JP4361142B2 - 白血球の内因性ペルオキシダーゼ活性に基く、新鮮並びに時間を置いた全血試料についての白血球分画計数を実施するための改良された方法と試薬組成物 - Google Patents

白血球の内因性ペルオキシダーゼ活性に基く、新鮮並びに時間を置いた全血試料についての白血球分画計数を実施するための改良された方法と試薬組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は全血試料に関する、改良された白血球(即ち、白血細胞)分画計数方法とその方法に用いられる試薬組成物とに関する。本発明の白血球分画計数法と試薬組成物とは白血球の内因性ペルオキシダーゼ活性の測定に基いている。本発明の方法と組成物とは、試料を光散乱および光吸収流通サイトメトリー(cytometry)により電子−光学的に分析する際、新鮮血液試料および、約48時間室温あるいは冷下で貯蔵された、時間をおいた試料について白血球分画計数を得ることの精度と確度とを維持する。
【0002】
【発明の背景】
全血試料中に通常見出される白血細胞即ち白血球の5つの種類とは好中球とリンパ球と単核細胞と好酸球と好塩基球とである。白血細胞のこれら5つの正常型の相対的比率を測定するため、並びに全血試料中の異常細胞の存在および濃度を検出するため、医学的診断方法は因襲的に、顕微鏡スライド上の血液の乾燥し、染色された塗抹標本の検査を実行する。この方法は白血細胞分画と称せられ、Miale, J.B., "Laboratory Medicine-Hematology", (1967), C.V. Mosby Company, St. Louis, Missouri, 822-830, 1126, 1127 および1130頁に記載されている。血液試料中の白血球の前記の5種類に加えて、白血細胞分画はまた巨大未染色細胞(large unstained cell) (“LUC”)も検出し、測定する。LUCは正常血液試料中の白血細胞の小部分を表わし、巨大リンパ細胞と活性化されたリンパ細胞と血漿細胞と芽細胞とペルオキシダーゼ陰性単核細胞と好中球と好酸球とのような細胞型を包含する。
【0003】
半自働化および完全自働化血液学方法およびそのための自働化流通システムは、Ansley等の米国特許第3,741,875号とKim の米国特許第4,099,917号とCrewins 等の米国特許第4,801,549と4,978,624号中に記載の如く、白血細胞分画と血液試料分析との負担を容易にするために開発された。その方法及びシステムは個別の細胞型を特異的に検出、同定、定量および識別するために電子−光学的および細胞化学的方法を用いる。その上、白血細胞分画のための手動の方法が技術で知られている。例えばMiale, J.B. "Laboratory Medicine-Hematology", (1967), C.V. Masby Company, St. Louis, Missouri.
【0004】
Hamaguchi 等の米国特許第5,389,549号は白血球の分類のために用いられる方法と試薬とを記載していて、その方法は高周波数での電気的インピーダンスの変化または粒子と流体媒質との間の導電率の差の検出を包含し、試薬は、一分子当りオキシエチレン繰返し単位18〜30を持つ特異型の陰イオン性並びに非イオン性ポリオキシエチレン基礎の界面活性剤と、高−あるいは低−浸透性薬剤と、溶解剤とを含有する1成分または2成分溶液を必要とする。2成分試薬は第1希釈流体と第2溶解試薬流体とを要する。
【0005】
Cremins 等の米国特許第4,801,549および4,978,624号は、より速やかに実行され、白血細胞を損うことなく全血試料中の赤血細胞を溶解し、細胞の最少限の細胞外沈澱あるいは凝集塊を起させる方法および試薬を記載している。その様な沈澱または細胞凝集塊は方法の細胞検出および識別段階において不明確さを生じさせる。記載されている方法(または“ペルオキシダーゼ法”)は白血球類を染色し、そして特別の細胞型を区別するために過酸化物(即ち過酸化水素)と適当な色原体とを包含する混合物を包含する。
【0006】
これらの方法のどれにおいても、赤血細胞が、正常血液においては約1,000倍も白血細胞に数では圧倒的であるから多くの赤血細胞を出来るだけ溶解することが絶対に必要である。この故に、1%の赤血細胞が残っていてさえ、確実な正確な白血細胞分画を達成するのが困難である。
【0007】
米国特許第4,801,549および4,978,624号に開示されているペルオキシダーゼ法においては、全血試料を、唯1つの界面活性剤と、パラホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドの様な固定剤と、糖または糖アルコールと、ほぼ中性のpHを維持するための緩衝剤とを包含する溶液と混合した後、赤血細胞を溶解し、白血細胞を橋かけさせる。過酸化水素と電子供与体色原体例えば4−クロロ−1−ナフトールとは、ある白血細胞、即ち好中球と好塩基球と単核細胞との細胞質中にあるペルオキシダーゼ陽性顆粒中に暗紫色の沈澱を形成する。沈澱は不溶性の反応生成物で、その形成は細胞内顆粒中の内因性ペルオキシダーゼ酵素により接触作用を受ける。細胞の型を区別することは、細胞の大きさと染色の度合い(即ち前方散乱対吸光度)を細胞1つずつ測定され、サイトグラムにプロットされ、それから試料中の全白血細胞数と種々の型の白血細胞の分画と両者を得るために分析するという電子−光学的分析により行われる。その上、全白血細胞数は分画とは独立して得ることができる。
【0008】
本発明により提供される改良と有利さとの以前に、アルカリ性ペルオキシダーゼ希釈剤が記載され、特にTechnicon H6000TM 自働化分析システムで行われる白血細胞分類に関するアルカリ性ペルオキシダーゼ法中に用いられていた。以前のアルカリ性ペルオキシダーゼ希釈剤は主要な欠点例えば試薬成分の不安定性とその結果として短い保存性と貯蔵性とを持っていた。その上、利用者はアルカリ性ペルオキシダーゼ法実行のためアルカリ性ペルオキシダーゼ希釈剤の均一な作業溶液を調製する必要が要求された。このことは、利用者が高水準(即ち4.5%)の硫酸ドデシルナトリウムを含有する溶液と高水準(即ち30%)のBrijTM35を含有する溶液とを一緒に混合し、それによって2つの種類の高められた濃度を持つ作業アルカリ性ペルオキシダーゼ希釈剤をもたらさなければないことにより達成されている。その様な調製は得られる均一な作業アルカリ性ペルオキシダーゼ希釈剤が僅かに1週間だけしか安定でない故に、刺激性の希釈試薬成分のみならず煩雑で何回も行わなければならなかった。後で明らかになる様に、アルカリ性ペルオキシダーゼ希釈剤の不安定性と短い貯蔵能力と利用者の取扱い問題並びにそれに関連した商業的不利はここに記載の本発明により非常に改良され、克服された。
【0009】
本発明以前、細胞分離並びに定量方法、特に白血球分画のペルオキシダーゼ法の確度と信頼度とを妨げる主要な欠点は方法においての一定しないすすぎ液残余(rinse carryover)であった。すすぎ液残余がシステムからシステムに、分析から分析に変ることは知られている。特にペルオキシダーゼ反応法に基づく白血球分画分析(differential analysis)の確度と精度とは、方法におけるそのような一定しないすすぎ液残余の影響を蒙ることがしばしばである。技術に熟達した人達はすすぎ液残余は単に容積的希釈で方法に寄与し、すすぎ液残余は方法の反応段階において活性なあるいは機能的役割を演じないと推測していた。事実、本発明の創意に富む発見までは、熟達した従集者はすすぎ液残余が血液試料分析における単なる容積的効果以上のものであり、本発明により提起され、ここに記載する問題に対して解答を持たなかったこと悟らなかった。
【0010】
更に、新鮮(即ち採血後8時間乃至それ以内)の血液試料と、また、約48時間までの間室温に貯蔵された時間をおいた血液試料とを分析し、それからの有用な臨床的情報を抽出するための改良された試薬と方法とを技術には必要としている。また一定しないすすぎ液残余により生ずる新たに記載された問題を軽減し、特に、それには限定されないが、いろいろな血液試料型、例えば新鮮全血試料と時間をおいた全血試料と、異常全血試料(例えば病院または患者源の)と、種々な方法(例えば冷下または室温で)貯蔵された正常全血試料(例えば非病院または“健康”な供給者源の)との電子−光学分析業務において確度の高い、信頼性のある結果を生む成分を包含している適当な試薬溶液と組成物とを開発することも必要である。更に、非常に安定で、長い寿命と貯蔵寿命(例えば1週間以上)を持ち、白血球分画法を実施し、それからの結果を得るための使用に先立ち、利用者または客の調製または処理を要しない試薬組成物を技術において必要としている。また自働化分析機を用いて室温貯蔵または時間をおいた血液試料に関する分画を実施する場合、得られるサイトグラム源におけるノイズの受入れられる水準を達成しそして/または維持することも必要である。
【0011】
【発明の要約】
本発明は電子−光学方法と流通式サイトメトリー(cytometry)分析とを用い、新鮮並びに時間をおいた全血試料両者における白血球を定量し、分画するための改良された試薬組成物と方法とを提供する。
【0012】
本発明の目的は、1つの方法と他との間の望ましからぬ反応成分の残余の問題を回避し、そうして白血細胞分画を達成するのに用いる方法から得られるサイトグラム中の根源(origin)ノイズと細胞汚染との受入れ難い水準なしに細胞の型の明瞭な分離と定量とを可能にする。半−並びに完全−自働化システムに用いる、最適で改良された試薬組成物と方法とを提供することである。
【0013】
更に本発明は、白血細胞分画法の反応段階において何等機能的役割を演じず、特にペルオキシダーゼ法に関して方法の反応化学に関与しないすすぎ試薬溶液を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、種々な血液試料の型例えば時間をおいた並びに新鮮な血液試料と異常および正常血液試料と冷下および室温中に貯蔵された試料について正確で確実な結果を生む自働化ペルオキシダーゼ法と試薬組成物とを提供することにある。
【0015】
本発明の尚他の目的は、吸引流通式サイトメトリーにより、全血試料中の白血細胞型を数え上げそして区別するペルオキシダーゼ法に使用の、改良された試薬組成物を提供することにある。
【0016】
本発明の尚他の目的は、自働化血液学分析と流通式サイトメトリーと共に内因性ペルオキシダーゼ染色を用いる、白血細胞分画と、全血試料の分集団分画との速くて効率的定量測定のための最適化され、改良された方法と試薬組成物とを提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、白血細胞試料中の細胞の好酸球分集団の分離を改善する試薬調製物を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は時間をおいた全血試料のペルオキシダーゼ染色を包含する、白血細胞分画法の反応段階を最適化し、方法におけるすすぎ液残余のどんな負の影響も防止するためのバランスのとれた、安定な試薬組成物を提供することにある。
【0019】
本発明の尚他の目的は、試薬組成物が便利で使用し易く、使用前に使用者または客により付加的な調製または混合を必要としない、安全で安定な試薬調製物と方法とを提供することにある。本発明の試薬組成物は安定であり、室温で長い貯蔵寿命および保存寿命(例えば1週間以上で少なくとも約1年)を維持する。他の目的は白血球分画法を能率的にし、方法の段階を実施するのに使用する必要のある試薬の数を減じることにある。
【0020】
本発明が提供する更にその上の目的および有利さは以下の詳細な説明から明らかであろう。
【0021】
【略語並びに術語】
次の略語および術語を技術に熟達した人々の便宜のために定義または説明するが、どんな方法ででも発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0022】
ここに例示する自働化分析機で実施されるようなペルオキシダーゼ法中の赤血細胞の溶解は細胞膜に穴をあけ、ヘモグロビンの多くまたは全てを細胞外に漏れ出させると定義する。得られる赤血細胞幻影(ghost)はペルオキシダーゼ法の組成物中に存在する固定剤により橋かけまたは固定される。赤血細胞幻影はサイトグラムの根源領域におけるノイズとして検出することができ、それは流通式サイトメトリーを用いる、試料中の細胞の電子−光学的検出から生ずる。
【0023】
ペルオキシダーゼは本明細書を通じて“Px”と省略される。
【0024】
ここに用いる如く、術語水性試薬組成物と試薬溶液と希釈剤とは同等である。
【0025】
R1は白血細胞分画のPx法の第1反応段階である。より詳細に説明するごとくPx法のR1段階においては、全血試料を本発明に従って処方された第1水性試薬組成物(“PxR1試薬組成物”または“ペルオキシダーゼR1試薬組成物”)と混合する。Px法のR1段階の間、試料の赤血細胞の全てあるいは多くは溶解され、白血細胞は化学的に、R1試薬組成物中に存在する固定剤により橋かけあるいは固定される。
【0026】
新鮮血液試料は採血後8時間以内の分析に用いられる血液試料である。術語“新鮮血液試料”はここで用いる如く術語“ Day1試料”と同義である。
【0027】
時間をおいた試料は採血後約48時間まで室温に貯蔵された血液試料である。術語“時間をおいた試料”はここで用いる術語“ Day2血液試料”を包含すると考える。
【0028】
【本発明の詳細な説明】
本発明は一般的に、白血細胞の特別な型の内因性ペルオキシダーゼ活性の測定に依存するペルオキシダーゼ(Px)法による白血細胞分画の測定および定量化のための改良された方法と試薬組成物とに関する。本発明は特に半自働−および自働流通式サイトメトリー分析機と、白血細胞測定と分集団測定とのためのペルオキシダーゼ法における改良とに関する。
【0029】
本発明の理解を助けるために、白血球分画の自働ペルオキシダーゼ法で起る細胞的および分子的事象の要約を提供する。ペルオキシダーゼ法の第1即ちR1段階において血液試料を水性第1試薬(R1)組成物(即ち、R1溶液または希釈剤)と混合し、その混合物を約15〜20秒間約70℃に加熱する。その間赤血細胞は溶解し、そのヘモグロビンは漏出し、得られる血色細胞幻影は固定される。白血細胞は固定化合物例えばホルムアルデヒドにより化学的に橋かけされ、あるいは固定され、残りの反応の間の溶解に対する抵抗を提供する。一般に赤血細胞は白血細胞と血小板とより容易に溶解される。しかし、溶解並びに固定は同じ試料反応混合物中に起る過程と競合する故、方法の間に用いられる条件の下で橋かけされるようになるのは赤血細胞幻影と血小板とに関しては異常なことではない。この様にして、ペルオキシダーゼ法は血液試料中の赤血細胞の溶解と白血細胞の固定との間の微妙なバランスを要求する。もしPxR1試薬組成物の溶解力が強すぎると、赤血細胞と白血細胞との両者が損障される。逆にもし固定剤の濃度が大きすぎると、細胞の全てが赤色細胞溶解が起る前に固定されることになる。それにも拘らず、白血細胞分画は、特に本発明に従って開発されたような改良されたペルオキシダーゼ法についての速さと最適な反応条件と試薬処方との点から見て、細胞の型と細胞の数との高い水準での確度の高い、信頼性のある測定で得られ、半自働−および自働血液学システムを用いて現れる迅速な試料分析が実施される。
【0030】
全血中においては赤血細胞対白血細胞の比は約1,000:1である。従って全血試料分析のための自働ペルオキシダーゼ法の最適な実施については、本質的に全ての赤色細胞は分析の早期に試料アリコート中で溶解されるべきことは明らかである。従ってR1希釈剤を用いる第1の反応においては赤色細胞溶解と白色細胞の橋かけとの間に競合がある。若し赤色細胞が元のヘモグロビンを持ったまま生き残ると、得られるサイトグラムのリンパ球域の布置の理由で、リンパ球として正しくなく検出されるので、それらは分画において妨害になるようである。しかし、血液試料アリコート中の白血細胞がペルオキシダーゼ法のR1段階の間に溶液成分により攻撃あるいは劣化されないことは至難なことである。
【0031】
ペルオキシダーゼ法のR1段階に引き続く第2反応段階(またここでは“反応2”あるいは“R2”と呼ぶ)の間、過酸化水素と電子供与体例えば4−クロロ−1−ナフトールとの基質溶液をR1反応混合物に添加する。これらの化合物は、単核細胞と好中球と好酸球とを含む“染色する”白血細胞型中に差別的に存在する内因性細胞ペルオキシダーゼの基質である。リンパ球と巨大未染色細胞(LUC)は内因性ペルオキシダーゼ酵素を含有せず、従ってその方法においては染色されない。内因性ペルオキシダーゼ酵素を含有していない、赤色細胞幻影と血小板との組合せは染色されず、全血細胞分析を包含する殆ど全ての方法について出合いそして入れられる根源ノイズに寄与してもよい。ヘモグロビンの幾らかあるいは全てが含有されている不完全に溶解された赤色細胞はPx法から生ずるサイトグラムのリンパ球域で検出され、その方法を妨害する。血小板と血小板凝集塊もまたリンパ球域で検出され、妨害の付加的な源である。
【0032】
ペルオキシダーゼ法においては、“染色”は電子供与体基質例えば4−クロロ−1−ナフトールが酸化され、細胞内に捕捉される深紫色反応生成物に重合される複雑な化学反応の結果である。細胞内の顆粒が紫色に染色され、それにより、もし顕微鏡下で検査(顕微鏡検査を用いると染色された細胞は裸眼に黒く見える)すると、細胞はペルオキシダーゼ反応混合物(“流出液”)中に観察することができる。自働血液学的分析機システム例えば商業的に商標TECHNICON H●1TM、H●2TM、H●3TMなどの下に商業的に入手でき、この発明の譲受人により販売されているH●TMシステムで例示されるものでは、検出は光吸収(紫色反応生成物による)と光散乱(細胞寸法による)との測定により電子−光学的に行われる。
【0033】
本発明は、総括的なペルオキシダーゼ法の実施を改良し、最適化するため、試薬組成物への新たに添加される成分の存在の成果として、ペルオキシダーゼ法のR1段階においての使用のための単一の新試薬組成物を提供する。その成分は溶血性の非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35である。新試薬組成物中でのイオン性界面活性剤と共にそのような非イオン性界面活性剤の存在は前記して略述したペルオキシダーゼ法の引き続く反応段階で他の試薬と共に用いて成功できる新規のPx1試薬または希釈剤を提供する。技術に熟達した人達はPx法のR1段階において界面活性剤の量並びに濃度が決定的なものであること、即ち余り多くの界面活性剤は試料中の白血細胞への攻撃を引き起し、余り少ない界面活性剤は赤血細胞を適当な方法で溶解せず、それで得られるサイトグラム中の根源ノイズの原因となることを認めるであろう。
【0034】
発明の態様において本発明の新しいR1試薬組成物は、すすぎ溶液が溶血性非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35を含有していないという条件の下で、水性すすぎ試薬を用いるすすぎのサイクルをペルオキシダーゼ法において実施する場合にうまく用いることができる。特に、本発明のR1組成物は、他の型の界面活性剤の完全な不存在の下(即ち、イオン性界面活性剤例えばSDSと非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35となしで)新しいすすぎ試薬組成物と一緒に用いることができる。
【0035】
本発明の試薬組成物は以下に与えられる説明および実施例において明らかにされる次の問題を解決する。自働分析システム例えば前記のH●TMシステムで例示されるシステムで現今実施されているペルオキシダーゼ法を実行して、ペルオキシダーゼ法の1つの試料サイクルの終りに日常的に約8μL のすすぎ溶液の残余が存在することが本発明者によって確かめられた。この一見少量のすすぎ液残余は次の試料サイクルの部分になる。この体積はどんな機能的流儀でもその方法には影響しないということがその方法を実施する人達によって簡単に認められていた。
【0036】
しかし、その様なすすぎ液残余が約10μL の体積を越すと、ペルオキシダーゼ法の性能を低下することが新たに発見された。また、すすぎ溶液中に存在する(そして、R1試薬に持ち越される)非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35は方法の低下を実際に引き起すが、イオン性界面活性剤例えばSDSはこれを引き起こさないことが、本発明者により予期せられず発見された。判り易くいい、そして更に以下で説明するように、本発明者は、ペルオキシダーゼ法に通常用いられているBrijTM35含有すすぎ液は非イオン性溶血性界面活性剤を方法のR1段階に送達することであり、BrijTM35を方法の中で機能的であるが望ましくないやり方でその方法に関与することを許すということを発見した。これらの発見の結果として、本発見者は、ペルオキシダーゼ法に用いるすすぎ液がPx法のR1段階に必要な成分(即ち非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35)を与えること、およびすすぎ液残余の体積がシステム間で変る場合、ペルオキシダーゼ法は不利に影響することを発見した。ここに説明する発見の開発に従い、本発明者はすすぎ液残余はペルオキシダーゼ法の実行に伴う単なる害のない現象ではないことを最初に認識した。
【0037】
この知識が本発明者をしてペルオキシダーゼ法のR1段階中に用いるための、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との両者を含有する前記の改良されたR1試薬組成物を設計させた。その上、本発明者は、すすぎサイクルによりその方法に用いることが出来るすすぎ液から非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35を除去することにより更に方法を改良した。その上、非溶血性の非イオン性界面活性剤例えばPluronicを含有するすすぎ溶液が、Px法における新R1試薬組成物と一緒に用いて最も適当であることを見出した。すすぎ溶液から溶血性の非イオン性界面活性質を除くことにより(あるいはすすぎ液中の唯一の界面活性剤として非溶血性のPluronicを用いることにより)、そして適当な非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との両者を含有する新しいPx1試薬組成物を処方することにより、R1試薬中の非イオン性界面活性剤を、Px法において制御された速さで最適に送達できた。また、すすぎ液残余体積の変動が新しい方法から得られる結果に影響が出来ない。その結果、改良されたR1試薬とペルオキシダーゼ法とにおいて、方法のR1段階に用いる試薬組成物中には、活性の非イオン性界面活性剤成分のみが存在し、その機能活性は赤色細胞の溶解に必要である。更に、すすぎ液を方法に用いる場合、BrijTM35を除いたすすぎ組成物(あるいは界面活性剤として非溶血性のPluronicのみを含有する)は、すすぎ溶液の有害な成分により引き起される受入れられないまたは利用できない結果が軽減されるから、ペルオキシダーゼ法で積極的に関与できるどんな界面活性剤も欠いていて最適である。
【0038】
自働血液学方法における、すすぎ液残余とそれに伴う問題の発生を更に以下で検討する。自働血液学的分析機を用いる全血試料の分析においては、分析される血液試料の全てが試薬溶液と混合され通常の水力学的通路(例えばチャンネル)を通って流れる。そのチャンネルは多量のすすぎ液の導入により各試料サイクル間で清浄あるいはすすがれる。この工程においてチャンネルは決して完全にはすすぎ液はなくならないかあるいは乾燥されない。すすぎ工程の結果としてすすぎ液は後に残り、次の試料サイクルに入る。このことはすすぎ液残余現象を説明する。
【0039】
こうして、すすぎ液残余は、ペルオキシダーゼ法を実行するのに用いるシステムにおいて、1つの試料サイクルから次の試料サイクルに一定しない量の反応成分を与えてもよいことは明らかである。これは種々なシステムを互いに他と比較した場合特に明らかである。すすぎ液残余量のシステムからシステムへの変動は鋭敏並びに著しい水準で変り得て自働分析機で実行される方法の結果に対し負に影響を与える。例えば後者の場合においては、すすぎ液残余のより余計の総体量(例えば約10μL より多い)はその方法において粗末な結果を生じさせる。前者の場合には、すすぎ液残余量におけるシステムからシステムへのより鋭敏な変動(例えばシステム間での体積例えば7.5μL 、8.0μL 、8.3μL)は各システムに対しやや不同に行われる原因になる。記載の発明までは、すすぎ液残余体積の変動のこの種の両者は不利に影響し、現行のペルオキシダーゼ分画法における問題を引き起した。
【0040】
前記に検討したごとく、本発明の以前は、変動するすすぎ液残余は単に方法を実行するのに起る寛大な体積残余であると、技術の人達により受入れられていた。しかし、ここに更に示すごとく、本発明者は残余体種の定量測定と、方法の反応成分並びに段階の分析を通して、すすぎ液残余(それがシステムからシステムへの、限定されているが種々な体積の形でより鋭敏であるがより潜行的に起るかどうか、あるいはシステムからシステムへのより劇的な体積変化として起るかどうか)は白血球の同定と定量とに関するペルオキシダーゼ法において方法に対し、単なる体積希釈以上のものを与え、現行の方法において偏向と欠点とを引き起し、そして不活発な役割というよりむしろ積極的な役割を演ずることにより方法の性能を損うことを発見した。
【0041】
特別な実施例として、方法のR1段階における活性な界面活性剤の特別な水準を超すことは、サイトグラム(図4A−4F)の好中球域に集まり、生ずる損障された好酸球により、並びに好中球の貧弱に染色された不規則の母集団により特徴づけられた、得られるサイトグラムのゆがみを引き起す。実施例5はすすぎ液残余Px法のR1段階(赤血細胞の溶解と白血細胞の橋かけとを包含する)に種々な量の非イオン性界面活性剤BrijTM35を与えることを示している。
【0042】
従って本発明はすすぎ液から界面活性剤成分を除くことにより、Px法中での、すすぎ液の界面活性剤による積極的な関与を軽減するのに成功し、方法を種々なすすぎ液残余の影響から解放した。このことは、単にPxR1試薬組成物(その送達はPx法のR1段階において制御され、一定である)中にのみであって、すすぎ溶液(すすぎ試薬成分の試料サイクルによる送達は変動され、よりよくは制御されない)中には存在しない“活性”な界面活性剤成分を持つ最終的成果のPxR1試薬組成物の新しい処方を案出することにより達成された。従って、発明は正確な結果並びに、全体的方法においての、適当な型の非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35の一定濃度をもたらす。
【0043】
本発明の試薬組成物と改良されたペルオキシダーゼ法との開発の他の目的はペルオキシダーゼ法および自働血液学的分析法を実行するのに現在使用されている種々な型のすすぎ液の数を減少させることにより自働分析機システムの設計を簡単にしようということである。若し1つのすすぎ試薬を開発し、それが多くの異なった血液分析法と自働システムに適合することが発見されると、システム設計は最終的により簡単でより経済的になるであろう。
【0044】
最も簡単なすすぎ組成物は溶血性の非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35なしで処方され得るが、単にどんな“BrijTM35もない”すすぎ溶液は未だ、ペルオキシダーゼ法での使用には受入れられないことが見出された。例えば唯SDSのみを含有する水性すすぎ溶液は、SDSが冷温で結晶化される故に、方法での使用には受入れられないことが判った。SDSの挙動は、方法のすすぎ試薬組成物またはすすぎサイクルにおいてその成分または操作性に不利な影響なしに長期間貯蔵でなければならない、水性すすぎ組成物中への使用および安定性を妨げるだろう。こうして、受入れられるすすぎ試薬の処方には発見と工夫とが必要であった。従って、本発明の1つの態様はPx法における新規の使用のために、唯非溶血性の界面活性剤Pluronicのみを含有する水性すすぎ組成物の処方である。
【0045】
以下並びに実施例において詳細に述べる如く、すすぎサイクルを実行する場合の、2界面活性剤を含有するPxR1試薬組成物並びに適当なすすぎ溶液の使用は、新鮮および時間をおいた血液試料の分析の場合、受入れられる結果を与える改良されたペルオキシダーゼ法をもたらした。反対に、在来のR1試薬組成物(即ち、非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35不存在で処方された)は、時間をおいた試料を分析する場合、高い水準の根源ノイズ形成という受入れられない結果をもたらした。新しいPxR1試薬組成物に用いられる非イオン性界面活性剤の濃度は現行のペルオキシダーゼ法におけるすすぎ液残余により、方法のR1段階に残ると発見された非イオン性界面活性剤BrijTM35の濃度に近づけた。
【0046】
本発明の改良されたPx法に従うと、時間をおいた血液試料のサイトグラムにおける根源ノイズの受入れられる水準は、PxR1反応混合物中に含まれる適当な非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35の関数であることを発見した(図1A−1Dおよび3A−3D)。溶血性界面活性剤を欠くすすぎ溶液(あるいは適当な非溶血性界面活性剤例えばPluronicを含有する)の使用は、白血球分画のペルオキシダーゼ法において時間をおいた血液試料から有用な結果を達成し、根源ノイズの受入れられる水準を生む能力において助けになることを発見した。
【0047】
新しいR1試薬組成物はペルオキシダーゼ法の好結果の実行と結果とに対し幾つかの有利さを達成している。例えば上記のごとく、水性R1試薬組成物は赤色細胞は溶解するが試料中の白色細胞母集団の分析には不利には影響しない充分な濃度で、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤の両者を含有するように処方されている。改良されている白血球分画法で使用のためのすすぎ溶液は、改良されたペルオキシダーゼ法の新規のR1希釈剤の操作性を改善することが発見された界面活性剤とは異なる非溶血性の界面活性剤を含有する。前記のすすぎ試薬と組合せてR1希釈剤試薬を用いることは、すすぎ液残余による活性界面活性剤乗換え効果と独立したペルオキシダーゼ法を提供する。かくして、すすぎ液残余は完全に除去あるいは軽減されないかもしれないが、非イオン性溶血性界面活性剤(例えばBrijTM35)のないすすぎ液の使用は、すすぎ液残余の不利なまたは有害な効果を除去し、方法の実行におけるすすぎ液残余によるシステム間の変動を取り去る。さらに、前記の如き2つの界面活性剤を含有する様に処方された、本発明の新規の試薬組成物は、室温と冷下とで少なくとも約48時間貯蔵された時間をおいた血液試料を分析する場合、分画分析(differential Analysis)の確度を維持し、並びに根源ノイズの受入れられる水準を達成するのに成功した。
【0048】
本発明に従うと、好ましくは水性の、改良された新規のR1試薬組成物は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤例えば長鎖アルキルエーテルポリエトキシラート例えばポリオキシエチレン(2−20)ラウリルとセチルとミリスチルとステアリルとオレイルエーテル例えばBrijTM35を、好ましくは炭素原子約10〜16個を持つ硫酸アルキルのアルカリ金属塩の種類のイオン性界面活性剤例えば硫酸ドデシルナトリウム(SDS)少なくとも1つと組合せた、2つの溶血性成分を含有している。PxR1試薬組成物中に用いるのに適当なイオン性界面活性剤にはまた、炭素原子約10〜16個を持つ直鎖アルキル基を持つ双性イオン性スルホベタインの種類の界面活性剤例えばテトラデシルジメチルアンモニオプロピルスルホナート即ち、TDAPSあるいはドデシルジメチルアンモニオプロパン−スルホナート即ちDDAPSを包含する。本発明のPxR1試薬混合物中に処方されている界面活性剤の組合わされた作用と適当な濃度とは、ここに記載の如く赤血細胞の適当な溶解と、溶解された赤色細胞のヘモグロビン内容物の漏洩と遺失とをもたらす。
【0049】
改良されたPx試薬組成物はまた固定あるいは橋かけ成分(例えばホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒド)と、糖または糖アルコールと、試薬のpHを中性または中性近くの範囲に維持するための緩衝剤または緩衝剤混合物と、無機塩と、もし必要または所望ならば多価金属イオンのキレート剤とを包含する。反応のR1溶解段階における温度と反応時間とを含む、改良された試薬組成物の成分と方法との全てが、方法において改良された結果を達成するためにバランスを取られ、最適になっている。本発明により提供される改良は方法の結果の臨床的有用性を改善する。
【0050】
ペルオキシダーゼ法のR1段階に用いられるこの新しい2−界面活性剤含有試薬組成物は安定で長い保存性を持っている。例えば試薬組成物の長期の耐久性試験のため、新しいR1試薬組成物を調製し、60℃で30日間貯蔵した〔即ち、当業者にとって理解できるように、室温(即ち約22−30℃)で最終的には1年またはそれ以上の間安定であることを示す、促進安定試験の条件下で貯蔵した〕。この“長期間”貯蔵試薬を前記のペルオキシダーゼ法に用いた場合、得られた結果は尚受入れられそして有用であった。
【0051】
本発明の試薬の開発と処方とにおいて、試験試薬は Day1および Day2血液試料、特に室温で時間をおいた試料を用いて調製、検査された。本発明のR1試薬組成物における非イオン性界面活性剤、特にポリエトキシラートの安定性の評価に用いられる化学的パラメーターは親水性親油性比即ちHLB値として知られている(HLB値と分子式とに関しては、Michael and Irene Ash 編集、Encyclopedia of Surfactants, Chemical Publishing Company, New York, New York, 1980およびMcCutcheon's Emulsifiers and Defergents, McCutcheon Division, MC Publishing Company, Glen Rock, New Jersey, 1987参照)。界面活性剤の界面活性はHLB値に相関する。かくして、本発明の態様に従えば、与えられた界面活性剤のHLB値は、その界面活性剤が本発明の試薬組成物の成分として適当であるかどうかの有用な予報値として役立つ。特に、以下に説明の如く適当なHLBは、少なくとも約2日間古く、室温で貯蔵された全血試料の分析と分画測定とにおける結果の改善に作用するであろうことを示している。
【0052】
本発明の他の態様に従うと、余り大きすぎる親水性を示す、約17.3〜17.5より大きいHLB値を持つ非イオン性界面活性剤を含有する様に処方されている試薬組成物は、方法の改良された実行には不適当であった。本発明の試薬組成物に用いられて適当な界面活性剤のHLB値は約8.9〜17.5、好ましくは約9.3〜17.3、より好ましくは約9.5または9.6〜16.9の範囲である。本発明の試薬組成物中の界面活性剤は、水不溶性油(即ち細胞膜からの脂質)が水性溶剤中に存在する界面活性剤ミセルにより“溶解”されている水中油型乳化適用に有用であるべきである。水性溶液中においては、ミセルは楕円形または球形であり、極性基が水溶剤に面し、疎水性の核が内部にある界面活性剤分子の集団(例えば約100分子を含有する)である(M.J. Rosen, 1978, "Surfactant and Interfacial Phenomena" Wiley and Sons Interscience Publications, New York, New York)。約9.5〜17.5のHLB値はその様な水中油型乳化における有用性を示している。前記の如く、約17.3〜17.5、特に17.3より大きいHLB値は方法の性能を改良しない。表9及び表10は自働分析機に種々な異なる界面活性剤を用いて行った本発明の白血球分画法の結果を示している(実施例7)。同様に約9.3以下のHLB値を持つ界面活性剤もまた一般的に、方法において有用ではなかった。
【0053】
炭素原子約10〜16個を持つ硫酸アルキルのアルカリ金属塩のイオン性界面活性剤類については、本発明のR1試薬組成物の好ましいアルカリ金属陽イオンはナトリウムとカリウムとリチウムとである。より好ましいのは硫酸ドデシルアルカリ金属、最も好ましいのは硫酸ドデシルナトリウムである。使用に適当な陰イオン性界面活性剤の濃度範囲の例は約0.030〜0.150g/L 、好ましくは約0.050〜0.125g/L 、より好ましくは約0.085〜0.105g/L である。また炭素原子約10〜18個を持つ陰イオン性アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムも使用に有用である。本発明の使用に適当な他の陰イオン性界面活性剤の例はN−アシル−n−アルキルタウラート(例えばR−C(O)N(R´)CH2 CH2 SO3-M+ 、ここにR=C1023−C1429;R1 =CH3 またはH;M+ =Li+ 、Na+ またはK+)である。更に、双性イオン性界面活性剤、例えば同族のC16およびC12の成員(member)、例えばTDAPS(テトラデシルジメチルアンモニオプロパンスルホナート)を含むスルホベタイン族の成員は本発明における使用に適している(実施例8)。本発明に使用できる双性イオン性界面活性剤の他の例は、コール酸誘導体例えばCHAPSO(3−〔(3−コーラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホナート)と、炭素原子約12〜16個を持つ、N−オキシドと呼ばれるアルキル N,N−ジメチル N−オキシドとである。N−オキシドの特別な、しかし非限定的例はラウリルジメチルアミン N−オキシド(LO)などである。TDAPSと類似であるがより少ない炭素原子例えばC12を持つ界面活性剤例えばDDAPS(N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホナート)もまた本発明のペルオキシダーゼ法並びに試薬に用いられてもよい。
【0054】
本発明の試薬組成物中の使用に適当な非イオン性界面活性剤の一族は(1)ポリエチレングリコールまたはポリオキシエチレンエタノールにエーテル化されている直鎖脂肪族疎水物を含むポリオキシエチレンアルキルまたはアリールエーテル(またポリエトキシラートとも呼ぶ)、例えばBrijTM35と、(2)ポリエチレングリコールにエーテル化されている分枝鎖脂肪族/芳香族(例えばオクチルフェノール)疎水物、例えばTritonXTM−100と、(3)ポリエチレングリコールにエーテル化されている直鎖脂肪族/芳香族(例えばn−ノニルフェノール)疎水物、例えばIgepalTMC0897と、(4)ポリエチレングリコールにエステル化されている直鎖脂肪族(例えばカルボン酸)疎水物、例えばMyrjTM53である。これら4つの族の中、エステル型は水性溶液中で加水分解を受け、エーテル型界面活性剤よりやや安定でないと予想される。
【0055】
第1の族の例は、それに限定する必要はないが、次のものが含まれる。
ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル(BrijTM30)、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル(BrijTM35)、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル(BrijTM52)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(BrijTM58)、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(BrijTM72)、ポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル(BrijTM76)、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル(BrijTM78)、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル(BrijTM92)、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(BrijTM96)、ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル(BrijTM98)、ポリオキシエチレン(21)ステアリルエーテル(BrijTM721)、ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル(BrijTM700)。BrijTM界面活性剤の中最も好ましいのはBrijTM35である。本発明の組成物中に使用が適しているが、ポリオキシエチエンオレイルエーテルは、分子中での、酸化に対して感受性にする二重結合の存在により、長期の貯蔵に対する安定が少ないかもしれない。最も適当な非イオン性界面活性剤は本発明に従うと前記の範囲内のHLB値を持つことになることを技術に熟達した人達により認められるだろう。第2の族の非イオン性界面活性剤の他の限定しない例にはTritonXTM−100(non-reduced 又はreduced)と、TritonTMX−114(non-reduced 又はreduced)とTritonXTM−165と、TritonXTM−305(non-reduced 又はreduced)とが含まれる。非イオン性界面活性剤は本発明の試薬組成物中に濃度約0.10〜0.20g/L 、より好ましくは濃度範囲約0.10〜0.16g/L 、最も好ましくは濃度範囲約0.12〜0.14g/L で存在すべきである。
【0056】
組成物の糖または糖アルコールにはスクロースとフルクトースとデキストロースとソルビトールとマンニトールとが含まれる。デキストロースは試薬組成物中に用いられる好ましい糖である。しかし、糖アルコール例えばソルビトールがより好ましい。糖アルコールは糖アルコールの空気酸化不能性により時間に亘りより安定な試薬溶液を与える。糖または糖アルコールは試薬組成物中理想的には約110.0〜120.0g/L 、より好ましくは113.0g/L の濃度で存在する。もしデキストロース以外の糖あるいはソルビトール以外の糖アルコールが用いられるとすれば、その量は、代りの糖または糖アルコールがデキストロースまたはソルビトースとほぼ同じ濃度で(g/L)存在する様に調節すべきである。糖または糖アルコールは試薬溶液中に存在してノイズ(即ち、赤色細胞幻影と血小板)を越えてリンパ球の検出性を増大させる。糖あるいは糖アルコールの何れも、分析の本性と必要条件とによって用いられてもよい。
【0057】
ホルムアルデヒドまたはパラアルデヒドは本発明の試薬溶液中に白血細胞用の固定剤(即ち、化学的橋かけ化合物)として用いられる。もしホルムアルデヒドが用いられるとそれはその溶液中約50〜60g/L の量で存在する。より好ましくはホルムアルデヒドは約52〜58g/L の濃度で存在する。
還元する糖例えばグルコースよりむしろ糖アルコールを用いた場合の、試薬溶液の増大する安定性は時間に亘るグルコース(糖アルコールではない)の、グルコン酸を形成する空気酸化の現象に関係する。例えばNishikido 等日本特許公報第8040,606号、Chem. Abst. 93: 22120d, (1950)および米国特許第4,801,549号参照。グルコン酸の存在は溶液のpHを低下させる。pHが本発明の範囲の外に落ちる場合は、ここに説明した如く、方法は、試料中の赤血細胞の非溶解による妨害をうける。さらに、空気酸化され得ない糖アルコールはホルムアルデヒドと化学的に結合しポリアセタールを形成してもよく、それにより、若し生成されると試薬溶液のpHをも低下させるギ酸へのホルムアルデヒドの酸化を防止する(米国特許第4,801,549号)。
【0058】
無機塩もまた試薬溶液中に含まれていてもよい。本発明中に用いるに適当な塩はアルカリ金属塩化物例えばNaClとKClとLiClとであってもよい。塩化ナトリウムNaClが好ましい塩である。その様な塩は、光散乱/吸収光学を用いるペルオキシダーゼ染色強度の差異を引き起すことにより好中球の好酸球からの識別を助けてもよい故に、随意に存在していてもよい。他のハロゲン塩(即ち、弗化物と臭化物と沃化物)は好中球のペルオキシダーゼ活性を過度に抑制し、それにより他の染色していない白血細胞(WBC)からの好中球の識別を妨げる。用いる場合、塩例えばNaClは好ましくは約6.8〜10.3mM(あるいは約0.4〜0.6g/L)の量で存在させるべきである。
【0059】
本発明で有用な緩衝剤または緩衝剤混合物は試薬溶液のpHを約6.8〜8.0、好ましくは約6.9〜7.6、より好ましくは約7.0〜7.3に維持するために適当なものである。pHが低すぎる、即ち約6.8以下の場合、赤血細胞の妨害がサイトグラム中に観察される。適当な緩衝剤にはリン酸ナトリウムまたはカリウム、マロン酸ジエチル、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、N−2−アセタミド−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)および4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジン−エタンスルホン酸(HEPES)が含まれる。Na2 HPO4(リン酸水素二ナトリウム)とNaH2 PO4(リン酸二水素ナトリウム)との混合物が好ましい。示す如く、緩衝剤はこの発明の試薬溶液中溶液のpHをほぼ中性に維持するのに適当な量存在させるべきである。例えばNa2 HPO4 とNaH2 PO4 との混合物を用いる場合、pH範囲約6.9〜7.6、好ましくは約7.0〜7.3の一連の溶液を生成させるために、その混合物は、約2.04:1〜0.81:1のNa2 HPO4 対NaH2 PO4 モル比を含有すべきである。本発明の試薬溶液中のそのような混合物の緩衝剤濃度は約75〜125mMである。約125mM以上は得られるサイトグラム中で赤血細胞妨害を引き起してもよい。
【0060】
本発明の実行に有用な試薬溶液は水性溶液で、好ましくは脱イオン水を用いる。溶液は水中で成分を混合して組合わせることにより調製する。溶液のpHが所望の範囲内にあることを確かめるため、pHに精密な監視をしつづけるべきである。技術に熟達した人達はまた、所望の試薬溶液中に他の添加物を含めてもよい。特に、金属キレート剤例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)とエチレンビス−(オキシエチレンニトリロ)−四酢酸(EGTA)とのジナトリウムまたはトリナトリウム塩は、組成物の他の成分を、多価金属イオン接触自働酸化から防護するために、試薬組成物中に約1〜5mMの濃度で含めるのは価値のあることである。EDTAに加えて、EDTAまたはEDTAのジナトリウムとトリナトリウムとテトラナトリウムを、二水和物が好ましいが、EDTAジナトリウムと共に組成物中に用いるのが適当である。例えばホルムアルデヒドとソルビトールとSDSとBrijTM35とは全て自動酸化に敏感である。多価金属イオン触媒、例えばCu+2とFe+3とは処方溶剤として用いる水中に ppb濃度でしばしば存在する("Polymer Stabilization", 1972, Ed., W.L. Hawkins, Wiley-Interscience, New York, New York)。
【0061】
ペルオキシダーゼ法のR1段階に用いる不適当な試薬組成物の共通様式を次のように例示する、33より大きいパーセント根源ノイズと、人為的に高められた白血細胞分画と、ゆがめられたパーセント好中球とパーセントリンパ球。新鮮および時間をおいた試料に対しての種々な界面活性剤を含有する多くの試薬処方物の検査およびその性能の評価に基づき、本発明の改良された試薬組成物と方法との適当な成分を決定した。
【0062】
表1は本発明の2界面活性剤含有水性試薬組成物における好ましい成分と最適濃度とを与えている。技術における人達によって、掲げられている試薬成分それぞれの濃度と範囲とは組成物または方法における使用を不利益に影響することなく、約±5〜10%逸脱してもよいことが認められよう。更に、表1に掲げられているような新しいPxR1試薬組成物の各成分については括弧内に好ましい1L 当りの量が与えられているが、限定を意図してはいない。
【0063】
【表1】
Figure 0004361142
【0064】
本発明の他の態様は方法へのすすぎサイクルの編入と適当な水性すすぎ試薬組成物の使用の結果としてのペルオキシダーゼ法の分析結果のさらなる改良に関する。改良された方法のすすぎサイクルへ用いるすすぎ試薬は、白血細胞分画のペルオキシダーゼ法を迅速に行う半自働および完全自働システム、特にTECHNICON H●1TMと●12TMと●13TMシステムなどにおいて特に有利であり、有用である。そのすすぎ試薬は、“全血試料の血液学的分析に用いる万能すすぎ試薬組成物”と題する、1995年5月16日に、これと同時に提出され、本発明の譲受人に譲渡される同時係属米国特許出願番号第08/442,363号に記載の発明の主題である。
【0065】
改良された白血球分画法に用いることができるすすぎ試薬溶液は、生理学的値に近いpHと重量モル浸透圧濃度とを、例えばpH約6.9〜7.6、好ましくはpH約7.0〜7.3と重量モル浸透圧濃度値約300mOsmol/kg を与えるための、1つまたはそれ以上の緩衝剤または化合物あるいはそれらの混合物、例えばリン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムと、微生物増殖を妨げるための抗微生物化合物と、非溶血性界面活性剤例えばpluronics 例えばP84とP85とP103とP104とP105とP123(P105はすすぎ溶液中に用いられる量で非溶解性により好ましく、分子量約3,000を持ち、約50wt% ポリオキシエチレンを包含する)と、アルカリ金属塩化物例えばNaCl、KCl、LiClなどとを包含する。適当な抗微生物剤の限定しない例にはProclin 150(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)とProclin 300(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)(Rohm & Haas)と、Germall 115(N,N´−メチレンビス〔N´−(1−ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル〕尿素)(Sutton Laboratories)と、Dowacil 200〔1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド〕(Dow Chemical)と、Bronopol(Angus Chemical Company)とが含まれる。すすぎ組成物における使用にはProclin 150が好ましい。
【0066】
水溶性酸化防止剤例えば3,3´−チオシプロピオン酸と、3,3´−ジチオ酢酸と、TroloxTM(即ち水溶性ビタミンE、Hoffman-LaRoche)と、BHT、ブチル化ヒドロキシトルエンまたは(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)と、BHA、ブチルヒドロキシアニソールまたは(2−tert−4−メトキシフェノール)と、MEHQ(p−メトキシフェノール)、あるいはそれらの混合物もまたすすぎ試薬組成物中の非溶血性界面活性剤の安定化のために用いてもよい。組成物中の使用には3,3´−チオジプロピオン酸が好ましい。すすぎ溶液の最終的な重量モル浸透圧濃度は約285〜305mOsm/kg である。
【0067】
最も簡単な処方においては、すすぎ試薬はリン酸塩緩衝剤(例えばリン酸塩緩衝食塩水、pH6.8〜7.8)とPluronic族または界面活性剤類の非イオン性で非溶血性の界面活性剤を包含していてもよい。Pluronicはポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとの、構造式(EO)x−(PO)y−(EO)xのブロック共重合体(Pluronic & Tetronic Surfactants, BASF Corporation, Parsippany, New Jersey, 1987 参照)で、プロピレンオキシドの制御された重合により、プロピレングリコール単位(PO)yを合成して形成される。Pluronicは分子量が950〜4,000g/mol で変化でき、(PO)は約20〜90wt% 包含できる故、“y”は約3〜62単位の範囲であり得る。次にEO重合鎖はポリ(PO)単位の両側に形成され、Pluronic共重合体を与える。技術の人達は、“x”はPluronic各側または終端において本質的には同じであるように、EO重合を対称的に制御できることを知っている。一般的なすすぎ組成物中の使用に適当なPluronicに関する“x”と“y”との値の非限定的な例は、“x”が1〜36単位、より好ましくは約7〜27で、“y”は好ましくは約14〜48単位である。
【0068】
すすぎ試薬中の使用に適当なPluronicは、約2,000〜4,000の分子量範囲と共に約20〜80wt%の範囲のwt%EO値を持つ。分子量約3,000〜3,600の範囲と共に約30〜70wt%範囲のwt%EO値がより好ましい。例えばPluronicP105とP85とは%EO値約50wt%、PluronicP104とP84とは約40wt%の%EO値を持つ。
【0069】
表2は、ペルオキシダーゼ法を更に改良するために用いてもよいすすぎ試薬の例示的処方を示し、最終的試薬溶液の適当で有効なpHと重量モル浸透圧濃度とを与えるための各成分の好ましい量を含んでいる。技術の人達によって、掲げられているすすぎ溶液成分の各々の濃度と範囲とは改良された方法における組成物とその使用に対し不利益に影響することなく±約5〜10%遍移してもよいことは認められるであろう。その上、前記の如く、表2に掲げられているすすぎ試薬組成物の各成分に関しては、1L 当りの好ましい量が括弧内に与えられているが、限定する意図はない。
【0070】
【表2】
Figure 0004361142
【0071】
すすぎサイクルも用いるPx法における改良された試薬の重要な有利さは、本発明の試薬組成物が、すすぎ液の界面活性剤成分が方法において望ましからぬそして受入れられない機能的役割を演ずる、一定しないすすぎ液残余に帰せられる不利な効果を除去するために設計され、最適化されているところにある。試薬処方物と方法とは、室温で2日間まで貯蔵した、時間をおいた血液試料を用い、受入れられない根源ノイズによる、結果の確度と精度と信頼性とを犠牲にすることなく、白血細胞分画の測定を可能にする。また本発明に従い処方された試薬組成物を、本発明に従うすすぎ溶液処方物と組合わせて使用すると、すすぎ溶液は、分画法のペルオキシダーゼ化学に関与することはない。
【0072】
本発明により取り囲まれた方法を実行するには、試薬溶液を分析される試料と迅速に混合し、方法のR1段階の反応混合物を形成する。均一な混合物は試薬溶液と血液試料と互いに接触した時間約5秒以内に発生させるべきである。もしその2つを速やかに、そして均一に混合させないと、赤血細胞の固定水準の不均一が起り、それは赤血細胞の溶解を妨げ、それにより方法の実施から得られる白血細胞分画(differential WBC)の確度が損われる。
【0073】
混合する時、試薬溶液と血液試料とは室温(例えば約5℃)よりやや温かである。それから反応混合物(血液試料を含んでいる)を、好ましくは、適当に高められた温度に維持されている、自働血液学的分析機の適当な室に注入することにより、急速に約62〜76℃、理想的には約70〜75℃に加熱する。反応混合物の加熱は約15秒以内、好ましくは20秒以内にすべきで、そうでないと赤血細胞の固定が起る。固定された赤色細胞は溶解せず、リンパ球として間違って検出され、それにより白血細胞分画の確度を妨害する。
【0074】
その直後、過酸化水素と適当な色原体例えば4−クロロ−1−ナフトールとを包含する染色混合物を反応混合物と混合する。染色混合物の最初の温度は室温であってもよいが、理想的には、しかし必要ではないが、ペルオキシダーゼ活性である好中球と単核細胞と好酸球とを染色するために、染色混合物を反応混合物と混合後の温度を約30秒以内、好ましくは約8〜15秒以内に、約62〜72℃、好ましくは約65〜70℃に上げる。
【0075】
実行において、反応は次の通り進行してもよい。自働血液学分析機反応室を約72℃の温度に維持する。全血12.0μL と本発明のR1試薬組成物250μL とを室温にあるシステム中に同時に注入し、それにより2つを迅速に混合し、反応混合物を形成させ、それを約30秒以内、好ましくは16秒まで温置し、その間混合物の温度を約62℃から約72℃に上げる。温置時間の終りに赤血細胞は最適に溶解され、白血細胞は固定(即ち橋かけ)される。
【0076】
その直後、色原体混合物(例えばオキシジエタノール中の4−クロロ−1−ナフトール70g/L)125μL を、過酸化水素3.0g/L 包含する過酸化水素溶液250μL と同時に注入する。両試薬は初め室温であるが、反応室の温度により、染色混合物温度は約30秒以内に約63℃から69℃に上昇され、その時間に好中球と好酸球のペルオキシダーゼ染色は完結する。反応室とシステムハードウエアは、1つの試料分析サイクルから次への試薬および溶液の残余の軽減と、反応室中の汚染試薬存在によるゆがめられた結果を避けるために、開示したすすぎ溶液ですすぐ。自働反応法に関連したその他の事項は実施例6で説明する。
【0077】
本発明の主題の試薬組成物と方法とを自働化装置を用いて説明したが、技術に熟達した人達には、本発明の内容は手動方法および半自働または完全自働法と組合わせての手動法にも適用できてもよいことは容易に明らかである。更に本発明の試薬組成物と方法とは全血を用いて説明し、白血細胞分画に帰着させた。本発明は特別に調製した血液細胞のストックカリブレーター(stock calibrator)と対照と他の溶液とを用いてもよく、校正および装置の確度維持のために商業的に役立ってもよいことは技術に熟達した人達によって認められよう。ここに用いられたように他の修飾語なしの術語“試料”はとりわけ、全血あるいは血液細胞を含有する他の溶液いずれをも包含する意図である。
【0078】
【実施例】
次の実施例は本発明を説明する。それらは発明の概念の理解を容易にするが、いかなる方法ででも本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【0079】
〔実施例1〕
非イオン性界面活性剤を含有せず、イオン性界面活性剤だけを含有する(例えばSDSだけで、BrijTM35なし)ペルオキシダーゼR1希釈試薬組成物の処方と試験
実験はペルオキシダーゼ法のR1段階での使用のための、ペルオキシダーゼ希釈溶液に対する最適処方の決定のために設計され、実施された。
【0080】
受け入れられるそして有効であるR1組成物または希釈剤を処方する最初の方法は試薬組成にイオン性界面活性剤即ち陰イオン界面活性剤SDSを含有し、非イオン性界面活性剤即ちBrijTM35の存在しない試薬溶液の調製と試験とを包含する。R1試薬溶液はSDS濃度を約0.105g/L から約0.17〜0.20g/L に増大させることに基づいて調製した。幾つかの研究は自働システムにより、処理量102個試料/時間と120個試料/時間で、高水準のSDSを含有する“試験”試薬の性能の検査を完成させた。
【0081】
特に、自働血液学分析機を用い、SDS 0.16〜0.20g/L(例えば0.16と0.17と0.18と0.19と0.20g/L)含有する試験R1試薬溶液を調製し、指示したように Day1と Day2血液試料について試験した。SDS試験R1希釈剤はBrijTM35(例えば0.0g/L)含んでいない。この実験分析に用いられた血液試料はK3 EDTA存在のVacutainerTM管に集められた。その上、この試験を行うに当り、すすぎサイクルに用いられたすすぎ溶液にはBrijTM35が含有されていない。記載の如く、非溶血性界面活性剤PluronicP105を含有するすすぎ溶液もまた用いた。これらの分析の結果は表3に呈示されていて、それは Day2血液試料に関し、全ての試験試薬によって、受入れられない結果が得られたことを示している。%好中球と%リンパ球とのパラメーターに関するデータが示されていて、すすぎ溶液がBrijTM35を濃度3.0g/L で、SDSを濃度2.0g/L で含有する標準方法と比較されている。 Day2血液試料に関しては、これら2つのパラメーターのリカバリ(recovery)はSDS 0.20g/L の標準に近似する。しかし、濃度0.16〜0.19g/L のSDSを用いると、確度はPx法の受入れられない根源ノイズのために不充分であった。特殊な試料についての反復吸引(aspiration)間の差異が判る。
【0082】
図1A−1Dにおいて示される如く、 Day1血液試料を、SDS(0.105g/L)を包含し、BrijTM35を包含しない標準ペルオキシダーゼ試薬溶液を用い、そしてBrijTM35を濃度3.0g/L と、SDSを濃度2.0g/L で包含するすすぎ溶液を使用するペルオキシダーゼ法で分析した場合、サイトグラムの結果は拡散せず、きれいに分離された細胞母集団と最低の根源ノイズとを示す(図1A参照)。図1Bは Day2血液試料についての、図1Aの結果について述べたと同じPxR1試薬溶液とすすぎ溶液とを用いた分析結果を示している。しかし、図1Aの結果と対称的に、 Day2血液試料のサイトグラムは細胞母集団の拡散とより高い根源ノイズを示した。図1Cは、唯一つのイオン性界面活性剤を、SDS 0.105g/L の形で含有するR1試験溶液を用い、リン酸塩緩衝食塩水中非溶血性界面活性剤P105を含有するすすぎ試薬溶液を用いるすすぎサイクルを含む Day2血液試料の分析結果を示す。図1Cサイトグラムの結果は根源において受入れられないノイズを示す。受入れられない根源ノイズについての同じ問題は Day2血液試料分析のために、より高い量のイオン性界面活性剤(即ち、SDS0.17g/L)を含有し、BrijTMは含有しない試験試薬溶液を用い(図1D参照)、そして図1Cで記載の同じすすぎ溶液を用いても生ずる。かくして、イオン性界面活性剤(例えば陰イオン性界面活性剤SDS)のみを含有するペルオキシダーゼR1組成物は、“BrijTMのない”すすぎ液と一緒に、記載のリンパ球分画法に用いるには次善のものであると決定された。
【0083】
【表3】
Figure 0004361142
【0084】
〔実施例2〕
非イオン性界面活性剤のみを含有し、イオン性界面活性剤を含有しない(例えば、BrijTM35のみでSDSのない)ペルオキシダーゼR1希釈試薬組成物の処方と試験
【0085】
実施例1に記載の如く、SDSだけを含有し、非イオン性界面活性剤不存在のように処方された試験R1希釈組成物に加え、イオン性界面活性剤、例えば陰イオン性界面活性剤SDS不存在の下に、非イオン性界面活性剤即ちBrijTM35のみの存在を試験するため試薬組成物も設計された。従ってBrijTM35を濃度0.0g/L と0.14g/L と0.28g/L と0.42g/L とを含有する幾つかの試験R1希釈試薬組成物が調製され、検定された。BrijTM35のみをR1希釈溶液に用いた試験分析については、すすぎサイクルに用いたすすぎ溶液は実施例1に記載の検定に用いられた非溶血性界面活性剤PluronicP105を含有する。
【0086】
種々なBrijTM35含有R1試験溶液は次の如く処方された。BrijTM35の30.0g/L 原液を蒸留水中に調製する。ペルオキシダーゼR1組成物(非イオン性界面活性剤なし)50mLアリコートには、BrijTM35原液の次の体積を添加する。最終濃度0.0g/L のBrijTM35を含有するR1希釈剤調製にはBrijTM35原液0.0mL;最終濃度0.14g/L のBrijTM35を含有するR1希釈剤調製には原液0.233mL;最終濃度0.28g/L のBrijTM35を含有するR1希釈剤調製には原液0.466mL;最終濃度0.42g/L のBrijTM35を含有するR1希釈剤調製には原液0.699mL。溶液は混合され、ポリプロピレンねじ栓試験管に貯蔵される。
【0087】
試験運転に関し、正常血液試料はVacutainerTM管中に採り、K3 EDTAにより非凝固化する。試料は開栓管様式(open tubu mode)で検定する。同じ提供者セットからの開栓されていない試料を一夜室温で貯蔵し、 day2について(即ち、 Day2試料)検定する。データは自働血液学分析機を用い手動吸引で採る。標準的運転は102試料/時であり、試験運転は120試料/時である。重複の5組を含む運転について、標準偏差SD(複数の提供者に亘ってはよくないSD)は次の式:SD=〔Sum(d2)/2N〕1/2 、ここでdは特別な試薬で得られた重複値間の差、Nはセットの試料の数、を用い、ペルオキシダーゼチャネル(channel)パラメーターについて計算する。
【0088】
表4はこれらの実験から得られた数値データの要約である。ペルオキシダーゼ法試薬1−4の性能を、ペルオキシダーゼ法の標準R1試薬(即ち、SDS濃度0.105g/L で含有する標準R1試薬)を用いた性能で比較した。 Day1血液試料分析に関しては試験試薬は一般に受入れられない結果を与える。試薬1(即ち、BrijTMもSDSも包含していないペルオキシダーゼR1試薬)については溶解されない赤色細胞により引き起されるひどい妨害の結果として分画データは得られなかった。試験PxR1試薬2〜4(即ち、試薬2:BrijTM35濃度=0.14、SDSなし;試薬3:BrijTM35濃度=0.28、SDSなし;試薬4:BrijTM35濃度=0.42g/L 、SDSなし)に関しては、方法規格と比較して、有意の数の確度と不正確の欠点(※印により示す)があった。試薬1と2と3については、パーセントノイズは高い(即ち>34%)。 Day2血液試料については、BrijTM35を包含し、SDSを包含していない試験試薬を用いると、数値データはまた受け入れられない。かくして、数値データは、BrijTM35含有のペルオキシダーゼ法R1試薬(0.14〜0.42g/L でSDSを含まず)を含めた試験試薬セットは受け入れられない性能を与えることを示している。
【0089】
【表4】
Figure 0004361142
【0090】
表4において※印は得られた値が方法を行うのに用いられた自働分析機の確度規格 ("acc spe")を越えたことを示している。“ND”は受入れられるまたは有用なデータが得られなかったことを示している。“WBCP”はペルオキシダーゼ法から測定された白血細胞数を示し、“%Neut”はパーセント好中球を示し、“%Ly”はパーセントリンパ球を示し、“%M”はパーセント単核細胞を示し、“%Eos”はパーセント好酸球を示し、“%LUC”パーセント巨大未染色細胞を示し、“%Nois”はパーセント根源ノイズを示している。実施例2で記載の、 Day1および Day2血液試料分析からのサイトグラムの代表的セットを図2A−2Jに示されている。図2A−2Eは Day1血液試料分析を表わしている。図2F−Jは Day2血液試料分析を表わしている。記載の如く、血液試料はK3 EDTAを含有するVacutainerTM管に引き取る。これらの分析に用いた試薬は次の如く得られたサイトグラムに対応する。図2A( Day1血液試料)と図2F( Day2血液試料):BrijTM35 0.12g/L とSDS 0.105g/L とを含むR1標準試薬と、図2B( Day1血液試料)と図2G( Day2血液試料):BrijTM35 0.0g/L とSDS 0.0g/L とを包含するSDSのない試験試薬と、図2C( Day1血液試料)と図2H( Day2血液試料):BrijTM35 0.14g/L とSDS 0.0g/L とを包含するSDSのない試験試薬と、図2D( Day1血液試料)と図2I( Day2血液試料):BrijTM35 0.28g/L とSDS 0.0g/L とを包含するSDSのない試験試薬と、図2E( Day1血液試料)と図2J( Day2血液試料):BrijTM35 0.42g/L とSDS0.0g/L とを包含するSDSのない試験試薬。
【0091】
Day1血液試料の分析において、BrijTM35 0.12g/L とSDS 0.105g/L とを包含するPxR1試薬組成物を用いて得られたサイトグラムは受入れられる。しかし、BrijTMもSDSも存在しない場合(例えば試薬1)、その結果は方法の全般的失敗であり、分画情報は得られなかった。サイトグラムは非常に密なノイズ領域を示し非常に少しの白血細胞しか検出しなかった(図2B)。試薬1を用いる方法の失敗は、橋かけされ、高水準の根源ノイズに寄与する多数の溶解してない赤色細胞に帰着する界面活性剤不存在に帰せられる。高ノイズ水準についての考えられる理由は、ペルオキシダーゼ基質への白色細胞の透過性増加に界面活性剤が要求されるらしいことであってもよい。界面活性剤の不存在は白血細胞内部で起る染色反応の効果的妨害であるらしい。
【0092】
試薬2(図2C)と3(図2D)と4(図2E)とは試薬1について記載と同じ受入れられないサイトグラム結果を与えた。これらの場合において、サイトグラムはリンパ球とノイズとの間に“谷”(valley)(即ち、密な地域間のきれいな地域)を示さず、散漫な細胞集団と幅広い“本体(trunk)”(即ち、ノイズとリンパ球との両方を含む大雑把にいって垂直なカラム)とを示す。BrijTM濃度が増大するに従い本体の密度は減ずるが、細胞母集団の散漫さは増大する。
【0093】
一般に Day2或は時間をおいた試料は、新鮮血液に関する対応する結果に比較して、サイトグラムの悪化を示す。そのような Day2試料の分析において細胞は、細胞の個別的母集団のサイトグラム描写はより散漫になるように漏れ易く(leaky)なる。このことは特に好中球に関して目立たせられる。 Day1試料はどうかといえば、試薬1は方法の全般的失敗を与える(図2G)。本体の密度はPxR1試薬溶液におけるBrijTM濃度増大につれて減少する傾向がある(図2H−2J)。試薬2と3と4とはサイトグラム中に谷を示さず、試薬2(図2H)と4(図2J)とを用いて得られる分画において強いゆがみが存在する。
【0094】
これらの実験の結果は、非イオン性界面活性剤、即ちBrijTM35のみを濃度0.14−0.42g/L で含有し、SDSを含有しない試験ペルオキシダーゼR1試薬組成物は、すすぎサイクルにBrijTMのないすすぎ溶液を用いた場合、受入れられない数値データとサイトグラムとを与えることを示す。同様に、実施例1で測定した如く、SDSのみ(0.16−0.20g/L)を含有し、BrijTM35を含有しないPxR1希釈剤は、BrijTMを含有しないすすぎ液(例えばBrijTMのないすすぎ液)を用いた場合、有効な試薬ではない。かくして、イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤いずれかを含有するPxR1希釈剤はPx法において受入れられる結果を与えないであろうと結論される。事実、本発見は、イオン性界面活性剤(例えばSDS)および非イオン性界面活性剤(例えばBrijTM35)の両者が、方法において確度と精度とのある結果を達成するためにはPxR1試薬組成物中に処方されなければならないことを示している。本発明はまた、その様なペルオキシダーゼR1試薬組成物は、非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35を、以下実施例3で更に詳しく記載するごとく、含有していないすすぎ溶液を包含するすすぎ試料サイクルと共に用いる場合、特に重要であるという知識と発見とを与えている。
【0095】
〔実施例3〕
非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤とを含有するペルオキシダーゼR1希釈試薬組成物の処方と試験
【0096】
第3の型のR1試薬組成物を、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との処方を、ペルオキシダーゼ組成物と方法とで試験するために調製した。2つの界面活性剤を含有するR1希釈剤処方のために、SDSを0.105g/L で含有するR1希釈組成物中に、BrijTM35を0.080g/L と0.12g/L と0.16g/L との濃度で処方した。その2界面活性剤含有試薬組成物を、白血球分画のペルオキシダーゼ法を用い、 Day1と Day2血液試料との両者の試験のために使用した。
【0097】
実験は、K3 EDTAを含有するVacutainerTM管に採られた5つの血液試料セットについてこのR1試薬処方物を試験するために行った。 Day1および Day2試料両者自働分析機を用い102個試料/時で標準試薬を使って検定更にその上、SDS 0.105g/L と、BrijTM35 0.080と0.12と0.16g/L とを含有する試験PxR1試薬を用い、120個試料/時で Day1および Day2試料を検定した。 Day2試料に関しては、試験R1試薬処方物との比較のために、標準PxR1試薬はSDS 0.105g/L 含有し、BrijTM35は含まず、そしてリン酸塩緩衝食塩水中界面活性剤PluronicP105含有すすぎ溶液と共に用いられた。
【0098】
確度あり、精度のあるデータが得られた(表5および図3A−3D)。 Day1試料については、精度と確度とは全てのペルオキシダーゼチャネル(channel)パラメーターに関し方法規格内にある。 Day2試料については、確度(対 Day1試料および標準)はSDSとBrijTM35を0.12g/L と0.16g/L で含有する試験試薬については受入れられる。SDSと0.080g/L のBrijTM35とを用いると、%好中球は確度規格外にある。前記の標準Px試薬とすすぎ液とは120個試料/時において、高められたWBCPと%リンパ球そして低められた%好中球による知られたパターンの、受入れられない確度結果を与える。
【0099】
この実験は、SDSを濃度0.105g/L 、BrijTM35を濃度0.12〜0.16g/L の範囲で含有する試験PxR1試薬溶液を用い、 Day1と Day2との試料について受入れられる精度と確度とが得られることを説明している。
【0100】
図3Aはペルオキシダーゼ法を用いる、 Day1血液試料についての白血球分画分析の受入れられる結果を描写している。図3Aに示す分析のためのR1試薬組成物は標準物で、SDS 0.105g/L 含有する。標準すすぎ試薬はBrijTM35 3.0g/L とSDS 2.0g/L とを含有する。図3Bは、PxR1試薬組成物がSDS 0.105g/L 含有し、すすぎ試薬がSDS 2.0g/L 含有し、BrijTM35を含有しない、 Day1血液試料を用いる試験Px法の実行結果を描写している。図3CはPxR1試薬組成物がSDS 0.105g/L 含有し、すすぎ試薬がSDS 2.0g/L 含有して、BrijTM35を含有しない、 Day2血液試料を用いる試験Px法の実行結果を描写している。図3Dは、PxR1試薬組成物がBrijTM35 0.12g/L とSDS 0.105g/L とを含有し、すすぎ試薬がSDSとBrijTM35とを含有しないが、その代りにここで記載(表2)され、非溶血性界面活性剤PluronicP105を包含するすすぎ試薬組成物を含有する、 Day2試料を用いる試験Px法の実行結果を描写する。図3Cと図3Dとの比較から判るように、R1試薬組成物に非イオン性界面活性剤BrijTM35が存在する場合、ノイズ領域の濃度に有意の減少がある。
【0101】
【表5】
Figure 0004361142
【0102】
図3Aと3Bとから決定されるように、 Day1血液試料に関して、イオン性界面活性剤(即ちSDS)のみを含有するPxR1試薬組成物と、BrijTMを持つあるいは持たないすすぎ試薬処方物とを用いると、根源ノイズは正常で、受入れられるものと思われる。しかし、室温で時間をおいた Day2試料を分析した場合、違った結果が観察される。その様な時間をおいた血液試料分析については、BrijTM35は包含せず、SDS 2.0g/L を包含するすすぎ試薬と組合せた、SDS 0.105g/L 包含するPxR1試薬は受入れられない根源ノイズを示すサイトグラムを作る(図3C)。興味あり、ここの発明の発見に従うと、 Day2試料についてのノイズ問題は、Px法におけるペルオキシダーゼR1試薬への非イオン性界面活性剤(例えばBrijTM35)の添加により軽減される(図3D)。更に特別には、図3Dに用いたPxR1試薬組成物はBrijTM35 0.12g/L とSDS 0.105g/L を包含し、使用したすすぎ試薬はBrijTMもSDSも含有しないが、非溶血性界面活性剤PluronicP105を含有している。それ故、ペルオキシダーゼR1試薬組成物に用いるための非イオン性およびイオン性界面活性剤の適当な濃度と、試料すすぎサイクルの最適な使用と、非溶血性界面活性剤例えばPluronicP105を、最終非イオン性界面活性剤濃度が血液試料の条件と体積とについて適当である様に包含する対応するすすぎ試薬とは、ペルオキシダーゼ分画法の実施並びにそれから得られる結果の確度と精度と容認可能性において相当な改良をもたらす。
【0103】
〔実施例4〕
試料すすぎサイクルと溶解性非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35を持たないすすぎ溶液とを採用する、Px法に使用のためのR1試薬組成物中の非イオン性界面活性剤についての最適濃度範囲の選定
【0104】
実験は典型的非イオン性界面活性剤としてBrijTM35を用い、非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35のないすすぎ液(表4)を含む試薬配置を用い、ペルオキシダーゼR1試薬組成物中の非イオン性界面活性剤についての最適の濃度範囲を選択するために行われた。
【0105】
実施データは、2つの試料セット:1)非病院試料26個と2)病院試料14個とについて、BrijTM35を最終濃度0.10と0.12と0.14g/L で用いた実験で得られた。データは、採集し、抗凝固剤としてK3 EDTAの存在するVacutainerTM管中に貯蔵した Day1と Day2試料との両者について得られた。数値データとサイトグラムとが考察される。
【0106】
BrijTM35を0.10と0.12と0.14g/L 含有するPxR1試験試薬溶液はペルオキシダーゼR1試薬混合物(界面活性剤はなし)のアリコートにBrijTM35 30g/L をそれぞれ0.085と1.02と1.19mLとを加えることにより得られる。ここに記載の非溶解性Pluronic界面活性剤を含有するすすぎ溶液を、種々なR1試験試薬セットを用いるペルオキシダーゼ法の段階の実行につづいて採用した試料すすぎサイクルに用いた。標準または対照試薬配置に関しては、非イオン性界面活性剤不存在の下で、イオン性界面活性剤SDS 0.105g/L 含有するR1希釈剤を用い、BrijTM35とSDSとの両者を包含するすすぎ試薬溶液を用いた。非病院試料は当然正常な篤志家から得られ、病院試料はWestchester County Medical Center, New York の患者から得られた。
【0107】
データは、手動の開栓管(open-tube)吸引を用いる、自働血液学分析機(例えばTECHNICON H●TMシリーズ)を用いて集めた。重複 Day1試料が各試薬セットより検定された。同じ提供者セットからの非開栓試料は室温で一夜貯蔵され、 Day2に開栓管吸引で、手動で検定された。標準運転のソフトウエアは102個試料/時(s/h)である。試験試料は120s/h で運転された。自働システムは、User's Manual 中に述べてある一般的保持指示に従い試料運転に先立って毎日洗浄された。システムの不正確さは試験試薬の評価の前後に、ソフトウエアと試薬との標準配置を用いて決定された。1つの新鮮非病院血液試料が10回吸引され、全てのCBCパラメーターについて、平均と標準偏差(SD)が決定(システムにより自働的に)された。SDは、新鮮非病院血液について、システムの不正確さの規格と比較された。この手続きはこの研究の毎日続けられた。試験法の不正確さは、次の式:SD=〔Sum(d2)/2N〕1/2 、ここにdは特別な試薬を用いて得られた重複値間の差であり、Nはセット中の試料数、を用い、ペルオキシダーゼチャネルパラメーターについてのSD(多数の提供者に亘ってのためられたSD)を計算することによりオフラインで決められた。
【0108】
白血球分画(26個の非病院試料)のペルオキシダーゼ法の結果に対するBrijTM35濃度の影響
【0109】
この実験において、26個の非病院試料を前記の標準ペルオキシダーゼR1試薬を用い、BrijTM35を0.10と0.12と0.14g/L とを含有する試験ペルオキシダーゼ法R1試薬を用いて、ペルオキシダーゼ法で試験した(表6)。 Day1血液試料については、臨床パラメーターはBrijTM35濃度に対して影響されない。パーセント単核細胞は確度規格に対し低く、パーセントノイズはBrijTM35濃度増加に従って減少する。%単核細胞を除けば、全ての他のパラメーターは確度と精度との規格を満足する。
【0110】
Day2血液試料に関し、%好酸球は標準法および全ての3つの試験法に対しての確度規格を下廻った。全ての他の臨床パラメーターは受入れ限度内にあった。%ノイズ対応は試験された Day1試料について観察されたと同じであった。このデータセットについて本質的に、BrijTM35濃度範囲0.10と0.12と0.14g/L に亘り、 Day1及び Day2試料について同じ数値データが得られた。BrijTMの0.14g/L 対0.10g/L の比較は%ノイズの減少:新鮮および時間をおいた血液についてそれぞれ13%と17%、について利益を示した。
【0111】
BrijTM35濃度変動(14個の病院試料)
この実験において病院血液試料14個の試料セットが標準ペルオキシダーゼ法試薬とBrijTM35 0.10と0.12と0.14g/L とを含有する試験PxR1試薬とを用いて試験された(表7)。 Day1と Day2との血液試料について、本質的には試験試薬全てが確度規格を満足させた。
【0112】
【表6】
Figure 0004361142
【0113】
病院並びに非病院データセットから生成したサイトグラムは、次の特性:ノイズ/リンパ球分離と、好中球とリンパ球と単核細胞と好酸球とLUCとの母集団のタイトネス(tightness)と、細胞母集団の染色強度とサイトグラム上の位置と、ノイズ帯とリンパ球帯間の浮動(floating)低しきい値の変動とに関して定性的に検査され、総体的な一般的外観を、ペルオキシダーゼ法の標準試薬を用いて、血液試料の分析から得られたサイトグラムと比較した。ペルオキシダーゼ法で検定された試料セットは Day1および Day2非病院試料(試料11個)と病院試料(試料14個)との両者を含む。
【0114】
得られたサイトグラムから推論される結論は、ペルオキシダーゼR1希釈剤中のBrijTM35の0.12g/L は細胞母集団の分離を受入れられる根源ノイズ水準とに関し、最良の総括的サイトグラムを作るということである。0.10g/L と0.14g/L とは0.12g/L より望ましくないが、両者共方法での使用について受入れられるものと思われる。 Day2試料に関し、PxR1試験希釈剤中のBrijTM35の0.10g/L はBrijTM35の0.12g/L におけるよりやや高いパーセントノイズをもたらすが(即ち、 Day1試料について16.7%に対し21.7%、そして Day2試料について17.7%に対し18.9%)、BrijTM35濃度0.1g/L は Day2血液の分析にはよりよい(即ち、細胞母集団領域がより密(tighter)である)と決められた。逆に、R1試験希釈剤中のBrijTM35の0.14g/L はこの界面活性剤の0.12g/L におけるよりやや低いパーセントノイズをもたらした(即ち、 Day1試料について、16.7%に対し、16.2%)。しかし、この界面活性剤の0.14g/L 濃度は Day2試料について僅かに悪い(即ち、BrijTM35の0.14g/L は、より高い界面活性剤濃度による、細胞母集団における散漫さを引き起す)。定性的なサイトグラムの点検の結果は数値的分析と一致する。
【0115】
【表7】
Figure 0004361142
【0116】
同類の実験からのデータは試験されたBrijTM35の5つの異なったロットが、 Day1および Day2の正常および病院血液試料について、本質的に同じ実行データを生むことを示した。従って、BrijTM35のロット対ロットへの変動がこの非イオン性界面活性剤含有の試薬生成についての問題であることは予期されない。組合わされた数値結果とサイトグラムに基づき、ペルオキシダーゼR1試薬組成物中のBrijTM35の最適濃度範囲は約0.10〜0.15g/L 、より好ましくは約0.11〜0.13g/L であると選択された。試薬組成物中の非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35の濃度は、熟達した従事者により、分画法を行うのに採用される血液学分析システムに従って日常的に調節できることは理解される。
【0117】
〔実施例5〕
ペルオキシダーゼ法における2界面活性剤含有R1試薬組成物の使用と共に、非溶血性界面活性剤含有すすぎ溶液の使用による、変動するすすぎ液残余の問題の回避
【0118】
自働分析機での、ペルオキシダーゼ白血細胞分画法実施における、変動するすすぎ液残余の問題を回避するため、本発明のR1試薬組成物に含有する非イオン性界面活性剤とは異なる非イオン性非溶血性界面活性剤を含有するすすぎ溶液を包含させることにより、本発明の方法を更に改良してもよい。すすぎ溶液はここに前記されていてそれはペルオキシダーゼ法において不活性で非機能的な非溶血性界面活性剤例えばPluronicP105を包含し、方法に対しほんの少しの体積増加以上のものは寄与しない。試料間すすぎは析出物の形成を軽減し、半自働−および完全自働血液学分析機での、ペルオキシダーゼ白血球分画法実施の場合、多数の試料吸引後の、ペルオキシダーゼ反応室における試料/試薬混合物残余を除去する。
【0119】
すすぎ液残余の問題に関する特別な実例は次の通りである。改良された本発明の試薬と方法との設計の前に、本発明者により、試料間すすぎサイクル終了後、反応室にすすぎ溶液約8〜10μL が残ることが見出された。すすぎ溶液が本発明に従い非イオン性界面活性剤BrijTM35を含むように処方された場合、この一見小体積のすすぎ液(即ち8〜10μL)は、サイトグラム中に描写される細胞分離結果に不利に影響するのに充分な程有意である量のBrijTM35を方法のR1段階に加える原因であることが発見された。例えばすすぎ液残余の体積が約10μL を越す場合は、好酸球母集団はサイトグラムの好中球母集団中に移動し、単核細胞とリンパ球とはサイトグラムで下にさがる。更に、すすぎ液残余の体積が約13.3μL であると、ペルオキシダーゼ法はBrijTM35の存在により完全に劣化する。方法の第1反応段階の間に加えられるPxR1試薬溶液の体積は0.25mLであるから、ペルオキシダーゼ法の第1反応段階における計算されるBrijTM35濃度は約0.093〜0.120g/L で、それはすすぎ液残余約8.0〜10.0μL の体積に対応する。
【0120】
すすぎ液を通っての、Px法のR1段階に移るBrijTM35の濃度の定量はこれらの試験の過程の間に決定され、次の如くすすぎ液溶液はBrijTM35 3.0g/L 含有されると表わされている。名目上のすすぎ液残余体積は10μL で、それはBrijTM35の30μg と等価である。ペルオキシダーゼ法のR1段階へのBrijTM35 30μg の移動(即ち、ペルオキシダーゼR1希釈剤250μL +血液12μL または血漿〜7μL +すすぎ溶液10μL で全体積〜267μL)は、順繰り、方法のR1段階の間BrijTM35濃度0.112g/L となる。試験ペルオキシダーゼR1試薬は、ペルオキシダーゼ法におけるBrijTM35の一定濃度の送達を可能にする、本質的に同じBrijTM35濃度を含有するよう全て処方されている。
【0121】
図4A−4Fは、非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35のない水性すすぎ組成物(図4Aと4Cと4E)および非イオン性界面活性剤のある水性すすぎ組成物(図4Bと4Dと4F)を使用して、本発明のペルオキシダーゼ法における種々なすすぎ液残余体積の影響を示している。ペルオキシダーゼ法のR1とR2との段階においては、図4A−4Fで示すごとく、方法のR1試薬はSDS 0.105g/L を含有し、BrijTM35は含有していない。図4Aと4Bとは、ペルオキシダーゼ法の実行から得られ、ペルオキシダーゼR1試薬溶液の最終体積に7.9μL 寄与するすすぎ溶液残余のあるすすぎサイクルを伴ったサイトグラムを描写している(図4A:すすぎ液中BrijTM35なし;図4B:すすぎ液中BrijTM35存在)。図4Cと4Dとは、ペルオキシダーゼ法の実行から得られ、ペルオキシダーゼR1試薬溶液の最終体積に10μL 寄与する、すすぎ溶液残余のあるすすぎサイクルを伴ったサイトグラムを描写している(図4C:すすぎ液中BrijTM35なし;図4D:すすぎ溶液中BrijTM35存在)。図4Eと4Fとは、ペルオキシダーゼ法の実行から得られ、ペルオキシダーゼR1試薬溶液の最終溶液の最終体積に13.3μL 寄与するすすぎ溶液残余のある、すすぎサイクルを伴ったサイトグラムを描写している(図4E:すすぎ溶液中BrijTM35なし;図4F:すすぎ溶液中BrijTM35存在)。結果から決定出来るように、すすぎ溶液中に存在するBrijTM35とすすぎ液残余とはサイトグラム結果の一般的劣化を生む。この結果は、BrijTM35存在下でのすすぎ液残余体積が増加した場合も、また、この結果が観察される。
【0122】
本発明の改良された試薬組成物と方法とを用いると、残余は微々たるものになる。それに加えて結果の確度と精度とが非常に満足すべきものである。非イオン性界面活性剤BrijTM35は本発明人により、もしすすぎ組成物または溶液中に存在し、もしペルオキシダーゼ法で種々な量で持ちこされると、受入れられないサイトグラム結果を引き起し、特に、それがサイトグラム中白色細胞集団の劣化に際立たす薬剤であることが決定された。
【0123】
ここに説明した如く、ペルオキシダーゼ法におけるすすぎ溶液への非溶血性界面活性剤例えばPluronic(例えばPluronicP105)と、本発明の新規の、改良されたR1希釈試薬組成物の使用は、種々なすすぎ液残余の影響を軽減し、根源ノイズの受入れられる水準を維持し、 Day2血液試料を用いるPx法で得られる、受入れられる結果を可能にする。こうして、本発明に従って、イオン性界面活性剤(例えばSDS)と非イオン性界面活性剤(例えばポリエトキシラートBrijTM35)とを含有するR1試薬組成物は実験により室温で24時間またはそれ以上経った血液試料に関して有用であることが見出された。更に本発明に従うと、Pluronicのような界面活性剤を含有するすすぎ溶液の使用はここに記載のような白血球分画法から得られる結果も改良する。
【0124】
〔実施例6〕
R1試薬組成物とペルオキシダーゼ法とを用いる、白血球分画法の自働分析
この実施例は自働血液学分析機と、本発明の改良された方法と試薬とを用いる迅速(即ち60または102個試料/時に対し120個試料/時)白色細胞分画分析についての決定を記載する。技術に熟達した人達には、種々な分析機とシステムとが、本発明に従う方法と試薬とを用いて使用され、ここに記載の利益が提供されてもよいことが明らかになるであろう。
【0125】
全血試料を用いると、方法のR1反応段階において、試料12μL に2界面活性剤含有R1試薬希釈剤250μL を与えられる。約19秒後に、過酸化水素(3.0g/L)含有希釈剤250μL と4−クロロ−α−ナフトール(70g/L)含有希釈剤125μL を加える。これは第2反応段階(R2)と考えられる。色原体含有試薬添加後約13秒後、流出液を電子−光学的検出システムを通過させ、サイトグラムを調製する。白血細胞の大きさとその染色の度合いを、細胞1つずつについて測定(前方角散乱対吸収)し、サイトグラムにプロットする。サイトグラムはコンピューターにより分析し、全白色細胞数と、好中球と好酸球と単核細胞とリンパ球と巨大未染色細胞との分集団分画とを得る。図は、自働装置での、本発明の方法実施に用いた自働血液学分析機の電子−光学的検出システムから得られたサイトグラムを説明している。そのサイトグラムは、本発明の試薬と方法とにより、区別された白血球の型(すなわちWBC)1)リンパ球、2)単核細胞、3)好中球、4)好酸球、5)赤色細胞幻影と血小板とから得られる根源ノイズおよび6)LUCを示している。
【0126】
全血の最終的希釈は1:53で、全反応時間は約30−32秒である。自働分析機で実行されるペルオキシダーゼ法の熱的側面の一般的で非限定的例は次の様なものである。即ち、方法のR1段階において、血液試料とR1試薬希釈剤とは約69±2℃にあるペルオキシダーゼ室に入る。約15〜20秒の期間を持つR1反応段階の間、温度は約65〜75℃あるいは約65〜70℃に上昇する。その後、方法の第2段階(即ちR2)において、基質試薬が添加される。R2温度は約50〜65℃で、約5〜8秒の期間であり、その時間の間に温度は約73±2℃に上昇させられ、これがペルオキシダーゼ法終了の最終温度である。すすぎ溶液はペルオキシダーゼ法のR2段階終了後、すすぎサイクルで用いられる。試料すすぎサイクルは、1つの試料サイクルから他への試料残余を防ぐためと、自働血液学分析機システムの流路(hydraulic)中の集積を防ぐために必要である。
【0127】
〔実施例7〕
本発明のR1試薬組成物および方法における適合性に関する種々な非イオン性界面活性剤の分析
本発明の改良された試薬と方法とにおける使用に適当な非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤の型を決めるため、次の実験を行った。
【0128】
方法の第1反応段階における使用のためのペルオキシダーゼR1試験試薬組成物は次のようにして調製された。蒸留水中の種々なポリエトキシラートの3.0g/L 溶液200μL を、記載された段階1試薬組成物50.0mLに添加し、60mLポリプロピレンねじぶた遠心分離管に入れる。界面活性剤溶液を、蒸留水97.0mLにポリエトキシラート3.0g添加し、溶液が沸騰始めるまで加熱攪拌して調製する。約30分間で室温にまで冷却後、その溶液200μL をペルオキシダーゼR1試薬組成物の他の成分に添加し、R1試験試薬を作る。ここに試験したポリエトキシラートは種々な源から商業的に入手し得て、例えばBrijTM界面活性剤はICIとRuger から得られ、Macol 界面活性剤はMazer から得られ、Sipionic界面活性剤はAlcolac から得られ、TritonXTM界面活性剤はSigma, Union CarbideまたはRohm & Haas から得られ、IgepalCO897はGAFから得られ、PluronicP105はBASFから得られ、SurfonicN31.5はHuntsmanから得られる。イオン性界面活性剤に関しては、TDAPSはBoehringer-Mannheim から得られ、TTABはSigma から得られる。
【0129】
表8に示すごとく、次のポリエトキシラートの族または類を用いた。
【0130】
【表8】
Figure 0004361142
【0131】
試薬セット当り10個の血液試料はVacutainerTM管中に正常提供者から集め、K3 EDTAにより抗凝固化された。データは開栓管吸引を用いる自働分析機で集めた。重複 Day1血液試料は各試薬セットを用い吸引した。同じ提供者セットからの開栓されていない試料は一夜室温で貯蔵され、 Day2( Day2試料)で、手動で検定した。標準運転のソフトウエアは102個試料/時でおこり、試験試料と試薬とは120個試料/時の処理量で運転された。システムは運転指図書に従い、試料運転前毎日洗浄し、ペルオキシダーゼチャネル利得は、それぞれの用いられている自働システムに関する運転指図書に従って定めた。
【0132】
システム不正確さは試験試薬の評価の前と後との両方の、ソフトウエアと試薬との標準配置を用いて決めた。1つの Day1の血液試料は10回吸引し、全てのパラメーターに関し、平均並びに標準偏差を決定(システムにより自働的に)した。標準偏差は新鮮血液について決定されている、システムの不正確さを規格に比較された。その手続きは研究の毎日行われた。
【0133】
試験方法不正確さ決定のため、10個の試料が重複して吸引された。不正確さは次の式:SD=〔Sum(d2)/2N〕1/2 、ここにdは特別な試薬で得られた重複値の間の差であり、Nは10試料セット中の試料の数である、を用いて、ペルオキシダーゼチャネルパラメーターに関する標準偏差、SD(多数の提供者に亘り集められたSD)を計算することによりオフラインで算定された。
【0134】
試験PxR1試薬は2セットで評価された。各セットについて、標準ペルオキシダーゼ法(例えばTECHNICON H●3TM自働分析機で行われた)が参考として包含されている。その参考値は本発明の改良された方法と試薬との不存在の下で得られた Day1平均値と定義されている。 Day1と Day2との試料に関する確度("acc")はその参考に対して決定される。 Day1試料と Day2の時間をおいた試料とに関する確度基準は異なる。その上、不正確さは Day1血液試料についてのみ決定された(表9参照)。
【0135】
BrijTM52はHLB5.3を持ち(表10参照)、それ故疎水性で、通常油中水乳化適用には使用されない。H●3TM自働分析機で実施された自働ペルオキシダーゼ法は水中油乳化を用いている(即ち、赤色細胞と血小板膜の脂質材料は界面活性剤ミセルによりペルオキシダーゼ流出液の水性環境中に“溶解”されている)。
【0136】
【表9】
Figure 0004361142
【0137】
【表10】
Figure 0004361142
【0138】
一般に、ペルオキシダーゼ流出液には次の成分、PxR1試薬溶液、Px1 0.25mLと、色原体含有試薬溶液、Px2 0.125mLと、過酸化水素含有試薬溶液Px3 0.25mLと、血液試料12μL とが包含されている。Px1とPx3(3.0g/L 水性過酸化水素)とは水性溶液であるが、Px2はジエチレングリコール(非水性であるが水混合性溶剤)に溶解している4−クロロ−ナフトールの溶液である。
【0139】
HLB3〜6の範囲の界面活性剤が油中水乳化に推薦される。対照的に水中油乳化に推薦されるHLB範囲は約8−18である(M.J. Rosen, 1978, Surfactant and Interfacial Phenomena, Wiley-Interscience, 243-244 頁)。
【0140】
TritonXTM−305はHLB 17.3を持つので非常に親水性であることを示し、水中油乳化に適している。しかし、この界面活性剤の次善の性能は分析の条件の下で極端に親水性の結果であってもよい。多数のペルオキシダーゼ研究の結果として、本発明者は、赤色細胞が、試料の貯蔵の間に起る生化学的変化により、室温貯蔵の後溶解に対しより抵抗するようになることを観察した。新しく記載した方法と試薬との確度と信頼性とは、時間につれての血液試料の劣化と、最適以下の、時間をおいた試料条件にも拘らずその様な試料について検定を実行し、適当な結果を得るための必要性との見地から特に重要である。
【0141】
イオン性界面活性剤に加えて、次の非イオン性界面活性剤、BrijTM58とIgepalTMCO897とTritonXTM−100とSiponic E15とTritonXTM−405とBrijTM76とMyrjTM53を含有するペルオキシダーゼR1試薬組成物の全ては Day1血液試料の分析において正確に、受入れられる様に働く。しかし、 Day2試料については、IgepalTMCO897とTritonXTM−405とMyrjTM53とを含有するPxR1試験試薬は受入れられない数値およびサイトグラム結果を与える様に見える(表9および10参照)。これらのポリエトキシラートはそれぞれ17.8と17.9と17.9のHLB値と、それぞれ33.0と33.3と31.8との%ノイズ値とを持つ。それに加えて、これらの界面活性剤の使用で得られるサイトグラムの他の一般性状はWBCPを上昇させ、%好中球と%リンパ球とをゆがめる。示したようにMyrjTM53はステアリン酸のカルボン酸エステルであり、それは水性溶液中、加水分解に対しより安定でないようである。表9と10とで用いた略字は:WBCP:%全白血細胞、%NEUT:%好中球、%LYMPH:%リンパ球、%MONO:%単核細胞、%EOS:%好酸球、%LUC:%巨大未染色細胞、%NOIS:ペルオキシダーゼ法実行に随伴する根源ノイズ、HLB:親水性親油性比値である。
【0142】
どういう方法ででも理論に縛られることはないが、ペルオキシダーゼ法に用いられるR1試薬組成物中の界面活性剤の可能性ある機能は次のものの1つまたは2つ、(1)赤色細胞と血小板との溶解となる膜透過と、(2)水不溶性4−クロロナフトールの複合体化と、この基質の、染色が起る細胞中への輸送と、(3)赤色細胞の残骸の乳化、それによるペルオキシダーゼチャンネル中における集積の減少、が包含されていてもよい。
【0143】
添付している図で描写している典型的サイトグラムにおいて、原点におけるノイズ/リンパ球本体(frunk)の幅と黒さ(細胞の数に関連する)は%ノイズの増加と共に増大する。一般に、時間をおいた血液試料で得られたサイトグラムは新鮮血液中の好中球の境界以下に落ちる好中球を示している。母集団に関しても時間をおいた血液において拡がる傾向がある。この実施例からの結果はサイトグラムは試験した種々なポリエトキシラート界面活性族の間では同等であることを示している(表8、実施例7参照)。しかし特に前記し、HLBが約9.6〜16.9の範囲にある界面活性剤族1と2(例えばポリエチレングリコールにエーテル化されている直鎖または分枝オクチルフェニル疎水物)とから誘導される界面活性剤は Day1と Day2との血液試料の分析において受入れられる仕方で働く。これらの結果は、水中油乳化に関し、一般的に推薦される界面活性剤HLB範囲約8〜18と一致する。自働ペルオキシダーゼ法例えばH●3TMシステムで行われるペルオキシダーゼ法において、赤色細胞膜残骸は、水性環境中、界面活性剤ミセルにより乳化される脂質(“油質”)材料であり、それ故この型の分析についての効果のある様式は水中油乳化である。
【0144】
〔実施例8〕
白血球分画のPxR1試薬とペルオキシダーゼ法とへの適合性についての、低HLB値を持つ界面活性剤の分析とPluronicの評価
【0145】
SDS 0.105g/L 含有するPxR1試薬溶液中に処方されている、より低いHLB値をもつポリエトキシラート界面活性剤の潜在的利用と効果とを試験するため実験を行った。従ってHLB値5.3〜17.9を持つ界面活性剤を試験した。
【0146】
試薬セットの一部としての、試験R1試薬組成物の性能を、5つの Day1非病院血液試料と、5つの、室温に貯蔵された後に検定された Day2非病院試料よりなる試料を用い決定された。性能は現在の自働分析機規格に対し、確度と精度とに関し判断された。次のパラメーター、WBCPと%好中球(%NまたはNeut)と%リンパ球(%Ly)と%単核細胞と、%好酸球(%Eos)と%巨大未染色細胞(%LUC)と%ペルオキシダーゼノイズ(%Noise)を追跡した。
【0147】
SDSを0.105g/L と、次の他の界面活性剤例えばBrijTM35とMacolTM NP4とSurfonicTMN31.5とPluronicP105とMacolTM TD3とTritonXTM35とを含有する試験PxR1試薬を、実施例7に記載の方法に従い調製した。典型的な試験界面活性剤とその対応するHLB値を示す。
【0148】
界面活性剤 HLB値
BrijTM35 16.9
MacolTM NP4 8.9
SurfonicTMN31.5 7.7
PluronicP105 12−18
MacolTM TD3 8.0
TritonXTM35 7.8
付加した研究が、本発明に従って処方されたペルオキシダーゼR1試薬組成物中の非イオン性界面活性剤としてのBrijTM35の代替物としてPluronic試験するために、行われた。
【0149】
実施例7で記載し、表9と10とに示した如く、 Day1と Day2血液試料を用いる受入れられる自働ペルオキシダーゼ法結果はHLB値約9.3〜16.9を持つ界面活性剤を用いて得られる。R1試薬組成物中の、HLB値約17.3以上並びに低HLB値例えばHLB=5.3を持つ界面活性剤は受入れられないデータをもたらした。
【0150】
P105を含むPluronicは、ここに記載の実験に用いられた他のポリエトキシラートとは明らかに異なる構造をもっている。Pluronicの構造においては、3つの領域:(POE)n−(POP)m−(POE)n、ここにPOEとPOPとはそれぞれポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンを表わす、がある。POE領域は親水性(即ち“親水部”)で、POP領域は疎水性(即ち“疎水部”)である。また1つのPOE領域の側面に配置されている2つのPOP領域がある“逆転”Pluronic即ち“R”シリーズも存在する(Pluronic & Tetronic Surfactants, BASF Corporation, 1987 参照)。PluronicにはHLB値が割り当てられている。P105に関してはHLB値は12−18である。P105に割り当てられている広いHLB範囲は、よりせまいHLB値を割り当てられている、2つの領域(domain)のポリエトキシラートのそれと鋭い対照にある。Pluronic構造は他の2領域ポリエトキシラート(ポリエトキシ化アルコールとフェノール)とは有意に異なっている故に、Pluronicはポリエトキシラートの別々の類を表わしている。従って、2領域と3領域ポリエトキシラート間の差異は、本発明のペルオキシダーゼ試薬と方法とに採用して成功できる潜在的非イオン性界面活性剤としての2領域ポリエトキシラートに関する効用の予報値としてのHLB尺度の利用を可能にする。
【0151】
ポリエトキシラートの2領域類は疎水部−O−(POE)n−OHとして表わすことができる。その疎水部は長鎖、分枝鎖または直鎖アルコール例えばBrijTM35の何れかであることが出来る。代って、他の普通に用いられる疎水構造は、直鎖または分枝鎖炭化水素がフェノール構造に結合されていて、それがこんどはPOE領域に結合されているオクチルフェニル(例えばTritonTMXシリーズ)またはノナフェニル類(例えばTritonNTMシリーズ、MacolTM NPシリーズ、SurfonicTMNPシリーズなど)である。
【0152】
ペルオキシダーゼR1試薬組成物がSDSと、HLB値約7.7〜8.9を持つポリエトキシ化アルコールまたはフェノールとの両者を含有するように処方され、この組成物が Day2血液試料の分析に用いられた場合、サイトグラムは何1つ、リンパ球領域とノイズ領域間に谷を示さない。それ故%リンパ球は4つ全ての場合高く、%好中球は3つの場合低い。その様な試薬の一連のセットはペルオキシダーゼ法のR1試薬組成物中での使用には受入れられないと判断された。観察された受入れられない性能の最もありそうな原因は、これらポリエトキシラート界面活性剤が、自働血液学分析機を用いるペルオキシダーゼ法適用のためには余りに疎水性すぎる(即ち、HLBが低すぎる)ということである。それ故、イオン性界面活性剤例えばSDSまたはTDAPS存在の下で、ポリエトキシ化アルコールまたはフェノールについては、要求されるHLB値は約9.3〜17.3、より好ましくは約9.7〜16.9であるべきであると結論された。Pluronicは非イオン性界面活性剤の別個の類を表わしているが、この類の一員、即ちPluronicP105はペルオキシダーゼ試薬と方法とにおいて有用でないことがわかった。当業者には違った構造あるいは性状をもつ他のPluronicが、本発明の試薬中での使用のために助けとなる充分な界面活性剤溶血性状を与える種々なHLB値を有する故に有用であるかもしれないことが理解できるはずである。
【0153】
従って、ペルオキシダーゼR1試薬組成物中SDS 0.105g/L 存在の下での、0.12g/L の2領域ポリエトキシラート非イオン性界面活性剤に関しては、HLB約5.3〜8.9および約17.3以上のものは方法での使用を受入れられないことを、これらの研究から決定した。対照的に、R1試薬に処方され、約9.7〜16.9の範囲のHLB値を持つ界面活性剤(即ち、3つの通常の型の疎水部を含む構造を持つ界面活性剤)がこの方法において受入れられる結果を与える。Pluronicは3領域構造に基づくポリエトキシラートの別の類を包含する。PluronicP105は、このPluronicが2領域ポリエトキシラートの有用なHLB範囲と重なる広いHLB範囲12〜18を当てがわれている事実にも拘らず、ペルオキシダーゼR1試薬組成物中に0.12g/L で(SDS 0.105g/L 存在の下)処方された場合受入れられない。
【0154】
〔実施例9〕
白血球分画のPxR1試薬組成物とペルオキシダーゼ法においての適合性に関する、イオン性界面活性剤の他の類の分析
【0155】
イオン性界面活性剤の他の類(例えば陽イオン性または双性イオン性界面活性剤)が本発明の改良された試薬組成物および方法への使用が適当であるかどうかを決定するため、そのようなイオン性界面活性剤を用いて、付加的な実験を行った。これらの研究は、陰イオン性界面活性剤例えばSDSよりはむしろ、陽イオン性および双性イオン性界面活性剤が、ペルオキシダーゼR1試薬組成物中で、非イオン性界面活性剤(例えばBrijTM35)0.12g/L と組合せての使用が適当であるかどうかを試験するために設計された。実験は自働血液分析機の情況の下で行われ、BrijTM35のないすすぎ液を用いるすすぎサイクルを採用した。試験した1つの陽イオン性界面活性の例は臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム即ちTTABであり、試験された双性イオン性界面活性剤の例はテトラデシルアンモニオプロパンスルホナート即ちTDAPSである。
【0156】
SDSを含有しない(例えばPx1/NoSDS)試験R1試薬は、BrijTM35(蒸留水中の30g/L 溶液4.0mL)、ソルビトール113.0g、リン酸水素二ナトリウム2.08g(Mallinkrodt)、リン酸二水素ナトリウム11.89g(Mallinkrodt)、NaCl 0.488g(Mallinkrodt 7581KMER)、Na2 EDTA 0.750g(Mallinkrodt 4931KMHK)、ホルムアルデヒド(37%)150ml(Mallinkrodt)を含有させて調製した。検定の中間pHは7.23であった。試験試薬は0.2ミクロンポリスルホン膜47mm円板(Gelman Supor)を通して濾過した。イオン性界面活性剤は次の如くPx1/noSDSに添加した。TDAPSまたはTTABいずれかの30g/L 溶液200μL を60mlポリプロピレンねじ蓋管中の50mlPx1/NoSDSに添加する。PluronicP105含有すすぎ試薬は全ての試験分析すすぎサイクル中に用いられた。セット当り5つの正常血液試料が正常篤志家からVacutainerTM管中に採られ、K3 EDTAにより抗凝固化された。データは手動開栓管吸引によるTECHNICON H●TMシリーズの自働血液学分析機で集められ、方法は実施例2に記載のように行われた。
【0157】
ここに記載の白血球分画の標準あるいは対照法においては、PxR1試薬組成物は唯一の界面活性剤としてSDSを含有し、BrijTM35はすすぎ液残余の結果として(即ちBrijTM35とSDSとの両者を含有するすすぎ液によって、実施例5参照)R1段階に供給されることが判った。本発明の知見に従って行われる試験方法においては、PxR1試薬組成物は陰イオン性界面活性剤SDSと非イオン性界面活性剤BrijTM35との両者を含有し、すすぎ溶液はSDSもBrijTMも含有しない。
【0158】
陰イオン性界面活性剤SDSが、濃度0.12g/L の陽イオン性4級ハロゲン化アンモニウム界面活性剤TTABによるかあるいは、濃度0.12g/L の双性イオン性界面活性剤TTABによるかの何れかによって置きかえられたPx1試薬組成物を採用したPx法の有効性が検定された。TTAB 0.12g/L とBrijTM35 0.12g/L を含有するR1試薬("Reagent1")を用いて得られた結果は意外であり、サイトグラムの左側における赤色細胞の“縞”(streak)になる赤血細胞の不充分な溶解の故に、ペルオキシダーゼデータが得られなかった。対照的に、TDAPS濃度0.12g/L とBrijTM35 0.12g/L とを含有するR1試薬は、ペルオキシダーゼ法で検定された Day1と Day2血液試料両者に関し受入れられるデータを与えた(表11参照)。これらの結果は、双性イオン性界面活性剤例えばTDAPSが、本発明のペルオキシダーゼ法に用いられるPxR1試薬組成物中の非イオン性界面活性剤と共に用いるのに適していることを示した。
【0159】
【表11】
Figure 0004361142
【0160】
要約すると、実施例7〜9で行われた実験に関しては、HLB値約7.7〜8.9を持つポリエトキシ化アルコールおよびフェノールは、PxR1試薬組成物中の非イオン性界面活性剤BrijTM35の置換物として受入れられない。PluronicP105、ブロック共重合体(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン)もまた、PxR1試薬組成物におけるイオン性界面活性剤と組合わせて不満足なものであった(サイトグラム中に高い5ノイズを生ずる)。陽イオン性界面活性剤例えばTTABはPxR1試薬組成物中のSDSの受入れられない置換物であることが判ったことは注目される。しかし、双性イオン性界面活性剤例えばTDAPSはSDSの受入れられる、有用な置換物である。
【0161】
全ての特許出願と発行された特許と原文と公表論文とここに引用した参考資料との内容はそっくりそのまま参考資料に組入れられている。
【0162】
種々な変化が前記の組成物と方法とに、本発明の範囲と精神とから逸脱することなく、作ることが出来るから、前記の説明中に含まれ、付随する図面中に示され、或は添付されている請求事項中に定義されている全ての内容は例証として解釈され、限定する意味ではないことを意図している。
【0163】
本発明を更に説明し、種々な態様を通じて理解を助けるために呈示した添付の図において、図は、本発明に従い、説明のように調製された種々な水性試薬組成物または希釈剤或はそれらの改良された試薬を、自働血液学分析機の電子−光学的検出装置を用いて白血細胞分画測定のペルオキシダーゼ法に利用した場合に得られるサイトグラムを描写している。図1Aに描写されている数字の表示はサイトグラムの違った領域を確認するのに役立つものであり、各図において同一である。示している様に、数字1はリンパ球母集団の領域、数字2は単核細胞母集団の領域、数字3は好中球母集団の領域を示し、数字4は好酸球母集団を示し、数字5は血小板および赤色細胞幻影から起る根源ノイズの領域を示し、数字6はLUC母集団の領域を示す。
【0164】
図1A−1Dはイオン性界面活性剤のみを含有するように処方されたペルオキシダーゼR1試薬組成物を用いる、白血細胞分画のPx法の実行が受入れられる結果を与えるかどうかを試験するために行った実験結果を表わす。Px法は更に、すすぎ液が非イオン性界面活性剤がないかあるいは非溶血性界面活性剤Pluronicを持つか何れかに処方されている、すすぎサイクルも含んでいる。図1Aは Day1血液試料で行われたPx法の結果を描写しているサイトグラムである。図1Aで用いられたR1試薬組成物はSDS(硫酸ドデシルナトリウム)0.105g/L 含有し、図1Aで用いられたすすぎ試薬溶液はBrijTM35 3.0g/L とSDS 2.0g/L を含有した。図1Bは Day2血液試料で行われたPx法の結果を示すサイトグラムである。図1Bに用いられたR1試薬組成物はSDS 0.105g/L 含有し、図1Bで用いられたすすぎ試薬溶液はBrijTM35 3.0g/L とSDS 2.0g/L を含有した。図1Cは Day2血液試料について行われた結果を示すサイトグラムである。図1Cに用いられたR1試薬組成物はSDS 0.105g/L を含有した。図1Aと1Bとに対して、図1Cに用いられた、すすぎ試薬溶液は、リン酸塩緩衝の食塩水中非溶血性界面活性剤Pluronic105 1.0g/L 含有した(表2参照)。図1Dは Day2血液試料について行ったPx法の結果を示すサイトグラムである。図1Cと同様に、図1D中で用いたPx試薬組成物はSDSを含有するが、より高濃度即ち0.17g/L のSDSであった。そのすすぎ液は図1Cについて説明したものと同一であった。図1A−1Dの結果は、SDSのみを持つR1試薬組成物と、イオン性界面活性剤SDSおよび非イオン性界面活性剤BrijTM35両者を持つすすぎ試薬とを用いて行った、 Day1試料分析の受入れられる結果(図1A)と比較して、SDSのみを含有するよう処方されたR1試薬組成物と図1Aで用いたと同じすすぎサイクル溶液とを用いて実行した Day2血液試料分析は、受入れられる根源ノイズを与えることを示している。対照的に、もしすすぎ液がPluronicP105界面活性剤のみを含有していると(図1Cと1D)、サイトグラムは受入れられない水準の根源ノイズを示す。図1Cと1DとはPx試薬組成物中の唯一つのイオン性界面活性剤は、すすぎ液が非イオン性界面活性剤例えばBrijTM35を含有していない場合、Px法からの受入れられ、有用な結果を得るのには不充分である。本発明者が測定した如く、図1Cと1Dとに示されている、 Day2血液試料の受入れられない結果はR1試料組成物中における非イオン性界面活性剤の欠除に帰すことができる。
【0165】
図2A−2Jは、いろいろ変えた濃度の非イオン性界面活性剤のみを含有するように処方されたR1試薬組成物を用いるPx法の実行が受入れられるデータおよび結果を与えるかどうかを試験するために行った実験結果を示している。示されるように図2A−2Eは Day1血液試料で行ったPx法の結果を描写するサイトグラムであり、図2F−2Jは Day2血液試料で行ったPx法の結果を描写するサイトグラムである。図2Aと2Fとに用いたPxR1試薬組成物は、BrijTM35 0.12g/L とSDS 0.105g/L とを含有し、 Day1と Day2血液試料分析とに関し、対照として役立つ。図2B−2Eおよび図2G−2J中に用いられるPxR1試験試薬組成物は非イオン性界面活性剤(即ち、0.0g/L SDS)を含有する。この試験組成物は非イオン性界面活性剤BrijTM35を次の量含有する。図2Bと2GはBrijTM35 0.0g/L 含有し、図Cと2HとはBrijTM35 0.14g/L を含有し、図2Dと2IとはBrijTM35 0.28g/L を含有し、図2Eと2JとはBrijTM35 0.42g/L 含有する。図2A−2J中に示す如く、受入れられないサイトグラムはPxR1試薬組成物中唯非イオン性界面活性剤を用いるPx法の実行から得られる。それ故、非イオン性界面活性剤のみでは、Px法から受入れられる結果を得るには充分でない。
【0166】
図3A−3Dは、すすぎサイクルを含み、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤と両者を共に含有するよう処方されているPxR1試薬組成物を用いるPx法の実行が受入れられるデータと結果とを、特に Day2血液試料を用いる分析で与えるかどうかを試験するために実行した実験結果を示す。示されるように、図3Aと3Bとは、BrijTM35 0.0g/L とSDS 0.105g/L とを包含するPxR1試薬組成物を用いる、 Day1血液試料について行ったPx法の結果を描写するサイトグラムである。図3Aに示す分析に用いたすすぎ溶液はBrijTM35 3.0g/L とSDS 2.0g/L とを包含する。図3Bに示す分析に用いたすすぎ溶液はBrijTM35 0.0g/L とSDS 2.0g/L とを包含する。図3Cは、BrijTM35 0.0g/L とSDS 0.105g/L とを含有するPxR1試薬組成物およびBrijTM35 0.0g/L とSDS 2.0g/L を包含するすすぎサイクル試薬とを用いる、 Day2血液試料について行ったPx法の結果を描写するサイトグラムである。図3Dは、 Day2血液試料と、BrijTM35 0.12g/L およびSDS 0.105g/L の両者を包含するPxR1試薬組成物と、SDSもBrijTM35も含有せず、非溶血性界面活性剤PluronicP105を含有する新たに開示されたすすぎ試薬溶液を用いたPx法の実行結果を描写するサイトグラムである。図3A−3Dの結果は、 Day2血液試料の分析から得られるサイトグラムの完全性(integrity)は、すすぎ溶液がBrijTM35を含有していない場合、R1試薬組成物中のイオン性界面活性剤に加えて非イオン性界面活性剤の包含が必要であることを示している。
【0167】
図4A−4Fは発明のペルオキシダーゼ法における種々なすすぎ液残余の影響を決定するために、全血試料について実行した実験結果を描写するサイトグラムである(実施例5)。図4A−4Fに示した実験に用いたPxR1試薬組成物はSDS 0.105g/L 含有する。すすぎサイクルに用いたすすぎ溶液の組成は、すすぎ液がSDS 2.0g/L(図4Aと4Cと4Eとに示す如く)か、SDS2.0g/L +BrijTM35 3.0g/L(図4Bと4Dと4Fとに示す如く)か何れかを含有するようにすすぎサイクルに用いるすすぎ溶液の組成が異なる。図4Aと4BとはPx法で用いられるすすぎサイクルからのすすぎ液残余量約7.9μL のサイトグラム結果を示す。図4Cと4DとはPx法で用いられるすすぎサイクルからのすすぎ液残余量約10.1μL のサイトグラム結果を示す。図4Eと4Fとは、Px法に用いられるすすぎサイクルからのすすぎ液残余量約13.3μL のサイトグラム結果を示す。サイトグラムはすすぎ溶液中の非イオン性界面活性剤BrijTM35の存在は、もし残余量が約8.0μL を越えると受入れられない結果を生ずることを示している。
上記の図1A〜図1Dはまとめて図1として、同様に図2A〜図2Jは図2として、図3A〜3Dは図3として、図4A〜図4Fは図4として、添付図面中に示してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン性界面活性剤を使った実験結果を示すサイトグラムである。
【図2】非イオン性界面活性剤を使った実験結果を示すサイトグラムである。
【図3】イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を使った実験結果を示すサイトグラムである。
【図4】すすぎ液残余の影響を調べる実験結果を示すサイトグラムである。

Claims (61)

  1. (a)血液試料と水性試薬組成物とを混合して均一な反応混合物を形成させ、その試薬組成物は(i)赤血細胞は溶解してヘモグロビンを放出させるが、その試料中の白血細胞母集団は溶解しない有効濃度の9.3〜17.3の親水性親油性比(HLB値)を持つ非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤と、(ii)赤血細胞は溶解するが、その試料中の白血細胞母集団は溶解しない有効濃度の硫酸ドデシルアルカリ金属である陰イオン性またはテトラデシルジメチルアンモニオプロパンスルホナート(TDAPS)である双性イオン性類のイオン性界面活性剤と、(iii)白血細胞を化学的に橋かけさせるが、その試料中の溶解性の赤血細胞は橋かけしない有効濃度のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと、(iv)その試料中のリンパ球の検出性を増大させる有効濃度の糖または糖アルコールと、(v)その反応混合物の中性または中性に近いpHを6.9〜7.6に保持するための緩衝剤または緩衝剤混合物を含有し、(b)その段階(a)の反応混合物を60〜75℃の温度に加熱し、それによって試料中の赤血細胞を溶解し白血細胞を固定し、そして、(c)その反応混合物中の白血細胞の少くとも一部分を染色し、その懸濁物中に染色された白血球母集団と染色されてない白血球母集団とを生じさせ、その場合、前記水性試薬混合物中における非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との両者の存在が、新鮮血液試料および採血後室温で少くとも1日貯蔵した時間を置いた血液試料に関し、正確で信頼性のある白血球分画計数結果を段階(c)の後に与える
    各段階を包含する、試料中の白血細胞分集団の内因性ペルオキシダーゼ活性の測定に基く、赤血細胞と白血細胞とを含有する新鮮または時間を置いた全血試料についての白血細胞分画計数および分集団分析のための改良された方法。
  2. 非イオン性界面活性剤のHLB値が9.5〜17.3である、請求項1に記載の方法。
  3. 非イオン性界面活性剤のHLB値が9.7〜16.9である請求項2に記載の方法。
  4. (a)血液試料と水性試薬組成物とを混合して反応混合物を形成させ、その試薬組成物は(i)9.3〜17.3の親水性親油性比(HLB値)を持ち、試料中の赤血細胞は溶解してヘモグロビンを放出させるが、白血細胞母集団は溶解しない有効濃度で存在する非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤と、(ii)試料中赤血細胞は溶解させるが白血細胞は溶解しない有効濃度の、硫酸ドデシルアルカリ金属である陰イオン性またはテトラデシルジメチルアンモニオプロパンスルホナート(TDAPS)である双性イオン性類のイオン性界面活性剤と、(iii)試料中白血細胞は化学的に橋かけさせるが、溶解性の赤血細胞は橋かけさせない有効濃度のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと、(iv)試料中のリンパ球の検出性を増大させる有効量の糖または糖アルコールと、(v)試薬混合物のpHを中性または中性に近いpH6.9〜7.6に維持させる緩衝剤または緩衝剤混合物とを含有し、
    (b)段階(a)で調製されたその反応混合物を60〜75℃の温度に加熱し、それによって試料中の赤血細胞を溶解し、白血細胞を固定し、そして
    (c)その反応混合物中の少くとも一部分の白血細胞を染色して、懸濁物中に染色された白血細胞母集団と染色されていない白血球母集団とを生じさせ、その場合、水性試薬混合物中における非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との両者の存在が新鮮血液試料および採血後室温で少くとも1日貯蔵された、時間を置いた試料に関し、正確で信頼性のある白血細胞分画計数結果を段階(c)の後に与える
    各段階を包含する、試料中の白血球分集団の内因性ペルオキシダーゼ活性測定に基く、赤血細胞と白血細胞とを含有する新鮮あるいは時間を置いた全血試料に関する、白血細胞分画の計数と分集団分析とのための改良された方法。
  5. 段階(a)(i)における非イオン性界面活性剤のHLB値が9.5〜17.3である請求項4に記載の方法。
  6. 非イオン性界面活性剤のHLB値が9.7〜16.9である、請求項5に記載の方法。
  7. 非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤を、ポリエチレングリコールにエーテル化された直鎖脂肪族疎水物と、ポリエチレングリコールにエーテル化された分枝鎖脂肪族または芳香族オクチルフェニル疎水物とからなる群から選択する、請求項1または4に記載の方法。
  8. 非イオン性界面活性剤がポリエチレングリコールにエーテル化されている直鎖脂肪族疎水物である、請求項7に記載の方法。
  9. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルである、請求項8に記載の方法。
  10. 非イオン性界面活性剤がポリエチレングリコールにエーテル化された分枝鎖脂肪族または芳香族疎水物である、請求項7に記載の方法。
  11. 非イオン性界面活性剤がTriton X(商標登録)−100である、請求項10に記載の方法。
  12. 非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤が段階(a)の水性試薬組成物中に0.09〜0.21g/Lの量で存在する、請求項1または4に記載の方法。
  13. 陰イオン性界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウムである、請求項1または4に記載の方法。
  14. 陰イオン性または双性イオン性界面活性剤が段階(a)の試薬溶液中0.050〜0.125g/Lの量で存在する、請求項1または4に記載の方法。
  15. 段階(a)の水性試薬組成物が更に多価金属イオンのキレート剤を包含する、請求項1または4に記載の方法。
  16. 多価金属イオンキレート剤が濃度1〜5mMである、EDTA、EGTA、ジナトリウムEDTAまたはEGTA、トリナトリウムEDTAまたはEGTAあるいはテトラナトリウムEDTAまたはEGTAである請求項15に記載の方法。
  17. 段階(a)の試薬組成物が更にアルカリ金属塩化物を包含している、請求項1または4に記載の方法。
  18. 段階(a)の試薬組成物中のアルカリ金属塩化物をNaClとKClとLiClとからなる群から選択する、請求項17に記載の方法。
  19. 塩が試薬組成物中6.8〜10.3mMの量で存在するNaClである、請求項18に記載の方法。
  20. ホルムアルデヒドは試薬組成物中に濃度52〜58g/Lで存在する請求項1または4に記載の方法。
  21. 緩衝剤または緩衝剤混合物が水性試薬組成物のpHを7.0〜7.4に維持する請求項1または4に記載の方法。
  22. 緩衝剤がNa2HPO4とNaH2PO4との緩衝剤混合物を包含する、請求項1または4に記載の方法。
  23. 染色段階がペルオキシダーゼ活性の白血細胞の染色を含む、請求項1または4に記載の方法。
  24. 染色段階が反応混合物を過酸化水素及び色原体と混合することを包含する、請求項23に記載の方法。
  25. 色原体が4−クロロ−1−ナフトールである、請求項24に記載の方法。
  26. 糖または糖アルコールを、スクロースとフラクトースとデキストロースとソルビトールとマンニトールとより成る群から選択する、請求項1または4に記載の方法。
  27. 糖アルコールがソルビトールである、請求項26に記載の方法。
  28. ソルビトールが段階(a)の試薬組成物中に110〜120g/Lの量で存在する、請求項27に記載の方法。
  29. 段階(c)の、染色させた及び染色されていない白血細胞の懸濁液を電子ー光学的検出システムを通過させ、そしてその懸濁液中の白血細胞の白血細胞分画を得る段階を更に包含する、請求項1または4に記載の方法。
  30. その段階を自働化血液学分析器の反応室内で行う、請求項29に記載の方法。
  31. 更に、分画法の段階(a)から(c)までを行った後、自働分析器のその室を、950〜4000の分子量を有し、ポリオキシプロピレン90〜20%とポリオキシエチレン10〜80%を持つエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合物である非溶血性非イオン性界面活性剤を包含する水性すすぎ試薬組成物ですすぐ段階(d)を包含する、請求項30に記載の方法。
  32. すすぎ組成物を包含する界面活性剤がPluronic(登録商標)類の1つである、請求項31に記載の方法。
  33. Pluronic(登録商標)がPluronic(登録商標) P105である、請求項32に記載の方法。
  34. すすぎ組成物が更に次の成分:NaClとKClとLiClとからなる群から選択されるアルカリ金属塩化物、Proclin150(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)とProclin300(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)とGermall 115(N,N’−メチレンビス[N’−(1−ヒドロキシメチル)−2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル]尿素)とDowacil 200[1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンクロリド]とBronopol(2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール)とよりなる群から選択される殺菌化合物、3,3´−チオジプロピオン酸と3,3´−ジチオ酢酸とTrolox(登録商標)[6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−3−カルボン酸]またはビタミンE、BHT[2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフフェノール]と、BHA[2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール]とMEHQ[p−メトキシフェノール]とよりなる群から選択される水溶性酸化防止剤、およびその水性すすぎ組成物のpHを6.9〜7.6に維持するための緩衝剤または緩衝剤混合物の1つまたはそれ以上を包含する、請求項31に記載の方法。
  35. 水性すすぎ組成物が285〜305mOsmol/kgの浸透圧重量モル濃度を持つ、請求項31に記載の方法。
  36. 水性すすぎ組成物がNaClとProclin150と3,3´−チオジプロピオン酸とpHを7.0〜7.5に維持するための緩衝剤または緩衝剤混合物とを包含する、請求項34に記載の方法。
  37. 水性すすぎ組成物中に、NaClが濃度7.40〜8.0g/Lで存在し、Proclin150が濃度0.25〜0.60mL/Lで存在し、3,3´−チオジプロピオン酸が濃度50〜150mg/Lで存在する、請求項36に記載の方法。
  38. 水性混合物中に
    (a)赤色細胞を溶解してヘモグロビンを放出させるが、試料中の白血細胞母集団は溶解しない有効濃度の9.3〜17.3の親水性親油性比(HLB値)を持つ非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤と
    (b)赤血細胞を溶解してヘモグロビンを放出させるが、試料中の白血細胞母集団は溶解しない有効濃度の硫酸ドデシルアルカリ金属である陰イオン性またはテトラデシルジメチルアンモニオプロパンスルホナート(TDAPS)である双生イオン性界面活性剤と
    (c)試料中のリンパ球の検出性を増大する有効濃度の糖または糖または糖アルコールと(d)白血細胞は化学的に橋かけするが、試料中の溶解性赤血細胞は橋かけしない有効濃度のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと
    (e)試薬組成物のpHを6.9〜7.6に維持するための緩衝剤または緩衝剤混合物とを包含する、全血試料中の白血球の分集団中の内因性ペルオキシダーゼ活性を測定することに基礎を置いた、全血試料中の白血球分画の測定と分集団分析のための赤血細胞の溶解と白血球の染色のための改良された試薬組成物。
  39. 非イオン性界面活性剤が親水性親油性比(HLB値)9.3〜17.3を持つ、請求項38に記載の組成物。
  40. 非イオン性界面活性剤のHLB値が9.7〜16.9である、請求項39に記載の組成物。
  41. 更に、多価金属イオンのキレート剤を包含する請求項38に記載の組成物。
  42. 水性混合物中に
    (a)親水性親油性比(HLB値)9.3〜17.3を持ち、赤色細胞を溶解してヘモグロビンを放出させるが、試料中の白血細胞母集団は溶解しない有効濃度の非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤と、
    (b)赤血細胞を溶解してヘモグロビンを放出させるが、試料中の白血細胞は溶解しない有効濃度の硫酸ドデシルアルカリ金属である陰イオン性またはテトラデシルジメチルアンモニオプロパンスルホナート(TDAPS)である双性イオン性界面活性剤と、
    (c)試料中のリンパ球の検出性を増大させるに有効濃度の糖または糖アルコールと、
    (d)白血細胞は化学的に橋かけするが、試料中の溶解性赤血細胞は橋かけしない有効濃度のホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドと、
    (e)試薬組成物のpHを6.9〜7.6に維持するための緩衝剤または緩衝混合物と
    を包含する、血液試料中の白血球分集団における内因性ペルオキシダーゼ活性測定に基く、全血試料の白血球分画の測定と分集団分析とのための、赤血細胞の溶解と白血球の染色とのための改良された試薬組成物。
  43. 非イオン性ポリエトキシラート界面活性剤を、ポリエチレングリコールにエーテル化されている直鎖脂肪族疎水物と、ポリエチレングリコールにエーテル化されている分枝鎖脂肪族または芳香族オクチルフェニル疎水物とからなる群から選択する請求項38または42に記載の組成物。
  44. 非イオン性界面活性剤がポリエチレングリコールにエーテル化されている直鎖脂肪族疎水物である請求項43に記載の組成物。
  45. 非イオン性界面活性剤がポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルである請求項44に記載の組成物。
  46. 非イオン性界面活性剤がポリエチレングリコールにエーテル化されている分枝鎖脂肪族または芳香族疎水物である請求項43に記載の組成物。
  47. 非イオン性界面活性剤がTriton X(登録商標)−100である請求項46に記載の組成物。
  48. 非イオン性界面活性剤がその組成物中に0.09〜0.20g/Lの量で存在する、請求項38または42に記載の組成物。
  49. 陰イオン性界面活性剤が硫酸ドデシルナトリウムである請求項38または42に記載の組成物。
  50. 陰イオン性または双性イオン性界面活性剤が組成物中0.050〜0.125g/Lの量で存在する請求項38または42に記載の組成物。
  51. 更にアルカリ金属塩化物を包含する請求項38または42に記載の組成物。
  52. アルカリ金属塩化物をNaClとKClとLiClとからなる群から選択する請求項51に記載の組成物。
  53. 塩がNaClであり、試薬組成物中に6.8〜10.3mMの濃度で存在する請求項52に記載の組成物。
  54. ホルムアルデヒドが組成物中52〜58g/Lの濃度で存在する請求項38または42に記載の組成物。
  55. 緩衝剤がNa2HPO4とNaH2PO4との混合物を包含する請求項38または42に記載の組成物。
  56. 糖または糖アルコールをスクロースとフルクトースとデキストロースとソルビトールとマンニトールとからなる群から選択する請求項38または42に記載の組成物。
  57. 糖アルコールがソルビトールである請求項56に記載の組成物。
  58. ソルビトールが組成物中110〜120g/Lの濃度で存在する請求項57に記載の組成物。
  59. 更に、多価金属イオンのキレート剤を包含する請求項38または42に記載の組成物。
  60. 多価金属キレート剤がEDTA、EGTA、ジナトリウムEDTAまたはEGTA、トリナトリウムEDTAまたはEGTAあるいはテトラナトリウムEDTAまたはEGTAである請求項59に記載の組成物。
  61. キレート剤がジナトリウムEDTAであり、1〜5mMの濃度で存在する請求項60に記載の組成物。
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