JP4354623B2 - 交互共重合ポリエステル繊維及びその製造法 - Google Patents

交互共重合ポリエステル繊維及びその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマー鎖においてアルキレンテレフタレート構成単位とアルキレン−2,6−ナフタレート構成単位とが互いに隣接するよう交互に配置する交互共重合ポリエステルからなる新規な繊維に関するものである。さらに詳しくは、溶融成形性及び機械的性質に優れた結晶性の上記交互共重合ポリエステルを溶融紡糸して得られる新規な配向繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレン−2,6−ナフタレート)に代表されるポリエステルは、その機械的、物理的、化学的特性等が優れているため、衣料用・産業用繊維、フィルムをはじめとして各種成形物に広く利用されている。
【0003】
しかしながら、PETとPENの両方の特性を実現しようとして両者の共重合体から繊維を製造しようとしても、実用性のある繊維は得られなかった。すなわち、従来の重合方法では、エチレンテレフタレート/エチレン−2,6−ナフタレート共重合体に限らず一般に共重合ポリエステルでは完全ランダムコポリマー化を避けることは不可能であり、このように完全にランダム化した一次構造を有するポリマーは規則的な構造を持たないために、結晶性を示さず、繊維として実用性のあるものは出来ない。そして、上記のようなランダムコポリマーの繊維では、PET繊維やPEN繊維に比べて、ポリマー鎖中に脆くて低強度の構造が多数に存在することになり、この部分に応力が集中するために繊維としての使用に耐える物性を発現できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、従来の共重合ポリエステル連鎖を規則的な一次構造とすることで、上述した各種の欠点を克服し、結晶性、耐熱性、機械的性質に優れた新規な交互共重合ポリエステル繊維を提供することにある。本発明の他の目的は、このような新規な交互共重合ポリエステルからなる分子配向した有用な繊維を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記の課題を解決するものとして、下記の繊維及びその製造方法が提供される。
1.ポリマー繰り返し単位の少なくとも70モル%が、下記式(1)
【0006】
【化3】
Figure 0004354623
【0007】
で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.3以上、好ましくは0.4以上である交互共重合ポリエステルから構成され、繊維軸方向に分子配向を有することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維繊維。
【0008】
2.繊維を構成する交互共重合ポリエステルが、ポリマー繰り返し単位の少なくとも70モル%が、下記式(2)
【0009】
【化4】
Figure 0004354623
【0010】
で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.3以上、好ましくは0.4以上のポリマーであることを特徴とする上記1記載の交互共重合ポリエステル繊維。
【0011】
3.ポリマー繰り返し単位の少なくとも90モル%が、上記式(1)で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.4以上である交互共重合ポリエステルを調製後、これを溶融紡糸した後に延伸して繊維軸方向に分子配向を付与することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維繊維の製造法。
【0012】
4.上記3の方法において、交互共重合ポリエステルとして、ポリマー繰り返し単位の少なくとも90モル%が、上記式(2)で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.4以上であるポリマーを使用することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維繊維の製造法。
【0013】
5.テレフタル酸クロライドとヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4の2,6−ビス(2'−ヒドロキシアルキル)ナフタレートとの反応、及び/又は、2,6−ナフタレンジカルボニルクロライドとヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4のビス(2−ヒドロキシアルキル)テレフタレートとの反応により、上記式(1)又は上記(2)の繰返し単位を90モル%以上有する交互共重合ポリエステルのプレポリマーを得た後、上記ポリエステルプレポリマーを不活性ガス気流下常圧もしくは減圧下にて加熱固相重合して極限粘度0.4以上の交互共重合ポリエステルを調製後、これを溶融紡糸し、延伸することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維の製造法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維の製造に用いるポリエステルは、ポリマー繰り返し単位の少なくとも90モル%、好ましくは少なくとも92モル%、より好ましくは少なくとも95モル%が、下記式(1)
【0015】
【化5】
Figure 0004354623
【0016】
で表される単位、好適には、下記式(2)
【0017】
【化6】
Figure 0004354623
【0018】
で表される単位からなる新規な交互共重合ポリエステルである。
【0019】
該ポリエステルはその性質を損なわない範囲、すなわち10モル%未満、好ましくは5モル%未満の割合で、2個以上のエチレンテレフタレート単位又はエチレン2,6−ナフタレート単位同士が隣接していても差し支えない。また、繊維の性質に本質的な影響を与えない範囲(例えば10モル%未満)で、例えばジエチレングルコール、ブチレングルコール、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、イソフタル酸等の、他のポリエステル構成成分を共重合していても差し支えない。
【0020】
本発明の繊維を構成する上記ポリエステルの分子量は、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度[η]の値にして0.3以上、好ましくは0.4以上であり、さらに好ましくは[η]=0.5〜2.0である。なお、極限粘度[η]が0.4より小さいものは繊維としての物性が十分でなく、通常の用途への使用に適さない。
【0021】
本発明方法で用いられる上記の交互共重合ポリエステルは、本発明者が先に特願2000−090776号で開示した方法により溶液重合し、次いで、特願2000−100488号で開示した固相重合法により製造することができる。
【0022】
すなわち、テレフタル酸クロライドと2,6−ビス(2'−ヒドロキシエチル)ナフタレートで代表されるヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4の2,6−ビス(2'−ヒドロキアルキル)ナフタレートとを反応させるか、及び/又は、2,6−ナフタレンジカルボニルクロライドとビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートで代表されるヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4のビス(2−ヒドロキシアルキル)テレフタレートとを反応させる方法により製造することができる。このような反応は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機溶媒中で上記両成分を反応させる溶液重合法により実施され、この反応でフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜0.5である上記交互共重合ポリエステルのプレポリマーを得ることができる。
【0023】
次いで、結晶化させたプレポリマーを、不活性ガス気流下常圧又は1mmHg以下の高真空状態でポリマーのガラス転移温度(Tg)以上でかつ融点(Tm)より5〜40℃低い温度に加熱して、固相重合せしめることによりポリマーの重合度を高め、最終的には極限粘度[η]が0.4以上、好ましくは0.5〜2.0の高分子量交互共重合ポリエステルとする。
【0024】
上記の交互共重合ポリエステルは、延伸結晶配向性を有しており、特に繊維とした場合に、溶融成形後の延伸により高度な機械的特性を発現し得るという優れた特性を有する。
【0025】
本発明の交互共重合ポリエステルからなる配向繊維は、例えば、下記のごとく製造される。すなわち、上記式(1)好ましくは上記式(2)の繰返し単位を有する極限粘度[η]0.4以上の交互共重合ポリエステルを乾燥し、ポリマーの結晶融点より高くかつ300℃より低い温度で溶融し、紡糸ノズルより押出し巻取ることにより、未延伸繊維に成形する。次いで、得られた未延伸繊維を、ポリマーのガラス転移温度をTg(℃)、結晶融点をTm(℃)とした場合、(Tg−10)℃以上(Tm−10)℃以下の温度で延伸ないし熱固定を実施することにより実用的な機械的特性を有する本発明の交互共重合ポリエステル繊維を得ることができる。
【0026】
上記の条件のうちでも、延伸温度は、Tg以上(Tg+30)℃以下が好ましく、さらには(Tg+10℃)以上(Tg+20)℃以下の範囲が好ましい。また、延伸倍率は通常の条件で紡糸した未延伸糸の場合、2倍以上が好ましく、特に3倍以上9倍以下が好ましい。また、熱固定(熱セット)の温度は、結晶化温度(Tc)以上(Tm−10)℃以下、特に、Tc以上(Tm−15)℃以下の温度範囲が好適である。なお、ここで言う延伸・熱固定温度は、加熱媒体の温度である。
【0027】
延伸・熱固定の加熱媒体としては、ピン、プレート、ローラ等の乾熱、熱水、スチーム等の湿熱、の何れでも良いが、繊維構成ポリマーのTgが90〜100℃付近であることから乾熱の方が好ましい。
【0028】
また、溶融紡糸において、例えば、紡糸巻き取り速度が3000〜8000m/minの高速紡糸法を採用して、紡糸と同時に分子配向を付与することも出来、延伸・熱固定工程を省略することも可能である。
【0029】
本発明における溶融紡糸後の交互共重合ポリエステル繊維は、ポリマー全繰返し単位中で上記式(1)又は上記式(2)で表されるポリマー繰り返し単位が少なくとも70%モル、好ましくは75%モル以上、より好ましくは80%モル以上、含まれていることが必要である。上記式(1)又は上記式(2)で表されるポリマー繰り返し単位が70モル%未満では、ランダムな一次構造が多いためにポリマーの結晶性ならびに配向性を著しく低下させることになり、十分な機械的特性を有する繊維を得ることができない。
【0030】
上記の交互共重合ポリエステルは溶融紡糸時のエステル交換反応によってポリマー・シークエンスの一部ランダム化が避けられないので、上記式(1)又は上記式(2)で表される繰り返し単位が少なくとも70モル%以上のポリエステルからなる高次構造の制御された本発明の繊維を得るには、溶融紡糸に供するポリマー(バルクポリマー)として、上記式(1)又は上記式(2)で表される繰り返し単位が少なくとも90モル%以上の交互共重合ポリエステルを使用することが望ましい。
【0031】
なお、本発明の交互共重合ポリエステル繊維には、必要に応じ、紫外線吸収剤、耐熱安定剤等の各種安定剤、酸化防止剤、可塑剤、顔料、難燃剤、充填剤等を適宜配合することができる。
【0032】
本発明における繰り返し単位が上記式(1)又は上記式(2)で表される交互共重合ポリエステル及びそれからなる繊維は、X線広角写真及びH−NMR測定により同定することが可能である。また、H−NMR測定により上記式(1)又は上記式(2)で表される交互共重合ポリエステルを確認することが可能である。
【0033】
【発明の効果】
本発明の交互共重合ポリエステル繊維は、PET繊維とPEN繊維の利点を併せ持ち、結晶性でかつTm190℃以上、Tg90℃以上の優れた耐熱性を有し、溶融紡糸性や延伸性も良好で機械的性質の良好な繊維とすることができる。しかも、この繊維は優れた延伸配向結晶化特性を有し、かつ、優れた耐熱性、機械的特性、耐薬品性を有するため、一般工業用途に有用である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、実施例は説明のためのものであって、本発明はこれに限定されるものではない。なお、例中の「部」は、とくに断らない限り「重量部」を意味するものとする。
なお、例中にあげる各種の評価項目は次のようにして求めた。
【0035】
(1)極限粘度[η]の測定
極限粘度[η]はフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶液(重量比6/4)中、35℃にて測定した。
【0036】
(2)融点、結晶化温度、ガラス転移温度などの測定
ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度(Tc)、融点(Tm)及び融解エンタルピー(ΔHm)の測定は、セイコーDSC220示差走査熱量計を用い、窒素ガス気流下、10℃/minの速度で昇温して測定を行った。
【0037】
(3)H−NMR測定
H−NMRによる測定は、日本電子(株)製のJNR−EX270を用い、重水素化クロロホルム/重水素化トリフルオロ酢酸=3/1(v/v)混合溶媒中23℃にて測定を行い、メチレンプロトンの積分比より下記式(3)に基づきポリマーの1次構造、すなわち、ポリマー中の上記式(1)で表される繰り返し単位の存在率を算出した。
式(1)で表される繰り返し単位の存在率
=I(TEN)/{I(TEN)+I(NEN)+I(TET)} (3)
ここでI(TEN)は、エチレンテレフタレート(TE)単位とエチレン−2,6−ナフタレート(EN)単位ではさまれたオキシエチレン鎖(−OCHCHO−)のプロトンピーク強度(積分比)を示す。また同様に、I(TET)はエチレンテレフタレート連鎖間のオキシエチレン鎖の、I(NEN)はエチレンナフタレート連鎖間のオキシエチレン鎖の、プロトンピーク強度をそれぞれ示している。
【0038】
(4)X線回折測定
理学電機工業(株)製のX線回折装置DX(RAD−B)を用いてCu K−α1/40kV/30mAのX線をサンプルに照射し、フィルム半径35mmにてそのX線広角回折の透過写真及び反射型回折ピークを測定した。得られたX線広角写真より赤道線から子午線方向の第n層線までの距離を3点測定して平均化し、この値をもとに結晶の繊維周期を算出した。
【0039】
(5)繊維特性
繊維の引張強度、伸度、弾性率は試料長25mmの単繊維を毎分20mmの引張速度で定速引張試験することにより求めた。
【0040】
[実施例1]
室温、窒素気流下にてビス(β−2−ヒドロキシエチル)テレフタレート30.06部を乾燥ピリジン20.0mlと乾燥N−メチル−2−ピロリドン80mlとの混合物に溶解し、これに2,6−ナフタレンジカルボニルクロライド29.94部を乾燥N−メチル−2−ピロリドン260mlに溶解した溶液を滴下し、室温で1.0時間攪拌した。60℃で1.5時間加熱攪拌したのちに反応溶液を室温まで冷却し、これを水5Lに注いで析出した白色固体を濾別した。水1L、アセトン500mlで洗浄後、120℃で真空乾燥して交互共重合ポリエステル49.3部(収率96%)を得た。このポリマーは[η]=0.24、Tg=104℃、Tc=156℃、Tm=225℃であった。
【0041】
得られた交互共重合ポリエステル(プレポリマー)を粒径5mm以下に粉砕後、170℃で高真空下にて1時間加熱結晶化させて、固相重合用プレポリマーとした。この結晶化プレポリマー45.0部を固相重合釜に入れ、高真空下にて、190℃で3時間、次いで195℃で7時間、さらに200℃で20時間加熱して固相重合を行った。固相重合後のポリマーは[η]=0.66、Tg=103℃、Tm=213℃であった。また、H−NMRから算出したポリマー中の交互共重合ポリエステル繰り返し単位の存在率は92%であった。
【0042】
得られたポリマーを120℃、真空中にて一晩乾燥後、プランジャー式の溶融紡糸機を用い、240℃にてポリマーを溶融後、0.3mmφ、L/Dが2.3の紡糸ノズルより吐出線速度1.4m/minで押出し、2.8m/minの速度で巻取ることにより交互共重合ポリエステルの未延伸モノフィラメントを得た。この未延伸モノフィラメントを115℃で7.2倍延伸し、次いで1.1倍の張力下で160℃にて熱固定することにより交互共重合ポリエステルの延伸モノフィラメントを得た。
【0043】
このモノフィラメントのH−NMRのチャートを図1に示した。また、このモノフィラメントを構成する交互共重合ポリエステルにおいて、オキシエチレン単位のプロトンピーク強度比から算出したポリマー中の交互共重合ポリエステル繰り返し単位の存在率は83%であった。そして、このモノフィラメントは繊維軸方向に分子配向しており、その物性は、引張強度9.6g/de、伸度11.5%、弾性率131MPaであった。
【0044】
次に、得られた交互共重合ポリエステルの延伸モノフィラメント及びPET延伸糸、PENの延伸糸について、X線広角回折の透過写真及び回折ピークを測定した。これらの延伸糸の繊維軸方向及び法線方向より測定したX線透過像の写真を、図2にそれぞれ(a)(b)(c)として示す。回折ピーク(図示せず)には、赤道方向と子午線方向で、PET延伸糸及びPEN延伸糸とは異なるPET/PEN交互共重合ポリエステル延伸糸にとくに特徴的な回折ピークが観察され、本発明の交互共重合ポリエステルの延伸糸には、PET延伸糸,PEN延伸糸とは異なる交互共重合ポリエステル固有の配向伸びきり鎖構造に由来する結晶構造が存在していることが判明した。
【0045】
なお、各延伸糸のX線広角回折写真から求めた繊維周期(実測値)と繰返し単位の伸びきり鎖からの繊維周期の理論・計算値を次に示す。(単位はオングストローム=10−10m)
本発明の繊維(a) 実測値:23.1、理論値:24.6
PET繊維(b) 実測値:10.8、理論値:10.9
PEN繊維(c) 実測値:13.2、理論値:12.6
(注)理論値の根拠:繊維(a)は三斜晶として上記式(1)の繰返し単位の伸びきり鎖からの計算値、繊維(b)は R.de P. Daubeny et al, Proc. Roy. Soc.(Lond)., A226, 531(1954)、(c)は Z. Mencik, Chem. Prumysl., 17 78(1967)に記載の値である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る交互共重合ポリエステル繊維のH−NMRチャート
【図2】各種ポリエステル延伸糸のX線広角回折の透過像
【符号の説明】
(a)は本発明(実施例1)の交互共重合ポリエステル繊維
(b)はPET延伸糸
(c)はPEN延伸糸のX線広角回折写真

Claims (4)

  1. ポリマー繰り返し単位の少なくとも70モル%が、下記式(1)
    Figure 0004354623
    [上記式(1)中のnは、2〜4から選ばれる1個の整数である。]
    で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.3以上である交互共重合ポリエステルから構成され、繊維軸方向に分子配向を有することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維繊維。
  2. 繊維を構成する交互共重合ポリエステルが、ポリマー繰り返し単位の少なくとも70モル%が、下記式(2)
    Figure 0004354623
    で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.3以上のポリマーであることを特徴とする請求項1記載の交互共重合ポリエステル繊維。
  3. ポリマー繰り返し単位の少なくとも90モル%が、請求項1記載の式(1)で表される単位からなり、かつ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(重量比6/4)を用いて35℃で測定した極限粘度が0.4以上である交互共重合ポリエステルを調製後、これを溶融紡糸した後に延伸して繊維軸方向に分子配向を付与することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維繊維の製造法。
  4. テレフタル酸クロライドとヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4の2,6−ビス(2'−ヒドロキシアルキル)ナフタレートとの反応、及び/又は、2,6−ナフタレンジカルボニルクロライドとヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4のビス(2−ヒドロキシアルキル)テレフタレートとの反応により、請求項1記載の式(1)の繰返し単位を90モル%以上有する交互共重合ポリエステルのプレポリマーを得た後、上記ポリエステルプレポリマーを不活性ガス気流下常圧もしくは減圧下にて加熱固相重合して極限粘度0.4以上の交互共重合ポリエステルを調製後、これを溶融紡糸し、延伸することを特徴とする交互共重合ポリエステル繊維の製造法。
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