JP4358817B2 - リソグラフィ装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リソグラフィ装置及びデバイスを製造するための方法に関する。
リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板の対象部分上に貼り付ける機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造中に使用することができる。その場合、パターン形成機器は、或いはマスク又はレチクルと呼ばれるが、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために使用することができる。このパターンは、基板(例えば、シリコン・ウェハ)上の対象部分(例えば、ダイの一部分、1つ又はいくつかのダイ)上に転送することができる。パターンの転送は、通常、基板上に施された感光材料の層(レジスト)上に写像することによって行われる。一般に、単一基板は、連続的にパターン形成される隣接した対象部分のネットワークを含むはずである。従来のリソグラフィ装置は、いわゆるステッパと、いわゆるスキャナとを含み、ステッパでは、各対象部分は、一度に対象部分上にパターン全体を照射して露光され、スキャナでは、各対象部分は、所与の方向(「走査」方向)で放射ビームによってパターンを走査することによって照射され、その間この方向に対して平行又は反平行で同期して基板が走査される。パターンを基板にインプリントすることによって、パターン形成機器から基板へパターンを転送することも可能である。
リソグラフィ装置の処理量は、単位時間当たり処理される基板(ウェハ)の形で測定され、リソグラフィ装置の可動構成要素をサーボ・モータによって移動することができる速度、加速度やジャーク(jerk)、並びにこれらの可動構成要素の静定時間にとりわけ左右される。なお、静定時間は、位置又は速度の設定ポイントの設定完了直後からサーボ・エラーが要求される位置及び/又は速度の精度ウィンドウ内に入るまでの総経過時間である。リソグラフィ装置中に含まれ、そのような可動構成要素を有した機器の例には、基板処理機器やレチクル処理機器が含まれる。可動構成要素の移動は、一般に、基板の対象部分を照射する間、実質的にx及びy方向に行われると考えられる。
処理量の増加は、加速度を増加するために、可動構成要素を駆動するアクチュエータ・アセンブリが発生する力を増加し、できるだけ可動構成要素の重量を軽減することによって、得ることができる。軽重量の可動構成要素の適切な構造は、リブによって支持されたプレート状の構造である。しかし、高加速中、そのような構造は、内部構造の弾性変形を受けやすい恐れがあり、異なる自由度の間での許容しがたいクロストークを生じて制御されることになる。したがって、高加速中の変形によって、長い静定時間がかかる大きな位置エラーが起きる恐れがあり、そのため処理量(例えば、ウェハ/時間で評価される)の潜在的な損失を生じることになる。
一般的に言うと、リソグラフィ・ステージ又はサーボの位置決め性能は、エラーの時間移動平均エラー(MAエラー)及び時間移動標準偏差(MSD)として表現される。クリティカルな時間ウィンドウは、ここではダイ上の各ポイントが露光される(言い換えるとフォトンを受ける)時間間隔である。この時間間隔中のダイ上のポイントについて、平均位置エラーが大きい場合(言い換えると高MAエラー)、その影響は、露光されるイメージが動かされることであり、オーバーレイ・エラーが生じることになる。この時間間隔中の位置エラーの標準偏差が大きい場合(言い換えると高MSDエラー)、イメージが崩れ、フェージング・エラーが生じることになる。
加速中の可動構成要素の変形を限定又は防止することができる装置及び方法が、提供されることが望ましい。
本発明の実施例によれば、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームにその断面においてパターンを付与し、パターン形成された放射ビームを形成することが可能であるパターン形成機器を支持するように構築された支持構造と、基板を保持するように構築された基板テーブルと、パターン形成された放射ビームを基板の対象部分上に投射するように構成された投射システムと、パターン形成された放射ビームを基板の対象部分上に投射するように構成された投射システムと、x、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度を有した支持構造及び基板テーブルの1つを移動するように構成されたアクチュエータ・アセンブリと、アクチュエータ・アセンブリを制御するように構成された制御器であって、アクチュエータ・アセンブリの運動力学をこれらの自由度中で動的に減結合するように設計された少なくとも1つの補償器を含んだ制御器とを含むリソグラフィ装置が提供される。
本発明の実施例によれば、補償器が、アクチュエータ・アセンブリの運動力学を動的に減結合する複数の所望の伝達関数とアクチュエータ・アセンブリ並びに支持構造及び基板テーブルの1つの組合せの機械的な動作の複数の逆伝達関数とを乗算することによって得られる制御機能を有する。
本発明の実施例によれば、補償器が、制御器のフィードッバック経路中に含められ、補償器は、複数の制御器の力入力及び制御器のトルク入力と複数の出力モータ・フィードバック力及び出力モータ・フィードバック・トルクとを結合する伝達関数を表した配列のボード線図による制御機能を有する。
本発明の実施例によれば、補償器が、制御器のフィードフォワード経路中に含められ、補償器は、複数の制御器の設定ポイント位置由来の力入力及び制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力と複数の出力モータ・フィードフォワード力及び出力モータ・フィードフォワード・トルクとを結合する伝達関数を表した配列のボード線図による制御機能を有する。ここで、用語「位置由来の」には、位置、速度、加速度、ジャーク(jerk)やスナップ(snap)に関連する事柄が含まれる。
本発明の実施例によるリソグラフィ装置は、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、放射ビームにその断面においてパターンを付与し、パターン形成された放射ビームを形成することが可能なパターン形成機器を支持するように構築されたパターン形成機器支持部と、基板を保持するように構築された基板支持部と、パターン形成された放射ビームを基板の対象部分上に投射するように構成された投射システムと、x、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度を有した支持部の1つを移動するように構成されたアクチュエータ・アセンブリと、アクチュエータ・アセンブリを制御するように構成された制御器であって、アクチュエータ・アセンブリの運動力学をその自由度中で動的に減結合するように構成された少なくとも1つの補償器を含む制御器とを含む。
本発明の他の実施例による装置製造方法は、パターン形成機器支持部によって支持されたパターン形成機器を用いて放射ビームをパターン形成し、パターン形成された放射ビームを形成する段階と、パターン形成された放射ビームを基板支持部によって支持された基板の対象部分上に投射する段階と、x、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度を有した1つの支持部を移動するように構成されたアクチュエータ・アセンブリを用いて、支持部の1つを移動する段階と、アクチュエータ・アセンブリの運動力学をその自由度中で動的に減結合することによって、アクチュエータ・アセンブリを制御する段階とを含む。
ここで、本発明の実施例について例としてだけで添付した概略図面を参照して述べる。なお、図面では、対応する参照記号が対応する構成要素を示す。
図1に、本発明の一実施例によるリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、紫外(UV)線又は他のタイプの放射)を調整するように構成された照明システム(照明器)ILと、いくつかのパラメータに従って制御器(詳細は示さず)を使用してパターン形成機器を正確に位置決めするように構成された第1の位置決め器PMに接続され、パターン形成機器(例えば、マスク)MAを支持するように構築された支持構造又はパターン形成機器支持部(例えば、マスク・テーブル)MTとを含む。第1の位置決め器PMは、様々な自由度に対応するために、1つ又は複数のアクチュエータを含むことができるアクチュエータ・アセンブリを含む。装置は、いくつかのパラメータに従って制御器(詳細は示さず)を使用して基板を正確に位置決めするように構成された第2の位置決め器PWに接続され、基板(例えば、レジスト被覆ウェハ)Wを保持するように構築された基板テーブル又は基板支持部(例えば、ウェハ・テーブル)WTも含む。第2の位置決め器PWは、様々な自由度に対応するために、1つ又は複数のアクチュエータを含むことができるアクチュエータ・アセンブリを含む。装置は、パターン形成機器MAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの対象部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に投射するように構成された投射システム(例えば、屈折投射レンズ・システム)PSをさらに含む。
照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するために、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気や他のタイプの光学的構成要素、或いはその任意の組合せなど、様々なタイプの光学的構成要素を含むことができる。
支持構造はパターン形成機器の重量を支持、即ち担う。それは、パターン形成機器の方向、リソグラフィ装置設計、及び例えばパターン形成機器が真空環境中に保持されるのかどうかなどの他の条件に依存して、パターン形成機器を保持する。支持構造又はパターン形成機器支持部は、機械的、真空、静電気や他の固定技術を使用してパターン形成機器を保持することができる。支持構造又はパターン形成機器支持部は、例えばフレーム又はテーブルとしてもよく、それは必要に応じて固定される又は可動でもよい。支持構造又はパターン形成機器支持部によって、パターン形成機器が、例えば投射システムに対して所望の位置にあることが保証される。用語「レチクル」又は「マスク」のどのような使用も、本明細書ではより一般的な用語「パターン形成機器」と同義であると考えられる。
本明細書で使用する用語「パターン形成機器」は、放射ビームにその断面においてパターンを付与し、それによって基板の対象部分中にパターンを生成するために使用できるどのような機器も呼ぶものとして広く解釈すべきである。放射ビームに付与されたパターンは、例えばパターンが位相シフトの特徴又はいわゆる支援の特徴を含む場合、基板の対象部分中に所望するパターンとは正確に対応しないことがあることに、留意すべきである。一般に、放射ビームに付与されたパターンは、集積回路など、対象部分中に生成される機器中の特定の機能層に対応するはずである。
パターン形成機器は、透過型又は反射型でもよい。パターン形成機器の例には、マスク、プログラム可能なミラー・アレイやプログラム可能なLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィではよく知られており、マスクには、バイナリー、交互位相シフトや減衰型位相シフトなどのマスク・タイプ、並びに様々なハイブリッドのマスク・タイプが含まれる。プログラム可能なミラー・アレイの例は、小さなミラーの行列構成を用い、各ミラーは、個々に傾けて入射放射ビームを様々な方向に反射することができる。傾けられたミラーによって、ミラー行列が反射する放射ビーム中にパターンが付与される。
本明細書で使用する用語「投射システム」は、使用される露光用放射に適した、或いは浸漬液又は真空状態の使用などの他の要因に適した、屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気、及び静電気の光学的システム、或いはそれらのすべての組合せを含め、どのようなタイプの投射システムも包含するものとして広く解釈すべきである。本明細書での用語「投射レンズ」の使用はすべて、より一般的な用語「投射システム」と同義であると考えることができる。
本明細書で表すように、装置は、反射タイプ(例えば、反射型マスクを使用)のものである。或いは、装置は、透過タイプ(例えば、透過型マスクを使用)のものでもよい。
リソグラフィ装置は、2つ(デュアル・ステージ)又はそれより多い基板テーブル又は基板支持部(及び/又は2つ又はそれより多いマスク・テーブル)を有したタイプのものでもよい。そのような「複数ステージ」の機械では、追加のテーブル又は支持部は、並列に使用してもよく、或いは準備工程を1つ又は複数のテーブル又は支持部上で実施してもよく、その間1つ又は複数の他のテーブル又は支持部が、露光のために使用されていてもよい。
リソグラフィ装置は、投射システムと基板の間の空間を充填するために、少なくとも基板の一部分が、比較的高屈折率の液体、例えば水で覆われることがあるタイプのものでもよい。浸漬液は、リソグラフィ装置中の他のスペース、例えばマスクと投射システムの間に施してもよい。浸漬技術は、投射システムの開口数を増加するものとして、この技術でよく知られている。本明細書で使用する用語「浸漬」は、基板などの構造を液体中に沈めなければならないことを意味するものではなく、むしろ、露光中、投射システムと基板の間に液体が置かれることを単に意味する。
図1を参照すると、照明器ILが、放射源SOから放射ビームを受け取る。放射源及びリソグラフィ装置は、例えば放射源がエキシマ・レーザであるとき、別の実体としてもよい。そのような場合、放射源は、リソグラフィ装置の一部分を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビーム・エクスパンダーを含んだビーム転送システムの助けによって、放射源SOから照明器ILへ送られる。他の場合、例えば放射源が水銀ランプのとき、放射源は、リソグラフィ装置と一体とすることができる。放射源SO及び照明器ILは、必要ならビーム転送システムとともに、放射システムと呼ばれることがある。
照明器ILは、放射ビームの角強度分布を調節するための調節器を含むことができる。一般に、照明器の瞳面中の強度分布の、少なくとも外側及び/又は内側の半径方向の程度(一般に、それぞれ外側σ及び内側σとして呼ばれる)を調節することができる。さらに、照明器ILは、インテグレータINやコンデンサCOなど、様々な他の構成要素を含むことができる。照明器を使用して、放射ビームを、その断面において所望の一様性及び強度分布を有するように、調整することができる。
放射ビームBは、支持構造又はパターン形成機器支持部(例えば、マスク・テーブルMT)上に保持されたパターン形成機器(例えば、マスクMA)上に入射し、パターン形成機器によってパターン形成される。マスクMA上で反射した後、放射ビームBは、投射システムPSを通過し、投射システムPSは、基板Wの対象部分C上にそのビームを合焦する。第2の位置決め器PW及び位置センサIF2(例えば、干渉計装置、リニア・エンコーダや容量性センサ)の助けによって、例えば放射ビームBの経路中に様々な対象部分Cを配置するために、基板テーブル又は基板支持部WTを正確に移動することができる。同様に、例えばマスク・ライブラリから機械的に取り出した後又は走査中、第1の位置決め器PM及び他の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に配置することができる。一般に、マスク・テーブル又はパターン形成機器支持部MTの移動は、長行程モジュール(粗い位置決め用)及び短行程モジュール(細かい位置決め用)の助けによって実現することができ、それらは、第1の位置決め器PMの一部を形成する。同様に、基板テーブル又は基板支持部WTの移動は、長行程モジュール及び短行程モジュールを使用して実現することができ、それらは、第2の位置決め器PWの一部を形成する。ステッパの場合(スキャナとは異なり)、マスク・テーブル又はパターン形成機器支持部MTは、短行程アクチュエータだけに接続してもよく、又は固定してもよい。本発明の実施例は、第1の位置決め器PM及び/又は第2の位置決め器PW用の制御器に適用することができる。
マスクMA及び基板Wは、マスク位置合わせマークM1、M2及び基板位置合わせマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図に示すように基板位置合わせマークは、専用の対象部分を占めるが、それらは、対象部分間のスペース中に配置してもよい(これらは、スクライブ・レーン位置合わせマークとして知られている)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられる状況では、マスク位置合わせマークは、ダイ間に配置してもよい。
述べてきた装置は、少なくとも以下のモードの1つで使用することができるはずである。
1.ステップ・モード:
マスク・テーブル又はパターン形成機器支持部MT、並びに基板テーブル又は基板支持部WTが、基本的に静止状態に保たれ、その間放射ビームに付与されたパターン全体が、対象部分C上に1回で投射される(即ち、1回の静的露光)。次に、基板テーブル又は基板支持部WTは、異なる対象部分Cを露光することができるように、X及び/又はY方向にシフトされる。ステップ・モードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静的露光で写像される対象部分Cのサイズが限定される。
2.走査モード:
マスク・テーブル又はパターン形成機器支持部MT、並びに基板テーブル又は基板支持部WTが、同期して走査され、その間放射ビームに付与されたパターンが、対象部分C上に投射される(即ち、1回の動的露光)。マスク・テーブル又はパターン形成機器支持部MTに対する基板テーブル又は基板支持部WTの速度及び方向は、倍率(縮小率)、及び投射システムPSのイメージ反転特性によって決定することができる。走査モードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光中の対象部分の幅(非走査方向)が限定され、一方走査運動の距離によって、対象部分の高さ(走査方向)が決定される。
3.他のモード:
マスク・テーブル又はパターン形成機器支持部MTが、基本的に静止状態に保たれてプログラム可能なパターン形成機器を保持し、放射ビームに付与されたパターンが対象部分C上に投射されている間、基板テーブル又は基板支持部WTは、移動又は走査される。このモードでは、一般に、パルス化された放射源が使用され、プログラム可能なパターン形成機器が、基板テーブルWTの移動の後毎に、又は走査中の連続した放射パルスの間の中で、必要に応じて更新される。動作のこのモードは、上記で言及したタイプのプログラム可能なミラー・アレイなどのプログラム可能なパターン形成機器を利用した、マスクを使用しないリソグラフィに容易に適用することができる。
上記に述べた使用モードについての組合せ及び/又は変更、或いはまったく異なる使用モードも、用いることができる。
図2に、本来x方向及びy方向に延在する対象物2を示し、ここでx方向及びz方向を示しており、y方向は、x方向及びz方向に対して直角である。対象物2は、リソグラフィ装置中のレチクル又は基板を支持するために使用することができる。対象物は、できるだけその重量を軽減するように製造されており、薄い、即ちz方向寸法が小さい。対象物2は、6自由度、即ちx方向、y方向、z方向、rx方向、ry方向、及びrzの方向を有した対象物を移動するためのアクチュエータ・アセンブリ4に、弾性接続部3を介して結合される。対象物2及びアクチュエータ・アセンブリ4は、その合成重心6が、通常、対象物2の重心7、及びx及びy方向にアクチュエータ・アセンブリ4が発生した大きな走査力の中心8とは異なっている。具体的には、図2に、z方向に作用する力Fz1及びFz2によるアクチュエータ・アセンブリ4の支持力、x方向にアクチュエータ・アセンブリ4が発揮する力Fx、及び合成重心6と力の中心8の間の(z方向の)オフセットhを示す。
図3に、x方向の力Fxの影響下での、対象物2及びアクチュエータ・アセンブリ4の変形を概略的に(誇張した形で)示す。オフセットh(図2)の結果として、x方向に加速中のry方向のトルクTryが発生し、それはオフセットh×水平力Fxに等しい、
Try=h*Fx(絶対値)
トルクTryの作用は、対象物の共通重心6が所望のx方向にだけ移動することである。
図3に、加速中、基準面10に対してz方向で測定したとき、対象物2の距離が変化することをさらに示す。対象物2の一方末端部では、距離Z1が測定され、一方対象物2の反対側末端部では距離Z2が、測定されることになる。測定は、レーザ干渉計システムで実施することができる。
トルクTryは、相対的運動を生じて、距離測定システムによって観測されるような、内部の構造的な対象物2及びアクチュエータ・アセンブリ4の弾性変形をもたらすことになる。ry及びz方向の、これらの作用の極性及び大きさは、ウェハの位置毎に異なる。制御の観点から見ると、機械的なクロストーク(制御器によって入力される力から測定される制御器の位置へ)は、少なくともx、ry、及びz方向の間に存在する。同様に、y方向に加速力Fyが発生したとき、トルクTrxが発生する。したがって、x方向及びy方向のそれぞれの力Fx、Fyの合成力によって、機械的クロストークが、x、y、rx、ry、及びzの方向の間に少なくとも存在する。
ry方向への回転を防止するために、反対方向の等しい補償トルクが必要である。y方向に加速される場合、rx方向のトルクTrxが発生し、それとは反対方向の等しい補償トルクが、それに対抗することができることは、明らかなはずである。Trx及びTryの補償力の作用は、加速中の対象物2及びアクチュエータ・アセンブリ4中で動的な内部トルクになることである。
図4に示すように、第1の位置決め器PM及び/又は第2の位置決め器PW中に収容されるような可動構成要素の運動を制御する制御器のフィードフォワード経路中に、補償器46を含めることができる。制御器は、伝達関数Hctrl(f)を有した主制御器42と、伝達関数Hff(f)を有したフィードフォワード制御器44とを含み、補償器46は伝達関数Hcomp(f)を有し、機構部48が伝達関数Hmech(f)を有する。位置設定ポイント・プロフィール信号Setp_posが実際のサーボ(アクチュエータ・アセンブリ)の位置信号Servo_posと比較され、位置設定ポイントとサーボ位置の間のエラーが主制御器42に入力される。サーボの性能を高めるために、フィードフォワード制御器44に入力される位置由来の設定ポイント信号Setp_pd(位置設定ポイント信号、速度設定ポイント信号、加速度設定ポイント信号、ジャーク設定ポイント信号、及び/又はスナップ設定ポイント信号と同様)が追加される。補償器46が、図4に示すように、フィードフォワード経路中に含まれる場合、制御器の安定性が保証される。
図5に示すように、補償器56は、制御器のフィードバック経路中に含めることができ、その制御器は、伝達関数Hctrl(f)を有した主制御器52と、伝達関数Hff(f)を有したフィードフォワード制御器54とを含み、補償器56は伝達関数Hcomp(f)を有し、機構部58が伝達関数Hmech(f)を有する。位置設定ポイント・プロフィール信号Setp_posが実際のサーボ(アクチュエータ・アセンブリ)の位置信号Servo_posと比較され、位置設定ポイントとサーボ位置の間のエラーが主制御器52に入力される。サーボ性能を高めるために、フィードフォワード制御器54に入力される位置由来の設定ポイント信号Setp_pd(位置設定ポイント信号、速度設定ポイント信号、加速度設定ポイント信号、ジャーク設定ポイント信号、及び/又はスナップ設定ポイント信号と同様)が追加される。補償器56が、図5に示すように、制御器のフィードバック経路中に含まれる場合、以下でさらに解明するように、補償器56中の高周波数及びMIMO(多入力多出力)の補正の結果として、安定性の問題が生じる恐れがある。
図6に示すように、補償器66、67は、ともに制御器のフィードフォワード及びフィードバックの経路中に含めることができ、制御器は、伝達関数Hctrl(f)を有した主制御器62と、伝達関数Hff(f)を有したフィードフォワード制御器64とを含み、2つの補償器66、67は、それぞれ伝達関数Hcomp1(f)、Hcomp2(f)を有し、機構部48が伝達関数Hmech(f)を有する。位置設定ポイント・プロフィール信号Setp_posが実際のサーボ(アクチュエータ・アセンブリ)の位置信号Servo_posと比較され、位置設定ポイントとサーボ位置の間のエラーが主制御器62に入力される。サーボ性能を高めるために、フィードフォワード制御器64に入力される位置由来の設定ポイント信号Setp_pd(位置設定ポイント信号、速度設定ポイント信号、加速度設定ポイント信号、ジャーク設定ポイント信号、及び/又はスナップ設定ポイント信号と同様)が追加される。補償器66、67が、図6に示すように、ともにフィードフォワード及びフィードバックの経路中に含まれる場合、最大の柔軟性が得られるが、安定性の問題が残る恐れがある。
図4を参照すると、補償器46がフィードフォワード制御器44と組み合わされて、ともに制御機能を果たせることが分かる。
図6を参照すると、補償器66、67がフィードフォワード制御器64及び主制御器62と組み合わされて、合成された制御機能を果たせることが分かる。
例として、図5を参照して本発明によるクロストーク補償を議論する。元の制御器の力は、フィードフォワード及びフィードバックの信号を含むことができ、伝達関数Hcomp(f)を有した周波数依存の補償器56中でフィルタリングされる。補償器56の出力は、機構部(制御システムの機械的構成要素)を駆動する補償制御力を発生することである。伝達関数Hcomp(f)を有した補償器56の動作が、6個の減結合されたSISO(単一入力単一出力)軸中の所望の動的な伝達関数Hdesired(f)をもたらすために、Hcomp(f)、Hdesired(f)、及びHmech(s)の間の関係(1)は、従来のようにs(ラプラス変換子)の関数として書くと以下のようになる。
mech(s)*Hcomp(s)=Hdesired(s)
したがって、
comp(s)=[Hmech(s)]−1*Hdesired(s) (1)
ここで、sは微分を表す。
mech(f)は、(x、y)位置などの測定位置に対する入力制御力の伝達関数である。Hmech(f)の逆数は不安定であり、したがって一般に直接実装することができない。
図7に、補償がない機構部の伝達関数Hmech(f)の6自由度MIMOのボード線図配列を示す。対角線上にある様々なボード線図(x位置に対するx方向の力Fx、y位置に対するy方向の力Fy、rz位置に対するrz方向のトルクTrz、z位置に対するz方向の力Fz、rx位置に対するrx方向のトルクTrx、及びry位置に対するry方向のトルクTryの伝達関数)は、ロールオフが−40dB/デケード及び位相シフトが−180°で特徴付けられる質量/慣性のラインを示す。高周波数、ここでは600〜1200Hzにおいて、いくつかの付加的な機械的共振が見られる。対角線上のボード線図は、SISOサーボ制御器によって制御されることになるオープンループ力学(力から位置へ)を形成する。
y位置に対するFxやz位置に対するFxの伝達関数など、対角線上にない項又はクロストーク項は、0dB/デケードを有した実質的に水平のラインを示す。これらのラインは、移動される対象物の内部剛性を表す。例えば、Fxが加えられた場合、z方向の変位(z位置)は、より低い周波数、ここでは一般に10〜500Hzの領域において、この力に比例する。極めて低い周波数、ここでは一般に10Hz以下においては、いくつかのゼロ(ボード線図中の「ノッチ」として見られる)を観測することができる。
図8に、上記の関係(1)による補償器の伝達関数設計の、図によるボード線図配列の表現を示す。補償後は、クロストークの非対角線上の項がすべてゼロになり、全体伝達関数Hdesired(f)が6個の減結合されたSISO軸だけを有するような結果に、すべきである。言い換えると、アクチュエータ・アセンブリの運動力学を動的に減結合すべきである。
この結果を得るために、図9の補償器Hcomp(f)を実装することが望ましい。これは、36個のフィルタ(対角線上に以下の伝達関数を示す。x方向のモータ力Fx_motに対するx方向の制御力Fx_ctrl、y方向のモータ力Fy_motに対するy方向の制御力Fy_ctrl、rz方向のモータ・トルクTrz_motに対するrz方向の制御トルクTrz_ctrl、z方向のモータ力Fz_motに対するz方向の制御力Fz_ctrl、rx方向のモータ・トルクTrx_motに対するrx方向の制御トルクTrx_ctrl、及びry方向のモータ・トルクTry_motに対するry方向の制御トルクTry_ctrl)によって形成された、6自由度のMIMO(多入力多出力)システムを表す。ここで、モータ・トルク(回転方向の力)は、並進運動力を組み合わせることによって、発生できることが分かる。位置センサが、基板位置の関数として支持テーブルの様々な構成要素を測定した場合、これらのフィルタは、すべて(x、y)位置に依存した利得を有する。ここで対角項は、すべて一般に単位利得(+0dB/デケードの利得)を有し、したがって主な対角の力は、高周波数(主共振点近辺)において補償を必要とするだけである。実施例では、これは、4次のフィードフォワード・フィルタ又はスナップ(ジャークの微分)のフィードフォワードによって実施することができる。
図9の非対角の項は、すべて+40dB/デケードの利得を示し、極めて高い周波数で共振点を有する。広い周波数、一般に1〜500Hzの範囲にわたり、これらのフィルタは、(x、y)位置依存の利得を有した直列の2次のハイパス・フィルタで近似することができる。
実装するためには、多数の適切なオプションが可能であり、以下を含む。
(1)安定化されたフィルタ(z領域中の分子分母の多項式、又はz領域中の状態空間記述として実装された)によって、すべての重要なモードを設けて36個の(x、y)位置依存伝達関数をすべて適合される(fitting)。
(2)6個の位置依存対角項をすべて単位利得によって近似し、30個の位置依存非対角項を、すべて位置依存利得を有した2次のハイパス・フィルタによって近似する。このケースでは、補償器が、制御器のフィードバック経路中に含まれている場合、補償器は、複数の制御器の力入力及び制御器のトルク入力と複数の出力モータのフィードバック力及び出力モータのフィードバック・トルクとを結合する伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有することができる。具体的には、補償器は、一方におけるx方向出力モータ・フィードバック力、y方向出力モータ・フィードバック力、rz方向出力モータ・フィードバック・トルク、z方向出力モータ・フィードバック力、rx方向出力モータ・フィードバック・トルク、及びry方向出力モータ・フィードバック・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器力入力、y方向制御器力入力、rz方向制御器トルク入力、z方向制御器力入力、rx方向制御器トルク入力、及びry方向制御器トルク入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有することができる。補償器が制御器のフィードフォワード経路中に含まれている場合、補償器は、複数の制御器の設定ポイントの位置由来の力入力及び制御器の設定ポイントの位置由来のトルク入力と複数の出力モータのフィードフォワード力及び出力モータのフィードフォワード・トルクとを結合する伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有することができる。具体的には、補償器は、一方におけるx方向出力モータ・フィードフォワード力、y方向出力モータ・フィードフォワード力、rz方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、z方向出力モータ・フィードフォワード力、rx方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、及びry方向出力モータ・フィードフォワード・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力、y方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力、rz方向制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力、z方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力、rx方向制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力、及びry方向制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有することができる。
(3)オプション(2)のサブセットだけ、即ち6個の位置依存対角項すべてと、入力としては大きな走査力Fx、Fy、並びに出力としてはx、y、Rz、z、Rx、及びRyの方向の測定位置を有した、10個の位置依存非対角項とを実装する。このケースでは、補償器が制御器のフィードバック経路中に含まれた場合、補償器は、一方におけるx方向出力モータ・フィードバック力、y方向出力モータ・フィードバック力、rz方向出力モータ・フィードバック・トルク、z方向出力モータ・フィードバック力、rx方向出力モータ・フィードバック・トルク、及びry方向出力モータ・フィードバック・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器力入力及びy方向制御器力入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有することができる。補償器が制御器のフィードフォワード経路中に含まれている場合、補償器は、一方におけるx方向出力モータ・フィードフォワード力、y方向出力モータ・フィードフォワード力、rz方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、z方向出力モータ・フィードフォワード力、rx方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、及びry方向出力モータ・フィードフォワード・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力及びy方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有することができる。
以下に、オプション(3)による手順について例として述べる。手順は、以下を含む。
(a)伝達関数Hdesired(f)を、理想的な剛体の対角質量/慣性運動力学を有した6自由度のシステムとして6自由度の伝達関数(周波数の関数として実数部と虚数部を有する)として定義する段階。
(b)広い周波数、即ち最小周波数fmin(例えば、fmin=1Hz)から最大周波数fmax(例えば、fmax=0.5*fsample=2.5kHz)までの範囲にわたり、Hmech(f)を、6自由度の伝達関数(周波数の関数として実数部と虚数部を有する)として測定する段階。
(c)複素行列Hmech(f)の逆数を求めてinv(Hmech(f))を得る段階。
(d)複素乗算によってHcomp(f)を計算する段階。即ち、Hcomp(f)=inv(Hmech(f))*Hdesired(f)。
(e)Hcomp(f)を2回積分し(ハイパス利得を容易に適合させ、ノイズを低減するために)、Hcomp_int2(f)を求める段階。即ち、Hcomp_int2(f)=Hcomp(f)/(2*π*f)
(f)6自由度の伝達の実数部分の平均値、即ちK=平均(実数部(Hcomp_int2(fmin...fmax)))を計算することによって利得を適合させ、対角項を単位利得で置き換える段階。
(g)段階(a)〜(f)までを少なくとも9K(x、y)位置、即ち(x、y)=(0、0)、(xmax、0)、(xmax、ymax)、(0、ymax)、(xmin、ymax)、(xmin、0)、(xmin、ymin)(0、ymin)、及び(xmax、ymin)について繰り返す段階。
(h)一定の(x、y)設定ポイント位置について、段階(g)からの結果を使用し2つの他のポイント間を内挿してK(x、y)の実際の値を計算する段階。
(i)これらのK(x、y)利得を、力を補正するために設定ポイント加速度を加えるハイパス・フィルタに加える段階。
上記に述べた運動システムによって、水平から垂直へのクロストークを除去することができ、それによってz、rx、及びry方向のMA/MSD精度が向上され、制御システムの静定時間が低減される。同様に、垂直から水平へのクロストークを除去することができ、それによってx、y、及びrz方向のMA/MSD精度が向上され、制御システムの静定時間が低減される。短縮された静定時間の結果、リソグラフィ装置の処理量の増加が得られる。さらに、可動の対象物に対する動的及び機械的要求事項を緩和することができ、製品のコスト削減がもたらされる。
本文中に、IC製造中のリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされることがあるが、本明細書で述べるリソグラフィ装置は、光集積システム、磁気領域メモリ(magnetic domain memory)の誘導及び検出パターン、フラット・パネル表示装置、液晶表示装置(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造などの、他の用途を有することができることを理解すべきである。そのような代替用途の文脈では、用語「ウェハ」又は「ダイ」の本明細書でのどのような使用も、それぞれより一般的な用語「基板」又は「対象部分」と同義であると見なすことができることを、当業者は理解されるはずである。本明細書で言及される基板は、露光前又はその後、例えばトラック(通常、レジスト層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、測定ツール、及び/又は検査ツール中で処理することができる。適用できる場合、本明細書での開示は、そのような及び他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば複数層のICを生成するために、一度より多く処理することができ、したがって本明細書で使用する用語「基板」は、複数の処理された層をすでに含んだ基板を言うこともある。
光学的リソグラフィの文脈で本発明の実施例の使用について、上記で具体的に言及したことがあるが、本発明は、他の用途、例えばインプリント・リソグラフィで使用することができ、文脈が許す場合、光学的リソグラフィに限定されないことが、理解されるはずである。インプリント・リソグラフィでは、パターン形成機器中のトポグラフィが、基板上に生成されるパターンを画定する。パターン形成機器のトポグラフィが、基板に与えられたレジスト層中に押圧され、その基板上でレジストが、電磁気放射、熱、圧力又はその組合せを加えることによって、硬化することができる。パターン形成機器は、レジストから取り外され、レジストが硬化後、その中にパターンが残される。
本明細書で使用する用語「放射」及び「ビーム」は、紫外線(UV)(例えば、波長が、365、248、193、157又は126nm、或いはほぼそれらの値の波長)、及び極紫外線(EUV)(例えば、波長が、5〜20nmの範囲内)、並びにイオン・ビームや電子ビームなどの粒子ビームを含め、すべてのタイプの電磁気放射を包含する。
文脈が許す場合、用語「レンズ」は、屈折、反射、磁気、電磁気、及び静電気の光学的要素を含め、様々なタイプの光学的要素のいずれか1つ又はその組合せを言うことがある。
本発明の具体的な実施例について、上記に述べてきたが、本発明は、述べたようにではなく実施できることを、理解されるはずである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を記述した、1つ又は複数のシーケンスの機械可読の命令を含んだコンピュータ・プログラム、或いはそのようなコンピュータ・プログラムをその中に格納したデータ格納媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクや光ディスク)の形を取ることができる。
上記の記述は、説明するもので、限定するようには企図されていない。したがって、変更が、特許請求の範囲に述べられた範囲を逸脱せず、説明した本発明に実施できることは、当業者に明らかなはずである。
本発明の実施例によるリソグラフィ装置を示す図である。 x、y方向に移動されるプレート状の対象物及びそれに関連したアクチュエータ・アセンブリの概略側面図である。 図2の対象物が、x方向にアクチュエータ・アセンブリによって加速され、内部で弾性変形した状態を示す概略側面図である。 制御器のフィードフォワード経路中に補償器を含んだ、本発明の実施例による制御器の概略ブロック図である。 制御器のフィードバック経路中に補償器を含んだ、本発明の実施例による制御器の概略ブロック図である。 制御器のフィードフォワード及びフィードバック経路中に補償器を含んだ、本発明の実施例による制御器の概略ブロック図である。 周波数「Hz」の関数として「度」で位相角を表した、6自由度の対象物のオープンループ・メカニズムのボード線図配列を象徴的に示す図である。ここで、入力は、制御力Fx、Fy、又はFz、或いは制御トルクTrx、Try、又はTrzであり、出力は、測定位置x、y、z、rx、ry、又はrzである。 周波数依存の補償伝達関数Hcomp(f)のボード線図配列の計算を象徴的に示す図である。 伝達関数Hcomp(f)のボード線図配列をより詳細に示す図である。
符号の説明
W 基板
P1、P2 基板位置合わせマーク
SO 放射源
IL 照明システム、照明器
PS 投射システム
B 放射ビーム
IF1、IF2 位置センサ
MT マスク・テーブル、パターン形成機器支持部
PM 第1の位置決め器
WT 基板テーブル、基板支持部
PW 第2の位置決め器
MA パターン形成機器、マスク
M1、M2 マスク位置合わせマーク
h オフセット
Fx 力
Fz1 力
Fz2 力
Z1 距離
Z2 距離
2 対象物
3 弾性接続部
4 アクチュエータ・アセンブリ
6 合成重心、共通重心
7 対象物2の重心
8 走査力の中心
10 基準面
42 主制御器
44 フィードフォワード制御器
46 補償器
48 機構部
52 主制御器
54 フィードフォワード制御器
56 補償器
58 機構部
62 主制御器
64 フィードフォワード制御器
66 補償器
67 補償器
Setp_pd 位置由来の設定ポイント信号
Setp_pos 位置設定ポイント・プロフィール信号
Servo_pos サーボの位置信号
comp(f)、Hmech(f)、Hdesired(f)、Hctrl(f)、Hff(f) 伝達関数

Claims (22)

  1. リソグラフィ装置であって、
    放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
    前記放射ビームにその断面においてパターンを付与し、パターン形成された放射ビームを形成することが可能なパターン形成機器を支持するように構築されたパターン形成機器支持部と、
    基板を保持するように構築された基板支持部と、
    前記パターン形成された放射ビームを前記基板の対象部分上に投射するように構成された投射システムと、
    x、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度を有した前記支持部の1つを移動するように構成されたアクチュエータ・アセンブリと、
    前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学を前記自由度において動的に減結合するように構成された少なくとも1つの補償器を含んだ、前記アクチュエータ・アセンブリを制御するように構成された制御器とを含み
    前記補償器が、前記制御器のフィードバック経路中に含められ、
    前記補償器が、複数の制御器力入力及び制御器トルク入力と複数の出力モータ・フィードバック力及び出力モータ・フィードバック・トルクとを結合する伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有し、
    前記配列のボード線図が、ある周波数範囲にわたり一定利得を有した対角項と、所与の周波数範囲にわたり約+40dB/デケードの利得を有した非対角項とを含む、リソグラフィ装置。
  2. 前記補償器が、前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学を動的に減結合するための複数の所望の伝達関数と前記アクチュエータ・アセンブリ及び前記1つの支持部の組合せの機械的動作の複数の逆伝達関数とを乗算することによって得られる制御機能を有する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記補償器が、一方におけるx方向出力モータ・フィードバック力、y方向出力モータ・フィードバック力、rz方向出力モータ・フィードバック・トルク、z方向出力モータ・フィードバック力、rx方向出力モータ・フィードバック・トルク、及びry方向出力モータ・フィードバック・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器力入力、y方向制御器力入力、rz方向制御器トルク入力、z方向制御器力入力、rx方向制御器トルク入力、及びry方向制御器トルク入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有する、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記補償器が、一方におけるx方向出力モータ・フィードバック力、y方向出力モータ・フィードバック力、rz方向出力モータ・フィードバック・トルク、z方向出力モータ・フィードバック力、rx方向出力モータ・フィードバック・トルク、及びry方向出力モータ・フィードバック・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器力入力及びy方向制御器力入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有する、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記非対角項が、位置依存の利得を有した直列の2次のハイパス・フィルタによって近似される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 前記配列のボード線図の項が、安定化されたフィルタによって適合される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記安定化されたフィルタが、z領域の分子分母の多項式として実装される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  8. 前記安定化されたフィルタが、z領域の状態空間記述として実装される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  9. リソグラフィ装置であって、
    放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
    前記放射ビームにその断面においてパターンを付与し、パターン形成された放射ビームを形成することが可能なパターン形成機器を支持するように構築されたパターン形成機器支持部と、
    基板を保持するように構築された基板支持部と、
    前記パターン形成された放射ビームを前記基板の対象部分上に投射するように構成された投射システムと、
    x、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度を有した前記支持部の1つを移動するように構成されたアクチュエータ・アセンブリと、
    前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学を前記自由度において動的に減結合するように構成された少なくとも1つの補償器を含んだ、前記アクチュエータ・アセンブリを制御するように構成された制御器とを含み、
    前記補償器が、前記制御器のフィードフォワード経路中に含められ、
    前記補償器が、複数の制御器の設定ポイント位置由来の力入力及び制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力と複数の出力モータ・フィードフォワード力及び出力モータ・フィードフォワード・トルクとを結合する伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有し、
    前記配列のボード線図が、所与の周波数範囲にわたり一定利得を有した対角項と、所与の周波数範囲にわたり約+40dB/デケードの利得を有した非対角項とを含む、リソグラフィ装置。
  10. 前記補償器が、一方におけるx方向出力モータ・フィードフォワード力、y方向出力モータ・フィードフォワード力、rz方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、z方向出力モータ・フィードフォワード力、rx方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、及びry方向出力モータ・フィードフォワード・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力、y方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力、rz方向制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力、z方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力、rx方向制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力、及びry方向制御器の設定ポイント位置由来のトルク入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有する、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  11. 前記補償器が、一方におけるx方向出力モータ・フィードフォワード力、y方向出力モータ・フィードフォワード力、rz方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、z方向出力モータ・フィードフォワード力、rx方向出力モータ・フィードフォワード・トルク、及びry方向出力モータ・フィードフォワード・トルクのいずれにも対する、他方におけるx方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力及びy方向制御器の設定ポイント位置由来の力入力の伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有する、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  12. 前記非対角項が、位置依存の利得を有した直列の2次のハイパス・フィルタによって近似される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  13. 前記配列のボード線図の対角項が、安定化されたフィルタによって適合される、請求項に記載のリソグラフィ装置。
  14. 前記安定化されたフィルタが、z領域の分子分母の多項式として実装される、請求項13に記載のリソグラフィ装置。
  15. 前記安定化されたフィルタが、z領域の状態空間記述として実装される、請求項13に記載のリソグラフィ装置。
  16. 前記1つの支持部が、前記パターン支持部である、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  17. 前記1つの支持部が、前記基板支持部である、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  18. 前記支持部の他の1つを移動するように構成された追加のアクチュエータ・アセンブリをさらに含み、
    したがって前記パターン支持部及び前記基板支持部が、アクチュエータ・アセンブリによってx、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度において移動され、前記自由度で前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学を動的に減結合するように構成された少なくとも1つの補償器を含んだそれぞれの制御器によって制御される、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  19. 前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学が、前記自由度中で減結合される、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  20. デバイス製造方法であって、
    パターン形成機器支持部によって支持されたパターン形成機器を用いて放射ビームをパターン形成し、パターン形成された放射ビームを形成する段階と、
    前記パターン形成された放射ビームを基板支持部によって支持された基板の対象部分上に投射する段階と、
    x、y、z、rx、ry、及びrzの方向を含んだ6自由度を有した前記1つの支持部を移動するように構成されたアクチュエータ・アセンブリを用いて、前記支持部の1つを移動する段階と、
    制御器のフィードバック経路中に含められた補償器によって前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学を前記自由度中で動的に減結合することによって、前記制御器が前記アクチュエータ・アセンブリを制御する段階とを含み、
    前記補償器が、複数の制御器力入力及び制御器トルク入力と複数の出力モータ・フィードバック力及び出力モータ・フィードバック・トルクとを結合する伝達関数を表す配列のボード線図による制御機能を有し、
    前記配列のボード線図が、ある周波数範囲にわたり一定利得を有した対角項と、所与の周波数範囲にわたり約+40dB/デケードの利得を有した非対角項とを含む、デバイス製造方法。
  21. 前記アクチュエータ・アセンブリが、前記アクチュエータ・アセンブリの運動力学を動的に減結合する複数の所望の伝達関数と前記アクチュエータ・アセンブリ及び前記1つの支持部の機械的な動作の複数の逆伝達関数とを乗算することによって得られる制御機能によって、制御される、請求項20に記載のデバイス製造方法。
  22. 他のアクチュエータ・アセンブリを用いて前記支持部の他方を移動する段階をさらに含み、
    前記他のアクチュエータ・アセンブリが、6自由度を有する前記他の支持部を移動するように構成されており、
    前記他のアクチュエータ・アセンブリが、前記6自由度において動的に減結合される、請求項20に記載のデバイス製造方法。
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