JPH09127975A - 話者認識システムおよび情報管理方法 - Google Patents

話者認識システムおよび情報管理方法

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JPH09127975A
JPH09127975A JP7306821A JP30682195A JPH09127975A JP H09127975 A JPH09127975 A JP H09127975A JP 7306821 A JP7306821 A JP 7306821A JP 30682195 A JP30682195 A JP 30682195A JP H09127975 A JPH09127975 A JP H09127975A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正規の話者本人の音声の標準パターンの更新
が他人によってなされてしまうという事態を防止する。 【解決手段】 話者を認識するための話者認識用情報が
記憶される話者認識用情報記憶部5と、入力された話者
の音声の特徴と話者認識用情報記憶部5に記憶されてい
る話者の音声特徴との類似度に基づき話者認識を行なう
話者認識部7と、話者認識用情報記憶部5に記憶されて
いる話者認識用情報を変更または更新するときに、この
旨を正規の利用者に確認する確認手段11とを備えてお
り、正規の利用者に確認した上で話者認識用情報の変更
または更新を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、話者認識用の情報
を管理する機能を備えた話者認識システムおよび情報管
理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銀行などにおいて、本人であるこ
とを確認するために、暗証番号などを利用者に入力させ
るようにしている。また、コンピュータでは、パスワー
ドと称して、暗証番号と同様の暗証文字列を利用者に入
力させることによって本人の確認を行なっている。しか
しながら、このような暗証番号や暗証文字列などの入力
による確認は、他人が、暗証番号や暗証文字列を知りさ
えすれば、難無く、これを盗用することができる。しか
も、暗証番号や暗証文字列は、それを登録した者(本人)
の生年月日や記念日、あるいは電話番号、氏名の綴りな
どを利用したものが多く、他人がこれを見破ることは差
程難しいことではない。
【0003】暗証番号や暗証文字列のこのような欠点を
回避するため、近年、声によって本人か否かを判定す
る、いわゆる話者認識が着目されている。この話者認識
は、ある話者が発声した音声の特徴パターンが、予め登
録されているこの話者の音声標準パターンと一致するか
否かを調べることにより、本人か否かを判定(認識)する
ものである。すなわち、話者の音声から抽出した特徴量
(特徴パターン)とこの話者の音声標準パターンとの類似
度を計算し、類似度の高低によって本人か否かを判定す
るものであり、人間の肉体的特徴を利用するものである
ことから、音声は、暗証番号や暗証文字列に比べて他人
がこれを真似ることは難かしく、従って、他人の盗用を
より有効に防止することができる。
【0004】ところで、話者認識の場合、標準パターン
登録時の話者の音声と実際の認識時の話者の音声との間
には、時間的な隔たりがあり、同じ話者の音声であって
も、標準パターンの登録時と実際の認識時とで、音声の
特徴が変化し、話者認識時に、本人が自分の声で音声を
発しても本人ではないと判定してしまうことがある。こ
の対策として、予め登録した標準パターンを必要に応じ
て適宜更新(再登録)する必要があり、従来、標準パター
ンの更新(再登録)を行なうための種々の仕方が提案され
ている。
【0005】例えば、特開昭57−13493号には、
標準パターンの更新(再登録)を行なうのに、話者認識装
置を認識モードから登録モードに切替え、その都度、話
者に登録用の音声を発声させるという登録操作の煩雑さ
を回避するため、認識時に、話者の発声した音声を同一
人の音声であると装置が正しく認識したときに、そのと
きの音声によって標準パターンを自動的に更新(再登録)
する技術が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような種々の更新手法により、標準パターンの更新処
理の操作性等を向上させることができても、従来では、
この標準パターンの更新時(再登録時)に、正規の話者本
人ではなく、他人が正規の話者の標準パターンを更新し
てしまうという事態を有効に防止することはできなかっ
た。
【0007】すなわち、話者認識は、その精度を100
%完全なものにすることは実際にはできないため、本人
を別人と判定するのと同様に、別人を本人と誤って判定
してしまうことがある。従って、正規の話者本人用の音
声の標準パターンを他人が更新してしまうという事態が
実際に生じ、この他人が悪意をもって正規の話者本人用
の音声の標準パターンを更新してしまうと、この話者認
識装置では、それ以降、正規の話者本人を認識できなく
なったり、悪意をもった他人によって正規の話者本人用
の情報等が盗用されてしまうという問題があった。
【0008】本発明は、正規の話者本人の音声の標準パ
ターンの更新が他人によってなされてしまうという事態
を有効に防止することの可能な話者認識システムおよび
情報管理方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、話者を認識するための話者
認識用情報が記憶される話者認識用情報記憶手段と、入
力された話者の音声の特徴と話者認識用情報記憶手段に
記憶されている話者の音声特徴との類似度に基づき話者
認識を行なう話者認識手段と、話者認識用情報記憶手段
に記憶されている話者認識用情報を変更または更新する
ときに、この旨を正規の利用者に確認する確認手段とを
備えており、正規の利用者に確認した上で話者認識用情
報の変更または更新を行なうようになっていることを特
徴としている。
【0010】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の話者認識システムにおいて、確認手段は、正規の利
用者にアクセスするためのアクセス情報が記憶されてい
るアクセス情報記憶手段と、アクセス手段と、アクセス
受動手段とを備えており、アクセス手段は、話者認識用
情報を変更または更新するときに、アクセス情報記憶手
段に記憶されているアクセス情報に従って、アクセス受
動手段をアクセスするようになっており、また、アクセ
ス受動手段は、アクセス手段によってアクセスされたと
きに、正規の利用者の確認をとることを特徴としてい
る。
【0011】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の話者認識システムにおいて、アクセス情報記憶手段
には、電話番号がアクセス情報として記憶されており、
アクセス手段は、該電話番号に従って、アクセス受動手
段をアクセスすることを特徴としている。
【0012】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の話者認識システムにおいて、アクセス手段がアクセ
ス受動手段をアクセスするとき、アクセス受動手段が通
話中であるか否かを判定する通話判定手段をさらに有
し、通話中であった場合に、話者認識用情報を更新する
ことを特徴としている。
【0013】また、請求項5記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の話者認識システムにおいて、確認の
結果、正規の利用者による許可が得られなかった場合
に、変更または更新を行なおうとしている現話者の音声
を再生可能に保存する音声記憶手段がさらに設けられて
いることを特徴としている。
【0014】また、請求項6記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の話者認識システムにおいて、確認の
結果、正規の利用者による許可が得られなかった場合
に、変更または更新を行なおうとしている現話者の映像
を再生可能に保存する映像記憶手段がさらに設けられて
いることを特徴としている。
【0015】また、請求項7記載の発明は、話者認識シ
ステムの使用時に、話者認識用情報を変更または更新し
た前回の日時を利用者に提示する日時提示手段が設けら
れていることを特徴としている。
【0016】また、請求項8記載の発明は、話者認識シ
ステムを利用する話者の音声および/または映像を保存
する旨のメッセージを利用者に提示することを特徴とし
ている。
【0017】また、請求項9記載の発明は、話者認識用
の情報を管理する情報管理方法において、話者認識用の
情報を変更または更新するときに、正規の利用者に確認
した上で話者認識用の情報の変更または更新を行なうよ
うになっていることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る話者認識シス
テムの構成例を示す図である。図1を参照すると、この
話者認識システムは、例えば銀行などにおける本人の確
認を話者認識により行なうためのものであって、利用者
の音声を入力するための音声入力手段(例えば、マイク
ロフォン)1と、利用者に所定の指定情報を入力させる
ための指定手段(例えばキーボード)2と、音声入力手段
1から入力された信号の中から話者の音声の部分のみを
音声区間として検出する音声区間検出部3と、音声区間
検出部3で検出した音声区間内の音声信号から特徴量
(特徴パターン)を抽出する特徴抽出部4と、話者認識を
行なうに先立って話者の音声の標準的な特徴量(特徴パ
ターン)を標準パターンとして話者認識用情報記憶部5
に予め登録する登録部6と、利用者(話者)の音声の特徴
量(特徴パターン)と話者認識用情報記憶部5に登録され
ている標準パターンとを照合し、その類似度に基づいて
話者認識を行なう話者認識部7と、標準パターンの登録
を行なう登録モードと話者認識を行なう認識モードとの
切替を行なう切替部(例えばスイッチ)8とを有してい
る。
【0019】ここで、特徴抽出部4は、音声信号を特徴
量(特徴パターン)として、スペクトルに変換しても良い
し、あるいはLPCケプストラムに変換しても良く、特
徴量の種類については特に限定するものではない。な
お、スペクトルに変換するためには、特徴量変換にはF
FTを用い、また、LPCケプストラムに変換するため
にはLPC分析などを用いるのがよい。
【0020】また、標準パターンの登録時(登録モード
時)において、登録部6は、ある話者が発声した音声に
基づいて特徴抽出部4で抽出された特徴量(特徴パター
ン)を標準パターンとして話者認識用情報記憶部5に登
録する際、図2に示すように、この話者により指定手段
2から入力された指定情報(例えば、この話者の名前や
生年月日,あるいはこの話者の暗証番号など)と対応付
けて、標準パターンを話者認識用情報記憶部5に登録す
ることができる。換言すれば、話者認識用情報記憶部5
には、話者認識に必要な話者認識用の情報が登録される
ようになっており、また、この話者認識用情報記憶部5
には、複数の話者(例えば利用者A,B,C,D,…)の
話者認識用情報が登録可能となっている。
【0021】また、話者認識用情報記憶部5に登録され
る音声の標準パターンとしては、この話者認識システム
の使用形態等に応じて、各利用者(話者)に予め言葉を発
声させたものであっても良いし、各利用者ごとにそれぞ
れ自由に所望の言葉を発声させたものであっても良い。
【0022】また、話者認識部7は、例えば、古井著
「ディジタル音声処理」(東海出版会)などに記載されて
いるように、現在の話者の音声の特徴パターンが話者認
識用情報記憶部5に登録されている複数の話者の標準パ
ターンのうちのどれに最も類似しているかを判定し、登
録されている複数の話者のうちから1人の話者を識別す
る話者識別方式のものであっても良いし、話者認識用情
報記憶部5に登録されている複数の話者の標準パターン
から現在の話者に対応する標準パターンを取り出し、こ
の標準パターンと現在の話者の特徴パターンとを照合
し、その類似度が所定基準値(しきい値)よりも高いか低
いかにより現在の話者が正規の話者本人であるか否かを
判定する話者照合方式のものであっても良い。
【0023】さらに、話者認識部7は、話者認識用情報
記憶部5に登録される音声の標準パターンが各利用者
(話者)に予め言葉を発声させたものである場合には、こ
れに対応した認識を行なうものにすることができ、ま
た、話者認識用情報記憶部5に登録される音声の標準パ
ターンが各利用者ごとにそれぞれ自由に所望の言葉を発
声させたものである場合には、これに対応した認識を行
なうものにすることができる。但し、各利用者(話者)に
予め決められた言葉を発声させて話者認識を行なう場
合、類似の判定基準(しきい値)を各話者に対して全て一
定値にすることができるが、各利用者ごとにそれぞれ所
望の言葉を発声させて話者認識を行なう場合には、類似
の判定基準(しきい値)を各話者ごとに相違させることも
できる。
【0024】以下では、説明の便宜上、この話者認識シ
ステムは、各利用者(話者)に予め決められた言葉(特定
の言葉)を発声させるものとし、また、話者認識部7で
は、話者照合方式の話者認識がなされるとする。なお、
話者認識部7において、話者照合方式の話者認識がなさ
れる場合、この話者認識時に、利用者(話者)は、指定手
段2から登録モード時に入力した指定情報と同じ指定情
報を入力する必要がある。これにより、話者認識部7で
は、話者認識用情報記憶部5に登録されている複数の話
者の標準パターンのうちから現在の話者に対応する標準
パターンを取り出すことができ、この標準パターンと現
在の話者の音声の特徴パターンとの照合を行なうことが
できる。
【0025】このような構成の話者認識システムを利用
者(例えばD)が始めて利用する場合、この利用者(話者)
Dは、先ず、自己の音声を標準パターンとして登録する
必要がある。このため、この利用者Dは、切替部(例え
ばスイッチ)8を操作して、特徴抽出部4を登録部6に
接続し、登録モードに設定する。
【0026】次いで、利用者(話者)Dは、指定手段2か
ら所定の指定情報,例えば(利用者D)を入力する。ま
た、この際、利用者は、予め決められた特定の言葉を発
声する。この音声は、音声入力手段1から入力し、音声
区間検出部3,特徴抽出部4により、特徴量(特徴パタ
ーン)に変換され、この話者の音声の標準パターンとし
て、登録部6に与えられる。
【0027】これにより、登録部6は、この利用者(話
者)Dの音声の標準パターンを指定手段2から入力され
た指定情報と対応付けて、話者認識用情報記憶部5に登
録する。例えば過去に、この話者認識用情報記憶部5に
複数の利用者(異なる利用者)A,B,Cが自己の音声を
標準パターンとして登録しており、現在の利用者Dが上
記のように自己の音声を標準パターンとして登録すると
き、この標準パターンは、話者認識用情報記憶部5に図
2に示すように記憶(登録)される。
【0028】このようにして、この音声の標準パターン
が話者認識用情報記憶部5に記憶されると、利用者D
は、この話者認識システムにより、利用者Dについての
話者認識を行なわせることができる。すなわち、この利
用者Dは、このシステムを用いて、いま利用している利
用者が利用者D本人であるか否かの判定を行なわせるこ
とができる。
【0029】具体的に、利用者Dが以後、このシステム
を利用する場合、利用者Dは、切替部8を操作して、特
徴抽出部4を話者認識部7に接続し、このシステムを認
識モードに設定する。
【0030】次いで、利用者Dは、指定手段2から所定
の指定情報,例えば(利用者D)を入力する。また、この
際、利用者Dは、予め決められた特定の言葉を発声す
る。この音声は、音声入力手段1から入力し、音声区間
検出部3,特徴抽出部4により、特徴量(特徴パターン)
に変換されて、話者認識部7に与えられる。
【0031】これにより、話者認識部7は、指定手段2
から入力された指定情報(利用者D)に対応させて登録さ
れている標準パターンを話者認識用情報記憶部5から取
り出し、この標準パターンと特徴抽出部4からの特徴パ
ターンとを照合して、その類似度を算出し、この類似度
が所定基準値よりも高いか低いかを判定する。この結
果、類似度が低いと判定されたときには、利用者が正規
の話者本人Dではないと判別し、この利用者による利用
を拒絶する。これに対し、類似度が高いと判定されたと
きには、利用者が正規の話者本人Dであると判別し、利
用者による利用を許可する。すなわち、利用者によるア
プリケーション(例えば入出金,残高照会などの処理)の
利用を許可する。
【0032】ところで、このような話者認識システムに
おいては、前述したように、同じ利用者(話者)の音声で
あっても、標準パターンの登録時(登録モード時)と実際
の認識時(認識モード時)とで音声の特徴が変化し、本人
ではないとの誤った判定がなされてしまうのを回避する
ため、さらに、話者認識用情報記憶部5に登録されてい
る標準パターンなどの話者認識用情報を変更あるいは更
新する機能,すなわち、再登録する機能を有している。
【0033】すなわち、図1の話者認識システムにおい
て、例えば利用者Dがすでに登録されている自己の標準
パターンを変更あるいは更新したい場合、この利用者D
は、切替部(例えばスイッチ)8を操作して、特徴抽出部
4を登録部6に接続し、登録モードに設定する。
【0034】次いで、利用者(話者)Dは、指定手段2か
ら所定の指定情報,例えば(利用者D)を入力する。ま
た、この際、利用者は、予め決められた特定の言葉を発
声する。この音声は、音声入力手段1から入力し、音声
区間検出部3,特徴抽出部4により、特徴量(特徴パタ
ーン)に変換され、この話者の音声の標準パターンとし
て、登録部6に与えられる。
【0035】これにより、登録部6は、指定手段2から
入力された指定情報(利用者D)によって話者認識用情報
記憶部5を検索し、この指定情報(利用者D)に対応させ
て記憶されている利用者Dの標準パターンを特徴抽出部
4からいま与えられた標準パターンに書き換える。これ
によって、標準パターンの変更あるいは更新を行なうこ
とができる。
【0036】あるいは、このような登録操作の煩雑さを
回避するため、図1の話者認識システムにおいても、前
述の特開昭57−13493号に示されているのと同様
に、認識モード時に、話者認識部7において利用者Dの
発声した音声の特徴パターンが正規の話者本人Dである
と認識されたときに、この特徴パターンを利用者Dの更
新用の標準パターンとして、話者認識用情報記憶部5に
記憶されている利用者Dの標準パターンを上記更新用の
標準パターンに自動的に書き換える(更新する)ように構
成することもできる。
【0037】しかしながら、上記いずれの場合であって
も、利用者D以外の他人,例えばEが、この利用者Dの
指定情報を知得し、利用者Dの音声を真似ることによっ
て、利用者Dになりすまして、利用者Dの標準パターン
を他人Eの声で変更あるいは更新していまうという事態
が生じ、利用者Dの標準パターンに対し、このような悪
意の変更あるいは更新がなされると、それ以後、この悪
意をもった他人Eによって正規の話者本人D用の情報等
が盗用されてしまうなどの問題が生ずる。
【0038】このような問題を解決するため、図1の話
者認識システムには、さらに、標準パターンなどの話者
認識用情報の変更あるいは更新がなされるときに、変更
あるいは更新を行なう利用者が正規の話者本人であるこ
とを確認するための確認手段11が設けられており、こ
の確認手段11によって、変更あるいは更新を行なう利
用者が正規の話者本人であることが確認されたときに、
標準パターンなどの話者認識用情報の変更あるいは更新
を実際に行なうようになっている。
【0039】図3は確認手段11の一構成例を示す図で
ある。図3の例では、確認手段11は、正規の話者本人
にアクセスするためのアクセス情報が記憶されるアクセ
ス情報記憶部12と、標準パターンなどの話者認識用情
報の変更あるいは更新がなされるときに、アクセス情報
記憶部12に記憶されているアクセス情報に従って正規
の話者本人に確認のためのアクセスを行なうアクセス部
13と、例えば正規の話者本人によって使用され、アク
セス部13から確認のためのアクセスがなされるアクセ
ス受動部14とを有している。
【0040】ここで、アクセス部13,アクセス受動部
14としては、通信装置(例えば電話装置やパソコン通
信機能をもつ端末など)を用いることができる。アクセ
ス受動部14に通信装置(電話装置やパソコン通信機能
をもつ端末など)が用いられる場合、アクセス情報記憶
部12に記憶されるアクセス情報として、アクセス受動
部14の電話番号(例えば正規の話者本人(利用者)の電
話番号)を用いることができる。
【0041】図4はアクセス情報記憶部12の構成例を
示す図であり、図4の例では、アクセス情報記憶部12
には、指定手段2から入力された指定情報と対応付けて
アクセス情報が記憶されるようになっている。すなわ
ち、この場合には、例えば、利用者Dが自己の音声の標
準パターンを新規に登録する際に、指定手段2から指定
情報を入力するとともに、指定手段2からアクセス情報
(例えば、自己の電話番号)を入力することによって、ア
クセス情報記憶部12には、利用者Dの指定情報に対応
させて、利用者Dのアクセス情報が登録されるようにな
っている。
【0042】図5乃至図8は本発明の話者認識システム
の種々の使用形態例を示す図である。図5の使用形態例
は、図3の構成例において、音声入力手段1,指定手段
2,音声区間検出部3,特徴抽出部4,話者認識用情報
記憶部5,登録部6,話者認識部7,切替部8,アクセ
ス情報記憶部12,アクセス部13が、例えば、話者認
識装置ユニット30として銀行の窓口などに設置されて
おり、アクセス受動部14が、利用者によって携帯され
る携帯電話器などであるとする。この場合、アクセス情
報記憶部12には、各利用者ごとのアクセス受動部14
の電話番号などがアクセス情報として予め記憶されてい
る。
【0043】図5の使用形態例では、標準パターンの新
規登録,変更あるいは更新,話者認識を行なうために、
利用者は、例えば銀行の窓口などに設置されている話者
認識装置ユニット30のところに出向き、この話者認識
装置ユニットによって、標準パターンの新規登録操作,
話者認識操作,標準パターンの変更あるいは更新操作
を、上述したようにして行なうことができる。なお、こ
の話者認識装置ユニット30に、標準パターンの自動更
新機能が備わっているときには、利用者は、標準パター
ンの変更あるいは更新操作を行なうことなく、標準パタ
ーンは自動更新される。
【0044】このようにして、標準パターンの変更ある
いは更新を行なうための一連の操作が利用者によってな
されるとき、あるいは、標準パターンの自動更新がなさ
れるとき、標準パターンの変更あるいは更新が実際にな
されるに先立って、話者認識装置ユニット30のアクセ
ス部13は、いま変更あるいは更新がなされようとして
いる標準パターン(例えば利用者Dの標準パターン)に対
応した利用者D用のアクセス情報(電話番号)を、例え
ば、指定手段2から入力された指定情報に基づいて、ア
クセス情報記憶部12から読出し、この利用者Dのアク
セス情報(電話番号)によって利用者Dのアクセス受動部
(携帯電話等)14を呼出し、例えば、「標準パターンの
変更あるいは更新を行ないますか」などの音声ガイドを
流し、アクセス受動部14の受話器から利用者Dに伝え
る。利用者Dが、これに応答して、アクセス受動部(携
帯電話)14の送話器から例えば「変更あるいは更新す
る」旨のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更
あるいは更新する」旨をアクセス受動部(携帯電話)14
の所定の機能キー,例えば“*”を操作して通知すると
き、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準
パターンの変更あるいは更新の許可通知を与える。
【0045】これに対し、利用者Dが、アクセス受動部
14から例えば「変更あるいは更新してはならない」旨
のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更あるい
は更新してはならない」旨をアクセス受動部(携帯電話)
14の所定の機能キー,例えば“#”を操作して通知す
るとき、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に
標準パターンの変更あるいは更新の禁止通知を与える。
【0046】これにより、利用者D以外の他人,例えば
Eが、利用者Dの許可なく、利用者Dの標準パターンを
変更あるいは更新しようとする場合、他人Eによって、
切替部8が登録モードに切替られ、利用者Dの指定情報
が指定手段2から入力され、また、利用者Dの音声を真
似た音声が入力されても、あるいは、他人Eによって自
動更新されようとするときにも、正規の利用者Dの確認
(許可)がなければ、標準パターンの変更,更新がなされ
ないので、悪意のある他人によって標準パターンが変
更,更新されてしまうという事態が生ずるのを、有効に
防止することができる。
【0047】すなわち、正規の利用者の知らない間に、
他人が標準パターンを書き換えてしまい、正規の利用者
が使えなくなったり、悪意をもった他人によって正規の
話者本人用の情報が盗用されてしまうといった問題を防
止することができる。
【0048】また、図6の使用形態例では、図5の使用
形態例において、アクセス受動部14が例えばオペレー
ションセンタ80に設置されたものとなっている。すな
わち、図6の使用形態例では、図3の構成例において、
音声入力手段1,指定手段2,音声区間検出部3,特徴
抽出部4,話者認識用情報記憶部5,登録部6,話者認
識部7,切替部8,アクセス情報記憶部12,アクセス
部13は、図5の使用形態例と同様に、例えば話者認識
装置ユニット30として銀行の窓口などに設置されてい
るが、アクセス受動部14は、例えば電話装置としてオ
ペレーションセンタ80の管理者によって管理され、ア
クセス受動部14がアクセス部13によってアクセスさ
れたとき、オペレーションセンタ80の管理者が、別
途、利用者の携帯電話などに確認のための電話などを行
なうように構成されている。
【0049】図6の使用形態例では、話者認識装置ユニ
ット30において、例えば利用者Dの標準パターンに対
する変更あるいは更新を行なうための一連の操作が利用
者によってなされるとき、あるいは、利用者Dの標準パ
ターンの自動更新がなされるとき、標準パターンの変更
あるいは更新が実際になされるに先立って、話者認識装
置ユニット30のアクセス部13は、オペレーションセ
ンタ80のアクセス受動部14を呼出し、例えば、「標
準パターンの変更あるいは更新が行なわれます。利用者
Dに確認をとって下さい」などの音声ガイドを流し、ア
クセス受動部14の受話器からオペレーションセンタ8
0の管理者に伝える。これにより、オペレーションセン
タ80の管理者は、利用者Dに例えば電話連絡し、利用
者Dの承諾が得られると、管理者は、アクセス受動部1
4の送話器から例えば「変更あるいは更新する」旨のメ
ッセージを発声する。あるいは、「変更あるいは更新す
る」旨をアクセス受動部(携帯電話)14の所定の機能キ
ー,例えば“*”で通知する。これにより、アクセス部
13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更
あるいは更新の許可通知を与える。
【0050】これに対し、利用者Dの承諾が得られない
場合には、オペレーションセンタ80の管理者は、アク
セス受動部14の送話器から例えば「変更あるいは更新
してはならない」旨のメッセージを発声する。あるい
は、「変更あるいは更新してはならない」旨をアクセス
受動部14の所定の機能キー,例えば“#”で通知す
る。これにより、アクセス部13はこれを受信して、登
録部6に標準パターンの変更あるいは更新の禁止通知を
与える。
【0051】これにより、図5の使用形態例と同様に、
利用者Dの確認(許可)がなければ、標準パターンの変
更,更新がなされないので、悪意のある他人によって標
準パターンが変更,更新されてしまうという事態が生ず
るのを、有効に防止することができる。
【0052】また、図7の使用形態例は、図3の構成例
において、例えば、音声入力手段1,指定手段2,音声
区間検出部3,特徴抽出部4,アクセス受動部14が、
利用者の家庭や会社等に設置されている端末31(例え
ばパソコンや電話装置など)で実現されており、切替部
8,話者認識用情報記憶部5,登録部6,話者認識部
7,アクセス情報記憶部12,アクセス部13が、例え
ば、銀行の窓口などに設置されている話者認識装置ユニ
ット32で実現されている。
【0053】この場合、アクセス情報記憶部12には、
各利用者ごとのアクセス受動部14の電話番号などがア
クセス情報として予め記憶されている。また、利用者側
の端末31と銀行などに設置されている話者認識装置ユ
ニット32とは、通信手段33,例えば通信回線(有線)
あるいは無線によって、互いに情報の送受信がなされる
ようになっている。なお、図7の例では、1つの端末3
1が話者認識装置ユニット32に通信手段33を介して
接続されている場合のみが示されているが、話者認識装
置ユニット32には、1つのみならず、複数の端末を送
受信可能に接続することができる。また、図7では、音
声入力手段1,指定手段2,アクセス受動部14が一体
のユニット(端末)として構成されているが、これらは別
々の装置として設置されていても良い。
【0054】図7の使用形態例では、標準パターンの新
規登録,変更あるいは更新,話者認識を行なうために、
利用者は、利用者の家庭や会社等に設置されている端末
31を操作することによって、例えば銀行の窓口などに
設置されている話者認識装置ユニット32に対し、標準
パターンの新規登録操作,話者認識操作,標準パターン
の変更あるいは更新操作を、上述したと同様にして行な
うことができる。但し、図7の使用形態例では、登録モ
ードにするか認識モードにするかの切替指示は、例え
ば、端末の指定手段2から与えることができ、端末の指
定手段2から登録モードにするか認識モードにするかの
指示が通信手段33を介して伝送されるとき、話者認識
装置ユニット32側では、この指示に応じて、切替部8
の切替制御を行なうようになっている。また、この話者
認識装置ユニット32に、標準パターンの自動更新機能
が備わっているときには、利用者は、標準パターンの変
更あるいは更新操作を行なうことなく、標準パターンは
自動更新される。
【0055】このようにして、標準パターンの変更ある
いは更新を行なうための一連の操作が利用者によってな
されるとき、あるいは、標準パターンの自動更新がなさ
れるとき、標準パターンの変更あるいは更新が実際にな
されるに先立って、話者認識装置ユニット32のアクセ
ス部13は、いま変更あるいは更新がなされようとして
いる標準パターン(例えば利用者Dの標準パターン)に対
応した利用者D用のアクセス情報(電話番号)を、例え
ば、指定手段2から入力された指定情報に基づいて、ア
クセス情報記憶部12から読出し、この利用者Dのアク
セス情報(電話番号)によって利用者Dのアクセス受動部
14を呼出し、例えば、「標準パターンの変更あるいは
更新を行ないますか」などの音声ガイドを流し、アクセ
ス受動部14の受話器から利用者Dに与える。利用者D
が、これに応答して、アクセス受動部14の送話器から
例えば「変更あるいは更新する」旨のメッセージを発声
するとき、あるいは、「変更あるいは更新する」旨をア
クセス受動部14の所定の機能キー,例えば“*”で通
知するとき、アクセス部13はこれを受信して、登録部
6に標準パターンの変更あるいは更新の許可通知を与え
る。
【0056】これに対し、利用者Dが、アクセス受動部
14から例えば「変更あるいは更新してはならない」旨
のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更あるい
は更新してはならない」旨をアクセス受動部14の所定
の機能キー,例えば“#”などで通知するとき、アクセ
ス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの
変更あるいは更新の禁止通知を与える。
【0057】これにより、図5,図6の使用形態例と同
様に、利用者Dの確認(許可)がなければ、標準パターン
の変更,更新がなされないので、悪意のある他人によっ
て標準パターンが変更,更新されてしまうという事態が
生ずるのを、有効に防止することができる。
【0058】また、図8の使用形態例は、図7の使用形
態例において、アクセス受動部14が例えばオペレーシ
ョンセンタ80に設置されたものとなっており、この場
合の操作,動作については、図6の使用形態例とほぼ同
様になされる。
【0059】また、例えば図7(あるいは図8)の使用形
態例において、音声入力手段1,指定手段2,アクセス
受動部14を例えば、図9に示すように、1つの電話装
置(あるいはパソコン通信装置)35として共用すること
もできる。すなわち、この電話装置(あるいはパソコン
通信装置)35としては、利用者の家庭や会社等にある
既存のもの(例えばプッシュホン電話器)を用いることが
でき、この場合、電話装置35のハンドセットの送話器
を音声入力手段1として用い、また、ハンドセットの受
話器をアクセス受動部14において例えば音声ガイドの
受信部として用い、また、電話装置35の操作部(テン
キー部)を指定手段2として用いることができる。ま
た、アクセス受動部14において、確認の発信を例えば
音声メッセージで行なうようになっている場合、上記ハ
ンドセットの送話器をアクセス受動部14の確認発信部
として用いることができ、また、アクセス受動部14に
おいて確認の発信を例えば機能キー“*”,“#”で行
なうようになっている場合、電話装置35の操作部(テ
ンキー部)をアクセス受動部14の確認発信部としても
用いることができる。
【0060】このように、例えば図7の使用形態例にお
いて、音声入力手段1,指定手段2,アクセス受動部1
4は、1つの電話装置(あるいはパソコン通信装置)35
で実現することが可能であり、この場合、利用者は、別
途、話者認識用の装置(音声入力手段1,指定手段2)を
用意せずに済む。
【0061】なお、音声入力手段1,アクセス受動部1
4をこのように1つの電話装置(あるいはパソコン通信
装置)35で実現する場合、利用者が自己の標準パター
ンの変更あるいは更新を行なうときには、この電話装置
35のハンドセットが持ち上げられ、この電話装置35
は、通話状態となっていることから、変更あるいは更新
の確認を行なうためアクセス部13がアクセス受動部1
4をアクセスするとき、利用者が正規の利用者(話者本
人)である場合には、利用者先のアクセス受動部すなわ
ち電話装置35は、通話中となっている。
【0062】このことに着目し、アクセス部13がアク
セス受動部14をアクセスしたときに通話中である場合
に、いま変更あるいは更新している利用者が正規の話者
本人であると判定し、確認を行なうこともできる。
【0063】図10はこのような機能を備えた話者認識
システムの構成例を示す図であり、図10の構成例で
は、アクセス部13がアクセス受動部14をアクセス
(電話呼出し)したときの信号トーンが通話中か呼出しか
を判定するトーン判定部40と、トーン判定部40によ
り信号トーンが呼出しであると判定したときに、呼出し
の信号トーンの長さを所定時間計時するトーン長さ測定
部41とが、さらに設けられている。
【0064】このような構成では、アクセス部13から
アクセス受動部(電話)14を呼び出すとき、トーン判定
部40では、その信号トーンが話中であるか否かを判定
する。この結果、話中の場合は、その電話の利用者が、
いま変更あるいは更新を行なうためにその電話を利用し
ていると判断する。すなわち、いま変更あるいは更新し
ようとしている利用者が正規の話者本人であると判断
し、トーン判定部40からは、変更あるいは更新の許可
通知が出され、これが例えば登録部6に通知され、これ
により、登録部は、標準パターンの更新を行なう。一
方、トーン判定部40の判定の結果、信号トーンが呼出
しの場合は、トーン長さ測定部41によって呼出しを所
定時間続ける。この呼出しによって、利用者が出た場合
は、この利用者に対して、確認のためのガイド等を与
え、これにより、利用者から変更あるいは更新する旨の
確認通知が得られたとき、変更あるいは更新の許可通知
が出される。また、呼出しを所定時間行なっても利用者
が出ないときは変更あるいは更新動作を禁止し、処理を
終了する。
【0065】また、図7,図8の構成例では、アクセス
部13,アクセス受動部14が設けられているが、図1
1に示すように、これらを設けずに、確認手段11を実
現することも可能である。
【0066】すなわち、図11の構成例では、標準パタ
ーンの変更あるいは更新を行なうために、利用者が自己
の端末(例えば電話装置あるいはパソコン通信装置)によ
って、例えば銀行等に設置されている話者認識装置ユニ
ットをアクセスするのに必要な電話番号を入力し(例え
ば指定手段2から入力し)、この電話番号が自己の端末
からデジタル信号で送出されるとき、銀行等に設置され
ている話者認識装置ユニットでは、利用者端末からデジ
タル信号で送出された電話番号を例えば表示するように
構成することもできる。
【0067】この場合、銀行等に設置されている話者認
識装置ユニットをアクセスした後、利用者は、端末の指
定手段2から指定情報を入力し、また、音声入力手段1
から音声を発声して、標準パターンを変更あるいは更新
しようとするが、この時点で、話者認識装置ユニット側
のオペレータ(例えば銀行等の係員)は、上記のように表
示されている電話番号と上記のように入力された指定情
報に対応させてアクセス情報記憶部12に予め登録され
ている正規の利用者の電話番号とを照合し、この結果、
一致したときには、いま変更あるいは更新しようとして
いる利用者が正規の利用者であると確認し、変更あるい
は更新を許可する。これに対し、一致しないときには、
いま変更あるいは更新しようとしている利用者が正規の
利用者ではないと判断し、変更あるいは更新を許可しな
い。
【0068】このように、銀行等の話者認識装置ユニッ
トから利用者のアクセス受動部14にアクセスせずと
も、確認を行なうことも可能である。
【0069】上述の各構成例によって、正規の利用者の
知らない間に、他人が標準パターンを書き換えてしま
い、正規の利用者が使えなくなったり、悪意をもった他
人によって正規の話者本人用の情報が盗用されてしまう
といった問題を防止することができるが、さらに、この
他人が誰であったかが履歴として残れば、より都合良
い。話者認識(いまの例では、話者照合)を行なうための
音声特徴パターンには、更新した者の声の情報が含まれ
ていることからこれを履歴として保存することもできる
が、通常、音声特徴パターンは、元の音声信号に対し、
データ量が圧縮されているため、これに基づいて誰であ
るかを判定することは難かしい。
【0070】そこで、確認手段11による確認の結果、
話者認識用情報の更新の許可が得られなかった場合、現
話者の音声標準パターンではなく、現話者の元の音声を
再生可能に保存するようにするのが良い。
【0071】図12は現話者の音声を再生可能に保存す
る機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図であ
る。図12を参照すると、この話者認識システムでは、
話者認識用情報の変更あるいは更新時に、音声入力手段
1から入力された音声信号あるいは、音声区間検出後の
音声信号(音声区間内の音声信号)を再生可能に記憶する
音声記憶手段(メモリ)50がさらに設けられており、確
認手段11において、現話者が正規の話者本人であると
確認されたときには、この音声記憶手段50に記憶され
た音声信号を例えば確認手段11からの制御によって消
去する一方、現話者が正規の話者本人ではないと判断さ
れたときには、この音声記憶手段50に記憶された音声
信号を履歴として保存するようになっている。
【0072】このような構成の話者認識システムでは、
利用者が変更あるいは更新の一連の操作(指定情報の入
力,音声入力)を行なうとき、音声入力手段1からの入
力音声信号は、音声記憶手段50に記憶される。しかる
後、確認手段11によって前述したような種々の仕方で
現話者が正規の話者本人であるか否かを確認し、正規の
話者本人でないと判断されたときには、音声記憶手段5
0にいま記憶された音声信号を履歴とて保存し、この音
声を後で再生することで、誰が本人になりすまして利用
しようとしたかを割り出すことができる。
【0073】なお、この構成例において、音声入力手段
1から音声信号を音声記憶手段50に直接記憶させても
良いが、音声記憶手段50の容量を節約する場合には、
音声区間検出後の音声信号(音声区間内の音声信号)を記
憶させるのが良い。また、記憶すべき音声信号として、
PCMにするか、ADPCMを使うか、帯域をどの程度
まで残すかによって、音声のデータの量が決まるが、音
声記憶手段50には、話者の音声をできるだけ良い音質
で記憶するのがよい。
【0074】また、上述の例では、標準パターンを更新
しようとしている利用者が正規の話者本人であると確認
されたときは、メモリ容量を節約するため、音声記憶手
段50に蓄積した音声信号を消去するとしたが、正規の
話者本人であることが確認されたときにも、音声記憶手
段50に蓄積した音声信号を消去せずに、そのまま残し
ておき、例えば、正規の話者本人が次に利用するとき
に、これに上書きするようにしてもよい。これにより、
装置が誤って正規の話者本人と判断したときにも、音声
記憶手段50に蓄積された音声信号に基づき、本人にか
わって誰が利用したかを割り出すことができる。
【0075】また、図12の構成例では、利用者の音声
を履歴として保存するようにしているが、利用者の映像
を履歴として残すことも可能である。すなわち、確認手
段11による確認の結果、話者認識用情報の更新の許可
が得られなかった場合、利用者の映像を保存するように
することも可能である。
【0076】図13は利用者の映像を保存する機能を備
えた話者認識システムの構成例を示す図である。図13
を参照すると、この話者認識システムでは、利用者の映
像を撮像する撮像手段(例えばカメラ)52と、撮像手段
52からの映像信号をA/D変換するA/D変換部53
と、A/D変換部53によりデジタル変換された映像信
号を記憶する映像記憶手段54とがさらに設けられてお
り、確認手段11において、現話者が正規の話者本人で
あると確認されたときには、この映像記憶手段54に記
憶された映像信号を例えば確認手段11の制御によって
消去する一方、現話者が正規の話者本人ではないと判断
されたときには、この映像記憶手段54に記憶された映
像信号を履歴として保存するようになっている。
【0077】このような構成の話者認識システムでは、
利用者が変更あるいは更新の一連の操作(指定情報の入
力,音声入力)を行なうとき、撮像手段52からの映像
信号は、映像記憶手段54に記憶される。しかる後、確
認手段11によって前述したような種々の仕方で現話者
が正規の話者本人であるか否かを確認し、正規の話者本
人でないと判断されたときには、映像記憶手段54にい
ま記憶された映像信号を履歴とて保存し、この映像を後
で再生することで、誰が本人になりすまして利用しよう
としたかを割り出すことができる。
【0078】また、上述の例では、標準パターンを更新
しようとしている利用者が正規の話者本人であると確認
されたときは、メモリ容量を節約するため、映像記憶手
段54に蓄積した映像信号を消去するとしたが、正規の
話者本人であることが確認されたときにも、映像記憶手
段54に蓄積した映像信号を消去せずに、そのまま残し
ておき、例えば、正規の話者本人が次に利用するとき
に、これに上書きするようにしてもよい。これにより、
装置が誤って正規の話者本人と判断したときにも、映像
記憶手段54に蓄積された映像信号に基づき、本人にか
わって誰が利用したかを割り出すことができる。
【0079】なお、この構成例において、撮像手段52
は動画用のものであっても、静止用のものであっても良
く、必要に応じて、映像記憶手段54に保存されている
映像を見ることによって前回の使用者の映像を見ること
ができる。
【0080】このようにして利用者の音声や映像を再生
可能に保存することで、他人が誰かを後で知ることがで
きる。なお、図12,図13の構成例では、音声あるい
は映像のいずれか一方を履歴として残すようになってい
るが、図12と図13とを組合せ、音声と映像との両方
を履歴として残すように構成することもできる。
【0081】また、他人が正規の利用者の標準パターン
を書き換えてしまう場合に、あるいは、上述のような確
認手段11を設けたにもかかわらず他人が正規の利用者
の標準パターンを書き換えてしまう場合に、正規の利用
者がこれに気付くように、使用時に、話者認識用情報を
前回、変更あるいは更新した日時を利用者に知らせるよ
うにすることもできる。
【0082】図14は話者認識用情報を前回変更あるい
は更新した日時を利用者に知らせる機能を備えた話者認
識システムの構成例を示す図である。図14を参照する
と、この話者認識システムでは、現在の日時を計時し、
現在の日時を登録部に与える計時手段(時計)56がさら
に設けられており、利用者によってその話者認識用情報
が変更あるいは更新されたときに、登録部6は、このと
きの日時を計時手段56から読取り、例えば図15に示
すように、話者認識用情報記憶部5に、変更あるいは更
新がなされた話者認識用情報とともに、そのときの日時
を記憶させるようになっている。
【0083】なお、話者認識用情報記憶部5が図15の
ような構成のものとなっている場合、話者認識用情報を
新規に登録する場合にも、これに対応させてそのときの
日時を記憶させることができ、この場合、変更あるいは
更新するときの日時は、すでに記憶されている前回(新
規登録あるいは前回の変更,更新)の日時に上書きされ
て記憶される。従って、話者認識用情報記憶部5には、
次回の変更あるいは更新を行なうまでの間、前回変更あ
るいは更新した日時が保持されており、この日時を所定
の表示装置(図示せず)に表示したり、音声合成装置(図
示せず)により音声合成出力したりすることによって、
利用者は、前回変更あるいは更新した(された)日時を知
り、これにより、前回の変更あるいは更新が自分によっ
てなされたものであるか、他人によってなされたもので
あるか確認することができる。
【0084】より具体的に、図14のシステムでは、利
用者が変更あるいは更新を行なうために、切替部8を登
録モードに切替え、指定手段2から指定情報を入力する
と、登録部は、話者認識用情報記憶部5に記憶されてい
るこの利用者の前回の更新日時を、入力された指定情報
に基づいて、話者認識用情報記憶部5から検索し、例え
ば、「前回のパターン更新は**月**日でした」とい
うように、表示装置に表示したり、音声合成装置によっ
て音声ガイドで出力させることができる。
【0085】利用者は、このようにして表示あるいは音
声出力された前回の更新日時が、前回、自分が変更ある
いは更新した日時と一致していれば、現在記憶されてい
る標準パターンが正規のものであると確認することがで
きる。これに対し、一致していなければ、現在記憶され
ている標準パターンを本人以外の誰かが書き直した可能
性があるとして、例えば責任者に問い合わせることがで
きる。さらに、必要に応じて標準パターンのメンテナン
スをすることもできる。この結果、誤って別人が標準パ
ターンを書き換えてしまっても、気付き、修復できるよ
うになる。
【0086】なお、図14の構成例では、標準パターン
の変更,更新時に、前回変更,更新した日時を表示出力
あるいは音声出力するとしたが、これのかわりに、ある
いは、これとともに、所定のメッセージ,例えば、利用
している話者の音声を保存する旨を表示出力あるいは音
声出力することも可能である。
【0087】図16は標準パターンの変更あるいは更新
を行なう際に、所定のメッセージを利用者に出力する機
能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。
図16を参照すると、この話者認識システムでは、図1
4の計時手段(時計)56のかわりに、メッセージ記憶部
58が設けられており、メッセージ記憶部に書かれたメ
ッセージを表示装置(図示せず)に表示したり、音声合成
装置(図示せず)によって音声出力するようになってい
る。
【0088】このような構成では、利用者が変更あるい
は更新の操作を開始するときに、登録部6は、メッセー
ジ記憶部58に記憶されている所定のメッセージ,例え
ば「本装置では利用者の音声を記憶し、犯罪防止に努め
ます」旨を表示出力あるいは音声出力し、利用者に提示
する。これによって、悪意をもった利用者を減らすこと
ができる。
【0089】上述の各構成例では、切替部8が登録モー
ドに切替えられて、指定手段2から正規の利用者の指定
情報が入力され、また、変更,更新用の音声が入力され
た後、正規の利用者に確認させるようにしているが、切
替部8が登録モードに切替えられて、指定手段2から正
規の利用者の指定情報が入力された時点で、この指定手
段2からの指定情報に基づき正規の利用者にアクセスし
て、変更,更新をするかを確認し、この確認がなされた
後、変更,更新用の音声を利用者に入力させるようにし
ても良い。例えば、電話で本人が標準パターンの書き換
えを希望していることを確認した後に、標準パターン更
新用の発声を促すか、あるいは、先程認識に使った音声
を記憶しておいて標準パターンを更新するようにしても
良い。
【0090】また、上述の構成例では、話者認識用情報
記憶部5とは別に、アクセス情報記憶部12が設けられ
ているが、例えば図17に示すように、アクセス情報記
憶部12の機能を話者認識用情報記憶部5にもたせるこ
ともできる。この場合には、アクセス部13は、いま変
更あるいは更新がなされようとしている標準パターン
(例えば利用者Dの標準パターン)に対応した利用者D用
のアクセス情報(電話番号)を話者認識用情報記憶部5か
ら読出して、利用者Dのアクセス受動部14を呼出すこ
とができる。
【0091】また、上述の構成例では、音声区間検出部
3の後に、特徴抽出部4が設けられているが、これのか
わりに、音声区間検出部3の前に、特徴抽出部4が設け
られていても良い。
【0092】さらに、図7,図8の構成例では、端末側
に音声区間検出部3,特徴抽出部4が設けられている
が、これらの一方あるいは両方を端末側ではなく、銀行
等に設置されている話者認識装置ユニット側に設けるこ
とも可能である。
【0093】また、図7,図8の構成例では、話者認識
装置ユニット側に話者認識部7が設けられているが、こ
れを、話者認識装置ユニット側ではなく、端末側に設け
ることも可能である。
【0094】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項9記載の発明によれば、話者認識用の情報を変更ま
たは更新するときに、正規の利用者に確認した上で話者
認識用の情報の変更または更新を行なうようになってい
るので、正規の話者本人の音声の標準パターンの更新が
他人によってなされてしまうという事態を有効に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る話者認識システムの構成例を示す
図である。
【図2】話者認識用情報記憶部の構成例を示す図であ
る。
【図3】確認手段の構成例を示す図である。
【図4】アクセス情報記憶部の構成例を示す図である。
【図5】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す
図である。
【図6】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す
図である。
【図7】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す
図である。
【図8】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す
図である。
【図9】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す
図である。
【図10】本発明に係る話者認識システムの他の構成例
を示す図である。
【図11】本発明に係る話者認識システムの他の構成例
を示す図である。
【図12】現話者の音声を再生可能に保存する機能を備
えた話者認識システムの構成例を示す図である。
【図13】利用者の映像を保存する機能を備えた話者認
識システムの構成例を示す図である。
【図14】話者認識用情報を前回変更あるいは更新した
日時を利用者に知らせる機能を備えた話者認識システム
の構成例を示す図である。
【図15】話者認識用情報記憶部の構成例を示す図であ
る。
【図16】標準パターンの変更あるいは更新を行なう際
に、所定のメッセージを利用者に出力する機能を備えた
話者認識システムの構成例を示す図である。
【図17】話者認識用情報記憶部の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 音声入力手段 2 指示手段 3 音声区間検出部 4 特徴抽出部 5 話者認識用情報記憶部 6 登録部 7 話者認識部 8 切替部 11 確認手段 12 アクセス情報記憶部 13 アクセス部 14 アクセス受動部 30 話者認識装置ユニット 31 端末 32 話者認識装置ユニット 33 通信手段 35 電話装置(あるいはパソコン通信装
置) 40 トーン判定部 41 トーン長さ測定部 50 音声記憶手段 52 撮像手段 53 A/D変換部 54 映像記憶手段 56 計時手段 58 メッセージ記憶部 80 オペレーションセンタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 話者を認識するための話者認識用情報が
    記憶される話者認識用情報記憶手段と、入力された話者
    の音声の特徴と前記話者認識用情報記憶手段に記憶され
    ている話者の音声特徴との類似度に基づき話者認識を行
    なう話者認識手段と、前記話者認識用情報記憶手段に記
    憶されている話者認識用情報を変更または更新するとき
    に、この旨を正規の利用者に確認する確認手段とを備え
    ており、正規の利用者に確認した上で話者認識用情報の
    変更または更新を行なうようになっていることを特徴と
    する話者認識システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の話者認識システムにおい
    て、前記確認手段は、正規の利用者にアクセスするため
    のアクセス情報が記憶されるアクセス情報記憶手段と、
    アクセス手段と、アクセス受動手段とを備えており、前
    記アクセス手段は、話者認識用情報を変更または更新す
    るときに、前記アクセス情報記憶手段に記憶されている
    アクセス情報に従って、アクセス受動手段をアクセスす
    るようになっており、また、前記アクセス受動手段は、
    前記アクセス手段によってアクセスされたときに、正規
    の利用者の確認をとることを特徴とする話者認識システ
    ム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の話者認識システムにおい
    て、前記アクセス情報記憶手段には、電話番号がアクセ
    ス情報として記憶されており、前記アクセス手段は、該
    電話番号に従って、アクセス受動手段をアクセスするこ
    とを特徴とする話者認識システム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の話者認識システムにおい
    て、前記アクセス手段が前記アクセス受動手段をアクセ
    スするとき、前記アクセス受動手段が通話中であるか否
    かを判定する通話判定手段をさらに有し、通話中であっ
    た場合に、話者認識用情報を更新することを特徴とする
    話者認識システム。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載の話者認識
    システムにおいて、確認の結果、正規の利用者による許
    可が得られなかった場合に、変更または更新を行なおう
    としている現話者の音声を再生可能に保存する音声記憶
    手段がさらに設けられていることを特徴とする話者認識
    システム。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載の話者認識
    システムにおいて、確認の結果、正規の利用者による許
    可が得られなかった場合に、変更または更新を行なおう
    としている現話者の映像を再生可能に保存する映像記憶
    手段がさらに設けられていることを特徴とする話者認識
    システム。
  7. 【請求項7】 話者認識システムの使用時に、話者認識
    用情報を変更または更新した前回の日時を利用者に提示
    する日時提示手段が設けられていることを特徴とする話
    者認識システム。
  8. 【請求項8】 話者認識システムを利用する話者の音声
    および/または映像を保存する旨のメッセージを利用者
    に提示することを特徴とする話者認識システム。
  9. 【請求項9】 話者認識用の情報を管理する情報管理方
    法において、話者認識用の情報を変更または更新すると
    きに、正規の利用者に確認した上で話者認識用の情報の
    変更または更新を行なうようになっていることを特徴と
    する情報管理方法。
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