JP6326042B2 - アーク発生検知装置及び開閉器 - Google Patents

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Description

本発明は、アーク発生検知装置及び開閉器に関し、特に、直流電源ラインに属する端子等の電気的接続部位におけるアーク(放電)の発生検知に好適なアーク発生検知装置及び直流電源ラインに挿入され、その電路の開閉に好適な開閉器に関する。
近年、太陽電池パネル、燃料電池等の直流出力型の分散型電源が注目され、一般家庭においても使用されている。交流電源用の電化製品が普及している一般家庭やオフィス等では、このような直流出力型の分散型電源から供給される直流電力をパワーコンディショナにより交流電源に変換して使用していることが多い。
このような直流出力型の分散型電源を使用する家庭等では、従来の交流配電と同様、電路に予定以上の電流が流れることを防止するために、建物等への引込み口に開閉器(遮断器)が配置される。このような開閉器において、開閉器の端子に電線を端子ネジで締め付けて配線する場合、端子ネジの締め付けトルクの不足や温度変化による熱膨張等によって端子ネジの締め付けにゆるみが生じる場合がある。
このような端子ネジのゆるみによって開閉器の端子と電線との間に隙間ができると、アーク(放電)が発生する可能性がある。アークが発生すると、開閉器に直流電流が流れる場合には交流電流のように電流が零になることがないため、電流が大きい状態で連続的にアークが発生し続ける。この場合、アーク発生部位が高温になり、開閉器や電線、あるいはその周辺の部品等が焼損する場合がある。このような問題は、端子を介することなく電線同士を直接接続した接続部位において、電線間に隙間が生じた場合にも発生し得る。
例えば、開閉器の端子温度を計測する温度センサ等を設け、当該端子温度が高くなった場合に接点を開極して電路を開放する構成を採用することも考えられる。しかしながら、アーク発生に起因する温度上昇は比較的早いため、温度センサ等による保護動作が機能する前に焼損が発生する可能性がある。また、このような構成では、開閉器が接続された直流電源ラインに属する別の機器における端子と電線との間でのアークの発生を検知することができない。
この対策として、特許文献1は、アーク検出回路を備える開閉器を開示している。このアーク検出回路は、直流電圧上に重畳されている変動電圧成分(高周波成分)を検出することでアークの発生を検出する。そのため、開閉器の端子だけでなく、開閉器が接続された直流電源ラインに属する他の端子や接続部位において発生したアークの発生を検出することができる。そして、当該アークの発生に応じて接点を開極することもできる。
特開2012−134002号公報
しかしながら、特許文献1が開示する技術では、直流電源ラインから電圧変動成分を抽出して増幅する増幅回路、当該増幅回路により増幅された信号の周波数を求めるためのカウンタ回路、カウンタ回路を動作させるためのクロック回路、カウンタ回路の出力に基づいてアークが発生しているか否かを判定する判定回路等が必要である。すなわち、電子回路が複雑であるため、コストがかかることになる。電圧に代えて電流を監視することも考えられるが、複雑な電子回路が必要であり、高コストであることに変わりはない。
また、このような複雑な電子回路を汎用の電子部品により構成した場合、当該電子回路を搭載した基板を収容するために比較的大きなスペースを開閉器内に確保する必要がある。その結果、開閉器が大型化するという問題もある。電子回路を汎用部品ではなく、専用の半導体集積回路とすることで小型化は可能であるが、さらに高コストになってしまう。
本発明は、このような従来技術の課題を鑑みてなされたものであって、比較的簡単な構成で電源ラインに属する端子等の電気的接続部位におけるアークの発生を検知することができ、小型化が可能なアーク発生検知装置及び開閉器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用している。すなわち、本発明に係るアーク発生検知装置は、電気機器とともに使用されるアーク発生検知装置であって、アーク光検知部、判定部及び信号出力部を備える。アーク光検知部は、電気機器の直流電源ラインに属する接続部位におけるアーク発生時に放射されるアーク光を検知する。当該アーク光検知部は、例えば、電子管や半導体センサにより構成することができる。また、アーク発生箇所の金属によりアーク発光色が変わることからカラーセンサでも識別可能である。前記アーク光検知部よりの信号に基づいて、分析手段が前記アーク光検知部よりの信号が所定の閾値以上の電位になる間隔を計測し、当該間隔が不規則である場合に、さらに秒単位でその発生回数を計測し、記憶手段に記憶された所定の閾値と比較して、前記計測した回数が前記閾値以上になったとき、アーク光の揺らぎが発生したと判定する。信号出力部は、出力端子又は信号増幅器を備える出力端子により構成することができる。
また、判定部は、アーク光検知部からの出力信号の大きさが所定値以上であれば、検知信号を出力する構成とすることができる。信号出力部は、出力端子又は信号増幅器を備える出力端子により構成することができる。また、前記判定部はアーク光を監視し光の揺らぎを分析して、アーク光特有の揺らぎのあるときに、前記検知信号を出力する構成とすることができる。
一方、他の観点では、本発明は開閉器を提供することもできる。すなわち、本発明に係る開閉器は、電源側端子、負荷側端子、接点、アーク光検知部、判定部及び接点開放部を備える。電源側端子は、直流電源に電気的に接続される。負荷側端子は、前記直流電源からの電力が供給される負荷に電気的に接続される。接点は、電源側端子と負荷側端子との間に介在され、電源側端子と負荷側端子とを電気的に接続する閉状態と、電源側端子と負荷側端子とを電気的に分離する開状態とを切り替える。アーク光検知部は、アーク発生時に放射されるアーク光を検知する。判定部は、前記アーク光検知部よりの信号に基づいて、分析手段が前記アーク光検知部よりの信号が所定の閾値以上の電位になる間隔を計測し、当該間隔が不規則である場合に、さらに秒単位でその発生回数を計測し、記憶手段に記憶された所定の閾値と比較して、前記計測した回数が前記閾値以上になったとき、アーク光の揺らぎが発生したと判定する。接点開放部は、判定部によりアーク光検知部がアーク光を検知したと判定された場合、接点を開状態にする。アーク光検知部は、前記したように、電子管や半導体センサにより構成することができる。またアーク発生箇所の金属によりアーク発光色が変わることからカラーセンサでも識別可能である。

一方、他の観点では、本発明は開閉器を提供することもできる。すなわち、本発明に係る開閉器は、電源側端子、負荷側端子、接点、アーク光検知部、判定部及び接点開放部を備える。電源側端子は、電源に電気的に接続される。負荷側端子は、電源からの電力が供給される負荷に電気的に接続される。接点は、電源側端子と負荷側端子との間に介在され、電源側端子と負荷側端子とを電気的に接続する閉状態と、電源側端子と負荷側端子とを電気的に分離する開状態とを切り替える。アーク光検知部は、アーク発生時に放射されるアーク光を検知する。判定部は、アーク光検知部がアーク光を検知したか否かを判定する。接点開放部は、判定部によりアーク光検知部がアーク光を検知したと判定された場合、接点を開状態にする。アーク光検知部は、前記したように、電子管や半導体センサにより構成することができる。またアーク発生箇所の金属によりアーク発光色が変わることからカラーセンサでも識別可能である。
この開閉器において、接点開放部は、判定部からの信号に応じて接点を閉状態から開状態に駆動する駆動部と、当該駆動部を作動させる電源回路とを備える構成を採用することができる。
本発明によれば、比較的簡単な構成で電源ラインに属する端子等の電気的接続部位におけるアークの発生を検知することができる。そのため、小型で低コストのアーク発生検知装置及び開閉器を実現することができる。また、判定部でアーク発生による揺らぎを検知する構成とすることにより、可視光線を含む太陽光や蛍光灯等の光と判別可能なるため、誤動作を防止できることになる。
また、広範囲のアーク光を監視出来るため、蓄電室や直流から交流に変換する様な設備の部屋全体を監視出来ることから、アーク発生警報器としても応用が可能であり、更に、飛行機のバッテリー火災事故の様な事例も未然防げることになる。
図1は、本発明の一実施形態における開閉器の適用例を示すブロック図。 図2は、本発明の一実施形態における開閉器の外形を示す斜視図。 図3は、本発明の一実施形態における開閉器を示す概略構成図。 図4は、本発明の一実施形態における開閉器が備える判定部の構成を示す概略構成図。 図5は、本発明の一実施形態におけるアーク発生検知装置を示す概略構成図。 図6は、揺らぎ検出機能を持つ開閉器の一実施形態のブロック図。 図7は、揺らぎ検出機能を持つアーク発生検知装置のブロック図。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。以下では、直流電源である太陽電池パネルに接続された開閉器(遮断器)として本発明を具体化する。
図1は本実施形態における開閉器の適用例を示すブロック図である。図1に示すように、開閉器12は、太陽電池パネル11とパワーコンディショナ13の間に接続され、太陽電池パネル11とパワーコンディショナ13との間の電路を開閉する。周知のように、太陽電池パネル11は、太陽からの光エネルギーを光起電力効果により電気エネルギー(直流電力)に変換する。パワーコンディショナ13は、太陽電池パネル11により生成された直流電力を交流電力に変換し、当該交流電力を、例えば、建屋内の交流配電系に供給する。
図2は、開閉器12の外形を示す斜視図である。図2に示すように、開閉器12は、その一方面(図2では上面)に端子21、22、23、24を備える。ここでは、端子21及び端子22が太陽電池パネル11に接続される電源側端子であり、端子23及び端子24がパワーコンディショナ13に接続される負荷側端子である。例えば、端子21が太陽電池パネル11の正極と電気的に接続される場合、端子23がパワーコンディショナ13の正極と電気的に接続される。この場合、端子22は太陽電池パネル11の負極と電気的に接続され、端子24はパワーコンディショナ13の負極と電気的に接続される。
図3は、開閉器12の内部構成を模式的に示す概略構成図である。図3に示すように、端子21は可動接点42及び固定接点41により構成される接点を介して端子23と接続されている。可動接点42と固定接点41とが電気的に接続されることにより、端子21と端子23とは導通状態(閉状態)となり、可動接点42と固定接点41とが電気的に分離されることにより、端子21と端子23とは非導通状態(開状態)となる。同様に、端子22は可動接点44及び固定接点43により構成される接点を介して端子24と接続されている。可動接点44と固定接点43とが電気的に接続されることにより、端子22と端子24とは導通状態(閉状態)となり、可動接点44と固定接点43とが電気的に分離されることにより、端子22と端子24とは非導通状態(開状態)となる。
可動接点42及び可動接点44は、両接点の開状態と閉状態とを切り替える切替レバー(図示せず)の切替状態に連動して動作するリンク機構と連結されており、切替レバーの状態に応じて開状態と閉状態とが切り替わる。当該リンク機構の構造は特に限定されず、公知の任意の構造を採用することができる。ここでは、単純化したリンク機構に基づいて開閉器12の構造を説明する。
図3に示すように、可動接点42及び可動接点44は、リンク部材51に連結されている。リンク部材51は、図示しない付勢部材により、各可動接点42、44が開状態(固定接点41、43と非接触の状態)になる方向(図3中では矢印52で示す方向)に付勢されている。リンク部材51は、上述の切替レバーの切替状態に応じて、当該付勢方向に沿って直線的に移動する。リンク部材51には、係止片54と係合する係合部53が固定されており、係合部53が係止片54と係合することで、各可動接点42、44が対応する固定接点41、43と接触する状態(閉状態)に維持される。
図3の例では、係合部53は、リンク部材51の付勢方向52と交差する方向に突出する状態で、一端がリンク部材51に固定されている。係合部53の他端は、リンク部材51の付勢方向52側に突出する突出部を有している。当該突出部は、図3に示すように、縦断面が、リンク部材51の付勢方向52側に頂点を有し、リンク部材51側に傾斜面を有する直角三角形状の形状になっている。
一方、係合片54は、一端が支持軸55に回動可能に支持された棒状片により構成されている。係合片54の他端は、縦断面が、係合部53の突出部の頂点と対向する頂点を有し、リンク部材51と反対側に傾斜面を有する直角三角形状の形状になっている。係合片54の他端は、リンク部材51方向(図3中では矢印57で示す方向)に付勢されている。係合片54の付勢方向側にはストッパ部材56が配置されており、係合片54の他端が係合部53と係合する位置を超えて回動することがない構成になっている。
本構成では、切替レバーを開状態から閉状態に切り替えると、リンク部材51が付勢力に抗する方向に移動して各可動接点42、44が対応する固定接点41、43と接触し、さらに、係合片54と係合部53とが係合する。当該状態で切替レバーの操作を完了してリンク部材51に付与する力を開放しても、各可動接点42、44は対応する固定接点41、43と接触する状態に維持される。
また、係止片54のストッパ部材56の反対側にはトリップコイル65が配置されている。本実施形態では、係止片54の他端のトリップコイル65側に磁性体が配置されており、トリップコイル65を駆動して電磁力を発生させることで、係止片54を付勢力に抗する方向に回動させることができる。係止片54を付勢力に抗する方向に回動させると、係合片54と係合部53との係合が解除され、リンク部材51は付勢方向に移動する。すなわち、トリップコイル65を駆動することで、各可動接点42、44は閉状態から開状態になる。なお、図3では図示を省略しているが、各可動接点42、44の周囲には、各可動接点42、44が閉状態から開状態になるときに、対応する固定接点41、43との間で発生するアークを消弧するための消弧機構が設けられている。
トリップコイル65は、例えば、端子21〜24の温度が所定温度を超えたときや、端子21と端子23との間、又は端子22と端子24との間に所定の大きさを超える電流が流れたとき等、電源と負荷と電気的に分離する必要が発生したときに駆動される。端子21〜24の温度は各端子に接続された温度センサ等により検知することができ、端子21と端子23との間、端子22と端子24との間の電流は、各電路に配置された電磁誘導コイル等により検知することができる。なお、図3では、アーク発生時にトリップコイル65を駆動するための構造のみを図示している。
図3に示すように、開閉器12は、アーク光検知部61、判定部62及び接点開放部63を備える。
アーク光検知部61は、アーク発生時に放射されるアーク光を検知する。アーク光検知部61には、電子管(光電管)、半導体センサ等のアーク光を検知可能な任意の素子、センサ等を採用することができる。アーク光検知部61は、紫外光領域のみに感度を有することが好ましい。例えば、可視光カットフィルタを内蔵したシリコン半導体からなるフォトダイオードや、窒化ガリウム半導体や窒化アルミニウムガリウム半導体からなるフォトダイオード等を使用することができる。アーク光検知部61は1つである必要はなく複数配置することもできる。またアーク発生箇所の金属によりアーク発光色が変わることからカラーセンサでも識別可能である。
図2に示すように、本実施形態では、端子21、端子22と対向する開閉器12の筐体に、各端子においてアークが発生した際に放射されるアーク光を開閉器12の筐体内に導入するための透過窓31、透過窓32がそれぞれ設けられている。端子23、端子24と対向する開閉器12の筐体にも同様に、各端子においてアークが発生した際に放射されるアーク光を開閉器12の筐体内に導入するための透過窓がそれぞれ設けられている。
また、開閉器12の筐体には、当該筐体から離れた位置においてアークが発生した際に放射されるアーク光を開閉器12の筐体内に導入するための透過窓も設けられている。図3の例では、筐体上面に設けられた透過窓35、透過窓36及び手前側側面に設けられた透過窓37が図示されているが、下面及び奥側側面にも同様の透過窓が設けられている。これらの透過窓35〜37は、例えば、開閉器12と接続される他の電気機器(この例では、太陽電池パネル11やパワーコンディショナ13)の端子等の電気的接続部位において発生したアークに伴うアーク光を開閉器12の筐体内に導入する。各透過窓31、32、35、36、37は、例えば、紫外光領域の光を透過させる透光性部材により構成することができる。なお、開閉器12と接続される他の電気機器の端子等の電気的接続部位から放射されたアーク光が透過窓に到達し難い位置関係にあるときは、適宜、光ファイバ等の導光部材や反射板を配置し、アーク光を透過窓に案内してもよい。
開閉器12において、これらの透過窓のそれぞれにアーク光検知部61を配置することも可能であるが、本実施形態では、1のアーク光検知部61を備える構成としている。そのため、各透過窓を通過して開閉器12の筐体内に進入したアーク光は、筐体内で適宜反射されてアーク光検知部61に到達する構成になっている。なお、アーク光検知部61へアーク光を効率的に到達させるために、適宜、光ファイバ等の導光部材や反射板を配置してもよい。また、筐体内面にアーク光の反射率を高めるコーティング等を施してもよい。また、アーク光検知部61は、不要な外来アーク光が入射することがないように、開閉器12は遮光ケース内に収容されることが好ましい。
判定部62は、アーク光検知部61がアーク光を検知したか否かを判定する。当該判定部62の構造は特に限定されない。本実施形態では、後述のように、アーク光検知部61からの出力信号の大きさと基準信号との大きさを比較し、アーク光検知部61からの出力信号が基準信号よりも大きいときに、所定の信号を出力するコンパレータにより判定部62を構成している。判定部62によりアーク光検知部61がアーク光を検知したと判定された場合、接点開放部が可動接点42、44を開状態にする。
本実施形態では、接点開放部63は、駆動回路64、トリップコイル65及び電源回路66を備える。駆動回路64及びトリップコイル65は、上述のように、判定部62からの信号に応じて可動接点42、44を閉状態から開状態に駆動する駆動部として機能する。駆動回路64はトリップコイル65を駆動する電流源であり、判定部62から入力される信号に応じて電流を印加する構成になっている。電源回路66は、駆動回路64を作動させるための電力を供給する。電源回路66は、例えば、DC−DCコンバータにより構成される。この例では、電源回路66は、固定接点41と端子23とを接続する電線、及び固定接点43と端子24とを接続する電線から直流電力を取得し、駆動回路64に供給する直流電源を生成する。また、本実施形態では、電源回路66はアーク光検知部61及び判定部62にも直流電力を供給する構成になっている。
図4は、判定部62の構成を示す概略構成図である。図4に示すように、判定部62はコンパレータ(比較器)71により構成される。コンパレータ71に入力される基準信号は、電源回路66から供給される直流電位と、分圧抵抗72、73とにより生成される。すなわち、直列に接続された抵抗72と抵抗73に対して電源回路66から所定の直流電位が印加されるとともに、抵抗72と抵抗73との間の電位が基準電位としてコンパレータ71に入力される。なお、抵抗72の抵抗値と抵抗73の抵抗値との比(すなわち、基準電位)は、検知すべきアーク光の強度に対応するアーク光検知部61の出力信号(出力電位)の大きさに応じて適宜設定すればよい。
また、アーク光検知部61の出力信号が比較信号としてコンパレータ71に入力される。例えば、コンパレータ71は、アーク光検知部61の出力信号が基準電位以下である場合、Lowレベル信号を出力し、アーク光検知部61の出力信号が基準電位を超える場合、Highレベル信号を出力する。コンパレータ71の出力信号は駆動回路64に入力される。駆動回路64はコンパレータ71からHighレベル信号が入力されたときにトリップコイル65に電流を印加し、係止片54を移動させて可動接点42、44を開状態にする。
以上の構成において、開閉器12の端子21〜24、あるいは開閉器12に接続される電気機器である、太陽電池パネル11の端子やパワーコンディショナ13の端子、あるいは他の電気的接続部位においてアーク(放電)が発生した場合、アーク発生に伴って放射されるアーク光が、直接又は適宜反射されて開閉器12内に配置されたアーク光検知部61に入射すると、トリップコイル65が駆動されて可動接点42、44が開状態になる。
以上の記述で、判定部62として、コンパレータ71を使用し、基準の電位以上の電位がアーク光検知部61から入力されたときに、アーク光が発生したと判断するようにしている。しかしながら、この構成では、基準の強度を超えた太陽光や蛍光灯からの光が前記入射窓から入射すると誤動作をする惧れがある。
ところで、アーク光検知部61がアーク光を検知したときに発生する電位は、特有の揺らぎを持つので、この揺らぎを利用することによって、前記太陽光や蛍光灯からの光との判別ができることになる。
図6はアーク光の揺らぎを検出する構成を持つ判定部62の一例を示すブロック図である。分析手段88はアーク光検知部61が所定の閾値以上の電位になる間隔を計測しておき、当該間隔が不規則である場合に、さらに秒単位でその回数を計数する。一方、記憶手段89には前記回数の閾値(例えば200)を記憶しておき、前記分析手段88は計測した回数が前記閾値以上になったときはアークと判定するようにしている。これによって、蛍光灯の光のように規則的に点滅する光、および太陽光やLEDのように変化のない光の両方からの分離が可能となる。
上記のように判定部62がアーク光の発生を検知すると、その旨の信号(出力信号)は駆動回路64に入力される。駆動回路64は前記同様、アークである旨の信号を受けてトリップコイル65を駆動することになる。
なお、上記では特に好ましい形態として、アーク光検知部を開閉器12の筐体内に配置する構成としたが、アーク光検知部を開閉器12の筐体外部に配置して、アーク光検知部の出力信号を開閉器12の筐体内に配置した判定部62に入力する構成であってもよい。また、判定部62を開閉器の筐体外部に配置してもよい。この場合、開閉器は、外部から入力される信号に応じて接点を開状態にする接点開放部を備えることになり、アーク発生を検知して開閉器の接点を開状態にするための信号を開閉器に入力する部分は、アーク発生検知装置を構成することになる。
図5は、アーク発生検知装置を示す概略構成図である。図5に示すようにアーク発生検知装置90は、アーク光検知部91、判定部92及び信号出力部93を備える。
アーク光検知部91は、アーク発生時に放射されるアーク光を検知する。アーク光検知部91には、上述のように、電子管、半導体センサ等のアーク光を検知可能な任意の素子、センサ等を採用することができる。
また、判定部92は、上述の判定部62と同様にコンパレータ71及び分圧抵抗72、73を備える。分圧抵抗72、73に印加される電位は、外部から供給されてもよく、アーク発生検知装置90の内部に設けた電源回路から供給されてもよい。更に、判定部92として、図7に示すようにアーク光の揺らぎを検出する機能を持たせることもできる。
すなわち、分析手段88はアーク光検知部91が所定の閾値以上の電位になる間隔を計測しておき、当該間隔が不規則である場合に、さらに秒単位でその回数を計数する。一方、記憶手段89には前記回数の閾値(例えば200)を記憶しておき、前記分析手段88は計測した回数が前記閾値以上になったときはアーク光と判定するようにしている。
信号出力部93は、判定部92によりアーク光検知部91がアーク光を検知したと判定した場合、アーク発生検知信号(例えば、Highレベル信号)を外部へ出力する。信号出力部93は、出力端子又は信号増幅器を備える出力端子により構成することができる。
また、アーク発生検知装置90がアーク発生検知信号を入力する開閉器82は、図5に示すように、アーク光検知部61及び判定部62を備えない点で上述の開閉器12と異なる。他の構成は、開閉器12と同一であり、開閉器12と同様の作用効果を奏する部位には同一の符号を付している。
アーク発生検知装置90からのアーク発生検知信号は、接点開放部63の駆動回路64に入力される。駆動回路64はアーク発生検知信号が入力されたときにトリップコイル65に電流を印加し、係止片54を移動させて可動接点42、44を開状態にする。
以上の構成において、アーク発生検知装置90は、開閉器82の端子21〜24、あるいは開閉器82に接続される電気機器である、太陽電池パネル11の端子やパワーコンディショナ13の端子、あるいは他の電気的接続部位においてアーク(放電)が発生した場合、アーク発生に伴って放射されるアーク光が、直接又は適宜反射されてアーク発生検知装置90内に配置されたアーク光検知部91に入射する状態で配置される。
アーク発生検知装置90内へのアーク光の導入は、上述の開閉器12のように、アーク発生検知装置90の筐体に、紫外光領域の光を透過させる透光性部材からなる透過窓を設けることで実施可能である。また、適宜、光ファイバ等の導光部材や反射板を配置し、アーク光を透過窓に案内してもよい。アーク光検知部91は、各透過窓にそれぞれ配置してもよく、各透過窓から入射した紫外光を1のアーク光検知部91に案内する構成でもよい。後者の場合、各透過窓を通過してアーク発生検知装置90の筐体内に進入したアーク光は、筐体内で適宜反射されてアーク光検知部91に到達する。アーク光検知部91へアーク光を効率的に到達させるために、適宜、光ファイバ等の導光部材や反射板を配置してもよく、筐体内面にアーク光の反射率を高めるコーティング等を施してもよい。また、アーク光検知部をアーク発生検知装置90の筐体外部に配置して、アーク光検知部の出力信号をアーク発生検知装置90の筐体内に配置した比較部92に入力する構成を採用することもできる。
本構成であっても、上述の開閉器12と同様の作用効果を奏することができる。
以上説明したように、本発明によれば、比較的簡単な構成で電源ラインに属する端子等の電気的接続部位におけるアークの発生を検知することができる。そのため、小型で低コストのアーク発生検知装置及び開閉器を実現することができる。
なお、上述した実施形態は本発明の技術的範囲を制限するものではなく、既に記載したもの以外でも、本発明の範囲内で種々の変形や応用が可能である。例えば、上述の実施形態では、トリップコイルを駆動して係止片を移動させることで接点を閉状態から開状態に切り替える構成としたが、このようなリンク機構を介することなく、トリップコイルが可動接点を直接移動させる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、透過窓を介してアーク光を筐体内に導入する構成としたが、単なる開口を介して筐体内にアーク光を導入する構成であってもよい。この場合、埃等の異物が筐体内に進入することを抑制する観点では、開口部が開口面積の小さいスリット状であることが好ましい。
さらに、上記では、開閉器に電源である太陽電池パネルと負荷であるパワーコンディショナとを接続した事例について説明したが、電源及び負荷等として開閉器に接続される電気機器は任意である。
加えて、上述の実施形態では、開閉器の一種である遮断器として本発明を具体化したが、遮断器に限らず、任意の開閉器に本発明を適用することも可能である。
本発明によれば、比較的簡単な構成で電源ラインに属する端子等の電気的接続部位におけるアークの発生を検知することができ、アーク発生検知装置及び開閉器として有用である。
12、82 開閉器
21、22、23、24 端子
41、43 固定接点
42、44 可動接点
61 、91 アーク光検知部
62、92 判定部
63 接点開放部
64 駆動回路
65 トリップコイル
66 電源回路
90 アーク発生検知装置
93 信号出力部

Claims (5)

  1. 電気機器とともに使用されるアーク発生検知装置であって、
    電気機器の直流電源ラインに属する接続部位におけるアーク発生時に放射されるアーク光を検知するアーク光検知部と、
    前記アーク光検知部よりの信号に基づいて、当該信号が所定の閾値以上の電位になる間隔を計測し、当該間隔が不規則である場合に、さらに秒単位でその発生回数を計測し、記憶手段に記憶された所定の閾値と比較して、前記計測した回数が前記閾値以上になったとき、アーク光の揺らぎが発生したと判定する判定部と
    前記判定部により前記アーク光検知部がアーク光の揺らぎを検知したと判定された場合、アーク発生検知信号を外部へ出力する信号出力部と、
    を備えたことを特徴とするアーク発生検知装置。
  2. 前記直流電源ラインに、前記電気機器に電力を供給する電源に電気的に接続される電源側端子と、前記電気機器に電気的に接続される負荷側端子と、前記電源側端子と前記負荷側端子との間に介在され、前記電源側端子と前記負荷側端子とを電気的に接続する閉状態と、前記電源側端子と前記負荷側端子とを電気的に分離する開状態とを切り替える接点と、外部から入力される信号に応じて前記接点を開状態にする接点開放部とを備える開閉器が介在され、
    前記信号出力部は、前記判定部により前記アーク光検知部がアーク光を検知したと判定された場合、前記アーク発生検知信号を前記開閉器に入力して前記接点を開状態にする、請求項1に記載のアーク発生検知装置。
  3. 前記アーク光検知部が電子管又は光半導体センサである請求項1又は請求項2に記載のアーク発生検知装置。
  4. 直流電源ラインに電気的に接続される電源側端子と、
    前記直流電源ラインからの電力が供給される負荷に電気的に接続される負荷側端子と、
    前記電源側端子と前記負荷側端子との間に介在され、前記電源側端子と前記負荷側端子とを電気的に接続する閉状態と、前記電源側端子と前記負荷側端子とを電気的に分離する開状態とを切り替える接点と、
    アーク発生時に放射されるアーク光を検知するアーク光検知部と、
    前記アーク光検知部よりの信号に基づいて、分析手段が前記アーク光検知部よりの信号が所定の閾値以上の電位になる間隔を計測し、当該間隔が不規則である場合に、さらに秒単位でその発生回数を計測し、記憶手段に記憶された所定の閾値と比較して、前記計測した回数が前記閾値以上になったとき、アーク光の揺らぎが発生したと判定する判定部と、
    前記判定部により前記アーク光検知部がアーク光の揺らぎを検知したと判定された場合、前記接点を開状態にする接点開放部と、
    を備えたことを特徴とする開閉器。
  5. 前記接点開放部が、
    前記判定部からの信号に応じて接点を閉状態から開状態に駆動する駆動部と、
    前記駆動部を作動させる電源回路と、
    を備える請求項に記載の開閉器。
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