JP4362672B2 - ポリカルボン酸系共重合体金属塩の製造方法および粉体セメント分散剤 - Google Patents

ポリカルボン酸系共重合体金属塩の製造方法および粉体セメント分散剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメント、モルタル、コンクリート等の水硬性組成物用のポリカルボン酸系共重合体金属塩の製造方法および粉体セメント分散剤に関し、更に詳述すると、プレミックス製品に予め配合しておくことのできる、利便性が高く、優れた流動性及び流動性保持性を有する粉体セメント分散剤を与えるポリカルボン酸系共重合体金属塩の製造方法および粉体セメント分散剤に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、建築構造物への関心の高まりから、コンクリート及び左官用モルタルをはじめとする水硬性組成物に対して、高強度性、高耐久性等の高性能化が要望されるようになってきている。この場合、一般的に、コンクリート、モルタル等の水硬性材料を使用した組成物は、水セメント比(W/C比)が低い程硬化体を高強度化できるので、望ましいとされている。
【0003】
しかしながら、水セメント比(W/C比)が低いと流動性及び作業性が悪くなるため、水セメント比(W/C比)が低くても良好な流動性及び作業性を確保するために、様々なセメント分散剤が使用されている。
【0004】
最近では、低水セメント比(W/C比)であっても、優れた流動性を有するセメント分散剤として、アルキレンオキサイド鎖を有するポリカルボン酸系高分子化合物を主成分とする分散剤が提案され、注目を集めている。
【0005】
しかしながら、上記アルキレンオキサイド鎖を有するポリカルボン酸系セメント分散剤は、一般に水溶液として製造されているため、ドライコンクリートや左官用材料等のプレミックス製品に予め配合しておくことは不可能である。また、その化学的構造及び物理化学的性質から水分を除去してもワックス状、又は水飴状となり、ナフタレン系分散剤やメラミン系分散剤のようにそのままでは粉体化することは困難であるという問題点がある。
【0006】
このため、ポリカルボン酸系分散剤を粉末化する方法が種々提案されている。例えば、▲1▼ポリカルボン酸系共重合体と無機粉体とを併用し、噴霧乾燥することによる粉末状セメント分散剤が提案されている(特許第2669761号公報)。また、▲2▼ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の多価金属塩が水に対する溶解度が低下し、容易に粉末化分散剤を得ることができる方法が提案されている(特開平9−309756号公報)。更に、▲3▼水溶性ビニル共重合体と無機塩とを併用することによる粉体セメント分散剤が提案されている(特開平11−310444号公報)。
【0007】
しかしながら、これら粉末化分散剤は、分散剤の溶解に時間がかかったり、溶解せずにダマになってしまい、所望の性能が得られなかったり、プレミックス製品として、セメント等の粉体材料に配合した際に、分級してしまう等の問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、プレミックス製品に予め配合しておくことのできる、利便性が高く、優れた流動性及び流動性保持性を有する粉体セメント分散剤を与えるポリカルボン酸系共重合体金属塩の製造方法およびこの金属塩を用いた粉体セメント分散剤を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記の特定のモノマーを共重合してなる特定重量平均分子量範囲の共重合体の多価金属塩が、溶解性に影響を与えることなく容易に粉体となり得、更にこの粉体に特定の無機粉体を配合することにより、溶解時間も早く、ダマになることもなく、プレミックス製品との配合が容易で、優れたセメント分散力を有する粉体ポリカルボン酸系セメント分散剤が得られることを知見した。
【0010】
即ち、(A)下記一般式(1)で表される単量体3〜25モル%、
CH2=C(R1)COO(R2O)n3 …(1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基、R2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは5〜40の整数、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
(B)メタクリル酸及びその塩から選ばれる単量体55〜75モル%、
(C)下記一般式(2)で表される単量体5〜35モル%、
CH2=C(R4)COOR5 …(2)
〔式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1〜5の水酸基で置換されていてもよいアルキル基又は(R6O)mH(但し、R6Oは炭素数2又は3のオキシアルキレン基、mは1〜3の整数を示す。)を表す。〕
及び
(D)他の単量体0〜10モル%
を溶液重合してなる重量平均分子量が5000〜100000の範囲の共重合体におけるメタクリル酸及びその塩の50〜85%が多価金属塩である共重合体の金属塩の溶液を、噴霧乾燥して得られたポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体と、無機粉体とを含む粉体セメント分散剤が、粉体の安定性とその流動性に優れ、しかもセメント等の水硬性物質との混和性に優れ、ダマの発生もなく、工業的に大量生産可能なセメント、モルタル、コンクリート等の水硬性組成物用の粉体セメント分散剤として最適なものであることを見出し、本発明をなすに至った。
【0011】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の粉体セメント分散剤は、(A)上記一般式(1)で表される単量体と、(B)メタクリル酸及びその塩から選ばれる単量体と、(C)上記一般式(2)で表される単量体と、必要に応じて(D)他の単量体とを共重合してなる共重合体におけるメタクリル酸及びその塩の50〜85%が多価金属塩である共重合体の金属塩の溶液を、噴霧乾燥して得られたポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体と無機粉体とを含むものである。
【0012】
ここで、上記(A)成分の単量体は、下記一般式(1)で表わされるものである。
CH2=C(R1)COO(R2O)n3 …(1)
ここで、式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、例えば、−CH2CH2O−、−CH2CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、−CH2CH(CH2CH3)O−、−CH2CH2CH2CH2O−等が挙げられる。nはオキシアルキレン基の付加モル数を示し、5〜40の整数であり、好ましくは7〜35、より好ましくは9〜30である。付加モル数(n)が小さすぎると分散力が不十分となる。一方、大きすぎると高融点の固体となり、ハンドリングが困難となる。
【0013】
また、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
【0014】
この(A)成分の単量体としては、アルキレンオキサイドの付加モル数が5〜40モルのポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる
【0015】
上記(A)成分の単量体の配合量は3〜25モル%であり、好ましくは4〜20モル%、より好ましくは5〜17モル%である。(A)成分の単量体の配合量が少なすぎると十分な分散力が得られない。一方、多すぎると粉体化が困難になる。
【0016】
上記(B)成分の単量体は、メタクリル酸及びその塩から選ばれる単量体である。例えば、メタクリル酸又はメタクリル酸ナトリウム等の1価金属塩、メタクリル酸カルシウム等の2価金属塩、メタクリル酸のアンモニウム塩、メタクリル酸の有機アミン塩などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
この(B)成分の単量体の配合量は55〜75モル%である。(B)成分の単量体の配合量が少なすぎると分散剤のセメント粒子への吸着量が過少となって、分散力が不十分となる。一方、多すぎるとセメント粒子への分散剤の吸着量が過多となって、流動性保持性が不十分となる。
【0018】
また、上記(A)成分の単量体と(B)成分の単量体とのモル比(A)/(B)は、好ましくは0.05〜0.4、より好ましくは0.05〜0.3である。
【0019】
上記(C)成分の単量体は、下記一般式(2)で表わされるものである。
CH2=C(R4)COOR5 …(2)
ここで、式(2)中、R4は水素原子又はメチル基であり、R5は炭素数1〜5の水酸基により置換されていてもよいアルキル基又は(R6O)mHである。炭素数1〜5の水酸基により置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、ヒドロキシプロピル基、ブチル基などが挙げられる。
【0020】
また、(R6O)mH中R6Oは、炭素数2又は3のオキシアルキレン基を示し、例えば−CH2CH2O−、−CH2CH2CH2O−、−CH(CH3)CH2O−などが挙げられ、mはオキシアルキレン基の付加モル数を示し、1〜3の整数である。
【0021】
この(C)成分の単量体は、共重合体ポリマーの粉体化を可能にすると共に、セメント粒子に疎水吸着性を与え、更に流動性保持性を改善する働きを付与するものである。このような(C)成分の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0022】
上記(C)成分の単量体の配合量は5〜35モル%である。(C)成分の単量体の配合量が少なすぎると粉体化が困難となり、流動性保持性も不十分となる。一方、多すぎると(A)成分の単量体又は(B)成分の単量体の配合量が過少となり、好ましい性能が得られない。
【0023】
上記(D)成分の他の単量体としては、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸及びそれらのナトリウム等の1価金属塩、カルシウム等の2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
この(D)成分の単量体の配合量は0〜10モル%であり、好ましくは0〜8モル%である。
【0025】
本発明の粉体セメント分散剤を構成するポリカルボン酸系共重合体は、上記(A)〜(C)成分の単量体、必要に応じて(D)成分の単量体を共重合して得られるものである。この共重合体の製造方法は、特に限定されず、例えば重合開始剤を用いた溶液重合や塊状重合等公知の重合法を採用することができる。
【0026】
重合に使用する溶媒としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物などが挙げられるが、これらの中でも水が好ましい。
【0027】
水溶液重合を行う場合の重合開始剤としては、過硫酸の金属塩又はアンモニウム塩、過酸化水素、アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩等の水溶性重合開始剤が使用できる。また、亜硫酸水素ナトリウム等の促進剤、メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸等の連鎖移動剤を併用することもできる。
【0028】
このようにして得られる本発明の共重合体の重量平均分子量は、5000〜100000、特に20000〜80000であることが好ましい。分子量が小さすぎると十分な分散力が得られない。一方、大きすぎると凝集作用が発現して分散力が低下する。
【0029】
共重合体の塩に用いる多価金属としては、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム等が好ましいが、製造の容易さ、価格の点から特にカルシウムが好ましい。ナトリウム、カリウム等の1価金属塩は、乾燥させてもベトツキが激しく、ダマになりやすく、粉体としては扱えないものである。
【0030】
共重合体の多価金属塩の製造方法としては、特に限定されないが、重合に用いるメタクリル酸を予め多価金属塩とした後で共重合する方法、メタクリル酸又はその一部をNa塩としたものを用いた共重合体溶液を多価金属の塩又は水酸化物と反応させる方法、共重合体塩の溶液を多価金属とイオン交換する方法などがある。この場合、共重合体の多価金属塩は、メタクリル酸の少なくとも50%が多価金属塩であることが好ましく、特に50〜85%であることが好ましい。
【0031】
粉体化の方法は、特に限定されないが、共重合体多価金属塩の溶液を蒸発乾固した後粉砕する方法、共重合体多価金属塩の溶液を噴霧乾燥する方法、共重合体多価金属塩の溶液を共重合体の貧溶媒に滴下し粉末を析出、濾過、乾燥する方法などにより製造することができるが、これらの中では噴霧乾燥が好ましい。
【0032】
このようにして得られる共重合体多価金属塩の粉体の平均粒径は1.0〜5000μmであることが好ましい。
【0033】
次に、本発明の無機粉体としては、例えば炭酸カルシウム、珪酸カルシウム等の無機塩類の粉体、カオリナイト、ベントナイト、スメクタイト等の粘土鉱物粉体、二酸化珪素、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム等の微粉体などが使用できる。これらの無機粉体を配合することによって、共重合体多価金属塩の粉体の流動性を改善することができる。
【0034】
上記無機粉体と共重合体多価金属塩の粉体との配合割合は、重量比で共重合体多価金属塩の粉体/無機粉体=50〜99.9/0.1〜50であり、特に75〜99.9/0.1〜25であることが好ましい。上記配合範囲より無機粉体が少ないと共重合体多価金属塩の粉体流動性が悪くなる場合がある。一方、多すぎると分散剤の有効成分が希薄となり、その添加量が多く必要となり、経済的にも不利になる場合がある。
【0035】
本発明において、共重合体多価金属塩の粉体と無機粉体とを配合する場合、その配合方法は、特に制限されず、通常の攪拌装置を用いて行うことができる。具体的には、共重合体多価金属塩の粉体に無機粉体を加えても良いし、無機粉体に共重合体多価金属塩の粉体を加えても良い。更に、噴霧乾燥法により共重合体多価金属塩の粉体を製造する場合には、この噴霧乾燥した共重合体多価金属塩の粉体に対して乾燥塔内で無機粉体を徐々に導入していく方法などを用いることもできる。
【0036】
本発明の粉体セメント分散剤のセメントへの添加量はセメントに対して好ましくは0.01〜5.0重量%であり、特に0.02〜2.0重量%であることが好ましい。
【0037】
なお、本発明の粉体セメント分散剤は、公知のセメント混和剤(材)と併用することができる。このようなセメント混和剤としては、例えばAE剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、凝結遅延剤、早強剤、消泡剤、増粘剤、防水剤(材)、膨張剤(材)、収縮低減剤(材)、珪砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0038】
上記AE剤、消泡剤のような空気調整剤としては、例えば樹脂酸、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ノニオン系消泡剤、シリコン系消泡剤、アセチレン系消泡剤などが挙げられる。
【0039】
上記AE減水剤、高性能減水剤、流動化剤、高性能AE減水剤のようなセメント分散剤としては、例えばリグニンスルホン酸塩又はその誘導体を主成分とするもの、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸塩、無水マレイン酸系共重合体、アクリル酸系共重合体などが挙げられる。
【0040】
上記凝結遅延剤、凝結促進剤のような硬化調整剤(材)としては、例えばアルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム類、塩化カルシウム等の塩素化合物、硝酸塩、亜硝酸塩、チオ硫酸塩、チオシアン酸塩の他、セルロース系誘導体、ポリビニルアルコール、デキストリン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、クエン酸、2ケトグルタル酸等の水酸基、カルボキシル基を有する有機酸、グルコース、ソルビトール、サッカリン、ショ糖等の糖類、グルコン酸ナトリウム等のオキシカルボン酸類などが挙げられる。
【0041】
更に、本発明の粉体セメント分散剤は、水硬性のセメント類を組成とするセメント、セメントペースト、ドライモルタル、モルタル、ドライコンクリート、コンクリートなどに添加することができるものである。
【0042】
なお、本発明の粉体セメント分散剤は、高性能AE減水剤、高性能減水剤、流動化剤、スランプ回復剤、既調合モルタル用分散剤、SL(Self Leveling)剤、補修剤、止水剤、ドライコンクリート用分散剤、ソイルセメント用分散剤などに幅広く用いることができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明のポリカルボン酸系の粉体セメント分散剤によれば、プレミックス製品への利用が容易に可能となり、利便性が向上する。また、従来の粉体セメント分散剤に比べて、少添加量で優れた流動性及び流動性保持性を有するものである。即ち、本発明の特定の単量体モル比からなる共重合体の多価金属塩と無機粉体とを特定比で配合一体化することにより、粉体としての流動性を良好な状態に維持し得、ダマの発生もなく、セメント分散剤としての本来の性能も良好な粉体セメント分散剤を安定的に製造することができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0045】
〔実施例、比較例〕
表1に示したモノマー組成の共重合体を通常の水溶液重合により製造した。次いで、得られた共重合体水溶液を水酸化カルシウムでpH6〜8に中和してこの共重合体のカルシウム塩ナトリウム塩混合物水溶液を調製した。なお、B−1は水酸化カルシウムの代わりに水酸化ナトリウムを用いて共重合体を中和した共重合体のナトリウム塩水溶液である。
【0046】
【表1】
Figure 0004362672
重量平均分子量(Mw):GPC測定(ポリエチレングリコール換算)
a:メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸エステル(n=23)
b:メタクリル酸Na25モル%とメタクリル酸75モル%の混合物
c:メタクリル酸メチル
d:2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸Na塩
【0047】
次に、得られたA−1〜A−3,B−1〜B−4の共重合体金属塩水溶液を噴霧乾燥し、粉体化した。この場合、噴霧乾燥装置としてはASIZAWA−NIRO ATOMIZER社製「TYD/SD−6.3N/R」を使用し、乾燥塔からの排風温度を90〜95℃に維持しながら、濃度27重量%、液温50℃となるように調整したポリカルボン酸系共重合体金属塩の水溶液を12〜14kg/hの速度で噴霧乾燥し、粉体化した。得られた粉体の平均粒径は40〜60μmであった。
【0048】
得られたポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体に無機粉体を表2の割合で配合して実施例1〜4,比較例4の粉体セメント分散剤を製造した。なお、実施例5,比較例1〜3は無機粉体を配合していない例である
【0049】
得られた粉体セメント分散剤について、下記方法により噴霧乾燥性、粉体流動性、経時安定性及び分散性を評価した。結果を表2に示す。
噴霧乾燥性
噴霧乾燥の際、乾燥塔内への粉体の付着程度を下記基準で目視評価した。
良好:付着ほとんどなし
不良:付着大
粉体流動性
無機粉体を配合した後、粉体の流動性を下記基準で目視評価した。
良好:サラサラしている
不良:一部ダマ発生
経時安定性
粉体セメント分散剤を室温で14日間放置した後、下記基準で目視評価した。
良好:サラサラ性維持
不良:一部ダマあり
分散性(JIS R 5201準拠)
セメント900g、標準砂1350g、水315g、粉体セメント分散剤0.9gを3分間攪拌混合した後、モルタルフロー(mm)を測定した。なお、モルタルフローが200mm以上である場合、分散性が良好である。
【0050】
【表2】
Figure 0004362672
*:共重合体金属塩の粉体100重量部に対する無機粉体の配合量
無機粉体A:シリカゲル(関東化学製)、平均粒径5〜10μm
無機粉体B:炭酸カルシウム(ファイマテック製)、平均粒径1〜2μm
無機粉体C:トクシールNP(株式会社トクヤマ製)、平均粒径5〜15μm
【0051】
表2の結果から、実施例5,比較例1〜は無機粉体を配合しておらず、粉体流動性が劣るものである。また比較例は(C)成分のモノマー配合量が多すぎるため、分散性が劣るものである。中でも比較例はB−1のNa塩を使用しているため、ベトツキにより乾燥塔内への付着が激しく、生産性が非常に劣り、粉体として扱うことができなかった。
これに対して、実施例1〜4は、乾燥塔内への粉体の付着もなく容易に粉体化することができると共に、無機粉体を配合することによって粉体流動性が改善し、ハンドリング性が向上していることが確認できた。

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(1)で表される単量体3〜25モル%、
    CH2=C(R1)COO(R2O)n3 …(1)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、R2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは5〜40の整数、R3は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
    (B)メタクリル酸及びその塩から選ばれる単量体55〜75モル%、
    (C)下記一般式(2)で表される単量体5〜35モル%、
    CH2=C(R4)COOR5 …(2)
    〔式中、R4は水素原子又はメチル基、R5は炭素数1〜5の水酸基で置換されていてもよいアルキル基又は(R6O)mH(但し、R6Oは炭素数2又は3のオキシアルキレン基、mは1〜3の整数を示す。)を表す。〕
    及び
    (D)他の単量体0〜10モル%
    を溶液重合してなる重量平均分子量が5000〜100000の範囲の共重合体における前記メタクリル酸及びその塩の50〜85%が多価金属塩である共重合体の金属塩の溶液を、噴霧乾燥して粉体化することを特徴とするポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により得られたポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体。
  3. 請求項2記載のポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体と、無機粉体とを配合して得られた粉体セメント分散剤であって、
    前記無機粉体が、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、カオリナイト、ベントナイト、スメクタイト、二酸化珪素、高炉スラグ、フライアッシュ、及びシリカフュームから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記ポリカルボン酸系共重合体金属塩の粉体中の多価金属塩の粉体と前記無機粉末との配合割合が、重量比で多価金属塩の粉体/無機粉末=75〜99.9/0.1〜25である粉体セメント分散剤。
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