JP2015011854A - 電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造 - Google Patents

Abstract

【課題】消費電力を効果的に低減することができる電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造を提供する。【解決手段】発熱部と端部３をそなえ、端部３に電極部４を設けてなる炭化珪素発熱体１を電気抵抗加熱炉の炉壁５に装着する炭化珪素発熱体１の取り付け構造において、炭化珪素発熱体１の端部４を電気抵抗加熱炉の炉壁５に設けた炉壁貫通穴６に挿通させ、端部３と電極部４を炉壁内に収納したことを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、電気抵抗加熱炉の熱源として用いられる炭化珪素発熱体を電気抵抗加熱炉の炉壁に装着する電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造に関する。

セラミック製品や電子部品の加熱、焼成は、通常、電気加熱方式による電気抵抗加熱炉（以下、単に加熱炉）を用いて行われており、その熱源となる発熱体としてはセラミック系の中空状の炭化珪素発熱体（以下、単に発熱体）が多用されている。

加熱炉に対する発熱体の装着は、通常、図２に示すように、炉体側面の炉壁５に発熱体１の端部３の直径の１．３〜１．５倍程度の径を有する炉壁貫通穴６を設け、この炉壁貫通穴６に発熱体１の端部３を端部３に設けた電極部４が炉外に位置するよう挿通させて、端部３と炉壁貫通穴６との間隙にセラミックウール材７を充填して、発熱体１を炉壁貫通穴６の中心部に位置させるようにし、炉内に発熱体１の発熱部２が配設されるよう取り付けられる。

近年、このような炭化珪素発熱体を熱源とする工業用加熱炉における省エネルギーの要請がますます強まっており、種々の改良策が提案されている。例えば、発熱体の端部の中空部に鉄・ニッケル・コバルト合金などの金属棒を挿入することにより、端部の消費電力を抑制する手法が提案されている。しかしながら、この手法においても、電極部は炉壁外に露出されるようになっている。

特開平８−１５３５７４号公報

本発明は、加熱炉において、さらに省エネルギーを達成するために、炭化珪素発熱体を加熱炉の炉壁に装着する方式と省エネルギーとの関係について検討を重ねた結果としてなされたものであり、その目的は、従来方式と比べて発熱体の消費電力をさらに低減することを可能とする電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造を提供することにある。

上記の目的を達成するための請求項１による電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造は、発熱部と端部をそなえ、端部に電極部を設けてなる炭化珪素発熱体を電気抵抗加熱炉の炉壁に装着する炭化珪素発熱体の取り付け構造において、炭化珪素発熱体の端部を電気抵抗加熱炉の炉壁に設けた炉壁貫通穴に挿通させ、端部と電極部を炉壁内に収納したことを特徴とする。

請求項２による電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造は、請求項１において、前記電気抵抗加熱炉は、炉内温度を１０００℃以下にして操業するものであることを特徴とする。

請求項３による電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造は、請求項１または２において、前記炉壁と炉壁内に収納された端部、電極部との間にセラミックウール材が充填されていることを特徴とする。

本発明によれば、従来方式と比べて端部の消費電力をさらに低減することができる電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造が提供される。特に、炉内温度が１０００℃以下の加熱炉に適用した場合、効果的に省エネルギーを達成することができる。

本発明による電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造の実施例を示す断面図である。 従来の電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造の実施例を示す断面図である。

本発明による電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造は、図１に示すように、発熱部２と端部３をそなえ、端部３に電極部４を設けてなる発熱体１を加熱炉の炉壁５に装着する炭化珪素発熱体の取り付け構造において、発熱体１の端部３を加熱炉の炉壁５に設けた炉壁貫通穴６に挿通させ、端部３と電極部４を炉外に露出させることなく、炉壁５内に収納したことを特徴とする。

本発明による炭化珪素発熱体取り付け構造においては、図１に示すように、炉外への放熱を低減するために、炉壁５と炉壁５内に収納された端部３、電極部４との間にセラミックウール材７が充填されている。

本発明による炭化珪素発熱体取り付け構造においては、発熱体の炉外に露出している部分からの放熱を少なくして消費電力の低減を図るもので、炉内温度を６００〜１２００℃として加熱炉を操業し、図１に示す本発明の方式による発熱体の消費電力を図２に示す従来方式による場合と比較して測定し、本発明の効果を実証した結果を表１〜２に示す。

表１、表２に示されるように、本発明によれば、従来に比べて消費電力が削減される。炉内温度が１０００℃以下、特に炉内温度が９００℃以下の加熱炉に適用した場合に消費電力の削減効果が大きくなり、効果的に省エネルギーを達成することができる。

更に、中空状の発熱体に表面から中空部に貫通する貫通穴を設けておき、発熱体の端部から炉内雰囲気形成用の雰囲気ガスを導入するようにすれば、このガスが端部を冷却するとともに、端部で加熱されたガスが貫通穴から炉内に導入されて、その熱交換分の熱エネルギーが加熱炉の省エネルギーに寄与することができる。

なお、炉内温度が例えば１２００℃を超える高温の加熱炉に本発明を適用すると、端部や電極部の温度が上がり過ぎて電極部が損傷し導通不良を起こす場合もあり得るため、本発明の実施に際しては適用する加熱炉の炉内温度に注意を要する。

１ 発熱体
２ 発熱体の発熱部
３ 発熱体の端部
４ 発熱体の電極部
５ 炉壁
６ 炉壁貫通穴
７ セラミックウール材

Claims (3)

1. 発熱部と端部をそなえ、端部に電極部を設けてなる炭化珪素発熱体を電気抵抗加熱炉の炉壁に装着する炭化珪素発熱体の取り付け構造において、炭化珪素発熱体の端部を電気抵抗加熱炉の炉壁に設けた炉壁貫通穴に挿通させ、端部と電極部を炉壁内に収納したことを特徴とする電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造。
2. 前記電気抵抗加熱炉は、炉内温度を１０００℃以下にして操業するものであることを特徴とする請求項１記載の電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造。
3. 前記炉壁と炉壁内に収納された端部、電極部との間にセラミックウール材が充填されていることを特徴とする請求項１または２記載の電気抵抗加熱炉の炭化珪素発熱体取り付け構造。
   

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