JP4355528B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は画像形成装置に関し、特に液滴吐出ヘッドを用いる画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平10−81012号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像形成装置として用いるインクジェット記録装置においては、液滴吐出ヘッドとしてインク滴を吐出するインクジェットヘッドを搭載する。このインクジェットヘッドとしては、インク流路内(圧力発生室)のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどが知られている。
【0004】
このようなインクジェットヘッドの駆動方法としては、振動板を圧力発生室側に押し込み、圧力発生室内の容積を小さくすることでインク滴を吐出させる押し打ち法で駆動するものと、振動板をインク室の外側方向の力で変形させインク室内の内容積を広げた状態から元の容積になるように振動板の変位を元に戻すことでインク滴を吐出させる引き打ち法で駆動するものとがある。
【0005】
また、階調印刷を行うために、【特許文献1】に開示されているように1印刷周期内に第1のインク滴を吐出する第1の駆動パルスと、第1のインク滴とは大きさの異なる第2のインク滴を吐出する第2の駆動パルスとを含んで構成され、第1、第2の駆動パルスを組み合わせることにより4階調以上を選択可能にしたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、【特許文献1】に開示されているように1印刷周期内で複数の駆動パルスを印加して液滴を吐出させる場合、滴吐出によりノズル面が汚れ、その汚れた状態で液滴を吐出させようとするので、噴射曲がりやノズルダウンなどの画質異常を引き起こし易いという課題がある。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、連続吐出でもノズル面を汚さず、噴射曲がりやノズルダウンなどを防止し、高品質画質が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、1印刷周期内に、液滴を吐出させるために時系列的に出力する複数の吐出駆動パルスと液滴を吐出させない程度にメニスカスに微振動を与える非吐出駆動パルスの波形要素との両方を、圧力発生室を膨張させる第1の信号と、第1の信号の後、圧力発生室の膨張状態を保持する第2の信号と、第2の信号の後、圧力発生室を収縮させる第3の信号とを含む駆動パルスとして発生し、液滴を吐出するノズルへ印加される吐出駆動パルスの液滴を吐出するタイミングの一部と、液滴を吐出しない非吐出ノズルへ印加される非吐出駆動パルスの印加タイミングが重複している構成とした。
【0009】
ここで、非吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させない第1の階調値と、複数の吐出駆動パルスの内の1つを選択して液滴を吐出させる第2の階調値と、この第2階調値で選択した吐出駆動パルス以外の吐出駆動パルス又はこの第2階調値で選択した吐出駆動パルスを含む2以上の吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させる第3の階調値と、この第3の階調値で選択した吐出駆動パルスを含む3以上の吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させる第4の階調値とを選択可能であることが好ましい。
【0010】
また、時系列的に出力される複数の吐出駆動パルスによる各液滴吐出タイミングの時間間隔が圧力発生室の固有振動周期Tcの整数倍であることが好ましい。
【0011】
さらに、時系列的に出力される複数の吐出駆動パルスにより吐出される液滴は、時間的に遅い吐出駆動パルスで吐出される液滴程滴速度が速いことが好ましい。
【0012】
また、複数の吐出駆動パルスのうちの少なくとも1つは圧力発生室を収縮させて液滴を吐出させ、圧力発生室の固有振動周期をTcとしたときTc/4〜3Tc/4時間経過後に圧力発生室を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制する信号を含むことが好ましい。
【0013】
あるいは、複数の吐出駆動パルスのうちの少なくとも1つは圧力発生室を収縮させて液滴を吐出させ、圧力発生室の固有振動周期をTcとしたときにTc/4〜3Tc/4時間経過後に圧力発生室を収縮させ、Tc/2時間経過後に圧力発生室を膨張させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制する信号を含むことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機構部の側面説明図である。
【0015】
このインクジェット記録装置装置は、記録装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0016】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドからなるヘッド14をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側にはヘッド14に各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着している。
【0017】
インクカートリッジ15は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッド14へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。このインクカートリッジ15からインクをヘッド14内に供給する。
【0018】
ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド12に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
【0019】
また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、ヘッド14としては、後述するように、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動板と、この振動板を圧電素子で変形させるピエゾ型インクジェットヘッドを用いている。
【0020】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3をヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0021】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設している。
【0022】
記録時には、キャリッジ13を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を排紙する。
【0023】
また、キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド14の吐出不良を回復するための回復装置37を配置している。回復装置37は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装置37側に移動されてキャッピング手段でヘッド14をキャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0024】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド14の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0025】
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃至図5を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの要部平面説明図である。
【0026】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路板41と、この流路板41の下面に接合した振動板42と、流路板41の上面に接合したノズル板43とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル45がノズル連通路45aを介して連通するインク流路である加圧室46、加圧室46にインクを供給するための共通液室48にインク供給口49を介して連通する流体抵抗部となるインク供給路47を形成している。
【0027】
そして、振動板42の外面側(液室と反対面側)に各加圧室46に対応して加圧室46内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子52を接合し、この圧電素子52をベース基板53に接合している。また、圧電素子52の間には加圧室46、46間の隔壁部41aに対応して支柱部54を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子52と支柱部54して形成している。支柱部54も構成は圧電素子51と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
【0028】
さらに、振動板42の外周部はフレーム部材44にギャップ材を含む接着剤50にて接合している。このフレーム部材44には、共通液室48となる凹部、この共通液室48に外部からインクを供給するための図示しないインク供給穴を形成している。このフレーム部材44は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
【0029】
ここで、流路板41は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路45a、加圧室46、インク供給路47となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
【0030】
振動板42は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部(ダイアフラム部)55及び圧電素子52と接合するための厚肉部(島状凸部)56を形成するとともに、支柱部54に対応する部分及びフレーム部材44との接合部にも厚肉部57を形成し、平坦面側を流路板41に接着剤接合し、島状凸部56を圧電素子52に接着剤接合し、更に厚肉部57を支柱部54及びフレーム部材44に接着剤50で接合している。なお、ここでは、振動板42を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部55の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
【0031】
ノズル板43は各加圧室46に対応して直径10〜35μmのノズル45を形成し、流路板41に接着剤接合している。このノズル板43としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル43の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル45の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
【0032】
また、ノズル板43のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
【0033】
圧電素子52は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層61と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層62とを交互に積層したものであり、内部電極62を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極63、共通電極64に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子52の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子52に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子52に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
【0034】
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極63となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子52で導通した共通電極64となる。
【0035】
そして、圧電素子52の個別電極63には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル65を接続し、このFPCケーブル65には各圧電素子52に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極64は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル65のグラウンド(GND)電極に接続している。
【0036】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子52に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子52に積層方向の変位が生起し、振動板42を介して加圧室46内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル45からインク滴が吐出される。
【0037】
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧室46内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧室46内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室48に流入し、共通液室47からインク供給口49を経て流体抵抗部47を通り、加圧室46内に充填される。
【0038】
なお、流体抵抗部47は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部47の流体抵抗値を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
【0039】
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同制御部の全体ブロック図、図7は本発明の第1実施形態に係る同制御部のヘッド駆動制御に係わる部分のブロック説明図である。
【0040】
この制御部は、プリンタコントローラ70と、主走査モータ17及び副走査モータ18を駆動するためのモータドライバ81と、記録ヘッド14(インクジェットヘッド)を駆動するためのヘッドドライバ(ヘッド駆動回路、ドライバICで構成)82等を備えている。
【0041】
プリンタコントローラ70は、ホストコンピュータ等からの印刷データ等をケーブル或いはネットを介して受信するインターフェース(以下「I/F」という)72と、CPU等からなる主制御部73と、各種データの記憶等を行うRAM74と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM75と、発振回路76と、インクジェットヘッド14への駆動波形を発生させる駆動波形発生手段としての駆動信号発生回路77と、ドットパターンデータ(ビットマップデータ)に展開された印字データ及び駆動波形等をヘッドドライバ82に送信するためのI/F78、モータ駆動データをモータドライバ81に送信するためのI/F79等とを備えている。
【0042】
RAM74は各種バッファ及びワークメモリ等として用いる。ROM75は主制御部73によって実行する各種制御ルーチンとフォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0043】
主制御部73は、I/F72に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータをRAM74の所定のエリアで構成した中間バッファに記憶し、読み出した中間コードデータをROM75に格納したフォントデータを用いてドットパターンデータに展開し、RAM74の異なる所定のエリアに再び記憶する。なお、ホスト側のプリンタドライバで印刷データをビットマップデータに展開してこの記録装置に転送する場合には、単にRAM74に受信したビットマップの印刷データを格納する。
【0044】
そして、主制御部73は、記録ヘッド14の1行分に相当するドットパターンデータが得られると、図7に示すように、この1行分のドットパターンデータを、発振回路76からのクロック信号CLKに同期して、I/F78を介してヘッドドライバ82にシリアルデータSDで送出し、また所定のタイミングでラッチ信号LTAをヘッドドライバ82に送出する。
【0045】
駆動信号発生回路77は、図7に示すように、駆動波形(駆動信号)Pvのパターンデータを格納したROM(ROM75で構成することもできる。)と、このROMから読み出される駆動波形のデータをD/A変換するD/A変換器を含む波形生成回路91と、アンプ92とで構成している。
【0046】
ヘッド駆動回路82は、主制御部73からのクロック信号CLK及び印字信号であるシリアルデータSDを入力するシフトレジスタ95と、シフトレジスタ95のレジスト値を主制御部73からのラッチ信号LATでラッチするラッチ回路96と、ラッチ回路96の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)97と、このレベルシフタ97でオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)98とからなる。
【0047】
このスイッチ回路98には、駆動信号発生回路77からの駆動波形Pvを入力するスイッチAS1〜ASnのアレイからなり、各スイッチAS1〜ASnは記録ヘッド(インクジェットヘッド)14の各ノズルに対応する圧電素子52にそれぞれ接続されている。
【0048】
そして、シフトレジスタ95にシリアル転送された印字データSDは、一旦、ラッチ回路96によってラッチされる。ラッチされた印字データはレベルシフタ97によってスイッチ回路98のスイッチを駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の所定の電圧値まで昇圧されてスイッチ手段としてのスイッチ回路98に与えられる。
【0049】
このスイッチ回路98の入力側には駆動信号発生回路77からの駆動波形(駆動信号)Pvが印加されており、スイッチ回路98の出力側には圧力発生手段としての圧電素子52が接続されている。したがって、例えば、スイッチ回路98に加わる印字データが「1」である期間中は、駆動波形Pvから得られる駆動パルスが圧電素子52に印加され、この駆動パルスに応じて圧電素子52は伸縮を行う。一方、スイッチ回路98に加わる印字データが「0」の期間中は、圧電素子52への駆動パルスの供給が遮断される。
【0050】
なお、シフトレジスタ95及びラッチ回路96はロジック回路で組んであり、レベル変換回路97及びスイッチ回路98はアナログ回路で組んである。
【0051】
次に、このように構成したインクジェット記録装置において駆動信号発生回路77から発生する圧電素子52に印加する駆動波形(駆動信号)について図8以降をも参照して説明する。
【0052】
先ず、駆動信号の第1例を図8を参照説明する。この駆動信号は、1印刷周期内で、液滴を吐出させるために時系列的に出力する複数の吐出駆動パルスPD1、PD2、PD3、PD4と、液滴を吐出させない程度にメニスカスに微振動を与える非吐出駆動パルスPDA(後述する図9参照)の波形要素110a、110cとを含んでいる。
【0053】
ここで、吐出駆動パルスPD1、PD2、PD3、PD4は、圧力発生室46を膨張させる第1の信号(第1の波形要素)101a、102a、103a、104aと、この第1の信号の後圧力発生室46の膨張状態を保持する第2の信号(第2の波形要素)101b、102b、103b、104bと、この第2の信号の後圧力発生室46を収縮させる第3の信号(第3の波形要素)101c、102c、103c、104cとを含むパルス信号である。
【0054】
したがって、各吐出駆動パルスPD1、PD2、PD3及びPD4による液滴吐出は、いずれも圧力発生室46を膨張→液体充填→収縮・吐出という引き打ち方式で行われる。
【0055】
また、非吐出駆動パルスPDAは、図9に示すように、波形要素110a、110cを選択することで形成され、圧力発生室46を膨張させる第1の信号となる波形要素110aと、この第1の信号の後圧力発生室46の膨張状態を保持する第2の信号110bと、この第2の信号の後圧力発生室46を収縮させる第3の信号となる波形要素110cとを含むパルス信号である。この場合も、引き打ちと同じ動作(ただし、滴は吐出されない。)になる。
【0056】
そして、ここでは、図10に示すように吐出駆動パルスPD1を選択することで小滴を吐出させ、図11に示すように吐出駆動パルスPD2を選択することで中滴を吐出させ、図12に示すように吐出駆動パルスPD1、PD2、PD3及びPD4を選択することで大滴を吐出させるようにしている。なお、中滴を小滴の吐出駆動パルスPD1を含む駆動信号としてもよく、また大滴を3個の吐出駆動パルスPD1、PD2、PD3で構成しても良い。
【0057】
この場合、吐出駆動パルスPD1で吐出される滴の滴速度Vj1、吐出駆動パルスPD2で吐出される滴の滴速度Vj2、吐出駆動パルスPD3で吐出される滴の滴速度Vj3、吐出駆動パルスPD4で吐出される滴の滴速度Vj4は、時系列的に遅い吐出駆動パルスで吐出される滴の滴速度ほど速くなるように、すなわち、Vj1<Vj2<Vj3<Vj4になるように、各駆動パルスのパラメータを設定している。
【0058】
これにより、すべての滴を被記録媒体(用紙)に着弾する前にマージさせて大きい滴を形成することができる。
【0059】
このように、すべてのパルス(大、中、小滴、非吐出駆動パルス)を引き打ちにすることによって、連続印字した際にノズル面の汚れを軽減することができ、そのノズル面の汚れによって引き起こされる噴射曲がりやノズルダウンの問題を改善することができる。また、あるノズルで印字を行うとき、他の印字しないノズルには非吐出駆動パルスが印加されるが、その際印字するノズルが印字しないノズルからの干渉を受けるため、引き打ち印字するときには引き打ちの非吐出駆動パルスを印加することで、ノズル面を汚しにくく、正常噴射させることができる。
【0060】
また、階調記録をするときには、上述したように、非吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させない第1の階調値と、複数の吐出駆動パルスの内の1つである吐出駆動パルスPD1を選択して液滴を吐出させる第2の階調値と、この第2階調値で選択した吐出駆動パルスPD1以外の吐出駆動パルスPD2(又はこの第2階調値で選択した吐出駆動パルスPD1を含む2以上の吐出駆動パルスでも良い。)を選択して液滴を吐出させる第3の階調値と、この第3の階調値で選択した吐出駆動パルスPD2を含む3以上の吐出駆動パルスPD1ないしPD4を選択して液滴を吐出させる第4の階調値とを選択することができる。
【0061】
このように、ここでは、第4の階調値ではすべての滴を利用するので無駄なく大きな滴体積Mjを得ることができる。
【0062】
また、図12に示すように、吐出駆動パルスPD1による滴吐出タイミングから吐出駆動パルスPD2による滴吐出タイミングまでの時間間隔Ta1、吐出駆動パルスPD2による滴吐出タイミングから吐出駆動パルスPD3による滴吐出タイミングまでの時間間隔Ta2、吐出駆動パルスPD3による滴吐出タイミングから吐出駆動パルスPD4による滴吐出タイミングまでの時間間隔Ta3は、いずれも圧力発生室46の固有振動周期Tcの整数倍としている。この例では、時間間隔Ta1=3Tc、Ta2=4Tc、Ta3=3Tcとしている。
【0063】
このように、吐出するタイミングの間隔を圧力発生室の固有振動周期の整数倍にすることによって、この画像形成装置のように複数滴を紙に着弾させる前にマージさせて大きい滴を形成させる場合において、周期に合わせて吐出させることができて安定した吐出を行うことができる。
【0064】
次に、吐出駆動パルスPD1の詳細について図13を参照して説明する。
この吐出駆動パルスPD1は、基準電位Vrefから電位Vcまで立下り圧力発生室46を膨張させてメニスカスを引き込む第1の信号101aと、電位Vcを維持することで膨張した圧力発生室46の膨張状態を保持する第2の信号101bと、電位Vcから電位Vdまで立ち上がり圧力発生室46を収縮させて液滴を吐出させる第3の信号101cを有するとともに、更に、電位Vdを維持することで第3の信号101cの印加で収縮した圧力発生室46の収縮状態を保持する第4の信号101dと、第4の信号101dによる保持状態の後基準電位Vrefまで立ち上がり圧力発生室46を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制するための第5の信号101eとを含んでいる。
【0065】
ここで、第4の信号101dの印加時間Tbは圧力発生室46の固有振動周期をTcとしたとき、Tc/4〜3Tc/4の範囲内に設定している。すなわち、液滴吐出後、Tc/4〜3Tc/4後に圧力発生室46を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制させる第5の信号101eを印加するようにしている。
【0066】
図14(a)は第5の信号101eを印加することで制振させた場合のメニスカスの残留振動を示した図であり、同図(b)は第4の信号101d、第5の信号101eを印加しないで制振させない場合のメニスカスの残留振動を示した図である。これより、明らかに同図(a)の方がメニスカスの残留振動が抑制されているのが分かる。
【0067】
このように、複数の吐出駆動パルスのうちの少なくとも1つは圧力発生室を収縮させて液滴を吐出させ、圧力発生室の固有振動周期をTcとしたときTc/4〜3Tc/4時間経過後に圧力発生室を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制する信号を含むことで、メニスカスの残留振動を早く抑制することができる。
【0068】
次に、吐出駆動パルスPD3の詳細について図15を参照して説明する。
この吐出駆動パルスPD3は、基準電位Vrefから電位Vfまで立下り圧力発生室46を膨張させてメニスカスを引き込む第1の信号103aと、電位Vfを維持することで膨張した圧力発生室46の膨張状態を保持する第2の信号103bと、電位Vfから電位Vgまで立ち上がり圧力発生室46を収縮させて液滴を吐出させる第3の信号103cを有するとともに、更に、電位Vgを維持することで第3の信号103cの印加で収縮した圧力発生室46の収縮状態を保持する第4の信号103dと、第4の信号103dによる保持状態の後電位Vhまで立ち上がり圧力発生室46を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制するための第5の信号103eと、第5の信号103eによる圧力発生室46の収縮状態を保持する第6の信号103fと、第6の信号103fの後圧力発生室46を膨張させる第7の信号103gとを含んでいる。
【0069】
ここで、第4の信号103dの印加時間Tbは圧力発生室46の固有振動周期をTcとしたとき、Tc/4〜3Tc/4の範囲内に設定している。すなわち、液滴吐出後、Tc/4〜3Tc/4後に圧力発生室46を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制させる第5の信号103eを印加するようにしている。
【0070】
また、第5の信号103e及び第6の信号103fの印加時間Tdは、圧力発生室46の固有振動周期をTcとしたとき、Tc/2に設定している。すなわち、液滴吐出後、Tc/4〜3Tc/4後に圧力発生室46を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制させる第5の信号103eを印加し、更に、Tc/2後に圧力発生室46を膨張させる第7の信号103gを印加するようにしている。
【0071】
図16(a)は第5の信号103e及び第7の信号103gを印加することで制振させた場合のメニスカスの残留振動を示した図であり、同図(b)は第5の信号103e、第7の信号103gを印加しないで制振させない場合のメニスカスの残留振動を示した図である。これより、明らかに同図(a)の方がメニスカスの残留振動が抑制されているのが分かる。
【0072】
このように、複数の吐出駆動パルスのうちの少なくとも1つは圧力発生室を収縮させて液滴を吐出させ、圧力発生室の固有振動周期をTcとしたときTc/4〜3Tc/4時間経過後に圧力発生室を収縮させ、かつTc/2後に圧力発生室を膨張させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制する信号を含むことで、メニスカスの残留振動を早く抑制することができる。
【0073】
なお、上記実施形態においては、圧電素子はd33方向変位のPZTを前提にしたが、たわみ振動型のPZTでもよい。しかし、d33方向変位のPZTを用いた方が、素子の信頼性が高い。また、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置はインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドを搭載したものであるが、本発明は、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液滴吐出ヘッドなどを搭載する画像形成装置にも適用することできる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置によれば、1印刷周期内に、液滴を吐出させるために時系列的に出力する複数の吐出駆動パルスと液滴を吐出させない程度にメニスカスに微振動を与える非吐出駆動パルスの波形要素との両方を、圧力発生室を膨張させる第1の信号と、第1の信号の後、圧力発生室の膨張状態を保持する第2の信号と、第2の信号の後、圧力発生室を収縮させる第3の信号とを含む駆動パルスとして発生し、液滴を吐出するノズルへ印加される吐出駆動パルスの液滴を吐出するタイミングの一部と、液滴を吐出しない非吐出ノズルへ印加される非吐出駆動パルスの印加タイミングが重複している構成としたので、連続印字後でもノズル面を汚すことは少なく、そのノズル面の汚れによって起こる噴射曲がりやノズルダウンの問題を改善することができ、画像品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の機構部の一例を示す斜視説明図
【図2】同記録装置の機構部の側断面説明図
【図3】同記録装置の記録ヘッドを構成するインクジェットヘッドの一例を説明するヘッドの液室長辺方向に沿う断面説明図
【図4】同ヘッドの液室短辺方向に沿う断面説明図
【図5】同ヘッドの要部平面説明図
【図6】同記録装置の制御部の概要を説明するブロック図
【図7】同制御部のヘッド駆動制御に係わる部分のブロック図
【図8】同画像形成装置における駆動信号を説明する説明図
【図9】非吐出駆動パルスを説明する説明図
【図10】小滴を吐出するための駆動信号を説明する説明図
【図11】中滴を吐出するための駆動信号を説明する説明図
【図12】大滴を吐出するための駆動信号を説明する説明図
【図13】吐出駆動パルスPD1の詳細を説明する説明図
【図14】同吐出駆動パルスPD1の作用説明に供する説明図
【図15】吐出駆動パルスPD3の詳細を説明する説明図
【図16】同吐出駆動パルスPD3の作用説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、41…流路板、42…振動板、43…ノズル板、45…ノズル、46…圧力発生室、47…流体抵抗部、48…共通液室、52…圧電素子、77…駆動信号発生回路。

Claims (6)

  1. ノズルが連通する圧力発生室と、この圧力発生室の容積を収縮、膨張させる圧力発生手段とを有する液滴吐出ヘッドと、1印刷周期内に複数の駆動パルスを発生する駆動信号発生手段とを備え、1印刷周期内で前記液滴吐出ヘッドから複数滴を連続して吐出させることが可能な画像形成装置において、
    前記駆動信号発生手段は、1印刷周期内に、液滴を吐出させるために時系列的に出力する複数の吐出駆動パルスと液滴を吐出させない程度にメニスカスに微振動を与える非吐出駆動パルスの波形要素との両方を、前記圧力発生室を膨張させる第1の信号と、第1の信号の後、前記圧力発生室の膨張状態を保持する第2の信号と、第2の信号の後、前記圧力発生室を収縮させる第3の信号とを含む駆動パルスとして発生し、
    液滴を吐出するノズルへ印加される前記吐出駆動パルスの液滴を吐出するタイミングの一部と、液滴を吐出しない非吐出ノズルへ印加される前記非吐出駆動パルスの印加タイミングが重複している
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、前記非吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させない第1の階調値と、前記複数の吐出駆動パルスの内の1つを選択して液滴を吐出させる第2の階調値と、この第2階調値で選択した吐出駆動パルス以外の吐出駆動パルス又はこの第2階調値で選択した吐出駆動パルスを含む2以上の吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させる第3の階調値と、この第3の階調値で選択した吐出駆動パルスを含む3以上の吐出駆動パルスを選択して液滴を吐出させる第4の階調値とを選択可能であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記時系列的に出力される複数の吐出駆動パルスによる各液滴吐出タイミングの時間間隔が前記圧力発生室の固有振動周期Tcの整数倍であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記時系列的に出力される複数の吐出駆動パルスにより吐出される液滴は、時間的に遅い吐出駆動パルスで吐出される液滴程滴速度が速いことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記複数の吐出駆動パルスのうちの少なくとも1つは前記圧力発生室を収縮させて液滴を吐出させ、前記圧力発生室の固有振動周期をTcとしたときTc/4〜3Tc/4時間経過後に前記圧力発生室を収縮させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制する信号を含むことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記複数の吐出駆動パルスのうちの少なくとも1つは前記圧力発生室を収縮させて液滴を吐出させ、前記圧力発生室の固有振動周期をTcとしたときにTc/4〜3Tc/4時間経過後に前記圧力発生室を収縮させ、Tc/2時間経過後に前記圧力発生室を膨張させて液滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑制する信号を含むことを特徴とする画像形成装置。
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