JP4361786B2 - 操作されたジスルフィド結合を有する安定化蛋白質 - Google Patents

操作されたジスルフィド結合を有する安定化蛋白質 Download PDF

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Description

本発明は、米国政府によって提供された資金援助を受けて行われた。政府は米国国立衛生研究所の助成金第R01HL21544号、第R37HL52246号、第T32HL07695号、および第P01GM48495号の助成金に拠って、本発明に一定の権利を保有する可能性がある。
発明の分野
本発明は、ポリペプチドの異なるドメイン間に少なくとも一つの結合、好ましくはジスルフィド結合を形成することによって、ポリペプチドの安定化を可能にする一つまたは複数のシステイン残基を、ポリペプチドに導入する方法に関する。本発明はまた、そのような導入されたシステイン残基(複数)を含むポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードする核酸、およびそのようなポリペプチドまたは核酸を含む薬学的組成物にも関する。本発明はまた、そのような核酸を含むベクター、ウイルス粒子、および宿主細胞、ならびに本発明のポリペプチドを産生するためにそれらを用いる方法にも関する。
発明の背景
単一の遺伝子の発現産物である多くのポリペプチドが知られている。これらのポリペプチドの多くは、当初単一のポリペプチド鎖として合成されるが、独立して折りたたまれる多数のドメインを含み、これらはインビボで切断産物の解離によりドメインの分離が起こる可能性がある、蛋白質分解(または蛋白質分解による切断(複数))を受けやすい。ドメインの分離に至る蛋白質分解は、これらの多様な蛋白質の安定性および/または酵素的もしくは機能的活性を変化させることが知られている。これらの蛋白質の例には、血液凝固に関係する蛋白質のような血漿蛋白質が含まれる。
当技術分野で既知であるように、血液凝固は、病変部位での損傷血管壁に血小板が付着した場合に始まる。その後、酵素的に調節された反応のカスケードにおいて、可溶性のフィブリノーゲン分子が、酵素トロンビンによって不溶性のフィブリン鎖に変換され、これは血栓において共に血小板を保持する。カスケードにおけるそれぞれの段階において、プロテアーゼ前駆体は、そのシリーズの次の蛋白質前駆体を切断するプロテアーゼに変換される。ほとんどの段階において共因子が必要である。その活性型において、蛋白質第VIII因子は、プロテアーゼ(活性化第IX因子)による第X因子の活性化にとって必要である共因子である。
第VIII因子は、トロンビンまたは第Xa因子によって蛋白質分解的に第VIIIa因子に活性化されうる(「a」は活性化を示す)。カルシウムおよびリン脂質と組み合わせると、第VIIIa因子は、まだ完全にわかっていない機構によって、第IXa因子をより効率的な第X因子活性化剤にする。
第VIII因子による処置を受けていない第VIII因子を欠損する人々または第VIII因子に対する抗体を有する人々は、制御されない内出血を有し、これは関節の炎症反応から早期死亡までの多様な重篤な症状を引き起こす可能性がある。米国においてその数が約10,000人に上る重度の血友病患者は、第VIII因子の注入によって処置することができ、これは、十分な回数および濃度で投与すれば、血液の正常な凝固能を回復するであろう。
様々な程度の純度のヒト血漿由来第VIII因子または組み換え型第VIII因子のいくつかの調製物が、血友病Aの処置のために販売されている。これらには、ウイルスのために熱および洗浄剤処理されているものの、有意なレベルの抗原性蛋白質を含む、多くのドナーのプールされた血液に由来する部分精製第VIII因子;抗原性不純物レベルおよびウイルス混入レベルがより低い、モノクローナル抗体精製第VIII因子;および組み換え型ヒト第VIII因子が含まれる。
血友病患者は、関節への再発性の出血が起こった何年も後に起こる変形性血友病関節障害を予防するために、第VIII因子を毎日補充する必要がある。しかし、第VIII因子濃縮物の補充は、商業的製造および治療的使用に問題があることから、血友病患者を適切に処置するために十分に豊富ではない。例えば、一般的に用いられる血漿由来第VIII因子は、単離および精製が難しく、免疫原性があり、AIDSおよび肝炎ウイルスの感染の危険性を除去するための処置を必要とする。ブタ第VIII因子も同様に代用品となる可能性があるが、ブタ第VIII因子の限界は、1回または複数回注入した後に、これに対する阻害抗体が産生されることである。
活性化第VIII因子(FVIIIa)は、A2ドメインが複合体の残りから解離する傾向があるために、生理的条件では熱力学的に不安定である。言い換えれば、活性化FVIIIは、自然と不活性になる。FVIIIまたはFVIIIaの薬理的調製物においてこの解離を防止することができれば、より回数が少なくかつ/またはより濃度の低い投与が実現できるであろう。これによって費用の節減、使用医療人員の減少、および血友病患者のライフスタイルの改善のような多くの利益が得られうる。
第VIII因子以外のもう一つの血漿蛋白質は、プロトロンビンである。凝固カスケードの一部として、プロトロンビンは、プロトロンビナーゼ複合体(FXa、FVa、およびCa2+)の作用によってトロンビンに変換される。ヒトのプロトロンビンにおいて、この変換は、F2ドメインとトロンビンA鎖のあいだのArg271およびArg284、ならびにA鎖とB鎖のあいだのArg320(ヒトの番号付け)での切断を含む。インビボで、プロトロンビナーゼは最初にArg320でプロトロンビンを切断して、メイゾトロンビンを産生する、遊離のメイゾトロンビンは不安定な中間体であり、Arg155−Ser156結合での自己分解によって迅速にF1ドメインが除去され、メイゾトロンビン(des F1)を産生し、これは、Arg271およびArg284での切断によって徐々にトロンビンに変換する。トロンボモジュリンおよびホスファチジルセリン/ホスファチジルコリンリン脂質小胞(PCPS)の存在下では、メイゾトロンビンおよびメイゾトロンビン(des F1)は、トロンビンよりC蛋白質のよい活性化物質である(41、42)。
さらなる血漿蛋白質は第V因子である。ヒト血液凝固第V因子(FV)は、分子量330,000の蛋白質であり、これはA1−A2−B−A3−C1−C2(4)の順に三つのタイプのドメイン6個からなる。FVはトロンビンによって切断されて、Bドメインのほとんどが除去され、活性化FV(FVa)を生じる。ヒトFVaは、重鎖(A1−A2、残基1〜709位)および軽鎖(A3−C1−C2、残基1546〜2196位)からなり、これらは非共有結合複合体(5)を形成する。FVaは、プロトロンビナーゼ複合体における第Xa因子(FXa)の非酵素的共因子であり、これは陰性荷電リン脂質の存在下でプロトロンビンをトロンビンに変換する(6)。FVaの不活化は、Arg506、Arg306、およびArg679でFVaのAPC(活性化C蛋白質)切断を伴う複雑なプロセスである。Arg506での切断は、Arg306での切断より速く、これはFVaをごく部分的に不活化するに過ぎないが、Arg306での切断はFVaを完全に不活化して、A2ドメイン断片の解離を引き起こす(7〜10)。完全に不活性なFVaは、FXaとの結合能を喪失している(11)。
なおもう一つの血漿蛋白質は第XII因子である。ヒトFXIIは、分子量76,000およびアミノ酸596個を有する一本鎖蛋白質である。これは、N-末端からC-末端の順にフィブロネクチンII型ドメイン、EGFドメイン、フィブロネクチンI型ドメイン、EGFドメイン、クリングルドメイン、トリプシン様セリンプロテアーゼドメインを含む。活性化第XII因子(FXIIa)には少なくとも二つの型が存在する。αFXIIaは、Arg353の後での結合の切断によって形成され、ジスルフィド結合によって互いに結合した重鎖(353残基)および軽鎖(243残基)からなる二本鎖分子を生成する。さらなる切断によってFXIIa(FXIIa断片)が起こる。これは、Arg334およびArg343での切断の結果であり、互いにジスルフィド結合によって結合した二つのポリペプチド鎖(9残基および243残基)が得られる(43、44)。N-末端重鎖断片の大部分はこれ以上会合しない。陰性表面/膜結合は、この重鎖によって媒介され、そのため得られたFXIIa断片はもはや表面に結合しないがなおも触媒的に活性である。
蛋白質HGFA(肝細胞増殖因子活性化剤)は、FXIIと同じドメイン構造を有し(45)、同様に蛋白質分解による切断、この場合はFXIIにおけるArg353と相同なArg407でのトロンビンによる1回の切断によっても活性化される(46)。しかし、Arg372でのカリクレインによるさらなる切断によってもN-末端重鎖の放出が起こり、これはFXIIと同様に表面結合に関係する(47)。当技術分野で既知であるように、HGFAは、損傷組織内で肝細胞増殖因子(HGF)を活性化し、損傷組織においてHGFは、多様な細胞タイプへの分裂活性によって組織修復において何らかの役割を有する。
もう一つのFXII様ポリペプチドは、二つの名称で知られる:PHBP(血漿ヒアルロニン結合蛋白質)(48)およびFVII活性化プロテアーゼ(49)。PHBPは、セリンプロテアーゼであり、HGFAと相同であるが、ドメイン構造は正確には同じではない(49、50)。この蛋白質は、実験系においてFVII、uPA、およびtPAを活性化するが、生理的役割は確立されていない(49、50)。
発明の概要
本発明の態様に従って、二つまたはそれ以上のポリペプチドドメイン間に、ジスルフィド結合のような結合が形成されるように、一つまたは複数のセリン残基をポリペプチドに操作してもよい。そのようなジスルフィド結合(複数)によって、ポリペプチド安定化のような結果を得ることができる。そのような安定化によって、解離されないポリペプチドの所望の活性の持続的な保持、または解離したポリペプチドの望ましくない活性の回避が得られうる。
本発明において有用な好ましいポリペプチドは、一般的に一つの遺伝子の発現産物として、本質的に一本鎖ポリペプチド鎖として合成され、そして解離によりドメインの分離が起こる可能性がある限定的な蛋白質分解を受けやすい独立して折りたたまれる多数のドメインを含むポリペプチドである。そのようなポリペプチドの例には、肝細胞増殖因子活性化剤および血漿ヒアルロニン結合蛋白質を含む血漿蛋白質のみならず、第VIII因子、第V因子、第XII因子、およびプロトロンビンのような血液凝固因子が含まれる。
本発明の変異体ポリペプチド(すなわち、一つまたは複数のシステインが導入されているポリペプチド)には、連結しているドメインが単一の核酸配列(例えば、単一の遺伝子、cDNA、または合成もしくは半合成コード配列)から合成されているポリペプチドのみならず、連結するドメインが異なる(または別の)核酸配列から(例えば、配列が連続した核酸分子上に存在しても存在しなくてもよい、結合したドメインのそれぞれを含むポリペプチドをコードする配列から)合成されるポリペプチドが含まれる。後者の場合、ドメインは、インビボまたはインビトロのいずれかで合成後に結合してもよい。
本発明の好ましい変異体ポリペプチドは、対応する非変異ポリペプチドと比較してより長期間、安定性が増加し、かつ/または所望の酵素的もしくは機能的活性を保持するポリペプチドである。
本発明の一つの局面は、以下の段階を含む、一つまたは複数のシステインを導入することによって、本質的に単一の遺伝子の産物であるポリペプチドを安定化させる方法に関する:(a)ポリペプチドの三次元構造を得るまたは作製する段階;(b)三次元構造に基づいて一つまたは複数のシステインを導入するための一つまたは複数の部位を予測する段階;および(c)予測された一つまたは複数の部位に、一つまたは複数のシステインを導入することによって、ポリペプチドの一つまたは複数の変種を作製する段階であって;一つまたは複数のシステインの導入によって、該導入された一つまたは複数のシステインを含まないポリペプチドの安定性と比較して、変異体ポリペプチドの安定性を増加させる、少なくとも一つの分子内ドメイン間ジスルフィド架橋が形成される段階。
本発明のもう一つの局面は、少なくとも一つのシステインを導入することによって変異している、本質的に単一の遺伝子の産物であるポリペプチドであって、システインの導入により、該導入されたシステインを含まないポリペプチドの安定性と比較して、変異体ポリペプチドの安定性を増加させる、もう一つのシステインと少なくとも一つの分子内ドメイン間ジスルフィド架橋が形成されるポリペプチドに関する。
本発明のもう一つの局面は、本発明のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を含む、本発明のポリペプチドを含む組成物に関する。
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードする核酸を含むベクターを含む、本発明のポリペプチドをコードする核酸にも関する。本発明はまた、そのような核酸および/またはベクターを含むウイルス粒子にも関する。本発明はまた、そのような核酸、ベクター、およびウイルス粒子を含む宿主細胞にも関する。本発明はまた、本発明の核酸、ベクター、ウイルス粒子、および/または宿主細胞を含む組成物(薬学的組成物を含む)にも関する。
本発明はまた、個体を、本発明のポリペプチド、核酸、ベクター、ウイルス粒子、または宿主細胞、および/またはその薬学的組成物によって処置する方法にも関する。
発明の詳細な説明
上記の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも例を示して説明する目的に限られ、主張される本発明を制限すると理解されない。本明細書に組み入れられ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の態様を説明し、説明と共に、本発明の原理を説明するために役立つ。
一般的技法
本発明の態様に従って、二つまたはそれ以上のポリペプチドドメインのあいだにジスルフィド結合を形成させる一つまたは複数のシステイン残基を、単一の遺伝子のポリペプチド産物のようなポリペプチドに操作してもよい。そのようなシステイン(複数)を配置すると、結果的にジスルフィド結合が配置され、ポリペプチド安定化のような結果を得ることができる。いくつかの態様において、本発明はまた、二つの異なるポリペプチド間のポリペプチドの単一のドメイン内にジスルフィド結合を留置するために用いてもよいことが認められる。
第一段階として、関係するポリペプチドの構造を得るか、または作製する。これは、x-線結晶構造、NMR-由来構造、相同性モデリングに基づく三次元構造、中性子回折等であってもよい。
次に、システインの配置によってジスルフィド架橋を導入するための部位を予測するアルゴリズムを、関係するポリペプチドの構造に適用してもよい。これは、例えば、Sowdhamini(19)のアルゴリズムを用いるコンピュータープログラムMODIPを用いることによって行ってもよい。MODIPは、ジスルフィド架橋の導入部位を予測して、それぞれの予測に関する等級(A、B、C)を提供する。等級Aの部位は、ジスルフィド結合架橋を確立するために最適であると予想される部位であり、等級Bおよび等級C部位は、次第に理想から離れる。言い方を変えると、等級Aのジスルフィド架橋は、規定の立体化学的基準を満足するが、等級Cのジスルフィド結合が満たす立体化学的基準はより少ない。Pabo(18)またはHazes(56)のような他のアルゴリズムおよび/またはコンピュータープログラムを用いてもよいことが特に示される。他の態様において、ジスルフィド架橋を確立するために、システインの導入に関する予測は目視検査によるような他の方法によって行ってもよい。
予想される部位のうち、さらなる試験にとって最も理想的な多くの部位を選択してもよい。
選択した部位の目視検査は、コンピューターグラフィックス分析を用いて行ってもよい。この目視検査に基づいて、特定の部位をさらなる検討から排除してもよい。目視検査の後に検討に残っている選択部位のそれぞれに関して、選択部位でのジスルフィド結合を含む改変された構造モデルを作製してもよい。これは、Xfitコンピュータープログラム、例えばCharm22全原子力場を用いるX-PLORコンピュータープログラムのようなコンピュータープログラムを用いて行ってもよい。
精製後、モデルとしたジスルフィド結合を最適なジスルフィド幾何学に関して分析してもよい。ジスルフィド結合の形成に関して最適な幾何学を有する、そして最低のファンデルワールス気相エネルギーを有する部位を、一つまたは複数のジスルフィド結合を形成させる一つまたは複数のシステイン残基を導入する試みのために選択してもよい。システイン残基は、当技術分野で周知の技術、例えば関係するポリペプチドをコードする核酸の定方向変異誘発のような組み換え技法を用いて、ポリペプチドに導入してもよい。本発明のポリペプチドをコードする核酸はまた、合成または半合成法によって作製してもよい。例えば、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、重なり合う合成デオキシオリゴヌクレオチド(例えば、Edgeら、Nature 292:756(1981);Nambairら、Science 223:1299(1984);Jayら、J. Biol. Chem. 259:6311(1984)を参照されたい)、またはポリメラーゼ連鎖反応生成DNAまたはcDNAと合成オリゴヌクレオチドとの組み合わせを用いて合成することができる。本発明の核酸は、本発明のポリペプチドをコードする配列に機能的に結合した適当なプロモーター領域と、適当なターミネーターシグナルとを含む発現ベクターに存在しうる、または挿入することができる。その後、当技術分野で既知のベクターの精製、およびトランスフェクション技法を行ってもよい。次に、当技術分野で既知の方法を用いて、安定なクローンを選択して回収してもよい。次に、関係するポリペプチドにおけるジスルフィド結合(複数)の適切な配置およびその収率を確認するために、産生されたポリペプチドを活性およびイムノブロットによって定量してもよい。
本発明のポリペプチドをコードする核酸は、本来の宿主細胞もしくは生物または異なる細胞もしくは生物において発現されうる。核酸は、プラスミド、コスミド、ファージ、ウイルス、またはミニ染色体のようなベクターに導入することができ、当技術分野で周知の方法によって宿主細胞または生物に挿入することができる。一般的に、核酸またはこれらの核酸を含むベクターは、哺乳類細胞(例えば、ヒト(例えば、K293、HeLa)、サル(例えば、COS)、ウサギ(例えば、ウサギ網状赤血球)、ラット、ハムスター(例えば、CHOおよびベビーハムスター腎細胞)、またはマウス細胞(例えば、L細胞))、植物細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または細菌細胞(例えば、大腸菌)を含む任意の細胞、真核細胞または原核細胞において利用することができる。ポリペプチドをコードするこれらの核酸をクローニングおよび/または発現するために利用することができるベクターは、核酸が複製および/または発現されることが望ましい宿主細胞において核酸を複製および/または発現することができるベクターである。例えば、様々なタイプの宿主細胞に関する適当なベクターの例に関しては、F. Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、グリーンパブリッシングアソシエーツ&ウィリーインターサイエンス(1992)およびSambrookら、(1989)を参照されたい。そのような遺伝子の本来のプロモーターは、本発明のポリペプチドをコードする核酸が挿入される宿主に適合する、強いプロモーターに置換することができる。これらのプロモーターは誘導型であってもよい。これらの核酸を含む宿主細胞を用いて、酵素調製物、薬剤、診断試薬、および治療物質において有用な本発明のポリペプチドの大量を発現させることができる。本発明のポリペプチドはまた、当技術分野で既知の方法を用いてトランスジェニック植物または動物において作製してもよい。
本発明のポリペプチドを本来コードする遺伝子が阻害/不安定領域を含む場合(例えば、国際公開公報第93/20212号を参照されたい)、あまり好ましくないコドンをより好ましいコドンに変更してもよい。しかし、望ましければ(例えば、ATに富む領域をよりGC-に富む領域にするために)、より好ましいコドンをより好ましくないコドンに変更することができる。選択的に、最もまれに用いられるコドン(T. Maruyamaら、Nucl. Acids. Res. 14(補則):r151〜197(1986))のみを好ましいコドンに置換してもよく、またはまれなコドンのほとんどもしくは全てを好ましいコドンに置換することができる。一般的に、用いるために好ましいコドンの選択は、変化した遺伝子が発現される宿主細胞のコドンの使用に依存するであろう。しかし、より好ましいコドンをより好ましくないコドンに置換しても機能的であることに注意すること。
先に記述したように、コード配列は、遺伝子コードに基づいて選択し、好ましくは、本発明のポリペプチドをコードする核酸を発現すべき宿主細胞または生物における好ましいコード使用に基づいて選択される。多くの場合において、特定の宿主または発現系の好ましいコード使用は、利用可能な参考文献から確認することができ(例えば、コドン1000個あたり遺伝子にコドンが出現する回数がコドンの次の括弧内に記載されているT. Maruyamaら、Nucl. Acids. Res. 14(補則):r151〜197(1986)を参照されたい)、または他の方法によって確認することができる(例えば、1992年1月21日にG.W. Hatfieldに公布された「Codon Pair Utilization」と題する米国特許第5,082,767号を参照されたい)。好ましくは、配列は、産生されるポリペプチドの量を最終的に増加させるために、mRNAの安定性と共に、転写および翻訳を最適にするように選択されるであろう。コドンの選択はこのように、例えば、宿主細胞によるコドンの好ましい使用および/または所望の制限エンドヌクレアーゼ部位を提供する必要性によって誘導され、同様に、コードされるmRNA転写物における潜在的な二次構造の拘束を回避する要求によって誘導されうる。潜在的な二次構造の拘束は、Zuckerら、Nucl. Acids. Res. 9:133(1981)に記述されるようなコンピュータープログラムを用いることによって同定することができる。選択された宿主細胞もしくは生物におけるコドン選択性が不明であるか、または最適なコドン使用が曖昧な場合は、一つより多いコード配列を選択してもよい。しかし、最適より低い効率で翻訳されても、任意の正しい組のコドンは、所望の蛋白質をコードするであろう。Seedらの米国特許第6,114,148号の実施例IIIは、合成第VIII遺伝子(B-ドメイン欠失第VIII因子をコードする)について記述しているが、これはコードされる第VIII因子ポリペプチドの発現を増加させるようにコード使用が変化している。
同様に、阻害/不安定配列は、コードされるアミノ酸が一つまたは複数の保存的または非保存的アミノ酸を含むように変化しているが、なおも機能的に同等の蛋白質を提供するように変異させることができると予想される。例えば、配列内の一つまたは複数のアミノ酸残基を、機能的同等物として作用する類似の極性のもう一つのアミノ酸に置換することができ、それによってアミノ酸配列の中性置換が得られる。配列内のアミノ酸置換は、アミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択してもよい。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンが含まれる。極性中性アミノ酸には、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが含まれる。陽性荷電(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リジン、およびヒスチジンが含まれる。陰性荷電(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸およびグルタミン酸が含まれる。
本発明の方法によって変化した遺伝子の核酸または該核酸を含む構築物も同様に、インビボまたはインビトロ遺伝子置換のために用いてもよい。例えば、導入システイン残基(複数)を有しないポリペプチドを産生する核酸を、インサイチューで本発明の方法によって改変されている核酸に、インサイチューで置換して、当初コードされるポリペプチドと比較して最終的に安定性が増加したポリペプチドを産生することができる。そのような遺伝子置換は、例えば、遺伝子治療を開発するために有用となる可能性がある。
ベクターには、レトロウイルスベクターが含まれ、同様に、例えばWolffら、Science 247:1465〜1468(1990)、Wolffら、Human Molecular Genetics 1(6):363〜369(1992)およびUlmerら、Science 259:1745〜1749(1993)に記載される技術を用いて、本発明のポリペプチドの効率的な発現が得られる、筋細胞または他の受容細胞へのDNAの直接注射が含まれる。同様に、例えば、国際公開公報96/36366号および国際公開公報第98/34640号も参照されたい。
本発明のポリペプチド、核酸、ベクター、ベクター粒子、および/または宿主細胞は、当技術分野で既知の方法によって単離および精製することができ、下記にさらに記述するように薬学的組成物および/または治療において用いることができる。
薬学的組成物
本発明の薬学的組成物は、本発明の少なくとも一つのポリペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸の薬学的および/または治療的有効量を含む。本発明の一つの態様において、単位用量あたりのポリペプチドの有効量は、対応する天然のポリペプチドにおける欠損、または予想される欠損の作用を予防、処置、またはその作用から保護するために十分な量である。単位用量あたりのポリペプチドの有効量は、とりわけ、当技術分野で周知であるように、処置すべき哺乳類の種、哺乳類の体重、および選択される接種レジメに依存する。
好ましくは、ペプチドの接種経路は、皮下または静脈内であると考えられる。用量は少なくとも1回投与される。
「単位用量」という用語は、それぞれの単位が、任意の添付の希釈剤と関連して所望の作用を生じるように計算された活性材料(例えば、ポリペプチドまたは核酸)の規定量を含む、哺乳類の単位用量として適した物理的に個別の単位を意味する。
本発明のポリペプチドまたは核酸は、一般的に、生理的に許容される担体またはその溶媒と共に投与される。生理的に許容される担体は、投与の際に有害な身体反応を引き起こさない担体であり、その中でポリペプチドまたは核酸が十分に可溶性であって、化合物の治療的有効量の輸送能を保持する担体である。本発明のポリペプチドまたは核酸の治療的有効量および投与方法は、個々の患者、処置される適応(indication)、および当業者に明らかな他の基準に基づいて変更してもよい。本発明のポリペプチドまたは核酸の治療的有効量は、有意な有害な副作用を引き起こすことなく、機能障害を減弱させるために十分である量である。特定の適応において有用な投与経路(複数)は、当業者に明らかである。
本発明のポリペプチドまたは核酸の投与経路には、罹患部位への非経口、または直接注射が含まれるがこれらに限定されない。非経口投与経路には、静脈内、筋肉内、腹腔内、および皮下が含まれるがこれらに限定されない。本発明のポリペプチドの投与経路は典型的に非経口である。
本発明には、薬学的に許容される滅菌等張溶液を含むがこれらに限定されない非経口投与のために適した上記のポリペプチドおよび核酸の組成物が含まれる。そのような溶液には、関節または他の領域への鼻腔内、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、または直接注射のための生理食塩液およびリン酸緩衝生理食塩液が含まれるがこれらに限定されない。
本発明のポリペプチドまたは核酸の持続的な輸送系も同様に用いてもよい。例えば、生体分解性のミクロスフェアのポリマーマトリクス中にポリペプチドを含むことに基づく輸送系も同様に用いてもよい(57)。そのようなポリマーマトリクスの一つには、ポリ(ラクチド-コグリコリド)ポリマー(PLG)が含まれる。PLGは生体適合性であり、静脈内または経口内投与することができる。ミクロスフェアを体内に注射すると、封入されたポリペプチドが、粒子の水和および薬物溶解を含む複雑なプロセスによって放出される。放出期間は、用いられるPLGポリマーのタイプおよび改変賦形剤の放出によって主に支配される(44)。
本発明のポリペプチドおよび核酸は、対応する天然のポリペプチドにおける欠損または予想される欠損の有害な影響の重症度、程度、または期間を予防、または減弱するために十分な量でレシピエント被験者に提供されることが意図される。
本発明のポリペプチドおよび核酸組成物を含む物質の投与は、「予防」または「治療」目的のいずれかであってもよい。予防的に提供する場合、物質は、何らかの症状が起こる前に提供される。物質の予防的投与は、対応する天然のポリペプチドにおける欠損または予想される欠損の、任意のその後の有害な作用を予防または改善するために役立つ。治療的に提供される場合、物質は、欠損または予想される欠損の症状の発現時に(または発現後まもなく)提供される。本発明の物質は、このように、予想される欠損の前(疾患症状の予想される重症度、期間、または程度を減弱するため)、または欠損の後で、その結果としての症状が出現した後のいずれかに提供してもよい。
同様に、本明細書に記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含むウイルスベクターおよびウイルス粒子のようなベクターおよびウイルス粒子に基づく治療も企図される。それらが病的な作用を誘発しないように開発されたこれらの分子は、本発明のコードされたポリペプチドを産生すると考えられる。
第VIII因子調製物
ブタおよびヒト血漿由来第VIII因子およびヒト組み換え型第VIII因子の単離および精製は、文献に記述されている。例えば、Fulcher, C.A.およびT.S. Zimmerman、79 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1648〜1652(1982);Toole, J.J.ら、312 Nature 342〜347(1984)(ジェネティクスインスティチュート);Gitschier, J.ら、312 Nature 326〜330(1984)(ジェネンテック);Wood, W.I.ら、312 Nature 330〜337(1984)(ジェネンテック);Vehar, G.A.ら、312 Nature 337〜342(1984)(ジェネンテック);Fass, D.N.ら、59 Blood 594(1982);Toole, J.J.ら、83 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 5939〜5942(1986);Boedeker, B.G.、Semin. Thromb. Hemost. 27(4):385〜94(2001年8月)を参照されたい。1990年代初期にヒトでの使用が認可された、完全長の組み換え型第VIII因子の二つの調製物は、例えばSchwartz RSら、N. Engl. J. Med 323:1800〜5(1990);Lusher JMら、N. Engl. J. Med. 328:453〜9(1993);Bray GLら、Blood 83:2428〜35(1994);およびWhite GC IIら、Thromb. Haemost. 77:660〜7(1997)に記述されている。
完全長の蛋白質のBドメインを欠損するが凝固活性を保持し、ヒトでの使用が認可されているB-ドメイン欠失第VIII因子は、例えば、Osterbert T.ら、Pharm Res. 14:892〜8(1997);Lusher JMら、Blood 96:266a(2000)(抄録);およびAlmstedtら、米国特許第5,661,008号に記述されている。
ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子も同様に、文献に記載されている。例えば、米国特許第6,180,371号を参照されたい。
第VIII因子の古典的な定義は、血友病Aを有する個体に由来する血漿中の凝固欠損を修正する正常な血漿に存在する物質である。本明細書において用いられるように、第VIII因子は、血漿由来第VIII因子または活性化因子VIIIの前凝固特性を有する分子を意味する。このように、本明細書において用いられるように第VIII因子という用語には、非切断型前駆体第VIII分子と共に、当業者に既知の様々な蛋白質分解によって処理された型またはそれ以外の切断型が含まれ、ここで第VIII因子の様々な型は前凝固活性を有する。第VIII因子ポリペプチドの例は、その全てが参照として本明細書に組み入れられる、Anderssonらの米国特許第4,749,780号;Anderssonら、米国特許第4,877,614号;Tooleら、米国特許第4,757,006号;Toole、米国特許第4,868,112号;Almstedtら、米国特許第5,661,008号に開示されている、活性な第VIII因子断片および第VIII因子誘導体である。Almstedtらに記述される第VIII因子は、ヒト第VIII因子のアミノ酸1〜743位および1649〜2332位までで構成される。このポリペプチド配列は、rFVIII-SQまたはREFACTO[r]として市販されている。同様に、Lindら、Euro. J. Biochem. 232:19〜27(1995)も参照されたい。B-ドメインが一般的に欠失している他の型の切断型FVIIIも同様に構築することができる。Almstedtらの第VIII因子では、ヒト第VIII因子のアミノ酸1〜740位を含み、分子量約90 kDaである重鎖のアミノ酸を、ヒト第VIII因子のアミノ酸1649〜2332位を含み、分子量約80 kDaである軽鎖のアミノ酸に結合させる。重鎖と軽鎖とは、アミノ酸2〜15個のリンカーペプチド、例えばリジンもしくはアルギニン残基を含むリンカーによって接続するか、または金属イオン結合によって結合される。これらの他のリンカーおよび異なる大きさのリンカーを用いることができる。同様に、A2ドメインが軽鎖に共有結合するように、残基794〜1689位の欠失によって遺伝子操作されたもう一つの第VIII因子変種に関しては、PipeおよびKaufmann(109)を参照されたい。トロンビンおよび活性化C蛋白質不活化切断部位でのミスセンス変異は、蛋白質分解に対する抵抗性を与え、それによってアルギニン372位での1回切断後に最大活性を有する一本鎖蛋白質が得られる。
ヒト第VIII因子cDNAヌクレオチドおよび予想アミノ酸配列は、米国特許第6,180,371号に示されている。第VIII因子は、「ドメイン」配列NH2−A1−A2−B−A3−C1−C2−COOHを定義する、内部配列相同性を有する約300 kDaの一本鎖蛋白質として合成される。米国特許第6,180,371号において、配列をその特許に示されるヒトアミノ酸配列と並置した場合、第VIII因子ドメインには、以下のアミノ酸残基が含まれる:A1、残基Ala1−Arg372;A2、残基Ser373−Arg740;B、残基Ser741−Arg1648;A3、残基Ser1690−Ile2032;C1、残基Arg2033−Asn2171;C2、残基Ser2173−Tyr2332。A3−C1−C2配列には、残基Ser1690−Tyr2332が含まれる。残りの配列、残基Glu1649−Arg1689は通常、第VIII因子軽鎖活性化ペプチドと呼ばれる。第VIII因子は、第VIII因子をフォン・ウィルブランド因子から解離させる、トロンビンまたは第Xa因子によって蛋白質分解的に活性化され、前凝固機能を有する第VIIIa因子を形成する。第VIIIa因子の生物機能は、第IXa因子の第X因子活性化に向けての触媒効率を数桁増加させることである。トロンビン活性化第VIIIa因子は、血小板もしくは単球の表面上または他の表面において、第IXa因子および第X因子と複合体を形成する、160 kDaのA1/A2/A3−C1−C2ヘテロ三量体である。
第VIII因子の重鎖は、A1およびA2ドメインを含み、同様にB-ドメインの一部または全てを含んでもよい。(B-ドメイン欠失第VIII因子の重鎖は二つのドメイン、A1およびA2からなり、B-ドメインの小さい一部を含んでもよい)。第VIII因子の軽鎖は三つのドメイン、A3、C1、およびC2を含む。
第VIII因子の薬学的組成物
ジスルフィド結合安定化第VIII因子を単独で、または適当な薬学的安定化化合物、輸送媒体、および/または担体媒体と共に含む薬学的組成物は、参照として本明細書に組み入れられる、E.W. Martinの「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載される方法のような既知の方法に従って調製してもよい。薬学的組成物は、第VIII因子ポリペプチド、第VIII因子をコードする核酸等を含んでもよい。
一つの好ましい態様において、静脈内注入にとって好ましい担体または輸送媒体は、糖を含んでもよい生理食塩液またはリン酸緩衝生理食塩液である。
もう一つの好ましい態様において、適した滅菌化合物、輸送媒体、および担体媒体には、アルブミンのような他のヒトまたは動物蛋白質が含まれるが、これらに限定されない。
リン脂質小胞またはリポソーム浮遊液も同様に、薬学的に許容される担体または輸送媒体として好ましい。これらは、当業者に既知の方法に従って調製することができ、例えば、第VIII因子は陰性荷電ホスホリピッド膜に結合することから、ホスファチジルセリン/ホスファチジルコリン、または界面に対して陰性荷電を共に付与する他のリン脂質組成物もしくは洗浄剤を含みうる。リポソームは、適当な脂質(複数)(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラキドイルホスファチジルコリン、およびコレステロール)を無機溶媒に溶解して、これを蒸発させて、容器表面に乾燥した脂質の薄膜を残すことによって調製してもよい。次に、第VIII因子の水溶液を容器に導入する。溶液を容器の側面から遊離の脂質材料と混合して、脂質凝集物を分散させ、それによってリポソーム浮遊液を形成する。
第VIII因子は、ビタミンK-依存的凝固因子、組織因子、フォン・ウィルブランド因子(vWf)または第VIII因子結合部位を含むvWFの断片、および蔗糖のような多糖類を含む他の適した滅菌化合物、輸送媒体、および/または担体媒体と混合することができる。
第VIII因子は、分子の半減期および保存性を増加させるために、vWfに結合させて保存することができる。さらに、第VIII因子を凍結乾燥すると、vWfの存在下で活性物質の収率を改善させることができる。第VIII因子の保存法には:部分精製状態での第VIII因子の凍結(さらに精製せずに注入される第VIII因子「濃縮物」として)、第VIII因子の免疫アフィニティ精製、および第VIII因子を安定化させるアルブミンの存在下での凍結乾燥が含まれる。第VIII因子はまた、最終容器において安定化剤としてアルブミンの代わりに蔗糖を用いるプロセスによって調製することも可能である。第VIII因子は、如何なる血漿または血漿蛋白質も含まないプロセスによって調製されることが好ましい。(例えば、Boedeker(111)およびChoら、米国特許第6,358,703 B1号を参照されたい)。
さらに、第VIII因子は、0.6 M NaCl、20 mM MES、および5 mM CaCl2、pH 6.0において40℃で無限に安定であり、同様にこれらの緩衝液において凍結保存することができ、融解しても活性の喪失は最小限である。
処置法
第VIII因子は、阻害抗体を有するかまたは有しない血友病患者、および阻害抗体の発症による後天性の第VIII因子欠乏患者のような被験者において、第VIII因子欠乏による制御されない出血を予防、処置、または改善するために用いられる(51)。好ましい被験者は哺乳類であり、最も好ましくはヒトである。活性材料は好ましくは静脈内投与される。
本明細書において用いられるように「第VIII因子欠乏」には、欠損している第VIII因子の産生によって、第VIII因子の産生が不適当であること、もしくは産生がないことによって、または阻害剤によって第VIII因子が部分的もしくは完全に阻害されることによって引き起こされる、凝固活性の欠乏が含まれる。血友病Aは、X-連鎖遺伝子の欠損およびそれがコードする第VIII因子蛋白質が存在しないか、または欠乏することに起因するタイプの第VIII因子欠乏である。
さらに、第VIII因子は、第VIII因子を産生するように遺伝子操作された細胞の移植によって、または上記のようにそのような細胞を含む装置の埋め込みによって投与することができる。
好ましい態様において、第VIII因子単独の、または安定化剤、輸送媒体、および/または担体と組み合わせた薬学的組成物を患者に静脈内注入する。
そのような処置を必要とする患者に投与しなければならない第VIII因子組成物の処置用量は、第VIII因子欠乏の重症度に応じて変化するであろう。一般的に、用量レベルは、それぞれの患者の出血事例の重症度および期間に合わせて回数、期間、および単位を調節する。したがって、第VIII因子は、標準的な凝固アッセイによって測定される、止血するための第VIII因子の治療的有効量を患者に輸送するために十分な量が、薬学的に許容される担体、輸送媒体、または安定化剤の中に含まれる。
第VIII因子は、従来、血友病A患者に由来する血漿において凝固欠損を補正する、正常血中に存在する物質として定義される。第VIII因子の精製型および部分精製型のインビトロでの凝固活性は、ヒト患者に注入するための第VIII因子の用量を計算するために用いられ、患者の血漿から回復した活性の、およびインビボ出血欠損の補正の信頼できる指標である。例えば、Lusher, J.M.ら、New Engl. J. Med. 328:453〜459(1993);Pittman, D.D.ら、Blood 79:389〜397(1992);およびBrinkhousら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:8752〜8755(1985)を参照されたい。
通常、ハイブリッドまたはハイブリッドと同等の第VIII因子の投与によって患者において得られる、所望の血漿中第VIII因子レベルは、正常な血漿レベルの30%〜100%の範囲である。血友病Aによる出血を処置するための典型的な用量は、25〜50 単位/kg体重である。1単位=正常ヒトクエン酸血漿1 ml中の第VIII因子の通常量。例えば、Roberts, HRおよびHoffman, M.「Hemophilia A and Hemophilia B.」、Williams Hematology、第6版、E. Beutler, MA, Lichtman, BS Coller, TJ Kipps,およびU Seligson編、マグローヒル、ニューヨーク、2001を参照されたい。一つまたは複数のシステイン残基の導入により安定性が増加すると予想される、本発明の第VIII因子の好ましい投与様式において、組成物は、約0.1〜80単位/kg体重の範囲、より好ましくは0.5〜50単位/kg体重、より好ましくは1.0〜50単位/kg体重、および最も好ましくは2.0〜40単位/kg体重の好ましい用量で;約8〜24時間範囲の投与間隔で(重度血友病者);かつ1〜10日の範囲の処置期間、または出血事例が寛解するまで、静脈内投与される。例えば、Roberts, H.R.およびM.R. Jones、「Hemophilia and Related Conditions-Congenital Deficiencies of Prothrombin(Factor II, Factor V, and Factors VII to XII)」、第153章、1453〜1474、1459〜1460頁、「Hematology」、Williams, W.L.ら編(1990)を参照されたい。阻害剤を有する患者は、本発明の第VIII因子をより多く必要とする可能性があるか、または患者は、ヒト第VIII因子より大きい安定性のために、必要な本発明の第VIII因子はより少ない可能性がある。第VIII因子による処置において、注入される第VIII因子の量は、一段階第VIII因子凝固アッセイによって定義され、選択された例において、インビボでの回復は、注入後の患者の血漿中の第VIII因子を測定することによって決定される。如何なる特定の被験者に関しても、個人の必要性、および組成物を投与するかまたは投与を監視する人の専門的判断に応じて、特定の用量レジメを経時的に調節しなければならないこと、そして本明細書において述べた濃度および他の範囲は例示目的に限られ、請求される本発明の範囲または実践を制限すると解釈されないと理解すべきである。
処置は、必要に応じて、組成物の1回静脈内投与、または長期間にわたる定期的もしくは持続的な投与の形となりうる。または、第VIII因子は、リポソームと共に1回用量または様々な間隔で複数回用量を皮下または経口投与することができる。
本発明のハイブリッド動物/ヒト第VIII因子を用いて、ヒト第VIII因子に対する抗体を産生した血友病患者における、第VIII因子欠乏による制御されない出血を処置することができる。この場合、天然のヒトまたは動物の第VIII因子単独の凝固活性より優れた凝固活性は、必要ではない。活性が患者の血漿中の抗体によって中和されなければ、天然のヒト第VIII因子より低い凝固活性(すなわち、3,000単位/mg未満)が有用であろう。
第VIII因子はまた遺伝子治療によって輸送することも可能である。このタイプの治療の全般的原理は、当業者に既知であり、文献において論評されている(例えば、52、53、57)。遺伝子治療によって第VIII因子および第IX因子を輸送するために様々な戦略が利用されており、これらの多くは、操作されたジスルフィド結合を付加することによって改変した、第VIII因子の輸送にとって適当である可能性がある。以下は、利用できる様々なアプローチの要約である。
これまで、レトロウイルスベクターに関して大量の経験が得られている。血友病を処置するためにレトロウイルスベクターを用いた、既存の厳しく審査され公表された前臨床データの例は、Kayら(58)から得られ、彼らは、イヌFIXを発現するレトロウイルスベクターを調製して、部分的肝切除を受けた血友病のイヌの門脈にこれを注入した。彼らは、イヌFIXの長期発現(>2年)を証明することができたが、そのレベルはヒトにおいて治療的となるにはかなり低すぎた。
同様に血友病Bに関するもう一つのアプローチは、AAVベクターを利用している。ここで用いられているAAVベクターは、小さい(4.7 kb)一本鎖DNAゲノムを有するパルボウイルス、AAV血清2型から操作されている。多くの個体が、小児期に野生型ウイルスに感染するが、感染は、如何なる既知の疾患にも関連しない。ウイルスは、本来複製欠損であり、操作されたベクターは、ウイルスコード配列を完全に欠損している。いくつかの研究グループによる前臨床研究から、AAVベクターが、骨格筋、肝臓、または中枢神経系に導入されたトランスジーンの持続的な発現を指示できることが示された(62〜64)。FIXの場合、マウスでの実験では、250〜350 ng/mLの発現レベル(正常な循環レベルの5%〜7%)が得られたが、血友病のイヌにおける類似の実験では、発現レベルは70〜80 ng/mLであった(正常レベルの約1.5%(65、66))。
FVIIIに対する肝臓に向けたAAVアプローチの使用を拡大する努力も行われているが、この場合、AAVベクターが5 kbを超えるインサートに適応できず、かつBドメイン欠失FVIII cDNA(プロモーター、イントロン、またはウイルス逆向き末端反復配列なし)が4.4 kbであることから、トランスジーンの大きさが問題となる。これらの大きさの制限のために、AAVベクターからFVIIIを発現させるためにいくつかの新規戦略が考案されている(76、77、78)。
現在血友病Aを処置するために評価されている異なるアプローチは、Bドメイン欠失(BDD)FVIIIを発現するプラスミドを自己線維芽細胞にエクスビボで導入した後に、網に再度移植することである。この戦略において、患者からの皮膚生検を自己線維芽細胞源として用い、これにBDD FVIIIと選択マーカーとを発現するプラスミドを電気穿孔によってトランスフェクトさせる。トランスフェクションの後、FVIII発現細胞を選択、増殖させて、および腹腔鏡技法によって網に再移植する(細胞108〜109個の桁数において用いて)(107)。
アデノウイルスベクターは、調製の容易さ、および末梢循環血中にベクターを導入後の肝臓の効率的な形質導入を含む、遺伝子輸送媒体としていくつかの魅力的な特徴を有する。これらの特徴は、このアプローチの原理の初期証明として血友病のイヌにおけるイヌFIXの高レベル発現を得るために、Kayら(80)によって利用された。Connellyと共同研究者(83〜87)の研究によって、アデノウイルスベクターに関するいくつかの重要な洞察が得られており、彼らは、血友病Aを処置するためのアプローチとして、初期世代のアデノウイルスベクターを用いることを開発した。Bドメイン欠失FVIIIを発現するアデノウイルスベクターを用いて、これらの研究者らは、血友病Aのマウスにおける出血素質の表現型修正を証明することができた(87)。発現レベルは、当初>2000 mU/mLであったが、予想されるように、9ヶ月間で徐々に約100 mU/mLまで低下した。
HIVに基づく新規遺伝子輸送媒体であるレンチウイルスベクター(101)も同様に、肝臓、筋肉、および造血細胞に形質導入することが知られており、このように、血友病の遺伝子治療のために用いられうる可能性がある。Kafriら(102)によって公表された研究から、レンチウイルスベクターを肝実質内に直接注射した後にヒト化GFPが安定に発現されること(22週)が証明された。
Okoliら(106)は、キトサンDNAナノスフェアの中に含まれるFIXプラスミドDNAをゼラチン立方体の中に包埋して、これを1回処置として25 gプラスミドの用量でマウスに与えた予備的な報告を紹介した。処置したマウスは、45 ng/mL(正常血漿レベルの約1%)のレベルを示したが、レベルは14日間のあいだに検出できないレベルまで徐々に低下した。
レトロウイルスベクター、AAVベクター、トランスフェクトしたプラスミド、およびアデノウイルスに関して、ヒトにおけるフェーズI臨床試験が現在進行中であるか、最終計画段階である。
当業者に明白であるように、第V因子、プロトロンビン、第XII因子、HGFA(肝細胞増殖因子活性化剤)、およびPHBP(血漿ヒアルロニン結合蛋白質)のような、第VIII因子以外の物質を投与するために、類似の方法を用いてもよい。
以下の実施例は、本発明の特定の態様を説明するが、本発明の範囲を如何なるようにも制限すると解釈してはならない。上述の開示の教示および以下の実施例から、特定の改変および変更が当業者に明らかであるが、これらも本発明の趣旨および範囲に含まれると解釈される。
実施例1−第V因子
本発明の一つの態様において、A2ドメインの解離が防止されるように、組み換え型FV変異体のA2とA1またはA3ドメインのあいだにジスルフィド結合を操作してもよい。FVaに関してはX線結晶構造もNMR構造もわかっていない。しかし、上記のように、本発明は、そのような構造を用いることに限定されず、相同性モデルに適用してもよい。
したがって、Sowdhaminiのアルゴリズムを用いるコンピュータープログラムMODIP(19)を、FVaのPellequer相同性モデルに適用した(20)。上記のように、MODIPは、ジスルフィド架橋の導入部位を予測して、それぞれの予測に関して等級(A、B、C)を提供する。等級Aの部位は、ジスルフィド架橋を確立するために最適であると予想される部位であるが、等級Bおよび等級Cの部位は、この順に理想から離れる。
Pellequer FVaモデルに関して、等級A部位は、A1−A2またはA2−A3界面のいずれかで予測されず、等級B部位が1個予測され、等級Cの部位は数個が予測された。予測された等級Cの部位の中で、MODIPは、5個の部位が最も理想的であることを示した:
His609−Glu1691(A2−A3)
Leu238−Gln590(A1−A2)
His253−Asp469(A1−A2)
Ala257−Met618(A1−A2)
Leu283−Met618(A1−A2)
これらの中で、609位と1691位の対が、第VIII因子における残基Tyr664−Thr1826と整列することに注目した。
コンピューターグラフィックス分析を用いて予測された等級BおよびC部位の目視観察を行ったところ、等級Bの部位が利用できないことが示された。次に、さらにジスルフィド架橋を含むFVa相同性モデルのバージョンを、最善の等級C部位の5個のそれぞれに関して構築した。これは、Charm22全原子力場を用いるX-POLRコンピュータープログラムによって改良が提供される、Xfitコンピュータープログラムを用いて行った。
改良後、モデルとしたジスルフィド結合を最適なジスルフィド幾何学に関して分析した。Cys609−Cys1691は、FVにおけるジスルフィド結合にとって可能性がある最善の幾何学を提供し、rss=2.02Å、χss=80.9°、および5個の部位のうち最低のファンデルワールス気相エネルギーを示した。次によい部位は、Leu238−Gln590であり、rss=2.03Å、χss=−111.6°であった。このように、これら二つの部位を、部位特異的変異誘発を用いてジスルフィド結合を作製する最初の試みのために選択した。
次に、完全長のFV cDNAを含むプラスミドpED-FVを得た。次に、プラスミドpED-FVにおける完全長のFV cDNAを、SalIによる消化によって除去して、改変したpUC119プラスミドに挿入した。次に、FV cDNAの断片を、nt4641位でBamHI部位を作製する5'プライマー(FV cDNAの番号づけ;nt=ヌクレオチド)およびnt6014位でBamHI部位を保持するがnt5975位でBamHI部位を除去する3'プライマーを用いて、PCRによって作製した。用いたプライマーを下記に示し、下線は変異を示し、太字は関係するコドンまたは制限部位を示す:
Figure 0004361786
pUC119-FVをBamHI(FV cDNA番号づけにおいてnt2061位、5975位、および6014位で切断)によって消化した。新しいPCR断片を、ヌクレオチド2601〜6014位のpUC119-FVのBamHI部位のあいだに挿入した。これらの段階によって、nt2602位〜4641位(残基812〜1491位のコード配列)が除去されて、FVΔBと命名されるBドメインを含まないFVをコードする構築物が作製された。
このFVΔB遺伝子構築物を、インビトロジェン社(カールスバッド、カリフォルニア州)の発現ベクターpcDNA3.1+に挿入した。次に、ストラタジーンクイックチェンジPCR変異誘発キット(ラホヤ、カリフォルニア州)およびFVΔBを用いて、Asn2181でのグリコシル化を防止するために、Ser2183をAla(コドンAGTをGCCに変化させる)に変異させ、変異体2183A−FVΔBを得た。この変異は、特定の機能的特性が異なるFVの二つの種を生じる、Asn2181での不完全なグリコシル化によるFV不均一性を回避するために作製した(25、26)。その後の変異は全てこのB-ドメインを含まないSer2183A変異体を用いて作製した。いくつかの態様において、この段階を省略してもよい。
同時に、ストラタジーン社のクイックチェンジPCR変異誘発キットを用いて、四つの変異原性プライマーの付加によってシステイン残基をコードする場所を配置した。以下の対を作製した:Leu238Cys:Gln590Cys(Cys238/Cys590)、およびHis690Cys:Glu1691Cys(A2−SS−A3)。Arg506およびArg679のグルタミン(Gln506またはGln679)へのさらなる変異を有する変種(Q506/Cys238/Cys590、Q506−A2−SS−A3およびQ506/Q679−A2−SS−A3)も同様に作製した。用いた変異誘発プライマーを下記に示すが、下線は変異を示し、太字は関係するコドンまたは制限部位を示す:
Figure 0004361786
Figure 0004361786
それぞれの変異体を含むプラスミドを、キアゲン社のキアフィルタープラスミドミディプレップキットによって精製して、直鎖状にし、製造元の説明書に従って、Superfectトランスフェクション試薬を用いてCOS-1細胞にトランスフェクトした。より詳しく述べると、DNA 1μgを、Superfect試薬5 μlと共にDMEM/F12培地60 μlにおいて10分間インキュベートした。DMEM/10%FBS/1 mMグルタミン350 μlを加えて、この混合物を24ウェルプレートのウェル中のCOS-1細胞(約50%コンフルエント)に移して、3時間インキュベートしてから洗浄して新鮮な培地を補給した。0.8 mg/mlジェネティシン(Geneticin)(ギブコBRL社、ロックビル、メリーランド州)を用いて安定なクローンを選択した。0.05%BSAおよび5 mM CaCl2を含む血清不含条件培地を、それぞれのFV変異体を発現するCOS-1細胞から回収して、16%PEG 6000によって沈殿させた。次に、沈殿物を5 mM CaCl2、2 mMベンザミジン、5 nM PPACKおよび1 mM PMSFを含むHBS(50 mM HEPES、150 mM NaCl、pH 7.4)に再溶解して、同じ緩衝液に対して透析して、抗FV抗体カラムを用いて精製した(24)。FVを含む分画を採取して、濃縮し、0.1%BSAを含むHBSにおいて−80℃で保存した。
FVaを、トロンビンによる活性化後に、活性およびELISAアッセイによって定量した。ELISAアッセイは、アフィニティバイオロジカル社(ハミルトン、オンタリオ、カリフォルニア州)の10 μg/mlヒツジ抗FV抗体によってコーティングして、ピアス社(ロックフォード、イリノイ州)のSuperblockによってブロッキングしたヌンクマキシソルブ(Nunc Maxisorb)プレートを用い、抗原は、マウス抗FV軽鎖モノクローナル抗体(V59)によって検出した。FV(40 nM)はトロンビン(0.5 nM)の0.1%BSAおよび5 mM CaCl2を含むHBS溶液によって37℃で10分間活性化し、活性化は、ヒルジンの1.1モル等量を添加することによって停止した。FVa不活化アッセイは、FVa 4 nMおよびAPC 2.5 nMを用いて行い、記述のようにプロトロンビナーゼアッセイを用いて残留FVaを定量した(27)。FVaの不活化は以下のように測定した。1 nM FVaと25 μMリン脂質小胞との混合物を、50 mM HEPES、pH 7.4、100 mM NaCl、0.5%BSA、5 mM CaCl2、0.1 mM MnCl2(Ptase緩衝液と呼ばれる)において作製した。不活化は、APCの付加によって開始した。1 μlのアリコートをそれぞれの時点で採取して、1.25 nMの第Xa因子40 μlを25 μMリン脂質小胞と共に加えた後、3 μMプロトロンビン10 μlを加えた(最終濃度:1 nM FXa、20 pM FVa、25 μMリン脂質小胞および0.6 μMプロトロンビン)。2.5分後、10 mM EDTA、0.5%BSA、pH 8.2を含むTBS 55 μlを加えて、この混合物15 μlのアリコートの反応を停止させた。色素発生基質CBS 34-47を加えて、吸光度405 nmでの変化を測定することによってトロンビンの形成量を評価した。
いくつかの試験において、FXaまたはプロトロンビンを変化させた。Xa力価を測定する場合、3.34 pM FVa/FVaiおよび41.7 μMリン脂質小胞のPtase緩衝液溶液における混合物を、96ウェルプレート(ポリプロピレン、V-ウェル)のウェルに30 μlずつ分注した。Xa 10 μlを同じ緩衝液において、様々な濃度で各ウェルに加えた。0分に、1.5 μMプロトロンビン(FII)10 μlを全てのウェルに加えた(最終濃度=2 pM FVa、25 μM PL小胞、5〜600 pM Xa、0.3 μM FII)。12分において、0.5%BSA、10 mM EDTA、pH 8.2を含むTBS 55 μlを含む96ウェルプレートに、15 μlを移すことによってPtase反応を停止させた。次に、形成されたトロンビンの量を色素発生基質CBS 34-47によって測定した。プロトロンビンに関しては、125 pM Xa、1.25 nM FVa/FVai、および31.25 μM PL小胞のPtase緩衝液溶液を含む混合物20 μlを、96ウェルVウェルプレートのウェルに分注した。0分目に、様々な濃度のFII 5 μlを加えた(最終濃度100 pM Xa、1 nM FVa、25 μl PL、25〜1500 nM FII)。2分30秒目に、上記のように15 μlをEDTA緩衝液55μlに移すことによって反応を停止させた。トロンビンは上記のように測定した。
次に、SDS-PAGEをMOPS緩衝液(インビトロジェン社、カールスバッド、カリフォルニア州)と共にNovex 4〜12%ビストリス勾配ゲルを用いて行った。1レーンあたり蛋白質50 ngをローディングした。次に、蛋白質をミリポアPVDFメンブレンに転写して、モノクローナル抗FV軽鎖抗体、AHV-5112、またはV59、およびウサギポリクローナル抗FV重鎖抗体によってイムノブロットを展開した(24)。より詳しく述べると、メンブレンをTBS、1%カゼイン、および2 mM CaCl2によってブロッキングした。抗体は同じ緩衝液において希釈した。一次抗体はそれぞれの抗FV抗体であり、二次抗体は、ピアス社のビオチニル化ヤギ抗マウスIgGまたはビオチニル化ロバ抗ウサギIgGであった。次に、ストレプトアビジン結合アルカリホスファターゼおよび1-段階NBT/BCIP基質(同様にピアス社)を用いて可視化した。産生されて精製されるFV種に関して、純粋なFVの収率は条件培地1 Lあたり5μg〜25μgの範囲であった。銀染色を施したSDS-PAGEに基づいて、本発明者らは変異体の純度が70%〜90%であると推定した。
当技術分野で既知であるように、FVa軽鎖は通常、Asn2181での不完全なグリコシル化によって形成された不均一性のために、SDS-PAGEにおいて二重項を形成する。2183位のセリンをアラニンに変異させると、このグリコシル化部位が消失する(28)。イムノブロットにより、本発明者らの組み換え型FV分子は全て、見かけの分子量188 kDaを有し、残基812〜1491位の欠失と一致することが確認された。さらにイムノブロットによって、野生型組み換え型FVaが軽鎖二重項を形成するのに対し、Z183A変異を有する他のFVa変異体は全て一本鎖軽鎖バンドのみを有することが確認された。
操作された二つのシステイン残基を含む変異体FV蛋白質における、所望のドメイン間ジスルフィド結合を証明するために、FVaおよびAPC処理FVai(ここで、「i」は不活化を示す)のイムノブロットを行った。図1は、FVΔB、FVa(トロンビンの活性化に応じて形成される)、およびFVai(APC切断によって不活化)の一次配列を表すスキームを示す。
ポリクローナル抗FV重鎖抗体を用いたイムノブロットにより、Cys238/Cys590変異をFVまたはQ506−FVに導入しても、A1およびA2ドメインを検出可能に連結することが証明されなかったものの、これらの種は正常なFVa活性を有したことから、本発明者らは、これらのシステインのあいだにジスルフィド結合が形成されないという結論に達した。
図1Cに示すように、Cys609およびCys1691を含むFV変異体が、A2とA3ドメインとのあいだに新しいジスルフィド結合を形成する場合、これはFVa重鎖と軽鎖とを連結するであろう。この場合、FVaのイムノブロットにおいて、ジスルフィド結合した分子種は、重鎖および軽鎖の相加的分子量に対応する分子量で現れ、完全なFVa不活化を通常引き起こすArg506、Arg306、およびArg679でのAPC切断後においても、FVaiの軽鎖は、A2ドメインのC-末端断片にクロスリンクしたままであろう(A2c、残基507〜679位)。
実際に、そのような結果が得られた。抗FV軽鎖抗体によって展開したイムノブロットにおいて(図2A)、2183A−FVaおよび2183A−FVaiを含むレーン1および2はいずれも、予想される分子量(69 kDa)で正常な軽鎖を示したが、レーン3において、Cys609/Cys1691−FVaを含む変異体は、クロスリンクした軽鎖および重鎖(158 KDa)に関して予想される主なバンドを示した。このように、これらの二つのシステイン残基を含むFV変異体は、「A2−SS−A3」であると正当に命名される。
レーン4は、APC処置A2−SS−A3−FVaiが、A2c断片にクロスリンクした軽鎖(92 kDa)に関して予想される移動度に対応する、主なバンドを示すことを証明した。このバンドよりわずかに上のよりかすかなバンドは、Arg506で切断された重鎖に関して予想されるバンドに相関したが、Arg679で切断された場合には相関せず、断片507〜709(101 kDa)が得られた。レーン5および6(図2A)は、Q506−A2−SS−A3−FVaおよびQ506−A2−SS−A3−FVaiを含んだ。これらの種において、Arg506切断は、Q506−A2−SS−A3−FVai(レーン6)において、軽鎖がA2ドメイン全体(残基680〜709位のその小さいC-末端テールを有するか、または有しない)にクロスリンクしたままであるために、起こることができない。実際に、認められた高分子量バンド(レーン6)は、A2ドメインにクロスリンクした軽鎖に対応した(130 kDa)。図2Aのレーン7〜12は、DTTを用いて還元したレーン1〜6と平行な試料を含んだ。レーン7〜12 は、還元後、様々な高分子量クロスリンク種が消失して、正常な軽鎖バンドが出現することを示し、レーン3〜6において認められた高分子量軽鎖含有種(図2A)が実際に、軽鎖と重鎖のあいだのジスルフィドクロスリンクの結果であったことを証明している。
Cys609/Cys1691を含むA2−SS−A3変異体における、FVa重鎖と軽鎖のあいだの共有結合クロスリンクに関するさらなる証明は、抗FV重鎖抗体を用いたイムノブロット分析から得られ、これは非還元条件で抗FV軽鎖抗体を用いて展開されたイムノブロットにおいて、同じ新しいバンドが可視化されることを示した。例えば、図2Bにおいて、非還元条件において、A2−SS−A3−FVaおよびA2−SS−A3−FVaiのそのようなイムノブロットと共に、Q506−A2−SS−A3−FVaおよびQ506−A2−SS−A3−FVaは、図2Bの抗FV軽鎖抗体を用いて展開したイムノブロットにおいて可視化された、同じクロスリンク種を表すと予想されるバンドを生成した。レーン1および5(図2B)はいずれも、図2B、レーン3(157 kDa)において認められるものと同時移動する、重鎖にクロスリンクした軽鎖に対応するバンドを示した。図2Bにおけるレーン2は、A2c断片にクロスリンクした軽鎖に対応するバンドを示し、図2Aのレーン4において認められたバンドと同時移動した(102 kDa)。図2Bのレーン6は、図2Aのレーン6において認められたバンドと同等の、A2ドメインにクロスリンクした軽鎖に対応するバンドを示した(132 kDa)。
最後に、遊離のA2−C末端断片(24 kDa)およびA2(63 kDa)断片はそれぞれ、非還元のレーン2および6において可視化されなかったが、還元したレーン4および8では肉眼で確認でき、これらの断片が還元によってジスルフィド結合種から放出されたことを示している。
Q506−A2−SS−A3 FVaおよびQ506/Q679−A2−SS−A3−FVaのイムノブロット分析は、重鎖にクロスリンクしない遊離の軽鎖が少量存在することを示し(図2)、A2−SS−A3−FVa変異体におけるジスルフィドクロスリンクが100%完全ではないことを示している。これらの非還元イムノブロットの密度測定分析から、平均で、Q506−A2−SS−A3−FVa分子の約10%がジスルフィドクロスリンクを欠損することが示された。
上記で暗に示しているように、図1Aは、異なるドメインの位置を示すFVΔBの一次配列の略図である。図1Bの図は、活性化FVΔB(FVa)、すなわちCa2+イオンの存在下で会合したN-末端重鎖とC-末端軽鎖とのヘテロ二量体を示す。矢印は、APCによるFVaにおける切断部位を示す。図1Cの図は、APCによるFVa(FVai)の不活化によって産生された切断断片を示し、さらに、ジスルフィド結合形成が起こった(His609−Glu1691)、および起こらなかった(Leu238−Gln590)システイン変異部位を示している。
実施例2−第VIII因子
当技術分野で既知であるように、第V因子と第VIII因子のあいだに多くの類似性がある。より詳しく述べると、第V因子と第VIII因子は類似の遺伝子構造を有し、非常に相同なアミノ酸配列およびドメイン構造を有し、いずれもトロンビンによる非常に特異的な切断によって活性化され、そしていずれも活性化C蛋白質(APC)による限定的な蛋白質分解によって不活化された。したがって、FVに関して先に開示した方法と類似の方法を用いて、A2と、A1またはA3ドメインとのあいだのジスルフィド結合を組み換え型FVIIIに操作してもよい。当技術分野で既知であるように、FVIIIaは、A2ドメインが自然に解離しうるために、熱力学的に不安定である。図3に示すように、FVIIIaのA2と、A1またはA3ドメインとのあいだにジスルフィド結合を配置すれば、この解離を防止する長所を有する。
FVaと同様に、FVIIIaに関してx-線結晶構造またはNMR構造のいずれもわかっていない。しかし、上記のように、本発明は、そのような構造を用いることに限定されず、相同なモデルに適用してもよい。
FVIIIaのA2とA1またはA3ドメインのあいだにジスルフィド結合を操作する第一段階として、Sowdhaminiのアルゴリズムを用いるコンピュータープログラムMODIPを、FVIIIaのAドメインに関してPembertonら(54)の相同性モデルに適用した。上記のように、MODIPは、ジスルフィド架橋の導入部位を予測して、それぞれの予測に関して等級(A、B、C)を提供する。等級Aの部位は、ジスルフィド架橋を確立するために最も最適であると予想される部位であるが、等級Bおよび等級Cの部位は、この順に理想的ではなくなる。PembertonのFVIIIaのモデルに関して、部位15個が予測された:
Figure 0004361786
Figure 0004361786
これらの中で、Tyr664−Thr1826の対は、FVaにおいて対His609−Glu1691と相同な位置に存在することが認められた。上記のように、ジスルフィド架橋を、609位と1691位にシステイン残基をコードする部位を配置することによって、FVに首尾よく操作してもよい。
FVに関して先に記述した方法と同様に、コンピューターグラフィクス分析を用いて、これらの対の目視観察を行った。この分析の結果として、提案された対の三つをさらなる試験のために選択した:Met662−Asp1828、Tyr664−Thr1826およびSer313−Ala644。これらの三つの部位のそれぞれに関して、適当な位置でのジスルフィド架橋をさらに含むFVIIIaモデルのバージョンを、Charm 22全原子力場を用いるX-PLORコンピュータープログラムによって改良が提供される、Xfitコンピュータープログラムを用いて構築した。改良後、モデルとしたジスルフィド結合を先に示した順序で順位をつけると、Cys662−Cys1828が、ジスルフィド結合に関して潜在的な最善の幾何学を提供した。この変異体および組み換え型第VIII因子における変異体Cys664−Cys1826を、FVに関連して先に記述した方法と類似の方法で作製することを選択した。
FVIII発現プラスミド(p25D)はバイエル社から得た。このプラスミドは、Bドメインの残基744〜1637位が欠失しているB-ドメイン欠失FVIIIを発現する。
次に、ストラタジーン社のクイックチェンジPCR変異誘発および変異体FVIIIを用いて、二つのシステイン残基を挿入し、同時に四つの変異原性プライマーを付加することによってジスルフィド結合を形成させた。以下の二つの対を作製した:Met662Cys:Asp1828Cys、およびTyr664Cys:Thr1826Cys。用いた変異誘発プライマーを下記に示し、ここで下線は変異を示し、太字は関係するコドンまたは制限部位を示す:
Figure 0004361786
上記のTyr664−Cysリバースプライマーは、用いた実際の配列であったが、ヌクレオチド22位および23位における実際のFVIII遺伝子配列はGGではなくてCCでなければならない。しかし、フォワードプライマーは正しい配列を有し、選択されたクローンのDNAシークエンシングによって、最終的なC664変異体に関して正しい配列を選択した。
図4は、Met662−Asp1828またはTyr664−Thr1826の部位のあいだにジスルフィド架橋を含む変異体FVIIIに基づいてAPCの予想される作用を示す図である。
いくつかの態様において、FVIIIのAPC切断部位Arg336および/またはArg562の変異および/または欠失をさらに含む変種を作製してもよい。そのようなさらなる変異は、KaufmanおよびPipe(109)ならびに米国特許第5,422,260号、第5,250,421号、第5,198,349号(参照として本明細書に組み入れられる)に記述されるように、FVIIIを不活化に対してより抵抗性にすることによって、FVIIIに対してさらなる安定性を付加する。
第VIII因子変異体をコードする核酸も同様に、例えば、Seedらの米国特許第6,114,148号に記述されるように、ヒト遺伝子に関して好ましいコドンの数をさらに多くを含むように改変してもよい。
野生型および変異体p25Dプラスミドの一過性の発現を、いずれもキアゲン社から購入したSuperfect試薬およびEffectene試薬を用いて、COS-1細胞、K293細胞、およびBHK-21細胞において調べた。K293細胞におけるEffectene試薬は、最善の結果を示した。組み換え型FVIIIの収率は、APTT活性アッセイおよびELISA(Immubind FVIII ELISA、アメリカンダイアグノスティカ社)によれば、条件培地1 mlあたり10〜100 mUの範囲であった。100 mm皿における、2%FBSを含むDMEM/F12培地中での一過性のトランスフェクションから条件培地を回収して、培地を15倍濃縮して、HEPES緩衝生理食塩液/5 mM CaCl2/0.1 mM MnCl2、pH 7.4に対して透析した。偽トランスフェクション培地を同じように処置して、陰性対照として用いた。
アメリカンダイアグノスティカ社のImmubind FVIII ELISAキットを用いて、組み換え型FVIIIの抗原濃度を決定した。用いた標準曲線は、キットに提供された精製FVIII濃縮物であった(1単位=血漿1 mlに含まれるFVIII)。活性は、以下のように、FVIII欠乏血漿およびAPTT試薬Platelin LSを用いてAPTTアッセイによって決定した:FVIII欠乏血漿(FVIIIdP、ジョージキングバイオメディカル社)50 μlをPlatelin LS(オルガノンテクニカ社)50 μlと混合して、37℃で3分間インキュベートした。FVIII試料5 μlを加えて、その直後に、0.5%BSAおよび25 mM CaCl2を含むHEPES緩衝生理食塩液(0.15 M NaCl)50 μlを加えた。ダイアグノスティカStago ST4凝固測定計において凝固時間を測定した。FVIII標準曲線は、FVIII 1.0単位/mlを含むと定義されるプールした正常ヒト血漿(ジョージキングバイオメディカル社)を用いて作製した。APTTアッセイは、非常に低レベルのFVIII(<0.005 U/ml)に対して感度を示した。
抗原および活性のこれらの測定を用いて、三つの蛋白質の相対的比活性を計算した(単位(U)活性/単位(U)抗原)。野生型FVIII(Bドメイン欠失)は、相対的比活性が0.83であった。C662−C1828-FVIIIは、相対的比活性が3.53であり、C664−C1828−FVIIIは相対的比活性が3.40であった。
トロンビン活性化FVIIIaの経時的な安定性を、Pipeら(110)によって記載されるプロトコールにいくらかの改変を加えて用いて追跡し、この場合トロンビンの添加によって濃度約500 mU/mlのFVIIIaが生成されたが、トロンビンはわずかに過剰量のヒルジンによって不活化した。その後、この混合物のアリコートを経時的に採取して、上記のようにAPTTアッセイにおいて、FVIIIa活性に関して直ちにアッセイした。図5は、組み換え型野生型FVIIIaおよび二つの組み換え型変異体によるこのアッセイの結果を示す。二つの二重システイン変異体は、野生型FVIIIaよりはるかに経時的に安定である(より短い凝固時間に反映されるように)。偽トランスフェクション対照条件培地は、このアッセイにおいて本質的に凝固活性を示さず、経時的な活性の変化も示さなかった(データは示していない)。
産生されたFVIII変異体は、細胞に安定にトランスフェクトしてもよい。細胞を増殖させて、FVIII変異体を発現させることができる。産生されたFVIII変異体は、単離および精製してもよい。FVに関連して先に記述したように、イムノブロットを行って、Bドメインの大部分を欠損すること(適当であれば)、そして操作されたジスルフィド結合が存在することを確認してもよい。
実施例3−ブタ-ヒトハイブリッド第VIII因子
アミノ酸配列がヒトとヒト以外の動物(「ヒト以外」)の第VIII因子コード配列の双方に由来するハイブリッド第VIII因子が当技術分野に存在する。そのような分子の例は、例えば、参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第6,180,371号に認められるであろう。本発明に従って、ハイブリッドA2と、A1またはA3ドメインとのあいだにジスルフィド結合を含む、ヒト以外/ヒトのハイブリッド第VIII因子を作製してもよい。上記の例と同様に、そのようなジスルフィド結合は、A2ドメインの解離を防止する。
そのようなハイブリッド分子の作製は、非ハイブリッドFVIIIに関して先に記述した技法とほぼ類似である。第一に、ハイブリッドFVIIIa、例えばヒト以外のA2ドメインとdes-A2ヒト第VIIIa因子のヘテロ二量体とを含む、ハイブリッドの相同性モデルを得てもよく、または作製してもよい。または、そのような構造が存在する、または作製することができる場合には、X-線結晶構造を得るかまたは作製してもよい。次に、ハイブリッドのA2と、A1またはA3ドメインとのあいだにジスルフィド架橋を形成するための部位の示唆をプログラムから得るために、MODIPコンピュータープログラムをモデルまたは構造上で実行させてもよい。または、上記のように予測的な方法を用いてもよい。
次に、コンピューターグラフィクス分析を用いて、示唆される部位の一つまたは複数の目視観察を行ってもよい。この分析の結果として、提案される多くの部位をさらなる試験のために選択してもよい。これらの部位のそれぞれに関して、適当な位置でジスルフィド架橋をさらに含むハイブリッドFVIIIaモデルのバージョンを、Charm 22全原子力場を用いるX-PLORコンピュータープログラムによって改良が提供される、Xfitコンピュータープログラムを用いて構築してもよい。改良後、モデルとしたジスルフィド結合は、ジスルフィド結合に関して可能性がある幾何学の質に基づいて順位をつけてもよい。次に、示唆される多数の部位を、FVおよび上記の非ハイブリッドFVIIIに関する記述と類似のように変異体ハイブリッドFVIIIの作製を試みるために選択してもよい。
実施例4−プロトロンビン
先に記述したように、トロンボモジュリンとホスファチジルセリン/ホスファチジルコリンリン脂質小胞(PCPs)の存在下で、メイゾトロンビンと共にメイゾトロンビン(des F1)は、トロンビンよりC蛋白質の、より良い活性化物質である。
本発明に従って、プロトロンビンのメイゾトロンビン(des F1)型を安定化させるため、およびメイゾトロンビン(des F1)のトロンビンへの変換を防止するためにジスルフィド結合を含む変異体プロトロンビンを作製してもよい。そのような安定なメイゾトロンビン(des F1)は、例えば、抗凝固剤として適用される可能性を有する。図5に示すように、プロトロンビンのクリングル2とプロテアーゼドメインとのあいだにジスルフィド結合を配置することによって、この安定化が得られることが判明した。
第一に、コンピュータープログラムMODIPを、αトロンビンと断片2(55)とのヒトトロンビン複合体のX-線結晶構造と、ウシメイゾトロンビン(des F1)(108)のX線結晶構造とに適用すると、ヒトプロトロンビンにおいて以下の予想される部位が得られる:
Figure 0004361786
次に、コンピューターグラフィクス分析を用いて示唆される部位の一つまたは複数の目視観察を行ってもよい。この分析の結果、示唆される多くの部位をさらなる試験のために選択してもよい。これらの三つの部位のそれぞれに関して、Charm 22全原子力場を用いるX-PLORコンピュータープログラムによって改良が提供される、Xfitコンピュータープログラムを用いて、適当な位置でジスルフィド架橋を含むメイゾトロンビン(des F1)相同性モデルを構築してもよい。改良後、モデルとしたジスルフィド結合は、ジスルフィド結合に関して潜在的幾何学の質に基づいて順位をつけてもよい。次に、示唆される多数の部位、またはまだ同定されていない部位を、FVおよび上記の非ハイブリッドFVIIIに関連する記述と類似のように、変異体プロトロンビンの作製を試みるために選択してもよい。
実施例5−第XII因子、HGFA、およびPHBP
上記のように、活性化第XII因子(FXIIa)の少なくとも二つの型、すなわちαFXIIaおよびFXIIa断片が存在する。上記のように、FXIIa断片は、もはや表面には結合しないがなおも触媒的に活性であるように、そのN-末端重鎖断片の大部分がもはや会合していない。本発明に従って、このN-末端重鎖断片を分子の残りにクロスリンクさせて、それにその表面結合特徴を保持させるジスルフィド結合を配置することができる。そのような変異体安定化FXIIは凝固剤として薬学的に適用されうると予測される。
第二のFXII様ポリペプチドはHGFAである。HGFAは、損傷組織内で肝細胞増殖因子(HGF)を活性化させ、HGFは組織修復において役割を有する。上記のように、カリクレインによるArg372でのHGFAの切断によって、FXIIの場合と同様に表面結合に関係しているN-末端重鎖が放出される。本発明に従って、ジスルフィド結合は、N-末端重鎖の放出を防止するために配置することができる。そのように安定化された変異体HGFAは、組織修復において役立てるために薬学的に用いられうると思われる。
第三のFXII様ポリペプチドはPHBPである。上記のように、PHBPは、FVII、uPA、およびtPAを活性化させ、HGFAと相同な構造を有する。本発明に従って、PHBPにおけるN-末端重鎖の放出を防止するために、ジスルフィド結合を配置することができる。そのように安定化された変異体PHBPは、FVII、uPAおよび/またはtPAの活性化によって凝固を促進するために薬学的に用いられうると思われる。
第XII因子、HGFA、またはPHBPに関しては、X-線結晶またはNMR構造は存在しない。しかし、ウロキナーゼのX-線結晶構造に基づくもののような、これらの分子の相同性モデルを作製するか、または得てもよい。そのような相同性モデルを用いて、例えばFVおよびFVIIIに関する先の記述と類似のように、変異体を作製してもよい。
実施例6−他の凝固因子
当技術分野で既知であるように、第V因子および第VIII因子以外のいくつかの血漿因子は、単一のポリペプチド鎖として合成され、多数の独立した折り畳みドメインを含み、解離によりドメインの分離が起こる可能性がある限定的な蛋白質分解を受けやすい。上記のように、本明細書に記載の方法は、ポリペプチドの二つのドメインのあいだにジスルフィド結合を配置したいと望むあらゆる場合に用いてもよい。したがって、本明細書に記載の方法は、多くのヒトおよびヒト以外の凝固因子を含む多数のポリペプチドに適用してもよいことは当業者に明らかとなるはずである。
参考文献
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本明細書において、および適用を通じて引用される、全ての参考文献は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
支流と範囲
本明細書に記述の本質、組成物、操作、様々な要素の操作および配置、段階、ならびに技法に変更を行ってもよく、それらも特許請求の範囲に定義される本発明の趣旨および範囲に含まれる。本発明を実施するために上記の様式を改変することは、遺伝子操作、ウイルス学、血液学、医学、および関連分野の当業者に明らかであり、特許請求の範囲内であると解釈される。
組み換え型Bドメイン欠失FV分子の略図である。図1Aは、表記の異なるドメインの位置を有するFVΔB(B-ドメイン欠失ヒト第V因子)の一次配列の略図である。図1Bは、活性化FVΔB(FVa)、すなわちCa2+イオンの存在下で会合したN-末端重鎖とC-末端軽鎖のヘテロ二量体を示す略図である。矢印は、APCによるFVaにおける切断部位を示す。図1Cは、APCによってFVaが不活化された場合(FVai)に産生される切断断片を示す略図であり、さらに、ジスルフィド結合の形成が起こった(His609−Glu1691)、または形成が起こらなかった(Leu238−Gln590)システイン変異部位を示す。 様々なFVaおよびFVai変異体のイムノブロット。(A)抗FV軽鎖モノクローナル抗体によって展開したイムノブロット。レーン1〜6の試料は、還元しておらず、レーン7〜12の試料は還元した。レーン1および7、2183A−FVa;レーン2および8、2183A−FVai;レーン3および9、A2−SS−A3−FVa;レーン4および10、A2−SS−A3−FVai;レーン5および11、Q506−A2−SS−A3−FVa;レーン6および12、Q506−A2−SS−A3−FVai;(B)抗FV重鎖ポリクローナル抗体によって展開したイムノブロット。レーン1、非還元A2−SS−A3−FVa;レーン2、非還元A2−SS−A3−FVai;レーン3、還元A2−SS−A3−FVa;レーン4、還元A2−SS−A3−FVai;レーン5、非還元Q506−A2−SS−A3−FVa;レーン6、非還元Q506−A2−SS−A3−FVai;レーン7、還元Q506−A2−SS−A3−FVa;レーン8、還元Q506−A2−SS−A3−FVai。クロスリンクおよび非クロスリンク断片のバンドの位置は、それぞれのブロットの右側に示す。LC=軽鎖、HC=重鎖、A1=A1ドメイン、A2=A2ドメイン、A2c=A2ドメインのC-末端断片(残基507〜679位)。分子量マーカーの位置(kDa、ノベックスシーブルー標準物質)を左側に示す。 FVIIIaのA2ドメインとA3ドメインとのあいだ、またはA2ドメインとA1ドメインとのあいだにジスルフィド結合を導入することによって、ヘテロ三量体第VIIIa因子からのA2ドメインの解離の防止を説明する略図である。 一つの変異体におけるMet662−Asp1828位、またはもう一つの変異体におけるTyr664−Thr1826位に対応する位置で導入されたシステイン残基間のジスルフィド結合をいずれも含む変異体FVIIIaに基づいて予想されるAPCの作用を示し、残基Arg336およびArg562でのAPC切断部位を示す略図である。 第VIIIa因子の二重システイン変異体の安定性。FVIIIaの組み換え型野生型および二重システイン変異体を、APTTアッセイにおいて活性に関して経時的にアッセイした。FVIIIa種は表記の通りである:野生型(+)、C662−C1828(△)、C664−C1826(○)。開始時、約500 mU/ml FVIIIを5.4 nMトロンビンによって処置して、1分後にヒルジンを1 U/mlとなるように加えてトロンビンを不活化した。次に、試料を表記の時間に採取して、APTTアッセイにおいて残留FVIIIa活性に関してアッセイした。 ヒトプロトロンビンにジスルフィド結合を導入して、そのメイゾトロンビンまたはメイゾトロンビン(dea F1)型を安定化させ、メイゾトロンビンまたはメイゾトロンビン(des F1)のαトロンビン(α-IIa)への変換を防止することを説明する略図である。説明文:GLA、Glaドメイン;Kr.1、クリングル1ドメイン;Kr.2、クリングル2ドメイン;メイゾIIa、メイゾトロンビン。クリングル2ドメインにおける残基271位でのその切断部位に対して、N-末端の残基にシステインを導入すること、およびプロテアーゼドメインにおける残基320位での切断部位に対して、C-末端の残基にシステインを導入することによって形成された、クリングル2ドメインとプロテアーゼドメインのあいだにジスルフィド結合が導入されたプロトロンビンおよびメイゾIIaを示す。システイン残基293位と439位とのあいだのジスルフィド結合は、天然に存在する蛋白質に存在する。 本明細書に記載の実施例に記載される第VIII因子、第V因子、プロトロンビン、第XII因子、HGFAおよびPHBP変異体に関する番号付けシステムに関する注意書きと共に、アミノ酸配列の起源として用いるアクセッション番号および関連参考文献に関する記述である。 ヒト第VIII因子のアミノ酸配列を含むスイスプロットアクセッション番号P00451からのウェブページおよび関連情報。 ヒト第V因子のアミノ酸配列を含むスイスプロットアクセッション番号P12259からのウェブページおよび関連情報。 ヒトプロトロンビンのアミノ酸配列を含むスイスプロットアクセッション番号P00734号からのウェブページおよび関連情報。 ヒト第XII因子のアミノ酸配列を含むスイスプロットアクセッション番号P00748からのウェブページおよび関連情報。 ヒトHGFAのアミノ酸配列を含むスイスプロットアクセッション番号Q04756からのウェブページおよび関連情報。 ヒトPHBPのアミノ酸配列を含むPIRアクセッション番号JC4795からのウェブ頁および関連情報。

Claims (13)

  1. Met662−Asp1828、およびTyr664−Thr1826からなる群より選択される残基に存在する、少なくとも一つのシステイン対を含む変異体第VIII因子。
  2. 請求項1記載の変異体第VIII因子を含む組成物。
  3. 請求項1記載の変異体第VIII因子および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
  4. 請求項1記載の変異体第VIII因子をコードする核酸。
  5. 請求項4記載の核酸を含むベクター。
  6. 請求項4記載の核酸を含む宿主細胞。
  7. 被験者における出血の危険性の増加を処置するための、請求項1記載の第VIII因子変異体の有効量を含む薬学的組成物。
  8. 被験者における血液凝固を増強するための、請求項1記載の第VIII因子変異体の有効量を含む薬学的組成物。
  9. 被験者における血友病を処置するための、請求項1記載の第VIII因子変異体の有効量を含む薬学的組成物。
  10. 哺乳類における第VIII因子欠乏症を処置するための薬学的組成物であって、
    該組成物は、発現制御要素に機能的に結合した、請求項1記載の第VIII因子変異体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸、ベクター、またはビリオンを含み、
    該哺乳類において、治療効果を提供するレベルで第VIII因子変異体の発現が起こる条件下で、哺乳類に該核酸、ベクター、またはビリオンを投与するための、前記組成物。
  11. 哺乳類における第VIII因子欠乏症を処置するための薬学的組成物であって、
    前記組成物は、
    (a)発現制御要素に機能的に結合した、請求項1記載の第VIII因子変異体の軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、第一の核酸、ベクター、またはビリオン、及び、
    (b)発現制御要素に機能的に結合した、請求項1記載の第VIII因子変異体の重鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、第二の核酸、ベクター、またはビリオン、を含み、
    該哺乳類において、治療効果を提供するレベルで第VIII因子変異体の発現が起こる条件下で、哺乳類に該第一および第二の核酸、ベクター、またはビリオンを投与するための、前記組成物。
  12. 哺乳類における第VIII因子欠乏症を処置するための薬学的組成物であって、
    前記組成物は、発現制御要素に機能的に結合した請求項1記載の第VIII因子変異体をコードするヌクレオチド配列を含む、宿主細胞を含み、
    該哺乳類において治療効果を提供するレベルで第VIII因子変異体蛋白質の発現が起こる条件下で、哺乳類に該宿主細胞を投与するための、前記組成物。
  13. 哺乳類における第VIII因子欠乏症を処置するための、薬学的組成物であって、
    前記組成物は、(i)発現制御要素に機能的に結合した、請求項1記載の第VIII因子変異体の軽鎖をコードする、第一のヌクレオチド配列;および(ii)発現制御要素に機能的に結合した請求項1記載の第VIII因子変異体の重鎖をコードする、第二のヌクレオチド配列を含む、宿主細胞を含み、
    該哺乳類において、治療効果を提供するレベルで第VIII因子変異体蛋白質の発現が起こる条件下で、該宿主細胞を哺乳類に投与するための前記組成物。
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