JP3592415B2 - 話者認識システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、話者認識用の情報を管理する機能を備えた話者認識システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、銀行などにおいて、本人であることを確認するために、暗証番号などを利用者に入力させるようにしている。また、コンピュータでは、パスワードと称して、暗証番号と同様の暗証文字列を利用者に入力させることによって本人の確認を行なっている。しかしながら、このような暗証番号や暗証文字列などの入力による確認は、他人が、暗証番号や暗証文字列を知りさえすれば、難無く、これを盗用することができる。しかも、暗証番号や暗証文字列は、それを登録した者(本人)の生年月日や記念日、あるいは電話番号、氏名の綴りなどを利用したものが多く、他人がこれを見破ることは差程難しいことではない。
【0003】
暗証番号や暗証文字列のこのような欠点を回避するため、近年、声によって本人か否かを判定する、いわゆる話者認識が着目されている。この話者認識は、ある話者が発声した音声の特徴パターンが、予め登録されているこの話者の音声標準パターンと一致するか否かを調べることにより、本人か否かを判定(認識)するものである。すなわち、話者の音声から抽出した特徴量(特徴パターン)とこの話者の音声標準パターンとの類似度を計算し、類似度の高低によって本人か否かを判定するものであり、人間の肉体的特徴を利用するものであることから、音声は、暗証番号や暗証文字列に比べて他人がこれを真似ることは難かしく、従って、他人の盗用をより有効に防止することができる。
【0004】
ところで、話者認識の場合、標準パターン登録時の話者の音声と実際の認識時の話者の音声との間には、時間的な隔たりがあり、同じ話者の音声であっても、標準パターンの登録時と実際の認識時とで、音声の特徴が変化し、話者認識時に、本人が自分の声で音声を発しても本人ではないと判定してしまうことがある。この対策として、予め登録した標準パターンを必要に応じて適宜更新(再登録)する必要があり、従来、標準パターンの更新(再登録)を行なうための種々の仕方が提案されている。
【0005】
例えば、特開昭57−13493号には、標準パターンの更新(再登録)を行なうのに、話者認識装置を認識モードから登録モードに切替え、その都度、話者に登録用の音声を発声させるという登録操作の煩雑さを回避するため、認識時に、話者の発声した音声を同一人の音声であると装置が正しく認識したときに、そのときの音声によって標準パターンを自動的に更新(再登録)する技術が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような種々の更新手法により、標準パターンの更新処理の操作性等を向上させることができても、従来では、この標準パターンの更新時(再登録時)に、正規の話者本人ではなく、他人が正規の話者の標準パターンを更新してしまうという事態を有効に防止することはできなかった。
【0007】
すなわち、話者認識は、その精度を100%完全なものにすることは実際にはできないため、本人を別人と判定するのと同様に、別人を本人と誤って判定してしまうことがある。従って、正規の話者本人用の音声の標準パターンを他人が更新してしまうという事態が実際に生じ、この他人が悪意をもって正規の話者本人用の音声の標準パターンを更新してしまうと、この話者認識装置では、それ以降、正規の話者本人を認識できなくなったり、悪意をもった他人によって正規の話者本人用の情報等が盗用されてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、正規の話者本人の音声の標準パターンの更新が他人によってなされてしまうという事態を有効に防止することの可能な話者認識システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、話者を認識するための話者認識用情報が記憶される話者認識用情報記憶手段と、入力された話者の音声の特徴と前記話者認識用情報記憶手段に記憶されている話者の音声特徴との類似度に基づき話者認識を行なう話者認識手段と、前記話者認識用情報記憶手段に記憶されている話者認識用情報を変更または更新するときに、この旨を正規の利用者に確認する確認手段とを備えており、正規の利用者に確認した上で話者認識用情報の変更または更新を行なうようになっており、確認の結果、正規の利用者による許可が得られなかった場合に、変更または更新を行なおうとしている現話者の音声を再生可能に保存する音声記憶手段がさらに設けられていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の話者認識システムにおいて、確認手段は、正規の利用者にアクセスするためのアクセス情報が記憶されているアクセス情報記憶手段と、アクセス手段と、アクセス受動手段とを備えており、アクセス手段は、話者認識用情報を変更または更新するときに、アクセス情報記憶手段に記憶されているアクセス情報に従って、アクセス受動手段をアクセスするようになっており、また、アクセス受動手段は、アクセス手段によってアクセスされたときに、正規の利用者の確認をとることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の話者認識システムにおいて、アクセス情報記憶手段には、電話番号がアクセス情報として記憶されており、アクセス手段は、該電話番号に従って、アクセス受動手段をアクセスすることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の話者認識システムにおいて、アクセス手段がアクセス受動手段をアクセスするとき、アクセス受動手段が通話中であるか否かを判定する通話判定手段をさらに有し、通話中であった場合に、話者認識用情報を更新することを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1記載の話者認識システムにおいて、話者認識システムの使用時に、話者認識用情報を変更または更新した前回の日時を利用者に提示する日時提示手段が設けられていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、話者認識システムを利用する話者の音声および/または映像を保存する旨のメッセージを利用者に提示することを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る話者認識システムの構成例を示す図である。図1を参照すると、この話者認識システムは、例えば銀行などにおける本人の確認を話者認識により行なうためのものであって、利用者の音声を入力するための音声入力手段(例えば、マイクロフォン)1と、利用者に所定の指定情報を入力させるための指定手段(例えばキーボード)2と、音声入力手段1から入力された信号の中から話者の音声の部分のみを音声区間として検出する音声区間検出部3と、音声区間検出部3で検出した音声区間内の音声信号から特徴量(特徴パターン)を抽出する特徴抽出部4と、話者認識を行なうに先立って話者の音声の標準的な特徴量(特徴パターン)を標準パターンとして話者認識用情報記憶部5に予め登録する登録部6と、利用者(話者)の音声の特徴量(特徴パターン)と話者認識用情報記憶部5に登録されている標準パターンとを照合し、その類似度に基づいて話者認識を行なう話者認識部7と、標準パターンの登録を行なう登録モードと話者認識を行なう認識モードとの切替を行なう切替部(例えばスイッチ)8とを有している。
【0019】
ここで、特徴抽出部4は、音声信号を特徴量(特徴パターン)として、スペクトルに変換しても良いし、あるいはLPCケプストラムに変換しても良く、特徴量の種類については特に限定するものではない。なお、スペクトルに変換するためには、特徴量変換にはFFTを用い、また、LPCケプストラムに変換するためにはLPC分析などを用いるのがよい。
【0020】
また、標準パターンの登録時(登録モード時)において、登録部6は、ある話者が発声した音声に基づいて特徴抽出部4で抽出された特徴量(特徴パターン)を標準パターンとして話者認識用情報記憶部5に登録する際、図2に示すように、この話者により指定手段2から入力された指定情報(例えば、この話者の名前や生年月日,あるいはこの話者の暗証番号など)と対応付けて、標準パターンを話者認識用情報記憶部5に登録することができる。換言すれば、話者認識用情報記憶部5には、話者認識に必要な話者認識用の情報が登録されるようになっており、また、この話者認識用情報記憶部5には、複数の話者(例えば利用者A,B,C,D,…)の話者認識用情報が登録可能となっている。
【0021】
また、話者認識用情報記憶部5に登録される音声の標準パターンとしては、この話者認識システムの使用形態等に応じて、各利用者(話者)に予め言葉を発声させたものであっても良いし、各利用者ごとにそれぞれ自由に所望の言葉を発声させたものであっても良い。
【0022】
また、話者認識部7は、例えば、古井著「ディジタル音声処理」(東海出版会)などに記載されているように、現在の話者の音声の特徴パターンが話者認識用情報記憶部5に登録されている複数の話者の標準パターンのうちのどれに最も類似しているかを判定し、登録されている複数の話者のうちから1人の話者を識別する話者識別方式のものであっても良いし、話者認識用情報記憶部5に登録されている複数の話者の標準パターンから現在の話者に対応する標準パターンを取り出し、この標準パターンと現在の話者の特徴パターンとを照合し、その類似度が所定基準値(しきい値)よりも高いか低いかにより現在の話者が正規の話者本人であるか否かを判定する話者照合方式のものであっても良い。
【0023】
さらに、話者認識部7は、話者認識用情報記憶部5に登録される音声の標準パターンが各利用者(話者)に予め言葉を発声させたものである場合には、これに対応した認識を行なうものにすることができ、また、話者認識用情報記憶部5に登録される音声の標準パターンが各利用者ごとにそれぞれ自由に所望の言葉を発声させたものである場合には、これに対応した認識を行なうものにすることができる。但し、各利用者(話者)に予め決められた言葉を発声させて話者認識を行なう場合、類似の判定基準(しきい値)を各話者に対して全て一定値にすることができるが、各利用者ごとにそれぞれ所望の言葉を発声させて話者認識を行なう場合には、類似の判定基準(しきい値)を各話者ごとに相違させることもできる。
【0024】
以下では、説明の便宜上、この話者認識システムは、各利用者(話者)に予め決められた言葉(特定の言葉)を発声させるものとし、また、話者認識部7では、話者照合方式の話者認識がなされるとする。なお、話者認識部7において、話者照合方式の話者認識がなされる場合、この話者認識時に、利用者(話者)は、指定手段2から登録モード時に入力した指定情報と同じ指定情報を入力する必要がある。これにより、話者認識部7では、話者認識用情報記憶部5に登録されている複数の話者の標準パターンのうちから現在の話者に対応する標準パターンを取り出すことができ、この標準パターンと現在の話者の音声の特徴パターンとの照合を行なうことができる。
【0025】
このような構成の話者認識システムを利用者(例えばD)が始めて利用する場合、この利用者(話者)Dは、先ず、自己の音声を標準パターンとして登録する必要がある。このため、この利用者Dは、切替部(例えばスイッチ)8を操作して、特徴抽出部4を登録部6に接続し、登録モードに設定する。
【0026】
次いで、利用者(話者)Dは、指定手段2から所定の指定情報,例えば(利用者D)を入力する。また、この際、利用者は、予め決められた特定の言葉を発声する。この音声は、音声入力手段1から入力し、音声区間検出部3,特徴抽出部4により、特徴量(特徴パターン)に変換され、この話者の音声の標準パターンとして、登録部6に与えられる。
【0027】
これにより、登録部6は、この利用者(話者)Dの音声の標準パターンを指定手段2から入力された指定情報と対応付けて、話者認識用情報記憶部5に登録する。例えば過去に、この話者認識用情報記憶部5に複数の利用者(異なる利用者)A,B,Cが自己の音声を標準パターンとして登録しており、現在の利用者Dが上記のように自己の音声を標準パターンとして登録するとき、この標準パターンは、話者認識用情報記憶部5に図2に示すように記憶(登録)される。
【0028】
このようにして、この音声の標準パターンが話者認識用情報記憶部5に記憶されると、利用者Dは、この話者認識システムにより、利用者Dについての話者認識を行なわせることができる。すなわち、この利用者Dは、このシステムを用いて、いま利用している利用者が利用者D本人であるか否かの判定を行なわせることができる。
【0029】
具体的に、利用者Dが以後、このシステムを利用する場合、利用者Dは、切替部8を操作して、特徴抽出部4を話者認識部7に接続し、このシステムを認識モードに設定する。
【0030】
次いで、利用者Dは、指定手段2から所定の指定情報,例えば(利用者D)を入力する。また、この際、利用者Dは、予め決められた特定の言葉を発声する。この音声は、音声入力手段1から入力し、音声区間検出部3,特徴抽出部4により、特徴量(特徴パターン)に変換されて、話者認識部7に与えられる。
【0031】
これにより、話者認識部7は、指定手段2から入力された指定情報(利用者D)に対応させて登録されている標準パターンを話者認識用情報記憶部5から取り出し、この標準パターンと特徴抽出部4からの特徴パターンとを照合して、その類似度を算出し、この類似度が所定基準値よりも高いか低いかを判定する。この結果、類似度が低いと判定されたときには、利用者が正規の話者本人Dではないと判別し、この利用者による利用を拒絶する。これに対し、類似度が高いと判定されたときには、利用者が正規の話者本人Dであると判別し、利用者による利用を許可する。すなわち、利用者によるアプリケーション(例えば入出金,残高照会などの処理)の利用を許可する。
【0032】
ところで、このような話者認識システムにおいては、前述したように、同じ利用者(話者)の音声であっても、標準パターンの登録時(登録モード時)と実際の認識時(認識モード時)とで音声の特徴が変化し、本人ではないとの誤った判定がなされてしまうのを回避するため、さらに、話者認識用情報記憶部5に登録されている標準パターンなどの話者認識用情報を変更あるいは更新する機能,すなわち、再登録する機能を有している。
【0033】
すなわち、図1の話者認識システムにおいて、例えば利用者Dがすでに登録されている自己の標準パターンを変更あるいは更新したい場合、この利用者Dは、切替部(例えばスイッチ)8を操作して、特徴抽出部4を登録部6に接続し、登録モードに設定する。
【0034】
次いで、利用者(話者)Dは、指定手段2から所定の指定情報,例えば(利用者D)を入力する。また、この際、利用者は、予め決められた特定の言葉を発声する。この音声は、音声入力手段1から入力し、音声区間検出部3,特徴抽出部4により、特徴量(特徴パターン)に変換され、この話者の音声の標準パターンとして、登録部6に与えられる。
【0035】
これにより、登録部6は、指定手段2から入力された指定情報(利用者D)によって話者認識用情報記憶部5を検索し、この指定情報(利用者D)に対応させて記憶されている利用者Dの標準パターンを特徴抽出部4からいま与えられた標準パターンに書き換える。これによって、標準パターンの変更あるいは更新を行なうことができる。
【0036】
あるいは、このような登録操作の煩雑さを回避するため、図1の話者認識システムにおいても、前述の特開昭57−13493号に示されているのと同様に、認識モード時に、話者認識部7において利用者Dの発声した音声の特徴パターンが正規の話者本人Dであると認識されたときに、この特徴パターンを利用者Dの更新用の標準パターンとして、話者認識用情報記憶部5に記憶されている利用者Dの標準パターンを上記更新用の標準パターンに自動的に書き換える(更新する)ように構成することもできる。
【0037】
しかしながら、上記いずれの場合であっても、利用者D以外の他人,例えばEが、この利用者Dの指定情報を知得し、利用者Dの音声を真似ることによって、利用者Dになりすまして、利用者Dの標準パターンを他人Eの声で変更あるいは更新していまうという事態が生じ、利用者Dの標準パターンに対し、このような悪意の変更あるいは更新がなされると、それ以後、この悪意をもった他人Eによって正規の話者本人D用の情報等が盗用されてしまうなどの問題が生ずる。
【0038】
このような問題を解決するため、図1の話者認識システムには、さらに、標準パターンなどの話者認識用情報の変更あるいは更新がなされるときに、変更あるいは更新を行なう利用者が正規の話者本人であることを確認するための確認手段11が設けられており、この確認手段11によって、変更あるいは更新を行なう利用者が正規の話者本人であることが確認されたときに、標準パターンなどの話者認識用情報の変更あるいは更新を実際に行なうようになっている。
【0039】
図3は確認手段11の一構成例を示す図である。図3の例では、確認手段11は、正規の話者本人にアクセスするためのアクセス情報が記憶されるアクセス情報記憶部12と、標準パターンなどの話者認識用情報の変更あるいは更新がなされるときに、アクセス情報記憶部12に記憶されているアクセス情報に従って正規の話者本人に確認のためのアクセスを行なうアクセス部13と、例えば正規の話者本人によって使用され、アクセス部13から確認のためのアクセスがなされるアクセス受動部14とを有している。
【0040】
ここで、アクセス部13,アクセス受動部14としては、通信装置(例えば電話装置やパソコン通信機能をもつ端末など)を用いることができる。アクセス受動部14に通信装置(電話装置やパソコン通信機能をもつ端末など)が用いられる場合、アクセス情報記憶部12に記憶されるアクセス情報として、アクセス受動部14の電話番号(例えば正規の話者本人(利用者)の電話番号)を用いることができる。
【0041】
図4はアクセス情報記憶部12の構成例を示す図であり、図4の例では、アクセス情報記憶部12には、指定手段2から入力された指定情報と対応付けてアクセス情報が記憶されるようになっている。すなわち、この場合には、例えば、利用者Dが自己の音声の標準パターンを新規に登録する際に、指定手段2から指定情報を入力するとともに、指定手段2からアクセス情報(例えば、自己の電話番号)を入力することによって、アクセス情報記憶部12には、利用者Dの指定情報に対応させて、利用者Dのアクセス情報が登録されるようになっている。
【0042】
図5乃至図8は本発明の話者認識システムの種々の使用形態例を示す図である。図5の使用形態例は、図3の構成例において、音声入力手段1,指定手段2,音声区間検出部3,特徴抽出部4,話者認識用情報記憶部5,登録部6,話者認識部7,切替部8,アクセス情報記憶部12,アクセス部13が、例えば、話者認識装置ユニット30として銀行の窓口などに設置されており、アクセス受動部14が、利用者によって携帯される携帯電話器などであるとする。この場合、アクセス情報記憶部12には、各利用者ごとのアクセス受動部14の電話番号などがアクセス情報として予め記憶されている。
【0043】
図5の使用形態例では、標準パターンの新規登録,変更あるいは更新,話者認識を行なうために、利用者は、例えば銀行の窓口などに設置されている話者認識装置ユニット30のところに出向き、この話者認識装置ユニットによって、標準パターンの新規登録操作,話者認識操作,標準パターンの変更あるいは更新操作を、上述したようにして行なうことができる。なお、この話者認識装置ユニット30に、標準パターンの自動更新機能が備わっているときには、利用者は、標準パターンの変更あるいは更新操作を行なうことなく、標準パターンは自動更新される。
【0044】
このようにして、標準パターンの変更あるいは更新を行なうための一連の操作が利用者によってなされるとき、あるいは、標準パターンの自動更新がなされるとき、標準パターンの変更あるいは更新が実際になされるに先立って、話者認識装置ユニット30のアクセス部13は、いま変更あるいは更新がなされようとしている標準パターン(例えば利用者Dの標準パターン)に対応した利用者D用のアクセス情報(電話番号)を、例えば、指定手段2から入力された指定情報に基づいて、アクセス情報記憶部12から読出し、この利用者Dのアクセス情報(電話番号)によって利用者Dのアクセス受動部(携帯電話等)14を呼出し、例えば、「標準パターンの変更あるいは更新を行ないますか」などの音声ガイドを流し、アクセス受動部14の受話器から利用者Dに伝える。利用者Dが、これに応答して、アクセス受動部(携帯電話)14の送話器から例えば「変更あるいは更新する」旨のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更あるいは更新する」旨をアクセス受動部(携帯電話)14の所定の機能キー,例えば“*”を操作して通知するとき、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更あるいは更新の許可通知を与える。
【0045】
これに対し、利用者Dが、アクセス受動部14から例えば「変更あるいは更新してはならない」旨のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更あるいは更新してはならない」旨をアクセス受動部(携帯電話)14の所定の機能キー,例えば“#”を操作して通知するとき、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更あるいは更新の禁止通知を与える。
【0046】
これにより、利用者D以外の他人,例えばEが、利用者Dの許可なく、利用者Dの標準パターンを変更あるいは更新しようとする場合、他人Eによって、切替部8が登録モードに切替られ、利用者Dの指定情報が指定手段2から入力され、また、利用者Dの音声を真似た音声が入力されても、あるいは、他人Eによって自動更新されようとするときにも、正規の利用者Dの確認(許可)がなければ、標準パターンの変更,更新がなされないので、悪意のある他人によって標準パターンが変更,更新されてしまうという事態が生ずるのを、有効に防止することができる。
【0047】
すなわち、正規の利用者の知らない間に、他人が標準パターンを書き換えてしまい、正規の利用者が使えなくなったり、悪意をもった他人によって正規の話者本人用の情報が盗用されてしまうといった問題を防止することができる。
【0048】
また、図6の使用形態例では、図5の使用形態例において、アクセス受動部14が例えばオペレーションセンタ80に設置されたものとなっている。すなわち、図6の使用形態例では、図3の構成例において、音声入力手段1,指定手段2,音声区間検出部3,特徴抽出部4,話者認識用情報記憶部5,登録部6,話者認識部7,切替部8,アクセス情報記憶部12,アクセス部13は、図5の使用形態例と同様に、例えば話者認識装置ユニット30として銀行の窓口などに設置されているが、アクセス受動部14は、例えば電話装置としてオペレーションセンタ80の管理者によって管理され、アクセス受動部14がアクセス部13によってアクセスされたとき、オペレーションセンタ80の管理者が、別途、利用者の携帯電話などに確認のための電話などを行なうように構成されている。
【0049】
図6の使用形態例では、話者認識装置ユニット30において、例えば利用者Dの標準パターンに対する変更あるいは更新を行なうための一連の操作が利用者によってなされるとき、あるいは、利用者Dの標準パターンの自動更新がなされるとき、標準パターンの変更あるいは更新が実際になされるに先立って、話者認識装置ユニット30のアクセス部13は、オペレーションセンタ80のアクセス受動部14を呼出し、例えば、「標準パターンの変更あるいは更新が行なわれます。利用者Dに確認をとって下さい」などの音声ガイドを流し、アクセス受動部14の受話器からオペレーションセンタ80の管理者に伝える。これにより、オペレーションセンタ80の管理者は、利用者Dに例えば電話連絡し、利用者Dの承諾が得られると、管理者は、アクセス受動部14の送話器から例えば「変更あるいは更新する」旨のメッセージを発声する。あるいは、「変更あるいは更新する」旨をアクセス受動部(携帯電話)14の所定の機能キー,例えば“*”で通知する。これにより、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更あるいは更新の許可通知を与える。
【0050】
これに対し、利用者Dの承諾が得られない場合には、オペレーションセンタ80の管理者は、アクセス受動部14の送話器から例えば「変更あるいは更新してはならない」旨のメッセージを発声する。あるいは、「変更あるいは更新してはならない」旨をアクセス受動部14の所定の機能キー,例えば“#”で通知する。これにより、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更あるいは更新の禁止通知を与える。
【0051】
これにより、図5の使用形態例と同様に、利用者Dの確認(許可)がなければ、標準パターンの変更,更新がなされないので、悪意のある他人によって標準パターンが変更,更新されてしまうという事態が生ずるのを、有効に防止することができる。
【0052】
また、図7の使用形態例は、図3の構成例において、例えば、音声入力手段1,指定手段2,音声区間検出部3,特徴抽出部4,アクセス受動部14が、利用者の家庭や会社等に設置されている端末31(例えばパソコンや電話装置など)で実現されており、切替部8,話者認識用情報記憶部5,登録部6,話者認識部7,アクセス情報記憶部12,アクセス部13が、例えば、銀行の窓口などに設置されている話者認識装置ユニット32で実現されている。
【0053】
この場合、アクセス情報記憶部12には、各利用者ごとのアクセス受動部14の電話番号などがアクセス情報として予め記憶されている。また、利用者側の端末31と銀行などに設置されている話者認識装置ユニット32とは、通信手段33,例えば通信回線(有線)あるいは無線によって、互いに情報の送受信がなされるようになっている。なお、図7の例では、1つの端末31が話者認識装置ユニット32に通信手段33を介して接続されている場合のみが示されているが、話者認識装置ユニット32には、1つのみならず、複数の端末を送受信可能に接続することができる。また、図7では、音声入力手段1,指定手段2,アクセス受動部14が一体のユニット(端末)として構成されているが、これらは別々の装置として設置されていても良い。
【0054】
図7の使用形態例では、標準パターンの新規登録,変更あるいは更新,話者認識を行なうために、利用者は、利用者の家庭や会社等に設置されている端末31を操作することによって、例えば銀行の窓口などに設置されている話者認識装置ユニット32に対し、標準パターンの新規登録操作,話者認識操作,標準パターンの変更あるいは更新操作を、上述したと同様にして行なうことができる。但し、図7の使用形態例では、登録モードにするか認識モードにするかの切替指示は、例えば、端末の指定手段2から与えることができ、端末の指定手段2から登録モードにするか認識モードにするかの指示が通信手段33を介して伝送されるとき、話者認識装置ユニット32側では、この指示に応じて、切替部8の切替制御を行なうようになっている。また、この話者認識装置ユニット32に、標準パターンの自動更新機能が備わっているときには、利用者は、標準パターンの変更あるいは更新操作を行なうことなく、標準パターンは自動更新される。
【0055】
このようにして、標準パターンの変更あるいは更新を行なうための一連の操作が利用者によってなされるとき、あるいは、標準パターンの自動更新がなされるとき、標準パターンの変更あるいは更新が実際になされるに先立って、話者認識装置ユニット32のアクセス部13は、いま変更あるいは更新がなされようとしている標準パターン(例えば利用者Dの標準パターン)に対応した利用者D用のアクセス情報(電話番号)を、例えば、指定手段2から入力された指定情報に基づいて、アクセス情報記憶部12から読出し、この利用者Dのアクセス情報(電話番号)によって利用者Dのアクセス受動部14を呼出し、例えば、「標準パターンの変更あるいは更新を行ないますか」などの音声ガイドを流し、アクセス受動部14の受話器から利用者Dに与える。利用者Dが、これに応答して、アクセス受動部14の送話器から例えば「変更あるいは更新する」旨のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更あるいは更新する」旨をアクセス受動部14の所定の機能キー,例えば“*”で通知するとき、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更あるいは更新の許可通知を与える。
【0056】
これに対し、利用者Dが、アクセス受動部14から例えば「変更あるいは更新してはならない」旨のメッセージを発声するとき、あるいは、「変更あるいは更新してはならない」旨をアクセス受動部14の所定の機能キー,例えば“#”などで通知するとき、アクセス部13はこれを受信して、登録部6に標準パターンの変更あるいは更新の禁止通知を与える。
【0057】
これにより、図5,図6の使用形態例と同様に、利用者Dの確認(許可)がなければ、標準パターンの変更,更新がなされないので、悪意のある他人によって標準パターンが変更,更新されてしまうという事態が生ずるのを、有効に防止することができる。
【0058】
また、図8の使用形態例は、図7の使用形態例において、アクセス受動部14が例えばオペレーションセンタ80に設置されたものとなっており、この場合の操作,動作については、図6の使用形態例とほぼ同様になされる。
【0059】
また、例えば図7(あるいは図8)の使用形態例において、音声入力手段1,指定手段2,アクセス受動部14を例えば、図9に示すように、1つの電話装置(あるいはパソコン通信装置)35として共用することもできる。すなわち、この電話装置(あるいはパソコン通信装置)35としては、利用者の家庭や会社等にある既存のもの(例えばプッシュホン電話器)を用いることができ、この場合、電話装置35のハンドセットの送話器を音声入力手段1として用い、また、ハンドセットの受話器をアクセス受動部14において例えば音声ガイドの受信部として用い、また、電話装置35の操作部(テンキー部)を指定手段2として用いることができる。また、アクセス受動部14において、確認の発信を例えば音声メッセージで行なうようになっている場合、上記ハンドセットの送話器をアクセス受動部14の確認発信部として用いることができ、また、アクセス受動部14において確認の発信を例えば機能キー“*”,“#”で行なうようになっている場合、電話装置35の操作部(テンキー部)をアクセス受動部14の確認発信部としても用いることができる。
【0060】
このように、例えば図7の使用形態例において、音声入力手段1,指定手段2,アクセス受動部14は、1つの電話装置(あるいはパソコン通信装置)35で実現することが可能であり、この場合、利用者は、別途、話者認識用の装置(音声入力手段1,指定手段2)を用意せずに済む。
【0061】
なお、音声入力手段1,アクセス受動部14をこのように1つの電話装置(あるいはパソコン通信装置)35で実現する場合、利用者が自己の標準パターンの変更あるいは更新を行なうときには、この電話装置35のハンドセットが持ち上げられ、この電話装置35は、通話状態となっていることから、変更あるいは更新の確認を行なうためアクセス部13がアクセス受動部14をアクセスするとき、利用者が正規の利用者(話者本人)である場合には、利用者先のアクセス受動部すなわち電話装置35は、通話中となっている。
【0062】
このことに着目し、アクセス部13がアクセス受動部14をアクセスしたときに通話中である場合に、いま変更あるいは更新している利用者が正規の話者本人であると判定し、確認を行なうこともできる。
【0063】
図10はこのような機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図であり、図10の構成例では、アクセス部13がアクセス受動部14をアクセス(電話呼出し)したときの信号トーンが通話中か呼出しかを判定するトーン判定部40と、トーン判定部40により信号トーンが呼出しであると判定したときに、呼出しの信号トーンの長さを所定時間計時するトーン長さ測定部41とが、さらに設けられている。
【0064】
このような構成では、アクセス部13からアクセス受動部(電話)14を呼び出すとき、トーン判定部40では、その信号トーンが話中であるか否かを判定する。この結果、話中の場合は、その電話の利用者が、いま変更あるいは更新を行なうためにその電話を利用していると判断する。すなわち、いま変更あるいは更新しようとしている利用者が正規の話者本人であると判断し、トーン判定部40からは、変更あるいは更新の許可通知が出され、これが例えば登録部6に通知され、これにより、登録部は、標準パターンの更新を行なう。一方、トーン判定部40の判定の結果、信号トーンが呼出しの場合は、トーン長さ測定部41によって呼出しを所定時間続ける。この呼出しによって、利用者が出た場合は、この利用者に対して、確認のためのガイド等を与え、これにより、利用者から変更あるいは更新する旨の確認通知が得られたとき、変更あるいは更新の許可通知が出される。また、呼出しを所定時間行なっても利用者が出ないときは変更あるいは更新動作を禁止し、処理を終了する。
【0065】
また、図7,図8の構成例では、アクセス部13,アクセス受動部14が設けられているが、図11に示すように、これらを設けずに、確認手段11を実現することも可能である。
【0066】
すなわち、図11の構成例では、標準パターンの変更あるいは更新を行なうために、利用者が自己の端末(例えば電話装置あるいはパソコン通信装置)によって、例えば銀行等に設置されている話者認識装置ユニットをアクセスするのに必要な電話番号を入力し(例えば指定手段2から入力し)、この電話番号が自己の端末からデジタル信号で送出されるとき、銀行等に設置されている話者認識装置ユニットでは、利用者端末からデジタル信号で送出された電話番号を例えば表示するように構成することもできる。
【0067】
この場合、銀行等に設置されている話者認識装置ユニットをアクセスした後、利用者は、端末の指定手段2から指定情報を入力し、また、音声入力手段1から音声を発声して、標準パターンを変更あるいは更新しようとするが、この時点で、話者認識装置ユニット側のオペレータ(例えば銀行等の係員)は、上記のように表示されている電話番号と上記のように入力された指定情報に対応させてアクセス情報記憶部12に予め登録されている正規の利用者の電話番号とを照合し、この結果、一致したときには、いま変更あるいは更新しようとしている利用者が正規の利用者であると確認し、変更あるいは更新を許可する。これに対し、一致しないときには、いま変更あるいは更新しようとしている利用者が正規の利用者ではないと判断し、変更あるいは更新を許可しない。
【0068】
このように、銀行等の話者認識装置ユニットから利用者のアクセス受動部14にアクセスせずとも、確認を行なうことも可能である。
【0069】
上述の各構成例によって、正規の利用者の知らない間に、他人が標準パターンを書き換えてしまい、正規の利用者が使えなくなったり、悪意をもった他人によって正規の話者本人用の情報が盗用されてしまうといった問題を防止することができるが、さらに、この他人が誰であったかが履歴として残れば、より都合良い。話者認識(いまの例では、話者照合)を行なうための音声特徴パターンには、更新した者の声の情報が含まれていることからこれを履歴として保存することもできるが、通常、音声特徴パターンは、元の音声信号に対し、データ量が圧縮されているため、これに基づいて誰であるかを判定することは難かしい。
【0070】
そこで、確認手段11による確認の結果、話者認識用情報の更新の許可が得られなかった場合、現話者の音声標準パターンではなく、現話者の元の音声を再生可能に保存するようにするのが良い。
【0071】
図12は現話者の音声を再生可能に保存する機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。図12を参照すると、この話者認識システムでは、話者認識用情報の変更あるいは更新時に、音声入力手段1から入力された音声信号あるいは、音声区間検出後の音声信号(音声区間内の音声信号)を再生可能に記憶する音声記憶手段(メモリ)50がさらに設けられており、確認手段11において、現話者が正規の話者本人であると確認されたときには、この音声記憶手段50に記憶された音声信号を例えば確認手段11からの制御によって消去する一方、現話者が正規の話者本人ではないと判断されたときには、この音声記憶手段50に記憶された音声信号を履歴として保存するようになっている。
【0072】
このような構成の話者認識システムでは、利用者が変更あるいは更新の一連の操作(指定情報の入力,音声入力)を行なうとき、音声入力手段1からの入力音声信号は、音声記憶手段50に記憶される。しかる後、確認手段11によって前述したような種々の仕方で現話者が正規の話者本人であるか否かを確認し、正規の話者本人でないと判断されたときには、音声記憶手段50にいま記憶された音声信号を履歴として保存し、この音声を後で再生することで、誰が本人になりすまして利用しようとしたかを割り出すことができる。
【0073】
なお、この構成例において、音声入力手段1から音声信号を音声記憶手段50に直接記憶させても良いが、音声記憶手段50の容量を節約する場合には、音声区間検出後の音声信号(音声区間内の音声信号)を記憶させるのが良い。また、記憶すべき音声信号として、PCMにするか、ADPCMを使うか、帯域をどの程度まで残すかによって、音声のデータの量が決まるが、音声記憶手段50には、話者の音声をできるだけ良い音質で記憶するのがよい。
【0074】
また、上述の例では、標準パターンを更新しようとしている利用者が正規の話者本人であると確認されたときは、メモリ容量を節約するため、音声記憶手段50に蓄積した音声信号を消去するとしたが、正規の話者本人であることが確認されたときにも、音声記憶手段50に蓄積した音声信号を消去せずに、そのまま残しておき、例えば、正規の話者本人が次に利用するときに、これに上書きするようにしてもよい。これにより、装置が誤って正規の話者本人と判断したときにも、音声記憶手段50に蓄積された音声信号に基づき、本人にかわって誰が利用したかを割り出すことができる。
【0075】
また、図12の構成例では、利用者の音声を履歴として保存するようにしているが、利用者の映像を履歴として残すことも可能である。すなわち、確認手段11による確認の結果、話者認識用情報の更新の許可が得られなかった場合、利用者の映像を保存するようにすることも可能である。
【0076】
図13は利用者の映像を保存する機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。図13を参照すると、この話者認識システムでは、利用者の映像を撮像する撮像手段(例えばカメラ)52と、撮像手段52からの映像信号をA/D変換するA/D変換部53と、A/D変換部53によりデジタル変換された映像信号を記憶する映像記憶手段54とがさらに設けられており、確認手段11において、現話者が正規の話者本人であると確認されたときには、この映像記憶手段54に記憶された映像信号を例えば確認手段11の制御によって消去する一方、現話者が正規の話者本人ではないと判断されたときには、この映像記憶手段54に記憶された映像信号を履歴として保存するようになっている。
【0077】
このような構成の話者認識システムでは、利用者が変更あるいは更新の一連の操作(指定情報の入力,音声入力)を行なうとき、撮像手段52からの映像信号は、映像記憶手段54に記憶される。しかる後、確認手段11によって前述したような種々の仕方で現話者が正規の話者本人であるか否かを確認し、正規の話者本人でないと判断されたときには、映像記憶手段54にいま記憶された映像信号を履歴とて保存し、この映像を後で再生することで、誰が本人になりすまして利用しようとしたかを割り出すことができる。
【0078】
また、上述の例では、標準パターンを更新しようとしている利用者が正規の話者本人であると確認されたときは、メモリ容量を節約するため、映像記憶手段54に蓄積した映像信号を消去するとしたが、正規の話者本人であることが確認されたときにも、映像記憶手段54に蓄積した映像信号を消去せずに、そのまま残しておき、例えば、正規の話者本人が次に利用するときに、これに上書きするようにしてもよい。これにより、装置が誤って正規の話者本人と判断したときにも、映像記憶手段54に蓄積された映像信号に基づき、本人にかわって誰が利用したかを割り出すことができる。
【0079】
なお、この構成例において、撮像手段52は動画用のものであっても、静止用のものであっても良く、必要に応じて、映像記憶手段54に保存されている映像を見ることによって前回の使用者の映像を見ることができる。
【0080】
このようにして利用者の音声や映像を再生可能に保存することで、他人が誰かを後で知ることができる。なお、図12,図13の構成例では、音声あるいは映像のいずれか一方を履歴として残すようになっているが、図12と図13とを組合せ、音声と映像との両方を履歴として残すように構成することもできる。
【0081】
また、他人が正規の利用者の標準パターンを書き換えてしまう場合に、あるいは、上述のような確認手段11を設けたにもかかわらず他人が正規の利用者の標準パターンを書き換えてしまう場合に、正規の利用者がこれに気付くように、使用時に、話者認識用情報を前回、変更あるいは更新した日時を利用者に知らせるようにすることもできる。
【0082】
図14は話者認識用情報を前回変更あるいは更新した日時を利用者に知らせる機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。図14を参照すると、この話者認識システムでは、現在の日時を計時し、現在の日時を登録部に与える計時手段(時計)56がさらに設けられており、利用者によってその話者認識用情報が変更あるいは更新されたときに、登録部6は、このときの日時を計時手段56から読取り、例えば図15に示すように、話者認識用情報記憶部5に、変更あるいは更新がなされた話者認識用情報とともに、そのときの日時を記憶させるようになっている。
【0083】
なお、話者認識用情報記憶部5が図15のような構成のものとなっている場合、話者認識用情報を新規に登録する場合にも、これに対応させてそのときの日時を記憶させることができ、この場合、変更あるいは更新するときの日時は、すでに記憶されている前回(新規登録あるいは前回の変更,更新)の日時に上書きされて記憶される。従って、話者認識用情報記憶部5には、次回の変更あるいは更新を行なうまでの間、前回変更あるいは更新した日時が保持されており、この日時を所定の表示装置(図示せず)に表示したり、音声合成装置(図示せず)により音声合成出力したりすることによって、利用者は、前回変更あるいは更新した(された)日時を知り、これにより、前回の変更あるいは更新が自分によってなされたものであるか、他人によってなされたものであるか確認することができる。
【0084】
より具体的に、図14のシステムでは、利用者が変更あるいは更新を行なうために、切替部8を登録モードに切替え、指定手段2から指定情報を入力すると、登録部は、話者認識用情報記憶部5に記憶されているこの利用者の前回の更新日時を、入力された指定情報に基づいて、話者認識用情報記憶部5から検索し、例えば、「前回のパターン更新は**月**日でした」というように、表示装置に表示したり、音声合成装置によって音声ガイドで出力させることができる。
【0085】
利用者は、このようにして表示あるいは音声出力された前回の更新日時が、前回、自分が変更あるいは更新した日時と一致していれば、現在記憶されている標準パターンが正規のものであると確認することができる。これに対し、一致していなければ、現在記憶されている標準パターンを本人以外の誰かが書き直した可能性があるとして、例えば責任者に問い合わせることができる。さらに、必要に応じて標準パターンのメンテナンスをすることもできる。この結果、誤って別人が標準パターンを書き換えてしまっても、気付き、修復できるようになる。
【0086】
なお、図14の構成例では、標準パターンの変更,更新時に、前回変更,更新した日時を表示出力あるいは音声出力するとしたが、これのかわりに、あるいは、これとともに、所定のメッセージ,例えば、利用している話者の音声を保存する旨を表示出力あるいは音声出力することも可能である。
【0087】
図16は標準パターンの変更あるいは更新を行なう際に、所定のメッセージを利用者に出力する機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。図16を参照すると、この話者認識システムでは、図14の計時手段(時計)56のかわりに、メッセージ記憶部58が設けられており、メッセージ記憶部に書かれたメッセージを表示装置(図示せず)に表示したり、音声合成装置(図示せず)によって音声出力するようになっている。
【0088】
このような構成では、利用者が変更あるいは更新の操作を開始するときに、登録部6は、メッセージ記憶部58に記憶されている所定のメッセージ,例えば「本装置では利用者の音声を記憶し、犯罪防止に努めます」旨を表示出力あるいは音声出力し、利用者に提示する。これによって、悪意をもった利用者を減らすことができる。
【0089】
上述の各構成例では、切替部8が登録モードに切替えられて、指定手段2から正規の利用者の指定情報が入力され、また、変更,更新用の音声が入力された後、正規の利用者に確認させるようにしているが、切替部8が登録モードに切替えられて、指定手段2から正規の利用者の指定情報が入力された時点で、この指定手段2からの指定情報に基づき正規の利用者にアクセスして、変更,更新をするかを確認し、この確認がなされた後、変更,更新用の音声を利用者に入力させるようにしても良い。例えば、電話で本人が標準パターンの書き換えを希望していることを確認した後に、標準パターン更新用の発声を促すか、あるいは、先程認識に使った音声を記憶しておいて標準パターンを更新するようにしても良い。
【0090】
また、上述の構成例では、話者認識用情報記憶部5とは別に、アクセス情報記憶部12が設けられているが、例えば図17に示すように、アクセス情報記憶部12の機能を話者認識用情報記憶部5にもたせることもできる。この場合には、アクセス部13は、いま変更あるいは更新がなされようとしている標準パターン(例えば利用者Dの標準パターン)に対応した利用者D用のアクセス情報(電話番号)を話者認識用情報記憶部5から読出して、利用者Dのアクセス受動部14を呼出すことができる。
【0091】
また、上述の構成例では、音声区間検出部3の後に、特徴抽出部4が設けられているが、これのかわりに、音声区間検出部3の前に、特徴抽出部4が設けられていても良い。
【0092】
さらに、図7,図8の構成例では、端末側に音声区間検出部3,特徴抽出部4が設けられているが、これらの一方あるいは両方を端末側ではなく、銀行等に設置されている話者認識装置ユニット側に設けることも可能である。
【0093】
また、図7,図8の構成例では、話者認識装置ユニット側に話者認識部7が設けられているが、これを、話者認識装置ユニット側ではなく、端末側に設けることも可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項5記載の発明によれば、話者認識用の情報を変更または更新するときに、正規の利用者に確認した上で話者認識用の情報の変更または更新を行なうようになっているので、正規の話者本人の音声の標準パターンの更新が他人によってなされてしまうという事態を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る話者認識システムの構成例を示す図である。
【図2】話者認識用情報記憶部の構成例を示す図である。
【図3】確認手段の構成例を示す図である。
【図4】アクセス情報記憶部の構成例を示す図である。
【図5】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す図である。
【図6】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す図である。
【図7】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す図である。
【図8】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す図である。
【図9】本発明の話者認識システムの使用形態例を示す図である。
【図10】本発明に係る話者認識システムの他の構成例を示す図である。
【図11】本発明に係る話者認識システムの他の構成例を示す図である。
【図12】現話者の音声を再生可能に保存する機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。
【図13】利用者の映像を保存する機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。
【図14】話者認識用情報を前回変更あるいは更新した日時を利用者に知らせる機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。
【図15】話者認識用情報記憶部の構成例を示す図である。
【図16】標準パターンの変更あるいは更新を行なう際に、所定のメッセージを利用者に出力する機能を備えた話者認識システムの構成例を示す図である。
【図17】話者認識用情報記憶部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 音声入力手段
2 指示手段
3 音声区間検出部
4 特徴抽出部
5 話者認識用情報記憶部
6 登録部
7 話者認識部
8 切替部
11 確認手段
12 アクセス情報記憶部
13 アクセス部
14 アクセス受動部
30 話者認識装置ユニット
31 端末
32 話者認識装置ユニット
33 通信手段
35 電話装置(あるいはパソコン通信装置)
40 トーン判定部
41 トーン長さ測定部
50 音声記憶手段
52 撮像手段
53 A/D変換部
54 映像記憶手段
56 計時手段
58 メッセージ記憶部
80 オペレーションセンタ
Claims (5)
- 話者を認識するための話者認識用情報が記憶される話者認識用情報記憶手段と、入力された話者の音声の特徴と前記話者認識用情報記憶手段に記憶されている話者の音声特徴との類似度に基づき話者認識を行なう話者認識手段と、前記話者認識用情報記憶手段に記憶されている話者認識用情報を変更または更新するときに、この旨を正規の利用者に確認する確認手段とを備えており、正規の利用者に確認した上で話者認識用情報の変更または更新を行なうようになっており、確認の結果、正規の利用者による許可が得られなかった場合に、変更または更新を行なおうとしている現話者の音声を再生可能に保存する音声記憶手段がさらに設けられていることを特徴とする話者認識システム。
- 請求項1記載の話者認識システムにおいて、前記確認手段は、正規の利用者にアクセスするためのアクセス情報が記憶されるアクセス情報記憶手段と、アクセス手段と、アクセス受動手段とを備えており、前記アクセス手段は、話者認識用情報を変更または更新するときに、前記アクセス情報記憶手段に記憶されているアクセス情報に従って、アクセス受動手段をアクセスするようになっており、また、前記アクセス受動手段は、前記アクセス手段によってアクセスされたときに、正規の利用者の確認をとることを特徴とする話者認識システム。
- 請求項2記載の話者認識システムにおいて、前記アクセス情報記憶手段には、電話番号がアクセス情報として記憶されており、前記アクセス手段は、該電話番号に従って、アクセス受動手段をアクセスすることを特徴とする話者認識システム。
- 請求項3記載の話者認識システムにおいて、前記アクセス手段が前記アクセス受動手段をアクセスするとき、前記アクセス受動手段が通話中であるか否かを判定する通話判定手段をさらに有し、通話中であった場合に、話者認識用情報を更新することを特徴とする話者認識システム。
- 請求項1記載の話者認識システムにおいて、話者認識システムの使用時に、話者認識用情報を変更または更新した前回の日時を利用者に提示する日時提示手段が設けられていることを特徴とする話者認識システム。
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