JP4360104B2 - 家具ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は家具ユニットに係り、更に詳しくは、書架システムやデスクシステムにおける左右一対の支柱に対し、横架材を簡易且つ迅速に着脱することができ、これに支持される部材のレイアウト変更等に対応することのできる家具ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、書架システムやデスクシステム等に適用できる支持体を構成する家具ユニットは、左右一対の支柱と、これら支柱の上下を相互に連結する連結フレームと、上下の連結フレーム間で支柱間に配置された複数の横架材と、当該横架材に支持されたパネルとを備えたものが知られている。この家具ユニットは、支柱の前面に形成されたスロット穴を利用してブラケットを係り合わせ、当該ブラケットに棚板を支持させて書架を構成したり、或いは、所定の高さ位置に天板を配置して上方に棚板を備えたデスクを構成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような家具ユニットにあっては、前記支柱、連結フレーム及び横架材の相互連結を、ボルトを用いて行なっているのが通常であるため、部品点数が増加するだけでなく、工具を用いた作業が要求されることとなる。また、例えば、パネルを支持する横架材の位置を変更する必要が生じたときに、支柱と連結フレームとの連結状態を解除しなければならず、一部のパネルを中抜きするようなレイアウトの変更を容易に行うことができないという不都合がある。しかも、このような作業は、家具ユニットの後方或いは側方から行う必要がある場合もあり、例えば、複数の家具ユニットを前後対向配置若しくは左右連続配置として組み合わせた場合には、それら各ユニット毎の連結も解除しなければならず、作業が非常に大がかりになるという不都合もある。
【0004】
また、パネルを横架材に支持させる構成としては、パネル後面に突部を設けておき、この突部を横架材の前面に形成した穴に押し込んで嵌合させる構成が知られている。しかしながら、この構成によると、横架材からパネルを取り外すための構成が複雑になる傾向がある他、パネル装着時に比べて取り外し作業が面倒になる、という不都合がある。この場合、パネルを横架材の前面に対して上下動させることで着脱できるようにすれば構造を簡単なものとすることができるが、パネルの上下動を許容するための隙間が上部側に必然的に生じてしまうという不都合を招来する。しかも、上下動によるパネル着脱構造の場合、地震による脱落も生じ易くなり、製品精度としての信頼性も劣るものとなる。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、支柱と連結フレームとの連結状態を保った状態で、横架材の着脱を前方位置すなわち手前側位置で容易に行うことができ、デスクから書架、或いはその反対にシステムを変更する場合、更には、一部の構成部品の着脱等に難なく対応することのできる家具ユニットを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、横架材にパネルを支持させる構成としたときに、当該横架材の前面に対して上下動させてパネルを着脱自在とし、且つ、当該上下動を許容することによって生じる隙間の隠蔽と、振動が発生した際のパネル脱落も効果的に防止することのできる家具ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、左右一対の支柱と、これら支柱を相互に連結する連結フレームと、前記支柱間に掛け渡された横架材とを備えた家具ユニットにおいて、
前記支柱の後面側に被取付部がそれぞれ形成される一方、当該被取付部に着脱自在となる取付部が前記横架材の長手方向両側に設けられ、
前記横架材は、前記支柱と前記連結フレームとの連結状態を解除することなく前記支柱間に着脱自在に設けられ、
前記横架材の前面部に対して上下動させて着脱自在に支持されるパネルを更に含み、当該上下動操作を許容するための隙間は、支柱の上部間に位置する連結フレームに隠蔽部を設けることによって隠蔽される、という構成を採っている。
具体的には、前記支柱の後面側にスロット穴が形成される一方、当該スロット穴に着脱自在となるフックが前記横架材の長手方向両側に設けられ、
前記フックは、前記支柱と前記連結フレームとの連結状態を解除することなく前方位置からの操作で前記スロット穴に着脱自在に設けられ、
前記横架材の前面部に対して上下動させて着脱自在に支持されるパネルを更に含み、当該上下動操作を許容するための隙間は、支柱の上部間に位置する連結フレームに隠蔽部を設けることによって隠蔽される、という構成を採ることができる。このような構成によると、横架材を水平方向に対して若干傾けるようにして当該横架材のフックを支柱の後面側に位置させて水平姿勢に戻し、これを手前側に引くようにしてフックをスロット穴に係り合わせることができる。これにより、家具ユニットの前面側若しくは手前側位置にて横架材を支柱間に配置することが可能となる。この一方、横架材を取り外すときは、当該横架材を若干持ち上げた後に後方に移動させることでスロット穴からフックを抜き出すことができ、この状態で横架材を傾けることで手前側に取り出し可能となる。また、パネルの着脱が上下方向に沿う移動によって行えるため、パネルを着脱自在に支持するための構造を簡単なものとすることができる。因みに、パネルの支持は、横架材の前面側にフックを設ける一方、パネル後面側に、当該フックの挿抜を許容するスロットを例示することができる。また、パネルを上下動させて横架材に着脱自在としても、前記隠蔽部の存在によって、家具ユニットの上端に生じる隙間が隠蔽されるため、外観上の体裁を良好に確保することができる他、振動発生時にパネルが支持位置から不用意に脱落することを隠蔽部によって規制することができる。
【0008】
本発明において、パネルは、前記横架材に支持されたときに、前面が前記支柱の前面よりも後方に退避した位置となるようにするとよい。このような構成では、パネルの前面が支柱の前面より後退した位置で装着される構成となるから、支柱に棚板や天板等を支持させたときに、当該棚板、天板の後端とパネルとの間に配線用の隙間を形成することもできる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1には、本発明に係る家具ユニットが適用されたデスクの概略斜視図が示され、図2には、その正面図が示されている。また、図3には、後述するカバーを省略した図2の左側面図が示され、図4には家具ユニットの分解斜視図が示されている。これらの図において、デスク10は、家具ユニットUと、この家具ユニットの外周領域に設けられたトップカバーC1及びサイドカバーC2と、家具ユニットUの上部に配置された上下二段の棚板Tと、この棚板Tの下方位置で所定の高さ位置に配置された天板Pとにより構成されている。
【0011】
家具ユニットUは、左右一対の支柱11,11と、これら支柱11,11の上端部間及び下端部よりやや上方位置間を相互に連結する上部連結フレーム12及び下部連結フレーム13と、これら連結フレーム12,13間において、支柱11,11間に配置された複数の横架材14と、当該横架材14に支持されたパネル15とからなる。
【0012】
前記支柱11は、例えば、押出成形法により得られた略中空の角柱パイプ状をなし、その前後各面に、上下方向に沿って延びる被取付部としてのスロット穴11Aが形成され、このスロット穴11Aを利用して前記天板Pの後部と棚板Tがそれぞれ支持されるようになっている。また、支柱11の下端部には、床面に沿う水平脚20,20が設けられ、これにより、前記上下の各連結フレーム12,13で各支柱11を連結したときに自立可能となる。ここで、各支柱11の下端部領域の内部には補強部材22,22がそれぞれ配置されている。補強部材22は、図4に示されるように、横断面が略コ字状となる形状に設けられているとともに、その上下方向長さは、前記下部連結フレーム13を支柱11間に配置したときに、当該連結フレーム13を天板14の手前に着座した者の膝領域に位置させることができる長さに設定されている。
【0013】
前記補強部材22の図4中上端部領域において、その内側面の上下二箇所にナット部材24,24が溶接により固定されている。そして、これらのナット部材24の中心ねじ穴と同軸線上に位置する貫通穴25,25が補強部材22の面内に形成されている。この一方、支柱11の左右側面すなわち外側面11B,内側面11Cには、前記補強部材22を支柱11の下端から挿入して当該補強部材22の下端位置と支柱11の下端位置とを一致させたときに前記ナット部材24及び貫通穴25と同軸上に位置する部分に連結用穴26,26が形成されている。また、これらの連結用穴26の上下各隣接位置と、支柱11の下端近傍位置には溶接用穴27が支柱11の上下方向三箇所に形成されている。従って、補強部材22を支柱11の下端から挿入し、前記溶接用穴27を通じて補強部材22,22を支柱11の各内側面に対して三箇所で溶接固定することができる。また、図4に示されるように、支柱11の上端側と、中間よりやや下方及び下部側には、外側面11B及び内側面11Cを同軸線上に開通するボルト挿入穴17が形成されており、最上位の支柱内側面11C内には、ナット部材18(図10,12参照)が固定されている。
【0014】
前記上部連結フレーム12は、図4ないし図6に示されるように、上部を開放形状とした略Cチャンネル状の内部空間を備えたフレーム本体28と、このフレーム本体28の長手方向両端に設けられたフック部材29とにより構成されている。フレーム本体28は、平面視略長方形状をなす底面30と、この底面30の短寸幅方向両端から上方に向けられた前後一対の起立面31,31と、これら起立面31,31の上端から内方に屈曲された前後一対の頂面32,32とからなり、底面30の長手方向両側には、長孔30A,30Aが形成されている。この一方、フック部材29は、前記底面30の長手方向両端部にそれぞれ位置するベース33と、このベース33に連なって本体フレーム28の長手方向端部を閉塞するように起立するとともに、略中央部に穴34Aが形成された端面形成部34と、この端面形成部34の上端中央部から外側下向きに折り曲げられたフック面部36とにより構成されている。フック部材29は、フレーム本体28の長手方向両端に位置させた状態で溶接固定される。
【0015】
前記フレーム本体28内において、長孔30A,30Aが形成されている位置には、前記トップカバーC1を固定するための固定用治具38,38がそれぞれ配置される。これらの固定用治具38は、本体フレーム28内に収まる前後幅となるU字状部材39と、このU字状部材39の上端から外側に向けられて前記フレーム本体28の頂面32との間に後述するトップカバーC1の下面側部分を挟み込む片部材40とからなる。ここで、U字状部材39の下端平面39Aの面内には、前記本体フレーム28の底面30に形成された長孔30Aの領域内に収まるナット41が固定されている。
【0016】
図5及び図6に示されるように、フレーム本体28の下部すなわち前記底面30の下面側には、隠蔽部材42が取り付けられるようになっている。この隠蔽部材42は、底面30の下面に沿って長手方向に延びる取付面部44と、この取付面部44の短寸幅方向前端から垂下する隠蔽部としての前垂下面部45と、取付面部44の後端から垂下して前垂下面部45と略平行となる後垂下面部46とからなる。取付面部44の長手方向両端側には、前記長孔30Aの領域内に位置する穴44A,44Aが形成されており、各穴44Aに対して下方からボルト47を挿入して前記固定用治具38のナット41に締め付けることで、フレーム本体28に対して固定用治具38及び隠蔽部材42が一体化される。
【0017】
前記下部連結フレーム13は、図2及び図4に示されるように、左右方向に延びる中空状をなす角柱パイプ50と、この角柱パイプ50の長手方向両端に溶接固定される連結片51とにより構成されている。連結片51は、角柱パイプ50の長手方向に沿う端部を閉塞するとともに、当該角柱パイプ50の上下方向幅よりも大きな長さに設けられて支柱11の内側面に面接触する接触面部52と、この接触面部52の前後各縁に連なって角柱パイプ50の前後各面側に折り曲げられた補強屈曲面部53とにより構成されている。接触面部52の上下各中央部には、ボルト挿入穴52A,52Aがそれぞれ形成されており、これらのボルト挿入穴52Aと支柱11の連結用穴26とを一致させてボルト54をねじ込むことにより、当該ボルト54が支柱11内に位置するナット部材24に締め付けでき、これにより、下部連結フレーム13を支柱11間に配置することができる。
【0018】
前記横架材14は、図2及び図3に示されるように、上下方向における四箇所で支柱11,11間に配置されている。これらの横架材11は相互に同一構造を備えている。この横架材11は、後方側から見た図7に示されるように、支柱11間に延びるとともに縦断面形状が略コ字状をなす本体60と、この本体60の長手方向両端側に設けられた上向きの前部フック61及び下向きの後部フック62(取付部)とからなる。本体60は、略鉛直面内に位置する前面部64と、この前面部64の上端及び下端から後方に向けられた上平面部65及び下平面部66と、これら上平面部65及び下平面部66の後端からそれぞれ垂下した上部後面部68及び下部後面部69により構成されている。上部後面部68及び下部後面部69は、その長手方向長さが上平面部65及び下平面部66の長手方向長さよりも長く設けられており、それらの端部に前記後部フック62,62が前方下向きに設けられ、これにより、各後部フック62,62が、支柱11の後面に形成されたスロット穴11Aに着脱自在となっている。また、前記本体60において、前面部64の長手方向両端側に前部フック61が前方上向きに設けられ、このフック61を利用してパネル15を引っ掛けるようにして当該パネル15が支持可能となっている。
【0019】
前記パネル15は、図8及び図9に示されるように、略鉛直面内に位置する前面71と、この前面71の外周縁から後方に向けられた上下及び左右の周壁面72と、これら周壁面72の後端縁から内側に向けられた折り曲げ面73とにより構成されている。周壁面72の前後幅(図9中左右幅)は、前記横架材14にパネルを支持させたときに、前面71が支柱11の前面よりも後方に退避した位置となる寸法に設定されている(図3参照)。また、パネル15の左右両側に位置する折り曲げ面73には、その上下二箇所にスロット75が形成されている。従って、パネル15を上下動させることで、スロット75に横架材14の前部フック61を受容して当該フック61に係り合わせることができ、これにより、パネル15が横架材14に支持可能となる。本実施例では、図3に示されるように、上方二つの横架材14,14に上部のパネル15が支持され、これより下方に位置する二つの横架材14,14に上下方向寸法が相対的に大きく設けられた下部のパネル15が支持される。これらパネル15を横架材14に支持させた状態では、図9に示されるように、前述した隠蔽部材42における前垂下面部45の下端位置よりも上部のパネル15の上端が上方に位置するようになっており、従って、正面からデスク10を見たときに、上部連結フレーム12とパネル15の上端との間に隙間を表出させることがない。
【0020】
図4ないし図6に示されるように、前記トップカバーC1は押出成形による一体成形品として形成されている。このトップカバーC1は、支柱11,11間に延びる長さを備えた細長い長方形状をなすトップ面80と、このトップ面80の前後各端部にそれぞれ連なる下向き湾曲面81,81と、これら下向き湾曲面81,81の下端から上向きに設けられてトップ面80の下面側に連なる連結面83,83と、これら連結面83,83よりも内側位置において、リブ状のスペーサ部84,84を介して設けられた水平面85,85とを備えて構成されている。ここで、前記湾曲面81,連結面83,スペーサ部84及び水平面85は、図5中紙面直交方向に沿って延び、前記トップ面80と略同様の長さに設けられている。このトップカバーC1は、前記トップ面80と下面側の水平面85との間の溝状をなす隙間に固定用ジグ38の片部材40を受容できるようになっている。従って、この隙間内に、固定用治具38の片部材40が位置するようにトップカバーC1の長手方向端部から固定用治具38を差し込み、当該固定用治具38を上部連結フレーム12内に落とし込んだ状態で、固定用治具38のナット41位置にボルト47の締め付けを行うことにより、片部材40と上部連結フレーム12の頂面32との間に水平面85を挟み込んでトップカバーCを固定することができる。
【0021】
前記サイドカバーC2は押出成形による一体成形品として形成されている。このサイドカバーC2は、図2、図10ないし図12に示されるように、支柱11と略同一の長さを有するとともに、当該支柱11の前後幅よりも大きな幅を備えて構成されている。これを更に詳述すると、サイドカバーC2は、横断面形状が略円弧状に設けられるとともに支柱11に沿って延びるサイド面部90と、このサイド面部90の前後(図10中上下)各端部から支柱11の前面及び後面に向かって延びる前後一対の内側面部91,91とからなる。サイド面部90の内面側には、支柱11の外側面11Bに向かう前後一対の起立壁92,92がサイド面部90の長手方向(図10中紙面直交方向)に沿って形成されており、これらの起立壁92,92の相対面には、支柱11の上部空間内で、外側面11Bを貫通するボルト94と、支柱11の内側面11Cと外側面11Bとを貫通するボルト95(図11参照)のねじ込みを許容するためのギザ歯92Aが形成されている。なお、起立壁92,92の先端には、当該起立壁92と直交する外側に向けられた位置決め片96,96が形成され、この位置決め片96,96が支柱11の外側面11Bに突き当てられた状態で、前記内側面部91,91が支柱11のスロット11A,11Aを完全に閉塞することを防止し、後述するブラケットの着脱を許容するようになっている。
【0022】
前記棚板Tは、支柱11のスロット穴11Aに引っ掛けて支持された各一対をなす公知のブラケット100,100を介してそれぞれ支持されている。各棚板Tは、平面視略方形状をなし、それらの後端左右両側が支柱11の前面に略突き当たる状態でブラケット100,100にそれぞれ支持されている。また、天板Pは平面視略方形状をなし、前部下面側において、左右二箇所位置が脚柱101,101によって支持されている一方、後部下面側の左右二箇所がブラケット103,103によって支持されている。この天板Pは、その後端左右両側が支柱11の前面に略突き当たる状態でブラケット103,103上に支持されている。なお、ブラケット103も、後端部に設けられた図示しないフックを支柱11のスロット穴11Aに引っ掛けて当該支柱11に支持される構造となっている。
【0023】
次に、本実施例におけるデスク10の組み立て方法と、横架材14及びパネル15の着脱方法について説明する。
【0024】
まず、家具ユニットUの支柱11を形成する際には、当該支柱11の下端に水平脚20を固定する前に、当該支柱11の下端から補強部材22を挿入する。そして、補強部材22の下端と支柱11の下端とが略一致する状態で、溶接用穴27を利用してこれらを相互に溶接する。これにより、補強部材22上のナット部材24,24は、支柱11の下端より内方すなわち上方に所定距離離れて位置し、ナット部材24の中心ねじ穴が支柱11の連結用穴26にそれぞれ一致し、内外に開通した状態となる。そして、各支柱11の下端に水平脚20を固定する。
【0025】
このようにして支柱11を完成させた後、各支柱11,11を対向配置させておき、当該支柱11を上部連結フレーム12及び下部連結フレーム13で相互に連結する。上部連結フレーム12を支柱11間に配置するに先立ち、当該上部連結フレーム12を構成するフレーム本体28の長手方向両端部にフック部材29,29を予め溶接固定しておく。そして、これらのフック部材29,29を支柱11,11における内側面11Cの上端部に引っ掛け、フック部材28の端部形成部34に形成された穴34Aにボルト105を挿入し、当該ボルト105を支柱11の上端部内面側に配置されたナット部材18にねじ込む。これにより、支柱11の上端部間が上部連結フレーム12によって連結されることとなる。
【0026】
この一方、下部連結フレーム13を支柱11間に連結する場合には、角柱パイプ50の長手方向両端に予め溶接固定された連結片51を支柱11の内側面11Cにあてがい、連結片51のボルト挿入穴52Aを前記連結用穴26に一致させてボルト54をねじ込めば当該ボルト54を支柱11内に位置するナット部材24に締結させることができる。
【0027】
次いで、上部連結フレーム12にトップカバーC1と、支柱11の外側面11B側にサイドカバーC2を装着する。トップカバーC1の装着に際しては、当該トップカバーC1の下面側に設けられた水平面85に固定用治具38を引っ掛けておき、トップカバーC1を固定用治具38と共に上方から降ろしてフレーム本体28内に受容させる。そして、フレーム本体28の下面側に、隠蔽部材42を位置させておき、ボルト47を下方から挿入して前記固定用治具38のナット41に締め付け、これにより、トップカバーC1の上部連結フレーム12への固定が完了する。
【0028】
一方、サイドカバーC2は、図12に示されるように、その上端部を支柱11の上部空間から外側面11Bを貫通するボルト94をギザ歯92Aにねじ込み、それ以下となる他の部位は、支柱11の内側面11Cから外側面11Bを貫通するように各ボルト挿入穴17にボルト95を挿入し、前記ギザ歯92Aにそれぞれねじ込めばよい。
【0029】
パネル18を装着する際には、図7に示されるように、横架材14を支柱11の後面側に設けられたスロット穴11Aに後部フック62を引っ掛ければよい。この作業は、後方に回って行うことができるが、前方位置にて行うことができる。すなわち、横架材14を水平姿勢から傾けた状態として全体を支柱11,11の後方に位置させればよい。そして、横架材14を水平姿勢に戻し、手前側に引くようにして後部フック62をスロット穴11Aに差し込み、若干降下させることで横架材14を支柱11,11間に完全に掛け渡すことができる。上下方向において、各横架材14を所定間隔を隔てた位置に配置した後、下部のパネル15を最下段の横架材14と、これの上方に位置する横架材14を利用してそれらの前部フック64に位置を合わせ、パネル15を略鉛直姿勢として上方から下方に降ろすようにして引っ掛ける。次に、上部のパネル15を上方二本の横架材14,14に同様の作業にて引っ掛ける。この際、図9に示されるように、上部のパネル15は、隠蔽部材42の取付面部44に接近した位置まで持ち上げられ、前部フック61がスロット75に入り込んで下降したときに図9中二点鎖線位置から実線位置に移動することとなる。従って、その移動代に対応した隙間が前方から見たときにパネル15の上方に生じることになるが、本実施例では、前垂下面部45が隠蔽部として作用するため、前記隙間は前方からは見えないこととなる。
【0030】
このようにしてパネル15の装着を完了した後に、支柱11の所定高さ位置にブラケット100,103を装着した後、棚板T及び天板Pをパネル15の前方に組み立てることでデスク10を完成させることができる。
【0031】
なお、デスク10を完成させた後に、例えば、上部のパネル15を取り外す場合には、当該パネル15を上方に移動させ、横架材14の前部フック61とパネル15のスロット75との係り合いを解除させて取り外せばよい。そして、横架材14を持ち上げて、前部フック61を支柱11のスロット穴11Aから脱出させ、若干傾けて前方に引き出すことで横架材14の取り外しを行うことが可能となる。
【0032】
従って、このような実施例によれば、全ての組み立て作業をデスク10の前方位置で行うことができる、という効果を得る。特に、パネル15の配置レイアウトを変更するような場合には、前部フック61が支柱11の後面側に設けられたスロット穴11Aに係り合う構成とされているため、上部連結フレーム12と下部連結フレーム13による支柱11相互の連結を解除することなく横架材14の取り外しと、位置替えを行うことができる。従って、実施例におけるデスク10を、例えば、書架に変更する場合に、システム変更作業を極めて容易に行うことが可能となる。
【0033】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施の形態に対し、形状、位置、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、位置、数量などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状等などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0034】
例えば、前記実施例では、上下二段のパネル15を採用した場合を示したが、一枚のパネルや、三枚以上のパネルとしてもよい。複数のパネルを採用した後においては、例えば、その後に一部のパネルを中抜きして利用することもできる。
【0035】
また、隠蔽部として作用する前垂下面部45は、上部連結フレーム12と別体の構成としたが、上部連結フレーム12の形状を変更することで、当該上部連結フレーム12と一体化させることもできる。これによれば、部品点数の削減を図ることができる。但し、前記実施例の構成によれば、例えば、隠蔽部材42の材質や、色彩を上部連結フレーム12と異ならせる設計が容易となり、家具ユニットの意匠的な効果を変化させることが容易となり、製品価値を向上させて購買意欲を惹起せしめることが期待できる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、家具ユニットの前面側若しくは手前側位置にて横架材を支柱間に配置することができ、ユニットを使用している際のレイアウト変更に際して負担なく作業を行うことが可能となる。
【0037】
また、パネルの着脱が上下方向に沿う移動だけでよいため、パネルを着脱自在に支持するための構造を簡単なものとすることができる。しかも、パネルを上下動させて横架材に着脱自在とする構成であっても、隠蔽部の存在により、家具ユニットの上端に生じる隙間が隠蔽されるため、外観上の体裁を良好に確保することができる他、振動発生時にパネルが支持位置から不用意に脱落することを隠蔽部によって規制することもできる、という従来にない優れた効果を奏する家具ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたデスクの概略斜視図。
【図2】前記デスクの正面図。
【図3】サイドカバーを外した図1の左側面図。
【図4】家具ユニットの概略分解斜視図。
【図5】図1のA−A線に沿う矢視拡大断面図。
【図6】前記家具ユニットの上部構造を示す要部分解斜視図。
【図7】横架材、支柱及びパネルを一部後方から見た概略斜視図。
【図8】パネルの背面図。
【図9】横架材にパネルを支持させた状態を示す概略縦断面図。
【図10】図1のB−B線に沿う矢視拡大断面図。
【図11】図1のC−C線に沿う矢視拡大断面図。
【図12】図1のD−D線に沿う矢視拡大断面図。
【符号の説明】
10 デスク
11 支柱
11A スロット穴
12 上部連結フレーム
13 下部連結フレーム
14 横架材
15 パネル
38 固定用治具
40 片部材
42 隠蔽部材
45 前垂下面部(隠蔽部)
61 前部フック
62 後部フック
75 スロット
U 家具ユニット
Claims (3)
- 左右一対の支柱と、これら支柱を相互に連結する連結フレームと、前記支柱間に掛け渡された横架材とを備えた家具ユニットにおいて、
前記支柱の後面側に被取付部がそれぞれ形成される一方、当該被取付部に着脱自在となる取付部が前記横架材の長手方向両側に設けられ、
前記横架材は、前記支柱と前記連結フレームとの連結状態を解除することなく前記支柱間に着脱自在に設けられ、
前記横架材の前面部に対して上下動させて着脱自在に支持されるパネルを更に含み、当該上下動操作を許容するための隙間は、支柱の上部間に位置する連結フレームに隠蔽部を設けることによって隠蔽されることを特徴とする家具ユニット。 - 左右一対の支柱と、これら支柱を相互に連結する連結フレームと、前記支柱間に掛け渡された横架材とを備えた家具ユニットにおいて、
前記支柱の後面側にスロット穴が形成される一方、当該スロット穴に着脱自在となるフックが前記横架材の長手方向両側に設けられ、
前記フックは、前記支柱と前記連結フレームとの連結状態を解除することなくユニット前方位置からの操作で前記スロット穴に着脱自在に設けられ、
前記横架材の前面部に対して上下動させて着脱自在に支持されるパネルを更に含み、当該上下動操作を許容するための隙間は、支柱の上部間に位置する連結フレームに隠蔽部を設けることによって隠蔽されることを特徴とする家具ユニット。 - 前記パネルは、前記横架材に支持されたときに、前面が前記支柱の前面よりも後方に退避した位置となることを特徴とする請求項1又は2記載の家具ユニット。
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