倚されている。
【0037】
このように構成される記録再生装置31において、ディスクカートリッジが挿入口31aから装填されると、回転支持機構32の回転体34が、アーム部34aの先端の係合子35がカートリッジ本体1の表ハーフ3の主面板部3aの表面に所要弾力で当接した状態で一方向に回転駆動されて、この回転部材34の回転により係合子35が表ハーフ3の主板部3aに形成された係合部19に対応して係合される。これにより、ディスクカートリッジ1全体が、リレーズ爪部材36が裏ハーフ4の周面部4bに摺接した状態で回転体34の回転に伴って回転操作される。そして、ディスクカートリッジ1の回転により、レリーズ爪部材36の先端側がカートリッジ本体2の周面、詳しくは、裏ハーフ4の周面部4b側の操作口部7に所要弾性偏倚力をもって挿入されてシャッタロック体14のロック片14aを押圧し、このロック片14aをシャッタ13のロック片部13fから離隔させてシャッタ13のロックを解除させると共にこのレリーズ爪部材36の先端部がシャッタ13のロック片部13fに係合し、シャッタ13を停止させる。
【0038】
すなわち、このとき、シャッタ13が停止された状態でカートリッジ本体2のみがさらに回転操作されこの回転によりシャッタ13がカートリッジ本体2に対して相対的に回動される状態になって、カートリッジ本体2側の両開口窓12,10は開放される。この両開口窓12,10が開放されると、収納されている記録媒体ディスクDの一部が表出し、これが図示しない検出装置により検出されることにより、ディスクカートリッジ本体2の回転角度位置が検出され、または、開放された両開口窓12,10の位置が検出されて、回転支持機構32の駆動モータは停止され、回転体34の回転が停止される。このとき、カートリッジ本体2が所定位置に停止されることにより、両開口窓12,10は開放された状態でヘッド装置、すなわち、表ハーフ3側の開口窓12は図示しないオーバーライトヘッド装置の磁気ヘッドに、また、裏ハーフ4側の開口窓10は図示しない光学ピックアップ装置の光学ヘッドに対応される。この状態でシャッタ13は、レリーズ爪部材36によるロック片部13fの係合が持続されて両開口窓12,10を開放した状態で保持される。
【0039】
このように、ディスクカートリッジ1のカートリッジ本体2は、開放された両開口窓12,10が各々ヘッドに対応した位置に停止された状態において、表ハーフ3側の開口窓12からは磁気ヘッドが挿入され、一方、裏ハーフ4側の開口窓10には光学ヘッドが臨むことになる。また、裏ハーフ4の主板部4aの中心挿入口8からは、記録媒体ディスクDのハブdを保持して回転操作することにより記録媒体ディスクDを回転させる図示しない回転駆動手段としてのターンテーブルがカートリッジ本体2内に挿入される。
【0040】
そして、ターンテーブルが記録媒体ディスクDを回転操作し、各々のヘッドが表裏ハーフ3,4の開口窓12,10を通して記録媒体ディスクDに対応することにより、記録媒体ディスクDに対する情報信号の記録再生が行われる。
【0041】
また、記録再生装置31からディスクカートリッジ1を取り出すときには、各々のヘッドおよびターンテーブルがディスクカートリッジより離間されると共に、回転支持機構32の回転体34が逆回転駆動され、これによりカートリッジ本体2が前述の場合と逆方向に回転されて、レリーズ爪部材36により係止状態に或るシャッタ13の両閉塞板部13a,13bに両開口窓12,10が対応し、両開口窓12,10は閉塞された状態にある。このとき、シャッタロック体14のロック片14aは、一旦レリーズ爪部材36の先端部により押圧されて内方へ弾性偏倚される。この状態でカートリッジ本体2がさらに回転されることにより、シャッタロック体14はレリーズ爪部材36から離れるためロック片14aは復帰してシャッタ13のロック片部13fに係合し、シャッタ13は前述の閉塞状態でロックされる。この状態でディスクカートリッジ1は、記録再生装置31から排出される。
【0042】
以上のように、この実施の形態のディスクカートリッジ1は全体として円盤状であるため、表裏の区別さえすれば、記録再生装置31に対していかなる方向からも装填でき、また、ヘッドに対応する開口窓12,10を開閉するシャッタ13がカートリッジ本体2内に内蔵されて内面側において開閉操作されるので、シャッタ13にはカートリッジ本体2の外面側から触れにくく、これによりシャッタ22の不用意な開放が防止される。また、シャッタ13がカートリッジ本体2の外面側から浮き上がって外部からの衝撃や引掛りにより不用意に開放されたり、また記録再生装置31からの取り出しが不可能になることもなく、あたかもコインを取り扱うように記録再生装置31に対して投入するように挿入装填して記録再生を行うことができる。
【0043】
また、この実施の形態のディスクカートリッジ1は、カートリッジ本体2に内蔵するシャッタ13は記録媒体ディスクDを挟む表裏二枚の閉塞板部13a,13bにより、表裏ハーフ3,4の開口窓12,10を開閉するように構成されているが、記録媒体ディスクが再生専用のディスクであって、カートリッジ本体の表裏ハーフの何れか一方のハーフのみにヘッドに対応する開口窓を形成するディスクカートリッジにおいては、シャッタには、この一個の開口窓に対応して一枚の閉塞板部のみを形成すればよい。この場合も、閉塞板部の基端部には回転支持するための環状支持部を形成すると共に、先端部に前述した連結面部に変わるディスクの周面に対応する保護面部を形成し、この保護面部を一側方向に延長してロック片部を形成する。このように形成したシャッタも前述したシャッタ13と同様に開閉操作される。
【0044】
また、この実施の形態のディスクカートリッジ1は、表裏ハーフ3,4の何れか一方、例えば表ハーフ3の全体若しくは半分又は一部分を透明若しくは半透明に形成して収納する記録媒体ディスクDを透視できる、いわゆるシースルータイプのディスクカートリッジとして構成できるものである。
【0045】
また、ディスクカートリッジ1は、カートリッジ本体2をアルミニウム等の金属により形成し、全体に金属性質感をもたせてコイン状に形成できるものである。また、カートリッジ本体2の表裏ハーフ3,4又は何れか一方のハーフに形成するヘッドに対応する開口窓は一個に限ることなく、複数個形成して収納ディスクが複数個所から外方に臨むこととしてもよい。
【0046】
また、この実施の形態のディスクカートリッジ1においては、記録再生装置31側の回転支持機構32に係合される係合部19をカートリッジ本体11の表ハーフ3の主板部3aに形成したが周面部に形成してもよい。さらに、ディスクカートリッジ1のカートリッジ本体2の表裏ハーフ3,4の主板部3a,4a又は何れか一方の主板部に磁性板片を埋設してディスクカートリッジ1同志を互に吸着して重ね合せて連結できるように構成してもよく、この場合は保管及び携帯等が簡便になる。
【0047】
次に、本発明の他の実施の形態を説明するに、この実施の形態は、円盤状ディスクカートリッジのカートリッジ本体に内蔵するシャッタによりヘッドと対応する開口窓と共に、回転駆動機構の挿入口も開閉するようにしたものである。
【0048】
この実施の形態は、図6に示すように、ディスクカートリッジ21は、前述した実施の形態のディスクカートリッジ1と同様にカートリッジ本体22は円盤状に形成されて、このカートリッジ本体22内にシャッタ23を内蔵したものであるが、シャッタ23はカートリッジ本体22の表ハーフ(図6においては省略)に形成した開口窓および裏ハーフ24に形成したヘッドに対応する開口窓25と裏ハーフ24の中心部に形成した回転駆動機構としてのターンテーブルが挿入される挿入口26を開閉するように構成されている。
【0049】
すなわち、シャッタ23は裏ハーフ24の円形の主板部24aの内面側周縁部にガイドリブ25の外側に位置して回転中心を設け、中心部の挿入口26から開口窓25に対応する閉塞板部23aと表ハーフ側の開口窓に対応する閉塞板部23bとを記録媒体ディスクDの周縁面に保護面部として対向する連結板部23cにより連結して形成されており、裏ハーフ24側の閉塞板部23aの基端部である回転中心部23dから延長してロック片部23eを形成してある。なお、表ハーフ側の閉塞板部23bは表ハーフ側の開口窓のみを開閉すればよいので、裏ハーフ24側の閉塞板部23aより短長に形成される。
【0050】
このシャッタ23は回転中心部23dにおいて裏ハーフ24の前述した位置に突設した軸突子27により軸支されて、ロック片部23eが前述したシャッタ13の場合と同様に、裏ハーフ24側に備えられたシャッタロック体28により閉塞動作状態でロックされて保持される。このシャッタロック体28は前述したシャンロック体14と同様に、ロック片28aと弾性片28bと軸支部28cとから構成されて、ロック片28aは比較的剛性が高く、先端部外面側にロック片部23eに係合する係合部28a1 が形成され、弾性片28bは所要の弾性力を保有するように肉薄状に形成されて外面側先端に摩擦抵抗を小さくするために半球状頭部を有している。なお、このシャッタ23は、図6に一点鎖線で示すように、軸支部にトーションスプリング29を装着して常時閉塞方向に回転偏倚させるようにしてもよい。
【0051】
また、この実施の形態のディスクカートリッジ21にも前述したディスクカートリッジ1と同様に誤消去防止機構30が備えられている。この誤消去防止機構30の駒30aは、カートリッジ本体22の表ハーフの周面部と裏ハーフ24の周面部24bに形成した枠部30bに移動可能に嵌合されており、この枠部30bの一半部に対応する表ハーフの主板部と裏ハーフ24の主板部24aの部面に検出透孔30cが穿設されている。この検出透孔30cは駒30aの移動により開閉されて記録可能、記録不可能状態の検出および視覚による確認ができるようになっており、また、駒30aの移動操作は、表ハーフの周面部と裏ハーフ24の周面部24bに跨って形成した操作兼検出窓30dを通して行うようになっている。
【0052】
このように構成されるディスクカートリッジ21も前述したディスクカートリッジ1と同様に記録再生装置に装填すると、記録再生装置内に備えられている回転支持機構によりカートリッジ本体22が回転されてシャッタ23のロック片部23eにリレーズ爪部材が係合し、シャッタ23を停止させた状態でさらなるカートリッジ本体22の回転により、シャッタ23はカートリッジ本体22に対して軸突子27による軸支部を中心に相対的に回転される状態(図6の二点鎖線の状態)になって表ハーフの開口窓および裏ハーフ24の開口窓25と挿入口26が開放される。
【0053】
この状態で回転支持機構の回転動作が停止されてディスクカートリッジ21は所定位置、すなわち、各々の開口窓がヘッドに対応し、挿入口26が回転駆動機構としてのターンテーブルに対応する位置に位置決めされて前述した場合と同様に記録媒体ディスクDの記録再生が行われる。また、記録再生装置からディスクカートリッジ21を取り出す場合も前述したディスクカートリッジ1の取り出しと同様に行われてシャッタ23が表ハーフの開口窓および裏ハーフ24の開口窓25と挿入口26を閉塞し、この状態でシャッタロック体28によりロックされて排出される。
【0054】
以上のように構成されるこの実施の形態のディスクカートリッジ21は、カートリッジ本体22の各々のヘッドに対応する表ハーフの開口窓および裏ハーフ24の開口窓25はもとより回転駆動機構が挿入される挿入口26もシャッタ23により閉塞されるので、不使用時にはカートリッジ本体22内は密封状態になって塵埃の浸入がほぼ完全に防止されると共に、収納される記録媒体ディスクDに触れることは不可能になって記録媒体ディスクDは一層確実に保護されて高密度記録の記録媒体ディスクとしての使用に対応することができる。
【0055】
また、この実施の形態のディスクカートリッジ21のカートリッジ本体22も前述したディスクカートリッジ1のカートリッジ本体2の各種形態をとることができるものである。
【0056】
以上のように、本発明に係るディスクカートリッジは、収納する記録媒体ディスクの形状と対応し、余分な形態をそぎおとした円盤状であって樹脂等の材料の無駄がなく、製造が容易で量産性に富みコストの低減化が可能になり、かつ、小型、大容量のディスクカートリッジとして構成することができるので、オーディオ信号やビデオ信号のみならず、データ情報等、あらゆる情報信号の記憶媒体として広く応用することができて極めて有用なものである。
【0057】
なお、本発明に係るディスクカートリッジは、記録媒体ディスクとして光ディスクや光磁気ディスクに限ることなく磁気ディスクを用いた構成とすることとしてもよく、また、記録媒体ディスクの大きさは限定されるものではなく、種々の大きさのディスクを収納するディスクカートリッジとして構成できるものである。
【0058】
なお、ディスクカートリッジおよびカートリッジ本体2および22は、各ハーフの主板部を記録媒体ディスクの形状のほぼ半分の形状に対応した半円状部分と、記録媒体ディスクの直径を長辺として、半径を矩辺とした長方形状部分とが、それぞれのディスク直径に相当する辺部側を介して連続された形状、すなわち、丸角型形状として構成することもできる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように本発明によるディスクカートリッジは、ディスク状記録媒体を収納するカートリッジ本体を、円板状の主板部を有する表裏一対のハーフを合体して円盤状に形成し、このカートリッジ本体内にハーフに形成された所要の開口窓を開閉するシャッタを内蔵し、開口窓を内面側において開閉するように構成したことにより、記録再生装置への挿入方向の限定がなく、挿入装填時には表裏の区別さえすれば、記録再生装置の挿入口に対していかなる方向からも挿入装填できて、挿入方向表示の確認等、気を使わなくてもよいため取扱い易く、特に、視覚弱者による使用が簡便に行える。
【0060】
そして、開口窓を開閉するシャッタはカートリッジ本体内に内蔵されているため、外部から触れにくく、不用意な開閉が防止されて、収納されているディスク状記録媒体を確実に保護できて保護ケースに収容する必要がなく、また、記録再生装置内においてシャッタが引掛り取り出し不能になる等のおそれもなく、いわゆるコイル感覚で常に円滑に出し入れが行われる。
【0061】
また、カートリッジ本体は、これに収納するディスク状記録媒体と同形状で、従来の四辺形状のカートリッジ本体から余分な形態をそぎおとした形状の円盤状に形成されるため、このカートリッジ本体をなす表裏ハーフを成形する合成樹脂等の成形材料に無駄がなく、また、製造も容易で量産性に富みコストの低減化が可能になる。
【0062】
また、本発明に係るディスクカートリッジは、シャッタをカートリッジ本体内に回転可能に内蔵し、カートリッジ本体との相対的な回転により開口窓を開閉するように構成することにより、シャッタによる開口窓の開閉が一層円滑に行われる。
【0063】
さらに、本発明に係るディスクカートリッジは、カートリッジ本体内にシャッタを、カートリッジ本体側に形成されたヘッド対応の開口窓および回転駆動機構の挿入口を開閉するように回転可能に内蔵して構成することにより、カートリッジ本体内をほぼ完全に密閉状態に保持することができて、塵埃の侵入を確実に防止し、収納するディスク状記録媒体を一層確実に保護し、ディスク状記録媒体への塵埃の付着および記録媒体の傷損による記録再生特性の劣化を防止して、記録情報を安全に保存することができる。
【0064】
すなわち、本発明は、構成を複雑化することなく、製造の容易性およびシャッタの開閉の容易性を維持しつつ、カートリッジ本体内への塵埃の侵入を防止し、収納するディスク状記録媒体の保護を確実なものとし、ディスク状記録媒体における記録密度の高密度化に対応できると共に取扱いの簡便性を著しく向上させたディスクカートリッジを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディスクカートリッジの一の実施の形態におけるシャッタを開いた状態の表側より臨んだ斜視図である。
【図2】図1に示すディスクカートリッジのシャッタを閉じた状態の裏側より臨んだ斜視図である。
【図3】図1に示すディスクカートリッジの分解斜視図である。
【図4】図1に示すディスクカートリッジの表ハーフを取り除きシャッタの一部を切除した状態の平面図である。
【図5】図1に示すディスクカートリッジを記録再生装置に挿入する状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係るディスクカートリッジの他の実施の形態における表ハーフを取り除きシャッタの一部を切除した状態の平面図である。
【図7】従来のディスクカートリッジのシャッタを閉じた状態の表側より臨んだ斜視図である。
【図8】図7に示すディスクカートリッジのシャッタを開いた状態の表側より臨んだ斜視図である。
【図9】図7に示すディスクカートリッジのシャッタを開いた状態の表側より臨んだ斜視図である。
【符号の説明】
1,21‥‥ディスクカートリッジ、2,22‥‥カートリッジ本体、3‥‥表ハーフ、4,24‥‥裏ハーフ、9,26‥‥挿入口、10,12,25‥‥開口窓、13,23‥‥シャッタ、13a.13b,23a,23b‥‥閉塞板部、D‥‥記録媒体ディスク
Claims (1)
- 円板状の主板部と、この主板部の周囲側に設けられた周面部とを有する表裏一対のハーフが合体されて形成されたカートリッジ本体と、上記カートリッジ本体内に回転可能に収納されたディスク状記録媒体と、上記表裏ハーフの各主板部に形成されたヘッド対応の開口窓と、上記表裏ハーフの一方の主板部の中心部に形成された回転駆動機構の挿入口と、上記表裏ハーフの内面側中心部に形成された円環状のリブと、上記裏表ハーフの内面側であって、上記円環状のリブの外側に形成された欠除部を有する円弧状のガイドリブと、上記カートリッジ本体内に内蔵され、上記円環状のリブに回転可能に嵌挿される環状軸支部と上記開口窓を開閉する閉塞板部とを有するシャッタと、上記円弧状のガイドリブの欠除部に取り付けられたシャッタロックと、上記シャッタの閉塞板部に設けられた上記シャッタロックと係合可能なロック片部と、を備えたことを特徴とするディスクカートリッジ。
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