JP4358915B2 - 半導体製造システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造システムに係り、特にヒータを備えた加熱炉内に設置した反応管の温度制御を行う半導体製造システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の半導体製造システムの温度制御装置の構成を示す縦断面図である。この図5において、温度制御装置は、加熱炉として例えば電気炉1には、ヒータ2及びこのヒータ2の温度を測定するための第1の熱電対3が備えられている。また、電気炉1には、石英等からなる反応管4が納められており、この反応管4の近傍には反応管4の温度を測定するための第3の熱電対5が設けられている。この反応管4の温度が目標値となるように、第1の熱電対3によってヒータ2の温度を測定しつつヒータ2に供給する電力を温度調節器8が調節する。
【0003】
一般に、半導体製造装置は、安全性の向上を目的として電気炉1の温度制御を行う温度調節器8とは、完全に独立した構成の過温保護器9を備えており、これによって電気炉1の異常温度を検知できるように第2の熱電対6によって温度を測定し、正常範囲を超えた温度を検知すると、温度調節器8の機能を一切介さずにヒータ2への供給電力をオフにするように構成されている。
【0004】
上述の図5の温度制御装置においては、温度制御に使用する熱電対が、断線、劣化などによって使用不能又は性能劣化が発生した場合に温度制御が不可能となることがある。
【0005】
そこで、別の従来例として、図6に示すような温度制御装置の構成を採ることができる。すなわち、上述の問題を解決するためにヒータ2の温度を測定するための第1の熱電対3の近傍に予備の熱電対10を設ける構成である。これによって、第1の熱電対3に異常が発生して使用不能になっても、この予備の熱電対10を使用して温度調節器8が温度制御を継続することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように予備の熱電対10を設けることは、電気炉1の構造を複雑にさせることとなり、温度制御装置の製造工数が増大すると共に部品コストや装置コストを高めることとなる。また、熱電対は、高温になるにしたがい、内部の熱(温)接点などがいたみ変質し易くなり、これによって寄生熱起電力が発生し易くなり温度誤差が増加することもある。
【0007】
このようなことから、温度制御管理に関する機能性が高く信頼性を向上させ、小型化を図った半導体製造システムの温度制御装置の実現が要請されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで、本願の発明は、内部に積層された複数のウェーハを加熱処理するための反応管と該反応管を加熱するヒータとを有する加熱炉を備え、上記ヒータの温度を測定して上記ヒータの温度調節用に使用する上記ヒータの縦方向に配置された複数の第1の温度センサと、上記ヒータの温度を測定して上記ヒータの異常加熱検知用に使用する上記ヒータの縦方向に配置された複数の第2の温度センサとを有し、上記第1の温度センサにより測定される温度に応じて上記ヒータへの電力供給を制御するとともに、上記第2の温度センサにより測定される温度から異常加熱が検出されたときに上記ヒータへの電力供給を強制的に停止させる半導体製造システムにおいて、以下の特徴的な構成で上述の課題を解決した。
【0009】
すなわち、本願発明は、上記反応管内に積層された複数のウェーハを上記ヒータにより加熱処理している際に、上記複数の第1の温度センサのうちの任意の第1の温度センサが故障であると認識したときは、上記故障であると認識された第1の温度センサに代えて、該第1の温度センサの近傍に設けられた第2の温度センサのみを上記ヒータの温度調節用に使用して、上記第1の温度センサの近傍に設けられた第2の温度センサにより測定される温度に応じて上記ヒータへの電力供給の制御を継続させるとともに、上記複数の第2の温度センサにより測定される温度から異常加熱が検出されたときに上記ヒータへの電力供給を強制的に停止させる機能を保持させ、上記故障であると認識されなかった第1の温度センサは、そのまま上記ヒータの温度調節用に使用して、上記第1の温度センサにより測定される温度に応じて上記ヒータへの電力供給の制御を継続させる制御手段を備えた。
【0010】
このように構成することで、ヒータの温度調節用に設けられた温度センサ又はヒータの異常加熱検知用の温度センサのいずれかが故障しても、他方の温度センサを使用して稼働を中断することなく継続してヒータに対する温度調節制御と異常加熱検知とを行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施の形態を図面を用いて説明する。
【0015】
「第1の実施の形態」:
本第1の実施の形態においては、電気炉内の温度を制御する温度調節器と、電気炉内の異常温度を検知する過温保護器とを備えた半導体製造システム(たとえば、CVDシステム)の温度制御装置において、温度制御に使用する温度センサが断線又は劣化などによって使用不能又は性能悪化が発生した場合に、この温度センサを温度調節器とは独立した構成である過温保護器の温度センサへ自動的に切り替えて温度制御を行うように構成する。
【0016】
また、通常、ヒータ近傍に取り付けられる過温保護器の温度センサを、反応管近傍にも取り付けるように構成する。
【0017】
図1は、本第1の実施の形態の半導体製造装置の温度制御装置の構成図である。この図1において、電気炉1の中には、ヒータ2の温度を測定するための第1の熱電対3と、第3の熱電対5と、第2の熱電対6とが内蔵されており、第1の熱電対3は温度調節用に設けられており、第3の熱電対5は、反応管4の温度を測定するように設けられており、第2の熱電対6は、ヒータ2の異常加熱による異常温度を測定するように設けられている。すなわち、第1の熱電対3と第2の熱電対6とは、ヒータ2の温度を測定するために設けられており、両方の熱電対は比較的近傍に設置されている。
【0018】
そこで、本第1の実施の形態においては、温度調節用に専門的に設けられている第1の熱電対3が使用不能になった場合においても、ヒータ2の温度を継続して測定し、しかもこの測定温度信号を温度調節に使用できるように、温度調節器8Aが使用できる熱電対を切り替えることができるように切替回路11を設けた。つまり、この切替回路11は、第1の熱電対3と第2の熱電対6とから測定温度信号を取り込み、通常は、第1の熱電対3からの温度測定信号を温度調節器8Aに与えるように温度調節器8からの制御によって動作し、温度調節器8Aからの判断によって第1の熱電対3の異常が検知されると、第2の熱電対6からの測定温度信号を温度調節器8に与えるように動作する。なお、第2の熱電対6からの測定温度信号は、従来と同様に過温保護器9に与えているので、異常に高い温度が検出されるとヒータ2に対する電力供給を電力供給制御回路12によってオフさせる。
【0019】
この切替回路11は、図示のように機能的には、温度調節器8Aからの制御信号によって切替スイッチ(たとえば、リレー回路構成)が択一的に切り替えられれば良いのであるから、回路構成は非常に簡単である。
【0020】
温度調節器8Aは、反応管4の温度を測定するための第3の熱電対5から測定温度信号を取り込み従来と同様に反応管4の温度が目標の温度になるようにヒータ2に対する電力供給制御を電力供給制御回路12によって行うと共に、特徴的には、切替回路11からの第1の熱電対3の測定温度信号を監視し、第1の熱電対3から正常な測定温度信号を検出できなくなると、第1の熱電対3に異常が起きていると判断して、切替回路11に対して切替支持を与える。すなわち、切替回路11に対して切替制御信号を与え、取り込む測定温度信号を第1の熱電対3から第2の熱電対6に切り替えるようにさせる。これによって、切替回路11から第2の熱電対6からの測定温度信号が温度調節器8Aに与えられる。この温度調節器8Aは、第2の熱電対6からの測定温度信号を受信し、ヒータ2の温度を監視することができる。
【0021】
このようにして、第1の熱電対3が故障して使用不能になったとしても、この異常を温度調節器8Aが認識し、切替回路11に対して切替制御信号を与え、第2の熱電対6からの測定温度信号を温度調節器8Aに与えさせ、温度調節器8Aにおいて中断することなくヒータ2の温度監視を続けることができる。
【0022】
また、温度調節用の第1の熱電対3aだけが故障している場合は、その近傍に配置されている過温保護用の第2の熱電対6aだけを切り替えれば良いのであって、他の正常な温度調節用の第1の熱電対3b、3c、3dを切り替える必要がないので、正常な第1の熱電対を有効に使用することができる。
【0023】
(本発明の第1の実施の形態の効果): 以上の本発明の第1の実施の形態によれば、切替回路11を設け、温度調節器8Aを改良して、切替回路11に第1の熱電対3の測定温度信号と第2の熱電対6の測定温度信号とを取り込むように構成したことで、ヒータ2の温度調節用の第1の熱電対3が使用不能になったときには自動的に温度調節器8Aが判断して、切り替え制御を行い、第2の熱電対6からの測定温度信号を温度調節用に使用することができるので、従来に比べて非常に機能的でしかも信頼性の高い温度制御装置を実現することができる。また、切替回路11を新たに設け、温度調節器を少し改良するだけであるので、非常に簡単な構成で実現することができる。
【0024】
「第2の実施の形態」:
上述の第1の実施の形態においてはヒータ2の温度を監視するための第1の熱電対3の近傍に異常温度検知用の第2の熱電対6を配置している例で、第1の熱電対3が使用不能の場合に、近傍の第2の熱電対6を使用して温度調節用の測定温度信号を得るように構成したが、本第3の実施の形態は、反応管4の温度を監視している第3の熱電対5に対して、第2の熱電対6を反応管4の異常温度を検知するために第3の熱電対5の近傍に配置し、しかも、第3の熱電対5が温度調節器8Aで使用不能と判断すると、切替制御信号を生成して第2の熱電対で測定した測定温度信号を使用してヒータ2の温度調節を行う。
【0025】
そこで、図2は、本第2の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の構成図である。この図2に示すように、切替回路11Aを配置し、切替回路11Aで選択した測定温度データを温度調節器8Aに与え、第3の熱電対5が使用不能と判断されると、切替制御信号を生成し切替回路11Aに与える。切替回路11Aは、第3の熱電対5からの測定温度信号を取り込むと共に第2の熱電対6からの測定温度信号も取り込み、温度調節器8Aからの制御信号によって択一的に選択し温度調節器8Aに与える。
【0026】
すなわち、温度調節器8Aは、通常は、第3の熱電対5からの測定温度信号を切替回路11Aから取り込み、第3の熱電対5が故障であると判断すると、切替制御信号を与えて、切替回路11Aから第2の熱電対6からの測定温度信号を取り込む。
【0027】
(本発明の第2の実施の形態の効果): 以上の本発明の第2の実施の形態によれば、反応管4の温度を測定するための第3の熱電対5が故障になった場合に、切り替えを行い反応管4の異常温度を検出するための第2の熱電対6から測定温度信号を取り込むことができるので、第3の熱電対5の故障によって中断することなくヒータ2に対する温度調節を行うことができる。
【0028】
「第3の実施の形態」:
上述の実施の形態においては、半導体製造システムの温度制御装置の温度調節器8Aと過温保護器9とを備えている。しかし、本第3の実施の形態においては、更に機能を高めそして装置の小型化を図る。そこで、温度調節器8Aと過温保護器9とを一体化することで更に装置の小型化を図る。
【0029】
図3は、本第3の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の構成図である。この図3において、温度制御装置は、主に、電気炉1と、反応管4と、温度調節・過温保護コントローラ7とから構成されており、電気炉1内には、ヒータ2とこのヒータ2に対する電力供給制御回路12とヒータ2の温度調節を目的として温度測定を行う第1の熱電対3とヒータ2の過温保護のために温度測定を行う第2の熱電対6とが設置されている。なお、ヒータ2の各部の温度を測定するために第1の熱電対3と第2の熱電対6とはそれぞれ複数配置されている。また、反応管4の温度を測定するための第3の熱電対5が反応管4の近傍に縦方向に複数配置されている。
【0030】
温度調節・過温保護コントローラ7は、温度調節用の第1の熱電対3からの測定温度信号と、過温保護用の第2の熱電対6からの測定温度信号と、反応管4の温度を監視するための第3の熱電対5からの測定温度信号とを取り込み、ヒータ2及び反応管4の温度調節とヒータ2の過温保護動作とを行う。この温度調節・過温保護コントローラ7は、具体的には、温度調節用の第1の熱電対3からの測定温度信号を監視し、ヒータ2の温度を最適な温度にさせるようにヒータ2に対する電力供給制御を電力供給制御回路12へ行わせる。また、反応管4の温度を監視するための第3の熱電対5からの測定温度信号も監視し、反応管4の温度が最適な温度になるようにヒータ2に対する電力供給制御を電力供給制御回路12へ行わせる。更に、過温保護用の第2の熱電対6からの測定温度信号も監視し、所定の温度よりも高くなった場合にヒータ加熱温度異常と判断してヒータ2に対する電力供給を強制的にオフさせる制御を行う。
【0031】
そして、温度調節・過温保護コントローラ7は、特徴的には、測定温度信号から第1の熱電対3が故障であると判断すると、第1の熱電対3を温度調節用に使用することをやめ、代わりに過温保護用の第2の熱電対6からの測定温度信号を温度調節用の測定温度信号として使用し、ヒータ2への電力供給制御を行う。
【0032】
また、温度調節・過温保護コントローラ7は、たとえば、温度調節用の第1の熱電対3aが故障したときに、その近傍に配置されている第2の熱電対6aを使用するように選択を切り替えれば良いのであって、その他の正常な温度調節用の第1の熱電対3b、3c、3dは切り替える必要がない。このため正常な第1の熱電対と第2の熱電対6とを有効に使用することができる。
【0033】
さらに、異常発生直前の熱電対の測定温度と、切替時における正常な熱電対の測定温度との間に大きな差がある場合があり、これが温度制御性能の悪化の原因となりかねない。そこで、熱電対の異常が発生し、一方の正常な熱電対の測定温度を使用する際には、以下のような演算によって補正値を求める必要がある。すなわち、
補正値=(異常発生直前の熱電対の測定温度)−(切替時の正常な熱電対の測定温度)
である。
【0034】
そして、切替時以降、この補正値を正常な熱電対の測定温度に加えることによって、温度制御性能が悪化することなく、異常発生以前と同等の温度制御が可能となる。
【0035】
図4は、本第3の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の温度調節・過温保護コントローラ7の具体的な構成図である。この図4において、温度調節・過温保護コントローラ7は、主に、CPU41と、A/Dコンバータ42、43と、チャネル切替回路44、45と、設定値回路46a〜46dと、比較回路47a〜47nとから構成されている。
【0036】
チャネル切替回路44は、過温保護用の熱電対6a〜6dからの測定温度信号を取り込むと共にそれぞれの熱電対に対応した異常温度を判定するための基準となる設定温度値を設定出力している設定値回路46a〜46dからの設定値とを取り込み、CPU41からの命令によってチャネルごとに選択しA/Dコンバータ42に与える。A/Dコンバータ42は、チャネル切替回路44から与えられる過温保護用の熱電対6a〜6dからの測定温度信号と温度設定値とをA/D
(アナログ/デジタル)変換してデジタル測定温度データをCPU41に与える。
【0037】
チャネル切替回路45は、ヒータの温度調節用の第1の熱電対3a〜3dと反応管の温度調節のための第3の熱電対5a〜5dとの測定温度信号を取り込み、CPU41からの命令によって一つずつ選択しA/Dコンバータ43に与える。A/Dコンバータ43は、チャネル切替回路45から与えられる測定温度信号をA/D変換してデジタル測定温度データをCPU41に与える。
【0038】
CPU41は、マイクロプロセッサやプログラムROMやワークRAMやインタフェース回路などから構成され、A/Dコンバータ42からのデジタル測定温度データを取り込み、過温保護用の第2の熱電対6a〜6dの温度を認識する。また、CPU41は、A/Dコンバータ43からのデジタル測定温度データも取り込み、ヒータ2の温度調節用の第1の熱電対3a〜3dの温度と、反応管4の温度調節のための第3の熱電対5a〜5dの温度とを認識する。これらの温度が最適値になっていない場合は、ヒータ2に対する電力供給を制御するための制御信号を生成し電力供給制御回路12に与えるため出力する。さらに、CPU41は、比較回路47a〜47dのいずれかから異常温度アラーム信号を与えられると、ヒータ2の電力供給を強制的にオフさせるための制御信号を発生し電力供給制御回路12に与える。これによって、過温保護用の第2の熱電対6a〜6dのいずれかに過温異常が発生すると、ヒータ2に対する電力供給を強制的にオフさせヒータ2の異常加熱を防止することができる。
【0039】
更に、CPU41は、第1の熱電対3a〜3dのいずれかが故障であると判断すると、その第1の熱電対の近傍に配置されている第2の熱電対6a〜6dのいずれかからの測定温度信号を使用して電力供給制御回路12に対する電力供給の制御を継続する。たとえば、第1の熱電対3aが故障したのであれば、第2の熱電対6aを使用してヒータ2に対する電力供給の制御を継続する。
【0040】
比較回路47a〜47dは、過温保護用の第2の熱電対6a〜6dのそれぞれに対して設定値温度を超えているか否かを比較する。この比較で過温保護用の第2の熱電対6a〜6dの温度が設定値を超えている場合は、異常温度アラーム信号を生成して出力すると共にこの異常温度アラーム信号を電力供給制御回路12に与えて、電力供給停止の制御を行う。設定値回路46a〜46dは、それぞれ過温保護用の第2の熱電対6a〜6dに対応した異常温度を判定するための設定値を設定出力しチャネル切替回路44と比較回路47a〜47dとに与えている回路である。
【0041】
(動作):上述の図4の動作を説明する。まず、ヒータ2の温度調節用の第1の熱電対3a〜3dからの測定温度信号と、反応管4の温度調節用の第3の熱電対5a〜5dからの測定温度信号と、ヒータ2の過温保護用の第2の熱電対6a〜6dからの測定温度信号とは同時期に温度調節・過温保護コントローラ7に与えられる。そして、第1の熱電対〜第3の熱電対までのそれぞれの測定温度をCPU41が認識する。ここで、CPU41は、たとえば、第1の熱電対3bが故障している場合は、第2の熱電対6bを使用してヒータ2に対する電力供給の制御を継続する。また、第2の熱電対6cが故障している場合は、第1の熱電対3cを使用して過温保護のための電力供給の制御を行う。また、ヒータ2に対する電力供給の制御は、第3の熱電対5a〜5dからの測定温度信号によっても行われる。
【0042】
(本発明の第3の実施の形態の効果): 以上の本発明の第3の実施の形態によれば、第1の熱電対3a〜3dのいずれが故障して使用できなくなっても、第2の熱電対6a〜6dのいずれかを使用して温度調節のためのヒータ2への電力供給制御を行うことを継続できる。また、逆に第2の熱電対6a〜6dのいずれが故障して使用できなくなっても、第1の熱電対3a〜3dのいずれかを使用して過温保護のための電力供給停止の制御を行う。このようにして、温度制御装置の温度制御を管理する上での機能性を高くすることができ、しかも稼働を停止させることなく信頼性を向上させ、簡単な構成で小型化を図ることができる。
【0043】
(他の実施の形態):(1)なお、上述の第1実施の形態及び第2の実施の形態においては、切替回路11又は11Aをヒータ2側又は反応管4の一方に配置したが、両方に設けることも好ましい。
【0044】
(2)また、上述の第3の実施の形態においては、第1の熱電対3が故障になった場合に、第2の熱電対6を使用するように構成したが、他の構成として、反応管4の近傍にも過温保護用の第4の熱電対を設け、反応管4の温度調節用の第3の熱電対5が故障であると判断した場合に、代わりに過温保護用の第4の熱電対を使用して反応管4の温度調節用の測定温度信号を得るように構成することも好ましい。
【0045】
【発明の効果】
以上述べたように本発明は、ヒータの温度調節用に使用する第1の温度センサ及びヒータの異常加熱を検知するための第2の温度センサからの測定温度信号から判断し、いずれかの温度センサが故障であると認識したときに、他方の温度センサからの測定温度信号を使用してヒータへの電力供給の制御を継続することで、装置の温度制御を管理する上での機能性を高くすることができ、しかも稼働を停止させることなく信頼性を向上させ、簡単な構成で小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の構成図である。
【図2】第2の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の構成図である。
【図3】第3の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の構成図である。
【図4】第3の実施の形態の半導体製造システムの温度制御装置の温度調節・過温保護コントローラ7の具体的な構成図である。
【図5】従来の半導体製造システムの温度制御装置の構成を示す縦断面図である。
【図6】別の従来例の半導体製造システムの温度制御装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…電気炉(加熱炉)、2…ヒータ、3…第1の熱電対、4…反応管、5…第3の熱電対、6…第2の熱電対、7…温度調節・過温保護コントローラ、8A…温度調節器、9…過温保護器、11、11A…切替回路、12…電力供給制御回路。
Claims (1)
- 内部に積層された複数のウェーハを加熱処理するための反応管と該反応管を加熱するヒータとを有する加熱炉を備え、
上記ヒータの温度を測定して上記ヒータの温度調節用に使用する上記ヒータの縦方向に配置された複数の第1の温度センサと、
上記ヒータの温度を測定して上記ヒータの異常加熱検知用に使用する上記ヒータの縦方向に配置された複数の第2の温度センサとを有し、
上記第1の温度センサにより測定される温度に応じて上記ヒータへの電力供給を制御するとともに、上記第2の温度センサにより測定される温度から異常加熱が検出されたときに上記ヒータへの電力供給を強制的に停止させる半導体製造システムにおいて、
上記反応管内に積層された複数のウェーハを上記ヒータにより加熱処理している際に、
上記複数の第1の温度センサのうちの任意の第1の温度センサが故障であると認識したときは、上記故障であると認識された第1の温度センサに代えて、該第1の温度センサの近傍に設けられた第2の温度センサのみを上記ヒータの温度調節用に使用して、上記第1の温度センサの近傍に設けられた第2の温度センサにより測定される温度に応じて上記ヒータへの電力供給の制御を継続させるとともに、上記複数の第2の温度センサにより測定される温度から異常加熱が検出されたときに上記ヒータへの電力供給を強制的に停止させる機能を保持させ、
上記故障であると認識されなかった第1の温度センサは、そのまま上記ヒータの温度調節用に使用して、上記第1の温度センサにより測定される温度に応じて上記ヒータへの電力供給の制御を継続させる制御手段を備えたことを特徴とする半導体製造システム。
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