JP2007077961A - 内燃機関の排気臭抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することのできる内燃機関の排気臭抑制装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置50は、排気通路13に設けられた触媒18から発生する排気臭を抑制するために、混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行する。その排気臭抑制制御の実行時間を、触媒18の劣化度合が大きくなるほど短くなるように設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】電子制御装置50は、排気通路13に設けられた触媒18から発生する排気臭を抑制するために、混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行する。その排気臭抑制制御の実行時間を、触媒18の劣化度合が大きくなるほど短くなるように設定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、内燃機関の排気臭を抑制する排気臭抑制装置に関するものである。
内燃機関では、排気通路に設けられた排気浄化用の触媒によって排気成分の浄化が行われている。この触媒による排気成分の浄化は、内燃機関で燃焼される混合気の空燃比が所定の範囲内にある場合に効率よく行われる。そこで、排気通路に排気の酸素濃度を検出する酸素センサを設け、このセンサの出力信号に基づいて混合気の空燃比を検出し、この検出された空燃比が目標空燃比になるように燃料噴射量を増減補正する空燃比フィードバック制御が一般的には行われている。
ところで、機関運転状態の変化等による空燃比の乱れや加速時の燃料増量等によって空燃比がリッチ化すると、排気中の酸素濃度が低下して触媒が還元雰囲気に曝され、これにより機関燃料の硫黄成分に起因した硫化水素が触媒から発生することがある。
車両走行中であれば、排気の拡散とともにこの硫化水素も拡散されるのであるが、車両停止時などの機関アイドル時においては、同硫化水素が拡散されにくいため、同硫化水素による排気臭が顕著となり、車両の乗員等に不快感を与えてしまうことがある。
そこで、特許文献1に記載の装置では、機関のアイドル運転中(車両停止中)において、混合気の空燃比がリーンとなるように目標空燃比を設定し、これにより排気中の酸素濃度を増大させて触媒を酸化雰囲気に曝すことで排気臭の発生を抑えるようにしている。
特開平6−307271号公報
ところで、硫化水素の発生量は常に一定ではなく変化するため、同発生量が少ないときには、多いときと比較して、空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を短くしても十分に排気臭を抑えることができる。
しかし、上記文献1に記載の装置では、硫化水素の発生量にかかわらず、機関のアイドル運転中には常に排気臭抑制制御を実行するようにしており、同排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができないものとなっている。そのため、場合によっては排気臭が十分に抑えられた後でも空燃比のリーン化が継続して行われ、これにより、例えば不必要にNOx発生量が増大したり、触媒の劣化が進行したりする等といった問題が生じてしまうおそれがあり、排気臭抑制制御の実行態様について更なる改善を要するものとなっている。
なお、こうした問題は、アイドル運転中に排気臭抑制制御を実行する場合に限らず、その他の運転状態において排気臭抑制制御を実行する場合でも、その実行期間が硫化水素の発生量に応じて設定されていなければ、同様に発生する可能性がある。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することのできる内燃機関の排気臭抑制装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、排気通路に設けられた触媒からの排気臭を抑制する内燃機関の排気臭抑制装置であって、混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実施する抑制手段と、前記排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を前記触媒の劣化度合に基づいて設定する設定手段とを備えることをその要旨とする。
請求項1に記載の発明は、排気通路に設けられた触媒からの排気臭を抑制する内燃機関の排気臭抑制装置であって、混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実施する抑制手段と、前記排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を前記触媒の劣化度合に基づいて設定する設定手段とを備えることをその要旨とする。
内燃機関の燃料に含まれる硫黄成分は、混合気の空燃比がリーンになっており排気の酸素濃度が高くなっているときには前記触媒に吸着される。そして、同空燃比がリッチになり排気の酸素濃度が低くなると、触媒に吸着された硫黄成分から硫化水素が生成され、これが排気臭となる。
ここで、触媒の劣化度合が大きくなるほど触媒の酸化能力が低下して硫黄成分の吸着量が減少するため、この吸着された硫黄成分から生成される硫化水素の発生量も減少する。また、同劣化度合が大きくなるほど触媒の還元能力が低下して、吸着された硫黄成分を硫化水素に変化させる作用も弱くなり、これによっても硫化水素の発生量は減少する。
このように硫化水素の発生量と触媒の劣化度合とは密接な関係にあり、そうした劣化度合に基づいて前記排気臭抑制期間、すなわち排気臭抑制制御の実行期間を設定する同構成によれば、同実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することができるようになり、例えば空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等を抑えることができる。
なお、上述したように、触媒の劣化度合が大きくなるほど硫化水素の発生量は少なくなる。従って、触媒の劣化度合に基づく排気臭抑制期間の設定態様としては、請求項2に記載の発明によるように、前記排気臭抑制期間は、前記劣化度合が大きくなるほど短くなるように設定される、といった構成を採用することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記排気臭抑制期間とは、前記排気臭抑制制御の実行時間であり、前記設定手段は、前記劣化度合に基づいて前記実行時間を設定することをその要旨とする。
同構成によれば、触媒の劣化度合に基づいて排気臭抑制制御の実行時間が設定されることにより、排気臭抑制制御が実施される前記排気臭抑制期間を触媒の劣化度合に応じて好適に可変設定することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記排気臭抑制期間とは、空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が所定の判定値を超えるまでの期間であり、前記設定手段は、前記劣化度合に基づいて前記判定値を設定することをその要旨とする。
同構成によれば、空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が所定の判定値を超えるまで、換言すれば、酸素濃度の増大された排気が触媒に所定量供給されるまで排気臭抑制制御が実施され、前記判定値を小さくするほど、排気臭抑制制御が実施される前記排気臭抑制期間は短くなる。従って、こうした態様で排気臭抑制期間を設定するとともに前記判定値を触媒の劣化度合に基づいて設定する同構成によっても、前記排気臭抑制期間を触媒の劣化度合に応じて好適に可変設定することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記抑制手段は、前記排気臭抑制制御として機関のアイドル運転時における目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定することをその要旨とする。
同構成では、排気臭抑制制御として、目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定するようにしており、これにより空燃比を確実にリーン化させることができる。また、同構成では、アイドル運転時における目標空燃比をリーン側に設定するようにしているため、機関のアイドル運転時に顕著となる触媒からの排気臭を抑えることができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記排気臭抑制制御の実行時におけるアイドル回転速度を、同排気臭抑制制御の非実行時に比して増大させる増大手段をさらに備えることをその要旨とする。
同構成によれば、アイドル運転時にあって空燃比のリーン化が行われるときには、同リーン化が行われないときと比較して、排気流量が増大するようになる。そのため、酸素濃度が増大された排気は速やかに触媒に到達するようになり、より早期に触媒は酸化雰囲気に曝されるようになる。従って、機関のアイドル運転時において顕著となる排気臭をより早期に抑制することができるようになる。また、こうしたアイドル回転速度の増大は、前記排気臭抑制制御の実行に合わせて行われるのであるが、その排気臭抑制制御の実行期間は硫化水素の発生量に応じて可変設定されるため、同アイドル回転速度の増大も硫化水素の発生量に応じて可変設定される。従って、不要なアイドル回転速度の増大を抑えることができ、もって燃料消費量の悪化等も好適に抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記抑制手段は、加速時の燃料増量が行われた後のアイドル運転時に前記排気臭抑制制御を実行することをその要旨とする。
内燃機関の燃料噴射制御では、車両の加速時において燃料噴射量の増量補正がなされることがあり、こうした加速時の燃料増量が行われると、同燃料増量に起因する空燃比のリッチ化及び排気温度の上昇によって硫化水素が発生しやすくなり、排気臭がさらに顕著になることがある。この点、同構成によれば、そうした排気臭の発生を好適に抑えることができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記抑制手段は、前記排気臭抑制制御として、前記触媒の高温劣化を抑えるための減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うことをその要旨とする。
車両の減速時には、燃料消費量を抑えるために、燃料噴射を一時的に停止する減速時燃料カットが行われる。一方、触媒は酸素濃度の高い高温下、すなわち高温の酸化雰囲気において劣化することが知られている。こうした触媒の高温劣化を抑えるために、同触媒の温度が過度に高い場合には、減速時の燃料カットを禁止して車両の減速時でも燃料噴射を行うことで触媒が酸化雰囲気に曝されないようにしている。
他方、減速時燃料カットの実行が禁止されるときには、触媒の温度が高くなっており、同触媒に吸着された硫黄成分から硫化水素が生成されやすくなっている。そこで、同構成では、排気臭抑制制御として、減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うようにしており、これにより空燃比は極度にリーン化され、もって排気臭を確実に抑えることができる。
ここで、減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行う場合には、その燃料カットの実行期間中、触媒は酸化雰囲気に曝される。そのため、燃料カットの実行期間が過度に長く設定されると、触媒の高温劣化が進行してしまうおそれがある。この点、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置によれば、排気臭抑制制御の実行期間、この請求項8に記載の構成においては燃料カットの実行期間が適切に設定されるようになるため、排気臭の抑制を図りつつ、触媒の高温劣化も極力抑えることができるようになる。
また、このように減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うようにすれば、車両の減速完了時においてアイドル運転状態になったとしても、未然に排気臭を抑えておくことができる。従って、アイドル運転時において前述したような空燃比のリーン化を実施することなく排気臭を抑えることができ、もって空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等も抑えることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の内燃機関の排気臭抑制装置において、前記抑制手段は、加速時の燃料増量が行われた後の前記減速時燃料カット禁止中に前記排気臭抑制制御を実行することをその要旨とする。
上述したように、加速時の燃料増量が行われると、同燃料増量に起因する空燃比のリッチ化及び排気温度の上昇によって硫化水素が発生しやすくなり、排気臭がさらに顕著になることがある。この点、同構成によれば、そうした排気臭の発生を好適に抑えることができるようになる。
他方、触媒の劣化度合については、以下のような態様をもって推定することができる。
前記触媒は酸素を吸蔵する機能を有しており、同触媒が吸蔵可能な最大酸素吸蔵量は、触媒の劣化度合が大きくなるにつれて少なくなる。そこで、請求項10に記載の発明によるように、前記劣化度合は、前記触媒の最大酸素吸蔵量に基づいて推定される、といった構成を採用することにより、触媒の劣化度合を好適に推定することができる。
前記触媒は酸素を吸蔵する機能を有しており、同触媒が吸蔵可能な最大酸素吸蔵量は、触媒の劣化度合が大きくなるにつれて少なくなる。そこで、請求項10に記載の発明によるように、前記劣化度合は、前記触媒の最大酸素吸蔵量に基づいて推定される、といった構成を採用することにより、触媒の劣化度合を好適に推定することができる。
また、触媒の劣化度合が大きくなると、触媒の下流側に設けられた酸素センサの出力値についてその軌跡長が長くなる傾向にある。そこで、請求項11に記載の発明によるように、前記劣化度合は、前記触媒の下流側に設けられた酸素センサの出力値の軌跡長に基づいて推定される、といった構成を採用しても、触媒の劣化度合を好適に推定することができる。
また、車両の走行距離が長くなるにつれて、触媒の劣化度合は大きくなるため、請求項12に記載の発明によるように、前記劣化度合は、当該内燃機関が搭載された車両の走行距離に基づいて推定される、といった構成を採用しても、触媒の劣化度合を好適に推定することができる。
(第1の実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の排気臭抑制装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を併せ参照して説明する。
以下、この発明にかかる内燃機関の排気臭抑制装置を具体化した第1の実施形態について、図1〜図5を併せ参照して説明する。
図1は、本発明にかかる排気臭抑制装置が適用された車載用の内燃機関と、その周辺構成の概略構成を示している。
同図1に示すように、内燃機関10に接続された吸気通路11には、その通路面積を可変とするスロットルバルブ15が設けられ、その開度制御によりエアクリーナ14を通じて吸入される空気の量が調整されている。ここで吸入された空気の量(吸入空気量)は、エアフロメータ16により検出される。そして吸気通路11に吸入された空気は、スロットルバルブ15の下流に設けられたインジェクタ17から噴射される燃料と混合された後、内燃機関10の燃焼室に送られ、同燃焼室にて燃焼される。
同図1に示すように、内燃機関10に接続された吸気通路11には、その通路面積を可変とするスロットルバルブ15が設けられ、その開度制御によりエアクリーナ14を通じて吸入される空気の量が調整されている。ここで吸入された空気の量(吸入空気量)は、エアフロメータ16により検出される。そして吸気通路11に吸入された空気は、スロットルバルブ15の下流に設けられたインジェクタ17から噴射される燃料と混合された後、内燃機関10の燃焼室に送られ、同燃焼室にて燃焼される。
一方、燃焼室からの排気が導入される排気通路13には、排気中の成分を浄化する排気浄化用の触媒18が設けられている。この触媒18は、理論空燃比近傍での燃焼が行われている状態において、排気中のHCやCOを酸化するとともに同排気中のNOxを還元して排気を浄化する作用を有している。また、この触媒18は、酸素を吸蔵する機能、いわゆる酸素ストレージ作用を有している。より具体的には、燃焼室に導入される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであって、これにより同触媒18が酸化雰囲気に曝される場合には排気中の酸素が吸蔵される一方、燃焼室に導入される混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであって、これにより同触媒18が還元雰囲気に曝される場合には、吸蔵された酸素が放出される。こうした作用を有する触媒18にあって、吸蔵可能な最大酸素吸蔵量Cmaxは、同触媒18の劣化度合Rが大きくなるにつれて少なくなっていく。
触媒18の上流側には、該触媒18の上流側における酸素濃度を検出する空燃比センサ19が設けられている。また、触媒18の下流側には、該触媒18の下流側における酸素濃度を検出する酸素センサ20が設けられている。
この空燃比センサ19は、周知の限界電流式酸素センサである。この限界電流式酸素センサは、濃淡電池式酸素センサの検出部に拡散律速層と呼ばれるセラミック層を備えることにより排気中の酸素濃度に応じた出力電流が得られるセンサであり、排気中の酸素濃度と密接な関係にある空燃比が理論空燃比である場合には、その出力電流は「0」になる。また、空燃比がリッチになるにつれて出力電流は負の方向に大きくなり、空燃比がリーンになるにつれて出力電流は正の方向に大きくなる。従って、この空燃比センサ19の出力に基づき、混合気のリーン度合やリッチ度合を検出することができる。
また、酸素センサ20は、周知の濃淡電池式の酸素センサである。この濃淡電池式酸素センサの出力特性は、空燃比が理論空燃比よりもリッチのときには約1V程度の出力が得られ、空燃比が理論空燃比よりもリーンのときには約0V程度の出力が得られる。また、理論空燃比近傍においてその出力電圧は大きく変化するようになっている。従って、この酸素センサ20の出力に基づき、混合気の空燃比がリーンとなっているかリッチとなっているかを検出することができる。
上記触媒18は、燃焼される混合気の空燃比が理論空燃比近傍の狭い範囲(ウインドウ)でのみ、排気中の主要有害成分(HC、CO、NOx)のすべてを酸化還元反応により効率的に浄化する。そうした触媒18を有効に機能させるには、混合気の空燃比を上記ウインドウの中心に合わせこむべく、厳密な空燃比制御が必要となる。
そうした空燃比の制御等、内燃機関10の各種制御は電子制御装置50により行われる。電子制御装置50には、上記エアフロメータ16や上記空燃比センサ19、酸素センサ20、アクセルペダルの操作量(アクセル操作量ACCP)を検出するアクセルセンサ21、機関回転速度NEを検出する回転速度センサ22、冷却水温THWを検出する水温センサ23等、各種センサの検出信号が入力される。そして、それら各種センサの検出信号によって把握される内燃機関10及び車両の運転状況に応じて、上記スロットルバルブ15やインジェクタ17等の駆動を制御して、上述したような空燃比の制御を行っている。そうした電子制御装置50による空燃比制御の概要は次の通りである。
まず電子制御装置50は、上記アクセルペダルの操作量や機関回転速度NEの検出結果に応じて把握される吸入空気量の要求量を求め、それに応じた吸入空気量が得られるようにスロットルバルブ15の開度を調整する。その一方、エアフロメータ16により検出される吸入空気量の実測値に対して、理論空燃比が得られるだけの燃料量を求めてインジェクタ17からの燃料噴射量を調整する。これにより、燃焼室で燃焼される混合気の空燃比を、ある程度理論空燃比に近づけることはできる。ただし、それだけでは上記要求される高精度の空燃比制御には不十分である。
そこで、電子制御装置50は、上記空燃比センサ19の検出結果から混合気の実際の空燃比を把握し、この実際の空燃比と目標空燃比TAF(通常は理論空燃比)との乖離度合に基づいて算出される空燃比フィードバック補正量に基づいて、インジェクタ17の燃料噴射量をフィードバック補正している。この空燃比フィードバック制御により、空燃比制御に対する要求精度が確保される。
また、電子制御装置50は、上記酸素センサ20の検出結果に基づいて上記空燃比フィードバック補正量に対する修正を行う。この修正処理では、酸素センサ20の出力に基づいて算出されるサブフィードバック補正量が増減補正され、同サブフィードバック補正量によって上記空燃比フィードバック補正量は修正される。具体的には、酸素センサ20の出力がリッチを示している間は、空燃比が少しずつリーン側に近づいていくように、サブフィードバック補正量は一定量ずつマイナス側に増大される。一方、酸素センサ20の出力がリーンを示している間は、空燃比が少しずつリッチ側に近づいていくように、サブフィードバック補正量は一定量ずつプラス側に増大される。このようなサブフィードバック制御により、触媒18の浄化作用がさらに有効に活用される。
ここで、触媒18の劣化が進行すると、たとえ空燃比制御を適切に行っても排気の浄化は十分に行われなくなる。そこで本実施形態では、以下のような態様で触媒18の最大酸素吸蔵量Cmaxを算出し、同最大酸素吸蔵量Cmaxに基づいて触媒18の劣化度合Rを推定するようにしている。
本実施形態では、次のようなアクティブ制御を通じて触媒18の最大酸素吸蔵量Cmaxを求めるようにしている。このアクティブ制御では、酸素センサ20の出力が反転する毎に、前記目標空燃比TAFがリッチからリーンへ、またはリーンからリッチへと反転される。なお、以下では、触媒18上流側の酸素濃度を便宜上、上流側空燃比といい、触媒18下流側の酸素濃度を便宜上、下流側空燃比という。また、排気中の酸素濃度が理論空燃比における酸素濃度(理論空燃比の混合気が燃焼されたときの排気中の酸素濃度)よりも高い場合には排気の空燃比が「リーン」といい、排気中の酸素濃度が理論空燃比における酸素濃度よりも低い場合には、排気の空燃比が「リッチ」という。
図2は、上記アクティブ制御が実行されるときの目標空燃比TAF、酸素センサ20により検出された触媒18の下流側空燃比RAF、及び酸素吸蔵量Cの変化態様をそれぞれ示している。
同図2に示されるように、時刻t1において、酸素センサ20の出力がリーンを示しているときにアクティブ制御が開始されると、目標空燃比TAFは理論空燃比からリッチ側に変更される。このように目標空燃比TAFがリッチ側に強制変更されると燃料噴射量が増量され、その結果、触媒18の上流側空燃比はリッチになる。
触媒18の上流側空燃比が理論空燃比よりもリッチになっている間、触媒18からは酸素が放出され、酸素吸蔵量Cは減少していく。こうした酸素の放出により、酸素センサ20により検出される触媒18の下流側空燃比RAFはリーンとなる。そして、触媒18に吸蔵されていた酸素が全て放出されると、リッチ化されている排気に触媒18からの酸素が供給されなくなるため、下流側空燃比RAFはリッチに反転する(時刻t2)。このような酸素センサ20の出力反転によって、触媒18に吸蔵されていた酸素が全て放出されたことがわかる。
時刻t2において、酸素センサ20の出力がリーンからリッチに反転すると、目標空燃比TAFは理論空燃比よりもリーン側に変更される。このように目標空燃比TAFがリーン側に強制変更されると燃料噴射量が減量され、その結果、触媒18の上流側空燃比はリーンになる。
触媒18の上流側空燃比が理論空燃比よりもリーンになっている間、触媒18は酸素を吸蔵し、酸素吸蔵量Cは増加していく。こうした酸素の吸蔵により、酸素センサ20により検出される触媒18の下流側空燃比RAFはリッチになる。そして、触媒18による酸素の吸蔵が限界に達すると、リーン化されている排気中の酸素が触媒18に吸蔵されなくなるため、下流側空燃比RAFはリーンに反転する(時刻t3)。このような酸素センサ20の出力反転によって、触媒18の酸素吸蔵量が限界量、すなわち最大酸素吸蔵量Cmaxに達したことがわかる。
時刻t3において、酸素センサ20の出力がリッチからリーンに反転すると、目標空燃比TAFは再び理論空燃比よりもリッチ側に変更される。
触媒18の上流側空燃比が理論空燃比よりもリッチになっている間、触媒18からは酸素が放出され、酸素吸蔵量Cは減少していく。こうした酸素の放出により、酸素センサ20により検出される触媒18の下流側空燃比RAFはリーンとなる。そして、触媒18に吸蔵されていた酸素が全て放出されると、リッチ化されている排気に触媒18からの酸素が供給されなくなるため、下流側空燃比RAFはリッチに反転する(時刻t4)。このような酸素センサ20の出力反転によって、触媒18に吸蔵されていた酸素が全て放出されたことがわかる。
触媒18の上流側空燃比が理論空燃比よりもリッチになっている間、触媒18からは酸素が放出され、酸素吸蔵量Cは減少していく。こうした酸素の放出により、酸素センサ20により検出される触媒18の下流側空燃比RAFはリーンとなる。そして、触媒18に吸蔵されていた酸素が全て放出されると、リッチ化されている排気に触媒18からの酸素が供給されなくなるため、下流側空燃比RAFはリッチに反転する(時刻t4)。このような酸素センサ20の出力反転によって、触媒18に吸蔵されていた酸素が全て放出されたことがわかる。
このようにアクティブ制御の実行中では、触媒18の下流側空燃比RAFに基づいて触媒18の上流側空燃比が強制変更される。そしてこの強制変更に伴う下流側空燃比RAFの変化態様に基づき、触媒18に吸蔵された酸素が全て放出された状態や、触媒18の酸素吸蔵量が限界量に達した状態を把握することができる。そこで、触媒18の上流側空燃比がリーンであり、かつ触媒18の下流側空燃比RAFがリッチである期間に触媒18へ流入した酸素の量を積算すれば、触媒18に吸蔵可能な最大酸素吸蔵量Cmaxを算出することができる。他方、触媒18の上流側空燃比がリッチであり、かつ触媒18の下流側空燃比RAFがリーンである期間に触媒18へ流入した排気の酸素不足量を積算すれば、触媒18から放出された酸素の総量を算出することができる。なお、触媒18から放出される酸素は、もともと触媒18に吸蔵されていた酸素であるため、その放出された酸素の総量も、実質的に上記最大酸素吸蔵量Cmaxを示す値となる。
図3は、最大酸素吸蔵量Cmaxの算出処理についてその手順を示している。なお、この処理は上記アクティブ制御が実行されているときに、上記電子制御装置50によって所定の実行周期毎に繰り返し実施される。
本処理が開始されると、まず、吸蔵量積算フラグFLが「0」であるか否かが判定される(S100)。この吸蔵量積算フラグFLは、その初期値には「0」が設定されており、酸素吸蔵量Cの積算が開始されると「1」に設定される。
そして、吸蔵量積算フラグFLが「0」である場合には(S100:YES)、前記目標空燃比TAFが切り替わったか否か、具体的にはリッチからリーンに切り替わったか否かが判断される(ステップS110)。 そして、目標空燃比TAFが切り替わっていない旨判断される場合には(ステップS110:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、目標空燃比TAFが切り替わった旨判断される場合、すなわち先の図2における時刻t2の状態であると判断される場合には(ステップS110:YES)、吸蔵量積算フラグFLの値が「1」に設定され(S120)、次式(1)に基づいて酸素吸蔵量Cが積算される(S130)。
今回の酸素吸蔵量C=前回の酸素吸蔵量C
+0.23×ΔA/F×燃料噴射量Q …(1)
ここで、「今回の酸素吸蔵量C」とは、今回の実行周期で算出される最新の酸素吸蔵量Cであり、「前回の酸素吸蔵量C」とは、前回の実行周期で算出された酸素吸蔵量Cである。また、「0.23」は空気中の酸素の割合であり、「ΔA/F」は空燃比センサ19によって検出された空燃比から理論空燃比を減じた値である。また、「燃料噴射量Q」は、本処理とは別に実行される燃料噴射制御において設定される値であり、本処理実行時に内燃機関10に供給された燃料量である。
上記式(1)において、「ΔA/F×燃料噴射量Q」で得られる値は、本処理の実行周期の間に触媒18に流入した未燃焼の空気量に相当する値であり、これに「0.23」を乗じた値は未燃焼の酸素量に相当する。この未燃焼の酸素が触媒18に吸蔵されるため、その未燃焼の酸素量を前回の実行周期における酸素吸蔵量Cに加算する上記式(1)によれば、今回の実行周期における最新の酸素吸蔵量Cが算出される。
次に、触媒18の下流側空燃比RAFが反転したか否か、より具体的にはリッチからリーンに反転したか否かが判断される(ステップS140)。そして、下流側空燃比RAFが反転していない旨判断される場合には(ステップS140:NO)、本処理は一旦終了される。このように下流側空燃比RAFが反転していない旨判断された後に、本処理が再び実行される場合には、吸蔵量積算フラグFLが「1」に設定されていることから、先のステップS100にて否定判定がなされ、ステップS130以降の処理が実行される。すなわち、下流側空燃比RAFが反転するまで、酸素吸蔵量Cの積算が繰り返し行われる。
一方、下流側空燃比RAFが反転したと判断される場合、すなわち先の図2における時刻t3の状態であると判断される場合には(ステップS140:YES)、現時点での酸素吸蔵量Cの積算値が触媒18の最大酸素吸蔵量Cmaxとして設定される(S150)。
そして、吸蔵量積算フラグFLの値が「0」に戻されて(S160)、本処理は一旦終了される。
なお、本実施形態では、触媒18の酸素吸蔵量を積算するようにしているが、触媒18からの酸素放出量を積算して最大酸素吸蔵量Cmaxを求めるようにしてもよい。また、酸素吸蔵量及び酸素放出量からそれぞれ求められる最大酸素吸蔵量Cmaxの平均値を最終的な最大酸素吸蔵量Cmaxとするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、触媒18の酸素吸蔵量を積算するようにしているが、触媒18からの酸素放出量を積算して最大酸素吸蔵量Cmaxを求めるようにしてもよい。また、酸素吸蔵量及び酸素放出量からそれぞれ求められる最大酸素吸蔵量Cmaxの平均値を最終的な最大酸素吸蔵量Cmaxとするようにしてもよい。
こうして最大酸素吸蔵量Cmaxが算出されると、電子制御装置50は、同最大酸素吸蔵量Cmaxに基づいて触媒18の劣化度合Rを推定する。すなわち、最大酸素吸蔵量Cmaxが小さくなるほど、触媒18の劣化度合Rが大きいと推定する。
ところで、混合気の空燃比は上記空燃比制御によって厳密に制御されているのであるが、機関運転状態の変化等による空燃比の乱れ、あるいは車両の加速時等における燃料増量処理の実行などによって同空燃比はリッチ化(空燃比が理論空燃比よりもリッチ側にずれること)されてしまうことがある。このように混合気の空燃比がリッチ化されると、排気中の酸素濃度が低下して触媒18は還元雰囲気に曝され、同触媒18から機関燃料の硫黄成分に起因した硫化水素が発生することがある。
車両走行中であれば、排気の拡散とともにこの硫化水素も拡散されるのであるが、車両停止時などの機関アイドル時においては、同硫化水素が拡散されにくいため、同硫化水素による排気臭が顕著となり、車両の乗員等に不快感を与えてしまうことがある。特に、加速時の燃料増量が行われた後のアイドル時では、その燃料増量による混合気のリッチ化及び排気温度の上昇によって硫化水素が発生しやすくなり、排気臭はさらに顕著になる。
そこで、本実施形態では、混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行して触媒18を酸化雰囲気に曝すことで、そうした排気臭の発生を抑えるようにしている。
ここで、硫化水素の発生量は常に一定ではなく変化するため、同発生量が少ないときには、多いときと比較して、空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を短くしても十分に排気臭を抑えることができる。
ここで、硫化水素の発生量は常に一定ではなく変化するため、同発生量が少ないときには、多いときと比較して、空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を短くしても十分に排気臭を抑えることができる。
一方、こうした硫化水素の発生量を考慮することなく、排気臭抑制制御を実行するようにすると、場合によっては排気臭が十分に抑えられた後でも空燃比のリーン化が継続して行われ、これにより、例えば不必要にNOx発生量が増大したり、触媒の劣化が進行したりする等といった問題が生じてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、排気臭抑制制御の実行に際して、さらに、同排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を硫化水素の発生量に応じて可変設定するようにしており、これにより空燃比をリーン化させる同排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定するようにしている。
図4に、本実施形態における排気臭抑制処理の処理手順を示す。なお、本処理は、上述したような加速時の燃料増量が行われた後において、電子制御装置50により所定期間毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、機関運転状態がアイドル運転時であるか否かが判定される(S200)。そしてアイドル運転時ではない場合には(S200:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、アイドル運転時である場合には(S200:YES)、上記最大酸素吸蔵量Cmaxから推定される触媒18の劣化度合Rに基づき、空燃比をリーン化させる強制リーン時間LT、すなわち上記排気臭抑制期間が設定される(S210)。ここでは、図5に示すように、劣化度合Rが大きくなるほど、強制リーン時間LTは短くなるように設定される。このように劣化度合Rに基づいて強制リーン時間LTを設定する理由は以下による。
内燃機関10の燃料に含まれる硫黄成分は、混合気の空燃比がリーンになっており排気の酸素濃度が高くなっているときには前記触媒18に吸着される。そして、同空燃比がリッチになり排気の酸素濃度が低くなると、触媒18に吸着された硫黄成分から硫化水素が生成され、これが排気臭となる。
ここで、触媒18の劣化度合Rが大きくなるほど触媒の酸化能力が低下して硫黄成分の吸着量が減少するため、この吸着された硫黄成分から生成される硫化水素の発生量も減少する。また、同劣化度合Rが大きくなるほど触媒18の還元能力は低下して、吸着された硫黄成分を硫化水素に変化させる作用も弱くなり、これによっても硫化水素の発生量は減少する。
このように硫化水素の発生量と触媒18の劣化度合Rとは密接な関係にあり、劣化度合Rに基づいて排気臭抑制制御の実行期間を設定する、より具体的には、上述したように劣化度合Rが大きくなるほど強制リーン時間LTが短くなるように設定すれば、排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することができるようになり、ひいては上述したような空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、触媒の劣化進行等を抑えることができるようになる。
なお、触媒18の劣化度合Rが小さい領域では、触媒18の劣化に伴って硫化水素の発生量が減少しても、乗員にはそうした発生量の減少が感じられず、依然として排気臭が顕著であると認識されてしまうおそれがある。そこで、先の図5に示されるように、本実施形態では、劣化度合Rが小さい領域では強制リーン時間LTを一定とし、同劣化度合Rがある程度大きくなると、劣化度合Rの増大に伴って強制リーン時間LTを短くするようにしているが、そうした強制リーン時間LTを一定とする領域は必ずしも設けなくてもよい。すなわち、強制リーン時間LTは、劣化度合Rの増大に伴って順次短くなるように設定してもよい。
こうして、強制リーン時間LTが設定されると、排気臭抑制制御が実行される(S220)。ここでは、前記目標空燃比TAFが理論空燃比よりもリーン側の値に変更される。こうした空燃比の強制リーン化によって排気中の酸素濃度は増大され、触媒18が酸化雰囲気に曝されることにより、排気臭の発生が抑えられる。
次に、その排気臭抑制制御が開始されてから前記設定された強制リーン時間LTが経過したか否かが判定され(S230)、強制リーン時間LTが経過していない場合には(S230:NO)、このステップS230での判定処理が繰り返し行われるとともに、排気臭抑制制御は継続して実行される。
一方、強制リーン時間LTが経過すると(S230:YES)、排気臭抑制制御は中止される(S240)。すなわち上記空燃比の強制リーン化が中止されて、本処理は一旦終了される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行する際に、同排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしている。より具体的には、同排気臭抑制期間を劣化度合Rが大きくなるほど短くなるように設定しており、排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、空燃比をリーン化させる同排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することができるようになり、ひいては空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等を抑えることができるようになる。
(1)混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行する際に、同排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしている。より具体的には、同排気臭抑制期間を劣化度合Rが大きくなるほど短くなるように設定しており、排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、空燃比をリーン化させる同排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することができるようになり、ひいては空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等を抑えることができるようになる。
(2)前記排気臭抑制期間として、排気臭抑制制御の実行時間(強制リーン時間LT)を設定するようにしており、その実行時間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしている。このように、同劣化度合Rに基づいて排気臭抑制制御の実行時間が設定されることにより、排気臭抑制制御が実施される前記排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに応じて好適に可変設定することができるようになる。
(3)前記排気臭抑制制御として、機関のアイドル運転時における目標空燃比TAFを理論空燃比よりもリーン側に設定するようにしており、これにより空燃比を確実にリーン化させることができる。また、アイドル運転時における目標空燃比TAFをリーン側に設定するようにしているため、機関のアイドル運転時に顕著となる触媒18からの排気臭を抑えることができるようになる。
(4)加速時の燃料増量が行われた後のアイドル運転時に前記排気臭抑制制御を実行するようにしている。従って、そうした加速時の燃料増量が行われた後にさらに顕著となる排気臭の発生を好適に抑えることができるようになる。
(5)触媒18の前記劣化度合Rを、触媒18の最大酸素吸蔵量Cmaxに基づいて推定するようにしており、同劣化度合Rを好適に推定することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・アイドル運転時の機関目標回転速度を予め設定された補正量αの分だけ増大させるなどして、排気臭抑制制御の実行時におけるアイドル回転速度を、同排気臭抑制制御の非実行時に比して増大させるようにしてもよい。この場合には、アイドル運転時にあって空燃比のリーン化が行われるときには、同リーン化が行われないときと比較して、排気流量が増大するようになるため、酸素濃度が増大された排気は速やかに触媒18に到達するようになり、より早期に触媒18は酸化雰囲気に曝されるようになる。従って、機関のアイドル運転時において顕著となる排気臭をより早期に抑制することができるようになる。また、こうしたアイドル回転速度の増大は、前記排気臭抑制制御の実行に合わせて行われるのであるが、その排気臭抑制制御の実行期間は硫化水素の発生量に応じて可変設定されるため、同アイドル回転速度の増大も硫化水素の発生量に応じて可変設定される。従って、不要なアイドル回転速度の増大を抑えることができ、もって燃料消費量の悪化等も好適に抑制することができる。
・上述したように、混合気の空燃比は、加速時の燃料増量のみならず機関運転状態の変化等による空燃比の乱れ等によってもリッチ化されてしまうことがある。従って、上記実施形態では、加速時の燃料増量が行われた後に上記排気臭抑制処理を実行するようにしたが、そのような加速時の燃料増量が行われていない場合においても上記排気臭抑制処理を実行するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の排気臭抑制装置を具体化した第2の実施形態について、図6及び図7を併せ参照して説明する。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の排気臭抑制装置を具体化した第2の実施形態について、図6及び図7を併せ参照して説明する。
本実施形態と第1の実施形態とは、上記排気臭抑制処理が実行される機関運転状態、及びその実行態様が異なっており、その他の点ついては基本的に同一である。そこで、以下では第1の実施形態との相異点を中心に、本実施形態にかかる排気臭抑制装置を説明する。
周知のように、車両の減速時には、燃料消費量を抑えるために、燃料噴射を一時的に停止する減速時燃料カットが行われる。
一方、触媒18は、酸素濃度の高い高温下、すなわち高温の酸化雰囲気において劣化することが知られている。こうした触媒18の高温劣化を抑えるために、前記電子制御装置50は、車両の減速時であっても同触媒18の温度が過度に高い場合には、減速時燃料カットの実行を禁止するといった劣化抑制制御を行う。こうした劣化抑制制御が実行されると、車両の減速時であっても燃料噴射が行われるため、高温状態の触媒18が酸化雰囲気に曝されるといったことがなく、もって同触媒18の高温劣化が抑えられる。
一方、触媒18は、酸素濃度の高い高温下、すなわち高温の酸化雰囲気において劣化することが知られている。こうした触媒18の高温劣化を抑えるために、前記電子制御装置50は、車両の減速時であっても同触媒18の温度が過度に高い場合には、減速時燃料カットの実行を禁止するといった劣化抑制制御を行う。こうした劣化抑制制御が実行されると、車両の減速時であっても燃料噴射が行われるため、高温状態の触媒18が酸化雰囲気に曝されるといったことがなく、もって同触媒18の高温劣化が抑えられる。
他方、そうした劣化抑制制御が行われるとき(減速時燃料カットの実行が禁止されるとき)には、触媒18の温度が高くなっており、同触媒18に吸着された硫黄成分から硫化水素が生成されやすくなっている。特に、加速時の燃料増量が行われた後の減速時燃料カット禁止中には、その燃料増量による混合気のリッチ化及び排気温度の上昇によって硫化水素が発生しやすくなっており、排気臭がさらに顕著になる。そこで、本実施形態では、排気臭抑制装置による排気臭抑制制御として、減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うようにしており、この強制燃料カットの実行により空燃比を極度にリーン化して排気臭を確実に抑えるようにしている。
なお、このように減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うようにすれば、車両の減速完了時においてアイドル運転状態になったとしても、未然に排気臭を抑えておくことができる。従って、アイドル運転時において前述したような空燃比のリーン化を実施することなく排気臭を抑えることができ、もって空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等も抑えることができる。
ところで、減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行う場合には、その燃料カットの実行期間中、触媒18は酸化雰囲気に曝される。そのため、燃料カットの実行期間が過度に長く設定されると、触媒の高温劣化が進行してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態でも、排気臭抑制制御の実行に際して、さらに、同排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を硫化水素の発生量に応じて可変設定するようにしており、これにより空燃比をリーン化させる同排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定するようにしている。
図6に、本実施形態における排気臭抑制処理の処理手順を示す。なお、本処理は、上述したような加速時の燃料増量が行われた後において、電子制御装置50により所定期間毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとまず、触媒18の劣化抑制制御が実行されているか否か、すなわち上述したような減速時燃料カットの禁止処理が行われているか否かが判定される(S300)。そして劣化抑制制御が行われていない場合には(S300:NO)、本処理は一旦終了される。
一方、劣化抑制制御が行われている場合には(S300:YES)、前記最大酸素吸蔵量Cmaxから推定される触媒18の劣化度合Rに基づき、燃料カット時間FCTが、すなわち排気臭抑制期間が設定される(S310)。ここでは、図7に示すように、劣化度合Rが大きくなるほど、燃料カット時間FCTは短くなるように設定される。
このように劣化度合Rに基づいて燃料カット時間FCTを設定する理由は、前記第1の実施形態において、劣化度合Rに基づき強制リーン時間LTを設定する理由と同様である。即ち、硫化水素の発生量と触媒18の劣化度合Rとは密接な関係にあり、劣化度合Rに基づいて排気臭抑制制御の実行期間を設定する、より具体的には、上述したように劣化度合Rが大きくなるほど燃料カット時間FCTが短くなるように設定すれば、排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、排気臭抑制制御の実行期間、すなわち燃料カットの実行期間を適切に設定することができ、もって排気臭の抑制を図りつつ、触媒の高温劣化も極力抑えることができるようになる。
なお、図7に示す燃料カット時間FCTの設定に際しても、先の図5に示した強制リーン時間LTの設定態様と同様な理由により、劣化度合Rが小さい領域では燃料カット時間FCTを一定とし、同劣化度合Rがある程度大きくなると、劣化度合Rの増大に伴って燃料カット時間FCTを短くするようにしている。このように燃料カット時間FCTを一定とする領域は、先の強制リーン時間LTを一定とする領域同様、必ずしも設けなくてもよい。すなわち、燃料カット時間FCTは、劣化度合Rの増大に伴って順次短くなるように設定してもよい。
こうして、燃料カット時間FCTが設定されると、排気臭抑制制御が実行される(S320)。ここでは、上述したように劣化抑制制御の実行中、すなわち減速時燃料カットの実行禁止中において、強制的に燃料カットが実行される。こうした燃料カットの実行により排気中の酸素濃度は増大され、触媒18が酸化雰囲気に曝されることにより、排気臭の発生が抑えられる。
次に、その排気臭抑制制御が開始されてから前記設定された燃料カット時間FCTが経過したか否かが判定され(S330)、燃料カット時間FCTが経過していない場合には(S330:NO)、このステップS330での判定処理が繰り返し行われるとともに、排気臭抑制制御は継続して実行される。
一方、燃料カット時間FCTが経過すると(S330:YES)、排気臭抑制制御は中止される(S340)。すなわち燃料カットの実行が中止されて、本処理は一旦終了される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行する際に、同排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしている。より具体的には、同排気臭抑制期間を劣化度合Rが大きくなるほど短くなるように設定しており、排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、空燃比をリーン化させる同排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することができるようになり、ひいては空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等を抑えることができるようになる。
(1)混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実行する際に、同排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしている。より具体的には、同排気臭抑制期間を劣化度合Rが大きくなるほど短くなるように設定しており、排気臭抑制制御の実行期間を硫化水素の発生量に応じて設定することができるようになる。従って、空燃比をリーン化させる同排気臭抑制制御の実行期間を適切に設定することができるようになり、ひいては空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等を抑えることができるようになる。
(2)前記排気臭抑制期間として、排気臭抑制制御の実行時間(燃料カット時間FCT)を設定するようにしており、その実行時間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしている。このように、同劣化度合Rに基づいて排気臭抑制制御の実行時間が設定されることにより、排気臭抑制制御が実施される前記排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに応じて好適に可変設定することができるようになる。
(3)前記排気臭抑制制御として、触媒18の高温劣化を抑えるための減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うようにしている。このように減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うと、その燃料カットの実行期間中、触媒18は酸化雰囲気に曝されるため、燃料カットの実行期間が過度に長く設定されると、触媒18の高温劣化が進行してしまうおそれがある。この点、本実施形態における排気臭抑制装置によれば、排気臭抑制制御の実行期間、すなわち燃料カットの実行期間が適切に設定されるため、排気臭の抑制を図りつつ、触媒18の高温劣化も極力抑えることができるようになる。
また、このように減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行うようにすれば、車両の減速完了時においてアイドル運転状態になったとしても、未然に排気臭を抑えておくことができる。従って、第1の実施形態で説明したような空燃比のリーン化をアイドル運転時において実施することなく排気臭を抑えることができ、もって空燃比のリーン化による不必要なNOx発生量の増大や、空燃比のリーン化による不必要な触媒の劣化進行等も抑えることができる。
(4)加速時の燃料増量が行われた後の減速時燃料カット禁止中に前記排気臭抑制制御を実行するようにしている。従って、そうした加速時の燃料増量が行われた後にさらに顕著となる排気臭の発生を好適に抑えることができるようになる。
(5)触媒18の前記劣化度合Rを、触媒18の最大酸素吸蔵量Cmaxに基づいて推定するようにしており、同劣化度合Rを好適に推定することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
なお、本実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記排気臭抑制制御では、減速時燃料カット禁止中において燃料カットを実行するために、減速時燃料カットの実行禁止中であっても強制的に燃料カットの実行を優先させるようにした。この他、排気臭抑制制御として、減速時燃料カットの実行禁止を一時的に解除するなどして、車両減速中に燃料カットを実行するようにしてもよい。この場合には、その解除期間を劣化度合Rに応じて設定する、より具体的には劣化度合Rが大きくなるほど、同解除期間が短くなるように設定することにより、劣化度合Rが大きくなるほど燃料カットの実行期間は短くなり、上記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
・前述したように、混合気の空燃比は、加速時の燃料増量のみならず機関運転状態の変化等による空燃比の乱れ等によってもリッチ化されてしまうことがある。従って、上記実施形態では、加速時の燃料増量が行われた後に上記排気臭抑制処理を実行するようにしたが、そのような加速時の燃料増量が行われていない場合においても上記排気臭抑制処理を実行するようにしてもよい。
また、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間とは、同排気臭抑制制御の実行時間(強制リーン時間LTや燃料カット時間FCT)であり、その実行時間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにした。この他、排気臭抑制制御によって空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が所定の判定値Aを超えるまでの期間を、同排気臭抑制期間として定義し、その判定値Aを触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしてもよい。この場合には、空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が判定値Aを超えるまで、換言すれば、酸素濃度の増大された排気が触媒18に所定量供給されるまで排気臭抑制制御が実施され、同判定値Aを小さくするほど、排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間は短くなる。従って、こうした態様で排気臭抑制期間を設定するとともに前記判定値Aを触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしても、排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに応じて好適に可変設定することができるようになる。
・排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間とは、同排気臭抑制制御の実行時間(強制リーン時間LTや燃料カット時間FCT)であり、その実行時間を触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにした。この他、排気臭抑制制御によって空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が所定の判定値Aを超えるまでの期間を、同排気臭抑制期間として定義し、その判定値Aを触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしてもよい。この場合には、空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が判定値Aを超えるまで、換言すれば、酸素濃度の増大された排気が触媒18に所定量供給されるまで排気臭抑制制御が実施され、同判定値Aを小さくするほど、排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間は短くなる。従って、こうした態様で排気臭抑制期間を設定するとともに前記判定値Aを触媒18の劣化度合Rに基づいて設定するようにしても、排気臭抑制期間を触媒18の劣化度合Rに応じて好適に可変設定することができるようになる。
・触媒18の劣化度合Rを最大酸素吸蔵量Cmaxに基づいて推定するようにしたが、この他の態様で劣化度合Rを推定するようにしてもよい。
例えば、図8に示すように、触媒18の上流側空燃比がリーン及びリッチに周期的に変動する場合にあって、触媒18が劣化していなければ、触媒18の下流側空燃比の変動周期は上流側空燃比の変動周期よりも緩やかになる。一方、触媒18が劣化していると、上述したような酸素ストレージ作用が低下するため、触媒18の下流側空燃比の変動周期は上流側空燃比の変動周期に近づくようになり、同触媒18の劣化が進行するほど下流側空燃比の変動周期は短くなる。こうした下流側空燃比の変動周期自体は、酸素センサ20の出力値の軌跡長を求めることにより把握することができ、触媒18の劣化度合Rが大きくなると同軌跡長は長くなる。そこで、触媒18の下流側に設けられた酸素センサ20の出力値の軌跡長に基づいて劣化度合Rを推定するようにしてもよい。
例えば、図8に示すように、触媒18の上流側空燃比がリーン及びリッチに周期的に変動する場合にあって、触媒18が劣化していなければ、触媒18の下流側空燃比の変動周期は上流側空燃比の変動周期よりも緩やかになる。一方、触媒18が劣化していると、上述したような酸素ストレージ作用が低下するため、触媒18の下流側空燃比の変動周期は上流側空燃比の変動周期に近づくようになり、同触媒18の劣化が進行するほど下流側空燃比の変動周期は短くなる。こうした下流側空燃比の変動周期自体は、酸素センサ20の出力値の軌跡長を求めることにより把握することができ、触媒18の劣化度合Rが大きくなると同軌跡長は長くなる。そこで、触媒18の下流側に設けられた酸素センサ20の出力値の軌跡長に基づいて劣化度合Rを推定するようにしてもよい。
なお、簡易的には酸素センサ20の出力値の軌跡長に基づき、触媒18の劣化度合Rは推定可能であるが、触媒18の上流側空燃比の変動周期が変化すると、それが下流側空燃比の変動周期にも影響を与えることがあり、この場合には触媒18の劣化度合Rが酸素センサ20の出力値の軌跡長に適切に反映されなくなる。そこで、触媒18の上流側に設けられた空燃比センサ19の出力値の軌跡長も算出し、この空燃比センサ19の出力値の軌跡長と酸素センサ20の出力値の軌跡長との比を求め、この比に基づいて劣化度合Rを推定するようにすれば、さらに精度よく劣化度合Rを推定することができる。
また、車両の走行距離が長くなるにつれて、触媒18の劣化度合Rは大きくなる傾向にあるため、内燃機関10が搭載された車両の走行距離に基づいて劣化度合Rを推定するようにしてもよい。
・排気臭抑制制御の実行時間(強制リーン時間LTや燃料カット時間FCT)や上記判定値Aを最大酸素吸蔵量Cmaxや、上述したような軌跡長、あるいは車両の走行距離に基づいて直接設定するようにしてもよい。
・上述した空燃比センサ19及び酸素センサ20は、排気の酸素濃度、ひいては混合気の空燃比を検出することのできるセンサであればよい。従って空燃比センサ19を空燃比のリッチあるいはリーンのみを検出することのできる酸素センサに変更することもできる。また、酸素センサ20を空燃比の度合(リッチ度合やリーン度合)に応じた出力がリニアに得られる空燃比センサに変更することもできる。
10…内燃機関、11…吸気通路、13…排気通路、14…エアクリーナ、15…スロットルバルブ、16…エアフロメータ、17…インジェクタ、18…触媒、19…空燃比センサ、20…酸素センサ、21…アクセルセンサ、22…回転速度センサ、23…水温センサ、50…電子制御装置。
Claims (12)
- 排気通路に設けられた触媒からの排気臭を抑制する内燃機関の排気臭抑制装置であって、
混合気の空燃比をリーン化させる排気臭抑制制御を実施する抑制手段と、
前記排気臭抑制制御が実施される排気臭抑制期間を前記触媒の劣化度合に基づいて設定する設定手段とを備える
ことを特徴とする内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記排気臭抑制期間は、前記劣化度合が大きくなるほど短くなるように設定される
請求項1に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記排気臭抑制期間とは、前記排気臭抑制制御の実行時間であり、
前記設定手段は、前記劣化度合に基づいて前記実行時間を設定する
請求項1または2項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記排気臭抑制期間とは、空燃比がリーン化されてからの総吸入空気量が所定の判定値を超えるまでの期間であり、
前記設定手段は、前記劣化度合に基づいて前記判定値を設定する
請求項1または2に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記抑制手段は、前記排気臭抑制制御として機関のアイドル運転時における目標空燃比を理論空燃比よりもリーン側に設定する
請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記排気臭抑制制御の実行時におけるアイドル回転速度を、同排気臭抑制制御の非実行時に比して増大させる増大手段をさらに備える
請求項5に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記抑制手段は、加速時の燃料増量が行われた後のアイドル運転時に前記排気臭抑制制御を実行する
請求項5または6に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記抑制手段は、前記排気臭抑制制御として、前記触媒の高温劣化を抑えるための減速時燃料カット禁止中において強制的に燃料カットを行う
請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記抑制手段は、加速時の燃料増量が行われた後の前記減速時燃料カット禁止中に前記排気臭抑制制御を実行する
請求項8に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記劣化度合は、前記触媒の最大酸素吸蔵量に基づいて推定される
請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記劣化度合は、前記触媒の下流側に設けられた酸素センサの出力値の軌跡長に基づいて推定される
請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。 - 前記劣化度合は、当該内燃機関が搭載された車両の走行距離に基づいて推定される
請求項1〜9のいずれか1項に記載の内燃機関の排気臭抑制装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005270210A JP2007077961A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 内燃機関の排気臭抑制装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005270210A JP2007077961A (ja) | 2005-09-16 | 2005-09-16 | 内燃機関の排気臭抑制装置 |
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JP (1) | JP2007077961A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016121591A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-07-07 | 三菱自動車工業株式会社 | 酸素濃度センサの故障判定装置 |
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2005
- 2005-09-16 JP JP2005270210A patent/JP2007077961A/ja active Pending
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