JP4353070B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents
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(1)請求項1に記載の発明は、排気浄化触媒の上流側に設けられて排気の空燃比状態を検出する上流側センサ、及び同排気浄化触媒の下流側に設けられて排気の空燃比状態を検出する下流側センサを備え、前記上流側センサの出力値に基づく燃料噴射量の増減補正を通じて空燃比制御を実行するとともに前記下流側センサの出力値に基づいて設定される補正量により前記燃料噴射量の増減補正に対する補正を実行する内燃機関の空燃比制御装置において、前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリーン側に偏倚しているとき、前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断する判断手段と、この判断手段により前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断されるとき、前記補正量の最大値を規制する値として予め設定された上限値をより小さい値に変更する変更手段とを備えることを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記判断手段は、前記上流側センサの出力値がリッチを示しているときに前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリーン側にある頻度を計測し、この計測した頻度が基準値よりも大きいとき、前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断することを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記変更手段は、前記判断手段により前記下流側センサにリーンスタック異常が生じていない旨判断されるとき、前記上限値をその変更範囲内の最も大きい値に設定することを要旨としている。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記判断手段は、前記上流側センサの出力値がリーンを示しているときに前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリッチ側にある頻度を計測し、この計測した頻度が基準値よりも大きいとき、前記下流側センサにリッチスタック異常が生じている旨判断することを要旨としている。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、前記変更手段は、前記判断手段により前記下流側センサにリッチスタック異常が生じていない旨判断されるとき、前記下限値をその変更範囲内の最も小さい値に設定することを要旨としている。
図1は、本発明にかかる内燃機関の空燃比制御装置が適用された車載用の内燃機関と、その周辺構成の概略構成を示している。
空燃比センサ19は、周知の限界電流式酸素センサである。この限界電流式酸素センサは、濃淡電池式酸素センサの検出部に拡散律速層と呼ばれるセラミック層を備えることにより排気中の酸素濃度に応じた出力電流が得られるセンサであり、排気中の酸素濃度と密接な関係にある空燃比が理論空燃比である場合には、その出力電流は「0」になる。また、空燃比がリッチになるにつれて出力電流は負の方向に大きくなり、空燃比がリーンになるにつれて出力電流は正の方向に大きくなる。従って、この空燃比センサ19の出力に基づき、触媒18上流側の空燃比状態についてそのリーン度合いやリッチ度合いを検出することができる。なお、この空燃比センサ19は上記の上流側センサを構成している。
ところで、上記サブフィードバック制御によって算出されるサブフィードバック補正量SFBが過度なものになると、空燃比制御や機関の運転等に悪影響を及ぼすおそれがある。そこで、本実施形態では、上記サブフィードバック補正量SFBを規制する値であって予め設定された制限値を設けるようにしている。より具体的には、燃料噴射量の増量補正を制限するためにサブフィードバック補正量SFBの最大値を規制する上限ガード値Gmaxと、燃料噴射量の減量補正を制限するためにサブフィードバック補正量SFBの最小値を規制する下限ガード値Gminとを設けるようにしている。そして、これら上限ガード値Gmaxや下限ガード値Gminといった制限値の範囲内でサブフィードバック補正量SFBが設定されるようにしている。
そして、サブフィードバック補正量SFBの上限ガード値Gmaxはより小さい値に変更される(S110)。より具体的には、予め設定された上限ガード値Gmaxが上限ガード変更量Aだけ小さい値に変更される。この上限ガード変更量Aは、酸素センサ20にリーンスタック異常が生じている場合であっても、燃料噴射量の過剰な増量補正を抑え、もってエミッションの悪化を抑制することのできる変更量とされている。なお、この上限ガード変更量Aは予め設定された固定値とする他、センサ出力値SVと上記目標値PVとの乖離度合に応じて、あるいは機関運転状態に応じて可変設定されるようにしてもよい。
上記ステップS100にて、酸素センサ20にリーンスタック異常が生じていない旨判断されるときには(S100:NO)、酸素センサ20がリッチスタック異常か否かが判断される(S120)。ここでは、空燃比センサ19の出力値がリーンを示しているときに、酸素センサ20のセンサ出力値SVが上記目標値PVよりもリッチ側の出力値となっている場合、酸素センサ20のセンサ出力値SVが理論空燃比相当の出力値よりもリッチ側に偏倚している、すなわち同酸素センサ20にリッチスタック異常が生じている旨判断される。
そして、サブフィードバック補正量SFBの下限ガード値Gminがより大きい値に変更される(S130)。より具体的には、予め設定された下限ガード値Gminが下限ガード変更量Bだけ大きい値に変更される。この下限ガード変更量Bは、酸素センサ20にリッチスタック異常が生じている場合であっても、燃料噴射量の過剰な減量補正を抑え、もってエミッションの悪化を抑制することのできる変更量とされている。なお、この下限ガード変更量Bも予め設定された固定値とする他、センサ出力値SVと上記目標値PVとの乖離度合に応じて、あるいは機関運転状態に応じて可変設定されるようにしてもよい。
なお、上記ステップS120にて、酸素センサ20にリッチスタック異常が生じていない旨判断されるときには(S120:NO)、上限ガード値Gmaxや下限ガード値Gminは変更されることなく、本処理は一旦終了される。
図4は、酸素センサ20にリーンスタック異常が生じているときの上限ガード値Gmaxの変更態様を示している。酸素センサ20にリーンスタック異常が生じているときには、触媒18の下流側の空燃比が「リッチ」であっても、酸素センサ20の出力値は「リーン」を示すようになるため、本来、燃料噴射量を減量補正する側に設定されるべきサブフィードバック補正量SFBが、燃料噴射量を増量補正する側に設定されてしまい、その値は徐々に大きくなっていく。このとき、図4に一点鎖線にて示すように、上限ガード値Gmaxが予め設定された値のままである場合には、同図4に破線にして示すように、サブフィードバック補正量SFBは上限ガード値Gmaxに達するまで増大されてしまう(プラス側に増大されてしまう)。そのため、同サブフィードバック補正量SFBが上限ガード値Gmaxに達する前に、あるいは達したときに過剰な燃料噴射量の増量補正がなされてしまい、触媒18による排気の浄化を十分に行うことができなくなるおそれがある。
(1)酸素センサ20のセンサ出力値SVが理論空燃比相当の出力値(目標値PV)に対して偏倚しているか否かを判断し、酸素センサ20のセンサ出力値SVが偏倚している旨判断されたときには、サブフィードバック補正量SFBを規制する値であって予め設定された制限値を変更するようにしている。そのため、サブフィードバック補正量SFBによる燃料噴射量の過剰な増量補正や減量補正が制限されるようになる。従って、触媒18の下流側の空燃比状態を検出する酸素センサ20について、そのセンサ出力値SVが偏倚している場合であってもエミッションの悪化を抑制することができるようになる。
・上記実施形態では、酸素センサ20のリーンスタック異常及びリッチスタック異常を判断し、その判断結果に応じて上限ガード値Gmaxや下限ガード値Gminを変更するようにしたが、酸素センサ20のリーンスタック異常のみを判断し、その判断結果に応じて上限ガード値Gmaxのみを変更するようにしてもよい。また、酸素センサ20のリッチスタック異常のみを判断し、その判断結果に応じて下限ガード値Gminのみを変更するようにしてもよい。
Claims (10)
- 排気浄化触媒の上流側に設けられて排気の空燃比状態を検出する上流側センサ、及び同排気浄化触媒の下流側に設けられて排気の空燃比状態を検出する下流側センサを備え、前記上流側センサの出力値に基づく燃料噴射量の増減補正を通じて空燃比制御を実行するとともに前記下流側センサの出力値に基づいて設定される補正量により前記燃料噴射量の増減補正に対する補正を実行する内燃機関の空燃比制御装置において、
前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリーン側に偏倚しているとき、前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断する判断手段と、
この判断手段により前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断されるとき、前記補正量の最大値を規制する値として予め設定された上限値をより小さい値に変更する変更手段とを備える
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記判断手段は、前記上流側センサの出力値がリッチを示しているとき且つ前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリーン側にあるとき、前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記判断手段は、前記上流側センサの出力値がリッチを示しているときに前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリーン側にある頻度を計測し、この計測した頻度が基準値よりも大きいとき、前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記変更手段は、前記判断手段により前記下流側センサにリーンスタック異常が生じている旨判断されるとき、前記上限値をそのときの前記補正量よりも小さい値に設定する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記変更手段は、前記判断手段により前記下流側センサにリーンスタック異常が生じていない旨判断されるとき、前記上限値をその変更範囲内の最も大きい値に設定する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 排気浄化触媒の上流側に設けられて排気の空燃比状態を検出する上流側センサ、及び同排気浄化触媒の下流側に設けられて排気の空燃比状態を検出する下流側センサを備え、前記上流側センサの出力値に基づく燃料噴射量の増減補正を通じて空燃比制御を実行するとともに前記下流側センサの出力値に基づいて設定される補正量により前記燃料噴射量の増減補正に対する補正を実行する内燃機関の空燃比制御装置において、
前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリッチ側に偏倚しているとき、前記下流側センサにリッチスタック異常が生じている旨判断する判断手段と、
この判断手段により前記下流側センサにリッチスタック異常が生じている旨判断されるとき、前記補正量の最小値を規制する値として予め設定された下限値をより大きい値に変更する変更手段とを備える
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記判断手段は、前記上流側センサの出力値がリーンを示しているとき且つ前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリッチ側にあるとき、前記下流側センサにリッチスタック異常が生じている旨判断する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項6に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記判断手段は、前記上流側センサの出力値がリーンを示しているときに前記下流側センサの出力値が理論空燃比相当の出力値よりもリッチ側にある頻度を計測し、この計測した頻度が基準値よりも大きいとき、前記下流側センサにリッチスタック異常が生じている旨判断する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項6〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記変更手段は、前記判断手段により前記下流側センサにリッチスタック異常が生じている旨判断されるとき、前記下限値をそのときの前記補正量よりも大きい値に設定する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。 - 請求項6〜9のいずれか一項に記載の内燃機関の空燃比制御装置において、
前記変更手段は、前記判断手段により前記下流側センサにリッチスタック異常が生じていない旨判断されるとき、前記下限値をその変更範囲内の最も小さい値に設定する
ことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
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