JP7286609B2 - 水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが40未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを11以上14以下として薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させ、
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが40以上80未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを9以上14以下として薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させ、
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが80以上の共重合体である場合、前記混合物のpHを7以上14以下として薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させる、
水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法に関する。
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが40未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを11以上14以下として乾燥させ、
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが40以上80未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを9以上14以下として乾燥させ、
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが80以上100未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを8以上14以下として乾燥させ、
前記共重合体が前記構成単位(2)のnが100以上の共重合体である場合、前記混合物のpHを7以上14以下として乾燥させる、
水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法に関する。
共重合体1は、前記式(1)で表される構成単位(1)及び前記式(2)で表される構成単位(2)を有する共重合体である。
*GPC条件
装置:GPC(HLC-8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(単分散のポリエチレングリコール:分子量87,500、250,000、145,000、46,000、24,000)
また、前記共重合体1の全構成単位中、ポリアマイドポリアミンの割合は、粉末化容易性の観点から、好ましくは、1%モル以下、より好ましくは、0.5モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下、より更に好ましくは0.05モル%以下、より更に好ましくは0.01モル%以下、より更に好ましくは実質的に含まない、すなわちより更に好ましくは実質的に0モル%、より更に好ましくは0モル%である。
本発明では、
共重合体1が前記構成単位(2)のnが40未満の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHを11以上14以下として薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させ、
共重合体1が前記構成単位(2)のnが40以上80未満の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHを9以上14以下として薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させ、
共重合体1が前記構成単位(2)のnが80以上の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHを7以上14以下として薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させる。
共重合体1が前記構成単位(2)のnが40以上80未満の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHを9以上14以下として乾燥させ、
共重合体1が前記構成単位(2)のnが80以上100未満の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHを8以上14以下として乾燥させ、
共重合体1が前記構成単位(2)のnが100以上の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHを7以上14以下として乾燥させる。
本発明の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法では、共重合体1が、前記構成単位(2)のnが80以上100未満の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHは、粉末化容易性の観点から、好ましくは9超14以下、より好ましくは9超13以下である。
本発明の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法では、共重合体1が、前記構成単位(2)のnが100以上の共重合体である場合、乾燥用混合物のpHは、粉末化容易性の観点から、8以上14以下、好ましくは9超14以下、より好ましくは9超13以下である。
乾燥用混合物が共重合体1の水溶液である場合、当該水溶液中の前記共重合体1の含有量は、共重合体1の粉末化の観点から、固形分換算で、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
ドラムドライ法は、具体的には、例えば以下のプロセスから成る。乾燥ドラムに共重合体1の水溶液などの乾燥用混合物を回転させながら均一塗布し、水分を蒸発させ薄膜シート成形体を得る。続いて、成形されたシートをスクレーパーで剥がし取り、そのシートを室温以下に冷却されたドラムに巻き取り、一定時間ドラム上で冷却することにより得られたシート成形体をより粉砕が容易なガラス質へと変化させる。得られたガラス質のシートをスクレーパーで冷却ドラムから剥がし、フェザーミル等の粉砕機へと導入・粉砕し、粉末品を得る。
また、ディスクドライ法は、具体的には、以下のプロセスから成る。ディスクに共重合体1の水溶液などの乾燥用混合物を回転させながら均一塗布し、水分を蒸発させ薄膜シート成形体を得る。続いて、成形されたシートをスクレーパーで剥がし取り、剥がし取った乾燥物を冷却することで、より粉砕が容易なガラス質へと変化させる。得られたガラス質の乾燥物をフェザーミル等の粉砕機へと導入・粉砕し、粉末品を得る。
また、本発明により製造された共重合体1を含有する粉末は、粒径1μm以上250μm以下の粒子の割合が90質量%以上、更に95質量%以上、そして、100質量%以下であってよい。この割合は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-300(株式会社堀場製作所製)を用い、エタノール(エタノール(95)、富士フイルム和光純薬株式会社製)を分散媒として超音波非照射下で測定した粒径の結果に基づいて算出されたものである。
また、本発明により製造された共重合体1を含有する粉末は、メジアン径(D50)が1μm以上、更に25μm以上、更に50μm以上、そして、90μm以下、更に80μm以下、更に70μm以下であり、粒径1μm以上250μm以下の粒子の割合が90質量%以上、更に95質量%以上、そして、100質量%以下であってよい。これらのメジアン径及び割合も前記同様の方法で測定、算出されたものである。
また、本発明により製造された水硬性組成物用粉末分散剤組成物は、粒径1μm以上250μm以下の粒子の割合が90質量%以上、更に95質量%以上、そして、100質量%以下であってよい。
また、本発明により製造された水硬性組成物用粉末分散剤組成物は、メジアン径(D50)が1μm以上、更に25μm以上、更に50μm以上、そして、90μm以下、更に80μm以下、更に70μm以下であり、粒径1μm以上250μm以下の粒子の割合が90質量%以上、更に95質量%以上、そして、100質量%以下であってよい。
本発明の粉末状水硬性組成物の製造方法には、本発明の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法、水硬性組成物用粉末分散剤組成物、及び粉末状水硬性組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
(1)分散剤用水溶液の調製
下記共重合体及び水を含有する水溶液を用意した。この水溶液は共重合体の固形分濃度が40質量%であり、pH(25℃)が3であった。そこに48%水酸化ナトリウム水溶液(関東化学株式会社製)を添加してpHを表1のように調整し、種々の分散剤用水溶液を調製した。前記水溶液及び分散剤用水溶液のpHは、25℃下において、電極式pHメーター(株式会社堀場製作所製)により測定し実施した。以下、pH測定は、他の実施例、比較例でも同様の方法に則って行った。用いた共重合体の種類なども表1中に併記した。
・共重合体A:メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール(25)モノメタクリレート=75モル/25モル(カッコ内は平均付加モル数である式(2)中のn、以下同様)、重量平均分子量=50,000、pH3(有効固形分40質量%、電極式pHメーターにより、25℃で測定、以下同様)
・共重合体B:アクリル酸/メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール(45)モノメタクリレート=35モル/35モル/30モル、重量平均分子量=40,000、pH3
・共重合体C:アクリル酸/ポリエチレングリコール(55)メタリルエーテル=80モル/20モル、重量平均分子量=35,000、pH3
・共重合体D:メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール(120)モノメタクリレート=90モル/10モル、重量平均分子量=39,000、pH3
(1)噴霧乾燥法による水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造
上記の通り調製した分散剤用水溶液を、実機型の粉末化設備で噴霧乾燥し、乾燥性の評価を行った。用いた粉末化設備は、ディスクアトマイザ、送風設備及び乾燥機を備えており、乾燥機入口温度は150℃、出口温度は80℃、外気温は20℃、ディスクアトマイザ回転数は18,000rpmであった。その後、粗大粒や異物を取り除くための1mmメッシュの篩にかけ、通過したものを水硬性組成物用粉末分散剤組成物として試験に用いた。
上記の通り調製した分散剤用水溶液を、実機型のドラム乾燥設備でシート化した。用いた粉末化設備は、乾燥ドラム及びスクレーパーを備えており、乾燥ドラム面積は6.2m2、乾燥ドラム回転数は3.1rpm、乾燥ドラム温度は130℃、外気温は30℃であった。続いて、得られたシートを実機型のドラム冷却設備で冷却し、フェザーミルにより粉砕した。上記のドラム乾燥設備からスクレーパーによって剥離されたサンプルのシートが、引き続き冷却設備に搬送されるように、冷却設備を粉末化設備の近傍に設置した。用いた冷却設備は、冷却ドラムを備えており、冷却ドラム面積は5.8m2、冷却ドラム回転数は1.5rpm、冷却ドラム温度は22℃、外気温は30℃であった。粉砕後の乾燥物は、700μmメッシュ篩により粗大粒や異物を取り除いた後、水硬性組成物用粉末分散剤組成物として試験に用いた。
上記の通り調製した分散剤用水溶液を、パイロット型のディスク乾燥設備でシート化した。用いた粉末化設備は、乾燥ディスク及びスクレーパーを備えており、乾燥ディスク面積は0.4m2、乾燥ドラム回転数は1.5rpm、乾燥ドラム温度は140℃、外気温は30℃であった。続いて、得られた乾燥物を実機型の冷却設備で冷却し、フェザーミルにより粉砕した。用いた冷却・粉砕設備は、10℃の冷風を送風する機能を有し、乾燥物の表面温度が20℃程度となるまで冷却を行いながら粉砕を実施した。粉砕後の乾燥物は、700μmメッシュ篩により粗大粒や異物を取り除いた後、水硬性組成物用粉末分散剤組成物として試験に用いた。
上記(1)、(2)又は(3)の操作により得られた水硬性組成物用粉末分散剤組成物の収率は、下記計算式に基づき計算した。結果は「収率」として表1に示した。
水硬性組成物用粉末分散剤組成物の収率(%)=〔X×100〕/〔Y×Z〕
X:水硬性組成物用粉末分散剤組成物の質量(g)
Y:製造に供した分散剤用水溶液の質量(g)
Z:製造に供した分散剤用水溶液の固形分(質量%)
上記分散剤用水溶液の固形分は、アルミニウム製カップに分散剤用水溶液を2g採取、105℃下で2時間乾固し、その質量変化をもとに下記式に基づいて算出した。
分散剤用水溶液の固形分(%)=〔乾固後の分散剤用水溶液質量(g)×100〕/乾固前の分散剤用水溶液質量(g)
なお、ドラムドライ法は同じ水分量であれば、噴霧乾燥法と同程度の乾燥性を有し、ドラムドライ法は付帯の冷却設備も有することから、ドラムドライ法で粉末化ができないということは、噴霧乾燥法では当然粉末化が不可能であると考えられる。
Claims (12)
- 下記式(1)で表される構成単位(1)及び下記式(2)で表される構成単位(2)を有する共重合体並びに水を含有する混合物を用意し、前記共重合体の構成単位(2)の平均付加モル数であるnに応じて該混合物のpHを設定し、該混合物を乾燥させて前記共重合体を含有する粉末を製造することを含む、水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法であって、
前記共重合体の全構成単位中、メタリルスルホン酸又はその塩の割合が1モル%以下であり、
前記共重合体の全構成単位中、ポリアマイドポリアミンの割合が1%モル以下であり、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが5以上40未満の共重合体である場合、当該混合物のpHを11以上14以下として乾燥に供し、薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させ、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが40以上80未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを9以上14以下として乾燥に供し、薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させ、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが80以上150以下の共重合体である場合、前記混合物のpHを7以上14以下として乾燥に供し、薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により乾燥させる、
水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
(式中、R1及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R2及びR4は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示し、pは0以上2以下の数を示し、qは0又は1の数を示し、nは平均付加モル数を示し、5以上150以下の数を示す。) - 下記式(1)で表される構成単位(1)及び下記式(2)で表される構成単位(2)を有する共重合体並びに水を含有する混合物を用意し、前記共重合体の構成単位(2)の平均付加モル数であるnに応じて該混合物のpHを設定し、該混合物を乾燥させて前記共重合体を含有する粉末を製造することを含む、水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法であって、
前記共重合体の全構成単位中、メタリルスルホン酸又はその塩の割合が1モル%以下であり、
前記共重合体の全構成単位中、ポリアマイドポリアミンの割合が1%モル以下であり、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが5以上40未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを11以上14以下として乾燥に供し、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが40以上80未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを9以上14以下として乾燥に供し、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが80以上100未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを8以上14以下として乾燥に供し、
前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが100以上150以下の共重合体である場合、前記混合物のpHを7以上14以下として乾燥に供す、
水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
(式中、R1及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、R2及びR4は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを示し、pは0以上2以下の数を示し、qは0又は1の数を示し、nは平均付加モル数を示し、5以上150以下の数を示す。) - 前記混合物の乾燥を、加熱乾燥により行う、請求項2に記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記混合物の乾燥を、薄膜乾燥法又は噴霧乾燥法により行う、請求項2又は3に記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記混合物中の前記共重合体が前記構成単位(2)の平均付加モル数であるnが80以上100未満の共重合体である場合、前記混合物のpHを9超14以下として乾燥に供す、請求項2~4の何れか1項に記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記共重合体の全構成単位中、構成単位(1)及び構成単位(2)の合計の割合が、80モル%以上である、請求項1~5の何れか1項記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記共重合体における構成単位(1)と構成単位(2)のモル比が、構成単位(1)/構成単位(2)で、1以上10以下である、請求項1~6の何れか1項記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記共重合体の混合物のpHを、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物により調整する、請求項1~7の何れか1項記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記共重合体の重量平均分子量が20,000以上70,000以下である、請求項1~8の何れか1項記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 前記式(2)中のqが1である、請求項1~9の何れか1項記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- メジアン径(D50)が1μm以上90μm以下であり、粒径1μm以上250μm以下の粒子の割合が90質量%以上100質量%以下の水硬性組成物用粉末分散剤組成物を製造する、請求項1~10の何れか1項記載の水硬性組成物用粉末分散剤組成物の製造方法。
- 請求項1~11の何れか1項に記載の製造方法により水硬性組成物用粉末分散剤組成物を製造すること、製造された水硬性組成物用粉末分散剤組成物と水硬性粉体とを混合すること、を行う、粉末状水硬性組成物の製造方法。
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