JP4349590B2 - 電話機およびプログラム - Google Patents

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本発明は、電話機およびプログラムに関する。
従来、話者認識技術の応用として、例えば特許文献1に示されるような電話応答支援装置/方法が提案されている。特許文献1の電話応答支援装置/方法は、企業や団体の電話受付業務において、対話の相手を容易に特定することが可能となるように、受信した音声データから発呼者を識別するとともに、音声データの内容を認識して、それらの情報から対話の相手を決定するというものである。このような特許文献1の電話応答支援装置/方法における音声データからの発呼者の識別においては、特定の決まった言葉を対象に識別を行う「テキスト依存型」の話者認識技術が用いられている。
特開2003−158579公報
ところで、近年においては、親族になりすまして一人暮らしのお年寄りの家に電話をかけて交通事故の示談金等の名目で金銭をだましとる、いわゆる“オレオレ詐欺”が多発している。このような“オレオレ詐欺”が成立する要因は、だます側が自分からは名乗らないことと、交通事故に遭ったなどという非日常的な状況に瀕した場合のように、冷静に話し相手が本当に自分の親族であるかどうかを判断できない状況にあるため、電話の相手が自分の親族であるとお年寄りが錯覚してしまうことである。
そこで、特許文献1の電話応答支援方法を用いて、受信した音声データから発呼者を識別するとともに、音声データの内容を認識して、それらの情報から対話の相手を決定するとことが考えられる。
ところが、“オレオレ詐欺”のようなシーンにおいては、悪意がある発呼者が予め決められた言葉を必ず発話するとは限らないため、言葉を指定しないで自由な発話中に識別を行う「テキスト独立型」の話者認識を行う必要があるが、一般に「テキスト独立型」は「テキスト依存型」に比べてより多くの計算量を要することになる。特に、登録者が複数いた場合に全ての登録者に対し、間違いなく登録者本人であるかを確認する「話者認証」を行う事は困難である。
本発明は、一人暮らしのお年寄りなどを“オレオレ詐欺”等の被害から護ることができる電話機およびプログラムを提供することを目的とする。
発明は、電話回線に接続され、音声入力部から入力された音声を前記電話回線を通じて通信する電話機において、予め登録を要する者の前記音声入力部からの音声の入力を受け付ける登録音声入力手段と、前記登録音声入力手段で受け付けた音声を電話音声品質に変換する音質変換手段と、この音質変換手段によって変換された音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第1特徴量抽出手段と、この特徴量抽出手段により抽出された個人性特徴量を記憶部に記憶する記憶手段と、前記電話回線からの音声の入力を受け付ける電話音声入力手段と、この電話音声入力手段により受け付けた音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第2特徴量抽出手段と、前記記憶手段により前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者のうち二人以上を同時に選択する登録者選択手段と、この登録者選択手段によって選択された登録者の前記記憶部に登録されている個人性特徴量と前記第2特徴量抽出手段により抽出した個人性特徴量とを比較し、前記電話回線から入力された音声信号の発信者が前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者であるか否かを判定する判定手段と、この判定手段による判定結果を報知する判定結果報知手段と、を備える。
の面から見た本発明は、電話回線に接続され、音声入力部から入力された音声を前記電話回線を通じて通信する電話機を制御するコンピュータに読取可能なプログラムであって、予め登録を要する者の前記音声入力部からの音声の入力を受け付ける登録音声入力機能と、前記登録音声入力機能で受け付けた音声を電話音声品質に変換する音質変換機能と、この音質変換機能によって変換された音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第1特徴量抽出機能と、この特徴量抽出機能により抽出された個人性特徴量を記憶部に記憶する記憶機能と、前記電話回線からの音声の入力を受け付ける電話音声入力機能と、この電話音声入力機能により受け付けた音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第2特徴量抽出機能と、前記記憶手段により前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者のうち二人以上を同時に選択する登録者選択機能と、前記第2特徴量抽出機能により抽出した個人性特徴量と前記登録者選択機能によって選択された登録者それぞれの個人性特徴量とを比較し、前記電話回線から入力された音声信号の発信者が前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者であるか否かを判定する判定機能と、この判定機能による判定結果を報知する判定結果報知機能と、を前記コンピュータに実行させる。
本発明によれば、電話機に外部から電話がかかってきた場合において、個人性特徴量が記憶部に記憶されていない未登録者からの電話であった場合にはその旨を報知することにより、一人暮らしのお年寄りなどが電話機を使用する際に近親者等を登録者としておけば、一人暮らしのお年寄りなどを“オレオレ詐欺”等の被害から護ることができる。
[本発明の一実施の形態]
本発明の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態の電話機としては、コードレス電話機が適用されている。
ここで、図1は電話機1を示す平面図、図2は電話機1の構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、本実施の形態の電話機1は、電話回線であるPSTN(Public Switched Telephone Network)4と商用電源5とに接続された親機2と、この親機2と無線通信する子機3とを互いに独立に設けた構造となっている。
親機2は、各部を制御するCPU(Central Processing Unit)6を備えている。このCPU6には、CPU6が実行する制御プログラム等の固定データが書き込まれている記憶媒体であるROM(Read Only Memory)7と、ワークデータ等の可変データを更新自在に書き込むRAM(Random Access Memory)8とがシステムバス9を介して接続されている。このようなCPU6には、PSTN4に接続されたNCU(Network Control Unit)10と、子機3との無線手段であるRF(Radio-Frequency)ユニット11と、キーボード12と、発声手段であるスピーカ13と、電源回路14と、ディスプレイ15とがシステムバス9を介して接続されている。キーボード12は、数字を入力するための「0」から「9」までの置数キー12a、ユーザもしくはユーザの近親者等である登録者が電話機1の動作モードを登録モードに設定するための登録モード設定ボタン12b等を配列した外観構造を有している。
加えて、本実施の形態の電話機1の親機2には、発光手段である2つのLED16,17が配設されており、これらのLED16,17の発光を制御する発光制御回路18もシステムバス9を介してCPU6に接続されている。なお、LED16は青色に発光し、LED17は赤色には発光する。
一方、子機3も、各部を制御するCPU20を備えている。このCPU20には、ROM21と、RAM22とがシステムバス23を介して接続されている。このようなCPU20には、親機2との無線手段であるRFユニット24と、キーボード25と、スピーカ26と、音声入力部として機能するマイクロフォン27と、充電式の電源28とがシステムバス23を介して接続されている。
次に、電話機1の親機2に内蔵されたROM7に格納された制御プログラムに従ってCPU6が実行する各種の演算処理のうち、本実施の形態の特長的な処理について以下に説明する。
ここで、電話機1の親機2に内蔵されたCPU6が実行する各種の演算処理により実現される機能について説明する。図3に示すように、電話機1においては、登録音声入力手段30、音質変換手段31、第1特徴量抽出手段32、電話音声入力手段33、第2特徴量抽出手段34、判定手段35、判定結果報知手段36の各機能が、CPU6が実行する各種の演算処理により実現されている。なお、リアルタイム性が重要視される場合には、処理を高速化する必要がある。そのためには、論理回路(図示せず)を別途設け、論理回路の動作により各種機能を実現するようにするのが望ましい。
登録音声入力手段30は、子機3のマイクロフォン27からの音声の入力を受け付ける。
音質変換手段31は、登録音声入力手段30で受け付けた音声を電話音声品質(一般電話回線の場合4KHz、8Bit)に変換する。音質変換手段31は、電話音声品質に変換された登録音声を第1特徴量抽出手段32に出力する。このように子機3のマイクロフォン27から入力された音声を音質変換手段31により電話音声品質に変換するようにしたのは、源信号の質が同等であった方が確実に登録者か否かを判定できるからである。なお、マイクロフォン27の性能が低い場合や、第1特徴量抽出手段32で音質の差が吸収できると見込める場合には、音質変換手段31はなくても良い。
第1特徴量抽出手段32は、電話音声品質に変換された登録音声を受け取ると、例えば個人性を有するケプストラム係数などの個人性特徴量を抽出し、この抽出した個人性特徴量を記憶部であるRAM8に記憶する。以上により、電話発信者の登録の手続きが完了する。
電話音声入力手段33は、この電話機1に外部から電話がかかってきた場合、NCU10経由で電話発信者の音声を受け取る。
第2特徴量抽出手段34は、電話音声入力手段33で受け取った電話発信者の音声から、例えば個人性を有するケプストラム係数などの個人性特徴量を抽出する。
判定手段35は、記憶部であるRAM8に記憶されている特徴量と、新たに抽出された電話発信者の特徴量の比較を行い、登録者の音声であるか否かを判定し、その結果を判定結果報知手段36に出力する。
判定結果報知手段36は、判定手段35による判定結果に応じて、2つのLED16,17のいずれか一方を発光させる。例えば、電話発信者が登録者であった場合には青色のLED16が発光し、電話発信者が登録者でなかった場合には赤色のLED17が発光するように設定しておく。このように設定しておけば、ユーザの近親者はユーザに対し、赤色のLED17が発光している場合は他人からの電話であるから信用してはいけないと教示しておけば、“オレオレ詐欺”等の被害に会うことは避けられる。
ここで、上述したような登録音声入力手段30、音質変換手段31、第1特徴量抽出手段32、電話音声入力手段33、第2特徴量抽出手段34、判定手段35、判定結果報知手段36による発信者識別処理の流れについて図4のフローチャートを参照して詳細に説明する。
図4に示すように、ステップS1においては、電話機1の動作モードが登録モードであるか否かを判定する。このモード判定は、ユーザもしくはユーザの近親者等である登録者がキーボード12の登録モード設定ボタン12bを操作する等の動作で指定されるもので、登録モード設定ボタン12bが操作されたか否かで、登録モードであるか通常の通常対話モードであるかが判定される。
電話機1の動作モードが登録モードであると判定した場合には(ステップS1のY)、子機3のマイクロフォン27から入力された音声を受信すると、電話音声品質(一般電話回線の場合4KHz、8Bit)に変換する(ステップS2)。
その後、電話音声品質に変換された登録音声から個人性を有するケプストラム係数などの個人性特徴量を抽出し(ステップS3)、この抽出した個人性特徴量(登録者特徴量)を記憶部であるRAM8に記憶する(ステップS4)。以上により、電話発信者の登録の手続きが完了する。すなわち、本実施の形態は、一人暮らしのお年寄りなどが電話機1を使う場合において、お年寄りの近親者などが電話機1に直接設定を行うことにより、お年寄りの近親者などが登録者となる場合を想定している。
このような電話発信者の登録の手続きを複数人について行いたい場合には、ステップS2〜S4の処理を繰り返せば良い。
一方、電話機1の動作モードが通常対話モードであると判定した場合には(ステップS1のN)、電話機1に外部から電話がかかってきた場合にNCU10経由で電話発信者の音声を受信すると(ステップS5)、例えば個人性を有するケプストラム係数などの個人性特徴量(発信者特徴量)を抽出する(ステップS6)。
続いて、登録モードで予め登録した登録者特徴量をRAM8から呼び出し(ステップS7)、呼び出した登録者特徴量とステップS6で抽出した発信者特徴量とを順次比較する(ステップS8)。呼び出した1つの登録者特徴量とステップS6で抽出した発信者特徴量との比較の結果、呼び出した1つの登録者特徴量がステップS6で抽出した発信者特徴量に最も近いと判断した場合には(ステップS9のY)、当該登録者特徴量を候補者特徴量としてRAM8に一時的に記憶する(ステップS10)。なお、既にRAM8に候補者特徴量が記憶されている場合には、新たな候補者特徴量に書き換えることになる。ステップS8〜S10の処理は、全ての登録者特徴量とステップS6で抽出した発信者特徴量との比較が終わるまで(ステップS11のY)、繰り返される。
以上のようにして最も発信者に近い候補者が選択されると、ステップS12に進み、発信者特徴量と候補者特徴量とを比較する。ここでは、2つの特徴量の差が予め設定された閾値より大きいか小さいかの判定が行われる。
2つの特徴量の差が予め設定された閾値より小さい場合には(ステップS13のY)、電話発信者が登録者であると判定し、青色のLED16を発光させる(ステップS14)。一方、2つの特徴量の差が予め設定された閾値より大きい場合には(ステップS13のN)、電話発信者が登録者でないと判定し、赤色のLED17を発光させる(ステップS15)。
以上により、一人暮らしのお年寄りなどのユーザは、電話機1に外部から電話がかかってきた場合において、青色のLED16が発光している場合には近親者等の登録者との会話であると確信でき、赤色のLED17が発光している場合には近親者等の登録者でない者との会話であることがわかる。すなわち、近親者等の登録者の名前を名乗る相手との会話中に赤色のLED17が発光している場合には、他人が嘘をついている事を警戒できるようになる。
このように本実施の形態によれば、音声入力部として機能するマイクロフォン27から入力させた予め登録を要する者の音声信号から個人性を表す個人性特徴量が抽出され、記憶部であるRAM8に記憶される。一方、電話がかかってきた場合には、電話回線であるPSTN4からの音声信号から個人性を表す個人性特徴量が抽出され、当該個人性特徴量とRAM8に記憶された個人性特徴量とが比較され、電話回線であるPSTN4から入力された音声信号の発信者がRAM8に個人性特徴量が登録されている者であるか否かが判定され、判定結果が報知される。これにより、電話機1に外部から電話がかかってきた場合において、個人性特徴量がRAM8に記憶されていない未登録者からの電話であった場合にはその旨が報知されることにより、一人暮らしのお年寄りなどが電話機1を使用する際に近親者等を登録者としておけば、一人暮らしのお年寄りなどを“オレオレ詐欺”等の被害から護ることが可能になる。
なお、本実施の形態においては、青色のLED16または赤色のLED17を発光させることにより、会話の相手が登録者であるか否かを報知するようにしたが、これに限るものではなく、判定結果の出力を音声等によって報知するようにしても良い。具体的には、電話発信者が登録者であると判定された場合、「登録です」「○○さんです(○○は人の名前)」等の音声を、電話発信者が未登録者であると判定された場合には「登録していない人からの電話です。」等の音声を電話機1の親機2に備えたスピーカ13から出力することで実現できる。また、未登録者からの電話と判定された場合には、「注意してください」等の警告も合わせて発することも可能である。さらに、登録者と判定された場合には会話を妨げないように判定結果出力は行わずに、未登録者と判定された場合にのみ音声出力することも有効である。さらに、電話機1の親機2に備えたスピーカ13ではなく、子機3のマイクロフォン27から入力された音声やスピーカ26への出力音に混信させることも可能である。即ち、「未登録者からの電話です」というメッセージをユーザに対して聞かせると同時に発信者に対しても聞こえるようにし、ユーザに対しては知らない人からの電話であることの警告を、発信者に対しては、話者認識機能付の電話機であること、即ち“オレオレ詐欺”対策機能付電話機であることを知らしめることが実現できる。
また、本実施の形態のステップS8においては、呼び出した登録者特徴量とステップS6で抽出した発信者特徴量とを順次比較するようにしたが、個人性特徴量が登録されている登録者毎に設定される登録者選択キー(図示せず)をキーボード12に予め用意しておき、例えば発信者が名乗った近親者等の登録者が設定されている登録者選択キーを操作することにより記憶部であるRAM8に個人性特徴量が登録されている者のうち一人を選択し(登録者選択手段)、登録者選択キーの操作によって選択された登録者の個人性特徴量とステップS6で抽出した発信者特徴量とを比較するようにしても良い。これにより、特徴量の比較を速やかに実行することが可能になり、処理の軽減化を図ることが可能になる。なお、複数の登録者選択キーを操作することにより、二人以上を同時に選択するようにしても良い。
[本発明の参考形態]
次に、本発明の参考形態について図5を参照して説明する。なお、前述した本発明の実施の形態と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。本発明の実施の形態においては、音声を子機3のマイクロフォン27から入力して電話機1に直接設定を行う場合について説明したが、電話回線であるPSTN4を通じて音声を入力して登録者を登録する点で第一の実施の形態とは異なるものである。
ここで、本参考形態の電話機1の親機2に内蔵されたCPU6が実行する各種の演算処理により実現される機能について説明する。図5に示すように、電話機1においては、認証手段37、登録音声入力手段30、第1特徴量抽出手段32、電話音声入力手段33、第2特徴量抽出手段34、判定手段35、判定結果報知手段36の各機能が、CPU6が実行する各種の演算処理により実現されている。なお、リアルタイム性が重要視される場合には、処理を高速化する必要がある。そのためには、論理回路(図示せず)を別途設け、論理回路の動作により各種機能を実現するようにするのが望ましい。
認証手段37は、登録者がPSTN4を通じて音声の登録を行おうとした場合、認証を行う。この認証は、暗証番号等をDTMF(Dial Tone Multi Frequency)で送ることで実現することができる。このように登録の際に、暗証番号等をDTMFで送るようにすることで、登録者をユーザの近親者等に制限することができる。
登録音声入力手段30は、この電話機1に外部から電話がかかってきた場合、NCU10経由で電話発信者の音声を受け付け、認証手段37で認証された場合にのみ、登録音声入力手段30で受け付けた音声を第1特徴量抽出手段32に出力する。この場合、NCU10経由で電話発信者の音声を受け付けるので、本発明の実施の形態のように受け付けた音声を電話音声品質(一般電話回線の場合4KHz、8Bit)に変換する必要はない。
第1特徴量抽出手段32は、登録音声入力手段30から出力された音声を受け取ると、例えば個人性を有するケプストラム係数などの個人性特徴量を抽出し、この抽出した個人性特徴量を記憶部であるRAM8に記憶する。以上により、電話発信者の登録の手続きが完了する。
電話音声入力手段33は、この電話機1に外部から電話がかかってきた場合、NCU10経由で電話発信者の音声を受け取る。
第2特徴量抽出手段34は、電話音声入力手段33で受け取った電話発信者の音声から、例えば個人性を有するケプストラム係数などの個人性特徴量を抽出する。
判定手段35は、記憶部であるRAM8に記憶されている特徴量と、新たに抽出された電話発信者の特徴量の比較を行い、登録者の音声であるか否かを判定し、その結果を判定結果報知手段36に出力する。
判定結果報知手段36は、判定手段35による判定結果に応じて、2つのLED16,17のいずれか一方を発光させる。例えば、電話発信者が登録者であった場合には青色のLED16が発光し、電話発信者が登録者でなかった場合には赤色のLED17が発光するように設定しておく。このように設定しておけば、ユーザの近親者はユーザに対し、赤色のLED17が発光している場合は他人からの電話であるから信用してはいけないと教示しておけば、“オレオレ詐欺”等の被害に会うことは避けられる。
なお、本発明の実施の形態のように、電話機1を購入して設置する際にまず直接登録を行い、その後、参考形態のようにPSTN4を経由して登録を行うようにしても良い。人間の声は本人の成長や体形の変化、あるいは風邪をひいた等体調の変化でその特徴が変化することが知られている。通常、話者認識技術を利用する場合はこの声質の変化に対応するため、定期的に登録を更新するなどの運用が図られているが、この更新をPSTN4を通じて行うことで、更新の度に電話機1のあるところまで行く必要がなくなる。
このように本参考形態によれば、電話回線であるPSTN4を通じて入力させた予め登録を要する者の音声信号から個人性を表す個人性特徴量が抽出され、記憶部であるRAM8に記憶される。一方、電話がかかってきた場合には、電話回線であるPSTN4からの音声信号から個人性を表す個人性特徴量が抽出され、当該個人性特徴量とRAM8に記憶された個人性特徴量とが比較され、電話回線であるPSTN4から入力された音声信号の発信者がRAM8に個人性特徴量が登録されている者であるか否かが判定され、判定結果が報知される。これにより、電話機1に外部から電話がかかってきた場合において、個人性特徴量がRAM8に記憶されていない未登録者からの電話であった場合にはその旨が報知されることにより、一人暮らしのお年寄りなどが電話機1を使用する際に近親者等を登録者としておけば、一人暮らしのお年寄りなどを“オレオレ詐欺”等の被害から護ることが可能になる。
なお、本発明の実施の形態においては、記憶媒体としてROM7を適用したが、ROM7のみならず、半導体メモリ等、各種方式のメディアを用いることができる。また、インターネットなどのネットワークからプログラムをダウンロードし、不揮発性のROM等にインストールするようにしてもよい。この場合に、送信側のサーバでプログラムを記憶している記憶装置も、この発明の記憶媒体である。なお、プログラムは、所定のOS(Operating System)上で動作するものであってもよいし、その場合に後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
また、本発明の実施の形態においては、電話機としてコードレス電話機1を適用したが、これに限るものではなく、携帯電話等であっても良い。
さらに、本発明の実施の形態において、登録時に認証を行う第1特徴量抽出手段と実際に電話がかかってきたときに認証を行う第2特徴量抽出手段というように、2つの特徴量抽出手段を有する形態として説明したが、第1特徴量抽出手段と第2特徴量抽出手段とは同一の特徴量抽出手段としても良い。
本発明の実施の形態の電話機を示す平面図である。 電話機の構成を示すブロック図である。 電話機の機能を示す機能ブロック図である。 発信者識別処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の参考形態の電話機の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 電話機
4 電話回線
8 記憶部
13 発声手段
16,17 発光手段
27 音声入力部
30 登録音声入力手段
31 音質変換手段
32 第1特徴量抽出手段
33 電話音声入力手段
34 第2特徴量抽出手段
35 判定手段
36 判定結果報知手段
37 認証手段

Claims (5)

  1. 電話回線に接続され、音声入力部から入力された音声を前記電話回線を通じて通信する電話機において、
    予め登録を要する者の前記音声入力部からの音声の入力を受け付ける登録音声入力手段と、
    前記登録音声入力手段で受け付けた音声を電話音声品質に変換する音質変換手段と、
    この音質変換手段によって変換された音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第1特徴量抽出手段と、
    この特徴量抽出手段により抽出された個人性特徴量を記憶部に記憶する記憶手段と、
    前記電話回線からの音声の入力を受け付ける電話音声入力手段と、
    この電話音声入力手段により受け付けた音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第2特徴量抽出手段と、
    前記記憶手段により前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者のうち二人以上を同時に選択する登録者選択手段と、
    この登録者選択手段によって選択された登録者の前記記憶部に登録されている個人性特徴量と前記第2特徴量抽出手段により抽出した個人性特徴量とを比較し、前記電話回線から入力された音声信号の発信者が前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者であるか否かを判定する判定手段と、
    この判定手段による判定結果を報知する判定結果報知手段と、
    を備えることを特徴とする電話機。
  2. 2色の発光手段を備えており、
    前記判定結果報知手段は、前記判定手段による判定結果に応じて2色の前記発光手段のうち、いずれか一方の前記発光手段を発光させる、
    ことを特徴とする請求項記載の電話機。
  3. 発声手段を備えており、
    前記判定結果報知手段は、前記判定手段による判定結果を、前記発声手段を介して出力する、
    ことを特徴とする請求項記載の電話機。
  4. 前記判定結果報知手段は、前記判定手段による判定結果を、音声入力部から入力された音声に混信させる、
    ことを特徴とする請求項記載の電話機。
  5. 電話回線に接続され、音声入力部から入力された音声を前記電話回線を通じて通信する電話機を制御するコンピュータに読取可能なプログラムであって、
    予め登録を要する者の前記音声入力部からの音声の入力を受け付ける登録音声入力機能と、
    前記登録音声入力機能で受け付けた音声を電話音声品質に変換する音質変換機能と、
    この音質変換機能によって変換された音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第1特徴量抽出機能と、
    この特徴量抽出機能により抽出された個人性特徴量を記憶部に記憶する記憶機能と、
    前記電話回線からの音声の入力を受け付ける電話音声入力機能と、
    この電話音声入力機能により受け付けた音声信号から個人性を表す個人性特徴量を抽出する第2特徴量抽出機能と、
    前記記憶手段により前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者のうち二人以上を同時に選択する登録者選択機能と、
    前記第2特徴量抽出機能により抽出した個人性特徴量と前記登録者選択機能によって選択された登録者それぞれの個人性特徴量とを比較し、前記電話回線から入力された音声信号の発信者が前記記憶部に個人性特徴量が登録されている者であるか否かを判定する判定機能と、
    この判定機能による判定結果を報知する判定結果報知機能と、
    を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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