JP5162635B2 - 高レベルエキスプレッサー第viii因子ポリペプチドをコードする核酸配列およびアミノ酸配列および使用方法 - Google Patents

高レベルエキスプレッサー第viii因子ポリペプチドをコードする核酸配列およびアミノ酸配列および使用方法 Download PDF

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Description

(連邦政府による資金提供を受けた研究開発)
本研究は、国立衛生研究所助成金RO1 HL40921によって支援されている。
(発明の分野)
本発明は、組換え分子生物学分野、特に、改変型第VIII因子ポリペプチドおよびその使用に関する。
(発明の背景)
第VIII因子は、血液凝固の固有経路の不可欠な構成要素として機能する巨大な(約300kDa)糖タンパク質である。これは、A1−A2−B−ap−A3−C1−C2と呼ばれる一連のドメインを含む。第VIII因子のBドメインの機能は知られておらず、凝集活性を失うことなく欠失することができる。第VIII因子タンパク質を減少または欠損させる第VIII因子の遺伝子の変異により、再出血エピソードによって特徴づけられる遺伝病(血友病A)を発症する。血友病Aの治療には、血漿由来第VIII因子または組換え第VIII因子のいずれかの静脈内注入が必要である。
血友病Aの治療のために組換え第VIII因子が導入されて以来、第VIII因子が商業的製造で使用される異種哺乳動物細胞培養系で低レベルでしか発現および回収されないので、需要に応じるために奮闘して供給されている(Garber et al.(2000)Nature Biotechnology 18:1133)。さらに、血友病A遺伝子治療試験での第VIII因子レベルは、発現レベルが制限される特徴があることを示す(Roth,et al.(2001)N.Engl.J Med.344:1735−1742)。この問題は重要であるので、第VIII因子の低発現を克服するために多くの研究努力がなされている。発現を制限するいつかの要因が同定されており、低mRNAレベル(Lynch et al.(1993)Hum.Gene Ther.4:259−272;Hoeben et al.(1995)Blood 85:2447−2454;Koeberl et al.(1995)Hum.Gene Ther.6:469−479)、タンパク質シャペロンと非効率的分泌との相互作用(Pipe et al.(1998)J.Biol.Chem.273:8537−8544;Tagliavacca et al.(2000)Biochemistry 39:1973−1981;Kaufman et al.(1997)Blood Coagul Fibrinolysis 8 Suppl 2:S3−14)、およびvon Willebrand因子の非存在下での急速な崩壊(Kaufman et al.(1988)J.Biol.Chem.263:6352−6362 and Kaufman et al.(1989)Mol.Cell Biol.9:1233−1242)が含まれる。Bドメインの欠失により、異種系において第VIII因子タンパク質産生が増加することが示されている(Toole et al.(1986)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83:5939−5942)。ヒト第VIII因子のBドメイン欠失形態(Lind et al.(1995)Eur.J.Biochem.232:19−27)は、臨床使用が承認されている。
第VIII因子調節に関するこれらの洞察にもかかわらず、商業的製造(Kaufman et al.(1997)Blood Coagul.Fibrinolysis 8 Suppl 2:S3−14)ならびにex vivo遺伝子療法(Roth,et al.(2001)N.Engl.J.Med.344:1735−1742)およびインビボ(in vivo)遺伝子療法(Chuah et al.(1995)Hum.Gene Ther.6:1363−1377)で使用される異種系における発現は、他の組換えタンパク質より非常に少ないままである。第VIII因子の発現を増大させる方法および組成物が必要である。
(発明の開示)
第VIII因子ポリペプチドの高レベル発現が可能な方法および組成物を提供する。より詳細には、本発明は、この第VIII因子ポリペプチドが高レベルで発現する改変型第VIII因子を含む核酸およびアミノ酸配列を含む方法および組成物を提供する。本発明の方法および組成物は、第VIII因子欠損症(例えば、血友病Aが含まれる)の治療で適用される。
特に、本発明の1つの実施形態は、高レベル発現によって特徴づけられる、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列と少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、または99%の配列が同一なアミノ酸配列、またはそのフラグメントを含む単離ポリペプチドを提供する。
本発明の別の実施形態では、配列番号14、16、または18に記載のヌクレオチド配列、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、および配列番号14、16、または18と少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、または99%の配列が同一なヌクレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列が高レベル発現によって特徴づけられるポリペプチドをコードする単離核酸分子を提供する。本発明の核酸分子を含む発現カセット、ベクター、および細胞をさらに提供する。
本発明の核酸分子およびポリペプチドを含む薬学的組成物も提供する。
ポリペプチドの産生方法を提供する。1つの実施形態では、その方法は、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、配列番号14、16、または18に記載の配列を含むヌクレオチド配列、配列番号14、16、または18と少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、または99%の配列が同一なヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む核酸分子を細胞に移入する工程であって、前記ヌクレオチド配列が、高レベル発現によって特徴づけられるポリペプチドをコードする工程と、ヌクレオチド配列を発現させる条件下で前記細胞を培養する工程とを含む。
第VIII因子ポリペプチドの発現レベルを増加させる方法も提供する。1つの実施形態では、その方法は、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、配列番号14、16、または18に記載の配列を含むヌクレオチド配列、配列番号14、16、または18と少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、または99%の配列が同一なヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含む核酸分子を細胞に移入する工程であって、前記ヌクレオチド配列が、高レベル発現によって特徴づけられるポリペプチドをコードする工程と、ヌクレオチド配列を発現させる条件下で前記細胞を培養する工程とを含む。
第VIII因子欠損症(例えば、血友病Aが含まれる)の治療方法も提供する。その方法は、治療有効量のポリペプチドを含む組成物を必要とする被験体に投与する工程であって、前記ポリペプチドが、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列、配列番号15、17、または19と少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、または99%の配列が同一なアミノ酸配列、またはそのフラグメントを含み、前記ポリペプチドが高レベル発現によって特徴づけられる工程を含む。
他の方法は、治療有効量の核酸分子を含む組成物の必要とする被験体への投与によって第VIII因子欠損症を治療する工程であって、前記核酸分子が、配列番号14、16、または18に記載のヌクレオチド配列、配列番号15、17、または19に記載のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、配列番号14、16、または18と少なくとも85%、90%、95%、97%、98%、または99%の配列が同一なヌクレオチド配列、またはそのフラグメントを含み、前記核酸分子が、高レベル発現によって特徴づけられるポリペプチドをコードする工程を含む。
・本発明はさらに、以下を提供し得る:
・(項目1)配列番号15、配列番号17または配列番号19に対する少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドであって、ここで当該ポリペプチドが、高レベルの発現によって特徴づけられる、単離されたポリペプチド。
・(項目2)
上記ポリペプチドが、配列番号15、配列番号17または配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含む、項目1に記載の単離されたポリペプチド。
・(項目3)
項目1に記載のポリペプチドを含む、組成物。
・(項目4)
項目2に記載のポリペプチドを含む、組成物。
・(項目5)
配列番号14、配列番号16または配列番号18に対する少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子であって、ここで当該ヌクレオチド配列が、高レベル発現によって特徴づけられるポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
・(項目6)
項目5に記載の単離された核酸分子であって、上記ヌクレオチド配列が、以下:
a) 配列番号14、配列番号16または配列番号18に記載される配列を含むヌクレオチド配列;および
b) 配列番号15、配列番号17または配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むヌクレオチド配列、
からなる群から選択される、単離された核酸分子。
・(項目7)
項目5に記載の核酸分子を含むDNA構築物。
・(項目8)
項目6に記載の核酸分子を含むDNA構築物。
・(項目9)
項目5に記載の核酸分子を含むベクター。
・(項目10)
項目6に記載の核酸分子を含むベクター。
・(項目11)
項目5に記載の核酸分子を含む細胞。
・(項目12)
項目6に記載の核酸分子を含む細胞。
・(項目13)
項目9に記載のベクターを含む細胞。
・(項目14)
項目10に記載のベクターを含む細胞。
・(項目15)
ポリペプチドを産生する方法であって、当該方法は、以下:
a) 配列番号14、配列番号16または配列番号18に対して少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子を細胞に導入する工程であって、ここで当該配列が、当該ポリペプチドをコードし、そして当該ポリペプチドが高発現によって特徴づけられる、工程;および
b) 上記ヌクレオチド配列の発現を可能にする条件下で当該細胞を培養する工程、
を包含する、方法。
・(項目16)
項目15に記載の方法であって、上記核酸分子が、以下:
a) 配列番号15、配列番号17または配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むヌクレオチド配列:
b) 配列番号14、配列番号16または配列番号18に記載される配列を含むヌクレオチド配列、
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、方法。
・(項目17)
上記ポリペプチドを単離する工程をさらに包含する、項目15に記載の方法。
・(項目18)
上記ポリペプチドを単離する工程をさらに包含する、項目16の方法。
・(項目19)
細胞における第VIII因子ポリペプチドの発現レベルを増加させる方法であって、以下:
a) 配列番号14、配列番号16または配列番号18に対して少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子を上記細胞に導入する工程であって、当該配列が上記第VIII因子ポリペプチドをコードし、当該第VIII因子ポリペプチドが高い発現によって特徴づけられる、工程;
b) 上記核酸分子の発現を可能にする条件下で当該細胞を培養する工程、
を包含する、方法。
・(項目20)
項目19に記載の方法であって、上記核酸分子が、以下:
a) 配列番号15、配列番号17または配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むヌクレオチド配列;および
b) 配列番号14、配列番号16または配列番号18に記載される配列を含むヌクレオチド配列、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、方法。
・(項目21)
上記ポリペプチドを単離する工程をさらに包含する、項目19の方法。
・(項目22)
上記ポリペプチドを単離する工程をさらに包含する、項目20の方法。
・(項目23)
第VIII因子欠乏症を処置する方法であって、当該方法は、
当該処置を必要とする被験体に、治療有効量のポリペプチドを含む組成物を投与する工程であって、ここで当該ポリペプチドは、配列番号15、配列番号17、または配列番号19に対して少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、そして当該ポリペプチドが、高レベル発現によって特徴づけられる、工程、を包含する、方法。
・(項目24)
上記ポリペプチドが配列番号15、配列番号17または配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含む、項目23に記載の方法。
・(項目25)
第VIII因子欠乏症を処置する方法であって、当該方法は、当該処置を必要とする被験体に、治療有効量の核酸分子を含む組成物を投与する工程であって、ここで当該核酸分子は、配列番号14、配列番号16または配列番号18に対して少なくとも85%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含み、ここで当該核酸分子が、高レベル発現によって特徴づけられる第VIII因子ポリペプチドをコードする、工程、を包含する、方法。
・(項目26)
項目25に記載の方法であって、ここで:上記核酸分子が、以下:
a) 配列番号14、配列番号16または配列番号18に記載される配列を含むヌクレオチド配列;および
b) 配列番号15、配列番号17または配列番号19に記載されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含むヌクレオチド配列、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、方法。
図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図1A〜1H。共にヒト(配列番号6)、ブタ(配列番号2)、およびマウス(配列番号8)の第VIII因子ポリペプチド配列の整列させたアミノ酸の配列比較を示す図である。 図2。Bドメイン欠失ヒト、ブタ、およびハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子構築物の略図である。A2ドメインとapドメインとの間の実線は、リンカー配列を示す。 図3。組換えBドメイン欠失ブタ第VIII因子タンパク質(P/OLと示す)、組換えBドメイン欠失ヒト第VIII因子タンパク質、および5つの組換えBドメイン欠失ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子タンパク質(HP1、HP30、HP44、HP46、およびHP47と示す)の異種発現を示すグラフデータである。COS−7細胞(黒塗りのバー)およびベビーハムスター腎臓由来細胞(BMK−M細胞と示す)(斜線のバー)を、各第VIII因子発現構築物およびルシフェラーゼプラスミドDNAでトランスフェクトし、無血清培地中で24時間培養した。データは、HSQと比較して、P/OL、HP44、HP47、およびHP46の発現が有意に増加したことを示す。対照的に、HP1およびHP30の発現はHSQと比較して増加しなかった。 図4。本明細書中でHP44/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号15)を示す図である。 図5A−5D。本明細書中でHP44/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号14)を示す図である。 図5A−5D。本明細書中でHP44/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号14)を示す図である。 図5A−5D。本明細書中でHP44/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号14)を示す図である。 図5A−5D。本明細書中でHP44/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号14)を示す図である。 図6。本明細書中でHP46/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号17)を示す図である。 図7A−7D。本明細書中でHP46/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を示す図である。 図7A−7D。本明細書中でHP46/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を示す図である。 図7A−7D。本明細書中でHP46/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を示す図である。 図7A−7D。本明細書中でHP46/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号16)を示す図である。 図8。本明細書中でHP47/SQと示す第VIIISEP因子のアミノ酸配列(配列番号19)を示す図である。 図9A−9D。本明細書中でHP47/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号18)を示す図である。 図9A−9D。本明細書中でHP47/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号18)を示す図である。 図9A−9D。本明細書中でHP47/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号18)を示す図である。 図9A−9D。本明細書中でHP47/SQと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号18)を示す図である。 図10A−10D。ヒト第VIII因子Bドメイン欠失ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号13)を示す図である。 図10A−10D。ヒト第VIII因子Bドメイン欠失ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号13)を示す図である。 図10A−10D。ヒト第VIII因子Bドメイン欠失ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号13)を示す図である。 図10A−10D。ヒト第VIII因子Bドメイン欠失ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号13)を示す図である。 図11A−11B。ヒト第VIII因子Bドメイン欠失ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号12)を示す図である。 図11A−11B。ヒト第VIII因子Bドメイン欠失ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号12)を示す図である。 図12。本発明の1つの可能な第VIIISEP因子改変体の略図である。HP63/OLと示す改変体は、ブタA1ドメインならびに約1690から約1804までおよび約1819から約2019までのブタアミノ酸を含む部分的ヒト化ap−A3ドメインを含む。 図13。本明細書中でHP63/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするアミノ酸配列(配列番号21)を示す図である。 図14A−14B。本明細書中でHP63/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号20)を示す図である。 図14A−14B。本明細書中でHP63/OLと示す第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号20)を示す図である。
(発明の詳細な説明)
概観
本発明は、第VIII因子ポリペプチドを高レベルで発現可能な方法および組成物を提供する。第VIII因子ポリペプチドは、以下の用語A1−A2−B−ap−A3−C1−C2を有する相同性定義(homology−defined)タンパク質ドメインを含む。本発明は、第VIII因子ポリペプチドの高レベル発現を促進する非ヒト第VIII因子ポリペプチドのドメイン内の領域を同定している。より詳細には、ブタおよびヒトの第VIII因子ポリペプチドの両方を高レベル発現させるA1およびap−A3領域ならびにその改変体およびフラグメントを含むブタ第VIII因子ポリペプチドの領域を同定した。したがって、本発明は、コードされた第VIII因子ポリペプチドを高レベルで発現する改変型第VIII因子ポリペプチドをコードする核酸およびポリペプチド配列を構築するための高レベル発現させる非ヒト第VIII因子ポリペプチド配列およびこれらの配列の活性改変体またはフラグメントを使用する方法および組成物を提供する。高レベル発現によって特徴づけられる改変型第VIII因子ポリペプチドを、本明細書中で「第VIIISEP因子」(超発現)(uper ression)という。
・「高レベル発現」は、同一条件下で発現する対応するヒト第VIII因子ポリペプチドの発現レベルと比較した場合にレベルが増加したポリペプチド産生を意図する。ポリペプチドレベルの増加(すなわち、高レベル発現)は、対応するヒト第VIII因子ポリペプチドの発現レベルと比較して少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20倍またはそれ以上の第VIIISEP因子ポリペプチド発現を含む。あるいは、対応するヒト第VIII因子と比較した場合に第VIIISEP因子の発現レベルが少なくとも1〜25倍、1〜5倍、5〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜25倍またはそれ以上のポリペプチド発現レベルの増加を含み得る。「高レベル発現」のアッセイ方法は、当該分野で慣用的であり、以下により詳細に概説する。
「対応する」第VIII因子ポリペプチドは、等価なアミノ酸配列を含む第VIII因子ポリペプチドを意図する。例えば、A1−A2−ap−A3−C1−C2ドメインを含む改変型第VIII因子ポリペプチドを高レベル発現について試験し、対応ドメインを含むヒトまたはブタの第VIII因子ポリペプチド(すなわち、A1−A2−ap−A3−C1−C2)を使用する。修正第VIII因子ポリペプチド(すなわち、A1−A2−ap−A3)のフラグメントを高レベル発現について試験する場合、対応ドメインを有するヒトまたはブタの第VIII因子ポリペプチド(すなわち、A1−A2−ap−A3)を試験する。
組成物
本発明の組成物は、高レベル発現によって特徴づけられる第VIII因子ポリペプチドをコードする核酸分子を含む。以下にさらに詳細に概説するように、ブタ第VIII因子のA1ドメイン(配列番号19のアミノ酸残基20〜391)およびブタ第VIII因子のap−A3ドメイン(配列番号19のアミノ酸1450〜1820)は、第VIII因子を高レベル発現する。したがって、本発明は、第VIIISEP因子ポリペプチドならびに高レベル発現によって特徴づけられる第VIIISEP因子ポリペプチドの活性改変体および活性フラグメントを含む方法および組成物を提供する。
特に、本発明は、配列番号15、17、または19に示すアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列およびその活性フラグメントまたは活性改変体を含む単離核酸分子を提供する。配列番号14、16、18に記載のヌクレオチド配列およびその活性フラグメントまたは活性改変体を含む単離核酸分子も提供する。本明細書中に記載の核酸によってコードされるアミノ酸配列(例えば、配列番号15、17、および19に記載のもの)ならびにその活性フラグメントおよび活性改変体を有するポリペプチドをさらに提供する。
表1は、配列番号14〜19に提供する配列の構造のまとめを提供する(表中、下付文字「P」はブタ第VIII因子由来のドメインを示し、下付文字「H」はヒト第VIII因子由来のドメインを示す)。
表1.配列構造の概要
Figure 0005162635

本発明は、単離または実質的に精製された核酸またはタンパク質組成物を含む。「単離」または「精製」核酸分子またはタンパク質またはその生物活性部分は、組換え技術によって産生された場合に他の細胞物質や培養培地を実質的に含まないか、化学合成した場合に化学的前駆体や他の化学物質を実質的に含まない。好ましくは、「単離」核酸は、核酸が由来する生物のゲノムDNA中の核酸に天然に隣接する配列(すなわち、核酸の5’および3’末端に存在する配列)(好ましくは、タンパク質コード配列)を含まない。例えば、種々の実施形態では、単離核酸分子は、核酸が由来する細胞のゲノムDNA中の核酸分子に天然に隣接するヌクレオチド配列を約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未満含み得る。細胞物質を実質的に含まないタンパク質には、約30%、20%、10%、5%(乾燥重量で)未満の夾雑タンパク質を有するタンパク質の調製物が含まれる。本発明のタンパク質またはその生物活性部分を組換え産生する場合、好ましくは、化学的前駆体または目的としないタンパク質化学物質が約30%、20%、10%、または5%(重量で)未満である。
開示の第VIIISEP因子ヌクレオチド配列およびこれによってコードされるタンパク質のフラグメントおよび改変体も本発明に含まれる。「フラグメント」は、ヌクレオチド配列の一部またはアミノ酸配列およびこれによってコードされるタンパク質の一部を意図する。ヌクレオチド配列のフラグメントは、配列番号15、17、または19に記載のポリペプチドの生物活性を保持し、それにより第VIII因子ポリペプチドの高レベル発現によって特徴づけられるタンパク質フラグメントをコードすることができる。したがって、ヌクレオチド配列のフラグメントは、少なくとも約10、約20ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、約2000ヌクレオチド、約3000ヌクレオチド、約4000ヌクレオチド、約5000ヌクレオチド、約6000ヌクレオチド、約7000ヌクレオチド、約8000ヌクレオチド、および本発明の約9000ヌクレオチドの第VIII因子ポリペプチドをコードする全長ヌクレオチド配列までの範囲であり得る。
本発明の第VIIISEP因子タンパク質の生物活性部分をコードする本発明のヌクレオチド配列のフラグメントは、少なくとも12、25、30、50、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300個、または本発明の全長第VIII因子タンパク質中に存在する全アミノ酸数まで(例えば、配列番号15、17、または19についてそれぞれ1457、1467、または1467アミノ酸)の連続アミノ酸をコードし、第VIII因子ポリペプチドを高レベルで発現する。
「改変体」は、実質的に類似の配列を意図する。ヌクレオチド配列について、保存的改変体には、遺伝コードの縮重のために本発明のポリペプチドの1つのアミノ酸配列をコードする配列が含まれる。改変体ヌクレオチド配列には、合成由来のヌクレオチド配列(例えば、部位特異的変異誘発の使用によって作製されているが、依然として高レベル発現によって特徴づけられる第VIIISEP因子タンパク質をコードするものなど)が含まれる。一般に、本発明の特定のヌクレオチド配列の改変体は、本明細書中に記載の配列アラインメントプログラムによって決定したところ、特定のヌクレオチド配列と少なくとも75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、好ましくは約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、より好ましくは約98%、99%、またはそれ以上の配列が同一である。
「改変体」タンパク質は、タンパク質のN末端および/またはC末端の1つまたは複数のアミノ酸の欠失(いわゆる、短縮)もしくは付加、タンパク質中の1つまたは複数の部位での1つまたは複数のアミノ酸の欠失もしくは付加、またはタンパク質中の1つまたは複数の部位での1つまたは複数のアミノ酸の置換による配列番号15、17、または19のポリペプチド由来のタンパク質を意図する。本発明に含まれる改変体タンパク質は生物学的に活性であるので(すなわち、配列番号15、17、または19の所望の生物活性を保有し続けている)、これらは、第VIII因子ポリペプチドを高レベル発現し続ける。このような改変体は、例えば、遺伝子多型または人為的操作に起因し得る。本発明のポリペプチドの生物活性改変体は、デフォルトパラメーターを使用した本明細書中に記載の配列アラインメントプログラムによって決定したところ、配列番号15、17、または19のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、好ましくは約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列が同一である。本発明のタンパク質の生物活性改変体は、本発明のタンパク質とわずか1〜100、1〜50、1〜25、1〜15アミノ酸残基、わずか1〜10(6〜10など)アミノ酸残基、わずか5アミノ酸残基、わずか4、3、2アミノ酸残基、またはわずか1アミノ酸残基が異なり得る。
本発明の第VIIISEP因子ポリペプチドの生物活性を、当該分野で公知の任意の方法によってアッセイすることができる。上記で考察するように、本発明の第VIIISEP因子ポリペプチドは、高レベル発現によって特徴づけられる。高レベル発現を測定するためのアッセイは当該分野で公知である。例えば、第VIIISEP因子ポリペプチドの発現レベルを、ウェスタンブロット分析またはELISAによって測定することができる。他の方法には、例えば、第VIII因子ポリペプチドを発現する細胞株の35S−メチオニンでの標識およびその後の放射性標識第VIII因子分子の免疫沈降が含まれる。あるいは、第VIIISEP因子ポリペプチドの発現レベルを、第VIII因子ポリペプチド活性の測定によってアッセイすることができる。例えば、第VIII因子発現の増加を、当該分野で公知の標準的なアッセイ(1段階凝固アッセイまたは2段階活性アッセイが含まれる)を使用した第VIII因子活性の測定によってアッセイすることができる。例えば、米国特許第6,458,561号および以下の実施例の項を参照のこと。
簡単に述べれば、凝固アッセイは、第VIII因子が血友病A患者由来の血漿の凝固時間を短縮する能力に基づく。例えば、1段階アッセイでは、0.1mlの血友病A血漿(George King Biomedical,Inc.)を、水浴中で0.1ml活性部分トロンボプラスチン試薬(APTT)(Organon Teknika)および0.01mlサンプルまたは標準(希釈したクエン酸塩加正常ヒト酸血漿からなる)と37℃で5分間インキュベートする。インキュベーション後、0.1 ml 20 mM CaClを添加し、フィブリン凝塊の形成時間を目視によって決定する。第VIII因子単位を、1mlのクエン酸塩加正常ヒト血漿中の存在量と定義する。
1段階アッセイは、血友病A血漿中で形成されたアクチベーターによる第VIII因子の内因性活性化に依存するのに対し、2段階アッセイは予め活性化した第VIII因子の凝血促進薬活性を測定する。2段階アッセイでは、トロンビンと反応した第VIII因子を含むサンプルを、予備インキュベーションを行った活性化部分トロンボプラスチンとヒト血友病A血漿との混合物に37℃で5分間添加する。得られた凝固時間を、上記のヒト検量線に基づいて単位/mlに変換する。例えば、米国特許第6,376,463を参照のこと。
本発明の第VIIISEP因子ポリペプチドを、種々の方法(アミノ酸の置換、欠失、短縮、および挿入が含まれる)で変化させることができる。このような操作方法は、一般に、当該分野で公知である。例えば、第VIIISEP因子タンパク質のアミノ酸配列改変体を、DNAの変異によって調製することができる。変異誘発法およびヌクレオチド配列を変化させる方法は、当該分野で周知である。例えば、Kunkel(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:488−492;Kunkel et al.(1987)Methods in Enzymol.154:367−382;米国特許第4,873,192;Walker and Gaastra,eds.(1983)Techniques in Molecular Biology(MacMillan Publishing Company,New York)、およびこれらで引用された文献を参照のこと。第VIIISEP因子の生物活性(すなわち、高レベル発現)に影響を与えない適切なアミノ酸置換に関するガイダンスを、Dayhoff et al.(1978)Atlas of Protein Sequence and Structure(Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,D.C.)(本明細書中で参考として援用される)のモデルに見出すことができる。保存的置換(1つのアミノ酸の類似の特性を有する別のアミノ酸との交換など)が好ましい。あるいは、第VIIISEP因子のAおよびap−Aドメイン中のブタアミノ酸数を最小にし、且つ第VIIISEP因子の高レベル発現を依然として保持し続ける方法は当該分野で公知であり、例えば、本明細書中に記載の重複伸長のスプライシングなどによる確立された部位特異的変異誘発が含まれる。明らかに、改変体をコードするDNA中で得られた変異は、読み取り枠の範囲外の配列に置かれてはならず、好ましくは、二次mRNA構造を産生し得る相補領域を作製しない。欧州特許出願公開第75,444号を参照のこと。
置換、欠失、または挿入の正確な効果をそれらに先だって予想することが困難な場合、当業者は、効果を慣用的なスクリーニングアッセイによって評価することを認識する。すなわち、本明細書中で詳細に考察されている第VIII因子ポリペプチドの高レベル発現によって活性を評価することができる。
「配列同一性」は、改変体のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の特定の連続セグメントを基準配列のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列と整列させて比較した場合に改変体配列および基準配列内に同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が見出されることを意図する。配列アラインメント法および配列間の同一性の決定方法は、当該分野で周知である。例えば、Ausubel et al.,eds.(1995)Current Protocols in Molecular Biology,Chapter 19(Greene Publishing and Wiley−Interscience,New York)およびALIGN program(Dayhoff(1978)in Atlas of Polypeptide Sequence and Structure 5:Suppl.3(National Biomedical Research Foundation,Washington,D.C.)を参照のこと。2つのヌクレオチド配列の最適なアラインメントに関して、改変体ヌクレオチド配列の連続セグメントは、基準ヌクレオチド配列に対してさらなるヌクレオチドを有するか、ヌクレオチオが欠失し得る。同様に、2つのアミノ酸配列の最適なアラインメントを目的として、改変体アミノ酸配列の連続セグメントは、基準アミノ酸配に対してさらなるアミノ酸残基を有するか、アミノ酸残基が欠失し得る。基準ヌクレオチド配列または基準アミノ酸配列との比較で使用される連続セグメントは、少なくとも20個の連続するヌクレオチドまたはアミノ酸残基を含むか、30、40、50、100、またはそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基であり得る。改変体のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列中のギャップ包含に関連する配列同一性の増加を、ギャップペナルティの割り当てによって補正することができる。配列アラインメント法は、当該分野で周知である。
2配列間の同一率を、数学アルゴリズムを使用して決定する。詳細には、本発明の目的のために、ギャップオープンペナルティ12およびギャップ伸長ペナルティ2、BLOSUM座標62を使用したアフィン6ギャップ検索を使用したSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して、アミノ酸配列の同一率を決定する。Smith−Waterman相同性検索アルゴリズムは、Smith and Waterman(1981)Adv.Appl.Math 2:482−489(本明細書中で参考として援用される)に教示されている。あるいは、本発明の目的のために、ギャップオープンペナルティ25およびギャップ伸長ペナルティ5を使用したSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムを使用して、ヌクレオチド配列の同一率を決定する。このような配列同一性の決定を、例えば、TimeLogicのDeCypher Hardware Acceleratorを使用して実施することができる。
アミノ酸同一率を考慮した場合、ポリヌクレオチド機能の性質に影響を与えない保存的アミノ酸置換の結果としていくつかのアミノ酸の位置が異なり得ることがさらに認識される。これらの例では、保存的に置換されたアミノ酸における類似性を計算するために配列同一率を上方に調整することができる。このような調整は当該分野で周知である。例えば、Meyers et al.(1988)Computer Applic.Biol.Sci.4:11−17を参照のこと。
本発明の配列の改変体は、第VIII因子ポリペプチドに高レベル発現を付与するA1およびap−A3ドメインのアミノ酸残基のみを含む第VIIISEP因子ポリペプチドをコードし得る。したがって、高レベル発現を保持することが必要な残基のみが第VIIISEP因子ポリペプチド中で保持されるようにA1およびA3ドメインを漸増的にヒト化することができる。このような方法は、当業者に公知であり、以下にもより詳細に考察する。例えば、米国特許第6,376,463号;同第6,48,563号;同第5,744,466号;同第5,888,974号;同第5,663,060号;同第5,364,771号;同第5,859,204号;および同第6,180,371号(その全てが本明細書中で参考として援用される)も参照のこと。さらに、ヒト第VIII因子 A1−A2−A3ドメインの三次元モデルを使用して、ドメインの境界から離れた領域を同定することができることが認識される。当業者は、ヒト化のための標的アミノ酸残基を同定するためにこのモデルを使用することができる。
改変体第VIIISEP因子またはそのフラグメントを、(1)単離血清由来動物サブユニットまたはヒトサブユニット(重鎖または軽鎖)と対応するヒトサブユニットまたは動物サブユニットとの置換;(2)ヒトドメインまたは動物ドメイン(A1、A2、A3、B、C1、およびC2)と対応する動物ドメインまたはヒトドメインとの置換;(3)ヒトドメインまたは動物ドメインの一部と動物ドメインまたはヒトドメインの一部との置換;(4)1つまたは複数の固有のヒトまたは動物アミノ酸を含む少なくとも1つの特異的配列と対応する動物またはヒトアミノ酸との置換;または(5)第VIII因子に対する配列同一性が知られていないアミノ酸配列とヒト、動物、または改変体第VIII因子中の1つまたは複数の特異的アミノ酸残基を含む少なくとも1つの配列またはそのフラグメントとの置換によって作製することができることが認識される。対応セグメントをコードするDNAの部位特異的変異誘発によって各アミノ酸を置換することができる。
第VIII因子分子では、本明細書中で使用される「ドメイン」は、内部アミノ酸配列の同一性およびトロンビンによるタンパク質分解性切断部位によって定義されるアミノ酸の連続配列である。特に他で明記しない限り、第VIII因子ドメインは、配列をヒトアミノ酸配列(配列番号6)と整列した場合、以下のアミノ酸残基を含む:A1、残基Ala1〜Arg372;A2、残基Ser373〜Arg740;B、残基Ser741〜Arg1648;A3、残基Ser1690〜Ile2032;C1、残基Arg2033〜Asn2172;C2、残基Ser2173〜Tyr2332。A3−C1−C2配列は、残基Ser1690〜Tyr2332を含む。残りの配列(残基Glu1649〜Arg1689)は、通常、第VIII因子軽鎖活性化ペプチドという。第VIII因子はトロンビンまたは第Xa因子によるタンパク質分解によって活性化されてvon Willebrand因子から解離し、凝血促進機能を有する第VIII因子を形成する。第VIIIa因子の生物学的機能は、第X因子活性化に対する第IXa因子の触媒有効性を桁違いに増加させることである。トロンビン活性化第VIIIa因子は、血小板または単球表面上で第IXa因子および第X因子と複合体を形成する160kDaのA1/A2/A3−C1−C2ヘテロ三量体である。本明細書中で使用される、「部分的ドメイン」は、ドメインの一部を形成するアミノ酸の連続配列である。本明細書中で使用される、ヒトまたは動物(すなわち、マウス、ブタ、イヌなど)第VIII因子の「サブユニット」は、タンパク質の重鎖および軽鎖である。第VIII因子の重鎖は、3つのドメイン(A1、A2、およびB)を含む。第VIII因子の軽鎖は、3つのドメイン(A3、C1、およびC2)も含む。本明細書中で使用される、「固有の」アミノ酸残基または配列は、他方の種の第VIII因子分子中の相同な残基または配列と異なる一方の種の第VIII因子分子中のアミノ酸配列または残基をいう。本明細書中で使用される、「哺乳動物第VIII因子」には、他で明記しない限り、任意の非ヒト哺乳動物由来のアミノ酸配列を有する第VIII因子が含まれる。本明細書中で使用される、「動物」は、ブタおよび他の非ヒト哺乳動物をいう。
最新情報では、Bドメインは阻害エピトープを含まず、且つ第VIII因子機能に対する効果も知られていないので、本発明の第VIIISEP因子変異体は、Bドメインまたはその一部を有し得る。さらに、第VIIISEP因子改変体はまた、ブタまたはヒトの第V因子由来のBドメインを有するVIII因子Bドメインを有し得る。例えば、米国特許5,004,803号を参照のこと。本明細書中で使用される、「無Bドメイン(B−domainless)」改変体第VIIISEP因子またはそのフラグメントは、Bドメインを欠く本明細書中に記載の改変体第VIIISEP因子構築物またはその一部の任意の1つをいう。
当業者は、確立された変異誘発技術によって動物またはヒト第VIII因子cDNAの各サブユニット、ドメイン、または連続部分をクローン化し、対応するヒトまたはブタのサブユニット、ドメイン、またはドメインの一部と置換し、それにより第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントが得られる技術を承知している。例えば、Lubin et al.(1994)J.Biol.Chem.269(12):8639−8641は、従来の制限部位を使用したヒトドメインのブタA2ドメインへの置換技術を記載している。一方の種の第VIII因子のcDNA領域と他方の種の第VIII因子のcDNAとの他の置換方法には、Horton et al.(1993)Meth.Enzymol 217:270−279に記載の重複伸長(「SOE」)によるスプライシングが含まれる。
DNA構築物およびベクター
第VIIISEP因子ポリペプチドまたはその活性改変体もしくはフラグメントをコードするヌクレオチド配列を、DNA構築物に含めることができる。DNA構築物は、所望の細胞型で第VIIISEP因子ポリペプチドの発現を駆動するウイルスおよび哺乳動物供給源由来の種々のエンハンサー/プロモーターを含み得る。DNA構築物は、3’調節配列ならびにDNAのサブクローニングおよび収率を促進する核酸配列をさらに含み得る。
転写プロモーターおよび(所望ならば)転写エンハンサーエレメントを、第VIII因子ポリペプチドの核酸配列に作動可能に連結させる。「プロモーター」は、核酸配列の直接転写に十分な最小DNA配列と定義する。「転写エンハンサーエレメント」は、隣接遺伝子の転写を刺激する調節DNA配列をいう。第VIII因子ポリペプチドをコードする核酸配列を、プロモーター配列に作動可能に連結される。例えば、Goeddel(1990)Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185(Academic Press,San Diego,Calif.)を参照のこと。
「作動可能に連結された」は、調節プロモーターと第VIII因子ポリペプチドをコードする核酸配列との間の機能的連結を意図する。機能的連結により、適切な転写アクチベータータンパク質が存在する場合に第VIII因子の遺伝子を発現する。
したがって、DNA構築物は、天然または外来であり得るプロモーターを含み得る。「外来」は、天然の生物中で見出されない配列を意味する。さらに、転写調節エレメントは、第VIII因子をコードするヌクレオチド配列に異種であり得る。「異種」は、第VIII因子ポリペプチドをコードする配列の上流に天然に見出されない任意のヌクレオチド配列を意図する。プロモーターは、天然の配列または合成配列であり得る。さらに、プロモーターは、構成性に活性であるか、組織特異的であるか、誘導性であり得る。組織特異的プロモーターを所与の組織中で活性化し、それにより活性化された組織中で遺伝子産物が発現する。
哺乳動物細胞での使用のために、プロモーターはウイルス由来であり得る。例えば、一般的に使用されているプロモーターは、ポリオーマ、シミアンウイルス40(SV40)、およびアデノウイルス2に由来する。アデノウイルスの主要な後期プロモーターであるので、SV40ウイルスの初期および後期プロモーターが有用である。さらに、調節配列が宿主細胞系に適合する場合、所望の遺伝子配列と正常に会合するプロモーターまたは調節配列を使用することもでき、しばしばこれが好ましい。
一定の実施形態では、第VIII因子をコードするヌクレオチド配列の細胞への移入を、DNA構築物中のマーカーの包含によってインビトロ(in vitro)またはインビボ(in vivo)で同定することができる。マーカーにより、遺伝的に形質転換された細胞を同定可能に変化させることができる。薬物選択マーカーには、例えば、ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、DHFR、GPT、ゼオシン、およびヒスチジノールが含まれる。あるいは、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(TK)などの酵素または免疫学的マーカーを使用することができる。選択マーカーのさらなる例は、当該分野で周知である。
本発明の方法で使用するDNA構築物のデザインのための複数の変更形態を想定することができることが認識される。例えば、相同または部位特異的組換え系(すなわち、CreまたはFLP組換え系)を使用した第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の挿入のための構築物をデザインすることができる。
DNA構築物は、宿主細胞に同時移入すべき少なくとも1つのさらなる遺伝子も含み得る。
本発明のヌクレオチド配列を、発現ベクターに含めることができる。「発現ベクター」は、所望の宿主細胞で自律複製するか宿主細胞ゲノムに組み込む能力を有し、且つ、例えば、適切な部位に適切な方向でベクター配列に挿入されたコードDNAを発現させる一定の周知の性質も有するしばしば環状構造のDNAエレメントである。このような特徴には、コードDNAならびにエンハンサーおよびポリアデニル化部位などの他のDNAエレメント(全て当該分野で周知)の転写開始を指示するための1つまたは複数のプロモーター配列が含まれ得るが、これらに限定されない。
他のベクター(プラスミドベクターおよび真核生物ウイルスベクターの両方が含まれる)を使用して、当業者の好みおよび判断に依存して、真核細胞中で組換え遺伝子構築物を発現することができる(例えば、Sambrook et al.,Chapter 16を参照のこと)。例えば、多数のウイルスベクターが当該分野で公知であり、例えば、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、およびアデノウイルスが含まれる。細胞への遺伝子の移入に有用な他のウイルスには、ヘルペスウイルス、ムンプスウイルス、ポリオウイルス、シンドビスウイルス、およびワクシニアウイルス(カナリア痘瘡ウイルスなど)が含まれるが、これらに限定されない。複製欠損ウイルス粒子の産生方法およびウイルスゲノムの操作方法は周知である。例えば、Rosenfeld et al.(1991)Science 252:431−434、Rosenfeld et al.(1992)Cell 68:143−155、および米国特許第5,882,877号(アデノウイルス);米国特許第5,139,941号(アデノ随伴ウイルス);米国特許第4,861,719号、米国特許第5,681,746号、およびMiller et al.(1993)Methods in Enzymology 217:581(レトロウイルス)(その全てが本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。したがって、当該分野の知識を考慮すると、第VIII因子配列の細胞への移入で使用するためのウイルスベクターを容易に構築することができる。他のベクターおよび発現系(細菌、酵母、および昆虫細胞系が含まれる)を使用することができるが、グリコシル化が異なるかこれを欠くので好ましくない。
本発明の第VIII因子ポリペプチドを、培養および組換え哺乳動物タンパク質発現で一般的に使用されている種々の細胞中で発現することができる。特に、多数のげっ歯類細胞株が巨大タンパク質の発現のための特に有用な宿主であることが見出されている。American Type Culture Collection,Rockville,Md.から利用可能な好ましい細胞株には、慣用的な手順および培地を使用して培養されるベビーハムスター腎臓細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が含まれるが、これらに限定されない。さらなる目的の細胞には、VERO、HeLa細胞、W138、COS−7、およびMDCK細胞株などの脊椎動物細胞が含まれ得る。他の適切な発現系については、chapters 16 and 17 of Sambrook et al.(1989)Molecular cloning:A Laboratory Manual(2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Plainview,N.Y.)を参照のこと。Goeddel(1990)in Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185(Academic Press,San Diego,Calif.)を参照のこと。
発現および単離の方法
本発明のDNA構築物を、標準的な方法によって細胞(原核細胞または真核細胞)に移入することができる。本明細書中で使用される、用語「形質転換」および「トランスフェクション」は、宿主細胞にDNAを移入するための認識された種々の技術をいうことを意図する。このような方法には、例えば、トランスフェクション(リポソーム−ポリブレン、DEAEデキストラン媒介トランスフェクションが含まれるが、これらに限定されない)、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、微量注入、または速度駆動微粒子銃(「遺伝子銃(biolistic)」)が含まれる。このような技術は、当業者に周知である。Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manaual(2 ed.Cold Spring Harbor Lab Press,Plainview,N.Y.)を参照のこと。あるいは、遺伝子送達体中のDNA構築物を送達させる系を使用することができる。遺伝子送達体は、ウイルス的または化学的であり得る。種々のウイルス遺伝子送達体を本発明で使用することができる。一般に、ウイルスベクターは、天然に存在するウイルス由来のウイルス粒子から構成される。天然に存在するウイルスを、複製欠損してさらなる感染性ウイルスが産生されないように遺伝的に改変されている。ウイルスベクターはまた、第VIII因子タンパク質を発現することができるDNA構築物を含む。
第VIIISEP因子ポリペプチドをコードする核酸配列を含むDNA構築物を、非ウイルス遺伝子送達体によって細胞に投与することもできる。このような化学的遺伝子送達体には、例えば、DNA−リポソーム複合体処方物またはRNA−リポソーム複合体処方物または裸のDNAが含まれる。例えば、Wang et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:7851、米国特許第.5,844,107,米国特許第.5,108,921、およびWagner et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88:4255−4259(その全てが本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
第VIIISEP因子ポリペプチドまたはその改変体もしくフラグメントの細胞への移入方法により、細胞ゲノムに安定に組み込まれるか、エピソームで一過性発現し得ることが認識される。
本明細書中で定義される、第VIIISEP因子ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは改変体をコードするDNAの「発現産物」は、基準DNAによってコードされるタンパク質の翻訳前または翻訳後修飾(グリコシル化およびタンパク質分解性切断などが含まれるが、これらに限定されない)の特徴を有する適切な宿主細胞中の基準DNAの発現から得た産物である。このような修飾が起こり、宿主細胞の型および他の要因に依存して幾らか異なり、凝血促進活性を保持した産物の分子イソ型を得ることができることが当該分野で公知である。例えば、Lind et al,(1995)Eur.J.Biochem.232:1927(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
1つの実施形態では、第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントをコードするcDNAを、ReNeoなどの哺乳動物発現ベクターに挿入する。COS−7細胞における第VIIISEP因子を含むReNeo発現ベクター中の一過性発現によって第VIIISEP因子の予備的特徴づけを行う。活性第VIIISEP因子タンパク質が発現するかどうかを決定することができる。当該分野で慣用的な方法(リポソーム媒介トランスフェクション(Lipofectin(TM),Life Technologies,Inc.)など)を使用してベビーハムスター腎臓細胞などの培養細胞を安定にトランスフェクトするために、発現ベクター構築物をさらに使用する。第VIIISEP因子タンパク質の発現を、例えば、配列決定、ノーザンブロッティングおよびウェスタンブロッティング、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって確認することができる。
タンパク質を安定に発現するトランスフェクション細胞が維持された培養培地中の第VIIISEP因子ポリペプチドまたはそのフラグメントもしくは改変体を、沈殿、ペレット化、洗浄、および適切な緩衝液への再懸濁を行うことができ、第VIIISEP因子タンパク質またはその改変体もしくはフラグメントを標準的な技術(例えば、モノクローナル抗A2−Sepharose(商標)を使用したイムノアフィニティクロマトグラフィ)によって精製する。
本明細書中で使用される、「融合タンパク質」、「融合第VIIISEP因子またはそのフラグメント」は、第1のタンパク質のコード配列を、例えば、その一部の異なる遺伝子由来の第2のタンパク質のコード配列への融合によって大規模に変化させて融合タンパク質をコードするハイブリッド遺伝子を産生するハイブリッド遺伝子産物である。
さらなる実施形態では、第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントを、例えば、安定性、分泌、検出、または単離などを強化するタンパク質またはペプチドをコードする配列が第VIII因子コード配列に隣接した位置に挿入された組換え分子から融合タンパク質として発現する。例えば、哺乳動物宿主細胞での第VIII因子を産生するための組換えDNA法およびヒト第VIII因子の精製方法を開示した米国特許第4,965,199号を参照のこと。CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞およびBHKC(ベビーハムスター腎臓細胞)におけるヒト第VIII因子の発現が報告されている。融合タンパク質調製における相同または異種発現調節配列(例えば、プロモーター、オペレーター、およびレギュレーターが含まれる)の確立された使用プロトコールは当該分野で公知であり、慣用的に使用されている。Ausubel et al.Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,N.Y,(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。発現はBドメイン部分の包含によって強化されることがさらに留意される。特に、「SQ」と呼ばれるBドメイン部分の包含(Lind et al.(1995)Eur.J.Biochem.232:1927(本明細書中で参考として援用される))により好ましい発現が得られる。「SQ」構築物は、BドメインのN末端の5アミノ酸およびBドメインのC末端の9アミノ酸以外の全てヒトBドメインを欠く。
本発明の第VIIISEP因子ポリペプチドまたはその改変体もしくはフラグメントを再構成法によって調製することができることがさらに認識される。この実施形態では、第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントを、血小板由来の第VIII因子のサブユニット、ドメイン、またはドメインの連続部分の単離およびその後の本発明の第VIIISEP因子ポリペプチドを産生するための再構築および精製によって作製する。あるいは、第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントを、組換えDNA法およびその後の再構築および精製によって作製することができる。
より詳細には、組換え法による第VIIISEP因子の調製方法を、ヒトおよび動物の第VIII因子のサブユニット(重鎖および軽鎖)の単離およびその後の重鎖および軽鎖の組換え、またはヒト軽鎖および動物重鎖の組換えを含むFay et al.(1990)J.Biol.Chem.265:6197;およびLollar et al.(1988)J.Biol.Chem.263:10451によって報告された手順の修正手順によって実施することができる。
ヒトおよび動物の各サブユニットの単離は、軽鎖/重鎖二量体の解離を含む。例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)でのカルシウムのキレート化およびその後のmonoS(商標)HPLC(Pharmacia−LKB,Piscataway,N.J.)によってこれを実施する。ハイブリッドヒト/動物第VIII因子分子を、カルシウムの存在下で単離サブユニットから再構築する。ハイブリッドヒト軽鎖/動物重鎖または動物軽鎖/ヒト重鎖第VIII因子をLollar et al.(1988)Blood 71:137−143および米国特許第6,376,463号(共に本明細書中で参考として援用される)などに記載のブタ第VIII因子の単離手順によるmonoS(商標)HPLCにより未反応重鎖から単離する。
診断アッセイ
本明細書中で使用される、「診断アッセイ」には、いくつかの様式で薬物療法の選択を補助するための試験サンプル中に存在する特定の抗体を検出および/または定量するために抗原−抗体相互作用を使用するアッセイが含まれる。当業者に公知の多数のこのようなアッセイが存在する。しかし、本明細書中で使用される、「第VIIISEP因子DNAまたはその改変体もしくはフラグメントおよびこれらから発現するタンパク質」の全体または一部を別の公知のアッセイにおいて対応する試薬に置換することができ、それにより、修正アッセイを使用して第VIII因子に対する抗体を検出および/または定量することができる。アッセイは、これらの試薬、ヒトもしくは動物の第VIII因子またはハイブリッドヒト/動物第VIII因子に対する抗体を検出するための公知のアッセイを修正する第VIIISEP因子DNA、その改変体もしくはフラグメントまたはこれらから発現されるタンパク質を使用する。本明細書中で使用される、「第VIIISEP因子またはこのタンパク質の少なくとも1つのエピトープを含むその改変体もしくはフラグメント」を診断試薬として使用することができる。
第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントのDNAまたはアミノ酸配列を、ヒトまたは動物第VIII因子に対する阻害抗体の検出のための診断試薬としてアッセイで使用することができる(例えば、ヒト第VIII因子欠損患者の血清および体液のサンプル)。これらの抗体アッセイには、ELISAアッセイ、免疫ブロット、放射性免疫アッセイ、免疫拡散アッセイ、および第VIII因子の生物活性のアッセイ(例えば、凝固アッセイによる)などのアッセイが含まれる。使用することができる第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントには、Bethesdaアッセイおよび抗凝固アッセイが含まれる。これらの試薬の調製技術およびその使用方法は、当業者に公知である。例えば、患者の血清サンプル中の阻害抗体の検出のための免疫アッセイは、試験サンプルと少なくとも1つの抗原部位を含む十分量(サンプル中で阻害抗体との検出可能な複合体の形成に十分な量)の第VIIISEP因子との反応を含み得る。
核酸およびアミノ酸プローブを、第VIIISEP因子DNAもしくはタンパク質分子またはそのフラグメントもしくは改変体の配列に基づいて調製することができる。いくつかの実施形態では、これらを市販されている色素標識、酵素標識、蛍光標識、化学発光標識、または放射性標識を使用して標識することができる。アミノ酸プローブを使用して、例えば、ヒト、動物、またはハイブリッドヒト/動物第VIII因子に対するインヒビターの存在が疑われる血清または他の体液をスクリーニングすることができる。患者中のインヒビターの標識を定量し、健常なコントロールと比較することができ、例えば、これを使用して第VIII因子欠損症患者を第VIIISEP因子またはその活性フラグメントもしくは改変体で治療することができるかどうかを決定することができる。例えば、DNAライブラリーをスクリーニングする際の調査のためにcDNAプローブが、使用され得る。
薬学的組成物
本発明は、さらに、本発明の高レベル発現第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントをコードする核酸分子およびポリペプチドを含む薬学的組成物を提供する。このような組成物は、本発明の核酸およびポリペプチドを単独かMartin et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(本明細書中で参考として援用される)に記載の公知の方法によって調製した適切な薬学的安定化化合物、送達賦形剤、および/またはキャリア賦形剤と組み合わせてを含み得る。
1つの実施形態では、静脈内注入用の好ましいキャリアまたは送達賦形剤は、生理食塩水またはリン酸緩衝化生理食塩水である。
別の実施形態では、適切な安定化化合物、送達賦形剤、およびキャリア賦形剤には、アルブミンなどの他のヒトまたは動物タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
リン脂質小胞またはリポソーム懸濁液も薬学的に許容可能なキャリアまたは送達小胞として使用することができる。当業者に公知の方法にしたがってこれらを調製することができ、第VIII因子は負電荷のリン脂質膜に結合するので、例えば、ホスファチジルセリン−ホスファチジルコリンもしくは他のリン脂質成分または共に表面を負電荷にする界面活性剤を含み得る。その後蒸発する無機溶媒への適切な脂質(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、およびコレステロールなど)の溶解およびコンテナ表面上の乾燥脂質薄膜を残すことによってリポソームを調製することができる。次いで、本発明の第VIIISEP因子の水溶液を、コンテナに導入する。次いで、コンテナを手で回転させて脂質物質をコンテナの端から遊離させ、脂質凝集体を分散させ、それによりリポソーム懸濁液を形成する。
本発明の第VIIISEP因子分子を、他の適切な安定化化合物、送達賦形剤、および/またはキャリア賦形剤(ビタミンK依存性凝固因子、組織因子、およびvon Willebrand因子(vWf)、または第VIII因子結合部位を含むvWfのフラグメント、およびスクロースなどの多糖が含まれる)と組み合わせることができる。
本発明の第VIIISEP因子分子を、レトロウイルスベクターなどの送達手段を使用した遺伝子療法によって送達することもできる。この方法は、第VIIISEP因子欠損症患者に直接移植するか第VIIISEP因子に透過性を示すが細胞に不透過性を示す移植可能デバイスに入れ、その後移植するヒト細胞への本発明の所望の第VIIISEP因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の組み込みからなる。
1つの実施形態では、方法はレトロウイルス媒介遺伝子導入である。この方法では、本発明の第VIII因子ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を改変レトロウイルスのゲノムにクローン化する。細胞によって発現されるウイルス機構によって宿主細胞のゲノムに遺伝子を挿入する。ウイルスを産生せず、宿主へのウイルス感染を回避するようにレトロウイルスベクターを改変する。この治療型の一般的原理は当業者に公知であり、文献(Kohn et al.(1989)Transfusion 29:812−820)に概説されている。
ポリペプチド分子の半減期および半減期を増加させるためにvWfに結合させた本発明の第VIIISEP因子ポリペプチドを保存することができる。さらに、第VIIISEP因子の凍結乾燥により、vWfの存在下での活性分子の収率を改良することができる。販売者によって使用されている現在のヒトおよび動物の第VIII因子の保存方法を、組換え第VIII因子の保存に使用することができる。これらの方法は、(1)部分精製状態の第VIIISEP因子の凍結乾燥(さらに精製することなく注入される第VIII因子「濃縮物」として)、(2)第VIII因子を安定化させるアルブミンの存在下でのZimmerman法および凍結乾燥による第VIIISEP因子の免疫親和性精製、(3)アルブミンの存在下での組換え第VIIISEP因子の凍結乾燥を含む。
さらに、第VIII因子ポリペプチドを、4℃の0.6M NaCl、20mM MES、および5mM CaCl(pH6.0)中で保存することができる。ポリペプチドを、最小の活性の喪失でこれらの緩衝液中で凍結して保存し、融解することもできる。
治療方法
第VIIISEP因子またはそのフラグメントおよび改変体を使用して、阻害抗体を有するか有さない血友病および阻害抗体の発生によって第VIII因子を欠損した患者における第VIII因子に起因する制御不可能な出血(例えば、動脈内出血、頭蓋内出血、または胃腸出血)を治療することができる。活性物質を静脈内投与することが好ましい。
本明細書中で使用される、「第VIII因子欠損症」には、欠陥第VIII因子の産生、第VIII因子の不適切な産生もしくは非産生、またはインヒビターによる第VIII因子の部分的もしくは完全な阻害によって生じる凝固活性の欠損が含まれる。血友病Aは、X染色体連鎖遺伝子の欠陥およびコードされる第VIII因子タンパク質の非存在または欠損に起因する第VIII因子欠損型である。
さらに、第VIIISEP因子またはそのフラグメントおよび改変体を、第VIIISEP因子を産生するように遺伝子操作した細胞の移植または上記の細胞を含むデバイスの体内移植によって投与することができる。
1つの実施形態では、単独または安定剤、送達賦形剤、および/またはキャリアと組み合わせた第VIIISEP因子またはそのフラグメントおよび改変体の薬学的組成物を、第VIIISEP因子で使用した同一の手順にしたがって患者に静脈内注入する。
このような治療を必要とする患者に投与しなければならない第VIIISEP因子組成物またはその改変体もしくはフラグメントの治療用量は、第VIII因子欠損症の重症度によって変化する。一般に、投薬レベルを、頻度、継続期間、ならびに各患者の出血エピソードの重症度および持続時間に調和する単位で調整する。したがって、第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントを、標準的な凝固アッセイによって測定したところ、出血を停止させるための治療有効量のハイブリッドを患者に送達するのに十分な量で薬学的に許容可能なキャリア、送達賦形剤、または安定剤に含める。
本明細書中で使用される、「比活性」は、ヒト第VIII因子欠損血漿の凝固欠陥を補正する活性をいう。ヒト第VIII因子欠損血漿の凝固時間を正常なヒトの血漿の凝固時間と比較する標準的なアッセイにおいて、1mgの総第VIII因子タンパク質あたりの凝固活性単位で比活性を測定する。1単位の第VIII因子活性は、1mlの正常なヒト血漿中に含まれる活性である。アッセイでは、凝固形成時間が短いほどアッセイされた第VIII因子の活性が高い。第VIII因子またはその改変体もしくはフラグメントの比活性は、血漿由来または組換えヒト第VIII因子の比活性より低いか、同等であるか、高くなり得る。
第VIII因子は、血友病A個体由来の血漿の凝固欠陥を補正する正常な血漿中に存在する物質と古典的に定義する。精製および部分精製形態の第VIIISEP因子の凝固薬のインビトロ(in vitro)活性を使用して、ヒト患者への注入のための第VIII因子の用量を計算し、これは患者の血漿から回収した活性およびインビボ(in vivo)出血欠陥の補正の信頼できる指標である。Lusher et al.New Engl.J.Med.328:453−459;Pittman et al.(1992)Blood 79:389−397;およびBrinkhous et al.(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.82:8752−8755によってインビトロ(in vitro)での新規の第VIII因子分子の標準的なアッセイとイヌ注入モデルまたはヒト患者におけるその挙動との間の矛盾は報告されていない。
血漿中の第VIIISEP因子の増加は、治療効果を得るのに十分である。「治療効果」は、第VIIISEP因子分子の投与前の被験体で認められる凝固活性を超える患者の血漿中の血液凝固活性の増加と定義する。標準的な血液凝固アッセイでは、凝固形成時間が短いほどアッセイされる第VIII因子の活性が高い。少なくとも1%またはそれ以上の第VIII因子欠損血漿中の第VIII因子の増加が治療的に有利である。
通常、第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントの投与による患者で達成されるべき所望の血漿第VIII因子レベルは、正常レベルの30〜100%の範囲である。第VIIISEP因子またはそのフラグメントもしくは改変体の1つの投与様式では、組成物を、約5〜50単位/kg体重の範囲、より好ましくは10〜50単位/kg体重の範囲、最も好ましくは20〜40単位/kg体重の範囲の好ましい投薬量で静脈内注射し、投与間隔は、約8〜24時間の範囲であり(重症血友病)、治療継続日数は、1〜10日間の範囲または出血エピソードが解消するまでである。例えば、Roberts et al.(1990)Hematology,Williams et al.ed.Ch.153,1453−1474(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。インヒビターを有する患者は、より大量の第VIIISEP因子またはその改変体もしくはフラグメントを必要とし得るか、患者はより少量の第VIIISEP因子またはそのフラグメントもしくは改変体を必要とし得る。ヒトまたはブタの第VIII因子での治療の場合、第VIIISEP因子またはフラグメントもしくは改変体の注入量を、1段階第VIII因子凝固アッセイによって決定し、選択された例では、インビボ(in vivo)回収率を注入後の患者の血漿中の第VIII因子の測定によって決定する。組成物を投与または監督する者の個別の要求および専門的判断によって任意の特定の被験体のための特定の投薬計画を長期的に調整すべきであり、本明細書中に記載の濃度範囲は例示のみを目的とし、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実務を制限することを意図しないと理解すべきである。
治療は、必要に応じて、組成物の単回静脈内投与形態または長期間にわたる定期的または連続的投与形態をとることができる。あるいは、第VIIISEP因子またはそのフラグメントもしくは改変体を、種々の時間間隔で1回または数回の投与でリポソームと共に皮下または経口投与することができる。
第VIIISEP因子またはそのフラグメントもしくは改変体を使用して、ヒト第VIII因子に対する抗体が産生された血友病患者における第VIII因子欠損症に起因する制御不可能な出血を治療することもできる。
実験
実施例1
第VIII因子の配列の特徴
ブタおよびヒトの第VIII因子を、2つのサブユニットタンパク質として血漿から単離する。重鎖および軽鎖として公知のサブユニットを共にカルシウムまたは他の2価の金属イオンを必要とする非共有結合によって保持する。第VIII因子の重鎖は、共有結合した3つのドメイン(A1、A2、およびB)を含む。第VIII因子の軽鎖は、A3、C1、およびC2と呼ばれる3つのドメインを含む。Bドメインの生物学的機能は知られておらず、第VIII因子の任意の測定可能なパラメーターを有意に変化させることなくタンパク質分解または組換えDNA技術によって除去するか部分的に除去することができる。ヒト組換え第VIII因子は、血漿第VIII因子と類似の構造および機能を有するが、哺乳動物細胞で発現しない場合にグリコシル化されない。ヒトおよびブタの活性化第VIII因子(「第VIIIa因子」)は、A1ドメインとA2ドメインとの間の重鎖の切断に起因する3つのサブユニットを有する。この構造を、A1/A2/A3−C1−C2と示す。
シグナルペプチドコード領域、A1、B、軽鎖活性ペプチド領域A3、C1、およびC2ドメインに対応するブタ第VIII因子のcDNA配列を配列番号1に示す。ブタcDNAの翻訳を、配列番号2に示す。
全長ブタ第VIII因子の推定アミノ酸配列(配列番号2)と、公開されているヒト配列(Wood et al.(1984)Nature 312:330−337)(配列番号6)およびマウス配列(Elder et al.(1993)supra)(配列番号8)を、翻訳後修飾部位、タンパク質分解的切断部位、および他の高分子による認識部位と共に図1A〜1Hに示す。
潜在的なN結合グリコシル化部位(NXS/T(Xはプロリンではない))が図1A〜1Hで認められる。以下の8つの保存N結合グリコシル化部位が存在する:A1ドメイン中に1個、A2ドメイン中に1個、Bドメイン中に4個、A3ドメイン中に1個、C1ドメイン中に1個。19AおよびCドメインのシステインは保存されているのに対して、Bドメインのシステインは異なる。第VIII因子中の7個のジスルフィド結合のうちの6個は、第V因子およびセルロプラスミン中の相同部位で見出され、両Cドメインジスルフィド結合は第V因子中に見出される(McMullen et al.(1995)Protein Sci.4:740−746)。ヒト第VIII因子は、346位、718位、719位、723位、1664位、および1680位に硫酸化チロシンを含む(Pittman et al.(1992)Biochemistry 31:3315−3325;Michnick et al.(1994)J.Biol.Chem.269:20095−20102)。これらの残基は、マウス第VIII因子およびブタ第VIII因子で保存されているが(図1)、CLUSTALWプログラムではヒト第VIII因子中のTyr346に対応するマウスチロシンをアラインメントすることができなかった。第VIII因子ポリペプチドの種々のドメインのエピトープを、図1に概説する。
実施例2
まとめ
ヒト第VIII因子の発現レベルは、インビボ(in vivo)およびインビトロ(in vitro)での異種発現系での他の凝固タンパク質レベルよりも有意に低い。組換えヒト第VIII因子の低レベル発現は、組換えタンパク注入および遺伝子治療プロトコールを使用した血友病Aの治療を制限していた。しかし、組換えBドメイン欠失ブタ第VIII因子は、インビトロ(in vitro)で組換えBドメイン欠失ヒト第VIII因子よりも10〜14倍のレベルで発現する。この性質に必要なブタ第VIII因子の配列を同定するために、ヒト配列が対応するブタ配列に置換されたBドメイン欠失ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子cDNAを産生した。これらのcDNAを、COS−7細胞に一過性にトランスフェクトするか、BHK由来の細胞に安定にトランスフェクトし、細胞外液(extracellular media)への第VIII因子の発現を1段階凝固アッセイによって測定した。1)ブタ第VIII因子のA1、A2、およびA3ドメイン並びにヒト第VIII因子のC1およびC2ドメインまたは2)ブタ第VIII因子のA1およびA3ドメインおよびヒト第VIII因子のA2、C1、およびC2ドメインを含むヒト/ブタハイブリッド第VIII因子cDNAにより、ブタ第VIII因子と類似の第VIII因子発現レベルが証明された。高レベル発現が証明されたヒト/ブタハイブリッド第VIII因子分子は、血友病Aの静脈内注入治療または体細胞遺伝子治療のための第VIII因子産生の改良に有益であり得る。
材料
ダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水、ウシ胎児血清(FBS)、ペニシリン、ストレプトマイシン、DMEM:F12、無血清AIM V培養培地、リポフェクチン、リポフェクタミン2000、およびゲネチシンを、Invitrogenから購入した。BHK−M細胞と呼ばれるベビーハムスター腎臓由来細胞(Funk et al.(1990)Biochemistry 29:1654−1660)は、University of British Columbia のDr.Ross Macgillivrayから譲渡された。RL−CMVベクターおよびDual−Luciferaseアッセイキット(Promega,Madison,Wis.)を使用してトランスフェクション効率について一過性トランスフェクションを制御した。クエン酸加第VIII因子欠損血漿およびプールしたクエン酸加正常ヒト血漿(FACT)を、George King Biomedical(Overland Park,Kans.)から購入した。活性化部分トロンボプラスチン試薬(aPTT)を、Organon Teknika(Durham,N.C.)から購入した。オリゴヌクレオチドプライマーを、Life Technologiesによって合成した。Pfu DNAポリメラーゼおよびE.coli XL−1ブルーセルを、Stratagene(La Jolla,Calif.)から購入した。
第VIII因子発現ベクターの構築
本研究における全ての第VIII因子発現ベクターは、ReNeo哺乳動物発現プラスミド中に含まれていた(Lind et al.(1995)Eur.J.Biochem.232:19−27)。第VIII因子cDNAインサートは、内因性第VIII因子5’−UTR配列を欠き、1805ntのヒト第VIII因子3’−UTRの最初の749ntを含む。
以前に記載のように(Doering et al.(2002)J.Biol.Chem.277:38345−38349)、HSQと呼ばれる(designed)ヒトBドメイン欠失第VIII因子cDNA(図2)を、哺乳動物発現ベクターReNeoへのヒト第VIII因子cDNAのクローニングによって作製した。HSQ cDNAは、A2ドメインとapドメインとの間のSFSQNPPVLKRHQR(配列番号9)リンカー配列をコードする。このリンカーは、PACE/furinフリンによる細胞内タンパク質分解プロセシングのRHQR(配列番号10)認識配列を含む(Seidah et al.(1997)Current Opinion in Biotechnology 8:602−607)。この切断事象は、一本鎖第VIII因子をヘテロ二量体に変換する(Lind et al.(1995)Eur.J.Biochem.232:19−27)。ヘテロ二量体第VIII因子を、第VIII因子の生理学的形態と見なす(Fass et al.(1982)Blood 59:594−600)。
以前に記載のように(Doering et al.(2002)J.Biol.Chem.277:38345−38349)、ブタ第VIII因子cDNAのBドメイン欠失形態を、ReNeoにライゲーションした。P/OLと呼ばれるcDNA(図2)は、PACE/furin認識のためにA2ドメインとapドメインとの間のブタ由来リンカー配列SFAQNSRPPSASAPKPPVLRRHQR(配列番号11)をコードする。
以前に記載のように(Lubin et al.(1994)J.Biol.Chem.269:8639−8641)、ブタA2ドメインおよびヒトA1、ap−A3、C1、およびC2ドメインを含むHP1と呼ばれる無Bドメイン(B−domainless)ハイブリッドヒト/ブタ第VIII因子分子を調製した。ヒト由来リンカー配列SFSQNPPVLKRHQR(配列番号9)をコードするcDNAを、スプライシング・バイ・オーバーラップ(splicing−by−overlap)伸長(SOE)変異誘発によってHP1のA2ドメインとapドメインとの間に挿入して(Horton et al.(1993)Methods Enzymol.217:270−279)、HP1/SQを得た(図2)。
以前に記載のように(Barrow et al.(2000)Blood 95:557−561)、ブタap−A3ドメインおよびヒトA1、A2、C1、およびC2ドメインを含むHP30を調製した。ブタ由来のリンカー配列SFAQNSRPPSASAPKPPVLRRHQR(配列番号11)をコードするcDNAを、SOE変異誘発によってHP30のA2ドメインとapドメインとの間に挿入して、HP30/OL(図2)を得た。
ブタA1、A2、ap−A3ドメイン、ブタ由来のリンカー配列SFAQNSRPPSASAPKPPVLRRHQR(配列番号11)、ならびにヒトC1およびC2ドメインを含むHP44/OL(図2)を、以下のように調製した。P/OL ReNeoをAvrIIで消化し、A1、A2、およびReNeo配列を含むフラグメントをゲル精製した。HP30/OLをAvrIIで消化し、ブタap−A3配列ならびにヒトC1およびC2配列を含むフラグメントをゲル精製した。以前に記載のように(Healey et al.(1998)Blood 92:3701−3709)に、産物のライゲーション、E.coli XL−1細胞の形質転換、およびプラスミド精製を行った。
ブタA1ドメインおよびヒトA2、ap−A3、C1、およびC2ドメイン、ならびにヒトSFSQNPPVLKRHQR(配列番号11)リンカー配列を含むHP46/SQ(図2)を、SOE変異誘発によって調製した。ReNeo中のP/OLおよびReNeo中のHSQを、第1ラウンドのSOE反応におけるテンプレートとして使用した。P/OL反応における5’プライマーは、第VIII因子cDNAに対して5’のReNeo配列と相補的であった。3’プライマーは、ブタA1ドメインに隣接していた。HSQ反応における5’プライマーは、第1の反応で使用した3’プライマーと部分的に相補的であった。3’プライマーは、ヒトA2配列に相補的であった。第1ラウンドの反応由来の産物のゲル精製後、第2のSOE反応を行って、第VIII因子cDNAインサートに対して5’のReNeo、ブタA1ドメイン、およびヒトA2ドメインの一部を含む産物を得た。この産物のReNeoと第VIII因子インサートとの連結点をXhoIで消化し、ヒトA2ドメインをMluIで消化し、XhoI/MluI消化HSQ/ReNeoにライゲーションした。上記のように、得られたプラスミドをE.coli XL−1ブルーセルでの形質転換によって増幅した。
ブタA1、ap−A3ドメイン、ブタ由来のリンカー配列SFAQNSRPPSASAPKPPVLRRHQR(配列番号11)、ならびにヒトA2、C1、およびC2ドメインを含むHP47/OL(図2)を以下のように調製した。ReNeo中のHP46/SQを、第VIII因子インサートに対して5側であり、且つA2−ap連結点でReNeo配列中のプラスミドを切断するAvrIIで消化した。A1およびA2ドメインを含むフラグメントをゲル精製し、AvrII消化によって産生されたReNeo中のHP30/OLのフラグメントにライゲーションした。
SOE変異誘発によって産生された配列を、ジデオキシDNA配列決定によって確認した。
COS−7細胞由来の第VIII因子の一過性発現
10%FBS、100単位/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンを補充した1mlのDMEM:F12を含む2cmウェル中で、COS−7細胞を70〜80%コンフルエントまで増殖させた。リポフェクチン2000を使用した質量比2000:1の第VIII因子プラスミド:ルシフェラーゼプラスミドDNAで細胞をトランスフェクトした。トランスフェクションから24時間後、細胞を1mlのPBSで2回リンスし、0.5mlの無血清AIMV培地を各ウェルに添加した。下記のように、細胞を24時間培養し、その後馴化培地を回収し、第VIII因子活性を測定した。
ベビーハムスター腎臓由来(BHK−M)細胞由来の第VIII因子の安定な発現 第VIII因子cDNAを含むReNeoプラスミドと共にリポフェクチンを使用してBHK−M細胞をトランスフェクトし、10%FBS、100単位/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および500μg/mlゲネチシンを含むDMEM:F12の存在下で10日間培養した。ReNeoベクターは、抗生物質ゲネチシン耐性のためのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含む。24〜72時間のゲネチシン耐性クローンを、第VIII因子産生についてスクリーニングした。最高レベルの第VIII因子活性を示した各cDNA構築物由来のクローンを、75cmフラスコに移して90〜95%コンフルエントに増殖させ、25mlの無血清AIMV培地と交換した。24時間後、馴化培地を25mlの新鮮な無血清培地AIM Vと置換し、さらに24時間培養した。各時点由来の回収培地を、下記のように第VIII因子活性についてアッセイした。
第VIII因子アッセイ
ST art Coagulation Instrument(Diagnostica Stago,Asnieres,France)を使用した1段階凝固アッセイによって、第VIII因子活性を測定した。5μlのサンプルまたは標準を50μl第VIII因子欠損血漿に添加し、その後50μlのaPTT試薬を添加し、37℃で3分間インキュベートした。50μlの20mMのCaClを添加して反応を開始し、フィブリン凝塊形成に必要な時間を粘度的に測定した。プールした正常なヒト血漿の数種の希釈物を使用して検量線を作成し、血漿希釈物の逆数の対数に対する凝固時間の直線回帰分析に供した。第VIII因子活性の決定のために、サンプルを、検量線の範囲内の濃度までHEPES緩衝化生理食塩水で希釈した。
結果
高レベル発現を付与するブタ第VIII因子中の領域を同定するために、図2に示すヒト/ブタハイブリッド第VIII因子分子を構築し、COS−7細胞およびBHK−M細胞におけるその発現レベルを測定した。COS−7細胞のトランスフェクション後、発現プラスミドはゲノムDNAに組み込まないが、エピソームDNAとして一過性に存在する。COS−7細胞由来の発現レベルは、細胞集団の平均である。図3は、4連でトランスフェクトしたCOS−7ウェルの結果を示す。HSQと比較して、P/OL、HP44、HP47、およびHP46の発現が有意に増加する。対照的に、HP1およびHP30の発現はHSQと比較して増加しなかった。
BHK−M細胞由来の第VIII因子の発現は、COS−7細胞の結果と一致した。BHK−M細胞のトランスフェクション後、ゲノムに安定に組み込まれたプラスミドDNAを含むクローンを抗生物質ゲネチシンを使用して選択した。プラスミド中に含まれるネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子を含まない細胞は、ゲネチシンの存在下で生存しない。図2に記載の構築物でのBHK−M細胞のトランスフェクションに起因する約50%のクローンは、検出可能レベルの第VIII因子を発現しなかった(データ示さず)。これは、HSQおよびP/OLを使用した以前の結果(Doering et al.(2002)J.Biol.Chem.277:38345−38349)と一致し、第VIII因子発現自体がゲネチシン選択で選択されないことによると予想される。第VIII因子産生クローンの平均発現レベルは、HSQと比較してP/OL、HP44、HP47、およびHP46で有意に高いが、HP1およびHP30構築物ではそうではなかった(データ示さず)。各第VIII因子構築物について、最高レベルの第VIII因子を産生するクローンを拡大し、無血清AIM V培地と交換した。上記結果と一致して、HP44、HP47、およびHP46の第VIII因子レベルはP/OLに類似するが、HP1およびHP30ではそうではなかった(図3)。
図3は、組換えブタ第VIII因子OLおよび組換えヒト第VIII因子SQの異種発現を示す。実験手順に記載のように、COS−7細胞(実線)を各第VIII因子発現構築物およびルシフェラーゼプラスミドDNAでトランスフェクトし、無血清培地中で24時間培養した。1段階凝固アッセイによって、馴化培地を第VIII因子活性についてアッセイした。培地回収後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ活性についてアッセイした。平均HSQレベルに正規化した第VIII因子活性:ルシフェラーゼ活性比(各サンプルについてのトランスフェクション細胞の4つのウェルの平均+/−標準偏差)としてデータを示す。示したデータは、3つの異なるCOS−7細胞培養を含む代表的実験である。BHK−M細胞細胞(斜線のバー)を、各第VIII因子発現構築物でトランスフェクトし、安定な導入遺伝子の組み込みについて選択した。各構築物の最多産生クローンを、75cmフラスコに分注し、90%を超えるコンフルエントに成長させ、PBSで2回リンスし、無血清培地中で24時間培養した。24時間後、培地を回収し、第VIII因子活性についてアッセイした。HSQ発現との比較データを示し、BHK−M細胞において2.8単位/10細胞/24時間であった。
考察
組換えBドメイン欠失ブタ第VIII因子は、組換えヒト第VIII因子よりも14倍までのレベルで発現する(Doering et al.(2002)J.Biol.Chem.277:38345−38349)。このレベルは、第VIII因子発現の以前に公開された報告よりも実質的に高い(表2)。高発現現象の機構は確立されなかった。しかし、P/OLおよびHSQ発現カセットは内因性第VIII因子5’UTR配列を含まない一方で、共にヒト第VIII因子3’UTRの(1805ntのうちの)最初の749ntを含むので、高レベル発現は翻訳配列中のヒトとブタとのBドメイン欠失第VIII因子の相違に起因する。さらに、BHK−M細胞におけるP/OLおよびHSQのmRNAレベルが相違しないので、この効果は翻訳後レベルで起こる(Doering et al.(2002)J.Biol.Chem.277:38345−38349)。
表II.第VIII因子発現についての以前の報告
Figure 0005162635

単位/ml/24時間
単位/10細胞/24時間
チャイニーズハムスター卵巣。
実施例3
本発明の第VIIISEP因子配列の改変体を作製した。例えば、HP63/OLの第VIIISEP因子を作製することができる。図12〜14を参照のこと。
阻害抗体によって認識される以下の2つの主なヒト第VIII因子エピトープを同定した:残基484〜508を境界とするセグメント中のA2ドメイン(Healey et al.(1995)J.Biol.Chem.270:14505−14509)および残基2181〜2252を境界とするセグメント中のC2ドメイン(Healey et al.(1998)Blood 92:3701−3709およびBarrow et al.(2001)Blood 97:169−174(その全てが本明細書中で参考として援用される))。配列の番号づけには、標準的な慣習にしたがった全長成熟ヒト第VIII因子を参照する(Vehar et al.(1984)Nature 312:337−342)。軽鎖活性化ペプチドap(Barrow et al.(2000)Blood 95:557−561)および残基1804〜1819を境界とする領域中のA3ドメイン(Zhong et al.(1998)Blood 92:136−142)を認識する抗体も同定されているが、これらはあまり一般的ではない(Prescott et al.(1997)Blood 89:3663−3671)。他のエピトープが時折同定されるが、これらは例外と見なされる。
ヒトA2、ap、およびC2ドメイン、ヒト配列1804〜1819ならびに約1690から1803までおよび約1820から2019まで由来のブタA1ドメインおよびブタA3配列を含むように種々の第VIIISEP因子を作製することができる。この第VIIISEP因子改変体をHP63として図12に示す。アミノ酸配列およびヌクレオチド配列を、配列番号20および21に示す。このような分子は、ヒト第VIII因子の抗原特性を有する超発現物(super−expresser)であると予想される。HP63改変体の高レベル発現活性を測定するためのアッセイを本明細書中に開示する。
表III 配列表
Figure 0005162635

添付の図面を参照して本発明を上に記載しているが、本発明の実施形態を幾らかは示すが全部は示していない。実際、これらの発明を多数の異なる形態で実施することができ、本明細書中に記載の実施形態に制限されると解釈すべきではなく、むしろ、この開示が法的必要条件を満たすようにこれらの実施形態を記載している。全体を通して、類似の数字は、類似の要素を示す。
上記説明および添付の図面に示す教示の利点を有する本明細書中に記載の多数の修正形態および他の実施形態をこれらの発明に属する当業者は認識する。したがって、本発明は開示の特定の実施形態に制限されず、修正形態および他の実施形態が添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることを意図すると理解すべきである。本明細書中で特定の用語を使用しているが、これらは一般的且つ説明的意味のみで使用し、本発明の制限を目的としない。
明細書中に記載の全ての特許および刊行物は、本発明に属する当業者のレベルを示す。全ての特許および刊行物は、各刊行物が具体的且つ個別に参考として援用されることを示す場合と同一の範囲で本明細書中で参考として援用される。
(配列表)
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Claims (7)

  1. 配列番号18に示されるポリヌクレオチド配列に対する少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む改変型第VIII因子ポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、
    該ヌクレオチド配列は、同一条件下で発現された対応するヒト第VIII因子ポリペプチドと比較した場合の高レベル発現により特徴付けられるポリペプチドをコードし、
    該ポリペプチドは、配列番号19に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、
    ここで、該ポリペプチドは、A1ドメイン、A2ドメイン、apドメイン、A3ドメイン、C1ドメイン、およびC2ドメインを含み、該A1ドメイン、apドメイン、およびA3ドメインはブタ第VIII因子に由来し、
    但し、該ポリペプチドは、配列番号1に示される配列を有さない、
    単離された核酸分子。
  2. 請求項1に記載の核酸分子を含む、DNA構築物。
  3. 請求項1に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  4. 請求項1に記載の核酸分子を含む、細胞。
  5. 請求項に記載のベクターを含む、細胞。
  6. 改変型第VIII因子ポリペプチドを産生する方法であって、該方法は、
    a)配列番号18に対して少なくとも95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む核酸分子を細胞に導入する工程であって、
    該配列は、該ポリペプチドをコードし、
    該ポリペプチドは、同一条件下で発現された対応するヒト第VIII因子ポリペプチドと比較した場合の高レベル発現により特徴付けられ、
    該ポリペプチドは、配列番号19に記載されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%同一なアミノ酸配列を含み、
    ここで、該ポリペプチドは、A1ドメイン、A2ドメイン、apドメイン、A3ドメイン、C1ドメイン、およびC2ドメインを含み、該A1ドメイン、apドメイン、およびA3ドメインがブタ第VIII因子に由来し、
    但し、該ポリペプチドは、配列番号1に示される配列を有さない、
    工程;および
    b)該ヌクレオチド配列の発現を可能にする条件下で該細胞を培養する工程、を包含する、方法。
  7. 前記ポリペプチドを単離する工程をさらに包含する、請求項に記載の方法。
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