JP4297864B2 - 螺合接続部の異常検出装置 - Google Patents
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Description
このようなヒータと給電線との接続は、一般的に、ヒータの端部に挿通した雄ネジを電力供給側の金属部材に螺合することにより行われている。そこで、この接続部分を螺合接続部という。
そこで、本発明の目的は、螺合接続部の異常を検出することが出来ると共に給電前に異常検出を行うことが出来る螺合接続部の異常検出装置を提供することにある。
上記第1の観点による螺合接続部の異常検出装置1では、負荷抵抗Lおよび螺合接続部Cを含む負荷回路Aの抵抗値Ra,Rを測定し異常を判定するため、負荷抵抗Lだけでなく、螺合接続部Cの異常をも検出することが出来る。また、給電前に負荷回路Aの抵抗値Raを測定し異常を判定するため、給電前に異常検出を行うことが出来る。
なお、本来持つべき抵抗負荷Lの抵抗値が既知の場合は、
螺合接続部Cの抵抗値=RaまたはR−抵抗負荷Lの抵抗値
により螺合接続部Cの抵抗値を算出することが可能である。
螺合接続部の螺合に緩みが生じると、電気的接触が不完全になり、接触抵抗が増大する。他方、グロー放電やアーク放電が発生すると、短絡により抵抗値が減少する。
そこで、上記第2の観点による螺合接続部の異常検出装置1では、抵抗値Rが規定範囲より大きいなら螺合接続部Cまたは負荷抵抗Lの異常と判定し、抵抗値Rが規定範囲より小さいなら放電発生による異常と判定することが出来る。
抵抗負荷Lや螺合接続部Cの抵抗値が増大し赤熱すると、赤色化光が放出される。他方、抵抗負荷Lや螺合接続部Cで放電が発生すると、放電光が放出される。
そこで、上記第3の観点による螺合接続部の異常検出装置1では、赤色化光や放電光を受光することにより、抵抗値の変化とは別の方法でも異常を検出する。
高温状態を示す赤色化光と放電光とは、波長帯域が異なる。
そこで、上記第4の観点による螺合接続部の異常検出装置1では、受光した光の波長帯域を基に螺合接続部Cまたは負荷抵抗Lの赤熱による異常か放電発生による異常かを判定する。なお、赤色化光の波長帯域に合わせたフィルタと放電光の波長帯域に合わせたフィルタとを受光手段20に備えることにより、受光した光の波長帯域を区別できる。
抵抗負荷Lが、炭化珪素ヒータなど温度により大きく抵抗値が変化する場合は、規定範囲も温度に合わせて変更する必要がある。
そこで、上記第5の観点による螺合接続部の異常検出装置1では、負荷抵抗Lの温度tに応じて前記規定範囲を変更する。なお、給電時間と負荷抵抗Lの温度tの関係が略一定であるなら、給電時間に応じて前記規定範囲を変更してもよい。
上記第6の観点による螺合接続部の異常検出装置1では、異常と判定した時は、操作者や上位装置Hの指示を待たずに給電を停止するため、安全性を向上できる。
このヒータ温度制御装置100は、半導体ウエハを加熱するためのヒータである抵抗負荷Lと、抵抗負荷Lと給電線Wを接続するための螺合接続部Cと、抵抗負荷Lの温度を測定するための温度センサTと、抵抗負荷Lと螺合接続部Cと温度センサTとを収容した真空容器Dと、真空容器Dから例えば10Pa〜100Pa程度の圧力まで排気するための真空排気装置Eと、抵抗負荷Lと螺合接続部Cを含む負荷回路Aに給電線Wを介して電力を供給する電力供給装置Pと、温度センサTで測定した温度が所望のヒータ温度(例えば600℃〜800℃)になるように電力供給装置Pから供給する電力を制御する温度調節器Qと、給電線Wの途中に介設された螺合接続部の異常検出装置1と、温度調節器Qや螺合接続部の異常検出装置1に指令を与えるホストコンピュータの如き上位装置Hとを備えている。
抵抗負荷Lはセラミック系ヒータや炭化珪素ヒータなどを構成している素材であり、割れや欠けが発生しやすい。
雄ネジBは、抵抗負荷Lと同じ素材か又は硬度は高いが衝撃に弱い高耐熱材料であり、割れや欠けが発生しやすい。
従って、雄ネジBの螺合は、割れや欠けが発生しないよう、低トルク(15〜20cN/m以下)で締め付けせざるを得ず、螺合状態を保持するための摩擦力が非常に弱い状態にある。
ステップS1では、電力接続遮断器5で負荷回路Aと電力供給装置Pとを遮断した状態でスイッチ7をオンし、負荷回路Aの抵抗値Raを測定する。
ステップS2では、負荷回路Aの測定した抵抗値Raが正常範囲内にあるか判断し、正常範囲外であればステップS3へ移行し、正常範囲内であればステップS4へ移行する。
ステップS6では、電流Iが0であれば抵抗値Rを算出不可能であるためステップS5に戻り、0でなければ抵抗値Rを算出可能であるためステップS7へ進む。なお、電流Iが0になることは、所望のヒータ温度より温度センサTで測定した抵抗負荷Lの温度が高い状態で起こりうる。
ステップS7では、R=V/Iにより抵抗負荷Lの抵抗値Rを計算する。
ステップS12では、抵抗値Rが規定範囲より増加側にあればステップS13へ進み、減少側にあればステップS14へ進む。
ステップS23では、電力接続遮断器5で負荷回路Aと電力供給装置Pとを遮断し、負荷回路Aへの電力供給を止める。そして処理を終了する。
(1)負荷抵抗Lだけでなく、螺合接続部Cの異常をも検出することが出来る。
(2)給電前に異常検出を行うことが出来る。
(3)螺合接続部C及び/又は抵抗負荷Lの異常と放電発生の異常とを区別することが出来る。
このヒータ温度制御装置100は、半導体ウエハを加熱するためのヒータである抵抗負荷Lと、抵抗負荷Lと給電線Wを接続するための螺合接続部Cと、抵抗負荷Lの温度を測定するための温度センサTと、抵抗負荷Lと螺合接続部Cと温度センサTとを収容した真空容器Dと、真空容器Dから排気するための真空排気装置Eと、抵抗負荷Lと螺合接続部Cを含む負荷回路Aに給電線Wを介して電力を供給する電力供給装置Pと、温度センサTで測定した温度が所望のヒータ温度(例えば600℃〜800℃)になるように電力供給装置Pから供給する電力を制御する温度調節器Qと、給電線Wの途中に介設された螺合接続部の異常検出装置1と、温度調節器Qや螺合接続部の異常検出装置1に指令を与えるホストコンピュータの如き上位装置Hとを備えている。
ステップS1では、電力接続遮断器5で負荷回路Aと電力供給装置Pとを遮断した状態でスイッチ7をオンし、負荷回路Aの抵抗値Raを測定する。
ステップS2では、負荷回路Aの測定した抵抗値Raが正常範囲内にあるか判断し、正常範囲外であればステップS3へ移行し、正常範囲内であればステップS4へ移行する。
ステップS6では、電流Iが0であれば抵抗値Rを算出不可能であるためステップS5に戻り、0でなければ抵抗値Rを算出可能であるためステップS7へ進む。
ステップS7では、R=V/Iにより抵抗負荷Lの抵抗値Rを計算する。
ステップS9では、温度tに応じた規定範囲を設定する。抵抗負荷Lが例えば炭化珪素ヒータなどである場合、図9に示すように温度tにより抵抗値Rが変化する。従って、温度tに応じて規定範囲も変更する必要がある。なお、図10に示すように、給電時間と負荷抵抗Lの温度tの関係が略一定であるなら、給電時間に応じて規定範囲を変更してもよい。
ステップS12では、抵抗値Rが規定範囲より増加側にあればステップS13へ進み、減少側にあればステップS14へ進む。
ステップS16では、赤色化光を受光したならステップS17へ進み、赤色化光を受光してないならステップS19へ進む。
ステップS18では、螺合接続部C及び/又は抵抗負荷Lの異常と判断し、その旨を上位装置Hに報告し、処理を終了する。赤色化光を受光した場合は、螺合接続部C及び/又は抵抗負荷Lが赤熱していると判断されるからである。
ステップS21では、放電が発生した異常と判断し、その旨を上位装置Hに報告し、処理を終了する。放電光を受光した場合は、螺合接続部C,抵抗負荷Lあるいは真空容器Dの電源導入端子にグロー放電やアーク放電が発生していると判断されるからである。
ステップS23では、電力接続遮断器5で負荷回路Aと電力供給装置Pとを遮断し、負荷回路Aへの電力供給を止める。そして処理を終了する。
(1)負荷抵抗Lだけでなく、螺合接続部Cの異常をも検出することが出来る。
(2)給電前に異常検出を行うことが出来る。
(3)螺合接続部C及び/又は抵抗負荷Lの異常と放電発生の異常とを区別することが出来る。
(4)負荷回路Aの抵抗値Rの変化とは別に光によっても異常を検出することが出来る。
2 電流検出部
3 電圧検出部
4 抵抗測定部
5 電力接続遮断部
6 演算処理装置
7 スイッチ
19 ガラス窓
20 受光部
A 負荷回路
B 雄ネジ
C 螺合接続部
E 真空排気装置
H 上位装置
N 接続管
P 電力供給装置
Q 温度調節器
L 抵抗負荷
T 温度センサ
W 給電線
D 真空容器
Claims (6)
- 500℃以上の高温環境下で使用する抵抗負荷Lおよび抵抗負荷Lの端部に挿通した雄ネジBを電力供給側の金属部材Nに螺合することにより抵抗負荷Lと給電線Wの接続を行う螺合接続部Cとを含む負荷回路Aの抵抗値を測定するための抵抗測定手段4と、負荷回路Aに印加される電圧Vを検出する電圧検出手段3と、負荷回路Aに流れる電流Iを検出する電流検出手段2と、給電線Wを介して負荷回路Aに電力を供給する電力供給装置Pと給電線Wを接続/遮断する電力接続遮断手段5と、演算処理装置6とを具備して構成されており、前記演算処理装置6は、負荷回路Aへ電力を供給中に前記電圧測定手段3と前記電流測定手段2とにより電圧Vと電流Iを測定しそれらを基に負荷回路Aの抵抗値Rを算出し、抵抗値Rが規定範囲より大きいなら螺合接続部Cまたは負荷抵抗Lの異常と判定し、抵抗値Rが規定範囲より小さいなら放電発生による異常と判定することを特徴とする螺合接続部の異常検出装置1。
- 請求項1に記載の螺合接続部の異常検出装置1において、前記演算処理装置6は、負荷抵抗Lの温度tまたは給電時間に応じて前記規定範囲を変更することを特徴とする螺合接続部の異常検出装置1。
- 請求項1または請求項2に記載の螺合接続部の異常検出装置1において、抵抗負荷Lまたは螺合接続部Cから放出される光を受光する受光手段20を具備し、前記演算処理装置6は、前記受光手段20により光を受光したときは異常と判定することを特徴とする螺合接続部の異常検出装置1。
- 請求項3に記載の螺合接続部の異常検出装置1において、前記演算処理装置6は、前記受光手段20により受光した光の波長帯域を基に螺合接続部Cまたは負荷抵抗Lの赤熱による異常か放電発生による異常かを判定することを特徴とする螺合接続部の異常検出装置1。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の螺合接続部の異常検出装置において、前記演算処理装置6は、前記電力接続遮断手段5により電力供給装置Pと給電線Wを遮断した遮断状態で前記抵抗測定手段4により負荷回路Aの抵抗値Raを測定し、抵抗値Raが正常範囲外なら遮断状態を継続し、正常範囲内なら前記電力接続遮断手段5により電力供給装置Pと給電線Wを接続した接続状態にして負荷回路Aに電力を供給することを特徴とする螺合接続部の異常検出装置1。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の螺合接続部の異常検出装置において、前記演算処理装置6は、負荷回路Aへ電力を供給中に異常と判定した時は、前記電力接続遮断手段5により電力供給装置Pと給電線Wを遮断し、給電を停止することを特徴とする螺合接続部の異常検出装置1。
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