JP4357195B2 - 緑化用パネル - Google Patents
緑化用パネル Download PDFInfo
- Publication number
- JP4357195B2 JP4357195B2 JP2003085118A JP2003085118A JP4357195B2 JP 4357195 B2 JP4357195 B2 JP 4357195B2 JP 2003085118 A JP2003085118 A JP 2003085118A JP 2003085118 A JP2003085118 A JP 2003085118A JP 4357195 B2 JP4357195 B2 JP 4357195B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- porous ceramic
- greening panel
- planting
- ceramic substrate
- moisture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑化用パネルに関し、年数回の少量の降雨のみで植物の長期育成が可能な緑化用パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
商業および産業の都市部への集中は、人口増加とともに、コンクリート構造物や道路におけるアスファルトを増加させ、それに伴って、緑地を減少させている。このコンクリート構造物やアスファルトの増加は、地表面を高温にし、これにより、気温を上昇させる。また、人口増加に伴って、冷房需要が増加し、その排熱により、さらに気温を上昇させている。こういった都市部において島状に気温が高くなるヒートアイランド現象や、上記コンクリート構造物の乱立による景観を改善するために、緑化を行うことが望まれている。緑化は、コンクリート構造物の屋上、ベランダ、壁面などに植生基盤や緑化用パネルを使用して行われている。
【0003】
従来の上述した緑化は、屋上やベランダにおいては、土壌の設置という構造物に荷重負担が大きく、構造物の建築設計にも影響を与え、さらには防水工事が必要となるなど建築コストや緑化工事コストが高く、既存の構造物に対しては土壌の設置を行うことができないといった問題も生じていた。また、移設や増設する場合においても、荷重や労力などの問題があり、容易に行うことができなかった。さらに、土壌を設置する場合、降雨により、土砂が流出し、風によって土砂が飛散するといった問題、水分補給が均一にできないため、植物の成長にむらができるといった問題、薄土壌において水の供給のみでは枯れてしまう植物も多く、水分補給の管理が必要であるといった問題があった。
【0004】
上記問題に鑑み、軽量で、取り扱いがしやすく、移設や増設が簡単に行え、しかも、簡単な構成で植物に均等に水分補給を行うことができる緑化用パネルが提案されている(特許文献1、特許文献2参照。)。これら緑化用パネルは、透水性を有する多孔質パネル体と、多孔質パネル体を充填し、かつ水を溜めるための凹型の箱体と、植物の根がからむ材料よりなる根絡み層と、根絡み層上で育成される地被植物とから構成されている。これらは、箱体に溜めた水を多孔質パネル体により毛細管現象により吸い上げて根絡み層に絡み込んでいる地被植物の根に適度に給水できるようにするものである。また、軽量で、安価にでき、屈曲性に富み、しかも産業廃棄物を再利用した発泡ガラス製緑化用パネルが提案されている(特許文献3参照。)。この緑化用パネルは、少なくとも1枚の網状体又は線状体を有し、これらに隣接して発泡ガラス層を有することを特徴とするものである。
【0005】
上述したパネルはいずれも、軽量で、安価にでき、施工性に優れ、植物に適度な給水を与えるものの、地域によっては1〜2ヶ月も雨が降らないことにより、また、灌水装置を設置することができない場所で、長期間雨が降らない場合には、適宜パネルや植物に給水する必要があり、給水するための労力が必要であるといった問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−233234号公報(第1頁−第5頁、第1図−第7図)
【特許文献2】
特開2002−305980号公報(第1頁−第8頁、第1図−第4図)
【特許文献3】
特開2002−21086号公報(第1頁−第4頁、第1図−第7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上述した問題に鑑み、軽量で、安価に製造することができ、充分な強度を有し、基盤表面からの蒸発を抑制して植物の長期育成を可能にする緑化用パネルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は、本発明の緑化用パネルを提供することにより解決される。
【0009】
本発明によれば、バーミキュライト、ガラスまたは石炭灰から選択される材料から形成され、複数の植栽用穴、複数の植栽用凹部、または複数の前記植栽用穴と複数の前記植栽用凹部との両方を有する多孔質セラミックス基盤と、植生培土が充填される前記複数の植栽用穴、前記複数の植栽用凹部、またはそれらの両方を除いた前記多孔質セラミックス基盤の露出する表面を被覆する水分蒸発防止層とを含み、前記多孔質セラミックス基盤は、前記植生培土を通して供給される雨水を、前記植生培土に植えられる植物に供給するための水分として保持し、前記水分蒸発防止層は、前記多孔質セラミックス基盤内に保持された水分が該多孔質セラミックス基盤の露出する表面から蒸発することを抑制する緑化用パネルが提供される。
【0010】
本発明によれば、前記水分蒸発防止層は、前記多孔質セラミックス基盤の露出する表面に塗布される塗料である緑化用パネルが提供される。
【0011】
本発明によれば、前記多孔質セラミックス基盤は、発泡セラミックス基盤であり、前記水分蒸発防止層は、未発泡セラミックス層である緑化用パネルが提供される。
【0012】
本発明によれば、前記緑化用パネルは、前記植生培土中に吸水性ポリマーを含む緑化用パネルが提供される。
【0013】
本発明によれば、前記多孔質セラミックス基盤は、該基盤中の全気孔のうちの50%以上の気孔が直径1mm以下であることを特徴とする緑化用パネルが提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面をもって本発明の緑化用パネルについて詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の緑化用パネルを示した図である。図1(a)には、緑化用パネルの平面図を、図1(b)には、図1(a)の切断線A−Aに沿って切断した断面図を示す。本発明の緑化用パネル1は、多孔質セラミックス基盤2と、多孔質セラミックス基盤2の露出する表面に設けられる水分蒸発防止層3とを含んで構成されている。図1(a)には、多孔質セラミックス基盤2は示されておらず、緑化用パネル1の露出する表面に設けられた水分蒸発防止層3が示されている。また、図1(a)には、植物を植えるために植生培土を充填する植栽用穴4が設けられているのが示されている。図1(b)には、多数の気孔5を有する多孔質セラミックス基盤2と、水分蒸発防止層3と、植栽用穴4とが示されている。図1(b)の一部にのみ示す気孔5は、互いに連続していて、水分を保持するとともに、例えば、植栽用穴4に向けて水を供給することができるようにされている。水分蒸発防止層3は、気孔5に保持された水分が外部である大気中へ蒸発しないように、気孔5と大気とを遮断している。
【0015】
本発明に使用することができる多孔質セラミックス基盤2は、バーミキュライト(雲母を主成分とする蛭石を700℃以上の高温で焼いたもの)、ガラス、またはフライアッシュなどの石炭灰から選択される材料から形成することができる。本発明においては、多孔質基盤であって、所与の強度を有するものであれば、上記材料以外のものであってもよい。
【0016】
本発明において多孔質セラミックス基盤2は、成形したセラミックスを所望の温度に加熱することにより得ることができる。この場合、炭酸カルシウムといった発泡剤を含んで成形することができ、これを加熱することにより、多孔質である発泡セラミックス基盤を製造することができる。植栽用穴4は、植栽用穴型を有する型板を用い、加熱する前の多孔質セラミックス材料上に型板を配置し、必要に応じて加圧した後、所望の温度、例えば、500℃〜1000℃に加熱することにより、複数の植栽用穴4を備える多孔質セラミックス基盤2を形成することができる。石炭灰を用いて多孔質材料を形成する場合、例えば、フライアッシュと石灰分とを強アルカリ溶液中で高温高圧の水蒸気雰囲気で反応させてトモバライトの針状結晶を生成させる方法、アルカリ溶液中でのフライアッシュと石灰とを反応させてエトリンガイト結晶を生成させる方法、フライアッシュを活性化させてセメントに混入する方法などを使用して形成することができる。また、フライアッシュや発泡粘土を造粒し、キルンを用いて高温焼成することにより軽量骨材を作り、ポルトランドセメントで発泡粘土粒子を固着し、粘土などを1200℃で発泡させて多孔質材料を製造することもできる。本発明においては、これらに限らず、いかなる方法を使用して多孔質セラミックス基盤2を製造することができる。
【0017】
また、底浅の型板を用い、上述した方法と同様にして、複数の植栽用凹部を形成することができる。上述した穴型を有する型板および底浅の型板をそれぞれ複数使用することにより、複数の植栽用穴4と複数の植栽用凹部との両方を形成することもできる。本発明においては、植生培土の露出する表面を少なくし、植生培土からの水分の蒸発を抑制するため、植栽用穴4に比べ、植栽用凹部のほうが好ましい。植栽用穴4および植栽用凹部の径は、穴または凹部に植生培土を充填し、植生培土に植物を植えることができる大きさとすることができ、直径0.05m〜0.1mが好ましく、直径0.06m〜0.08mがより好ましい。しかしながら、植える植物の種類などにより、上記径は、適宜設定することができる。また、多孔質セラミックス基盤2の大きさは、いかなる大きさであってもよい。本発明においては、緑化用パネル1を構造物の壁面などに設置する場合に、毛管現象により上部の植栽用穴4にも長期間にわたって植物の育成に必要とされる適切な量の水を供給することを可能にし、緑化用パネル1におけるどの植栽用穴4に植えられた植物も差を生じることなく育成させるために、多孔質セラミックス基盤2中の全気孔のうちの50%以上が直径0.001m以下であることが好ましい。多孔質セラミックス基盤2の細孔径は、例えば、定容量式ガス吸着法、バブルポイント法またはエアフロー法を用いた細孔測定装置を使用して測定することができる。本発明においては、これら以外に細孔径を測定することができるのであれば、いかなる装置および方法でも使用することができる。また、多孔質セラミックス基盤2の厚さは、強度の面から0.03m以上が好ましい。また、多孔質セラミックス基盤2の厚さは、0.03m以上であれば、いかなる厚さであってもよい。
【0018】
本発明に使用することができる水分蒸発防止層3としては、形成した多孔質セラミックス基盤2を、例えば、構造物壁面に設置した場合の植物が成長する方向である、露出する表面に塗布された塗料またはコーティング材、表面に配設された未発泡セラミックスを挙げることができ、その他多孔質セラミックス基盤2中の気孔5に保持された水分が、多孔質セラミックス基盤2の表面から大気中へ蒸発することを防止するために、多孔質セラミックス基盤2の内部の気孔5と外部の大気とを遮断することができるのであれば、上述したもの以外のいかなるものでも用いることができる。上記塗料またはコーティング材としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂といった合成樹脂を挙げることができる。これら塗料またはコーティング材を塗布する方法としては、今まで知られたいかなる方法でも用いることができるが、例えば、スプレー噴霧、ローラー刷毛塗り、刷毛塗りを挙げることができる。また、塗料またはコーティング材の厚さは、基盤2の内部の気孔に保持されている水分が外部へ蒸発しないように、基盤2と外部とを遮断することができるのであればいかなる厚さであってもよい。また、未発泡セラミックスを配設する場合には、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などから選択される接着剤などを使用して接着することができる。その他、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンから選択される材料により製造されるシートおよびフィルムを接着または溶着させたものを水分蒸発防止層3として使用することもできる。
【0019】
図1に示す緑化用パネル1は、植栽用穴4に植生培土が充填され、緑化用の植物が植えられる。緑化用植物が植えられた緑化用パネル1は、コンクリート構造物の屋上、壁面、ベランダ、道路、橋梁といった場所に設置することができる。図1に示す本発明の緑化用パネル1は、長期間雨が降らない場合であっても、雨が降ったときに、多孔質セラミックス基盤2中の気孔5に水分を保持し、また、多孔質セラミックス基盤2の露出する表面に水分蒸発防止層3が設けられているため、気孔5に保持された水分が蒸発することを抑制することができる。また、緑化用パネル1は、長期間雨が降らないことによる植生培土の乾燥によって植物が枯れないように、気孔5に保持していた水分を適宜供給することができる。本発明の緑化用パネル1は、水分を保持し、適宜供給することができる構造とすることにより、長期間雨が降らない場合であっても、植物の長期育成が可能となる。本発明の緑化用パネル1は、年数回のわずかな雨しか降らないような場合であっても、充分に植物の育成を可能にするものである。
【0020】
図2は、植栽用穴に植生培土を充填した緑化用パネルの断面を示した図である。本発明の緑化用パネル1は、植栽用穴4に植生培土6を充填し、植生培土6に植物を植えることができる。本発明においては、上述した植栽用穴4に植生培土6を充填する際、植生培土6と吸水性ポリマー7とを混合したものを植栽用穴4に充填することができる。吸水性ポリマー7は、雨が降ったときなどに、植生培土6に直接、および多孔質セラミックス基盤2内の気孔5を通して植生培土6に流れた水を吸収し、長期間雨が降らず、植生培土6が乾燥してきたときに、植物に水分を供給することができる。したがって、この吸収性ポリマーを植生培土に混合させておくことにより、雨が降らない期間がさらに長い場合でも、また、灌水装置を設置することができない場所においても、適宜水分補給を行うことなく、適切な量の水分を植物に与えることができる。
【0021】
本発明において使用することができる吸収性ポリマーとしては、アクリル酸−ビニルアルコール系共重合体およびアクリルアミド系ポリマーなどを挙げることができ、具体的には、デンプン・ポリアクリロニトリル加水分解物、デンプン・ポリアクリル酸塩架橋物、架橋カルボキシメチルセルロース、酢酸ビニル・アクリル酸メチル共重合体ケン化物、ポリアクリル酸ナトリウム架橋物を挙げることができる。
【0022】
図2に示す実施の形態では、コンクリート構造物や道路などに本発明の緑化用パネル1が配設され、一度降った雨により、水が植生培土6を通して一部は吸水性ポリマー7に吸収され、その他は気孔5へと供給され、それぞれにおいて水分が保持されている。長期間雨が降らない場合、多孔質セラミックス基盤2の露出する表面は水分蒸発防止層3によって覆われているため、気孔5に保持された水分の蒸発はないものの、表面が露出し、植物によって水分が吸収される植生培土6は、次第に乾燥してくる。吸水性ポリマー7および気孔5に保持された水分は、植生培土6の乾燥により、植生培土6にしみ出ることとなる。
【0023】
本発明においては、上述した吸水性ポリマー7を混合した植生培土6に限らず、吸水性ポリマー7に加え、植物の育成に必要な養分なども混合した植生培土6を充填することができる。また、本発明においては、予め気孔5に水分を保持させた多孔質セラミックス基盤2を使用することもできる。
【0024】
図3は、本発明の緑化用パネルをコンクリート構造物の壁面に配設したところを示した図である。図3に示す緑化用パネル1は、多孔質セラミックス基盤2と、水分蒸発防止層3と、植栽用凹部8と、植生培土6と、吸水性ポリマー7とを含み、さらに固定手段として用いられるボルトを通すボルト穴9が緑化用パネル1に形成されている。また、コンクリート構造物10には、緑化用パネル1をボルト11によって固定するためのナット12が配設されている。図3では、1つのボルト9およびナット12のみが示されているが、緑化用パネル1のボルト穴9は、緑化用パネル1を固定するために必要な数だけ、適切な位置に設けることができる。コンクリート構造物10に配設されるナット12は、緑化用パネル1を固定するために緑化用パネル1に設けられた数と同じで、かつ適合する位置に設けられる。図3に示すボルト穴9は、上述した植栽用穴の形成と同様の方法により形成することができる。
【0025】
図3に示す実施の形態では、緑化用パネル1に植物を植え、その後、緑化用パネル1を所定の位置の壁面に配置し、ボルト11を緑化用パネル1のボルト穴9に挿通させ、コンクリート構造物10に配設されたナット12に締結させることにより、コンクリート構造物10に緑化用パネル1を固定することができる。また、図3に示す実施の形態では、ボルト11およびナット12による締結力を増加させるために、水分蒸発防止層3の大気への露出する側のボルト頭11aに隣接して配置される鋼製のワッシャー13と、ワッシャー13と水分蒸発防止層3との間に配設されるゴムワッシャー14と、緑化用パネル1とコンクリート構造物10との間に配設されるゴムワッシャー15とが設けられている。また、ボルト穴9に挿通させるボルト11の挿通部11bの周囲には、挿通部11bに隣接するゴム製の保護部材16が設けられている。本発明の緑化用パネル1は、鋼材に比べて強度が低い多孔質セラミックスにより形成されているため、この多孔質セラミックスと鋼製のボルト11および鋼製のナット12とを直接接触させて締結すると、多孔質セラミックスが破壊されることとなる。したがって、鋼製のボルト11および鋼製のナット12が緑化用パネル1に接触する部分に、ゴムワッシャー14、15、保護部材16が設けられている。本発明において固定手段は、上記ボルト11およびナット12に限らず、緑化用パネル1をコンクリート構造物10の壁面に固定することができるものであれば、いかなる手段でも用いることができる。また、コンクリート構造物10の屋上やベランダなどのように、略平坦な場所に本発明の緑化用パネル1を設置する場合には、上記固定手段を用いてもよいし、用いなくてもよい。
【0026】
図4は、本発明の緑化用パネルを複数設置したところを示した図である。図4に示す緑化用パネル1には、それぞれ16個の植栽用凹部が設けられ、その植栽用凹部に植生培土が充填され、緑化用の植物が植えられている。また、緑化用パネル1には、それぞれ2箇所にボルト穴が設けられており、ボルト穴にボルト11が挿通され、図示しない構造物に締結されている。また、ボルト11と緑化用パネル1との間には、多孔質セラミックスにより形成された緑化用パネル1が、ボルト11による締結によって破壊しないようにゴムワッシャー14が配設されている。各緑化用パネル1は、所定の間隔で離間して構造物に配設されている。
【0027】
図4に示す緑化用パネル1は、構造物に隣接してゴムワッシャーが設けられ、構造物に直接、多孔質セラミックスが接触しないようにされており、かつ緑化用パネル1同士が離間して配置されているため、大気に露出する表面は、多孔質セラミックス基盤2の全面となり、全面に水分蒸発防止層3を設けることができる。しかしながら、構造物に対向する面や多孔質セラミックス基盤2同士が対向する面は、直射日光の照射がなく、緑化用パネル1の存在により構造物壁面の温度上昇も小さいため、水分蒸発が少ない。したがって、本発明において水分蒸発防止層3は、植物が成長する側の多孔質セラミックス基盤表面のみに設けることもできる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の緑化用パネルを提供することにより、内部に水分を保持し、内部に保持した水分の蒸発を抑制して、長期間雨が降らない場合であっても、植物の長期育成が可能となる。また、培土中に吸水性ポリマーを混合することで、雨水の吸収量を増加させ、さらに長い期間雨が降らない場合であっても、植物の長期育成を可能にする。
【0029】
パネルを構造物の壁面に配設しても、水分を基盤全体にほぼ均一に行き渡らせることができ、パネルのどの位置に植えた植物も、ほとんど差を生じることなく育成させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の緑化用パネルを示した図。
【図2】 植栽用穴に植生培土を充填した緑化用パネルの断面を示した図。
【図3】 本発明の緑化用パネルをコンクリート構造物の壁面に配設したところを示した図。
【図4】 本発明の緑化用パネルを複数設置したところを示した図。
【符号の説明】
1…緑化用パネル
2…多孔質セラミックス基盤
3…水分蒸発防止層
4…植栽用穴
5…気孔
6…植生培土
7…吸水性ポリマー
8…植栽用凹部
9…ボルト穴
10…コンクリート構造物
11…ボルト
11a…ボルト頭
11b…挿通部
12…ナット
13…ワッシャー
14…ゴムワッシャー
15…ゴムワッシャー
16…保護部材
Claims (5)
- バーミキュライト、ガラスまたは石炭灰から選択される材料から形成され、複数の植栽用穴、複数の植栽用凹部、または複数の前記植栽用穴と複数の前記植栽用凹部との両方を有する多孔質セラミックス基盤と、植生培土が充填される前記複数の植栽用穴、前記複数の植栽用凹部、またはそれらの両方を除いた前記多孔質セラミックス基盤の露出する表面を被覆する水分蒸発防止層とを含み、
前記多孔質セラミックス基盤は、前記植生培土を通して供給される雨水を、前記植生培土に植えられる植物に供給するための水分として保持し、
前記水分蒸発防止層は、前記多孔質セラミックス基盤内に保持された前記水分が該多孔質セラミックス基盤の露出する表面から蒸発することを抑制する、緑化用パネル。 - 前記水分蒸発防止層は、前記多孔質セラミックス基盤の露出する表面に塗布される塗料である、請求項1に記載の緑化用パネル。
- 前記多孔質セラミックス基盤は、発泡セラミックス基盤であり、前記水分蒸発防止層は、未発泡セラミックス層である、請求項1に記載の緑化用パネル。
- 前記緑化用パネルは、前記植生培土中に吸水性ポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の緑化用パネル。
- 前記多孔質セラミックス基盤は、該基盤中の全気孔のうちの50%以上の気孔が直径1mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の緑化用パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003085118A JP4357195B2 (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 緑化用パネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003085118A JP4357195B2 (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 緑化用パネル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004290044A JP2004290044A (ja) | 2004-10-21 |
JP4357195B2 true JP4357195B2 (ja) | 2009-11-04 |
Family
ID=33400116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003085118A Expired - Fee Related JP4357195B2 (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 緑化用パネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4357195B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101849483B (zh) | 2003-06-13 | 2012-07-04 | 川田建设株式会社 | 绿化装置 |
JP4975290B2 (ja) * | 2005-09-14 | 2012-07-11 | 日本植生株式会社 | 植生促進部材、緑化方法及び法面緑化構造 |
JP2008301744A (ja) * | 2007-06-06 | 2008-12-18 | Tokyo Institute Of Technology | 揚水材及びその用途 |
JP2010022205A (ja) * | 2008-07-15 | 2010-02-04 | Ngk Insulators Ltd | 植栽用セラミック培地 |
JP2011182680A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Shimizu Corp | 緑化構造 |
WO2012018041A1 (ja) * | 2010-08-06 | 2012-02-09 | 小松精練株式会社 | 乾燥地緑化材及びそれを用いた乾燥地の緑化方法 |
JP6278740B2 (ja) * | 2013-03-05 | 2018-02-14 | 住友金属鉱山シポレックス株式会社 | パネル取付構造及びパネル取付工法 |
KR102167992B1 (ko) * | 2018-11-07 | 2020-10-20 | 한국토지주택공사 | 식생패널 및 식생장치 |
KR102617124B1 (ko) * | 2021-08-26 | 2023-12-27 | 하랑영농조합법인 | 토마토 양액재배용 배지 |
KR102641467B1 (ko) * | 2021-08-26 | 2024-02-27 | 농업회사법인 팜팜(주) | 토마토 양액재배용 배지 |
CN114956688A (zh) * | 2022-05-30 | 2022-08-30 | 佛山市东鹏陶瓷有限公司 | 一种长余辉发光柔性建筑材料及其制备方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0759162B2 (ja) * | 1986-04-26 | 1995-06-28 | 三菱化学ビーエーエスエフ株式会社 | 植生体 |
JP2971868B1 (ja) * | 1998-09-18 | 1999-11-08 | イソライト工業株式会社 | 無土壌植栽用セラミックブロック及びその使用方法 |
JP3059318U (ja) * | 1998-11-24 | 1999-07-09 | イソライト工業株式会社 | 植生用壁面構造物 |
JP2002153118A (ja) * | 2000-11-20 | 2002-05-28 | San Green:Kk | 植生用シート |
JP4622110B2 (ja) * | 2001-02-08 | 2011-02-02 | パナソニック電工株式会社 | 地被植物用緑化パネル及び地被植物用緑化パネル並設物 |
JP4622136B2 (ja) * | 2001-04-06 | 2011-02-02 | パナソニック電工株式会社 | 地被植物用緑化パネル |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003085118A patent/JP4357195B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004290044A (ja) | 2004-10-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5724766A (en) | Hygroscopic rock wool mat of low weight per unit volume capable of providing immediate landscaping to roofs or similar surfaces | |
JP4357195B2 (ja) | 緑化用パネル | |
US20120260572A1 (en) | Construction Element Covered With Vegetation For Horizontal Pitched And/Or Vertical Surfaces Of Structures | |
JP2006304760A (ja) | 雨水貯溜層の貯溜水を毛管現象で基盤層が吸水し緑化基盤、放熱基盤とする軽質炭酸カルシウムを主要基盤材に使用した建築物屋上,壁面のヒートアイランド現象軽減工法 | |
JP2007197914A (ja) | 建造物の冷却材及び冷却方法 | |
JP5039663B2 (ja) | コケ植物を用いた緑化工法 | |
KR100736847B1 (ko) | 옥상녹화용 식물식재 방법 및 그 포트 | |
JP3839016B2 (ja) | ブロック置き敷き露天床構造 | |
JP2002327440A (ja) | 緑化盤及び道路側壁の緑化方法 | |
JP3479053B2 (ja) | 植物生育ボード | |
JP3924456B2 (ja) | 多肉植物類による薄層緑化方法 | |
KR20110086275A (ko) | 녹화조성구조물 | |
JP2006125015A (ja) | 気化熱を利用した断熱材とそれを用いる断熱工法および植栽地盤用保水マット | |
JP2004089090A (ja) | 折板屋根緑化工法 | |
JP3937089B2 (ja) | 壁面への緑化工法および緑化資材 | |
KR20010065760A (ko) | 옥상녹화시스템의 구조 및 그의 시공방법 | |
JP2002272259A (ja) | 建築構造物の面材に対する緑化システム | |
JP4975290B2 (ja) | 植生促進部材、緑化方法及び法面緑化構造 | |
JP3970793B2 (ja) | パネル体の製造方法 | |
JP2003125644A (ja) | 表面緑化パネル | |
JP2004129507A (ja) | 屋上の緑化工法 | |
JPH08238027A (ja) | 屋上用植物栽培コンクリート基盤 | |
JP2003147873A (ja) | 緑化断熱ブロックとその製造方法 | |
JP2003158916A (ja) | 建築物の緑化方法 | |
JP2014100128A (ja) | 苔緑化ユニット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070807 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070928 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071127 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426 Effective date: 20071127 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071214 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20080118 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20080404 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090804 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120814 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130814 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |