JP2002036537A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2002036537A
JP2002036537A JP2000223232A JP2000223232A JP2002036537A JP 2002036537 A JP2002036537 A JP 2002036537A JP 2000223232 A JP2000223232 A JP 2000223232A JP 2000223232 A JP2000223232 A JP 2000223232A JP 2002036537 A JP2002036537 A JP 2002036537A
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head
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Taeko Murai
妙子 村井
Mitsuru Shingyouchi
充 新行内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メニスカス振動の制御性が悪い。 【解決手段】 振動板50と電極55とを非平行状態で
配置したインクジェットヘッド40と、駆動時にインク
滴を吐出させないノズルに対してはメニスカスを振動さ
せる変位を振動板50に与える非吐出パルスBpを印加
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録装置
に関し、特に静電型インクジェットヘッドを搭載したイ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プ
ロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いる
インクジェット記録装置として、インク滴を吐出するノ
ズルと、このノズルが連通するインク流路(吐出室、圧
力室、加圧液室、液室等とも称される。)と、このイン
ク流路の壁面をなす振動板と、この振動板に対向する電
極とを有し、振動板を静電力で変形変位させてノズルか
らインク滴を吐出させる静電型インクジェットヘッドを
搭載したものが知られている。
【0003】ところで、このようなインクジェットヘッ
ドは、ノズルからインク滴を吐出するため、インク粘度
が環境によって変化すると、安定したインク滴吐出特性
(滴速度Vj、滴体積Mj、滴噴射方向の曲がり)が得
られなくなり、画像品質が劣化する。また、環境変化だ
けでなく、非印字時にインク粘度が高くなると、ノズル
の目詰まりが生じて、著しく画像が劣化する。特に、画
質を向上するために、吐出インク滴を微小化しなければ
ならないことから、ノズルの小径化が進んでおり、一層
ノズルの目詰まりが生じ易くなっている。さらに、ノズ
ルの目詰まりを起こさないまでも、非印字時間の長さに
よって、次に印字信号が入力された際のインク滴吐出特
性に差が生じて画質が低下する。
【0004】そこで、例えば再公表特許WO97/32
728号公報に記載されているように、単一周期の基準
信号に同期して、インク滴吐出が可能な振幅の第1の電
気パルスと、この第1の電気パルスの振幅より小さく、
ノズル内のインクをノズル内で流動させる第2の電圧パ
ルスのいずれか一方を、ノズルの目詰まり防止の回復処
理動作時と印刷行程中に各圧力発生手段に印加するイン
クジェット記録装置が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1の電気パルスと第2の電気パルスを同じタイミン
グで選択的に各圧力発生手段に印加するインクジェット
記録装置のように、電気パルスの振幅によって滴吐出と
滴非吐出とをコントロールすることは、環境温度の変化
や静電型インクジェットヘッドにおける振動板の変形動
作特性との関係などから、実際には非常に困難であっ
て、インク粘度の上昇やノズルの目詰まりを確実に低減
することができないという課題がある。
【0006】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、インク粘度の上昇やノズルの目詰まりを確実に
低減するインクジェット記録装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明に係るインクジェット記録装置は、インク滴
を吐出するノズルと、このノズルが連通するインク流路
と、この流路の壁面を形成する振動板と、この振動板に
対向する電極とを有し、振動板と電極とを非平行状態で
配置してなり、振動板を静電力で変形させるインクジェ
ットヘッドを搭載するとともに、このインクジェットヘ
ッドの駆動時にインク滴を吐出させないノズルのメニス
カスを振動させる駆動波形を1回以上与える手段を備え
たものである。
【0008】本発明に係るインクジェット記録装置は、
インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通するイ
ンク流路と、この流路の壁面を形成する振動板と、この
振動板に対向する電極とを有し、振動板と電極とを非平
行状態で配置してなり、振動板を静電力で変形させてノ
ズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを
搭載するとともに、このインクジェットヘッドが非印字
領域にあるときにノズルのメニスカスを振動させる駆動
波形を1回以上与え手段を備えたものである。
【0009】ここで、ノズルのメニスカスを振動させる
駆動波形はインク滴を吐出させる駆動波形よりもパルス
の振幅が小さいことが好ましい。また、メニスカスを振
動させる駆動波形はインク滴が吐出する駆動波形よりも
パルスの立ち下がり時間が長いことが好ましい。
【0010】また、インクジェットヘッドは振動板に対
して電極を傾斜させて配置していることが好ましい。さ
らに、インクジェットヘッドは振動板に対して電極側面
が傾斜している部分と平行な部分とを有していることが
好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機
構部の側面説明図である。
【0012】このインクジェット記録装置は、記録装置
本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キ
ャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録
ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカート
リッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、装置本
体1の下方部には前方側から多数枚の用紙3を積載可能
な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)4を抜
き差し自在に装着することができ、また、用紙3を手差
しで給紙するための手差しトレイ5を開倒することがで
き、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送され
る用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像
を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙
する。
【0013】印字機構部2は、図示しない左右の側板に
横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイ
ドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で
紙面垂直方向)に摺動自在に保持し、このキャリッジ1
3にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する
インクジェットヘッドからなる記録ヘッド14をインク
滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上
側には記録ヘッド14に各色のインクを供給するための
各インクタンク(インクカートリッジ)15を交換可能
に装着している。
【0014】ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬
送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装
し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド1
2に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ
13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ1
7で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19と
の間にタイミングベルト20を張装し、このタイミング
ベルト20をキャリッジ13に固定している。
【0015】また、記録ヘッドとしてここでは各色の記
録ヘッド14を用いているが、各色のインク滴を吐出す
るノズルを有する1個のヘッドでもよい。さらに、記録
ヘッド14として用いるインクジェットヘッドは、イン
ク流路壁面を形成する振動板とこれに対向する電極との
間の静電力で振動板を変位させてインクを加圧する静電
型のものを用いている。
【0016】一方、給紙カセット4にセットした用紙3
を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセ
ット4から用紙3を分離給送する給紙ローラ21及びフ
リクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材
23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ロ
ーラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられ
る搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り
出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送
ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して
回転駆動される。
【0017】そして、キャリッジ13の主走査方向の移
動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙
3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材
である印写受け部材29を設けている。この印写受け部
材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ
送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32
を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ロ
ーラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部
材35,36とを配設している。
【0018】また、キャリッジ13の移動方向右端側に
は記録ヘッド14の信頼性を維持、回復するための信頼
性維持回復機構(以下「サブシステム」という。)37
を配置している。キャリッジ13は印字待機中にはこの
サブシステム37側に移動されてキャッピング手段など
で記録ヘッド14をキャッピングされる。キャリッジ1
3がこのサブシステム37側に位置するときがインクジ
ェットヘッド(記録ヘッド14)が非印字領域に位置す
るときである。
【0019】次に、このインクジェット記録装置の記録
ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて図
3乃至5を参照して説明する。なお、図3は記録ヘッド
14の分解斜視説明図、図4は同記録ヘッド14のノズ
ル配列方向と直交する方向の断面説明図、図5は同記録
ヘッド14のノズル配列方向の要部拡大断面図である。
【0020】インクジェットヘッド40は、単結晶シリ
コン基板、SOI基板などのシリコン基板等を用いた流
路基板41と、この流路基板41の下側に設けたシリコ
ン基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、セラミ
ックス基板等を用いた電極基板42と、流路基板41の
上側に設けたノズル板43とを備え、複数のインク滴を
吐出するノズル44、各ノズル44が連通するインク流
路である液室46、各液室46にインク供給路を兼ねた
流体抵抗部47を介して連通する共通液室流路48など
を形成している。
【0021】流路基板41には液室46及びこの液室4
6の壁面である底部をなす振動板50(第1の電極とな
る。)を形成する凹部を形成し、ノズル板43には流体
抵抗部47を形成する溝を形成し、また流路基板41と
電極基板42には共通液室流路48を形成する貫通部を
形成している。
【0022】ここで、流路基板41は、シリコン基板を
熱酸化膜を介して接合したSOI基板を用いて、液室4
6等となる凹部をKOH水溶液などのエッチング液を用
いて異方性エッチングすることにより、熱酸化膜をエッ
チングストップ層としてエッチングストップさせること
で、シリコンからなる高精度の振動板50を形成してい
る。なお、SOI基板の熱酸化膜はエッチングストップ
後除去することもできるし、そのまま残存させておくこ
ともできる。
【0023】また、この流路基板41としては、例えば
単結晶シリコン基板を用いた場合、予め振動板厚さにボ
ロンを注入してエッチングストップ層となる高濃度ボロ
ン層を形成し、電極基板42と接合した後、液室46と
なる凹部をKOH水溶液などのエッチング液を用いて異
方性エッチングすることにより、高濃度ボロン層をエッ
チングストップ層として高精度の振動板50を形成する
こともできる。
【0024】電極基板42には、シリコン基板に熱酸化
膜42aを形成したものを用いて、この熱酸化膜42a
の部分に凹部54に形成して、この凹部54底面に振動
板50に対向する電極15(第2の電極となる。)を設
け、振動板50と電極55との間にギャップ56を形成
し、これらの振動板50と電極55とによってアクチュ
エータ部を構成している。なお、電極55表面にはSi
2膜などの酸化膜系絶縁膜、Si34膜などの窒化膜
系絶縁膜からなる電極保護膜57を成膜しているが、電
極55表面に電極保護膜57を形成しないで、振動板5
0側に絶縁膜を形成することもできる。
【0025】ここで、電極基板42の凹部54は底面が
傾斜面54aを有する形状に形成して、この凹部54底
面に電極55を形成することによって、振動板50と電
極55とを非平行状態で配置している。この電極55と
しては、通常半導体素子の形成プロセスで一般的に用い
られるAl、Cr、Ni等の金属材料や、Ti、Ti
N、W等の高融点金属、または不純物により低抵抗化し
た多結晶シリコン材料などを用いることができる。
【0026】具体的には、例えば電極基板42となる結
晶面方位(100)のシリコン基板に厚さ2μm程度の
熱酸化膜42aを形成して、この熱酸化膜42a上にフ
ォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をフォ
トリソグラフィーにより傾斜面を有する形状として、こ
のフォトレジスト層をマスクとして熱酸化膜42aを等
方性または異方性エッチングを行うことにより、フォト
レジスト層の形状が熱酸化膜42aに転写されて、熱酸
化膜42aに底面に傾斜面54aを有する凹部54が形
成される。
【0027】そして、凹部54の底面である傾斜面54
aを含めては電極55となるTiN膜をスパッタリング
法により0.15μmの厚さで成膜し、このTiN膜を
ドライエッチングにより電極55の形状にパターンニン
グして電極55を形成する。その後、電極55表面を含
めて全面に保護膜57となるSiO2膜をP−CVD法
で0.15μm厚さで成膜し、このSiO2膜をドライ
エッチングによりパターンニングして電極55表面を覆
う保護膜57を形成している。
【0028】また、このヘッドでは、振動板50は、短
手方向の長さ(液室46では振動板短手方向の隔壁間距
離)を130μm、長手方向の長さ(液室46では振動
板長手方向の隔壁間距離)を1.5mmとし、振動板5
0と電極55との間で振動板中央の最大変位が得られる
ギャップ長を0.25μmとしている。
【0029】上述した流路基板41と電極基板42は9
00℃の条件で直接接合されている。この場合、具体的
には流路基板41となるSOI基板と電極基板42とを
接合した後、SOI基板の結晶面方位(110)のSi
基板をウェットエッチングにしてエッチングして、前述
したように熱酸化膜をエッチングストップ層としてエッ
チングストップして、液室46等となる凹部を形成する
と同時に板厚3μmの振動板50を形成している。
【0030】ノズル板43は多数のノズル44を二列配
置して形成したものであり、吐出面には撥水処理を施し
ている。ここでは、このノズル板43はNi電鋳工法で
製作しているが、この他、例えば樹脂と金属層の複層構
造のものなども用いることができる。このノズル板43
は流路基板41に接着剤にて接合している。
【0031】このインクジェットヘッド40ではノズル
44を二列配置し、この各ノズル44に対応して液室4
6、振動板50、電極55なども二列配置し、各ノズル
列の中央部に共通液室流路48を配置して、左右の液室
46にインクを供給する構成を採用している。これによ
り、簡単なヘッド構成で多数のノズル44を有するマル
チノズルヘッドを構成することができる。
【0032】そして、インクジェットヘッド40の電極
55は外部に延設して接続部(電極パッド部)55aと
し、これにヘッド駆動回路であるドライバIC60を搭
載したFPCケーブル61を異方性導電膜などを介して
接続している。このとき、電極基板42とノズル板43
との間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用
いたギャップ封止剤62にて気密封止している。
【0033】さらに、インクジェットヘッド40全体を
フレーム部材65上に接着剤で接合している。このフレ
ーム部材65にはインクジェットヘッド40の共通液室
流路48に外部からインクを供給するためのインク供給
穴66を形成しており、またFPCケーブル61等はフ
レーム部材65に形成した穴部67に収納される。
【0034】このフレーム部材65とノズル板43との
間は図4に示すようにエポキシ樹脂等の接着剤を用いた
ギャップ封止剤68にて封止し、撥水性を有するノズル
板43表面のインクが電極基板42やFPCケーブル6
1等に回り込むことを防止している。
【0035】そして、この記録ヘッド14のフレーム部
材65にはインクカートリッジ15とのジョイント部材
70が連結されて、フィルタ71を介してインクカート
リッジ15からインク供給穴66を通じて共通液室流路
48にインクが供給される。
【0036】このインクジェットヘッド40において
は、振動板50を共通電極(第1の電極)とし、電極5
5を個別電極(第2の電極)として、振動板50と電極
55との間に駆動電圧(駆動波形)を印加することによ
って、振動板50と電極55との間に発生する静電力に
よって振動板50が電極55側に変形変位し、この状態
から振動板50と電極55間の電荷を放電させることに
よって振動板50が復帰変形して、液室46の内容積
(体積)/圧力が変化することによって、ノズル44か
らインク滴が吐出される。
【0037】すなわち、個別電極とする電極55にパル
ス電圧を印加すると、共通電極となる振動板50との間
に電位差が生じて、個別電極55と振動板50の間に静
電力が生じる。この結果、振動板50は印加した電圧の
大きさに応じて変位する。その後、印加したパルス電圧
を立ち下げることで、振動板50の変位が復元して、そ
の復元力により液室46内の圧力が高くなり、ノズル4
4からインク滴が吐出される。
【0038】次に、このインクジェット記録装置の制御
部の概要について図6を参照して説明する。この制御部
は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュー
タ(以下、「CPU」と称する。)80と、所要の固定
情報を格納したROM81と、ワーキングメモリ等とし
て使用するRAM82と、ホスト側から転送される画像
データを処理したデータを格納する画像メモリ83と、
パラレル入出力(PIO)ポート84と、入力バッファ
85と、パラレル入出力(PIO)ポート86と、波形
生成回路87と、ヘッド駆動回路88及びドライバ89
等を備えている。
【0039】ここで、PIOポート84にはホスト側か
ら画像データなどの各種情報、図示しない操作パネルか
らの信頼性回復指示情報等の各種指示情報、用紙の始
端、終端を検知する紙有無センサからの検知信号、キャ
リッジ13のホームポジション(基準位置)を検知する
ホームポジションセンサ等の各種センサからの信号等が
入力され、またこのPIOポート84を介してホスト側
や操作パネル側に対して所要の情報が送出される。
【0040】また、波形生成回路87は、インクジェッ
トヘッド40の振動板50と電極55との間にインク滴
を吐出させる第1駆動波形と、インク滴を吐出させない
でメニスカスを振動させるだけの第1駆動波形とを出力
する。この波形生成回路87からの出力を駆動波形(駆
動電圧)Pvとする。この波形生成回路87にはD/A
変換器を用いて主制御部91から与えられる電圧データ
をD/A変換することにより電圧値が変化する駆動波形
(駆動パルス)を生成出力するようにしている。
【0041】ヘッド駆動回路88は、PIOポート86
を介して与えられる各種データ及び信号に基づいて、記
録ヘッド14の各ノズル44に対応するエネルギー発生
手段(振動板50と電極55)に対して第1駆動波形又
は第2駆動波形を印加する。さらに、ドライバ89は、
PIOポート86を介して与えられる駆動データに応じ
て主走査モータ17及び副走査モータ27を各々駆動制
御することで、キャリッジ13を主走査方向に移動走査
し、搬送ローラ24を回転させて用紙3を所定量搬送さ
せる。
【0042】次に、この制御部におけるヘッド駆動制御
手段に係わる部分について図7を参照して説明する。こ
のヘッド駆動制御部は、前述したCPU80、ROM8
1、RAM82及び周辺回路等を含む主制御部91と、
波形生成回路87と、アンプ92と、駆動回路(ドライ
バIC)93等とを備えている。
【0043】主制御部91は、波形生成回路87に対し
て第1駆動波形と第2駆動波形を生成するためのデータ
を与え、ドライバIC93に対して印字信号(シリアル
データである)SD、シフトクロックCLK、ラッチ信
号LATなどを与える。
【0044】波形生成回路87は、前述したようにイン
クジェットヘッド40のアクチュエータ部に対してノズ
ル44からインク滴を吐出させるエネルギーを発生させ
る第1駆動波形と、インク滴を吐出しないでノズル44
のメニスカス面を振動させる第2駆動波形とを時系列で
発生する。具体的には、波形生成回路87は、図7
(a)に示すように電圧値V1の第1駆動波形である吐
出パルスDpと電圧値V2(V2は例えばV1の5%程
度の電圧値)の第2駆動波形である非吐出パルスBpを
含む駆動波形Pvを生成出力し、これがドライバIC9
3のアナログスイッチAS1〜ASmに与えられてい
る。
【0045】ドライバIC93は、時系列で入力される
駆動波形Pvから吐出パルスDp又は非吐出パルスBp
を印字信号に応じて選択して、記録ヘッド14を構成す
るインクジェットヘッド40の各個別電極55に与え
る。このドライバIC93は、主制御部91からのシリ
アルクロックCLK及び印字信号であるシリアルデータ
SDを入力するシフトレジスタ95と、シフトレジスタ
95のレジスト値を主制御部91からのラッチ信号LA
Tでラッチするラッチ回路96と、ラッチ回路96の出
力値をレベル変化するレベル変換回路97と、このレベ
ル変換回路97でオン/オフが制御されるアナログスイ
ッチアレイ98とからなる。アナログスイッチアレイ9
8は、インクジェットヘッド40のm個(ノズル数をm
個とする。)の個別電極55に接続したアナログスイッ
チAS1〜ASmからなる。なお、インクジェットヘッ
ド40の共通電極となる振動板50は接地している。
【0046】 そして、このシフトレジスタ回路95に
シフトクロックCLKに応じて印字信号(シリアルデー
タ)SDを取込み、ラッチ回路96でラッチ信号LAT
によってシフトレジスタ回路95に取り込んだ印字信号
SDをラッチしてレベル変換回路98に入力する。この
レベル変換回路98は、データの内容に応じて各アクチ
ュエータ部の個別電極55に接続しているアナログスイ
ッチASm(m=1〜m)をオン/オフする。
【0047】このアナログスイッチASm(m=1〜
m)には波形生成回路87からアンプ(AMP)92を
介して駆動波形Pvを与えているので、アナログスイッ
チASm(m=1〜m)がオンしたときに駆動波形Pv
(吐出パルスDp又は非吐出パルスBp)が個別電極5
5に与えられる。
【0048】次に、このように構成したインクジェット
記録装置の作用について図8以降をも参照して説明す
る。先ず、上述したように、波形生成回路87からは図
8(a)に示すように1駆動周期内で電圧値V1の吐出
パルスDp及び電圧値V2の非吐出パルスBpとが時系
列で生成出力され、これがドライバIC93のアナログ
スイッチAS1〜ASmに与えられている。
【0049】そこで、駆動時に主制御部91から印字信
号SDを与えることによって、例えば同図(b)に示す
ように、インク滴を吐出するビット(チャンネル)に対
応するドライバIC93のアナログスイッチASn(n
=1〜mのいずれか)がオンし、アナログスイッチAS
nがオンしている間に入力される吐出パルスDp又は非
吐出パルスBpが同図(c)に示すようにインクジェッ
トヘッド40の個別電極55に与えられる。
【0050】この図6(c)は駆動時における1つのノ
ズル44に対応する個別電極55に印加されるパルスを
示しているものであり、このノズル44は、図示してい
る最初の駆動周期では印字(駆動)であるので、吐出パ
ルスDpが与えられてインク滴が吐出し、次の駆動周期
では印字しないのでアナログスイッチASnをオフにし
て非吐出パルスBpを与えてメニスカスを振動させる。
【0051】このように駆動時にインク滴を吐出させな
いノズルのメニスカスを振動させる手段を備えているの
で、例えば、インク吐出頻度が少ないノズルでも、イン
クの増粘による滴吐出特性の変化が低減し、安定したイ
ンク滴吐出特性を得られる。これにより、印字開始直後
のドットの乱れが解消され、ドット位置精度の高い良好
な印字画像が得られる。
【0052】そして、このインクジェット記録装置にお
いては、インクジェットヘッドとして振動板と電極とを
非平行状態で配置したヘッドを用いているので、上述し
たように電圧値の低い駆動波形を印加してメニスカスを
振動させる場合の制御性が向上する。
【0053】すなわち、静電型インクジェットヘッドに
おいて、駆動波形の印加により静電力で変形する振動板
50は、振動板50と電極55間のギャップ長の1/3
の位置に達すると、振動板50に働く機械的な力と静電
力とのバランスにより、急激に電極55に当接するとい
う動作特性(変位特性)を有している。また、振動板5
0と電極55との間に作用する静電引力P(N/m2
は、誘電率をε(F/m)、電圧をV(V)、振動板と
電極との距離(ギャップ長=電極間距離)をt(m)と
したとき、P=(1/2)・ε・(V/t)2で表さ
れ、振動板と電極との間のギャップ長が短くなるほど大
きくなる。
【0054】したがって、上述したように振動板50と
電極55とを非平行状態で配置したインクジェットヘッ
ド40においては、図9(a)に示すように駆動波形を
印加していない状態から駆動波形を印加することによっ
て、同図(b)に示すように振動板50は電極55との
間のギャップ長が短い部分から変形を開始し、この振動
板50の変形によりギャップ長が漸次短くなることか
ら、同図(c)に示すように振動板50は傾斜した電極
55に倣って電極55に当接する。その後、印加した駆
動波形をオフすることで、振動板50が復元変位して液
室46内インクが加圧されてインク滴が吐出する。
【0055】これに対して、図10に示すように振動板
50と電極55とを平行状態で配置したインクジェット
ヘッドにあっては、同図(a)に示すように駆動波形を
印加していない状態から駆動波形を印加することによっ
て、同図(b)に示すように振動板50は略中央部分か
ら変形を開始し、同図(c)に示すように振動板50は
中央部分が電極55に当接するまで変形する。その後、
印加した駆動波形をオフすることで、振動板50が復元
変位して液室46内インクが加圧されてインク滴が吐出
する。
【0056】ここで、駆動電圧Vに対する振動板50の
変位量について見ると、振動板50と電極55とを非平
行状態で配置したインクジェットヘッド40にあって
は、図11に線aで示すように、振動板50は電圧の増
加に伴って傾斜した電極55に倣って変形し、ギャップ
長が漸次短くなるので、駆動電圧Vに対して振動板変位
量は略比例的に増加する。これに対して、振動板50と
電極55とを平行状態で配置したインクジェットヘッド
にあっては、同図に線bで示すように、振動板変位量が
ギャップ長の1/3になるまでは僅かずつ変形し、振動
板変位量がギャップ長の1/3に達する電圧値になると
急激に電極55に当接するまで変形する。
【0057】したがって、インクジェットヘッド40の
ように振動板50と電極55とを非平行状態で配置した
場合には、駆動波形の駆動電圧に対して振動板変位が比
例的に増加する範囲が広くとれるようになるので、イン
ク滴を吐出することなくメニスカス振動を与える場合に
選択できる駆動電圧の範囲が広がり、所要の大きさのメ
ニスカス振幅を得るための制御が容易になる。
【0058】これにより、環境温度の変化などに対応し
てメニスカス振幅を変化させる場合の制御が容易にな
る。すなわち、環境温度が相対的に低い場合にはインク
粘度も上昇する傾向にあるので、所望のメニスカス振動
を得るためには振動板50の変位量を大きくしなければ
ならないのに対し、環境温度が相対的に高い場合にはイ
ンク粘度が低下する傾向にあるので、所望のメニスカス
振動を得るためには振動板50の変位量を小さくするこ
とになる。この場合、のメニスカス振動に用いることが
できる振動板50の変位量の範囲が広い(駆動電圧の選
択の範囲が広い)ことによって、このような環境温度に
応じた制御も容易になる。
【0059】図12はこのような環境温度に応じた電圧
値V2を設定する処理の一例を示すものである。すなわ
ち、主制御部91は、図示しない温度検知手段、例えば
サーミスタからの検知信号に基づいて環境温度Tを検出
し、この環境温度Tを予め設定した基準温度Trと比較
して、T≧Trであれば、非吐出パルスBpの電圧値V
2を電圧値V21に設定し、T≧Trでなければ、非吐
出パルスBpの電圧値V2を電圧値V22(V22>V
21)に設定して、設定した電圧値V2のデータを波形
生成回路87に与える。
【0060】このように、振動板と電極とを非平行状態
で配置して、振動板と電極間のギャップ形状を傾斜を持
たせた非平行形状とし、且つ、インク滴を吐出させない
ノズルのメニスカスを振動させる駆動波形を与える構成
とすることにより、振動板が電極に当接するまでの変位
量を印加する駆動波形によってコントロールすることが
可能となり、インク増粘防止のために印加する、非吐出
パルスの制御性が向上し、インク増粘によるインク滴吐
出特性の変動を抑えることができ、印字画像の乱れがな
くなり、より高品質の画像を得ることができるととも
に、環境温度変化に対する非吐出パルスの制御性も向上
することができる。
【0061】なお、上記実施形態においては、時系列で
出力される第1駆動波形(吐出パルスDp)と第2駆動
波形(非吐出パルスBp)とを用いているが、これに限
るものではなく、例えば図13に示すように、三端子ス
イッチ100のアレイをドライバICに用いて、三端子
スイッチ100の一方に吐出パルスDpを、他方に非吐
出パルスBpを与えて、三端子スイッチ100を印字信
号に応じて切り換えてヘッド14に印加する駆動波形を
選択することもできる。
【0062】また、上記実施形態においては、非吐出パ
ルスBp(第2駆動波形)として吐出パルスDp(第1
駆動波形)の電圧値V1よりも低い電圧値V2のパルス
波形としているが、例えば、図14(b)に示すよう
に、同図(a)に示す第1駆動波形と波高値が同じで、
第1駆動波形よりも立ち下がり時間の長い(立下りが緩
やかな)第2駆動波形を用いることもできる。このよう
な第2駆動波形を用いた場合には、振動板の復元がゆっ
くりになるので、任意の大きさのメニスカス振幅が容易
に得られる。
【0063】すなわち、パルスOFF時の立ち下がり時
間が長いために、振動板が時間的にゆるやかに、傾斜面
(電極55表面)に沿って復帰するため、駆動波形(パ
ルス)の立ち下がり時間が短い場合に比べて、液室内の
圧力上昇が少なく、インク滴を吐出する駆動パルスと同
じ波高値であってもインク滴が吐出せず、メニスカスが
振動するためである。したがって、この立ち下がり時間
を調整することにより、メニスカス変位量を任意に制御
することができる。
【0064】次に、インクジェットヘッド40の他の例
について図15をも参照して説明する。なお、同図は同
ヘッドの振動板短手方向の模式的断面説明図である。こ
のインクジェットヘッドは、電極基板2に形成した凹部
54として、傾斜面54aとこの傾斜面54aに連続し
て振動板50に対して平行な平行面54bを有する凹部
を形成し、この凹部54の底面をなす傾斜面54a及び
平行面54bに沿って電極55を形成することにより、
振動板50に対して傾斜した部分55aと振動板50に
対して平行な部分55bとを有する電極55を設けたも
のである。その他の構成は前記インクジェットヘッド4
0と同様である。
【0065】このインクジェットヘッドにおいては、図
16(a)に示すように駆動波形を印加していない状態
から駆動波形を印加することによって、同図(b)に示
すように振動板50は電極55との間のギャップ長が短
い部分から変形を開始し、電極55の傾斜した(非平行
な)部分55aに沿って漸次変形した後、同図(c)に
示すように振動板50は電極55の平行な部分55bに
当接して変形する。その後、印加した駆動波形をオフす
ることで、振動板50が復元変位して液室46内インク
が加圧されてインク滴が吐出する。
【0066】したがって、最大ギャップ長を確保できる
電極55の平行な部分55bを長くとれ、当接時の振動
板50の変位量を多く確保できるため、上記インクジェ
ットヘッド40と比べて、最大ギャップ長が同じであっ
ても、振動板50の変位が復元したときのインク滴吐出
体積Mjが大きくなる。
【0067】次に、本発明の第2実施形態について図1
7を参照して説明する。この実施形態は、上記実施形態
が駆動時に非吐出ノズル(インク滴を吐出させないノズ
ル)のメニスカスを振動させる例であったのに対し、キ
ャリッジ13をサブシステム37側に移動させたとき、
すなわち、ヘッド14が非印字領域にあるときには、す
べてのノズル44のメニスカスを振動させる処理を行う
ようにしたものである。
【0068】すなわち、ヘッド14を非印字位置である
印字待機位置(サブシステム37による信頼性維持回復
位置)にしたときに、タイマT1をセット・スタートし
て、タイマT1がタイムアップしたときには信頼性維持
回復処理を行う。この信頼性維持回復処理では、公知の
ようにヘッド14をキャップ手段でキャッピングした状
態で吸引手段を駆動してヘッド14のノズル44からイ
ンクを吸引排出することによってノズル44の増粘した
インクを排出する処理をしたり、或いは、全ノズル44
を駆動してインク滴を吐出することによってノズル44
の増粘したインクを排出する処理をする。
【0069】そして、信頼性維持回復動作後タイマT
1、T2をセット・スタートし、印字指令があるか否か
を判別し、印字指令がなければ、タイマT1がタイムア
ップしたか否かを判別する処理に戻る。
【0070】ここで、タイマT1がタイムアップしてい
なければ、タイマT2がタイムアップしているか否かを
判別し、タイマT2がタイムアップしたときには、第1
実施形態で説明したと同様なヘッド駆動制御によって、
時系列で生成出力される吐出パルスDpと非吐出パルス
Bpのうちの非吐出パルスBpのみを選択してヘッド1
4に与えることにより、信頼性維持回復動作間にメニス
カス振動のみを行って、ノズル44のインクの増粘を抑
制する処理を行う。
【0071】このように、信頼性維持回復動作の一環と
して所定時間毎にインク滴を吐出しないでメニスカス振
動のみを行う維持回復処理を行うことによって、インク
の増粘を抑えることができるので、インク滴の排出を伴
なう維持回復処理の回数(クリーニング動作回数)を減
らすことができて、無駄なインク消費を低減することが
できる。
【0072】そして、このメニスカス振動のためのヘッ
ドの駆動を時系列で生成出力される第1駆動波形と第2
駆動波形のうちの第2駆動波形のみを選択してヘッドに
与えることにより、構成が簡単になり、低コスト化を図
れる。さらに、前述の実施形態のように印字動作中(駆
動時)にもメニスカス振動を行う構成と組み合わせるこ
とができ、これによりインクの増粘を低コストで抑制す
ることができる。
【0073】図11に戻って、印字指令が与えられたと
きには、印字動作に移行する直前にメニスカス振動を行
ってノズル44内のインク粘度を回復した後、印字処理
に移行する。これにより、安定した印字を迅速に開始す
ることができる。
【0074】次に、本発明の第3実施形態について図1
8を参照して説明する。この実施形態においては、上記
第2実施形態ではヘッドの非印字領域におけるメニスカ
ス振動を信頼性維持回復動作の一環として行っていたの
に対し、信頼性維持回復動作とは関係なく、1走査終了
でヘッド14をサブシステム37側の非印字領域に移動
して、すべてのノズル44に対してメニスカス振動を行
った後、次の走査のためにヘッド14を印字領域に移動
させる。
【0075】ここで、この実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置を用いて、画像出力を行ってメニスカス振動
によるノズル部の粘度増加に対する効果を確認した。キ
ャリッジ13の非印字領域においてヘッド14の全ノズ
ルのメニスカスを振動させる動作を行った場合、印字開
始直後のドットの乱れが解消され良好な印字画像が得ら
れ、振動板と電極とを平行状態で配置したヘッド(図1
0に示したもの)を用いて変位量をギャップ長の1/3
以下としてメニスカスを振動させた場合に比べて大きな
効果を得ることができる。また、このようなメニスカス
を振動させる動作を行うことで、画像の乱れが低減され
信頼性維持機構によるクリーニング動作回数が減り、無
駄なインク消費を減らすことができる。
【0076】なお、上記実施形態においては、インクジ
ェットヘッドは振動板と液室46とを流路基板41とし
て同一部材から形成しているが、振動板と液室を形成し
ている部材とを別部材で形成して接合することもでき
る。また、インクジェット記録装置に搭載するインクジ
ェットヘッドの、流路基板中に形成したノズル、液室、
流体抵抗部、共通液室流路の形状、配置、形成方法は適
切に変更することができる。例えば、上記実施形態にお
いては、ノズルは振動板の変位方向にインク滴が吐出す
るように形成したサイドシュータ方式のインクジェット
ヘッドであるが、ノズルを振動板の変位方向と交差する
方向にインク滴が吐出するように形成したエッジシュー
タ方式のインクジェットヘッドでもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット記録装置によれば、振動板と電極とを非平行
状態で配置したインクジェットヘッドを搭載するととも
に、このインクジェットヘッドの駆動時にインク滴を吐
出させないノズルのメニスカスを振動させる駆動波形を
1回以上与える手段を備えたので、メニスカス振動用の
駆動波形の制御性が向上し、インク粘度の上昇やノズル
の目詰まりを確実に低減することができる。
【0078】本発明に係るインクジェット記録装置によ
れば、振動板と電極とを非平行状態で配置したインクジ
ェットヘッドを搭載するとともに、このインクジェット
ヘッドが非印字領域にあるときにノズルのメニスカスを
振動させる駆動波形を1回以上与え手段を備えたので、
メニスカス振動用の駆動波形の制御性が向上し、インク
粘度の上昇やノズルの目詰まりを確実に低減することが
できるとともに、印字開始直後の画像乱れが解消されて
高品質画像を得ることができ、さらにヘッドの信頼性維
持回復動作回数が減少して、無駄なインク消費を低減す
ることができ、ランニングコストが低減する。
【0079】ここで、メニスカスを振動させる駆動波形
はインク滴を吐出させる駆動波形よりもパルスの振幅を
小さくすることで、メニスカス振幅を容易に制御するこ
とができる。また、メニスカスを振動させる駆動波形は
インク滴が吐出する駆動波形よりもパルスの立ち下がり
時間を長くすることで、メニスカス振幅を容易に制御す
ることができる。
【0080】また、インクジェットヘッドは振動板に対
して電極を傾斜させて配置することで、メニスカス振幅
の制御が容易になる。さらに、インクジェットヘッドは
振動板に対して電極側面が傾斜している部分と平行な部
分とを有していることで、インク滴吐出体積を大きくし
つつ、メニスカス振幅の制御を容易に行うことができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部
の概略斜視説明図
【図2】同機構部の側面説明図
【図3】同記録装置のヘッドの分解斜視説明図
【図4】同ヘッドの振動板長手方向の断面説明図
【図5】同ヘッドの振動板短手方向の要部拡大断面説明
【図6】同記録装置の制御部の一例を示すブロック図
【図7】同制御部の内のヘッド駆動制御部の一例を示す
ブロック図
【図8】同記録装置におけるヘッド駆動制御の作用説明
に供する説明図
【図9】同ヘッドの振動板変位動作の説明に供する説明
【図10】振動板と電極とを平行状態で配置したヘッド
の振動板変位動作の説明に供する説明図
【図11】駆動電圧に対する振動板変位量の関係を説明
する説明図
【図12】同記録装置における非吐出駆動波形の電圧値
の設定処理を説明するフロー図
【図13】ヘッド駆動制御部の他の例を説明する要部説
明図
【図14】メニスカス振動用駆動波形の他の例を説明す
る説明図
【図15】インクジェットヘッドの他の例を示す振動板
短手方向の断面説明図
【図16】同ヘッドの振動板変位動作の説明に供する説
明図
【図17】本発明の第2実施形態の説明に供するフロー
【図18】本発明の第3実施形態の説明に供するフロー
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、24…搬送ロー
ラ、33…排紙ローラ、40…インクジェットヘッド、
41、101…流路基板、42、102…電極基板、4
3,103…ノズル板、44、104…ノズル、46、
106…液室、47…流体抵抗部、48…共通液室流
路、50、110…振動板、54…凹部、54a…傾斜
面、54b…平行面、55…電極、56…ギャップ、8
7…波形生成回路、91…主制御部、93…ドライバI
C、95…シフトレジスタ、96…ラッチ回路、97…
レベル変換回路、98…アナログスイッチアレイ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通するインク流路と、この流路の壁面を形成する
    振動板と、この振動板に対向する電極とを有し、前記振
    動板と前記電極とを非平行状態で配置してなり、前記振
    動板を静電力で変形させるインクジェットヘッドを搭載
    するとともに、このインクジェットヘッドの駆動時にイ
    ンク滴を吐出させないノズルのメニスカスを振動させる
    駆動波形を1回以上与える手段を備えていることを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通するインク流路と、この流路の壁面を形成する
    振動板と、この振動板に対向する電極とを有し、前記振
    動板と前記電極とを非平行状態で配置してなり、前記振
    動板を静電力で変形させて前記ノズルからインク滴を吐
    出させるインクジェットヘッドを搭載するとともに、こ
    のインクジェットヘッドが非印字領域にあるときにノズ
    ルのメニスカスを振動させる駆動波形を1回以上与える
    手段を備えていることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、前記メニスカスを振動させる駆動波
    形はインク滴を吐出させる駆動波形よりもパルスの振幅
    が小さいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、前記メニスカスを振動させる駆動波
    形は前記インク滴が吐出する駆動波形よりもパルスの立
    ち下がり時間が長いことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、前記インクジェットヘッドは振動板
    に対して電極を傾斜させて配置していることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    記録装置において、前記インクジェットヘッドは振動板
    に対して電極側面が傾斜している部分と平行な部分とを
    有していることを特徴とするインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004096552A1 (en) * 2003-05-02 2004-11-11 Ricoh Company Ltd. Image reproducing/forming apparatus with print head operated under improved driving waveform

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