JP5271619B2 - 負荷回路の保護装置 - Google Patents

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本発明は、電線の温度が上昇した際にこれを検出して負荷回路を保護する負荷回路の保護装置に関する。
例えば、車両に搭載されるランプやモータ等の負荷に電力を供給する負荷回路は、バッテリと、該バッテリと負荷との間に設けられる電子スイッチ(半導体スイッチ等)とが備えられており、バッテリ、電子スイッチ、及び負荷がそれぞれ電線を含む導体を介して接続されている。更に、電子スイッチをオン、オフ操作する制御回路が設けられており、該制御回路より出力される駆動、停止信号により、電子スイッチがオン、オフ動作して負荷の駆動、停止が切り換えられる。
このような負荷回路においては、負荷に過電流が流れた際に、いち早く回路を遮断して、負荷、電線、電子スイッチ等を保護するために、ヒューズ等の過電流保護機能が設けられており、一定の閾値電流を超える過電流が流れた際に、これを検出して電子スイッチをオフとし、回路を遮断する。
ところが、このような負荷回路では、上記した閾値電流を超える程度の過電流が流れた場合、即ち、デッドショート発生時には即時にこれを検出して回路を保護できるが、通常電流よりも大きく且つ閾値電流を超えない程度の電流が流れた場合、即ち、レアショートが発生した場合や、周期的にショートを繰り返すチャタリングショートが発生した場合には、これを検出することができないことがある。
このようなレアショート或いはチャタリングショートの発生時には、電線に発生するジュール熱により電線の温度が上昇し、電線の発熱量が放熱量を上回ると、電線温度が徐々に上昇し、発煙、焼損等のトラブルが発生することがある。
このような問題を解決するため、例えば、特開2002−84654号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。該特許文献1では、負荷に電流が流れているときには、このときの電流を読み取ってジュール熱を算出し、負荷に電流が流れていないときには、電線からの放熱量を算出し、電源オフの直後には、電源のオフに伴って発生するアーク熱量を算出する。そして、これらの総和熱量を求め、求められた総和熱量が所定の閾値を超えたときに、回路を遮断して回路全体を保護することが開示されている。
特開2002−84654号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された負荷回路の保護装置では、発熱量、及び放熱量を積算し、この積算値に応じて回路を遮断するか否かを判定するものであり、実際の電線の温度上昇を考慮しているものではない。即ち、発熱量が大きい場合でも太い電線を使用している場合には、放熱量が発熱量を上回り、大きな温度上昇が発生しない。従って、このような場合には継続した通電が可能であるにも関わらず、回路が遮断されてしまうという問題が発生する。
更に、これとは反対に、細い電線を使用している場合には、発熱量が小さくても大きな温度上昇が発生し、発煙、焼損に至る恐れがあるにも関わらず、円滑な回路の遮断が行われないという問題が発生する。また、閾値以上でしか機能しないため、閾値付近での検出電流のオン、オフ操作の繰り返しにより誤差が大きくなり、信頼性に欠ける。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、レアショート或いはチャタリングショートの発生時に、電線の温度上昇に基づいて回路を遮断するか否かを判断し得る負荷回路の保護装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、電源、スイッチ及び負荷が電線を介して接続された負荷回路の、前記負荷に流れる電流を検出し、検出した電流に基づいて前記負荷回路を遮断する負荷回路の保護装置において、前記負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が所定の閾値電流未満であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度以上である場合には、前記電線の上昇温度を、前記電流検出手段で検出された電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第1の手法で算出する通常時上昇温度算出手段と、前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が前記閾値電流未満であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度未満である場合には、前記電線の下降温度を、前記電流検出手段で検出された検出電流から算出した電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第2の手法で算出する通常時下降温度算出手段と、前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が前記閾値電流以上であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度以上である場合には、前記電線の上昇温度を、前記電流検出手段で検出された電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第3の手法で算出する過電流時上昇温度算出手段と、前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が前記閾値電流以上であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度未満である場合には、前記電線の下降温度を、前記電流検出手段で検出された検出電流から算出した電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第4の手法で算出する過電流時下降温度算出手段と、前記電流検出手段で検出される電流が、前記閾値電流以上から該閾値未満に低下した直後には、このとき発生するアークによる前記電線の上昇温度を、アーク対応マップを参照して求めるアーク上昇温度算出手段と、前記通常時上昇温度算出手段、前記過電流時上昇温度算出手段、前記通常時下降温度算出手段、前記過電流時下降温度算出手段、及び前記アーク上昇温度算出手段により算出される上昇温度及び下降温度を積算して、前記電線の推定温度を求める推定温度算出手段と、前記推定温度算出手段により算出される前記電線の推定温度が所定の閾値温度を超えたか否かを判定する温度判定手段と、前記温度判定手段により、前記電線の推定温度が前記閾値温度を超えたと判定された際に、前記負荷回路を遮断する遮断制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記電流検出手段で検出される電流が、前記閾値電流未満である場合の、前記電線の熱特性は、該電線の熱の伝わり易さを示す熱抵抗R1、及び該電線を単位温度上昇させるために必要な熱容量C1であり、前記電流検出手段で検出される電流が、前記閾値電流以上である場合の、前記電源と負荷とを結ぶ導体の熱特性は、前記負荷と電源間の電線及び短絡時に生じる電流通路の熱の伝わり易さを示す熱抵抗R2、及び単位温度を上昇させるために必要な熱容量C2であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記通常時上昇温度算出手段は、前記第1の手法として、前記熱抵抗R1、熱容量C1を用いて、次式
Figure 0005271619
但し、各記号は以下の通り。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
i : 電流[A]
r : 電線の抵抗[Ω]
R1 : 電線の熱抵抗[℃/W]
C1 : 電線の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
にて前記電線の上昇温度を算出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記過電流時上昇温度算出手段は、前記第2の手法として、前記熱抵抗R2、熱容量C2を用いて、次式
Figure 0005271619
但し、各記号は以下の通り。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
i : 電流[A]
r : 導体の抵抗[Ω]
R2 : 導体の熱抵抗[℃/W]
C2 : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
にて前記導体の上昇温度を算出することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記通常時下降温度算出手段は、前記第3の手法として、前記熱抵抗R1、熱容量C1を用いて、次式
Figure 0005271619
但し、各記号は以下の通り。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
i : 電流が減少した時(電流検出無しを含む)の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
r : 電線の抵抗[Ω]
R1 : 電線の熱抵抗[℃/W]
C1 : 電線の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
にて前記電線の下降温度を算出することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記過電流時下降温度算出手段は、前記第4の手法として、前記熱抵抗R2、熱容量C2を用いて、次式
Figure 0005271619
但し、各記号は以下の通り。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
i : 電流が減少した時(電流検出無しを含む)の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
r : 導体の抵抗[Ω]
R2 : 導体の熱抵抗[℃/W]
C2 : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
にて前記導体の下降温度を算出することを特徴とする。
本発明に係る負荷回路の保護装置では、電流検出手段にて所定の閾値電流未満となる電流が検出され、この電流による電線の飽和温度(この電流を継続して流した場合に到達する目標温度)が現在の電線の推定温度よりも高い場合には、第1の手法で電線の上昇温度を算出する。また、この電流による電線の飽和温度が現在の電線の推定温度よりも低い場合には、第2の手法で電線の下降温度を算出する。
更に、電流検出手段で検出された電流が閾値電流以上であり、この電流による電線の飽和温度が現在の電線の推定温度よりも高い場合には、第3の手法で電線の上昇温度を算出する。また、この電流による電線の飽和温度が現在の電線の推定温度よりも低い場合には、第4の手法で電線の下降温度を算出する。
更に、電流検出手段で検出される電流が過電流から通常電流に低下した場合には、アーク対応マップを参照して、このとき発生するアークによる前記電線の上昇温度を求める。従って、電線温度を高精度に検出することができる。更に、電線温度が閾値温度Tthを超えた場合に、負荷回路を遮断するので、通常電流よりも若干大きい電流が長時間流れ続けるようなレアショート時において、確実に負荷回路を保護することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置を含む負荷回路の構成を示す回路図であり、例えば、車両に搭載されるランプやモータ等の負荷に、車両に搭載されたバッテリよりの電力を供給して駆動するための回路である。
同図に示すように、負荷回路1は、車両に搭載されるバッテリ(電源)2と、ランプやモータ等の負荷4と、バッテリ2と負荷4との間に設けられ、負荷4への電力の供給、停止を切り換えるMOSFET等の電子スイッチ(スイッチ)3とを備えている。
また、負荷4に流れる電流を検出する電流計(電流検出手段)5と、電子スイッチ3のオン、オフを制御する制御回路6を備えている。更に、バッテリ2と電子スイッチ3との間、及び電子スイッチ3と負荷4との間は、電線7にて接続されている。ここで、本実施形態に係る負荷回路の保護装置10は、電子スイッチ3と、電流計5と、制御回路6により構成される。
図2は、制御回路6の詳細な構成を示す機能ブロック図である。制御回路6は、例えばマイクロコンピュータで構成される。同図に示すように、制御回路6は、上昇温度算出部61と、下降温度算出部62と、アーク上昇温度算出部(アーク上昇温度算出手段)63と、推定温度算出部64と、温度判定部(温度判定手段)65と、スイッチ制御部(遮断制御手段)66と、メモリ64aと、タイマ67と、を備えている。
上昇温度算出部61は、電流計5で検出される電流が所定の閾値電流(例えば、10A)未満であるときの電線7の上昇温度を算出する通常時上昇温度算出手段61aと、電流計5で検出される電流が所定の閾値電流以上であるときの電線7の上昇温度を算出する過電流時上昇温度算出手段61bとを有している。なお、所定の閾値電流は10Aに限定されるものではない。
通常時上昇温度算出手段61aは、電流計5で検出される電流(通常電流)による電線7の飽和温度(この電流が電線7に継続して流れた際に到達する目標温度)と、電線7の現在の推定温度(後述する推定温度算出部64で求められる温度であり初期的には周囲温度)とを対比し、飽和温度の方が推定温度よりも高い場合には、このときの電流及び予め設定されている電線7の熱特性(後述する熱抵抗R1及び熱容量C1)に基づいて、所定のサンプリング時間(例えば、5msec)毎の電線7の上昇温度を算出する。
過電流時上昇温度算出手段61bは、電流計5で検出される電流(過電流)による電線7の飽和温度と、電線7の現在の推定温度とを対比し、飽和温度の方が推定温度よりも高い場合には、このときの電流及び予め設定されている電線7の熱特性(後述する熱抵抗R2及び熱容量C2)に基づいて、所定のサンプリング時間(例えば、5msec)毎の電線7の上昇温度を算出する。
下降温度算出部62は、電流計5で検出される電流が所定の閾値電流未満であるときの電線7の下降温度を算出する通常時下降温度算出手段62aと、電流計5で検出される電流が所定の閾値電流以上であるときの電線7の下降温度を算出する過電流時下降温度算出手段62bと、を有している。
通常時下降温度算出手段62aは、電流計5で検出される電流(通常電流)による電線7の飽和温度と電線7の現在の推定温度とを対比し、飽和温度の方が推定温度よりも低い場合には、現在の推定温度とこのときの電流による飽和温度との差の温度で飽和する電流及び予め設定されている電線7の熱特性(後述する熱抵抗R1及び熱容量C1)に基づいて、所定のサンプリング時間(例えば、5msec)毎の電線7の下降温度を算出する。
過電流時下降温度算出手段62bは、電流計5で検出される電流(過電流)による電線7の飽和温度と電線7の現在の推定温度とを対比し、飽和温度の方が推定温度よりも低い場合には、現在の推定温度とこのときの電流による飽和温度との差の温度で飽和する電流及び予め設定されている電線7の熱特性(後述する熱抵抗R2及び熱容量C2)に基づいて、所定のサンプリング時間(例えば、5msec)毎の電線7の下降温度を算出する。
アーク上昇温度算出部63は、電流計5で検出される電流が上述の閾値電流以上から下降して閾値電流未満となった直後(過電流から通常電流となった直後)に発生するアークによる上昇温度を、電流計5により検出される電流に基づきアーク対応マップを参照して決定する。
具体的には、アーク上昇温度算出部63は、図7に示す如くの、電流iと上昇温度Q(i)との関係を示すアーク対応マップを備えており、電線7に流れる電流が閾値電流以上から閾値電流未満に下降した場合に、この直前の電流をアーク対応マップに当てはめることにより上昇温度を求める。
推定温度算出部(推定温度算出手段)64は、上述した上昇温度算出部61(通常時上昇温度算出手段61a、及び過電流時上昇温度算出手段61b)で算出された所定のサンプリング時間毎の上昇温度、及び、下降温度算出部62(通常時下降温度算出手段62a、過電流時下降温度算出手段62b)で算出された所定のサンプリング時間毎の下降温度、及びアーク上昇温度算出部63で算出された所定のサンプリング時間毎の上昇温度を積算して、現在における電線7の推定温度を算出する。算出した推定温度は、メモリ64aに記憶される。
温度判定部65は、上述した推定温度算出部64で算出された電線7の推定温度Tnowと、予め設定した許容温度(所定の閾値温度)Tthとを比較し、推定温度Tnowが許容温度Tth以上である(Tnow≧Tth)と判定した場合に、スイッチ制御部66に回路遮断指令信号を出力する。なお、推定温度Tnowは、初期的には周囲温度(例えば、25℃)である。
スイッチ制御部(遮断制御手段)66は、温度判定部65より、上記の回路遮断指令信号が出力された際に、電子スイッチ3をオフとして負荷4への電流の供給を停止させ、回路を保護する。
なお、上記した制御回路6の機能の構成は、負荷回路1にレアショート或いはチャタリングショートが発生したときに対応するための回路構成のみを示したものであり、デッドショート発生時の遮断回路については省略している。
次に、通常時上昇温度算出手段61aによる上昇温度の算出アルゴリズム(A−1、第1の手法)、過電流時上昇温度算出手段61bによる上昇温度の算出アルゴリズム(A−2、第3の手法)、通常時下降温度算出手段62aによる下降温度の算出アルゴリズム(B−1、第2の手法)、過電流時下降温度算出手段62bによる下降温度の算出アルゴリズム(B−2、第4の手法)、及び、アーク上昇温度算出部63における上昇温度の算出アルゴリズム(C−1)について説明する。
(A−1)通常時上昇温度算出手段61aによる上昇温度の算出
電線7に、通常電流(所定の閾値電流(例えば、10A)未満の電流)が流れ、且つこの電流による飽和温度が現在の電線の推定温度よりも高い場合の、発熱に伴う電線7の温度T1は、次の(1)式で示される。
Figure 0005271619
ここで、各記号は以下の通りである。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
i : 電流[A]
r : 電線の抵抗[Ω]
R1 : 電線の熱抵抗[℃/W]
C1 : 電線の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
(1)式において、周囲温度T2は、通常の環境下では25℃、エンジンルーム等の高温環境下では85℃等に設定される。即ち、周囲温度T2は固定値である。電流iは電流計5により測定される値である。抵抗rは電線7の抵抗であり定数である。熱抵抗R1は、電線7の熱の伝わり易さを示す値であり、電線7の材質、太さ、形状等に基づく固有の値である。熱容量C1は、電線7の温度を1℃上昇させるために必要な熱量であり、電線の材質、太さ、形状等に基づく固有の値である。従って、電流iと時間tが決定されると、(1)式を用いることにより、電線7の現在の温度T1を求めることができる。
図5は、(1)式により電流iを継続して流したときの、電線の温度変化を示しており、曲線S1a、S1bに示すように、初期温度T0にて通電を開始してから徐々に電線温度が上昇し、時刻t1にて飽和温度T1maxに達する。また、時刻t1にて通電を停止すると、温度上昇時のカーブを上下反対にしたカーブを描いて電線温度が下降し、時刻t2にて初期温度T0まで低下する。
(A−2)過電流時上昇温度算出手段61bによる上昇温度の算出
電線7に、過電流(所定の閾値電流以上の電流)が流れ、且つこの電流による飽和温度が現在の電線の推定温度よりも高い場合の、発熱に伴う電線7の温度T1は、次の(2)式で示される。
Figure 0005271619
ここで、各記号は以下の通りである。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
i : 電流[A]
r : 導体の抵抗[Ω]
R2 : 導体の熱抵抗[℃/W]
C2 : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
(2)式において、周囲温度T2は上述と同様であり、例えば、25℃、85℃等に設定される固定値である。抵抗rは定数である。熱抵抗R2は、電線7を含む導体の熱の伝わり易さを示す値であり、電線7の材質、太さ、形状等に基づく固有の値を含む導体の値である。熱容量C2は、電線7を含む導体の温度を1℃上昇させるために必要な熱量であり、電線の材質、太さ、形状等に基づく固有の値を含む導体の値である。ここで、上記の「導体」について説明する。
過電流が発生している場合には、電線7が部分的、或いは、断続的に車両のボディー等の金属に接触するチャタリングショート或いはレアショートが生じているものと想定できる。この場合には、電線7を含む短絡経路全体を経由して電流が流れることになる。従って、(2)式では、電流が流れることに寄与する電流経路を導体として、熱抵抗R2、熱容量C2を設定している。この場合、短絡事故の発生位置に応じて、熱抵抗、及び熱容量は異なり、一定値とはならない。しかし、本発明者の鋭意検討により、電線が設置される環境に基づき、熱抵抗、及び熱容量を一定値としても、ほぼ正確な上昇温度の測定が可能であることを見い出した。
従って、本実施形態では、過電流発生時における導体の熱抵抗R2、及び熱容量C2を一定値としている。上記の内容から、過電流発生時においても、電流iと時間tが決定されると、(2)式を用いることにより、電線7の現在の温度T1を求めることができる。
(B−1)通常時下降温度算出手段62aによる下降温度の算出
電線7に、通常電流(所定の閾値電流未満の電流;電流ゼロを含む)が流れ、且つこの電流による飽和温度が現在の電線7の推定温度よりも低い場合の、放熱に伴う電線7の温度T1は、次の(3)式で示される。
Figure 0005271619
ここで、各記号は以下の通りである。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
r : 電線の抵抗[Ω]
R1 : 電線の熱抵抗[℃/W]
C1 : 電線の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
(3)式において、周囲温度T2は固定値である。また、電流「i」は、電流計5で検出される電流ではなく、以下に示す手法で求められる数値である。これを、図6を用いて詳細に説明する。
図6の曲線S2は、電流I1が流れることにより時刻t1で飽和温度T1maxに達し、その後、電流がI2に減少し、時刻t2で飽和温度T2maxに達する場合の温度変化を示している。従って、時刻t1以降では、電線7の飽和温度の方が電線7の現在の推定温度よりも低くなっている。この場合において、電流の下降が開始される直前の推定温度(図6の例ではT1max)と、電流計5で検出される電流に基づいて求められる飽和温度(T2max)の差分値(T1max−T2max)を求め、この差分値で飽和する電流(これをI3とする)を算出し、この電流I3を(3)式の電流iとする。電流I3が流れたときの電線7の温度特性は、図6の曲線S3のようにT3maxで飽和することになる。そして、時刻t1以降の曲線S2の変化は、電流I3による温度特性曲線S3を上下反対にした特性で下降することになる。そして、上記の手法で算出した電流i、及び時間tを(3)式に代入することにより、電線7の現在の温度T1を求めることができる。
(B−2)過電流時下降温度算出手段62bによる下降温度の算出
電線7に、過電流(所定の閾値電流以上の電流)が流れ、且つこの電流による飽和温度が現在の電線の推定温度よりも低い場合の、発熱に伴う電線7の温度T1は、次の(4)式で示される。
Figure 0005271619
ここで、各記号は以下の通りである。
T1 : 電線の温度[℃]
T2 : 周囲温度[℃]
r : 導体の抵抗[Ω]
R2 : 導体の熱抵抗[℃/W]
C2 : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
t : 経過時間[sec]
(4)式において、周囲温度T2は固定値である。また、「i」は、上述した(B−1)と同様の手法で求められる電流である。従って、電流iと時間tが決定されると、(4)式を用いることにより、電線7の現在の温度T1を求めることができる。
(C−1)アーク上昇温度算出部63による上昇温度の算出
電線7に流れる電流が閾値電流(例えば、10[A])以上から下降し、閾値電流未満まで低下した場合には、その直後に発生するアークに起因して電線7の温度が上昇する。アーク上昇温度算出部63は、電流が閾値電流を下回る直前の電流iと、上昇温度Q(i)との関係を示すアーク対応マップ(図7参照)を予め記憶しており、このアーク対応マップを参照して上昇温度Q(i)を求め、次の(5)式を用いて、電線7の温度T1を求める。
T1=Tnow+Q(i) ・・・(5)
ここで、Tnowは、前回のサンプリング時に求められた電線7の温度T1である。
次に、上述のように構成された本実施形態に係る制御回路6の動作について、図3、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、本フローチャートに示す処理は、例えば、5[msec]のサンプリング時間で周期的に実行される。また、本フローチャートの実行に伴って、タイマ67による計時が開始される。
まず、電流計5の出力に基づき、負荷回路1に電流が流れているか否かが判定される。即ち、電子スイッチ3がオンとされて、バッテリ2と負荷4が電気的に接続され、電線7に電流が流れているか否かが判定される(ステップS31)。
そして、電流が検出されたと判定された場合には(ステップS31でYES)、検出された電流が通常電流(閾値電流未満)であるか、或いは短絡事故等の発生時に流れる過電流(閾値電流以上)であるかが判定される(ステップS32)。本実施形態では、通常電流と過電流を区別する閾値電流を、例えば10[A]に設定する。即ち、電流計5で検出される検出電流が10[A]未満である場合には通常電流であると判定し、10[A]以上である場合には過電流であると判定する。なお、本発明は、閾値電流が10[A]に限定されるものではない。
電流計5で検出された電流が通常電流であると判定された場合には(ステップS32でYES)、ショートフラグが「1」であるか否かが判定される(ステップS33)。ここで、「ショートフラグ」は、通常電流から過電流に変化した場合に「1」に設定されるフラグである。
ショートフラグ=1でない場合には(ステップS33でNO)、このときの電流の飽和温度と現在の推定温度を対比する(ステップS34)。そして、飽和温度が現在の推定温度以上である場合には(ステップS34でYES)、前述の(A−1)のアルゴリズムに示した(1)式を用いて電線7の推定温度T1を算出する。この際、周囲温度T2として、例えば25℃等の値を設定する。そして、算出した推定温度T1をTnowとしてメモリ64aに記憶保存する(ステップS37)。この処理が終了した後に図4に示すステップS44に処理を進める。
また、飽和温度が現在の推定温度未満である場合には(ステップS34でNO)、前述した(B−1)のアルゴリズムに示した(3)式に基づいて電線7の下降温度を算出する(ステップS38)。ここで、(3)式に用いる電流iは前述した通りである。そして、(3)式で求められた推定温度T1をTnowとしてメモリ64aに記憶保存する(ステップS38)。この処理が終了した後に図4に示すステップS44に処理を進める。
ショートフラグ=1である場合には(ステップS33でYES)、前述したアルゴリズム(C−1)で電線の温度上昇を推定する(ステップS39)。この場合には、前回のサンプリング時に検出された電流に基づき、この電流を図7に示すアーク対応マップを参照して上昇温度Q(i)を求める。この処理が終了した場合には、ショートフラグ=0とし(ステップS43)、図4に示すステップS44に処理を進める。
他方、電流計5で検出される電流が過電流であると判定された場合には(ステップS32でNO)、ショートフラグを「1」に設定する(ステップS35)。
その後、電流計5で検出された電流による飽和温度と現在の推定温度を対比する(ステップS36)。そして、飽和温度が現在の推定温度以上である場合には(ステップS36でYES)、前述した(A−2)のアルゴリズムに示した(2)式に基づいて電線7の上昇温度を算出する。(2)式については、前述した(1)式と、熱抵抗R2、熱容量C2が相違するのみであり、電線温度の推定処理は前述したステップS37の(A−1)のアルゴリズムと同様である。そして、(2)式で求められた推定温度T1をTnowとしてメモリ64aに記憶保存する(ステップS40)。この処理が終了した後に図4に示すステップS44に処理を進める。
また、飽和温度が現在の推定温度未満である場合には(ステップS36でNO)、前述した(B−2)のアルゴリズムに示した(4)式に基づいて電線7の下降温度を算出する。(4)式については、前述した(3)式と、熱抵抗R2、熱容量C2が相違するのみであり、電線温度の推定処理は前述したステップS38の(B−1)のアルゴリズムと同様である。そして、(4)式で求められた推定温度T1をTnowとしてメモリ64aに記憶保存する(ステップS41)。この処理が終了した後に図4に示すステップS44に処理を進める。
更に、電流計5にて電流が検出されない場合には(ステップS31でNO)、前述した(B−1)のアルゴリズムに示した(3)式に基づいて、周囲温度(雰囲気温度)まで電線7の下降温度を推定する。この処理では、図5の曲線S1bに示すように、時刻t1で電流が遮断された場合には、このときの電線温度が飽和温度となる電流が求められ、この電流をiとして、(3)式に代入して電線温度を算出する(ステップS42)。
上述したように、ステップS44の処理により、メモリ64aには、通常電流時、過電流発生時、アーク発生時の上昇温度、下降温度を全て考慮して求められる電線7の推定温度Tnowが記憶保存されることになる。
ステップS45では、温度判定部65により、上記のメモリ64aに記憶されている電線7の推定温度Tnowと、電線7が発煙しない程度に設定された許容温度(所定の閾値温度)Tthとが比較され、推定温度Tnowが許容温度Tth未満である場合(推定温度Tnow<許容温度Tth)には(ステップS45でNO)、図3のステップS31に処理を戻す。
他方、推定温度Tnowが許容温度Tth以上である場合(推定温度Tnow≧許容温度Tth)には(ステップS45でYES)には、温度判定部65は、スイッチ制御部66に回路遮断指令信号を出力する。そして、スイッチ制御部66は、電子スイッチ3を遮断し、負荷4への電流の供給を遮断する(ステップS46)。即ち、電線7の温度が許容温度に達する前の時点で、電子スイッチ3を遮断し、負荷回路1全体を保護する。
その後、前述した(B−1)または(B−2)のアルゴリズムに基づいて放熱による電線7の温度を推定する(ステップS47)。更に、推定温度が周囲温度以下まで下降したか否かが判定される(ステップS48)。電線の推定温度が周囲温度まで下降した場合には(ステップS48でYES)、電子スイッチ3の強制オフを解除する(ステップS49)。その結果、再度電子スイッチ3をオンとして、負荷4を駆動することができるようになる。
こうして、電流計5による検出電流の大きさ、通常電流と過電流の区別、アークの発生に基づいた電線7の推定温度Tnowの測定が可能となり、この推定温度Tnowを用いることにより、負荷回路を確実に保護することができるのである。
このようにして、本実施形態に係る負荷回路の保護装置では、電線7に流れる電流が通常電流であり、且つこの電流による電線の飽和温度よりも電線の推定温度の方が低い場合には、上記した(1)式を用いて電線7の上昇温度を求め、電線7の飽和温度よりも電線7の推定温度の方が高い場合には、上記した(3)式を用いて電線7の下降温度を求める。
また、電線7に流れる電流が過電流であり、且つこの電流による電線7の飽和温度よりも電線7の推定温度の方が低い場合には、上記した(2)式を用いて電線7の上昇温度を求め、電線7の飽和温度よりも電線7の推定温度の方が高い場合には、上記した(4)式を用いて電線7の下降温度を求める。
更に、電線7に流れる電流が過電流から通常電流となった場合には、このときに生じるアークによる温度上昇がアーク対応マップに基づいて求められる。また、電子スイッチ3がオフとされた場合には、上述した(3)式を用いて電線7の下降温度を求める。
従って、電線7の現状の推定温度Tnowを高精度に求めることができ、更に、推定温度Tnowが許容温度Tthに達した時点で電子スイッチ3をオフとして回路を保護する。
つまり、電線7の熱抵抗R1及び熱容量C1の電線7の固有の特性、及び、ショートが発生した場合には、短絡経路となる導体の熱抵抗R2、熱容量C2を用いて電線7の実際の温度を推定し、回路を遮断するか否かを判定しているので、電線7が発煙する前の時点で確実に回路を遮断して、負荷回路及び電線7を保護することができる。また、少ない発熱量でむやみに負荷回路1が遮断されるというトラブルの発生を回避することができる。
以上、本発明の負荷回路の保護装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
例えば、上述した実施形態では、負荷回路の保護装置が、車両に搭載されるランプ、モータ等の負荷を駆動する負荷回路1に用いられる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の負荷回路についても適用することができる。
チャタリングショート或いはレアショートが発生した際に、これを確実に検出して回路を保護する上で極めて有用である。
本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置が用いられた負荷回路の構成を示す回路図である。 図1に示した制御回路の具体的な構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の処理動作を示すフローチャートの、第1の分図である。 本発明の一実施形態に係る負荷回路の保護装置の処理動作を示すフローチャートの、第2の分図である。 時間経過に伴う電線温度の変化を示す特性図である。 時間経過に伴う電線温度の変化を示す特性図である。 アーク上昇温度算出部に設定されているアーク対応マップを示す説明図である。
符号の説明
1 負荷回路
2 バッテリ
3 電子スイッチ
4 負荷
5 電流計(電流検出手段)
6 制御回路
7 電線
10 負荷回路の保護装置
61 上昇温度算出部
61a 通常時上昇温度算出手段
61b 過電流時上昇温度算出手段
62 下降温度算出部
62a 通常時下降温度算出手段
62b 過電流時下降温度算出手段
63 アーク上昇温度算出部(アーク上昇温度算出手段)
64 推定温度算出部(推定温度算出手段)
64a メモリ
65 温度判定部(温度判定手段)
66 スイッチ制御部(遮断制御手段)
67 タイマ

Claims (6)

  1. 電源、スイッチ及び負荷が電線を介して接続された負荷回路の、前記負荷に流れる電流を検出し、検出した電流に基づいて前記負荷回路を遮断する負荷回路の保護装置において、
    前記負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が所定の閾値電流未満であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度以上である場合には、前記電線の上昇温度を、前記電流検出手段で検出された電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第1の手法で算出する通常時上昇温度算出手段と、
    前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が前記閾値電流未満であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度未満である場合には、前記電線の下降温度を、前記電流検出手段で検出された検出電流から算出した電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第2の手法で算出する通常時下降温度算出手段と、
    前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が前記閾値電流以上であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度以上である場合には、前記電線の上昇温度を、前記電流検出手段で検出された電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第3の手法で算出する過電流時上昇温度算出手段と、
    前記電流検出手段で電流が検出され、検出された電流が前記閾値電流以上であり、且つこの電流による前記電線の飽和温度が現在の電線の推定温度未満である場合には、前記電線の下降温度を、前記電流検出手段で検出された検出電流から算出した電流と、前記電線の熱特性とに基づき、第4の手法で算出する過電流時下降温度算出手段と、
    前記電流検出手段で検出される電流が、前記閾値電流以上から該閾値未満に低下した直後には、このとき発生するアークによる前記電線の上昇温度を、アーク対応マップを参照して求めるアーク上昇温度算出手段と、
    前記通常時上昇温度算出手段、前記過電流時上昇温度算出手段、前記通常時下降温度算出手段、前記過電流時下降温度算出手段、及び前記アーク上昇温度算出手段により算出される上昇温度及び下降温度を積算して、前記電線の推定温度を求める推定温度算出手段と、
    前記推定温度算出手段により算出される前記電線の推定温度が所定の閾値温度を超えたか否かを判定する温度判定手段と、
    前記温度判定手段により、前記電線の推定温度が前記閾値温度を超えたと判定された際に、前記負荷回路を遮断する遮断制御手段と、
    を備えたことを特徴とする負荷回路の保護装置。
  2. 前記電流検出手段で検出される電流が、前記閾値電流未満である場合の、前記電線の熱特性は、該電線の熱の伝わり易さを示す熱抵抗R1、及び該電線を単位温度上昇させるために必要な熱容量C1であり、
    前記電流検出手段で検出される電流が、前記閾値電流以上である場合の、前記電源と負荷とを結ぶ導体の熱特性は、前記負荷と電源間の電線及び短絡時に生じる電流通路の熱の伝わり易さを示す熱抵抗R2、及び単位温度を上昇させるために必要な熱容量C2であることを特徴とする請求項1に記載の負荷回路の保護装置。
  3. 前記通常時上昇温度算出手段は、前記第1の手法として、前記熱抵抗R1、熱容量C1を用いて、次式
    Figure 0005271619
    但し、各記号は以下の通り。
    T1 : 電線の温度[℃]
    T2 : 周囲温度[℃]
    i : 電流[A]
    r : 電線の抵抗[Ω]
    R1 : 電線の熱抵抗[℃/W]
    C1 : 電線の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
    t : 経過時間[sec]
    にて前記電線の上昇温度を算出することを特徴とする請求項2に記載の負荷回路の保護装置。
  4. 前記過電流時上昇温度算出手段は、前記第2の手法として、前記熱抵抗R2、熱容量C2を用いて、次式
    Figure 0005271619
    但し、各記号は以下の通り。
    T1 : 電線の温度[℃]
    T2 : 周囲温度[℃]
    i : 電流[A]
    r : 導体の抵抗[Ω]
    R2 : 導体の熱抵抗[℃/W]
    C2 : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
    t : 経過時間[sec]
    にて前記導体の上昇温度を算出することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の負荷回路の保護装置。
  5. 前記通常時下降温度算出手段は、前記第3の手法として、前記熱抵抗R1、熱容量C1を用いて、次式
    Figure 0005271619
    但し、各記号は以下の通り。
    T1 : 電線の温度[℃]
    T2 : 周囲温度[℃]
    i : 電流が減少した時(電流検出無しを含む)の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
    r : 電線の抵抗[Ω]
    R1 : 電線の熱抵抗[℃/W]
    C1 : 電線の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
    t : 経過時間[sec]
    にて前記電線の下降温度を算出することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
  6. 前記過電流時下降温度算出手段は、前記第4の手法として、前記熱抵抗R2、熱容量C2を用いて、次式
    Figure 0005271619
    但し、各記号は以下の通り。
    T1 : 電線の温度[℃]
    T2 : 周囲温度[℃]
    i : 電流が減少した時(電流検出無しを含む)の温度T1にて発熱が飽和する電流[A]
    r : 導体の抵抗[Ω]
    R2 : 導体の熱抵抗[℃/W]
    C2 : 導体の熱容量[J/℃]或いは[W・sec/℃]
    t : 経過時間[sec]
    にて前記導体の下降温度を算出することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか1項に記載の負荷回路の保護装置。
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