JP4361983B2 - ドリル工具及び/又はドリルハンマ工具 - Google Patents

ドリル工具及び/又はドリルハンマ工具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動装置の収容部に装着する差込み端部と、この差込み端部に隣接し、周囲に開放した少なくとも1個の螺旋状の排出溝を有するシャフト部と、このシャフト部に隣接し、前記シャフト部の直径にほぼ等しい直径を有する工具のヘッドと、このヘッドの遊端に向かって開放する窪みに1個又はそれ以上の硬質金属製の切り刃インサートを挿入し、この切り刃インサートには中心部分から半径方向に少なくとも前記ヘッドの周面まで延在する切り刃領域を設け、ヘッドの切り刃領域間にヘッドの周面に向かって開放する3個のヘッド溝を設け、これらのヘッド溝に排出溝を接続したドリル工具及び/又はたがね工具に関するものである。
本明細書において、用語「たがね工具」は、「ドリルハンマ」を意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】
上述の技術の工具は、主に岩石、コンクリート及び組積構造物に対する加工に使用する。工具の駆動のために、これらの工具に差込み端部を設け、この差込み端部を駆動装置の収容部に装着する。駆動装置としては、例えば、ドリルハンマ、コンビハンマ、及びたがねハンマがある。
【0003】
工具の差込み端部のドリル方向にシャフト部を隣接させ、このシャフト部には挽く1個の周面に開放する螺旋状の排出溝を設ける。これらの螺旋状の排出溝はシャフト部に隣接する工具ヘッドから切り出した穿孔屑を搬出する作用を行う。この目的のため、工具ヘッドには1個又はそれ以上の硬質金属製の切り刃インサートを設け、この切り刃インサートは工具ヘッドの遊端から僅かに突出させ、また工具ヘッドの遊端に設けた窪みに挿入する。
【0004】
特に、硬質金属を星形に配列した切り刃領域を配置し、これらの切り刃領域を中心の中心部分からほぼ等間隔の3方向に半径方向に少なくともヘッドの周面まで延在させると好適であることが分かっている。この硬質金属製の切り刃インサートの配置は、ドリル作業において形成する孔の精度を向上させる上で、また駆動技術における静粛性並びに振動低減にとって利点がある。
【0005】
上述の従来技術の工具の硬質金属製の切り刃インサートの切り刃領域間には、ヘッド軸線に平行にヘッドの周面に開放しているヘッド溝を設けている。これらのヘッド溝は切り出された穿孔屑を排出溝に送り込むため重要である。ヘッド溝と排出溝との間の必須の接続を考慮して、従来の工具は互いに等しい数のヘッド溝及び排出溝を設け、例えば、3個のヘッド溝を有する工具には3個の排出溝を設けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、3個の排出溝を形成するには目的に適う製造方法が限定される。切削加工と並んで変形加工、場合によってはロール転造加工が目的に適う。双方の加工方法はそれ自体経済的であるという点で利用されている。しかし、装置に係わるコストの経済性を一層向上させることはできず、元々すべての人が制御するのは困難である。
【0007】
従って、本発明の目的は、上述の硬質金属製の切り刃インサートの有利な配置を有するとともに、制御が簡単な変形加工を適用して低コストで製造することができるドリル工具及び/又はたがね工具を得るにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明ドリル工具及び/又はドリルハンマ工具は、2個の排出溝を設けたことを特徴とする。
【0009】
多くても2個の排出溝をこのような工具に形成するのは簡単な製造方法を適用することができる。例えば、切削加工の他にねじり転造による変形加工も適用することができる。この製造技術は、ロール転造による製造よりも制御の上で有利であり、製造機械に関するコストを低減することができる。
【0010】
特に、2個の排出溝を製造するのは、製造上のみならずインサートの組み付けの面からも有利である。未加工素材を枠内に対称的に配置し、制御が容易な変形力を加えるだけで製造することができる。この工具を適用することにより2個の排出溝は問題なくしかも妨げられることなく穿孔屑を排除することができる。
【0011】
排出溝をヘッド溝に接続するには種々の方法が考えられる。その一つとしては特に、2個の排出溝を2個のヘッド溝に接続する実施例が考えられる。これによれば穿孔屑の排出を確実に行うよう有利に作用する。このような実施例は製造及び作業が確実になるという利点のみならず、ヘッドの特別な形状にも適合させることができる。更に、安定感のある視覚的印象、効率的のよさ、信頼性の高さを作業員に印象付けることができることのみならず、工具を安価に製造することができる。
【0012】
穿孔屑の搬送に有利に作用する上でヘッドの形状もヘッド溝に関与する。好適な実施例においては、1個のヘッド溝に双方の排出溝を接続すると好適である。この構成によれば、双方の排出溝を横切る或る程度の長さを有するヘッド溝を設けることができる。
【0013】
排出溝に等しい変形力をくわえることによって変形加工の制御を容易にする上では、排出溝を等しい横断面形状にすると好適である。
【0014】
本発明の他の好適な実施例においては、排出溝を異なる横断面形状にする。この構成によれば、2個のヘッド溝に接続した一方の排出溝の横断面を他方よりも大きくし、2個のヘッド溝から切り出される穿孔屑が妨げられることなく搬出できる。
【0015】
ドリル工具による作業を危険なく静粛に駆動できるようにするためには、横断面形状が互いに等しい3個のヘッド溝を設けると好適である。
【0016】
上述のように、ヘッドの遊端に窪みを設け、この窪みに1個又はそれ以上の硬質金属インサートを配置する。この窪みは種々の形状に形成することができ、好適には、穿孔方向側のヘッド端面に直径にわたり貫通させて形成する。例えば、この窪みは星形形状のスリットとして設けることができる。この窪みに複数個の硬質金属インサートを配置することもできるが、一体構成の硬質金属インサートも適用することができる。窪みの構成に対応してこのような一体構成の硬質金属インサートを星形形状に形成することができる。使用にあたり、複数個の硬質金属インサートは4個の部分を設け、即ち、半径方向に星形に延びる3個の切刃領域並びに1個の中間に位置する中心部分とにより構成する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面につき本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0018】
図1及び図2に示す工具は、例えば、差込み端部1、シャフト部2、並びにヘッド3より構成したドリル工具とする。
【0019】
差込み端部1は図示しない駆動装置の収容部に挿入するためのものであり、この収容部に連結するための連結手段を有する。このような連結手段は、軸線方向の両側の端部が閉じた錠止溝4及び軸線方向の一方の端部が開いた回転伝達溝5とにより構成する。
【0020】
シャフト部2に2個の排出溝6,7を設ける。これらの排出溝6,7は同一の範囲にわたり周面に開放した形状にし、図示の実施例では同一の横断面形状のものとする。
【0021】
ヘッド3には窪み8を設け、この窪み8は遊端に向かって開放する。この窪み8は、図2に示すように、図示の実施例では装着可能な硬質金属製のインサート9を配置し、このインサート9は中心部分9bから3方向に半径方向にヘッド3の周方向まで延びる切り刃領域9aを設ける。硬質金属の切り刃インサート9の半径方向に延びる切り刃領域9a間にはヘッド溝10,11,12を設ける。これらヘッド溝は軸線方向に平行に延在させ、ヘッド3の周りに開口させる。図示の実施例では、ヘッド溝10,12を排出溝6に接続し、ヘッド溝11を排出溝7に接続する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による工具の側面図である。
【図2】 図1の工具のドリルヘッドの端面図である。
【符号の説明】
1 差込み端部1
2 シャフト部
3 ヘッド
4 錠止溝
5 回転伝達溝
6,7 排出溝
8 窪み
9 切り刃インサート
10,11,12 ヘッド溝

Claims (6)

  1. 駆動装置の収容部に装着する差込み端部(1)と、この差込み端部(1)に隣接し、周囲に開放した少なくとも1個の螺旋状の排出溝(6,7)を有するシャフト部(2)と、このシャフト部(2)に隣接し、前記シャフト部(2)の直径にほぼ等しい直径を有する工具のヘッド(3)と、このヘッド(3)の遊端に向かって開放する窪み(8)に1個又はそれ以上の硬質金属製の切り刃インサート(9)を挿入し、この切り刃インサートには中心部分(9b)から半径方向に少なくとも前記ヘッド(3)の周面まで延在する切り刃領域(9a)を設け、ヘッド(3)の切り刃領域(9a)間にヘッド(3)の周面に向かって開放する3個のヘッド溝(10,11,12)を設け、これらのヘッド溝に排出溝(6,7)を接続したドリル工具及び/又はドリルハンマ工具において、2個の排出溝(6,7)を設けたことを特徴とするドリル工具及び/又はドリルハンマ工具。
  2. 2個の排出溝における一方の排出溝(6)に2個の前記ヘッド溝(10,12)を接続した請求項記載のドリル工具及び/又はドリルハンマ工具。
  3. 前記ヘッド溝(10,11,12)のうちの少なくとも1個を2個の排出溝(6,7)の双方に接続した請求項又は記載のドリル工具及び/又はドリルハンマ工具。
  4. 排出溝(6,7)の横断面形状を等しいものとした請求項乃至のうちのいずれか一項に記載のドリル工具及び/又はドリルハンマ工具。
  5. 排出溝(6,7)の横断面形状を異なるものにした請求項乃至のうちのいずれか一項に記載のドリル工具及び/又はドリルハンマ工具。
  6. 3個のヘッド溝(10,11,12)をほぼ等しい横断面形状にした請求項1乃至のうちのいずれか一項に記載のドリル工具及び/又はドリルハンマ工具。
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