JP4356597B2 - 光ピックアップ - Google Patents

Description

この発明は光ディスク装置において、光ディスクに対する情報の読み出しや書き込みを行う光ピックアップに関し、詳しくはその組み立て構造の改良に関する。

オーディオ・ヴィジュアル業界では従来の電磁記録媒体を扱ったテープレコーダやビデオテープレコーダに代わって、光学記録媒体のディスクを扱ったＣＤやＤＶＤの機器が台頭してきている。これら光学記録媒体のディスクは電磁記録媒体のものに比べて記録密度が高く、大量のデータを扱うことができるとともに、媒体自体の保存性が格段に高く、半永久的なものであるからである。

そのＣＤやＤＶＤの機器の需要が増えるにつれ、それらを生産する関連会社は独自の新しい機能を備えた製品の開発にしのぎを削っているが、それとともに、各メーカー間で同じような構成で同じような機能を有するものについては、それらの価格を下げることで差別化を図ることにも力を注いでいる。

例えば、一点の部品でも、それが削減されれば、その部品代が削減されるとともに、その削減対象となる部品が組み立てに関わるような部品、例えば、ねじやばね等であると、部品代の削減にとどまらず、組み立ての際、その部品を取り扱う作業がなくなるので、作業の簡略化を図ることもでき、このことはさらなるコストダウンに繋がることになる。

上記のようなＣＤやＤＶＤといった光ディスク媒体を対象とする光ディスク装置に搭載されるのが光ピックアップであって、その光ピックアップにおける部品点数の削減と、それに伴う、その部品の取り付け作業の廃止によるコストダウンを図ったものとしては、公知文献１に開示されたものがある。

本発明者は、前記光ピックアップの構成について、自身が携わったものの中に、上記のようなコストダウンに繋がる部品の削減ができないものかと考えたのである。

以下、しばし、本発明者が部品点数の削減対象として選んだ光ピックアップの部品削減前の構成について述べる。その光ピックアップはフナイ販売（株）のＤＶＤ−Ｆ７００Ｓ、ＶＤ−Ｆ１０００、ＶＤＹＷ２ＦＮ等のモデルに搭載されているものであって、図３はその光ピックアップの基台周りの構成を示した要部分解斜視図である。

図に示している光ピックアップの主な部品は、その光ピックアップの基台１と、それに搭載される光源としての発光ダイオード２と、それを前記基台１に取り付けるための取り付けプレート３と、前記発光ダイオード２に給電するためのプリント基板４である。５はプリント基板４を基台１に取り付けるためのねじ、６、７が前記発光ダイオード２の取り付けプレート３を基台１に取り付けるためのねじである。なお、図中、４ａはプリント基板４に搭載されるチップである。

これらの他にも、この基台１に搭載されるものとして対物レンズとそのホルダおよびその対物レンズホルダをフォーカス方向とトラッキング方向に移動させるための電磁駆動回路等が搭載されたアクトベースや、コリメータレンズ、光源からの出射光の光路をそのコリメータレンズ側に変換するミラー等の重要部品もあるが、それらは、これから述べる本発明の本質には関わりのないものであるので、それらの図示と説明は省略する。

前記基台１は、図３に示したように、ラック１ａが形成された部分を有しているが、このラック１ａは光ピックアップが光ディスクに対する信号の読み取りや書き込みを行う際に、図示しないピニオンとの協働でディスクのラジアル方向に移動するためのものである。これも本発明の本質に該当する内容ではないので、これ以上の説明は省略する。

前記発光ダイオード２はそれを基台１に取り付ける前に、先ず、図３に示すように、基台１に取り付けるための取り付けプレート３にナット８やワッシャ９を介して取り付ける。

そして、その発光ダイオード２を取り付けた取り付けプレート３が二本のねじ６、７で基台１の底面側に取り付けられる。その取り付けプレート３が基台１に取り付けられる形態を基台１の底面側からみたものを図４に斜視図で示す。この図では、図３で示した発光ダイオード２等は省略し、基台１と取り付けプレート３のみを描いている。

この取り付けプレート３は符号３ａで示した部分の二つの切り穴６ａ、７ａを通して、その部分が面着する基台１側の面に形成されたねじ穴１６、１７にねじ留めする。この工程で二回のねじ留め作業が必要となる。

他方、前記発光ダイオード２に給電するためのプリント基板４は、その板面を前記基台１の背面１１に面着させ、その基板４に設けられた切り穴４ｂを通して、基台１の背面１１に形成されたねじ穴１４にねじ留めする。このプリント基板４はプリント基板４自体がねじしろ面の役目を果たしている。

また、プリント基板４には、その縁部から板面に対して垂直に突出する回り止め用の板４ｃが設けられており、その回り止め用の板４ｃと一本のねじ５とで基台１に固定できるようになっている。この工程のねじ留め作業は一回である。
特開２０００−２８５４７３号公報（第８図）

以上が、本発明者の下で従来採用していた光ピックアップの光源と、その光源に給電するためのプリント基板を基台に取り付けるための構成であるが、本発明は、先述したように、その従来の光ピックアップの基台周りの構成について、削減できる部品があるかどうか、さらには、それに伴う作業効率の改善が可能かどうかを検討し、トータルコストの削減を図ることを目的とする。

上記目的を達成するために本発明は、光源が取り付けられた取り付けプレートに設けられている板片状の部分が基台の底面側にねじ留めされ、前記光源に給電するためのプリント基板が基台の背面にねじ留めされていて、前記板片状の部分がねじ留めされている基台側の面とプリント基板がねじ留めされている基台側の面との間に段差が形成されている光ピックアップにおいて、
前記取り付けプレートが、前記板片状の部分と、前記プリント基板と前記基台の背面との間に介在された板でなる延設部と、を有しているのに対し、前記プリント基板が、その縁部から板面に対して垂直に突出する回り止め用の板を有し、
取り付けプレートの前記延設部が、前記回り止め用の板で回り止めされた前記プリント基板を基台の背面にねじ留めしている１本のねじで基台に対してとも締めされていると共に、取り付けプレートの前記板片状の部分が１本のねじで基台の底面側にねじ留めされている、という構成を採用した。

このようにしたので、前記光源の取り付けプレートは、従来、それを基台に固定していた（二つの）ねじの内のいずれかのねじに代えて、プリント基板に重なる形で取り付けプレートに増設した延設部で、プリント基板を固定するためのねじでとも締めすることができる。

以上、説明したように、本発明は上記のように構成したので、従来の構成に対し、ねじを一本削減できることができるので、そのねじを削減し、そのことにより、そのねじについての部品代が削減されるとともに、削減前のそのねじのねじ止め作業が不用となるので、作業の簡略化を図ることができ、さらなるコストダウンを図ることができる。

以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。従来例の項で述べたように、現行の発光ダイオードと給電用のプリント基板の基台への取り付けには三本のねじの三回のねじ締め作業が必要であったわけであるが、発明者はこの従来の組み立て構造におけるねじの削減を考えたのである。それが以下に述べる本発明の実施形態である。その実施形態の組み立ての形態を図１に斜視図で示す。なお、従来例と同一の要素については同一の符号を付して説明は省略する。

図１に示した構成で、前記従来のものと異なるのは、発光ダイオードの取り付けプレート３の形状である。すなわち、前記従来の取り付けプレート３の図中、符号３ｂを付して示した部分の縁部にその縁部から垂直に立ち上がるねじしろ用の板３ｃを延設したのである。そして、その板３ｃにねじを通すきり穴３ｄを設けたのである。

前記符号３ｂを付した部分は、前出の図４に示したように、この取り付けプレート３を基台１に仮止めした際、その縁部が、基台１の背面１１の下縁１１ａにぴったりと重なるようになっている。

他方、基台１のその背面１１は前記プリント基板４の基台１に対する取り付け面ともなっており、その面にはプリント基板４を固定するためのねじ穴１４が形成されている。プリント基板４を基台１に固定するには、プリント基板４の板面をその基台１の背面１１に密着させ、プリント基板４に設けられているねじ通し用の切り穴４ｂからねじ５を通してそのねじ穴１４に螺合させて固定する。

発明者は、基台１とプリント基板４および発光ダイオード２の取り付けプレート３とのこうした取り付け構造に着目し、発行ダイオード取り付けプレート３の符号３ｂで示した部分の縁部に前記した延設部３ｃを設けたのである。

そのようにしたので、従来と同じように発光ダイオードの取り付けプレート３を基台１に仮止めすると、その延設部３ｃは基台の背面１１にぴったりと面着する。従って、その上にプリント基板４を重ねることができる。

そして、その発光ダイオードの取り付けプレート３の延設部３ｃには、それに重ねたプリント基板４のねじ通しの穴４ｂと同軸にねじ通し用の切り穴３ｄを形成している。従って、両者４、３ｃをねじでとも締めして固定することができる。

なお、従来例の項で述べたように、プリント基板４自体は基台１に固定するための前記ねじ５とプリント基板４に設けられた回り止め用の板４ｃとで一本のねじ５で基台１に固定することができる。

他方、発光ダイオード２の取り付けプレート３は、そのプリント基板４とのとも締めに用いたねじ５と、あと一本のねじとで基台１に固定できるので、そのためのねじとして、従来は取り付けプレート３の符号３ａで示した部分の固定に両方とも使用していた二つのねじ６、７のいずれかを使用することができる。例えば、図１では符号６を付したねじを省略し、図２で示すように、符号７を付したねじを取り付けプレート３の符号３ａを付した部分の固定に使用している。このように、この二本のねじ６、７の内の一本を選んで、他の一本を省略することができる。

この発明は光源を搭載した取り付けプレートと、その光源に給電するためのプリント基板とがともに基台に取り付けるようになっている構造の光ピックアップに広く適用できる。

は、本実施形態の構成を説明するための要部分解斜視図である。 は、本実施形態のピックアップの基台に対する光源の取り付けプレートの装着形態を基台の底面側からみた斜視図である。 は、従来のピックアップの基台周りの組み立て構造の要部を示した分解斜視図である。 は、従来のピックアップの基台に対する光源の取り付けプレートの装着形態を基台の底面側から見た斜視図である。

１ 基台
２ 発光ダイオード
３ 取り付けプレート
４ プリント基板
５、６、７ ねじ
１１ 基台の背面

Claims (1)

1. 光源が取り付けられた取り付けプレートに設けられている板片状の部分が基台の底面側にねじ留めされ、前記光源に給電するためのプリント基板が基台の背面にねじ留めされていて、前記板片状の部分がねじ留めされている基台側の面とプリント基板がねじ留めされている基台側の面との間に段差が形成されている光ピックアップにおいて、
   前記取り付けプレートが、前記板片状の部分と、前記プリント基板と前記基台の背面との間に介在された板でなる延設部と、を有しているのに対し、前記プリント基板が、その縁部から板面に対して垂直に突出する回り止め用の板を有し、
   取り付けプレートの前記延設部が、前記回り止め用の板で回り止めされた前記プリント基板を基台の背面にねじ留めしている１本のねじで基台に対してとも締めされていると共に、取り付けプレートの前記板片状の部分が１本のねじで基台の底面側にねじ留めされていることを特徴とする光ピックアップ。

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